第5期地球観測推進部会(第9回) 議事録

1.日時

平成27年1月14日(水曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省東館3階 3F2 特別会議室

3.議題

  1. 中間取りまとめについて
  2. その他

4.出席者

委員

小池(勲)部会長、大垣部会長代理、東委員、沖委員、杉本委員、高村委員、佃委員、中静委員、深澤委員、藤谷委員、堀川委員、安岡委員、和気委員、渡邉委員

文部科学省

田中研究開発局長(途中入場)、磯谷大臣官房審議官(途中入場)、原環境エネルギー課長、木下環境科学技術推進官、西川地球観測推進専門官

5.議事録

【関係省庁】   中島内閣府参事官

 

【小池(勲)部会長】
 時間になりましたので、ただいまより、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会地球観測推進部会の第5期の9回、最終回の会合を開催いたします。本日は、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
 まず、事務局から、出席者の確認をお願いいたします。

【西川地球観測推進専門官】
 本日御出席の委員数が14名と過半数の11名を超えておりますので、部会は成立となります。
 なお、本部会は部会運営規則により公開とさせていただきます。

【小池(勲)部会長】
 本日、お手元の議事次第にありますように2件の議題を用意しております。また、終了時刻は16時50分を予定しておりますけれども、議事が早く終われれば、その前に終わるということもあると思います。
 それでは、議題に入ります。議題1は中間取りまとめについてです。
 本日は、前回までの御説明いただいた内容は、委員からの御意見も踏まえて、事務局が中間取りまとめの案を用意、作成いたしておりますので、20分程度で御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【木下環境科学技術推進官】
 それでは、資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。事前に資料を配付して、御一読いただいておりますので、その後、委員の皆様から御指摘を頂いた点、それから、各省庁から頂いた意見を反映した点、そこを中心に御説明をさせていただければと思います。
 それでは、めくっていただきまして、目次でございます。これまで御説明させていただいておりますとおり、この中間取りまとめは、全部で4章から構成されております。「はじめに」、それから、「現状認識」、そして、具体的な内容として3章の「今後の地球観測の取組に当たっての基本的考え方」、4章の「今後10年間の具体的な実施方針」という構成にしてございます。
 「はじめに」、ページ1では、これまで検討の経緯を書かせていただいています。一つ一つ紹介するのは割愛をさせていただきますが、1点、13行目の、「この統合的なシステムとして発展させるため」というのを、「さらに発展させるため」という形で追記をしています。今までもやっていますので、その上で更に拡張するものですというところが分かるよう、加筆いたしております。
 2ページ目に移ります。ここで「現状認識」ということで推進戦略のこれまでの成果であるとか状況の変化について書かせていただいております。修正点は2ページ目の19行目、主なところのみ御説明します。19行目のところ、「社会からの要請(ニーズ)」ということで、ニーズという言葉がどういう意味かということを若干日本語で補足をさせていただいております。
 そして、「これまでの取組とその成果」ということで書いておりますが、その中で、3ページ目で6行目に、「総合科学技術会議のフォローアップの中で、課題として」うんぬんが掲げられています。そして、「課題解決への貢献のさらなる必要性が指摘された」という、この辺、加筆をさせていただいております。
 それから、3.は「推進戦略策定後の状況変化」ということでございます。21行目、社会の状況変化ということで4点上げてございますけれども、三つ目の丸で、ここの「情報通信技術の高度化」という、通信技術と加筆しています。もともとの案文では、ここにビッグデータというキーワードも入れておりましたが、ここは「情報通信技術の高度化」の中で当然読める話であるということで、そのキーワードは削除しております。
 それから、「国内からの要請」については様々な計画を列挙させていただいておりますが、特に変更はございません。
 そして、「国際社会からの要請」、4ページ目です。ここについてはジュネーブ宣言の引用の仕方を、ジュネーブ宣言のそのものに沿った形で「地球観測データに基づくよりよい意思決定を可能とさせるための技術革新、政策決定者を含むステークホルダーとの連携及び協力の拡大」というような形で更新させていただいております。
 5ページ目ですけれども、3章ということで、「今後の地球観測の取組に当たっての基本的考え方」というのをここから具体的に書かせていただいております。
 まず、「地球観測の目的はあるべき姿」ということで、おさらいになりますが、地球観測は何かということで、6行目以降、「大気、海洋、陸域及び地球内部の物理・化学的性状、生態系とその機能に関する観測を行うもの」であると、それをもって「地球の現状や将来予想に対する包括的な理解のための基礎データを得る」と、それから、「創出された情報が様々な意思決定に活用される」というものを目指すものであると。そして、今後は、10行目に、「社会からの要請に具体的にこたえる責任があることを強く意識したものであるべき」という基本認識を書かせていただいております。
 そして、そういった基本認識をもとに、この5ページ目から6ページ目にかけて、3点、基本的な考え方としてあげております。一つ目が18行目、「課題解決のニーズに基づく地球観測の実施」、それから、32行目、(3)で「科学的挑戦への貢献としての地球観測」、そして、6ページ目の15行目、「国際貢献としての地球観測」としております。
 もともと地球観測の推進戦略にあります、利用ニーズ主導の統合された地球観測のシステムの構築というところはこの資料では(2)と(3)で具体的に分けてより詳細に明記をしているというような形になります。
 そこで、課題解決のところでは、19行目、「国として取り組む地球観測では、社会からの課題解決の要請に具体的に対応することを基本とし、その成果を社会のイノベーションや様々な意思決定をする際の基盤として活用すべきである」と。「推進戦略においても、利用者の」というふうに書いております。
 その課題解決のニーズに基づく地球観測の実施に当たって留意すべき点としては、27行目ですけれども、「観測データの収集に対するニーズ」と「情報提供・解析に対するニーズ」の違いをきちっと明確にして検討すべきであるという指摘も頂いております。
 それから、(3)の科学的な方につきましては、めくっていただきまして6ページ目の5行目に示させていただいておりますとおり、「未知の現象の解明や新たな科学的知見の創出を目指した観測」というのも引き続き推進していく必要があると。ただし、9行目、「観測で得られる知見を社会に役立てる」という観点は忘れない必要がありますので、現在の利用者のニーズとか将来発生するニーズ等の想定を可能な限り具体的かつ明確にした上で、「観測ニーズに基づいた科学的挑戦に取り組むことが望ましい」ということを明記しております。
 それから、(4)の「国際貢献としての地球観測」ということで、こういったグローバル化、17行目の「グローバル化が進展し、世界経済の相互依存性が高まるなか」という中ですと、他国の災害というのは決して他人(ひと)事ではないと、そういったもの、それから、現在の地球観測の推進戦略でも国際的な地球観測システムの統合化であるとか、我が国の独自性の確保とリーダーシップの発揮というのが基本戦略として掲げられていますので、こういった国際貢献としての地球観測というのは引き続き念頭に置いて議論を進めるべきであるという記載をしております。
 また、皆様から御指摘を頂いた中で、29行目のところで、「途上国への観測技術の支援や観測データの品質管理・品質保証の取組において我が国がリーダーシップを発揮する」というのを追記しております。
 それから、次が2.です。では、どのように地球観測を実施するかというのを7ページ目以降に記載をさせていただいております。
 まず、「地球観測の実施体制」として、「利用者のニーズを踏まえた観測データの効率的な取得・提供のためには、利用者及び観測者のより一層の相互連携を図る必要がある」と。多様な方が参画するわけですけれども、これに関連して追加の御指摘を頂きましたのが19行目以降です。国際的な標準を踏まえた観測手法だとか、データの精度、データ取得の頻度等、メタデータの仕様も明確にして、観測データの品質管理・品質保証の実施体制を確立するということが必要になってきますという御指摘を頂いて反映しております。
 それから、「国際的な地球観測」ということですと、先ほどもありましたとおり、国際協力というのを戦略的に進めていくということが必要であるというのは29行目等に書かせていただいておりますけれども、ちょっと戻りますが、27行目、こういう国際協力もco-designに結び付く取組というのが必要ですねとあります。
 また、このco-designの解説が必要でしょうと、共通の認識を持つ必要がありますよねという御指摘を頂きまして、脚注としてco-designの理解として、「システム設計の段階からステークホルダーと対話・協働し、相互理解を深めながら研究開発を進めていくこと」というような形で書かせていただきました。
 ページをおめくりいただいて8ページ目です。そのほか、地球観測実施に当たっては、「長期的な地球観測の維持」というのが大切であると。地球温暖化等の把握を目的とした地球観測というのは長期的な時間スケールで生じる地球の変動を観測するものでございますので、長期的な観測の維持というのが必要であるというふうに記載させていただいております。
 追加の反映としては、11行目の後半の方で、「観測頻度の改善や」の後に、「均質で高品質で、かつ、観測の」というところを追加させていただいておるのと、13行目のところで、「観測環境をできるだけ維持した上で、観測基盤の堅持と長期継続的観測の実現が必要である」というのを、反映をしております。
 それから、(4)は「最新の技術を活用した地球観測」ということで、「これらの観測の継続に当たっては、観測精度の向上や観測の安定性の確保、低コスト化に向けた技術開発に取り組んでいくことが重要である」と。それから、25行目でデータ同化技術などの活用なんかも必要であるということを書かせていただいております。
 その「データ提供と利活用の在り方」としては9ページ目以降に書かせていただいております。データの活用を図っていくためには、まず、関係機関との連携が不可欠であるということを(1)で明記をさせていただいておりまして、「課題解決型の地球観測の推進には、観測データの体系的な収集、合理的な管理、データの統合や情報の融合が重要である」ということで書かせていただいています。
 14行目と16行目に御指摘を頂いていまして、「観測にかかるメタデータを整備した上で」という一言を追加させていただいたのと、16行目では、もともとお送りさせていただいた案ではジオグリッドという取組を書かせていただいていましたが、ここは産総研さんから御指摘がありまして、「産業利用に向けた衛星情報配信システム」というような書きぶりに修文をさせていただいております。
 それから、(2)は「データ共有の在り方」として、GEOSSのトレンドでデータ共有原則の検討とデータ管理原則の話が進んでいるということを御紹介させていただいております。それから、31行目では国内の議論としてオープンデータ関連の政府としての取組というのを御紹介させていただいております。
 ポイントとなりますのは、次のページをめくっていただきますと10ページ目の6行目ですけれども、こういったオープンデータの扱いに当たっては積極的に公開を提供する取組というのが社会的には求められているだろうと。ただ、一方でその地球観測で得られるデータというのは機密性の高い情報だとか観測値等の取扱いに注意が必要な情報も含まれる可能性があるので、「個々のデータの公開可否判断においては、慎重な見きわめが必要である」というのを、これまでの御議論を踏まえて反映をさせていただいております。
 それから、(3)が「産業への貢献」ということで、「科学技術イノベーション総合戦略」も踏まえまして、17行目に、観測データの提供、利活用を通じて産業の芽を育てることも重要視すべきだということを書かせていただいております。
 4.はこの観測部会の役割ということで、30行目にありますとおり、「地球観測に関する省庁横断的な連携について推進することが必要」ということ、11ページ目に入って、これまでの役割に加えて、今後は、その「潜在的な利用者ニーズの掘り起こし」であるとか、「社会からの要請があった際にニーズ側と観測側を橋渡しする機能の強化」、「観測シーズと社会のニーズをマッチングさせるような場」というのが必要であって、そういったことに対して、この観測部会の一定の役割を果たせるようにということを反映しております。
 それから、「その他」といたしましては、人材育成の関連等を書かせていただいております。この13行目にありますように、先ほどのデータ統融合ということをするのであれば、「データの加工・利用にあたる専門の人材が必要である」ということを書かせていただいておりますし、また、それに関連して、18行目でも、「高度な統計処理・データ解釈・解析能力等に秀でた、分野横断的な研究開発能力」であるとか、利用者ニーズを的確に反映、把握するということから、その「具体的解決策までを体系立てて組み立てる能力を有する人材の育成」というのが必要であると。また、「観測データの利用の裾野を広げるためのオープンソースツールの開発・提供などの取組も必要」であろうということで追記をさせていただいております。
 最後、12ページ目以降が4章ということで、今後の10年間の具体的な実施方針ということで書かせていただいております。
 地球観測の推進戦略ですと、重点化の観点ということで、国民の安全・安心の確保、経済社会の発展と生活の質の向上、それから、国際社会の貢献というのを柱にしていますけれども、それを現時点として言い換えると、以下のような3点になってくるのかというので書かせていただいております。それが17行目以降でございます。
 一つ目は「活力のある社会の実現」というところで、18行目に書かれておりますような水資源だとかエネルギー・鉱物資源、農業資源とか海洋生物資源等の資源の確保・利用であるとか、健康等に関する課題解決のための基礎的な情報を収集・提供するということがまず求められているだろうと。そのためには、具体的には水環境の保全とか、水管理の実現の基礎となる流域とか地域の状況の把握であるとか、再生可能エネルギーの安定的管理のための気象の把握・解析・予測など、そして、食糧安定供給のためであれば、農業気象だとか農業生産環境の把握、それから、健康被害や農作物への影響が懸念される大気汚染物質の監視というのが具体的な観測の項目としてあげられているというところでございます。
 ここで4として注釈を付けさせていただいておりますが、ここは、まず、例示として挙げさせていただいているものです。今後、次期の地球観測推進部会で、具体的な実施内容については、ここに記載されたような観測データの収集に対するニーズを考慮しつつ、どういった観測をするのかというのはより具体的な検討というのが必要であろうということで注釈を打たせていただいております。
 それから、ページをめくっていただきまして13ページ目です。国民安全・安心の確保のまず一つ目としては、「防災・減災への貢献」というのが今、特に社会的には重要視されているのではないかということで、一つ、単独の項目として上げさせていただいております。こういった地震災害、津波災害、火山災害、風水害、雪害等に関する課題の解決のために、即時性の高い情報を含め、基礎的な情報収集、情報を収集・提供すると。具体的には極端な気象による災害の監視・予測システムの確立だとか、災害発生メカニズムの解明や予測技術向上のための地震・火山・地殻変動の調査・観測、それから、観測網の充実などが上げられると。具体的な施策としては9行目のような「国際災害チャータ」とか「センチネル・アジア」というのがありますという御紹介をさせていただいております。
 それから、(3)は「将来の環境創造への貢献」です。「地球温暖化や地球環境の保全等に関する課題解決のための基礎的な情報を収集・提供する」ということで、例えばオゾン層破壊に関する話であるとか、全球炭素収支の高度な把握、地球温暖化に対しぜいじゃくな地域の、例えば極域とか、になりますけれども、監視ということを具体例として追記をさせていただいております。それから、生態系保全対策とその有効性の評価のためのモニタリングなども例として挙げさせていただいております。
 22行目では、この際に、その観測の空白、空白域や空白期間をなくしていくとか、品質管理された観測データの配信を行う取組も、観測をする場合には必要であるという指摘の追記をさせていただきました。
 そして、「課題解決への貢献」ということで、データを観測基盤の維持とイノベーション、データの利活用という観点ではどうあるべきかということを、2.以降にまとめさせていただいております。
 追記をさせていただいたのが29行目であるとか31行目です。29行目の「必要十分な観測精度や観測頻度、観測網の展開・観測地点の適切な配置を考慮し」というところを追記させていただいております。それから、31行目の最後の方で、「安定的な資金を確保の上」というのも追加の御指摘を踏まえて反映をしております。
 それから、14ページ目でございます。「観測基盤の維持及び長期継続的観測の実現」に当たっては、5行目の最後の方から、「観測精度、観測頻度及び適切な観測網を特定し」というところを具体的に追記しております。それから、10行目のところで「継続的な予算が求められる」とか、「多くの研究者・技術者等の関与も必要である」というのを追記しております。
 それから、その観測基盤を維持するに当たっては「『観測イノベーション』の推進」というのが必要であるというのは14行目以降に述べさせていただいております。そこで、どういった、何に対する、何についてイノベーションが必要かという例示を19行目以降に書かせていただいております。ここでは、御指摘を踏まえて、広域物理探査技術というのも追記をさせていただきました。衛星、探査機、例えばブイ、海洋ブイみたいなものに加えて、例えばヘリコプターとか航空機に搭載したセンサーによる観測という意味として、広域物理探査技術という文言を追加しております。
 それから、23行目、これを実施するために、「ニーズにつなぐための技術開発」とあります。そこまでで以前は終わっておりましたけれども、御指摘を踏まえ、ここに「人材育成」を追記しております。26行目以降ですけれども、観測データとモデルやシミュレーション結果をつないで、課題解決のニーズを持つ人が使いやすい形の情報に変換する技術開発とか人材の育成が必要であると。それから、社会ニーズにつなげるためには、研究者と利用者の連携を橋渡しするようなコミュニケータ、ファリテータのような人材育成も必要であるというのを追記しております。
 そして、得たデータというのは共有と利用の促進を図るというのを最後に書かせていただいております。ページをめくっていただいて、15ページ目の5行目ですが、この紙媒体に記録された貴重な観測データについては「デジタル化の推進等を通じて」という、「デジタル化の推進」というのを、御指摘を踏まえて追記をしております。
 最後に、こういった国内の方針を踏まえて、GEOSSへはどう貢献していくかというところを書かせていただいております。今まで、サイエンス的な取組としていたところは、18行目、28行目に、「地球システムのさらなる理解、現象解明への取組」という言い方で修文をしております。
 主な点と、この1週間の間に御指摘を頂いて追記をさせていただいた部分の御紹介は以上です。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、ここから、ただいまの御説明を踏まえた議論を行いたいと思います。進め方といたしましては、1章から4章までありますので、章ごとに区切って行います。
 初めに、1ページ目の第1章と第2章までの議論を行いたいと思いますので、そこまでで何か、今の事務局の説明も踏まえて、御質問、コメントがありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。どうぞ。

【沖委員】
 2章まで?

【小池(勲)部会長】
 2章まで。

【沖委員】
 2章まで。よろしいでしょうか。

【小池(勲)部会長】
 どうぞ。

【沖委員】
 2章の「推進戦略策定後の状況変化」というところで、4点、グローバル化、環境影響の顕在化、情報通信、観測技術の推進、それから、異常気象など災害の発生がありますが、もう一つ、地球観測という観点から言いますと、やはり民間主導の地球観測データ利用が非常に社会的に広まったというのが上げられるのではないかという気がいたします。
 具体的にはGoogle Earthや、あるいは、スマートフォン上で地球観測データが逐次配信されるようなこと、あるいは、もっと言えば、国に頼らずに、自ら民間者が自らの業務に必要な地球観測データを収集して、場合によっては外にも公開するといった動きが出ているというのは、やはりこの地球観測の前の推進戦略が出たときには想定されていなかった事態なのではないかと思います。
 そういう意味から申しますと、この、これは政府の取りまとめではありますけれども、そういう民間の動き、後ほどの方に産業への貢献というのもありますので、ここでまずそういう動きがあるということから、産業にももっと使ってもらって、日本の企業、あるいは、世界の企業が生かすことによって社会に貢献するのだということ、もし可能でしたら、その4章にもそういう官民連携みたいなことというのがあるというのが、アップ・ツー・デートでよろしいのではないかと思いますので、御検討いただければと思います。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。
 3ページの5つ目に、何というふうにしたらいいのですか、民間。

【沖委員】
 主導。

【小池(勲)部会長】
 主導の。

【沖委員】
 地球観測。

【小池(勲)部会長】
 地球観測の進展。

【沖委員】
 進展。

【小池(勲)部会長】
 タイトルだけ入れば、ここはいいわけですね。

【沖委員】
 はい。

【小池(勲)部会長】
 はい。
 ほかにコメント、質問等ありますでしょうか。どうぞ。

【堀川委員】
 全体に今まで議論されたことが網羅されているので、私はあまり大きなコメントはありません。一方で、どこに入れたらいいのか私にもちょっとよく分からないところですが、現状認識の中として、観測については課題解決のためのニーズに応じた観測を行っていくという表現にはなっていますけれども、研究開発機関から例えば衛星のデータ、衛星からのデータ取得に関して、定常的な運用に移行するとき、得られるデータが定常的に常に必要なデータという場合には、研究開発機関ではいつまでもデータの取得ができないので、そういう定常利用をする機関への移行というか移管をもう少し適切に行うような仕組みや、体制が取られるべきではないかと思います。したがって従来、このことはJAXAに特有なことであるのかもしれませんが、そういったことをどこかに、問題提起とその解決に向けた課題を記述していただけるといいと思います。

【小池(勲)部会長】
 これはどこに入れればいいのか、なかなか難しいところだと思います。かなりこれは大きな課題ですよね。いわゆるよくある研究観測から定常観測に、業務観測に移すというのが全部今言ったようなことに入ってくると思いますので。全体の中で、4章までの中でどこかにこれを入れるということでよろしいでしょうかね。

【堀川委員】
 はい、私は結構です。

【小池(勲)部会長】
 どうぞ。

【大垣部会長代理】
 いやいや、今、気が付いたからあれですが、13ページの26行目2.の「観測基盤の維持・強化とイノベーション、データの利活用」のところが、13ページの下の30行目辺りから書いてありまして、さらに、14ページの4行目に関連のところがあるかと思いますので、そこの。

【小池(勲)部会長】
 そこですね。

【大垣部会長代理】
 常時観測とか体制のことを加えたら良いのではないかと思います。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございます。入れる場所は多分ここの方が、前に入れると、ちょっと全体の話がまた。

【堀川委員】
 そうですね。問題提起だけになってしまうので、解決の方に入れていただければいいと思います。

【小池(勲)部会長】
 ほかに何か。

【深澤委員】
 いいですか。

【小池(勲)部会長】
 どうぞ。

【深澤委員】
 2章までですよね。3ページ目の19行目からのこの主な状況変化なのですけれども、これの最初の「グローバル化の進展」ということについて、例えば3番目とか4番目ぐらいにもう少し説明が欲しいですね。何のグローバル化だったのかということと。
 それから、あと、この2番目の「開発途上国の発展に伴う環境影響の顕在化」というのは、これは何のどんな根拠に基づいた表現でしょう。

【小池(勲)部会長】
 これは事務局の方からお願いします。

【木下環境科学技術推進官】
 すみません、個別にこれが根拠だというのは今ちょっと手元に持ち合わせておりません。昨年度まとめられた報告書など、これまでの議論を踏まえて書かせていただいております。

【深澤委員】
 すいません。これはあれですよね、英語で国際的に発信される文書ですよね。全然、それとも、これは国際的には読まれない文書ですか。

【木下環境科学技術推進官】
 基本的には、この後、最終取りまとめというのを夏に向けて実施をしたいと考えておりまして、もし英訳文を作る必要があるとしても、そちらの方になると思います。中間とりまとめの英訳は考えておりません。

【深澤委員】
 分かりました。それじゃあ、二つ目は何か一応確認してほしいので、一つ目のグローバル化というのが何のグローバル化かというのは少し、もう少し説明が必要かなと思います。

【小池(勲)部会長】
 このグローバル化の前に何か言葉を付けるということですね。

【木下環境科学技術推進官】
 ええ。経済のグローバル化とか、例えばそういうことです。

【小池(勲)部会長】
 じゃあ、それは事務局の方で少し考えていただけますか。

【木下環境科学技術推進官】
 はい。

【小池(勲)部会長】
 ほかに。どうぞ。

【藤谷委員】
 2ページの14行目に、「広く関連する社会経済データも含めて検討すべきである」と書いてあるのですが、全体を見ますと余りそのことが目立たないので、もう少し言及する必要があるという感じがしました。

【小池(勲)部会長】
 はい。どうしましょうか。これは。

【木下環境科学技術推進官】
 藤谷委員、すいません、今の御指摘の趣旨は、その社会経済データを含めて検討すべきであるという、その背景をもう少し説明した方が分かりやすいだろうというふうに理解をしてよろしいですよね。

【藤谷委員】
 具体的な施策のところに、社会経済データを整備すべきであると、何か提言のような言葉があれば、非常にいいと思います。

【小池(勲)部会長】
 恐らくそれは多分、第3章か4章で多分出てきます。だから、ここでは現状認識なので、こういう問題がありますよということを取り上げているというふうに解釈していただきたいと思いますけれども。

【木下環境科学技術推進官】
 もし何かあれば、3章、4章のところで、そういった御議論をしていただけますと大変助かります。よろしくお願いいたします。

【小池(勲)部会長】
 よろしいでしょうか。
 それでは、次に移りたいと思います。次が3章ですね。ページからいきますと5ページ目から「その他」まで、11ページまでですね。ここではいかがでしょうか。これは、ここのところが割合とこの部会でいろいろ議論していただいた非常に基本的なことが書かれているところで、非常に大事なところだと思いますけれども。どうぞ。

【沖委員】
 前回の会議で、熱帯降雨観測衛星の例を挙げたと思うのですが、それが反映されてないので、もし可能でしたら、御検討いただきたいと思うのですが。8ページの「最新の技術を活用した地球観測」の19行目に「新たな地球物理量の観測は、科学にブレークスルーをもたらすと同時に、新たな社会貢献や問題解決が図られる可能性を秘めている」と書かれておりますが、ここに例示として、「新たな地球物理量の観測は」の後に、「例えばフェーズドアレイレーダーを搭載した熱帯降雨観測衛星のように」というふうに入れることをちょっと御検討いただけないかというふうに思います。
 つまり、フェーズドアレイレーダーという当時としては非常に技術的にも困難で測定手法としても新しいものを搭載した熱帯降雨観測衛星TRMMというのがあって、それが科学にブレークスルーをもたらしたと同時に、GSMaPという準リアルタイムの降雨観測、降雨データセットが提供されて、途上国での洪水防止とか土砂災害防止などに役立てられようとしているという意味では、まさにここにぴったりくると思いますので、「例えばフェーズドアレイレーダーを搭載した熱帯降雨観測衛星のように」というふうな文言がここに入らないかということを是非御検討ください。

【小池(勲)部会長】
 はい。これはこの間のときにその事例を挙げられましたね。余りたくさんその事例を挙げてくると、もう話がややこしくなりますけど、非常に代表的なものを一つ挙げるのは非常に話が分かりやすくなりますので、よろしいですか。
 ほかに。どうぞ。

【深澤委員】
 いいですか。6ページ目のその最初の1行目から13行目で、それまでにニーズという言葉の定義もうまくしてくれて、すごく読みやすくなっていたのですけれど、ここで一転して分かりにくくなってしまうのは、10行から11行目に、「現在の利用者のニーズや、将来発生するニーズ」というのは、これまでの文脈からいくと、地球観測に対するニーズですね。それで、「想定等を可能な限り具体的かつ明確にした上で」、その次に、「観測ニーズに基づいた」というのがあるでしょう。これでちょっと分からなくなっちゃうのですね。
 というよりも、むしろこれは、「現在の利用者のニーズや将来発生するニーズの想定等を可能な限り具体的に明確にした上で、科学的挑戦に取り組む」だけの方が分かるような気がしました。これ、単に文章だけの問題で、その前に、利用者のニーズ、あるいは、将来発生するニーズのところに何か例えば「地球観測に対する」と入れればいいのかもしれないのですけれども、ちょっとここが分かりにくくなっている部分がちょっとありました。

【小池(勲)部会長】
 はい。これはやはり言葉がダブっていますね。ですから、今言われたように、後の方の「地球観測ニーズに基づいた」は要らないと思いますね。
 ほかにございますか。いかがですか。どうぞ。

【渡邉委員】
 内容については基本的に結構かと思います。枠組みについて書 10ページの4.の「部会の役割」と11ページの5.の「その他」は据わりが悪いと思います。「基本的考え方」なのですから、「その他」というのは適当ではないように思います。書いてあることは人材の育成についてですよね。ですから、適当なタイトルを付けてもいいと思います。
 4.の「部会の役割」はどこかに書かなければいけないのですが、今の5.の後ろでもいいと思います。ここで書いているのは、統合的推進組織の機能強化ということだと思うので、案の4.と5.と併せて体制の話としてまとめる方法方もあります。この4.と5.は、まとめ方の形を検討いただいたら良いと思います。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございます。確かに「その他」、「その他」というのはちょっと余りよくないので、今ので、これ、何かいろいろ直している間に、ここは人材育成がメーンになってきたのですね。ですから、初めはいろいろその他が入っていたのですけど、だんだん、だんだんフォーカスが絞れてきてしまいましたので、これを「人材育成」としたら、4番目の地球部会の役割と一緒にするのがちょっと、分けた方がいいような気がしますので、順番をひっくり返して、人材育成の方を先にして、最後にこの部会の役割という形にした方が座りはいいのかなと。いかがでしょうか。よろしいですか。

(「結構です」の声あり)

【小池(勲)部会長】
 ほかに。どうぞ。

【高村委員】
 3点ほどございます。
 一つは、5ページ目のところになります。もう非常に完成度の高い取りまとめになっておりますので、若干ちゅうちょするところがあるのですが、20行目のところですけれども、書きぶりとして、具体的に「社会からの課題解決の要請(利用者のニーズ)に具体的に対応することを基本とし」という表現でよいのかどうかというのが少し気になっております。
 何かといいますと、もちろん観測自身が社会からの問題、課題解決に要請に具体的に対応していただくというのは非常に強く思いますけれども、他方で、必ずしも社会の課題解決に今すぐ直結はしないものであっても、それが長期的に見たときには意味が生じてくるといいましょうか、そうしたものが逆に排除されないような文言であるべきではないかということであります。
 例えば、「具体的に対応することに」、非常に今度は弱くなるかもしれませんが、「留意をし」とか、ちょっとこの適当な言葉を少し考えていただけるとよいのではないかと思っています。「基本とし」といいますと、やはりこれをできないものは観測の、国として取り組む地球観測から漏れてしまうような、にも読めてしまうように思ったものですから、ここのところが1点、お知恵をおかりしたいというふうに思っております。
 二つ目でありますけれども、その下の23行目のところなのですが、指摘としては正しいと思うんですが、「課題解決のニーズを有する者が具体的な観測項目を認識していない場合がある」、それはそのとおりだなというふうに思うんですけれども、ただ、じゃあ、具体的に、じゃあ、何なのかということを書く必要があるように思いまして、恐らくここでお書きになろうとされていたのは、だからこそ、社会の解決、問題解決のニーズを持っているものとのco-designというものを意識しなきゃいけないという、多分そういう趣旨で書かれているように思っていまして、何かこれについての一つの方向性というのを付言していただくのがよいのではないかというふうに思っております。
 最後が、ページが先に参りますが、10ページ目でございますけれども、オープンデータについて、これ、大変画期的といいましょうか、非常に重要な原則をここで出そうとされているというふうに理解をしております。
 気になっておりますのは、「ただし」以降のところなのですが、7行目以降のところですけれども、恐らく観測データの中でも、ここに書いてありますように、機密性の高いもの等々もあるというふうには理解をしております。他方で、私ですと、越境大気関係のデータを途上国などが出してこないといったようなケースというのはやはりこの秘匿性というのをすごく前面に出されるのですね。
 日本での研究者でそのようなことがあるとは思いませんけれども、しかしながら、この機密性の高い情報を非公開にするというのはかなり限定的にむしろルール作りをしていかないといけないと思っていまして、この「慎重な見極めが必要である」という表現が実は気になっているのですが、誰が決めるのかというところについて一定のやはりルール作りが必要であるということを付していただくことが必要ではないかというふうに思っております。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 3点、御指摘がありましたけれども、いかがでしょうか。
 最初の御指摘は、余り社会からの要請に非常にスプリクトにしてしまうと、ただ、いろんなところでそうではないものも書かれているのですけれども、なかなかこの表現の仕方が難しいと思いますけれども。少し弱めることはできますか?

【木下環境科学技術推進官】
 はい。御指摘を踏まえて、対応したいと思います。

【小池(勲)部会長】
 それから、二つ目の御指摘のいわゆる意図しなかった新しいニュースは、このNEAR-GOOS/WESTPACがその実例として引かれていますけど、深澤委員、これはどういう形で実現になりますか。

【深澤委員】
 これは例えばNEAR-GOOS/WESTPACは基本的には国土交通省系の人間、官庁がデータを集めるわけですけれど、それをアジアのWESTPAC、WESTPAC、特にNEAR-GOOSですけど、NEAR-GOOSの中の各国で共有することで新たな科学的知見が生まれたり、あるいは、日本海アジアの海峡予測ができたりということで、要するにもともとやっているのはそれぞれの国の一つ一つの観測なのですけど、それをまとめることで新たなニーズが更に生まれてくるという意味で。

【小池(勲)部会長】
 事例として挙げられるということですね。

【深澤委員】
 はい、事例として挙げるのがいいのではないかということです。
 それと、あと、大事なのは、IOC-WESTPACとか、その中では多分数少ない成功例の一つだと思うので、これに日本が絡んでいるというのはとても誇るべきことだと思うので、どこかで挙げておく方がいいなという気はします。

【小池(勲)部会長】
 どうぞ。

【高村委員】
 23行目と24行目と、多分、「また」のところと、その23から24の1行、第1パラグラフといいましょうか、第1行目でしょうか。これ、多分、異なることをお書きになっているように思いまして、1番目の方の例として、北東アジアの地域海洋観測システムの例ではないように理解したのですが、その理解は間違っておりますでしょうか。
 むしろ解決ニーズを有する者が具体的な観測を認識している場合があるので、ともにその観測、課題解決のニーズに基づく地球観測のco-designというのでしょうか、システムの設計が必要であるという、いったような言葉を付言していただいて、「また」以下は全くそのまま残していただいていいのではないかと思っておりますけれども。

【小池(勲)部会長】
 このNEAR-GOOSの事例は「また」から後の説明になっているのですね。ただ、何か具体的な事例がうまくあるかどうかというのは難しいですね。

【木下環境科学技術推進官】
 逆に、何かそういった事例を、ここにお集まりの委員の皆様がもし御存知(ごぞんじ)とか、もしそういうことをやっていらっしゃる、やっていますとかいうのがありましたら、教えていただけますと。

【深澤委員】
 これを読んで、僕は余り違和感がなかったのですが、今あったような話からいくと、例えば23行目は不要かもしれません。
 要するに、ニーズ主導の地球観測システムがあります。その次はニーズ主導の観測をやった結果、ニーズとは異なる新たな問題解決が図られる場合があるというのが多分下の方の例ですね。ですから、「その際」というのは違う、「その際」の23行目を外した方が誤解は少ないかもしれないですけど。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 ただ、言っていることが違いますので、やはり何かいい事例があれば、それも。なかなか難しいですね。「課題解決ニーズを有する者が具体的な観測項目を認識していない場合」というのを事例として挙げるのはなかなか難しいような気がしますけれども。

【深澤委員】
 難しいですね。23行目を削ればいいのだと思います。

【小池(勲)部会長】
 ただ、やはりこれもいわゆる、何ていうのですかね、こういうケースもあり得るということはあるわけですね。

【木下環境科学技術推進官】
 そういう御指摘があったので、ここには反映させていただいているのですが、その部分については別のところで読めるということであれば、今、深澤委員がおっしゃったような形で、ここの部分は消す方が、もしかすると論旨が明確なのかもしれないと感じました。

【西川地球観測推進専門官】
 今のところですけれども、部会長御指摘のとおり、こちらで文章を書き上げた際には、「その際」の部分と「また」の部分と二つの論点があるという趣旨の理解でおりました。
 その上で、高村委員がおっしゃいましたように、co-designが非常に重要、つまりニーズの解決に結び付けていくためにいろいろなプロセスが必要だということでございます。27行目「これらを踏まえ」以降、ニーズの違いを明確にするということを書かせていただいておりますので、その中にしっかりそのco-designというキーワードを入れて少し修文するということではいかがでしょうか。

【小池(勲)部会長】
 はい。確かにいわゆるいろいろなニーズと実際に取っているものとがうまくリンクしてない場合がたくさんあるので、それをco-designという形できちんとまとめていくことが非常にこれから大事だということですよね、これはね。

【西川地球観測推進専門官】
 はい。そういう趣旨だと理解しております。

【小池(勲)部会長】
 高村委員、これ、そういう形でいかがでしょうか、これは。よろしいですか。
 ほかにございます。
 なければ、第4章、最後のところですね。12ページからですけれども。先ほど、前の方で指摘されたことを、12ページ以降のところに入れるというのがありましたけれども、それ以外のところで、12ページ以降で何かございましたら、よろしくお願いします。どうぞ。

【沖委員】
 ありがとうございます。まず、14ページの「『観測イノベーション』の推進」のところです。19行目のところで、「衛星観測や船舶等による海洋観測等」とありますけれども、これ、係り結びが分からないのですが、衛星観測も海洋観測に掛かっているとしますと、「衛星や船舶等による海洋観測等」とすべきかと思いますし、衛星観測というのが衛星からの地球観測が得意だという意味であれば、そういうふうに「衛星による地球環境観測」とかいうふうにしていただくのがいいのではないかと思いまして、私としては、「衛星による地球環境観測や船舶等による海洋観測等は」というふうにしていただくのがよろしいのではないかというふうに思います。というのがまず1点目です。
 2点目がちょっと深刻です。ここは今後何をやろうとしているかというのが書かれているところだと思いますので、非常に大事だと認識しておりますが、例えば12ページの19行目に行きますと、「基礎的な情報を収集・提供する」と、13ページの頭に行きますと、3行目が「基礎的な情報を収集・提供する」と、それから、13から14行目にかけても「提供する」と、何をやるかというのがきちんと書いてあるわけですね。
 何ですが、その人材育成のところ、14ページの人材育成のところだけ、「求められる」と書いてあって、何をするというのが何も書いてないのですね。この会議は研究開発局の事務局なので、教育は、人材育成は違うということかもしれませんが、この文書自体は科学技術・学術審議会に対する答申ですので、ここに関しても何をするのかというのを、求められていることを書くのではなくて、何をやるかというのをやはりきちんと書き込むべきではないかと思いますので、是非お願いいたします。

【小池(勲)部会長】
 はい。特に14ページですね、の「人材育成も求められる」ではなくて。

【沖委員】
 はい。「促進する」と。

【小池(勲)部会長】
 「促進する」、「人材育成も」、「を」ですか、「も」ですかね。

【沖委員】
 例えば27行目から28行目にかけては「人材育成を促進する」でしょうし。

【小池(勲)部会長】
 「促進が求められる」。

【沖委員】
 「ファシリテータや人材育成も推進する」とかですね。29行目ですけれども、やはりそういうふうに。いや、書けないということであれば、是非書けるように調整していただきたいと思います。

【木下環境科学技術推進官】
 ここは御指摘を頂いたものをそのまま反映したところです。今日の御議論を踏まえて、適切に修正したいと思います。

【小池(勲)部会長】
 別にこれは書けないということはないわけですよね。

【木下環境科学技術推進官】
 はい。

【小池(勲)部会長】
 書けないということは、だから、考えずに、「推進する」と書いても、文部科学省全体としては推進するわけですから。よろしいですね。
 ほかに。どうぞ。

【深澤委員】
 すいません、後からこれは入った文章で、15ページ目の4行目、5行目なのですが、それまでの感じから見ると、ちょっと余りにも細かく具体的過ぎる感じがして。大事なのはすごく分かります。本当にデータを発掘しに行く人もたくさんいますから、現実には分かるのですが、むしろ、例えばその前の32行目で「情報技術の高度化やビッグデータサイエンス」、32行目ですね、「サイエンス等の動向を踏まえ」、この観測データというところを歴史的なものも含めたような形に書き換えると、例えば「適切にアーカイブ」という、この下で、4行目、5行目という観点が入るのではないですかね。
 そうすると、何かこれだけ一つ、ごめんなさい、とっても具体的で細かくて実効的なもので分かるのですけれども、もう少しほかのところと併せると、「データの共有と利用の促進」「観測データを適切なアーカイブ」というところに含められないかなという気がしました。

【小池(勲)部会長】
 これはどうでしょうか。観測データの中には歴史的データもこれは入ってくるわけですよね。当然、アーカイブするわけですから。ですから、そのままで、今言われたことは読めるような気はしますけれども。

【深澤委員】
 ごめんなさい、ただ、どうしても、ごめんなさい、4、5というのは観測そのものではなくて観測の方針ではないので、それなども、多分、僕の感覚からいくと、観測するということとデータを一つのくくりにコレクトするということは全く別の作業という、私はするので、そういう意味では4、5が出てくる気持ちは分かります。
 だから、それでも中で整えるとしたら、この観測データというところに「歴史的なものも含めた」とか、あるいは、「過去のものも含め、観測データを適切にアーカイブし」という形にすると、4、5の意味がそれほど具体的に細かくなくて収まりよく入るのではないかなと思った次第です。

【小池(勲)部会長】
 そうしましたら、14ページの最後の観測データのところに「歴史的な」、次ページの4、5のところと対応するような形で、「歴史的な」と、「も含めて」という形にすれば、よろしいですか。
 ほかにいかがでしょうか。一応最後まで検討していただきましたけれども、全体を通して、何かございましたら、お願いいたします。安岡委員はいかがですか。

【安岡委員】
 午前中も委員会があって、午後の一発目なので、まだ地についてないところがありますが、すいません、わざわざ当てていただきましたので、何か言わなきゃいけないみたいで。
 この4の「今後10年の具体的な実施方針」、ここで書き込むというよりは、事務局の方から、今後どうあるかというのを後ほど議論があるということだったものですから、むしろそちらの方でお話をしようかなと思ったのですけれども、やっぱりそっちの方がいいですかね。
 口火を切るという意味で、これから観測データが世界の標準化とか基準化の中で使われていくような時代が多分来るのではないかという気がします。というのは、例えばREDD+という国際的な枠組みの中では、森林の面積は衛星観測で測りますということが言われていて、それから、排出量に関してはどれどれ、どういう方法で測りますということが書かれていて、これは計測に関する規定が世界的な標準の中で決められているのですよね。その方式についてはこれから検討するということになっているわけですが、多分そういうようなことがこれから増えていくだろうという気がします。
 つまり、国際的な枠組みの中で観測して対策を立てて、そして、課題解決に向けた全体のパッケージの中で何をしていかなきゃいけないかという標準化とか国際的な基準化というのが起きるということが想定されるわけですが、その中でこの日本の地球観測がどうあるかという議論はやっぱりしておいた方がよくて、それは「今後10年の具体的な実施方針」の中でやるというよりは、私は更にその次の、この報告書ではなくて、今後何を考えなきゃいけないかというやや一般論のところでお話ししようと思いましたけど、そんなことも考えておく必要があるかなということを、ちょっと口火を切らせて、当てていただきましたもんですから、口火を切らせていただきました。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 この中でも、データの標準化とか国際標準化という言葉は出てくるのですけど、余りそれが非常に強調された形では書かれていませんので。
 それでは、この中間取りまとめに関しては、今出た御議論を頂いて、事務局で修正を行って、ただ、今期の部会はこれで終了ですので、中間取りまとめ案の最終決定に関しては私が事務局と相談しながら、最終的に決めさせていただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【小池(勲)部会長】
 もしそういう形でしていただければ、有り難いと思います。
 いずれにしろ、最終的にまとめられた「中間とりまとめ」は委員の方々の方にお送りするという形にするのでよろしいですね。

【木下環境科学技術推進官】
 はい。

【小池(勲)部会長】
 それでは、そういう形にさせていただきたいと思います。
 それで、また、この次期の6期のこの部会では、この中間取りまとめを踏まえて、今年の夏ぐらいまでに最終的な取りまとめを行うというふうに聞いております。そこでは、その中間取りまとめに掲げました方針を実現するための具体的な施策を盛り込んでいくというふうに聞いておりますので、つきましては、これまでの経緯や内容を知っておられるこの5期のメンバーから、いわゆる申し送り事項のような形で、具体的にどのような施策についてどのような目標を掲げるべきかについて提案を残していったらどうかと思います。
 それで、いずれにせよ、メールベースでお願いしたいと思いますけれども、今、安岡委員から一つありましたけれども、何かこういう点が非常に大事だということがございましたら、御発言いただければ有り難いと思います。いかがでしょうか。
 ちょうど地球観測がちょうど10年たって、それで、全体を見直して次の10年ということを考える非常にいい、今、時期で、この中間報告、それから、今年の夏、多分まとめられるだろう最終報告でこれから先の10年がどういう方向で行くかと、行きたいかということがきちんとした形で出されるというふうに思いますけれども。
 今日、今おまとめいただきました中間取りまとめがそれの素材、素材というよりは、かなり書き込まれていますけれども、そういう形になっておりますけれども、具体的にこれを更に、特に今、事務局の方として考えているのは、第4章ですね。4章の三つの、我が国が優先的にすべき地球観測の項目がございますけれども、それのかなり具体的な例を挙げていって検討するということを考えているので、特にその辺で何か御発言がありましたら、お願いしたいと思います。
 今、「問題解決への貢献」として三つ、「活力のある社会の実現」、それから、「防災・減災への貢献」、「将来の環境創造への貢献」。これはこの3番目は、これ、両方とも生かすのですかね、表題は。これは前回のときに大分もめたところですけれども、「将来の環境創造への貢献(地球環境変動リスク軽減への貢献)」となっていて、できたら一つにした方が、ここだけ二つタイトルがあるのがちょっとおかしいので。大垣委員、何か。たしか前に環境創造という言葉を。

【大垣部会長代理】
 それで入ったのですね。

【小池(勲)部会長】
 言っていただいて、入ったのですけれども。

【大垣部会長代理】
 今、部会長からの御質問ですので、あえてお答えすると、「地球環境変動リスク軽減への貢献」だと少し範囲が狭いのではないかという気がしますので、もしも一本にするならば、「将来の環境創造への貢献」という形で、先ほどの社会ニーズというものの広がりを大きくしておいた方がいいのではないかという気が、今瞬間的にはいたします。そういう文脈の議論がちょっと今思い出しませんが、多分それ、そういう考えだったと思いますが。

【小池(勲)部会長】
 これに関してはいかがでしょうか。「地球環境変動リスク軽減」の方が分かりやすいと、分かりやすいというか、「将来の環境創造への貢献」というのはかなり漠とした概念ですけれども、幅が広いことは確かですね。いかがですか。
 それでは、「将来の環境創造への貢献」という形でタイトルを付けさせていただくということでよろしいですか。ですから、「リスク軽減のための貢献」というのは切っていただきたいと思います。
 それでは、ほかにない、よろしいですかね。ありますか。どうぞ。

【杉本委員】
 どのタイミングで言えばいいのかなという、今ちょっと考えていたのですけれども、これからいろいろなことを考えていく上で、先ほどから何度かco-designという言葉が出てきましたけれども、これを具体的にどういうふうに進めていくのかというのを、多分多くの人が重要だということは分かっているのですが、どういうふうに具体的に進めていいのかというのが非常に難しい問題だと思うのですね。
 ですので、それを施策としてどういうふうにco-designを進めることを推進していくのかということをどこかで考える、そういう取組を行っていくということをどこかに入れるということがあっても良いのではないかなというふうに思いました。

【小池(勲)部会長】
 おっしゃるとおり、co-designというのはこういうものだということは言っているのですけれども、具体的にこれをどうやるかというのはなかなか確かに難しいので、何か今までの取組の中で成功例のようなものがあれば、それをある程度具体的な例として書いていくといいと思うのですけれども。杉本委員、何かぱっと思い浮かぶいいものはありますか。

【杉本委員】
 多分、沖先生、あるいは、小池先生、東南アジアで進められたような、ああいう事例がそれに当たるのかなというふうに思いますけれども。

【小池(勲)部会長】
 このco-designの場合は、いわゆる観測の始まりから、いろいろなステークホルダーが一緒に共同しながらやっていくという概念ですけれども、今まではどちらかというと観測をする方とその実際それを使う方というのが出口と入り口の両脇にいて、真ん中がよく分からないという状態が多かった気がしますけれども、この中間報告でも強調していますように、まだなかなかその間をつなぐ人材が育っていないというか、そういう問題があって、なかなか今後の課題としては非常に大きな課題ですけど。できたら、この実際の取りまとめの中で具体的な成功例が幾つか挙げられれば、皆さん、割合と考えやすいというふうに思いますので、少しいろんなところから、これはうまい成功例だということが出てくれば、有り難いと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。

【安岡委員】
 よろしいですか。

【小池(勲)部会長】
 どうぞ。

【安岡委員】
 今の御意見、杉本先生の御意見と関係するのですけど、関係するというのですかね、「課題解決への貢献」というのが1.で書かれているのですが、具体的には課題解決への貢献の道筋というのは必ずしも我々、議論してこなかったのですよね。つまり、観測するという立場から観測はしますと、貢献はそれを使ってやってくださいに近い形になっていて、その最後の出口への道筋を必ずしも作ってこなかった。その道筋の一つがさっき言ったその国際標準化というようなことでもありますし、それから、co-designもその中に入ると思っていまして。
 私は次の次期の方々に議論していただきたいところに、その道筋をきちっとやっぱり、観測からその対策への道筋を作りましょうということを提案しようと思っていて、その中に国際標準化というのが一つあったわけですが、多分co-designも非常に難しい話で、ここで具体的に書き込むのは、書き込むと、何か舌かみそうな感じがします。それで、もう僕はこれで良いかななんてちょっと思っちゃったのですけど、もし書き込むのであれば、やっぱりきちっと書き込んだ方がいいと思いますね。

【小池(勲)部会長】
 私は今のこの中間取りまとめではちょっとそこまでは踏み込めないと。しかし、今年の夏、できるものに関してはやはりそこがかなり大事なところですので、ある程度具体的な例を挙げて、こういう形で道筋を付けていくということを是非書き込んだ方がいいと思っております。
 どうぞ。

【沖委員】
 すいません。今のco-designなのですが、例えば今想像しますに、火山の問題が出てきて、火山の観測を強化しようと、その情報をどういうふうに社会に提供すればいいかというところで多分関係の方は苦労されているんじゃないかと想像されますし、それを思いますと、もともとの例えば台風情報、気象情報をどうやって提供するのがいいか、それは観測のデザインのところでは必ずしも一般の方を交えてはいないかもしれませんが、出口のところでどういう使い方が一番地球観測を有効に使ってもらえるかというところのデザインは、やはりもうそういうユーザー側を交えて議論するような社会になりつつあるのではないかという気がいたします、というのが1点、コメントと。
 それから、15ページ、16ページで「GEOSS構築を目指す」とか「GEOSS構築に取り組む」とあるのですが、GEOSSがまだできてないかのような表現にも取れるので、GEOSSの更なる発展とか改良とか、あるいは、GEOSSの中でどういうところを強化するとか、強化とか、やはりちょっとそういう言葉を使っていただいた方がいいのではないかというふうに思いましたので、御検討ください。

【小池(勲)部会長】
 申し訳ありません、ちょっと私の目が届きませんでした。
 今、沖委員の言われたことは、沖委員がやられているタイのいろいろな観測とそれの実装ですよね、社会実装で、具体的にはつなげる形まで行っていますので、ああいうSATREPSでやられているいろいろな観測を通じた社会貢献ですね、はかなりの成功例として挙げられると思いますので、是非声を大きくして、こういうことをやっていますと言われるといいと思います。
 ほかに。よろしいでしょうか。

【深澤委員】
 ちょっといいですかね。

【小池(勲)部会長】
 どうぞ。

【深澤委員】
 言わずもがななのかもしれないのですけど、これから10年先の話で、皆さんの話もそうなのですけど、この中に書かれているところで、例えばすごくどうするのかなというのがたくさんあるのですけど、例えば14ページにあるみたいに「観測に対するニーズを的確に把握」しろと。どうやって的確に把握するのだろうと。でも、それがco-designなのでしょうけども。

【小池(勲)部会長】
 そうですね。

【深澤委員】
 という具合に考えると、例えばco-designとか社会への出口というのは、例えばこの「観測基盤の維持及び長期的」、ここのところにco-designも含めた形で少しまとめ直した方がいいような気がしました。
 それで、分かれちゃっているので、何となくニーズを的確に把握するようなシステムや、あるいは、実際すごく難しいのですけれど、標準化というような話が出てくるところに、例えばそのco-designに基づいた標準化があったり、それから、co-designに基づいた観測網の構築があったりして、当然、GEOSSもその方向に動いているわけですから、そのco-designという言葉を日本語でやった方がいいのか、そこも難しいのですけどね。ただ、観測がニーズドリブンであることはもうこれは誰もが思っていることですね、観測する方がね。ただ、その中でのニーズの的確な把握にco-designをもっと活用しようという、そういう形がうまく入ってきたらいいな、見えるような形になるといいなと思いました。

【中静委員】
 よろしいでしょうか。

【小池(勲)部会長】
 どうぞ。

【中静委員】
 今の議論の中で、co-designとも関係するのですけれど、恐らく観測の下流にあるといいますか、観測することだけがGEOSSではなくて、観測した下流で、観測した結果を、水害だとか災害関係はかなりできていると思いますけど、例えばウォーニングシステムに生かしていくかとか、様々な分野で観測情報をもとにどういうふうに行動するかというようなシステムが作られることが多くなってきていると思います。生態系なんかでも、管理ツールのようなものが出てきています。
 だから、観測結果の可視化とか、ユーザーにきちんと使ってもらえるようなツールの開発も併せてやっていくようなことを考えることが、co-designにもつながってゆくのかなと思いました。

【小池(勲)部会長】
 今のはどういう形でこれに、書き込みますかね。

【中静委員】
 申し送りでいいと思います。

【小池(勲)部会長】
 申し送りの中でしっかり書いていただくということですね。
 今、やはり観測の上流、下流、あるいは、出口、入り口の話で、そこをco-designという形でうまくつないでいくということが非常にこれからの大きな課題であると。もともとGEOSSそのものがかなりニーズを主導のという形で始まったわけですけれども、10年たって、まだなかなかそこまでなかなか達していないという問題がまだ残っているということだと思います。
 ほかによろしいでしょうか。
 それでは、先ほど申しましたように、この5期のメンバーからの申し送り事項ということの位置付けで、どのような目標を掲げるかについて、メール、これ、事務局の方からメールで依頼が行くと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。もうこれでこの期はおしまいですけれども、最後に宿題を出すようで申し訳ございませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 その他、事務局から何かございますか。よろしいですか、事務局の方。

【木下環境科学技術推進官】
 今、小池部会長よりお話がありましたとおり、これでこの2年間の第5期の地球観測推進部会は本日が実質最後ということになってございます。これまで多くの先生方に御協力を頂きました。そういうこともございまして、研究開発局長の田中が参りましたので、一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。局長、お願いいたします。

【田中研究開発局長】
 研究開発局長、田中でございます。第5期、2年間、先生方におかれましては、地球観測ということについて大きな基本方針というか、今後の進め方ということについて御議論いただきました。本当にどうもありがとうございました。
 地球観測ということにつきましては、いろいろなところでやっており、息の長いものであることから、早々に簡単な結論が出るわけでもないものであります。大変難しい御議論をしていただいたと思います。
 「地球観測の推進戦略」につきましても、必ずしも文部科学省だけではございませんので、いろいろな役所と連携をして、これからも取り組んでいくことでございます。その全体的な構図というようなものを、今日おまとめいただきました。先生方の御指示あるいは御示唆を踏まえながら、進めていきたいと思っております。
 私たちは、地球観測ということについて「計画、計画」と言いますが、これからは是非、計画だけではなくて、誰がやるのかとか、どういう筋道でどういう連携をしながら、どういう情報をいつ出していくのだというような実施体制がきちんと目に見えるものにしていく必要があると思います。
 GEOSSにしても、そのほかの問題についてもこれから各方面で、社会的な意味合いが議論されるだろうと思います。その中でも、責任を持って我々として御説明できるような、そういうものに仕上げていただいていると思ってございます。
 第6期はこれからまた新たに始めていただくわけですが、先生方の御指示を是非とも今後もいろいろなところで頂きながら、きちっとした格好で進めていきたいと思っております。
 委員の皆様におかれましては、2年間、多様な観点から御意見を頂いたと思います。一つ一つの御意見を決して無駄にすることなく、将来に向かって生きていくようなものにしてまいりたいと思います。
 今後とも、文部科学省におけます地球観測のことについて、熱く見守っていただきたいと思いますし、御指導を是非お願い申し上げたいと思います。ほんとに2年間、ありがとうございました。

【小池(勲)部会長】
 どうもありがとうございました。

【木下環境科学技術推進官】
 部会長からも最後、一言いただいて、終わりにしたいと思います。

【小池(勲)部会長】
 それでは、第5期、2年間の地球観測部会を終わるに当たりまして、一言ごあいさつしたいと思います。
 初めに、この2年間の間、本部会として行いました、一昨年の8月にまとめましたいわゆる地球観測の取組状況の報告書、それから、今まとめていただきました今後の方針、二つの大事な報告書をまとめるに当たりまして、委員の方々の非常に積極的な、また建設的な御意見を頂きまして、そのような意見がうまくかみ合わさって、いろんなアイデアが生まれて、内容のある報告書ができたというふうに思います。本当にありがとうございました。また、事務局もいろいろな無理難題を非常にうまくきちんとまとめていただき、御尽力いただきました。併せて感謝します。
 こういう委員会は普通、1期2年の間に一つ報告書をまとめるのが普通だと思うのですけれども、この部会はその二つの報告書をまとめるというタスクが出てきてしまいまして、委員の方々にはかなりの御負担をお掛けしたというふうに思います。
 本部会は、考えてみますと、ちょうど10年前に旧総合科学技術会議ですね、CSTPの要請を受けまして、我が国で行っている様々な地球観測の取りまとめを文部科学省がやるということでできた委員会ですけれども、いわゆる推進戦略の中で、毎年その実施方針を決め、実施計画を作って、それを今度、CSTPの方でフォローアップするという、いわゆるそのPDCAサイクルを毎年毎年回すということが制度的に義務付けられていまして、かなり委員会としては短期的なことに追われた委員会ではなかったかと思います。それで、そのことで委員の先生方にもフラストレーションがあったことも聞かれております。
 というのは、やはりこの地球観測というのは多くの場合、中長期な展望に立って行っているものですので、毎年毎年ぐるぐるやるというのはなかなか大変だということがございました。幸い、今期はちょうどGEOSS10年が終了に近づいて、次の10年間を考えなきゃいけないという時期に当たりましたので、委員の先生方にも、日頃考えられている地球観測に対する基本的な考え方、また、その中で、今後日本としてやらなければいけないことに関してのいろいろな思いをこの報告書に書き込んでいただけたと思います。
 日本はある意味では地球観測においても非常に先進的な国でして、衛星から地上、海洋観測まで幅広い観測を着実に、また、精度よく行って、世界に貢献しているわけです。それで、これからの地球観測のデータというのは、考えてみますと、同時に私たち国民の非常に貴重な財産であるというふうに思います。
 それで、この財産をいかにこれからうまく活用し、また、それを発展させていくかについて、今回まとめました取りまとめが役に立つように、また、その意義が皆様、関係の各位に理解されて、有用に活用されることを、私たちとしては強く願いたいと思います。
 どうも2年間、ありがとうございました。

【木下環境科学技術推進官】
 小池部会長、ありがとうございました。これまでの先生方の多大なる御協力に厚くお礼申し上げます。地球観測については、今後も事業を続けてまいりますので、引き続き御指導のほどをよろしくお願いいたします。

【田中研究開発局長】
 どうもありがとうございました。

【小池(勲)部会長】
 それでは、事務局から何か。

【西川地球観測推進専門官】
 先ほど部会長から御提案いただきました申し送り事項に関する宿題については、後日、事務局よりメールでご依頼。最後の最後まで恐縮でございます。
 また、本日の議事録もメールで委員の皆様にお送りさせていただきますので、修正等あれば、その際に御指摘いただければと思います。最終的には文部科学省のウェブページに掲載することで公表させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 最後までどうもありがとうございました。

【小池(勲)部会長】
 それでは、これをもちまして、第5期の地球観測推進部会を終了いたします。どうも皆さん、ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

研究開発局環境エネルギー課

(研究開発局環境エネルギー課)