第6期地球観測推進部会(第1回) 議事録

1.日時

平成27年4月28日(火曜日)16時30分~18時30分

2.場所

中央合同庁舎4号館 共用123会議室

3.議題

  1. 部会長の選任及び部会長代理の指名について
  2. 地球観測推進部会の議事運営について
  3. 「地球観測の推進戦略」のレビューについて
  4. 全球地球観測システム(GEOSS)新10年実施計画の検討に関する最近の動きについて
  5. 第6期地球観測推進部会の活動について
  6. その他

4.出席者

委員

大垣部会長、春日部会長代理、赤松委員、岩谷委員、上田委員、沖委員、甲斐沼委員、小池委員、佐藤委員、高村委員、佃委員、中田委員、浜崎委員、箕輪委員、村岡委員、六川委員、若松委員、渡邉委員

文部科学省

田中研究開発局長(途中入場)、原環境エネルギー課長、木下環境科学技術推進官、西川地球観測推進専門官

5.議事録

出席者
【関係省庁】中島内閣府参事官

 

<委員・臨時委員の紹介と出欠状況の確認>

・部会長の選任までは木下推進官が議事を進行。
・部会長の選任、部会長代理の指名、及び運営規則の決定までの間、部会は非公開。
・配布資料について確認。
・資料1の名簿を使用し、委員及び臨時委員の紹介。
・出席委員が18名と過半数に達しており、部会は成立。

議題(1)部会長の選任及び部会長代理の指名について

科学技術・学術審議会令第6条第3項の規定に基づき、委員の互選により、大垣委員が部会長に選任され、また同第6条第5項の規定に基づき、春日委員が部会長代理に指名された。

議題(2)地球観測推進部会の議事運営について

地球観測推進部会運営規則について事務局より説明があり了承された。
以降、運営規則第4条の規定に基づき公開。

議題(3)「地球観測の推進戦略」のレビューについて

【大垣部会長】 それでは、議事を進めたいと思います。
 議題の3は、「地球観測の推進戦略」のレビューについてであります。
 本部会は、平成16年に総合科学技術会議で策定された「地球観測の推進戦略」を踏まえて、関係府省庁・機関の緊密な連携・調整の下で、地球観測の推進に関する重要事項を調査・審議するために設置されていると承知しております。また、「地球観測の推進戦略」は策定後10年が経過したことから、総合科学技術・イノベーション会議にてレビューが行われていると承知しております。今期の本部会の活動のよりどころともなりますので、まずは「地球観測の推進戦略」のレビューについて、総合科学技術・イノベーション会議事務局の内閣府政策統括官(科学技術政策・イノベーション担当)付の中島参事官より御説明いただきたいと思います。
 中島参事官、よろしくお願いいたします。
【中島参事官】 ただいま御紹介にあずかりました内閣府総合科学技術・イノベーション会議環境ワーキンググループを担当しております中島でございます。出身は環境研で、昔、大垣理事長の下で働いたこともありまして、非常にフレンドリーなこの会議を担当させていただいて光栄でございます。
 まず、このレビューの趣旨なのでございますが、当時の総合科学技術会議は「地球観測の推進戦略」というのを取りまとめておりまして、これ、もう10年以上になるのですが、参考資料2のお手元にございます資料で平成16年12月27日と書いてある資料でございます。地球観測で推進していく戦略の内容を分野別に、この目次に書いてあります地球温暖化から始まりまして、水循環ですとか生態系とか、全部で15の分野に関して、その内容に関して推進戦略を取りまとめてきたところでございます。
 この内容に関しましては、平成24年度まで毎年フォローアップを実施してまいりました。もう既にこの推進戦略の策定から10年がたっておりますので、そろそろこれを見直す時期ではないかということで、当時の総合科学技術会議が、平成24年12月の段階で見直しの検討に向けた実施状況のレビューを行うことといたしました。
 その総合科学技術会議と本地球観測推進部会というのは非常にお互いに連携を取り合って進めてまいっていたのですが、地球観測推進部会の方では、それを受けまして、平成25年に地球観測のこれまでの取組全体をまとめた「地球観測の推進戦略の見直しに向けた我が国の地球観測の取組状況についての報告」という、参考資料3にありますこの資料を昨年の8月に取りまとめました。
 また、今年秋の策定を目指して全球地球観測システム(GEOSS)の今年以降の新たな10年実施計画の策定が現在行われているところで、それに関しては参考資料4のところに中間取りまとめということで、今年1月14日段階での取りまとめの資料がございまして、これは今年の秋に策定を目指しているというふうに伺っております。
 そこで、内閣府総合科学技術・イノベーション担当は、文部科学省やその他地球観測を担当しております関係各省と連携して、今後の長期的な実施方針を策定することを昨年の8月24日の総合科学技術・イノベーション会議有識者議員懇談会の場で提案いたしました。
 このような経緯によって、環境ワーキンググループ、我々が担当しているところですが、そこが主体となって、環境ワーキングと呼ばれている会合で昨年末から4回ほどにかけましてレビューを実施して、このレビューを踏まえて文部科学省が更なる10年の実施計画を策定することになっております。これが今回のレビューに至った趣旨でございます。
 このレビューの中に、細かいところまでは説明している時間がないのでちょっと省略いたしますが、目次のところをごらんになっていただければ大体流れが書いてあるのですが、主旨が1章で書いてありまして、策定以降の10年間に対するレビューの方針というのが2章に書いてございます。
 3章のところでは、「地球観測の推進戦略」策定以降の10年間の取組に対するレビューを書いてございまして、実際にどういった観測がなされて、どういった成果が上がってきたかというようなことを中心に、衛星の画像とかも参照しながら書いてございます。
 その後の第4章のところでは、「地球観測の推進戦略」が、10年前に策定した以降の状況の変化ですとか社会状況の変化、あるいは国際的な状況の変化とかを踏まえて、どういった状況になっているかというところを書いてございます。例えば、グローバル化の進展ですとか、人類の持続可能性と福祉を脅かす事象の発生でございますとか、更にGEOSSとかデータの共用化、あとフューチャー・アースとかSDGとか、そういったことに関して書いてございます。
 その後、5章のところで結論ですが、この中で、5.1ではこの10年の成果についてまとめておりまして、三つの項目ですね、国民の安全・安心の確保、あと経済社会の発展と国民生活の質の向上、次に国際社会への貢献という観点から達成度を評価いたしました。
 さらに、5.2章のところで新たな10年に向けて克服すべき課題ということで、将来どういうことを取り組んでいかなきゃいけないかということを以下に書いてあります七つの項目に従って取りまとめてございます。
 まず、丸1といたしましては、喫緊の社会的ニーズへの対応ということで、異常気象とか極端現象による災害とか、あと最近問題となってきております生物多様性の損失への対応。
 丸2といたしましては、政策課題の解決に向けた地球観測の貢献ということで、途上国における森林の減少とか、あと劣化に由来する排出の削減(REDD+)への寄与、あと「愛知目標」の達成度の評価とか、IPBESアセスメントへの貢献などといったことを書いてございます。
 丸3では、データの活用の促進とそのための人材育成ということで、例えば個人の携帯端末を利用した新たな技術革新への対応でございますとか、また、最近言われてきておりますオープンサイエンスの動向の把握、あとDIAS等のデータ共有基盤の活用といったことに関して書いてございます。
 丸4のところでは、長期継続的な地球観測の実施といたしまして、全てモニタリングすればいいのですが、集約して、より強化していかなきゃいけないというところはどこであるかとか、あるいは新たな観測項目が必要なものがあるかどうかとか、あるいは、これからも継続していく観測項目は何かといったようなことを書いてございます。
 丸5のところでは、分野間の連携及び多様なステークホルダーの関与の促進とそれを担う人材育成について書いてございます。
 あと、丸6のところでは、科学技術外交・国際協力への地球観測の貢献といったことで、前回のときには余り対象としてなかった例えばアフリカですとか、対象地域の拡大について考慮しないといけないといったことを書いてございます。
 丸7のところで、地球観測による科学技術イノベーションの推進ということで、国際協力による観測データ取得と長期観測に向けた体制の整備でございますとか、環境技術イノベーションの達成、あと衛星データの利活用とデータ統合といったことについて書いてございます。
 最後の5.3のところで、今後の実施方針・推進体制について書いてございます。この中では、丸1といたしまして本地球観測推進部会の役割を書いてございまして、丸2のところでそれに対応した形で総合科学技術・イノベーション会議の役割について書いてございます。
 丸1の地球観測推進部会の役割でございますが、この部会では、関係府省・機関の緊密な連携・調整の下、地球観測の推進、地球観測体制の整備、あと国際的な貢献策等について、毎年の方針を策定するための総合的な推進組織と位置付けられていると認識してございます。もう「地球観測の推進戦略」、前回の策定から10年が経過して、いろんな変化がございますので、今後、地球観測の貢献がより重要になってきている現在の状況で、この部会は観測から課題解決に至る取組を総合的に俯瞰(ふかん)し、その機能を強化して柔軟に活動すべきであると提言しております。地球観測推進部会は、このレビューの5.2のところで先ほど申しました新たな10年に向けて克服すべき課題の7項目を的確に踏まえて、今後10年程度を目的とした新たな「我が国の地球観測の実施方針」を作成するということを提言したいと考えてございます。これを、これまで毎年、推進戦略の下で策定してきた実施方針に代わるものとして位置付けるということで、これまでは毎年改定してきたところでございますが、もうちょっと長い視野で見て方針を決定することにしてはどうかというようなことを提言したいと考えております。この「我が国の地球観測の実施方針」は、国内外の地球観測の動向や社会情勢の変化に対応して、中・長期的な推進への取組を示すべきであると提言したいと考えております。それで、今まで毎年一律に見直す方式を改め、動向や変化の時期を見極めて、おおむね3~5年程度を目安に地球観測部会が中心となって見直しを行うようにしてはどうかと提言しております。一方、「地球観測の推進戦略」の下でこれまでも毎年策定してきた実施計画については、この実施方針に従ってこれからも毎年、状況に合わせて策定していくようにしてはどうかと提言しております。
 また、総合科学技術・イノベーション会議の役割でございますが、総合科学技術・イノベーション会議は、必要に応じて、この実施方針と、それに基づく事業の進捗状況について、科学技術・学術審議会(地球観測推進部会)から報告を受けるとともに、ほかに文部科学省以外でも地球観測を行っている関係府省とか機関からも報告を受けて総合的な評価を行うことによって、地球観測の運用状況をフォローするということにさせていただきたいと提言しております。
 こちらからは以上でございます。
【大垣部会長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に御意見あるいは御質問がございましたらお願いしたいと思います。小池委員。
【小池委員】 ありがとうございます。非常に積極的にというか、ポジティブにこれまでの活動をまとめていただき、更にそれを進めていただくという内容で、大変有り難いと思います。お尋ねしたいのは非常に簡単なことですけど、スケジュールはどういうふうになっておりますでしょうか。
【中島参事官】 このレビューの提案のスケジュールですね。本日、この推進部会にて報告して、皆さんで御議論していただいて、コメントがあれば反映させたいと考えております。この後、その反映させた版を連休明けをめどに各省に照会をいたします。各省の意見も取り入れた形で、来月の後半辺りに総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員でありますとか常勤議員、久間議員、原山議員、あと山口科学技術政策担当大臣とレクを経まして、6月の頭に我々のところで木曜会合と言っております大臣・有識者会合という場で報告いたします。一応、本会議まで上げるという可能性もあるのですが、その前のこの有識者会合で報告すれば、その段階でいいんじゃないかということで、その段階で公開という形を一応考えております。
【小池委員】 どうもありがとうございました。
【大垣部会長】 ありがとうございました。
 ほかには御質問ございますか。よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。

議題(4)全球地球観測システム(GEOSS)新10年実施計画の検討に関する最近の動きについて

【大垣部会長】 それでは、次の議題に移りたいと思います。議題の4は、全球地球観測システム(GEOSS)新10年実施計画の検討に関する最近の動きについてであります。
 第5期の本部会では、「GEOSS新10年実施計画の検討に向けた我が国の地球観測の方針」(中間取りまとめ)というものを決定いたしましたが、本部会では、その最終報告の取りまとめを行うこととなると思います。そこで、まずは、GEOSS新10年実施計画の検討に関する最近の動きについて事務局から説明をお願いいたします。
【木下環境科学技術推進官】 それでは、資料4-1をごらんください。全球地球観測システム(GEOSS)の検討状況についてという資料でございます。
 ページをめくっていただきますと、2ページ目はGEOSSの概要について御紹介をさせていただいております。10年前に実施計画というのを策定して始まったGEOSSが何を目的にして活動しているかというのは、この2ページ目の右上の囲みのところに書いてございます。国際的な連携によって、衛星、地上、海洋観測等の地球観測や情報システムを統合して、地球全体を対象とした包括的かつ持続的な地球観測を10年間で整備すると。具体的には、災害、健康、エネルギー、気候、水、気象、生態系、農業、生物多様性の社会利益分野と呼んでおりますけれども、こういった9分野に対して、政策決定に必要な情報を創出することを目指すというものでございます。このGEOSSを推進する国際的な枠組みとして、地球観測に関する政府間会合、GEOを設立したと。これが10年前のことでございます。
 その経緯はこのページの左側に書いてございます。左側の上の持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)というところを契機に議論が始まりまして、地球観測サミットというのを2003年から2005年にかけて、アメリカ、日本、ヨーロッパで開催して、今、御紹介した実施計画というのを策定いたしました。その後、定期的に閣僚級会合を開催しながら10年間進めてきたというところでございます。
 この地球観測に関する政府間会合(GEO)の構成につきましては、2ページ目の右下の囲みのところに書いてございます。現在、メンバー国は97か国、プラス欧州委員会ということでECというのが書いてございます。そのほか参加機関ということで、国際機関だとか国際学会等が参加機関という形で参加しておりますが、それが87機関ございます。全体の共同議長は先進国2、開発途上国2の割合で構成されておりまして、アメリカ、EC、南アフリカ、中国の4か国が務めております。一般的には理事会に相当するような執行委員会というのがその下にございまして、我が国はこの執行委員会のメンバー国の一員ということで、積極的にGEOの活動にもこれまで取り組んできたところでございます。
 この10年、GEOの活動を続けてきたわけですけれども、重立った成果というのを3ページ、4ページ目以降に御紹介をさせていただいております。まず一つ目が、データを共有化していくという取組でございます。一つ目がGEOSS共通基盤の構築ということで、メンバー国参加機関が保有する地球観測データ及び情報を共有する仕組みとして、GEOSS共通基盤(GCI)というものを構築して、インターネットを通じて各国の地球観測データベースを相互接続して、ホームページから観測情報を検索できるようになっておりますと。我が国からは、データ統合・解析システム(DIAS)が接続をしておりまして、検索可能なデータ及び情報は、2013年末現在で650万件ということになっております。
 また、その動きをしっかりとしたものにするために、オープンデータ・ポリシーの推進というのを進めてまいりました。今ではオープンデータというのは一般的な言葉になっておりますけれども、それを10年前から先駆けて進めておりまして、原則、無償・無制限の地球観測データ公開を推進しております。
 そして、めくっていただきまして4ページ目は、そういう共有したデータを使ってどういう成果が出てきているかというものの御紹介です。先ほど御紹介した社会利益分野の9分野で国際協力を通じて、各国の地上及び衛星からの観測を組み合わせてモデル構築等を行うことにより、政策決定に必要な情報を創出しております。我が国では、農業であるとか気候とか水、生物多様性の分野に注力をしながら進めてきたというところです。例えば農業ですと、農作物の作況予測のデータをFAOに提供していたりとか、森林モニタリングで森林の増減の変化を定期的にモニタリングしていたり、それから、水の河川管理とか将来の予測というのをしているということでございます。
 5ページ目は、そういった情報を創出するために、どんなデータを利用しているのか、どんな観測をしているのかというものの簡単な御紹介です。災害から始まって気象までの9分野でどんなものがあるかと。人工衛星であったり、海洋観測船であったり、地上の観測ネットワークというものがこれに参画をしております。横断分野といたしましては、データ共有の仕組みとしての先ほど御紹介したDIASというのを運用しているということでございます。
 6ページ目になりますと、ジュネーブ宣言について(骨子)というのがございます。昨年の1月にGEO閣僚級会合がございまして、更にこのGEOSSの取組を10年延長するということを承認いたしました。そこで採択された宣言文の概要についてここで御紹介をさせていただいており。一つ目のGEOの継続、それからGEOの原則の再確認というのは、今申し上げたような活動というのを更に10年間続けていきましょうというものです。今回、特に特記されたのがGEOの拡大というところでございます。政策に使っていただくというのが目的としてGEOは活動しておりますので、政策決定者を含むステークホルダーを拡大して、国連機関であるとか国際プログラムを含む新たな参加者を歓迎して、そういったところと連携を深めていこうと。具体的には、途上国との連携も強化し、そして非営利機関、開発銀行、ファンディング機関、民間部門との連携というのも拡大し、強化をしていこうというのを確認いたしました。そして最後のところですが、2025年までのGEO継続に向けての準備ということで、2015年に予定されている次回の閣僚級会合です。現在、11月に予定をしておりますけれども、11月の採択を目指して、国連の持続可能な開発テーマへの貢献を考慮した2025年までの新たな10年実施計画の策定に着手するということが採択をされております。
 最後、7ページ目ですけれども、そのジュネーブ宣言を受けまして、実際に新10年実施計画検討作業部会というのを現在進めております。IPWGと呼んでおりますけれども、こちらの役割というのは、新10年実施計画、戦略計画と今呼んでおり、その案の準備と。GEOコミュニティ(参加機関、ユーザー機関)から意見を集約して、戦略計画に反映し、それをGEOの執行委員会であるとか本委員会に定期的に報告するというのが役割になっております。
 IPWGは全体で25人の委員から成っておりまして、専門家チームの方には本部会の委員でいらっしゃる小池委員、そして執筆チームの方には村岡委員に参加いただいて議論を進めているということでございます。
 現在、その目標案の具体的な議論を進めておるところです。今後の予定としては、5月24日の国際公開シンポジウム、それから5月25日、26日にIPWGの第6回会合において戦略計画が掲げるべき具体的な目標について議論を行いたいと考えております。その結果は、7月7日、8日に予定されているGEO執行委員会に提出をしたいと思っております。また、第7回会合というのはまだ未定ですけれども、そこでIPWGとしての戦略計画最終案を準備して、メンバー国の最終的なレビューを求め、11月13日の閣僚級会合で採択するということを目指しているということでございます。
 まず、資料4-1につきまして、説明は以上です。
【大垣部会長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料に関しまして、御意見、御質問ございましたらお願いしたいと思います。はい、どうぞ。
【甲斐沼委員】 済みません、細かいことで。3ページのところで、オープンデータ・ポリシーの推進というところで、以前御紹介いただいたかと思うのですが、DIASのところですが、to be connectedってここだけ書いてあるのは、ここだけまだコネクトされてないからですか。
【木下環境科学技術推進官】 失礼いたしました。古い画像を張り付けたもので、to be connectedが残っておりました。確認ミスでございます。既に接続はもう2年ほど前に済んでおります。
【大垣部会長】 図の左上の方にあるDIASの括弧書きを取ればいいわけですかね。
【木下環境科学技術推進官】 はい、そうです。
【大垣部会長】 ほかには何かございますでしょうか。
【木下環境科学技術推進官】 あと、済みません、事務局から1点、補足をさせていただきます。
 先ほど9分野というのを御紹介させていただきましたけれども、現在、それを8分野に見直そうということで議論が進んでいると報告を受けております。資料にはございませんけど、口頭で補足をさせていただきます。一つ目が生物多様性及び生態系の保全。それから、二つ目が都市の強靱(きょうじん)性。三つ目が災害への強靱(きょうじん)性。そして四つ目がエネルギー及び自然資源管理。五つ目が食料保障及び持続可能な農業。六つ目が水資源管理。七つ目が健康監視。そして八つ目がインフラストラクチャー及び輸送管理ということで提案を受けているところです。こちらに対しては、我が国からは、インフラストラクチャー及び輸送管理よりは、気候変動への適応緩和という分野の方が適切ではないかというコメントを出しているというところです。
【大垣部会長】  ありがとうございます。
 それでは、関係もしますから、次の資料に行きましょう、ほかに特になければ。
 それでは、資料4-2ですが、第5期の本部会で取りまとめた「GEOSS新10年実施計画の検討に向けた我が国の地球観測の方針」中間取りまとめについて、事務局から説明をお願いします。
【木下環境科学技術推進官】 それでは、資料4-2をごらんください。中間とりまとめ(概要)という資料でございます。
 地球観測推進部会(第5期)は、我が国の地球観測の取組に当たっての基本的な考え方を明確化するということで、今後10年程度の中・長期を見据えた実施方針を策定するために、平成27年1月に「GEOSS新10年実施計画の検討に向けた我が国の地球観測の方針」(中間取りまとめ)を策定いたしました。経緯につきましては、先ほど中島参事官より御説明があったとおりでございます。
 この中間取りまとめにどのようなことが記載されているかということでございますけれども、全文といたしましては参考資料4の方にございます。そこのポイントにつきましてこの資料4-2を用いて御説明させていただきたいと思います。
 まず一つ目、今後の地球観測の取組に当たっての基本的考え方ということで、今後の地球観測の目的とあるべき姿として、「課題解決ニーズに基づく地球観測の実施」、それから「科学的挑戦への貢献としての地球観測」、三つ目として「国際貢献としての地球観測」の観点から整理をしております。特にこの中では、ステークホルダーとの対話であるとか関係省庁・機関との連携というのが今後ますます重要になるであろうという御指摘を頂いたところです。
 それぞれ先ほどの三つの観点につきましては、この(1)から(3)の方に書かせていただいたとおりでございます。
 裏面で2ページ目でございます。1ページ目は基本的な考え方ということで、それを今後10年間の具体的な活動方針としてどう考えるのかということで、その点につきましてはこちらの2ページ目のようにまとめさせていただきました。
 「課題解決への貢献」と「観測基盤の維持・強化、イノベーション、データの利活用」、そして「GEOSSへの貢献」の観点でまとめてございますけれども、まず「課題解決への貢献」ということでございますと、丸1、「活力のある社会の実現」、丸2、「防災・減災への貢献」、丸3、「将来の環境創造への貢献」、この3点から議論を進めていくべきだろうという御指摘をまとめました。
 「活力のある社会の実現」につきましては、水資源とかエネルギー・鉱物資源、森林資源、農業資源、海洋生物資源等の資源確保・利用とか、健康等に関する課題解決のための基礎的な情報収集、それから提供というのがあるだろうと。それから、土地の利活用や保全、生活の質の向上、経済社会の活力の向上と、こういった観点を踏まえて観測を実施すべきだろうという御指摘を頂いたところです。
 丸2の「防災・減災への貢献」につきましては、地震災害、津波災害、火山災害、風水害、雪害等に関する課題解決のために、即時性の高い情報を含め、基礎的な情報を収集・提供し、災害発生の予測と被害の防止・軽減につながる恒常的な地球観測や監視を実施し、国民及び国際社会の安全・安心に貢献すべきだろうという指摘を頂きました。
 そして丸3、「環境創造への貢献」ということですと、地球温暖化や地球環境の保全等に関する課題解決のための基礎的な情報を収集・提供すると。これにより、複雑な地球環境変動の把握に貢献するとともに、将来世代にも及び得る新たな課題というのを発見又は予測して、影響を軽減するための適切な対応の検討に活用していただこうという、この3点を整理させていただきました。
 そして、(2)これらを支えるものとしては、「観測基盤の維持・強化とイノベーション、データの利活用」を掲げさせていただいております。必要十分な観測精度や観測頻度、観測網の展開・観測地点の適切な配置というのを考慮して、地球観測を長期にわたり安定的に実施していく必要があるだろうと。そして、質の高いデータを提供していくためには、安定的な資金を確保の上、観測基盤を維持し、長期にわたり安定的にデータを取得するとともに、そのための観測機器の開発を進めることも重要であるという御指摘を頂きました。
 そして最後、「GEOSSへの貢献」ということで、国際社会にどう貢献していくかという観点で書いております。その中でGEOSSについては、引き続き主導的な役割を果たしていくため、人類社会に対していかに貢献するかという観点から、課題対応型の取組と地球システムの更なる理解、現象解明への取組をバランスを持って進めていくということが重要であろうという指摘を頂いたところです。
 資料4-2につきましては以上です。
【大垣部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料4-2について、御意見、御質問等ありましたらお願いをしたいと思います。資料4-1も関連しなくはないのですけど、いかがでしょうか。大体皆さん分かっていらっしゃるからということで、よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。

議題(5)第6期地球観測推進部会の活動について

【大垣部会長】 次の議題に移りたいと思います。議題5でございますが、第6期地球観測推進部会の活動についてであります。事務局から説明をお願いいたします。
【木下環境科学技術推進官】 それでは、これまでは今までやってきたことを中心に御紹介をさせていただきましたけれども、この議題では今後につきまして御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、資料5をごらんください。地球観測推進部会における当面の議論事項ということで、この観測部会でどういったことを御議論いただきたいかということで資料を御準備させていただきました。
 それでは、まず、当面の議論事項の方から御紹介をさせていただきます。
 総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)における第5期科学技術基本計画に関する議論も踏まえつつ、我が国の新しい地球観測の方針となる実施方針というのを策定してまいりたいと思っております。また、その際には、関連機関との連携、産業への貢献の在り方など、「新実施方針」に具体に実施し、その目的を達成させるための方策の検討を併せて実施したいと考えております。具体的には、(1)、(2)で書かせていただいております。
 まず、「新実施方針」の策定に向けた検討ということで、達成目標の具体化を進めてまいりたいと考えております。検討事項ということで、まず(ア)でございますけれども、先ほど御紹介をさせていただきましたとおり、まだ本年1月に中間取りまとめを決定し、基本的な考え方を整理したのみで、今後10年間の具体的な実施方針というのは大きな方向性を設定したにとどまっております。現在の「地球観測の推進戦略」、参考資料2でお配りさせていただいておりますけれども、ここでは、分野ごとに観測のニーズと10年間の全体目標と、それから今後10年間を目処(めど)に取り組むべき課題・事項というのを明記しております。そこで、新実施方針においても、これに対応したような新しい目標であるとか、取り組むべき事項というのを議論して盛り込んでいきたいと考えております。
 具体的な進め方といたしましては、丸2です。(ア)ですが、本日の第1回の部会において担当委員を指名して、新実施方針の中間取りまとめにおいて設定をいたしました「活力のある社会の実現」、「防災・減災への貢献」、「将来の環境創造への貢献」の観点から、新たに設定する分野ごとに新しい目標案を検討して、(イ)になりますけれども、第2回の部会においてその担当委員から検討結果の報告を受け、具体的な検討を進めていきたいと思っております。
 別紙をごらんください。具体的にどういった形で進めたいと考えているのかまとめさせていただきました。先ほどの3点につきまして、専門性を有する複数の委員を担当委員として指名して、具体的な検討作業を効率的に進めてまいりたいと思っております。先にその担当委員案につきまして御紹介させていただきますと、(1)の「活力のある社会の実現」という点につきましては、赤松委員、中田委員、六川委員、渡邉委員に、それから、「防災・減災への貢献」ですと、寳委員、佃委員、浜崎委員、そして「将来の環境創造への貢献」につきましては、沖委員、甲斐沼委員、河野委員、佐藤委員に中心的にお願いをしたいと考えております。
 具体的な進め方としては、1.に戻りますけれども、(1)から(6)まで書かせていただいておりますが、ポイントは(2)のところでございまして、担当委員会で委員の間で適宜議論をしていただきながら、以下の点を取りまとめていただきたいと思っております。
 まず、新たに設定する分野ということで、解決すべき課題とか達成したい事項が何か分かるキーワードをきちっと設定していただきたいと思っています。単に水とか食料とかだけではなくて、「安定的な水資源の確保」とか「効率的な食料の生産」とか、例えばそういう皆さんが同じ概念を抱けるようなキーワードとして設定をしていただきたいと思っています。全体で3チームありますけど、ほかのチームとの重複というのは気にせずに、幅広く各チームで課題、それから分野というのを設定していただきたいと思っております。
 そして、設定した分野ごとに10年後の達成目標というのを設定していただきたいと思います。
 それを、丸3ですけれども、その10年後の達成目標を実現するための道筋というのを策定いただいて、その際には地球観測にこだわらず、広く丸2の達成目標を実現するために必要な道筋、ビジネスモデルのような話なのかもと理解をしておりますけれども、こういうのも示していただきたいと思っております。
 そして丸4ですけれども、それらを実現するために必要なことということで、どのような観測を行う必要があるのか、どのような観測イノベーション機器の開発等が要るのか、それから、長期的・継続的な観測というのは必要なのかと、似たようなニーズや観測項目をまとめて効率的な観測を行うことができないかなどについて検討いただきたいと思っております。また、データ利用条件であるとか推進体制、観測やデータの利活用に取り組むための必要な事項ということがあれば、併せて検討をお願いしたいと思っております。
 この委員の皆さんに検討いただいた結果は、事務局で一旦、5月の末に取りまとめさせていただきまして、部会長、部会長代理とも御相談させていただいた後、6月を予定しております第2回の観測部会で各担当委員の方から報告を頂きたいと思っております。
 その結果、報告を受けまして、部会全体で各観点から重複の確認であるとか不足を補って、新実施方針に盛り込むべき内容というのを整理してまいりたいと思っております。
 そして、整理された目標案を踏まえて、実施方針の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 これが別紙についての紹介です。
 ページ戻っていただきまして、1ページ目です。その達成目標の具体化と並行して議論を進めてまいりたいと思っていますのが、関連機関との連携拡大の在り方であるとか、産業・市民生活への貢献の在り方についてです。
 中間取りまとめに明記しております「課題解決への貢献」というのを実現するためには、観測シーズと社会ニーズのマッチングが不可欠であろうと考えております。観測関係者のみならず、観測結果を分析し、意思決定に利用可能な情報として観測成果を提供して、解決策を実行する者との連携体制を構築する必要があると考えております。このため、関連機関と連携をして課題解決に向けたビジネスモデルの構築を促すためにはどのようにすればよいかというのを議論してまいりたいと思います。
 (イ)につきましては、国際協力という観点です。地球規模の環境変動を初めとして、国を超えた共通問題への対応ということにつきましては、国際協力というのが必要不可欠であると考えております。GEOSSの新10年実施計画の見直しに合わせ、我が国がどのような独自性を出しながらリーダーシップを発揮していくのか議論をしたいと考えております。
 そして2ページ目、(ウ)です。米国、欧州、豪州では、観測データの公開を促進することによって、データの加工ビジネスの発展を促しているというふうに聞いております。オープンデータの議論が進む中、日本国内でも観測データをどのように扱うべきか議論がありますけれども、データ公開の在り方を含めて、この場でも議論していきたいと思っております。
 それから、(エ)です。ICT技術の発展により、市民が地球観測データを気軽に閲覧、活用できるようになっているだけではなくて、市民による観測結果を用いたビジネスというのも始まっております。例えば天気予報の「今、ここの地域に雨が降っていますよ」というのから始まって、いろいろな形で取組が進んでおります。このような活動を政府としてどのように後押ししていくことができるのかというのを議論したいと思っております。
 具体的には、丸2のところですけれども、(ア)で、新実施方針の検討に当たり、必要に応じて、有識者を部会に招いて意見聴取を行いたいと思っております。
 また、(イ)ですけれども、この意見聴取に当たっては、観測データのビジネスへの活用可能性についてヒアリングを行いたいと思います。また、関係府省における検討状況等も注視して、部会としても、国としての適切なデータのオープン化の在り方というのを検討してまいりたいと思います。国でも様々なところでこのオープンデータの議論が進んでいるということを考慮してのことです。
 そして、(ウ)といたしましては、市民による観測につきましては、観測シーズと社会とのマッチングや観測データのビジネスへの活用可能性についての検討状況を踏まえて、適時に部会で議論を進めてまいりたいと思っております。
 2.につきましては、スケジュールでございます。本日が第1回でございますけれども、第2回、第3回、第4回を6月、7月、8月の毎月開催して、そこで実施方針を固めることができればと思っております。そして、GEOSSの閣僚級会合が終わった後、第5回会議を開催いたしまして、その結果の報告であるとか、観測シーズと社会ニーズのマッチングの進め方とか、第5期科学技術計画の検討結果などを踏まえた対応を議論していければと考えております。
 そして最後、関係府省庁の連絡会です。先ほど中島参事官から御紹介ありましたように、関連府省との連携というのは重要になってくるということでございますので、この部会の前に関係府省との連絡会を開催して、関係府省の計画についてもしっかりと情報収集をして、新実施方針案の検討について情報交換を密にとってまいりたいと思っております。そして、連携をしながらこの実施方針をどう達成できるかということを議論して、この部会の議論に反映させてまいりたいと考えております。
 長くなりましたが、資料5の説明は以上です。
【大垣部会長】 はい、御苦労さまでした。ありがとうございました。
 それでは、今後の活動方針でありますので、皆様、いろんな御意見があると思いますが、最初に申し上げましたとおり、きょうは第1回でございますので、できれば委員の方全員に御発言願いたいと思います。それで、二、三分程度で自己紹介を兼ねて御発言いただきたいと思います。質問があれば、その場で事務局から答えていただくというような形をとりたいと思います。
 どなたからでも結構ですが、いかがでしょう。じゃあ、お願いします。
【小池委員】 二、三分ということで、恐らく一番長く関わらせていただいておりますので、最初に発言させていただいた方がいいかと思います。
 三つの点を申し上げたいと思いますが、最初に木下さんから地球観測の資料4-1を御説明いただきました。6期ということは10年、要するに5掛ける2で10年たって、11年目に入ったんだという、非常に感慨深いです。
 この資料4-1の中で我が国がどういう位置にいるかということを是非皆さんと共有したいと思います。それは、資料4-1の2というところの右下の四角がございますが、先進国2か国、開発途上国2か国で共同議長が運営されているという、これはこのGEOを創ったときに決めたのですが、今、新しい次期10年の中で、これは理不尽であると。これがあるが故に入れない国があると。本来、共同議長であるべきなのにという議論が起こっています。それは日本を指しているんですけれども、そういうことが起こっているということと、それから、執行委員会13か国と。これは発足時は12か国でした。ところが、任期というので、持ち回りということで、領域ごとになっているんですが、アジア、ヨーロッパとかアフリカとか、その中でアジアは持ち回りでやろうとしたときに、日本が任期になっておりなければいけなかったんですね。いろんなことを議論しましたが、これはやっぱり持ち回りでやるということを決めた以上、やるべきだと言って、日本はおりたんです。そうしたら世界から声が上がって、1か国増やそうと。日本、要するにアジアで1か国増やそうということで、執行委員会というのは増やせば増やすほどいっぱいみんな来るわけですが、マネジメントができなくなりますので、各コーカスといいますが、地域コーカスは増やさないようにコントロールしているんですね。その中でアジアは1か国増やしてというのは、要するに日本に戻ってきてもらいたいということで、その次の総会で、本会合でこれが決まりました。で、13か国になっていると。日本がこのGEOの中でどういうポジションにいるかという非常に典型的なことだと思いますので、それを御紹介させていただきました。
 二つ目は、フューチャー・アース、これ、春日先生がいらっしゃいますのであれですが、フューチャー・アースが始まって、そして先月、仙台防災枠組みが決まり、この9月にはSDGが決まると。そのためのファイナンスに関する議論がアディスアベバで7月に行われます。2015年以降の新しい枠組みが着々と議論されている中で、この地球観測の果たす役割というのは非常にいろんなところで注目されております。フューチャー・アースでもそうですし、防災の中でもそうですしSDGの中でも事務総長のゼロ・ドラフトと言われるものに色濃く表現列記されておりまして、我が国が中心となって進めているこの地球観測の枠組みを、是非こういう人類のこれからのステップに反映していきたいと思っています。これが二つ目です。
 三つ目は、先ほども出てきましたオープンデータというのが、これはロンドンのG8サミットで具体的に始まったわけですけれども、これに対してGEOは2005年できた当初からデータシェアリング・ポリシーを何とか合意しようと。で、5年掛けて2010年の北京会議で合意いたしました。そういうものがこういうオープンデータの引き金に何らかの貢献をしていると私は思います。それから、昨今、オープンサイエンスという議論が出てきて、これもデータあるいはデータを生み出すための仕組みの共有というのが求められております。こういう中で、実はせんだって、ベルモントフォーラムのE-インフラストラクチャーというCRAがあって、その提案書がちょうどまとまったところで、日本でステアリングをやったんですが、それを実施するためにデータをどういうふうにマネジメントしていくかという枠組みを提案いたしました。私自身は、先ほど来出ているDIASというシステムの開発に携わらせていただいて10年たつわけですが、これは手前みそで本当に恐縮ですけれども、国際的に比較優位の非常にすばらしいシステムができていると思います。これは文部科学省が10年掛けてずっと支援していただいたおかげであると思いますし、関連の研究グループがそれを使ってどんどん新しい知を生み出している、あるいは社会的利益を生み出しているということだと思いますが、この観測とデータを統合化していく、こういう日本のある意味で先進的な取組を是非今後とも強化していきたいと思っています。
 以上です。
【大垣部会長】 はい、ありがとうございました。ちょうどよいレビューをしていただいて、ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。どなたでも。前から委員でおられる方。甲斐沼さん、いかが?
【甲斐沼委員】 私の方は今まで、地球温暖化に関しましてどちらかというと、対象はグローバルなのですけれども、モデルだとか、それから使うデータに関しては非常にボトムアップ的な細かいところを扱ってきまして、なかなか地球観測という言葉と、このデータ、先ほど小池先生も言われたように、使えるものが非常に多くあるとは思うんですけれども、パソコンレベルの仕事をしてきた中で、非常に大量のデータというのはなかなか扱いにくい。特に今までアジアの方々中心に将来の2050年ぐらいなのですけれども、そのデータの社会に国はどうしたらいいかというようなことを今まで議論してきています。
 その中でちょっと質問も兼ねてなんですけれども、先ほど地球観測の御紹介を頂いた中で、今後の中で市民からのデータの活用だとかそういったものも非常に重要になってきているという話なのですけれども、地球観測の定義というのがちょっとまだ私の中では分かってなくて、地球観測というと、もう本当リモセンなんかで観測するというような形なのですけれども、市民の観測というと、我々が使っているデータというのは本当にそういう点データというのは非常に重要なんですけれども、点データをそれぞれ集めて、それがもう面になってグローバルになっていくというのも地球観測というイメージというか、その定義の中に含まれているのかどうかと。そうすると随分近づいてくる。
 先ほど小池先生からも言及あったのですけど、フューチャー・アースとかSDGだとか、我々の分野というか、私の方で関わっている中でもSDGについては新たなプロジェクト、いろんな各国というか、集まって、プロジェクトも始まっておりますし、そういった中で、ここで御提案になっているようなデータが利用できれば非常に有り難いなと。SDGって提案はされていて、これから定量的に分析しようというプロジェクトなのですけれども、なかなかデータがないということもありまして、ここから上がってきたデータが利用できるとすれば非常に有り難いなというふうに思っています。
【大垣部会長】 ありがとうございます。何か。
【木下環境科学技術推進官】 事務局の方から、ここで扱う地球観測の定義というところをちょっと御紹介させていただきます。参考資料2をごらんください。「地球観測の推進戦略」の3ページ目に我が国の地球観測の基本戦略というのがありまして、ここに冒頭、ここで言う「地球観測」とはというのが書いてございます。基本的にはこれを踏まえてここでは議論を進めてまいりたいと思っています。読み上げさせていただきますと、「地球環境変動の監視・検出や影響予測等の地球環境問題への対応、気象・海象の定常監視、自然災害の監視、地図作成(地理情報の整備)、資源探査・管理、地球科学的な知見の充実等を目的として、大気、海洋、陸域及び地球内部の物理・化学的性状、生態系とその機能に関する観測を行うものであって、全球を観測対象とするもの、又は地域を観測対象とするが全球の現象に密接に関係するもの」というのを定義させていただいています。当然、この10年間の間にいろいろ事情が動いてきていますので、これを全くこのとおりでなければいけないと言うつもりはないかと思いますけれども、これが出発点になっているということを御理解いただければと思います。
【大垣部会長】 どうぞ。
【小池委員】 今、「地球観測の推進戦略」の定義ですが、現在のGEOの10年実施計画では最初の段階でこれを定義いたしまして、地球観測とは何かというのは三つの定義がございまして、They have global consequences in aggregate、今、正に甲斐沼先生がおっしゃったように、個々集めてくると地球全体でどんなことが起こっているのかが分かるようなデータ。ですから、これはポイントをアグリゲートすると、というようなことが一つ目です。
 二つ目は、They have significant global-scale causes。例えばバイオダイバーシティは、全体的に減っていっているということが分かるようなものを地球観測は提供するんだということですね。
 3番目は、They have the vision enhanced by global system。衛星で観測していると、どこかでローカルな災害が起こったときに、ちゃんとそれが効果的に観測できる。
 この三つを地球観測ということで、最初にこれは定義しておりまして、リファレンス・ドキュメントというのを書いたときに、その10年前の執筆のときに最初に議論した内容だったので、ちょっと紹介させていただきました。
【甲斐沼委員】 どうもありがとうございます。ということで、じゃあ、市民による観測結果というのも、各みんなが、世界中の人たちが、それをアグリゲートしたデータを利用するということでよろしいですか。
【小池委員】 はい。
【甲斐沼委員】 どうもありがとうございました。
【大垣部会長】 資料5の2ページ目の上の(エ)に書いてあるところは多分その話で、要するに、ICT技術なんかの変化がどんどん変わってきていますから、個人の情報の得方が変わっているので、それをどう利用するかというのは、地球観測と呼ぶかどうかは別にして、検討課題には入ってくるのではないかなと私個人は思います。ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。どなたでも結構でございますが。渡邉さん。
【渡邉委員】 自己紹介も兼ねてということなので、それも含めて、多分時間が限られているので、キーワードの羅列になるかもしれませんが、お話ししたいと思います。
 私、農業・農村の水を中心にこれまで研究をしてまいりました。今回、「活力のある社会の実現」という領域のところでその視点から検討するという委員にも選ばれました。そのことを踏まえて幾つか申し上げたいと思うのですが、今の「活力のある社会の実現」に関しては、国内外のバランスですね、これをどういうふうに整理して書いていくかというのは一つのポイントかなと思いました。その中でも、御承知のように、日本については「食料・農業・農村基本計画」が3月に決まったところで、10年を見通した今後の基本的な在り方が定められていますし、私の研究対象としている水については、昨年、水循環基本法で水循環の在り方についての議論がこれから進んでいくということかと思います。そういう中で、特に今回、注意して考えていったらいいかなというようなことを幾つか申し上げたいと思います。
 一つは、前期にも申し上げたのですけど、農業という切り口はありますが、農村という切り口がなくて、というように、流域だとか沿岸域だとか少し地域を枠組み・視点に入れた観測の仕方みたいな、それはどこかで考えていく必要があるのではないかなと。場の視点ですね。
 それから、今、農村と申し上げましたけど、産業政策としての農業政策というのはいろんなことが出てきて、情報の話も出ていますが、特に日本については地域政策としての農村の在り方についての情報に対してはこれから本当に問題になってくるので、そこは意識していきたいと思います。
 それから、先ほど甲斐沼先生の話にもちょっと関係するのですが、これまで農業、特に水に関しては、インフラストラクチャーですね、施設の整備と制度、インスティテューションの整備が進んできたのですが、これから、私、もう一つの「I」が必要だと言っているのですけど、人々のそれに関わる一つの関係性ですね、英語で無理やりインターコネクテッドネスと言っているのですが、もう一つがやっぱりインフォメーションだと思うのですね。これまで農業・農村では、この情報収集にはあんまりコストもエネルギーも掛けられなかったところがあって、あったデータが流通しなかったところもあるのですが、これからはコストが掛からないいいデータが集まり、それを活用するような局面が増えるので、そこら辺のところを少し意識した長期ビジョンを考えていくことが必要ではないかなというふうに思いました。
 以上、ちょっと感想にもなりましたが、以上です。
【大垣部会長】 ありがとうございます。
 それでは、ほかの方。それじゃ、どうぞ。
【佃委員】 佃でございます。私も以前から長くおりますので、一言。
 私自身は産総研というところに所属していまして、エネルギー資源だとか地震防災だとか火山防災だとか、あるいは地下の主に地質情報と呼んでいますが、地下の情報を系統的に情報収集するという、それを役目としている組織でございますが、もっと一般的なことできょうは二つほどお話しさせていただきたいと思います。地球観測の情報を共有するということは非常に崇高な目的で、非常に重要なグローバルな視点で重要であるというのは疑いないのですけれども、一方で、日本の国にとってどうなのかといったときに、やはり情報を共有する意味というのはナショナル・セキュリティーに非常に関わっているのだということも意識すべきであろうと。なかなか公的な文書の中にそういったナショナル・セキュリティーとかという言葉を書きにくい部分も、局面も非常にあるのですけれども、具体的には、例えば海洋調査にしても、勝手に他国のところに入って調査をしたり、あるいは海底の調査をしたりというのは法的に許されなくて、やっぱりそれは国際研究の下でとか国際協力の下で当然にやるのですけれども、他国を勝手にモニターするということ自体も場合によっては非難される場合ももちろんあるものだと思います。これはある意味で、地球観測情報を共有するという誰もが反対しないようなことをちゃんと理解して、国としてもそれを使っていくという姿勢は、ナショナル・セキュリティーにとっても非常に重要だと思います。それは、我々担当しているエネルギー資源とか、あるいは防災の問題についても、もう日本の国というのは国自体がグローバル化して、いろんなことで自国だけではやっていけない。先ほどありました農業資源についても、全部それは重要な海外に頼っていたりする部分もあります。産業立地にしても、いろんなところでも日本の企業は活躍されていて、防災の情報がないままやられて、いろんなことがリスク案件になっているということも非常にあります。そういう意味で、ちゃんと情報を共有するということが、日本の国民にとって、日本の社会にとっても、国にとっても非常に大事なのだということも強調して、どこかでやっぱり言い続けないといけないというふうに私は思っています。日本のためです。どうしても国際協力という言葉で言うわけですけれども、それは相手の国にとっても持続的発展のために非常に重要であり、我が国にとっても非常に重要だという視点は重要なんじゃないかなと常々思っております。
 もう1点は、情報という、地球観測で得られるもの、情報で、日本の言葉の中になかなかいい言葉が必ずしもないと思うんですけれども、あるときはデータと言ったり、あるいはインフォメーションと言ったり、もうちょっと高いレベルでナレッジと言ったりとか、そういった言葉で表せるものをもうちょっと、単にデータを集めれば何かいいことがあるというレベルから、ちゃんとそれをインフォメーションに変え、あるいはディシジョンメーキングにつながるナレッジに変えていくという努力をやらないと、「この観測情報、何のために役立つんですか」と聞かれたときに、やはり重要な決定・判断に役立つ。そこに、当然これは皆さんが日々感じている天気予報とかいろんな観測情報が、最終的に、途中にいろんなモデル化という科学技術的な貢献があって、それをモデル化され、それを使うツールもできて、それをビジネスとしてもう既に皆さん個人から、あるいは国レベルの判断に使われているという状況がありますが、それをもうちょっとここに挙げられているいろんなところでできるようになるということで、そのときに重要なのは、多分、日本がちょっと弱いと思われるのは、国際的なそういうモデル化して標準化してディシジョンメーキングをするときの標準化といいますか、あるいはソフトウエアみたいなものを、グローバルにこれでいろんなものを判断しましょうといったレベルの判断基準というのを、地球観測情報をまとめて、上げていって、最終的にこれで行きましょうねというところに日本が貢献するというか、日本の利益と言ったらいいか、日本が強く貢献できるようにしていくというのが、やっぱりアカデミーを含めて貢献していく。それが使える産業が育っていくというか、そういうものにつながっていくというのが重要で、それがある程度見えてくると、地球観測というのは、こんなに役立つのかというふうに思ってもらえるようなことになるんじゃないかなと。そうなっていけばいいなと個人的には思っております。
 以上でございます。
【大垣部会長】 はい、ありがとうございました。
【中田委員】 水産総合研究センターの中田と申します。今期初めて参加させていただくことになりました。
 水産分野というのは、もともとすごく環境に適応した分野で、出現した魚をとるというようなことを基本にしています。だから、観測の歴史というのも非常に古くて、水産総合研究センター、私自身の所属する機関だけではなくて、各県の公設試験研究機関が80年あるいはそれ以上の歴史を持って観測をしてきました。
 そういった情報をうまく利用していくためにはどうしたらいいかということですけれども、なかなか、「あなた観測する人、私、利用する人」ではいかない。けれど、だんだんその原則というのはもっと曖昧になってきているかなというのを最近感じています。というのは、観測に関わる人員とか資金とかそういうものが非常に逼迫(ひっぱく)してきている中で、先ほどもございましたけれども、コストが掛からない方法というのが一つキーポイントになってきています。どういうことかというと、漁業者が毎日出ているときにとってくるデータというのを統合して、それからリモセンの情報も統合して、また漁業者が使えるようにして出してあげる。それは同じようなことが観測全体にも言えて、観測してデータを出せば出すほどその人たちに還元できるものが多いというような方法というのをうまく考えて流通させることができれば、その辺、うまく回っていくのではないかなと考えているところです。
 そういう観点からいろんな議論に参加させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 ありがとうございました。
 それでは次、浜崎委員。
【浜崎委員】 JAXA理事の浜崎でございます。
 20年ほど地球観測衛星の開発に携わっておりまして、「だいち」、「いぶき」等の開発を担当してまいりました。その中で、当初は技術開発というところから始めて、その後でいろんな機関の、国土地理院さんとか環境研さんとか、だんだんコラボレーションしながら衛星を造るようになってきて、最近では産業界の方ともお金も少しずつ頂きながら、あるいは出し合いながらやるような形で大分変わってきております。この間、我々、なかなか仲間がいなくて寂しい思いをしていたのですが、特に地球観測サミット、GEO等では、非常に国レベル、世界レベルで地球観測に対する大きな、我々からすると後押しをしていただいた、あるいは引っ張っていただいたということは、非常に心強く感じましたし、それから、我々のやっている事業に対しても非常に方向性を、道を示していただいた意味で大変感謝しております。
 残念ながら、現状で、宇宙基本計画の中でも地球観測辺りの記述が薄くて寂しい思いをしているわけですが、今回まとめる「地球観測の推進戦略」は、そういう意味で再び地球観測のみんなが元気が出るように、力づけるような方向でまとめられると大変いいなと思っておりまして、微力ながら貢献させていただきたいと思います。今、私、宇宙ステーションの担当をしていますので、地球観測は半分離れているので、半分自由人の発言をさせていただければと思って、楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 ありがとうございます。
 それでは、箕輪委員、お願いします。
【箕輪委員】 私、三井住友海上の箕輪と申します。今回、6期からの参加という形になりました。民間企業からの参加ということで、多分に力不足な点はあるとは思うんですけれども、よろしくお願いいたします。
 私は損害保険会社という立場で、当社の抱えている地震ですとか台風のリスクですとか、非常に大きなリスクを抱えております。そうしたものを気象データを基に評価をいたしまして全社的に管理をしていくと、そういうようなポジションでこれまで事業も行ってきました。ですので、専門性としては力不足な点はあるんですけれども、データのユーザーサイドという立場でビジネスによりマッチしていけるような、そういうデータ作りというところで貢献していきたいなというふうに思っております。微力ではありますけれども、今後ともよろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 ありがとうございます。
 それでは、村岡委員。
【村岡委員】 よろしくお願いします。岐阜大学から参りました村岡と申します。今期から参加させていただきます。
 私、実は岐阜県の山奥の森林で植物の光合成に注目して、森林のCO2吸収能力の算定ですとか、あるいは光合成に注目した研究、植物生理生態学といいますけれども、その視点から衛星観測データをいかに効果的に利用するか、あるいは、将来、森林機能の変化をきちんとモニタリングできるような衛星仕様はどのようなものであるかというようなこと、又はCO2フラックスあるいは微気象の研究者と協力して、気候変動と森林の機能の関係というものの研究をしてまいりました。この10年、地球観測、日本・世界の地球観測は随分変わってきたというお話をさっきから言っていますけれども、特に私が感じますのは、生物多様性という言葉が地球観測の中で一般的に出てくるようになりました。これは先ほどからお話があるように、衛星による地球観測ですとか気象観測、もちろん海洋での様々な観測の中でそれと並ぶようになって、同時に、先ほど資料にありましたように、生態系サービスという言葉もやはり一般的に使われるようになりました。生物多様性というのは、人の暮らしとか安全・安心とかストーリー上直結しにくい部分ではあるんですけれども、やはり大きな問題として、これから地球観測の中で現場の研究者の声も聞きながら、この場に皆さんに届けられるようにしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
【大垣部会長】 ありがとうございます。
 それでは、六川委員。
【六川委員】 東京大学の六川でございます。今期からの参加ということで、先ほど委員の部会のところでは「活力のある社会の実現」ということで参加させていただくことになりました。実は、私がなぜここに呼ばれたのかなと考えたのですけど、かなり地球観測が長いのですけれども、一応標榜(ひょうぼう)しているのは銭になるリモートセンシングと。やり続けたのですが、なかなかビジネスにならない。これは、隣に若松さんがおられますけど、ずっとやってきて、なかなかお金にはならない。ただ、企業で今、ビジネスということですので、二つだけちょっとお話ししたいのですけど、やっぱり国際的に考えますと、本当に国際的に協調していく面と競争する面があって、競争するとなると、じゃあ日本は何で最後勝つんだというふうにいろいろ考えたのですけど、一般論でちょっと恐縮なんですけど、最後、日本人は平均点が高くて標準偏差、要するに非常にばらつきがないと。あとは、極めて細かいところまでこだわりますと。それからあと、やらせるとうそはつかない、誠実にやります。多分、国際的にはこれしか日本は勝つすべはないと。そうすると、あらゆることをやったときに、最後はそこの勝負に持ち込むように考えていかないと必ず負けるというのが私の一つの結論でして、そうすると、さっき小池先生がおっしゃいましたけれど、日本人の生真面目にやるという、直接ビジネスになりませんけれど、ある種の世界へ向けて博愛主義ですけれども、真面目にやって信用を得るというところがまず第一歩、これ、非常に大事だと思いました。
 あと、ビジネスについても、御存じかどうか知りませんけど、日本の物流を考えますと、今でも世界の1位なんですね。日本の荷主が扱っている意味で。日本の荷主が扱うと、麻薬は運ばない、うそはつかない、必ず納期に届くという、結局そこに持っていくというのが一つの、今、ビジネス的にはそこしかないのかなとも思って、やはり小池先生がおっしゃった科学技術のいい点と、やっぱりビジネス上の勝負すべき点というようなものを考えながら、難しいワーキンググループを5月末までにまとめなくちゃいけないのかなと思いながら、非常に悩んでいるところでございます。
 大変不真面目な自己紹介でしたけど、よろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 よろしくお願いします。
 それでは、若松委員。
【若松委員】 NTTデータの若松と申します。よろしくお願いいたします。私も今期からの参加となります。
 会社としては、いわゆるITの会社ですので、いろんな情報システムをいろんな分野で御提案して、それを動くようにしていくということをやっている会社ですけれども、私のところでは、リモートセンシングを何とか銭にするようにやっている部署でございまして、日々いろいろと悩みながらやっているところでございます。ふだん扱っているリモセンデータは、メートルオーダーですとか数十センチオーダーのものが私の場合は多いので、こういう全地球観測的なところというのはちょっと疎い面もあるのですけれども、いろいろと勉強しながらやっていきたいと思います。
 一つ、全地球的なものを御紹介させていただきますと、JAXAさんのプロジェクトで「だいち」の膨大な観測データを使って、300マシン以上あるのですけれども、全世界の陸域の三次元地形のデータを整備するというプロジェクトをやらせていただいていて、私たちも幾ばくかの投資をしながら今ずっと整備をしていて、既にもう販売も始めておりまして、日々、全世界からいろんなお問合せを頂いています。5メートルメッシュで整備しておりますので、全球レベルでそういったデータがそろっているというのは、世界最高レベルのものが日本初でプロダクトアウトできているというのは、JAXAさんの御協力も含めて感謝しながら、私たちとしても自負しているデータができているなというふうに思っております。
 この分野はやっぱりリモートセンシングプラス、リモートセンシングに掛けるといいますか、ITの部分で、まだまだやらなきゃいけないこと、やれることがたくさんあると思っておりまして、なかなかそれを実行に移してビジネスにつなげるというところまでは道のりは遠いですけれども、そういった観点からもいろんな議論に参画できるようにしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 ありがとうございます。
 それでは、高村委員からお願いします。
【高村委員】 名古屋大学の高村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。前の期から引き継いででございますけれども、私自身、法律学、その中でも国際法学をやっております。主な専門分野は環境を対象としております。
 どちらかというと、地球観測の関係は、研究者として具体的に生データを集めたり作ったりという側(がわ)ではなくて、むしろユーザー側といいましょうか、私の専門分野でいきますと、国際的な法政策、あるいはそれを実施するための国内法政策を作っていくときに、こうした観測のデータを利用するという場面というのがよくあることかなというふうに、関わりかなと思っております。
 特に資料のところでいきますと、4から5にかけてのところで、これからの部会の議論事項として、私も含めてでありますけれども、特に担当になってくださっている先生方のところで是非御検討いただきたいと思っている点を1点だけ申し上げて終わりたいと思うのですが、先ほど佃委員でしょうか、もおっしゃいましたけれども、もちろん地球観測自身は全球的なもの、それに密接な関わりのあるものということだと思うのですが、やはり日本にとっても重要なもの、私ども日本の国民にとっても返ってくるものが大きいものというのは一つ期待をするわけであります。
 その意味では、これもキーワードしか挙げないところが無責任でございますけれども、三つほど担当の委員のところでも是非御検討いただければと思っていますのが、一つは北極であります。きょうも北極の科学サミット、富山でしょうか、行われていると思います。やはり日本としてもかなり戦略的に、北極というのは観測の場としても、研究の場としても位置付けられてきているとこの間思っていまして、ここは観測に関しても一つ重要なエリアではないかと思っております。
 二つ目は海洋でありまして、やはり日本にとっての海洋、これは資源としてもそうですし、安全保障の観点からもそうだと思いますが、それから気候変動の影響、気候変動予測にとっても非常に重要な観測の場であろうと思っております。
 最後は、もう少しナショナルな、リージョナルな話になるかもしれませんが、特にこの東アジアの地域ですと、大気の観測というのは、今、改めて重要性が増してきているのではないかと思っております。これは大気汚染の観点からもそうですし、近年ですとやはり水銀の半球あるいは全球レベルでの移動といったようなことも分かってきておりますけれども、そういう意味では先ほど日本にとっても重要なというふうに申し上げましたが、この三つぐらいは、今、当面、私の頭の中からユーザーとして出てくるところでございます。
 以上です。
【大垣部会長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】 東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻の佐藤薫といいます。今期からの参加になります。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の専門は気象学でございまして、特に最近は南極の方を実はやっておりまして、南極に甲子園球場並みの大型のレーダーを導入して、大気の観測を徹底的にやるということをやっております。ただ、南極だけではなくて、南極の役割、地球気候における役割を明確化し、地球気候の理解を深めようという、そういう目的です。そういう基礎研究をやっているのですけれども、もう一つ、日本学術会議の方で地球惑星科学委員会というのがございますが、そこで地球観測の将来構想に関する検討小委員会というのが立ち上がっておりまして、そこで地球衛星観測の在り方についてという記録を実は前回の第22期でまとめました。記録としてまとめました。今期23期ではそれを提言まで持っていきたいと思っているのですけれども、その背景を申し上げます。
 それは、実は地球衛星観測というのは、2018年以降、全く空白の状態であるというのが続いておりまして、日本の地球衛星観測がストップしてしまうと。地球衛星観測ですね。気象衛星観測は大丈夫なんだけれども、地球衛星観測がストップしてしまうと。非常にこれ、深刻な問題で、人材育成とか、それから観測そのものがストップするということで深刻なんですけれども、実はこれ、国際的にも似たような状況が起こっていまして、例えば私の専門に近いオゾン層のモニタリングというのが、実は2016年ぐらいから世界的になくなってしまう可能性があるということが問題視されています。これは横に地球を見た高解像度のオゾン層の観測なんですが、これがなくなるということは、オゾン層が何かおかしくなったときに、その原因が突き止められないという状況に至ってしまうという非常に深刻な問題で、それでNASAとかESAとか、それから日本のJAXAなども非常に期待されているということになっております。
 どうしてこういう事態になってしまったのかというのを振り返ると、やはり防災とか減災につながる気象情報ですね、予測というのが、こういう地球観測のデータを使って行われているのですけれども、その必要なデータというのがどうもきちっと理解されていないのではないかと思うわけです。私、基礎研究の研究者としまして、その辺りをつなぐような、そういう役割をこの委員会の中で担わせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 ありがとうございました。
 それでは、沖委員、よろしくお願いします。
【沖委員】 東京大学生産技術研究所の沖と申します。グローバルな水循環と世界の水資源、そして気候変動がそれらに及ぼす影響の評価というような研究をしております。また、JAXAの招聘(しょうへい)研究員といたしましては、GCOM-W「しずく」のサイエンスチームのチェアというのを仰せつかっておりまして、今の佐藤委員のお話と絡めますと、GCOM-Wの第1号は、無事、今、順調に飛行を続け、貴重なデータを送り続けているのですが、第2号の次の見通しが立たないという状況で、どうするんだと。日本の上空を、例えば雨を観測するレーダー網は、国交省、気象庁、そして防衛省で三重に見られているわけですが、三重に見られているということは、そういう情報が何に使えるかというのは言わなくてもいい話なのに、そういうのをわざわざ言わなければなかなかそういう衛星観測の大事さを分かってもらえないというのは、非常に世知辛い世の中になったなというふうに思っております。この会議が11年目に入ったということですが、2004年の終わりに先ほどの「地球観測の推進戦略」というのができて、2005年の頭から、私、CSTP、今のCSTIに出向しまして、今、中島参事官ですが、当時、野尻参事官の代わりで、あそこで「CSTPとしましては、こういうふうに地球観測に対して」と説明したのを、今、思い出しまして、向こう側からこちら側へ来たなと感無量でございます。
 いろいろ申し上げたいことはありますけれども、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書が2013年に第1作業部会で出ていますけれども、20世紀に激しい雨が増えたか減ったかどうかの前に、雨が増えたかどうかというのが実は世界の半分の地域でよく分からない。それはなぜかというと、観測データがないから分からないのです。先進国はある程度分かるので、激しい雨についてもヨーロッパとアメリカでは増えた可能性が高いとなっているのですが、ほかはデータがないので分からないのです。こういう状況は実際に今でもそうですし、今後もそういう観測を捨ててしまうと、後から、やっぱりとっておけばよかったということで、絶対できないわけなので、ただ、何でもかんでもとっておくというのは、やはり今の御時世、難しいでしょうから、そこを、多分これは測っておいた方がいいというのを見極めるという目が多分大事で、それを皆さんに支持していただいてやり続けるというのが大事かなというふうに思っております。
 科学的には、例えば私の分野でいいますと、世界中の川の流出量というのが増えているという話と、増えてないという話があって、これは植生が、CO2大気中の濃度が増えると光合成の効率が上がるので葉酸量が減って、いや、同じ雨が降ってもむしろ流出量は増えるのだと。あるいは、雨が増えているんだ、増えているんだという話と、いや、そうじゃなくて、その効果は植生がもっと伸びることによってキャンセルされているとか、いろいろ説があって、非常にクリティカルなのですね、水資源で考えると。ところが、それすら分からない。ですから、今も観測網はある程度あって、それを集めてきて、トランスレーションするところが大事だというよりは、まだまだ、これは多分技術的に解決しなきゃいけないことですので、今回のまとめにもありますけれども、観測データ統合・融合も大事だけれども、科学的研究も大事だし、それを支える技術開発もまだまだやらなきゃいけないこと、やれること、そしてコストダウンも含めてあるんだと思いますので、貢献できればと思います。よろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 ありがとうございました。
 それでは、上田委員、お願いします。
【上田委員】 京都大学工学研究科の上田佳代と申します。専門は健康影響ですね。環境が健康に及ぼす影響というのを研究の対象としています。もっと具体的に言うと、大気汚染など大気環境の健康影響を疫学という手法を使って持ちます。疫学という手法は、私たち一般的に使うのは環境のデータ、これは主に公開されています。そして、私たちの役目はどちらかというと、健康のデータというのは実際には持っていないので、それらを持っている例えば医療機関や、そして健康の情報を持っている方とをつなげる役割をしています。そうすると、実際、健康の情報というのは、一般に公開されているものではない、個人情報でありますので、しかも、それら健康情報を持っている方々というのは、実際には環境の影響というのを、ほとんど情報については余り詳しくない。どうやって使ったらいいか分からない。公開されているかどうかさえも知らないという方が多いということがあって、今期から参加するわけになったんですけれども、そのときに、観測をする人とその出口と入り口の両脇があって、真ん中がよく分からないという状態が多かったのではないかということがありますけれども、恐らくその辺りで翻訳が必要じゃないかというふうなことは、特に分野を異なる場合。ただデータがあります。「これ、非常に重要ですから使ってください」と言っても、なかなか使うことができない。使い方さえ分からないという、そういったことがあるので、その辺りをどうしたらいいか、つなげることができればというような思いをすごく、きょう参加して思った次第であります。そういったことから意見をお伝えすることができればと思います。よろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 ありがとうございます。
 それでは、岩谷委員。
【岩谷委員】 私、NPO法人気象キャスターネットワークの岩谷と申しますが、私は研究者ではありませんし、民間のユーザーといっても、どちらかというと報道機関で放送するという立場で気象情報をやっております。我々のメンバーもみんなそうなんですが、全国の気象キャスターが集まってやっている法人です。ふだん気象情報という形で、天気予報という形で情報を一般の市民に伝えるということを仕事としております。
 その中で非常に感じるのは、当たり前のようなデータ、それこそ気温の観測で「何度です」と言っても、一般の市民は高さ何メートルで測っているんだとか、そういうのもいいかげんでして、実はマスコミもいいかげんで、それこそアスファルトの下の方に置いて直射日光に当てたデータを「今の気温45度です」とか放送するような、その次元、そのレベルだと、私はすごく思っています。非常に貴重なデータも、いいデータでないといけないのを、割と適当に使っている。なので、データというのは、雨量でも気温でも、各種あるデータ、何でも数字が上がってくれば同じように扱ってしまって、本当にいいデータとそうじゃないデータがあるのだということさえも知らないというのが実際なのかなというふうに思います。
 天気予報というのは、多分、一般国民、一番身近な部分ではありますが、その分野であってもそう正しく理解されていない部分があろうかと思います。そういう意味では、気象の観測というのは非常に重要なことなのですが、この観測を天気予報の防災で考えますと、気象の観測があって情報、予測があって、市民・国民が防災に役に立ったと思うと、非常にいい情報だったと、いい観測でしたということになろうかと思いますが、地球観測、難しいのは、直結して一般国民にその情報が活用として目に見えてこないというところが課題といいますか、そういう意味では税金を投入するときの理解が得にくいのかなというふうに思いますので、観測は非常に重要ですし、長期的な観測も私は非常に重要だと思っています。それがあるからこそ利用できると。こういったものをやはり国民に理解してもらえるような広報の仕方であるとか、そういう場が非常に重要かなというふうに思います。
 あとは、研究者側のこういうデータが必要だというのも重要だと思うのですが、同時に書かれていますように、社会のニーズに対応したということで、一般の市民側・国民側から、誰でもいいわけではありませんが、ユーザー側からどんな情報が必要なのかところをやっぱり掘り下げて、ステークホルダーとの対話というのは非常に重要なことで、それをどういう仕組みに作っていくか、この辺りが今回のこういう検討委員会の中で重要なことになるのかなと私は思っています。
 以上です。
【大垣部会長】 ありがとうございました。
 それでは、赤松委員。
【赤松委員】 ありがとうございます。国際航業の赤松と申します。私はどちらかというとリモートセンシングのデータを加工してエンドユーザーに届けるという、先ほど上田委員の方からもありましたが、観測と利用の中間がよく分からないという部分を担当してきた人間です。
 今、日本リモートセンシング学会で利用推進関係の副会長も担当しておりまして、業界全体でどうやって利用を進めていこうかということに取り組んできています。この仕事を始めて三十数年になりました。もうかなり長いことこの世界でやってきて、先ほど六川先生から言われているように、なかなか商売にならないなというところをずっと続けてきています。ただ、最近、結構衛星のリソースが増えたということもあって、衛星データを使うビジネスですとか実利用の世界が、少し開けつつあるかなと思っているところです。この動きを広げるため、ニーズとシーズをマッチングするということをもっと進めていければと思いますし、一方で、ただ単にニーズとシーズをマッチングするという言葉だけではなかなか進まない部分があるのではないかとも思っています。
 参考になるのは、やはり欧州のコペルニクス(GMES)という枠組みではないかと思っております。あのようにユーザーと、解析者と、観測者ですね、これらをつなぐ枠組みを作って、さらに、実際の仕組みを回していく政策誘導策を、日本でもできないかと考えています。そのぐらいやらないと、衛星というのはやはり新しい手法ですので、既存手法がある中で定着していかない。それをユーザーだけが取り組むというのはかなりハードルが高いものですから、その壁を越えるための取組もやれればいいなと考えています。そうした利用推進方策をこの部会の中で議論できればと思っております。
 もう一つは、衛星データの継続性ということであります。「だいち」が非常にいいデータを出していただいて、先ほどREDD+というプロジェクトの話があったかと思うのですが、我々も「だいち」のデータを使って結構多くのプロジェクトを進めていたのですが、残念なことに、ちょうどこれからというところで「だいち」が止まってしまったのですね。もちろん、「だいち」は設計寿命を超えていましたし、やむを得ないのかもしれないのですけれども、それがその後の事業展開に結構痛い事象ではあったのですね。ですから、実務での利用とか本当のビジネスでの利用を考えるのであれば、どうやって衛星の継続性、データの継続性をしっかり担保するかということも重要になりますので、この部会の中で議論できればと考えております。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 ありがとうございました。
 それでは、最後になりますが、部会長代理の春日委員から。
【春日委員】 今期からお世話になります春日文子です。本務は厚生労働省の研究所で国立医薬品食品衛生研究所というところですが、一番、上田先生のお仕事に近いかと思います。微生物学的な食品安全のリスクアセスメントや疫学を専門としておりました。ただ、地球観測データを使うところまではまだ踏み込めていない状況です。直接、地球観測のデータあるいは地球観測そのものと出会う機会になりましたのは、担当は違いますけれども、大垣部会長の次の期に日本学術会議の国際担当副会長を務めたことです。その中で、先ほどからお話が出ていますように、防災・減災ですとか、フューチャー・アース、そしてSDGと関わるようになりました。それからもう一つ、副会長として担当しましたのが、事務局の齊藤大地さんとお付き合いするきっかけにもなったのですけれども、福島の原発事故への対応です。それらの事項を通しまして、地球観測のデータがいかに役に立っているか、貢献されているかということを非常に強く認識するようになりました。
 これらのどのトピックスについても共通なのですけれども、最終的にはそれぞれの国、そして国の中の地域、また、国民・市民に手が届くところでデータが役に立っていかないと本当にいけないものだというふうに思います。
 私は、この部会での議論、本当に初めて加わるので、今後どういうふうに展開されるか勉強したいと思うのですけれども、一つ、この三つの観点を基に進めていくこのやり方自体、解決したい課題をまず設定して、それに向けて目標、道筋を付けていく、その本当に社会の出口からまず考えていくという考え方自体、フューチャー・アースの考え方と非常に重なる部分があるというふうに思います。co-design、この言葉もフューチャー・アースのキーワードになっています。是非この各担当グループの中にこの部会にいらっしゃるユーザー側の委員のお声も最初の段階から取り入れていただけたらというふうに思います。
 それからもう一つ、この地球観測の枠組みでのデータの共有ということで政府間の組織もあるわけですけれども、将来的に地球上の問題を解決していくためには、恐らくそのほかのデータ、健康のデータも今御指摘がありましたし、人文社会学的なデータということも膨大な種類があるわけです。そういうところのデータのグループとの連携ということも将来的には考えていくことになるのかなというふうに思いました。
 その上で一つ、日本に設置されているICSUのWDS(ワールド・データ・システム)の国際プログラムオフィスがあるわけですが、そういうところとの連携も国際的には一つ視野に入れていってはいかがかというふうに感じました。
 以上です。
【大垣部会長】 ありがとうございます。
 皆様、御協力を頂いて辛うじて時間がですが、まだちょっとやることがございまして、ちょっと次のところへ進みます。
 資料4-2の別紙のところでありますが、最終取りまとめの検討に当たっては、もう何度か話が出ていますが、担当委員を決めて次回までに検討いただくようにしたいと思います。確認しますと、その別紙の一番下にありますが、三つありまして、「活力のある社会の実現」に関しては、赤松、中田、六川、渡邉委員、取りまとめは六川委員。それから、「防災・減災への貢献」は、寳、佃、浜崎委員で、寳委員が取りまとめ。それから3番目、「将来の環境創造への貢献」は、沖、甲斐沼、河野、佐藤委員で、沖委員が取りまとめということでございますので、それぞれよろしくお願いをいたします。
 ほかに今期の部会の活動について御意見、御質問がありましたら、御発言願いたいと思いますが、特によろしいでしょうか。
 それでは、私の方から、議題3でも御紹介がありましたとおり、総合科学技術・イノベーション会議での「地球観測の推進戦略」のレビューにおいても、各関係省庁の連携が必要であることは指摘されています。また、第5期の本部会が取りまとめた中間取りまとめでも、地球観測を進めるに当たり、関係省庁・機関の連携の場は今後ますます重要になることや、本部会が率先して地球観測に関する省庁横断的な連携を推進することが必要であることが示されております。したがいまして、このような関係府省庁連絡会は是非設置し、今後取りまとめる最終取りまとめに関係府省庁のニーズや御意見といったものを反映できればと思います。また、そのためには、できればただ担当者が集まるだけではなく、例えば責任ある課室長、課長・室長級の方が集まるなど、より実効性の高いものになるよう、是非御検討いただければと思います。事務局にて調整の上、進めていただければと思います。
 そのほか何か特にあればですが、ないようでは、資料5のとおり進めるということで皆様の御協力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。

議題(6)その他

【大垣部会長】 それでは、ここで、第6期地球観測部会の発足に当たりまして田中研究開発局長から御挨拶を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
【田中研究開発局長】 研究開発局長の田中でございます。遅れて参加いたしまして、申し訳ございませんでした。
 第6期の地球観測推進部会の第1回ということでございますので、一言御挨拶させていただきます。
 先生方におかれましては、この地球観測推進部会の委員をお引き受けいただきまして、本当にありがとうございます。きょうも非常に活発な議論を頂きまして、誠にありがとうございます。
 既に議題が全部進みましたので、改めて繰り返すことはやめますけれども、この第6期では、この先10年で達成すべき地球観測の具体的な目標や施策について御議論をお願いしたいと考えております。その議論をGEOSSの新しい計画の検討にも反映させ、GEOSSが持続可能な社会構築、防災・減災、地球環境変動リスクの軽減に貢献できるものにすることで、日本が地球観測分野で世界を牽引(けんいん)していくことができればと考えているところでございます。
 個人的な感想でございますけれども、先ほど高村先生からも御紹介ありましたように、今週ちょうど北極科学サミット週間ということで、富山で会議が開催されております。世界中の北極科学の研究者あるいは政策立案者などの関係者が一堂に会する世界で最も重要な北極環境の会議でございます。先生方御承知のように、北極は地球温暖化の影響が最も出やすいところであって、かつ多くの国は北半球に属しておりますので、北極の影響というのは直ちに北半球のいろんな国々に影響が出るということでございます。一方で、北極の氷が溶けることによって、北極航路が開拓されたり、あるいは北極海の下にはかなり大量にあると言われています石油とか天然ガスとかいろんな地下資源の開発が加速されるのではないかということで、環境保護と、あるいは開発と、そういったものが微妙にぶつかり合う世界です。北極というのはある部分で閉じられた空間でございますので、北極圏に属している国だけがそこを決めるというような仕組みがともすればできかけていたわけですけど、そういった中に、我々としてはむしろ北極によっていろんな影響を受ける方の国々の一つとして、衛星や海洋や陸上といった北極における様々な観測をやっていくことによって、一定の参加をして、そこで我々の意見を通していくということを、やっているところでございます。そういう意味で、この地球観測という分野で我々がきちっとやっていくことは、日本自身が自分の国益も勘案しつつ、かつ国際的なルール作りですとか、あるいは政策が決まっていく中で一定の発言力を持っていくという意味でも非常に大事だというふうに認識している次第でございます。
 また一方で、最近は地方創生と言われておりますけれども、こういうローカルな部分でもこの地球観測で得られた様々なデータを利用していこうという動きも出てきております。そういう意味では、日本の国内にある様々な地域社会への貢献も視野に置きつつ、一方でまた北極というような非常に大きな世界レベルでの環境変動に対する貢献と、いろいろな視野でこの部会で御意見を賜れば、我々も政策に反映させてまいりたいと考えているところでございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 ありがとうございました。
 それでは、事務局の方から。
【西川地球観測推進専門官】 本日の議事録は、後日、事務局よりメールで委員の皆様にお送りさせていただきます。修正等がありましたら、その際に御指摘ください。最終的には文部科学省のウェブページに掲載することで公表させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【大垣部会長】 それでは、本日の第1回会合を閉会いたします。ありがとうございました。

お問合せ先

研究開発局環境エネルギー課

メールアドレス:kankyou@mext.go.jp

(研究開発局環境エネルギー課)