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第5期地球観測推進部会(第7回) 議事録

1.日時

平成26年10月31日(金曜日) 15時30分~17時30分

2.場所

文部科学省東館3階 3F1 特別会議室

3.議題

  1. 地球観測データのユーザーニーズについて
  2. 中間取りまとめに向けた検討について
  3. その他

4.出席者

委員

小池(勲)部会長、大垣部会長代理、東委員、沖委員、甲斐沼委員、河宮委員、小池(俊)委員、杉本委員、寶委員、瀧澤委員、佃委員、中澤委員、中静委員、深澤委員、藤谷委員、堀川委員、安岡委員

文部科学省

磯谷大臣官房審議官、松尾環境エネルギー課長、木下環境科学技術推進官、西川地球観測推進専門官

5.議事録

  出席者
【関係省庁】 岩崎内閣府参事官
【有識者】  独立行政法人国際協力機構地球環境部 大槻 英治 参事役(議題1のみ)

 

【小池(勲)部会長】
 それでは、時間になりましたので、ただいまより、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会第5期地球観測推進部会の第7回を開催いたします。
 本日は、お忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。
 事務局より、出席者の確認をお願いいたします。

【西川地球観測推進専門官
 本日は御出席の委員が17名と、過半数11名には達しておりますので、部会は成立となります。
 また、本日は、議題1において地球観測データのユーザーニーズについて御説明いただくため、ゲストスピーカーとして独立行政法人国際協力機構(JICA)地球環境部 大槻英治参事役にお越しいただいております。議題1までというふうに聞いておりますが、大槻参事役、よろしくお願いいたします。
 なお、本部会は、部会運営規則により公開とさせていただきます。
 以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。


(配布資料の確認)

【小池(勲)部会長】
 本日は、お手元の議事次第にありますように3件の議題を予定しております。また、会議の終了時刻は17時30分と予定しております。

議題(1)地球観測データのユーザーニーズについて

【小池(勲)部会長】
 議題1に入ります。議題1は、地球観測データのユーザーニーズです。当部会で作成しようとしています新しい地球観測の実施方針はユーザーニーズを踏まえたものにしたいと考えておりますが、その参考とするため、本日は、ゲストスピーカーとしてお越しいただいていますJICA地球環境部参事役の大槻様から15分程度でお話を頂いた後、御質問等を受けたいと思います。それでは、大槻参事役、よろしくお願いいたします。

【大槻参事役】
 ただいま御紹介にあずかりました、国際協力機構(JICA)地球環境部の大槻と申します。本日は、貴重なお時間を頂きまして、JICA国際協力の分野で地球観測データの利活用、現状と、それから今後に期待するものということでお話をさせていただきたいと思います。着席のままお話しさせていただくことをお許しいただきたいと思います。お手元、資料1ということで、右肩に書かれておりますA4判のカラーコピーがお手元に配布されているかと思いますが、こちらで御説明をさせていただければと思います。
 本日、お話しさせていただきます内容ですけれども、4点ございます。1つは、地球環境部で担当しております分野、実は非常に幅広くございまして、きょうお話しさせていただきます水資源・防災のほかに、森林の問題でありますとか、あと、水供給等の問題、それから実は廃棄物等の問題等も対応させていただいておりますけれども、本日は、私の担当の範囲ということで、恐縮ですが、水資源・防災分野におけるJICAの取組ということを御紹介させていただければと思います。
 そして、2点目と3点目が、本日のメインになりますけれども、いわゆる水循環に関するデータのサプライヤーですね。途上国の協力に当たって、データ等を提供して対象国で生かしていただくと。この立場としてのJICAとしての見方。
 もう一つは、水循環、それからその他の地球観測データのユーザーとしてのJICAの立場、2点の立場からお話をさせていただきまして、最後に、今後の展望ということで2点ほどお話をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず水資源の分野についてのお話をさせていただきます。めくっていただきまして、ページの3ページ目になりますけれども、水・衛生に関する協力の意義というものにつきましては、水資源の管理、それから効率的な水利用、そして安全な水と衛生施設へのアクセスの改善、それから水関連災害の軽減というものを掲げております。
 2点目の安全な水と衛生施設へのアクセス改善というのは、国連のミレニアム開発目標の中で、ターゲットとして水に関するものとして掲げられているものになります。
 こういったものの中で、JICAが重点を置いている部分といたしましては4点ございます。
 1つ目が、観測データですね。いわゆる事実関係のデータに基づく精度の高い水資源管理の実施。そして、特に需給が厳しくなります都市における給水のアクセス改善。そして、持続可能な村落の給水。そして、衛生改善の促進というものになります。
 次に、防災分野の活動方針ですけれども、防災も、途上国の安定的な発展を支える1つの重要な要素というふうに考えておりまして、下に若干パルテノン神殿風の絵が描かれておりますけれども、5つの目標を掲げて、途上国の安定的な発展に寄与するということを目指しております。ベースとなるものは、防災体制の確立と強化。そして、リスクの的確な把握と理解の推進。そして、リスク削減対策の実施。そして、いざ、災害が起きたときの効果的な対応をするための応急対応。そして、災害の後、より災害に強い社会へのシームレスな復旧と復興と、こういったものを、現在、目指しているというところでございます。
 これは、全体の流れとしてどうなっているかというのが、次、5ページ目になりますけれども、2015年というのは非常にエポックメーキングというか重要な年でありまして、ミレニアム開発目標の次の目標、それから持続的な開発目標の設定。そして、来年3月、中段、オレンジ色で書かれておりますけれども、国連防災世界会議が仙台で開かれるというところがありまして、持続的な発展について、防災がどのように貢献できるのかというところが問われるというタイミングになってきております。
 そのほか、アフリカ開発会議でありますとか、先般、行われましたGEOSSのアジア太平洋会議、それから島嶼(とうしょ)国の国際会議等々を経て、来年、太平洋・島サミット、そしてポストMDGs(ミレニアム開発目標)、COP21(2015年末の第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議)という形に続いていくことになっております。
 こういったものの中で、我々JICAとしても、より新しい知見を取り入れるということで、学術、研究機関との連携というものを心掛けております。その1つがSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)というふうに申し上げまして、先生方にはお世話になっている機会、大変多いかと思いますけれども、JST(独立行政法人科学技術振興機構)とJICAが連携することによって、いわゆる競争的な研究資金というものとODAを組み合わせるという形で、途上国の地球規模課題の解決と社会実装というものに向けた、国際共同研究を推進するというものになっております。
 分野としては、環境・エネルギー、生物資源、防災、感染症の4つを挙げておりまして、現在、41か国の87案件を、これまで実施、取り組んできているという状況であります。
 特に、防災で言いますと、ミャンマーの災害対応力強化システムと産学官連携プラットフォームの構築。それから、タイの気候変動に関する水分野の適応策立案・実施支援システムの構築というようなものを、具体的には取り組んでおります。
 こういったものを背景として、では、具体的に水循環データの供給者としてのJICAの取組を御紹介させていただきます。
 めくっていただきまして8ページですが、まず、1点目は、地上観測網整備の必要性というものを掲げております。これは、水文(すいもん)・気象等の現象については、現時点の値というものも重要ですけれども、将来にわたる適正な水資源・治水対策等の計画を立てるに当たる基礎となるものになります。したがいまして、長期にわたってデータを蓄積し、それを生かしていくという作業が必要だということでございますし、水文(すいもん)等、河川の流出等を考える上でも、地上観測の雨量と流量のデータというものは、その地域政府、地方もそうですけれども、オーナーシップを確保するという意味でも重要だと考えております。
 しかしながら、途上国の多くはなかなか継続的な観測ができないという中で、データが欠損してしまう、若しくは異常な値が出ても処理されないという形で、せっかくストックされたデータが資産として生かされないという状況が出てきております。
 こういったものの中で、地上観測網の強化というものは、その国の水問題、それからグローバルな気候変動への影響予測の精度向上に役立つと考えております。
 こういったものの1つの取組として、気象観測レーダー網の整備というものを取り組んでおります。これは、各国で集められた気象レーダー観測のデータ自体が、WMOのGlobal Telecommunication Systemということで、WMOに集約されてフィードバックされるということで、各国だけではなくて広域の影響というものを把握できるという形の取組になっております。
 また、紛争等で今後非常に復興が望まれるアフガニスタンにつきましては、内戦によりましてインフラが壊滅状態でありまして、特に、従来、農業国であったアフガニスタンですが、水資源がどういう状況にあるかということ自体がよく分からないというものがございます。特に、ソ連の支援が終わりました80年代以降はデータが欠損しているというようなことがありまして、これに対して観測所のデータ、蓄積されたデータを統計処理して利用できるような環境に整備をしていく。それから、水データの入力、処理体制、データベース構築、水文(すいもん)解析等の実施能力を担保することによって、データが公開で使えるようにしていくというものを、今、目指しているプロジェクトを実施しております。
 もう1点、データのユーザーとしてのJICAの観点を御紹介させていただきます。12ページを御覧いただきたいと思います。
 途上国で水資源、それから防災分野のニーズが高まっているというのは、幾つかの理由がございますけれども、大きく2点ほど挙げておりますが、1つは人口の増加でございます。これは、新規の水資源の確保、水資源開発計画の見直しが必須になっているということと、残念ながら防災がどうしても後回しになるということがありますので、リスクの高いところに人が住んでしまうということによって、いわゆる単純な人口の増加ではなくて、洪水のリスクにさらされる人口が増加するということがございます。これは、全体的に人口が増えるというだけではなくて、増加した人口が都市に集中してしまうということも大きな影響になっているかと思います。
 そして、もう1点、これは日本の経験ということを、その1点目についてはフィードバックできる部分が多いのですけれども、2点目は、これはなかなか、今後、日本としても考えていかなければいけない部分だと思いますが、気候変動の影響も加味した洪水・渇水の対策が必要になっていることになります。これは、現在、途上国で行われているプロジェクト等が、10年から30年程度、先を目指したものになっておりますので、現在、気候変動予測等で影響が心配されております二、三十年以降も視野に置いた対策等の立案が必要になっているということで、これについては、先ほど申しましたように、現在のデータが非常に脆弱(ぜいじゃく)な状況の中で、我々からすれば、プランニングでありますとかデザイン、若しくは維持管理というものも含めた人材の育成に取り組まなければいけないというところがございます。
 こういったニーズの中で、どのように地球観測データを活用するかということで2点ほど挙げさせていただきますけれども、1つは、インドネシア、ブランタス・ムシ川における気候変動の影響評価、水資源管理に関する統合のプロジェクトでございます。
 左の図を見ていただきたいと思いますけれども、これは、年間の降雨量の変化というものがどうなるかということについての予測の値になっております。この気候変動の変化量がどのように作物の収量に影響するのか、稲作に影響するのかということを評価する等によって、流域の水資源の開発計画、洪水対策と渇水対策施設の強化ということになりますけれども、こういったものに気候変動影響の効果を反映する形で、今後の計画を作っていくという形に使わせていただいております。
 それから、もう1点、マレーシアにおける地すべり災害及び水害に関する被災低減に関する研究で、これは先ほど御紹介いたしましたSATREPSの枠組みで実施しているものでございます。
 これは、合成開口レーダーを使うことによりまして、いわゆる高精度な地形情報を取得して氾濫予想図を作成いたしまして、雨量についても、衛星からの雨量、GSMaP(Global Satellite Mapping of Precipitation)、これはJAXAさんの方の御協力で作られているGSMaP(Global Satellite Mapping of Precipitation)ですけれども、これと地上の雨量観測データを組み合わせる形で、氾濫解析システムを使って洪水の予測モデルを構築いたします。そして、降雨、地下水位等のデータを用いて地すべりのモデルを構築しようというものになっております。
 あと2点ほど御紹介させていただきたいと思います。もう一つは、地形図作成についてのデータ活用でございます。対象地域は、フィリピンのミンダナオになります。ミンダナオは、皆様、御存じの方が多いかと思いますけれども、長い間、内戦状態、若しくは紛争が続いていた地域で、地図データというものが、アメリカがデータを作った当時から実は全く更新されていないという状況がございます。ですから、インフラを整備するに当たっても、現状、どういう形になっているのか。特に、先ほどありましたように、インフラを整備するときに、例えば浸水範囲がどのようになるのかということで、リスク低減をするような施設配置はどう考えたらいいのかという部分については、十分なデータがない状況でございます。
 こういった中で、現地に入って測量をするということが非常に難しい状況の中で、衛星からの測量データを使って、左にあります、数十年前に作られたデータを今のデータにアップデートをするというようなことで、ミンダナオの復旧とか復興に向けた支援という形で、データの方を使わせていただいているというところがございます。
 もう1点は、ヒマラヤの山脈氷河湖の決壊洪水に関する調査でございます。これは、ALOSデータによりまして、氷河湖の周辺の地形、氷河の規模、それから移動の状況等を把握することによって決壊リスクを診断して、さらに、その決壊の影響がどの程度に及ぶのかということと、個別の氷河の動きというものを台帳として整備することによって、リスク管理をするというような形で利用をさせていただいているところでございます。
 最後に、防災のところから少し離れますが、1点、地球環境部で取り組んでいるものとして御紹介をさせていただきたいのが、衛星による違法伐採の監視の例でございます。これはブラジルの例でございますけれども、いわゆる熱帯雨林の伐採による開発というものが進んでいる中で、なかなか現地の状況はどうなっているのかというのを、広範囲に拡大することが難しくなっているところがございます。
 一方で、衛星データを使って差分等を見ることによって、どの程度、いわゆる森林伐採が進んだのかというのを把握することができますので、重点的な監視等を、このデータの活用によって支援ができるというような形で、実際にデータを役立たせていただいているところでございます。
 最後に、JICAの立場から地球観測に期待することを幾つか述べさせていただきたいと思います。
 まず、一番大きなものは、やはり各種地球規模課題に向けての政策決定者の意思決定を支援するための科学的な根拠の提供というものでございます。特に、今後の変化というものについては計測が可能ですけれども、これまでどういう状況にあったのかというものを、途上国が独自に調査をすることには困難がございますので、地球規模データの蓄積からのフィードバックによって、今後の変化と、今後の予測に合わせた対策を構築していくというときに、いわゆるサイエンスベースの判断を仰ぐということに役立てていけるというふうに考えております。
 もう1点は、国境を越えた、いわゆる広域課題への共通データプラットフォームの提供です。国際河川でありますとか、若しくは砂漠化の問題、それから森林の問題につきましても、国境を越えた問題が出てきております。なかなか、国境を越えた同士、利害関係が障害となって、特に河川等のデータについては共有することが難しいというところがありますけれども、地球規模の観測データで、信頼の置けるデータということで共通して利用するという状況が整備されることによって、こういった問題の解決の糸口になっていくのではないかというふうに考えております。
 こういった観点から、地球観測データの活用ということと、データを活用するためのプラットフォームとして、私どもの理事長の田中も携わっておりましたけれども、DIASというような形で、大規模なデータを、品質を管理した上で共有できるという環境を整えていただけるというのは、JICAとしても、途上国を支援する立場として非常に重要な支援だというふうに考えております。
 それから、個別の点において5点ほど挙げておりますが、水資源・防災分野の協力を通じた安全保障の実現に向けて。そして、産学官連携における日本の知見の活用。そして、気候変動の影響を考慮した持続的な水管理。特に、2015年以降の持続的な発展を支援するための防災の主流化、防災投資の促進、そして、Build Back Betterと言っておりますが、災害を受けたものを奇貨としての、より安全な社会の構築というもの。そして、こういったものに対しての国際社会への発信・けん引というものが、日本、そしてJICAの国際協力に求められているものだと考えております。
 こういったものは、地球観測のデータに基づいた、そして地道な地域でのオーナーシップに基づいた観測というものを組み合わせることによって、実現ができるものだというふうに考えております。
 以上、駆け足で恐縮ですけれども、JICAによる地球観測データの利活用と、途上国支援について御説明をさせていただきました。
 御清聴、ありがとうございました。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、今の御発表に関して、質疑応答を行いたいと思いますけれども、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。

【寶委員】
 意見というよりコメントなのですけど、先ほどレーダー網の整備という話があったのですけど、数年前に聞いた話ですけれども、バングラデシュには日本から4基ほどレーダーを入れていると。ところが、オペレーターがいないというか数が足りないので、24時間、稼働していないそうなのですね。何年か前に聞いた話ですが。ですから、そういう施設は導入されても人が育っていないということがありまして、SATREPSなどでもそうですし、JICAのほかのプログラムでも、最近、人材育成に予算も振り向けていただいているので、大変いいことだと思うのですけれども、そういう現状ですね。だから、このレーダー網の整備というのが、こういう図を見て、進んでいるなと一見思うのですけれども、実は、オペレーションがちゃんとできていないというところがありまして。そうすると、データがそろわないということで。
 ですから、せっかくの投資が有効に生かされていない可能性があるということですので、その辺も、視点として考えておかないといけないのかなと。
 もう一つは、最後の方の、国境を越えた広域課題ということで、国際河川のお話がありました。水資源・防災という関係でお話しされているので、それで結構かと思うのですけれども、火山噴火とか、それからヘイズの問題とか。これは大気になりますけど。それから、危険物質の拡散。これも、大気。あるいは海洋ですね、そういったものもありますので。それも、地球観測データの活用の場面だと思っております。以上、コメントです。

【小池(勲)部会長】  ほかにございますか。
 はい、どうぞ。

【安岡委員】  JICAさんへのお願いなのですけれども、途上国で、例えば衛星データを使うということは、これから非常に重要になってくると思いますし、実利用の面からもいいと思うのですが、実際に途上国の方々が衛星データを入手して、処理をして、結果を出すまでに相当の長い距離があるわけです。私もSATREPSの支援をさせていただいていますが、研究者が実際に担当してやっている間はいいのですが、それが終わった後とか、もうちょっと一般的に、途上国が自由に、日本の衛星データを使えるようにするために、JICAさんとJAXAさんが協力して、日本のデータをJICA経由でサービスするというのですかね、提供し、また、お手伝いをするといううまい仕組みを作っていただくと、データも流通しますし、日本のノウハウも伝わるのではないかと。是非、その辺をよろしくお願いしたいと思います。

【小池(勲)部会長】
 よろしいですか。何かコメントがあったら。

【大槻参事役】
 2点あります。寶先生からお話がありましたレーダーの話ですけれども、やはりJICAの様々な分野で、導入した機材が使われないという状況については課題になっておりまして、今、新しく入れるだけではなくて、これまで入れたレーダーを更新していく等々の機会も増えてきておりまして、こういった場合には、やはり先方政府の人材と、それからメンテナンスの費用等が確保されているのかどうかということをしっかり見て実施をしていただくということ。もちろん、ハードルを上げるということではなくて、それを促す形で実施をしていくという形に、現在では使っているところがございます。それで全てが解決したと申し上げるつもりはないのですけれども、そういった取組の方に切替えを進めているところがございます。
 それから、もう1点、安岡先生の方からお話しいただきました衛星データの活用の件ですけれども、今、JICAとJAXAさんの方で協定を結ぶ形にして、いざというときに融通していただくというような形については、既に協力関係を結んでいるというところがございます。ただ、どういった形で相手国政府に、そのデータ自体を提供するのかということについては、正直言って、まだいろいろな課題があることも事実でありますので。ただ、ニーズの問題と、受け取った側(がわ)の使えるかどうかのキャパシティーの問題は当然ありますので、JICAとしては、まずそこをクリアできるのかどうかということについて、SATREPS等の機会だけではなくて、水文(すいもん)等のデータを活用するに当たっても、先方政府に照会する形で、どの程度の先方の意欲というか、関心と、それからオーナーシップがあるかどうかというのを量るように努めているところでございます。

【小池(勲)部会長】
 よろしいですか。ほかに。
 はい、どうぞ。

【佃委員】
 1つは、継続性を、是非、お願いしたいということ。プロジェクトが終わってしまうと、私の経験でも、往々にして対応が弱くなってしまいます。人材育成も含めて、継続が非常に大事です。地上の観測も入れられておりますけれども、なかなかいいデータが取れなくなってしまって、なかなか情報が途絶えてしまうというのが往々にしてあります。先ほども「メンテナンス」と言われましたけど、終わった後も、細々とでも良いのですけど、何か継続して、短期間で、物が入ったからといって、発展途上国の場合はそう簡単にしっかりとした組織にならない場合も多いですので、是非、何か工夫していただければいいなと思います。
 もう1点は、JICAさんのミッションとしては、当然、発展途上国への支援とか協力ということですけれども、一方で、非常に貴重なデータであり、将来にわたって、当然、発展を期待して、あるいは将来の相手国の安心・安全な社会ができるように使われるべきものと思います。また、そのようなデータは、当然のように日本の企業とか、そこに入っていったりするときに、こういう情報がちゃんと使えるようになれば、日本のメリットになります。今までもいろいろな形で蓄積されたものが、やはりそういった情報もありますよというか、使えるというふうになると、こういう地球観測データも、あるいは継続して取られた重要な情報、海外の情報というのも、広く、更に使える情報に変わっていくと、広い意味でのナショナル・セキュリティーにもつながるものと思います。今まで、非常にしっかり海外の事業をやられてきたJICAさんがお持ちのものをうまく使えるような形に工夫していただければ有り難いなと思っています。以上です。

【磯谷大臣官房審議官】
 事務局から幾つか質問なのですけど、これは非常にテクニカルな話ですけど、13ページのインドネシアの話は、2050年の予測ということなのですけど、どのぐらいのメッシュで予測をされたのかということと、それから16ページ、ヒマラヤの氷河湖の話は、今後、ALOS-2の画像は、これは光学ですか。レーダーだったら、ALOS-2の画像を活用される予定なのか。この事業そのものが終わっちゃっていたらしようがないのですけど。
 あと、3つ目は、13ページ、14ページあたりの事業、先ほどの安岡先生のお話とちょっと違う角度で関係するのですけど、ビジネスが入る余地があるかどうかですが、今、実際に、そのデータの解析とかは、JAXAなり、その関係の所でやっているだけなのか、それとも、もう既に民間の会社が多少入り込んでいるのかという、この3点をよろしくお願いします。

【大槻参事役】
 申し訳ないのですけれども、インドネシアのデータですね、これのメッシュについては、今、数字が手元にありませんので、また確認をしてお話しさせていただきたいと思います。
 それから、データについては、これは全てJAXAが持っている元データを使っていることになりますが、実際の図化であったり解析であったりというところまでは、そこはJAXAさんがノウハウを持っているわけではありませんので、例えば研究者の方であったり、コンサルタントの方なりで使う形で、我々としては利用させていただいているというところがあります。当然、その場合には対価が必要だということにはなりますけれども、そういうものになるかと思っております。
 それから、こういったものについて、民間とか日本の企業等が出ていける機会があるのかということについては、先方政府の考え方も、実は国によって様々でありまして、中央政府と地方政府でも捉え方が違ったりしております。例えばベトナム等を例にとりますと、地方政府は、かなり独自の事業というか、地域開発のプログラムを持っていたりしますので、そういうところから、このデータは使えないか、有償でも構わないのだけれども、是非、使わせてもらえないかというような話があったり、実は国によっていろいろ様々なのですけれども、そういうものが出てきております。
 JICAからすると、特にこの地球観測のデータに絞ったわけではないのですけれども、中小企業の方のビジネス展開であるとか、事業の新しい形の模索というものについて、いわゆる支援する枠組みというようなものを作って運用を始めたところになってきております。ただ、まだちょっとこの分野にというところについては、具体的にはっきりしたものがあるかというと、たしかまだ出てきていなかったと思いますけれども。そういったものも含めて、解析とか分析のノウハウを持っているというところが、新しいパッケージを開発していただいて、それを途上国との協力の場で、ビジネスも含めて役立てていただけるという条件が整いつつあるのではないかなと思います。

【磯谷大臣官房審議官】
 その中小企業の枠組みって、まだデータには適用していなくても、別のところでそういう枠組みがあるわけですね。それを、また後で教えていただけますか。

【大槻参事役】
 はい、承知しました。

【小池(俊)委員】
 インドネシアとの協力は、私どもがやらせていただいているので紹介しますと、DIASにアーカイブされていますCMIP3(第3次結合モデル相互比較プロジェクト)というIPCCの第4次評価報告書で使ったモデルの中から10個のモデルが、この地域の雨量を、過去の雨量を再現するものが適切であるということを選んだ上で、地上雨量計が、ブランタス川もムシ川も結構ありまして、それを使って統計的ダウンスケーリングをやって補正雨量を計算しています。地上に各雨量計があるところの雨が補正されますので、そのネットワークに応じて分解能が決まっているということで、ダイナミック・ダウンスケーリングのモデルグリッドで作成しているわけではないので、何キロメッシュというわけではないのですが、その地上雨量計密度に応じた空間分解能ということでございます。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。ただいまのお話は、中間報告作成の際に参考にさせていただきたいと思います。

議題(2)中間取りまとめに向けた検討について

【小池(勲)部会長】
 次に、議題の2に移ります。議題の2は、中間取りまとめに向けた検討についてです。
 本日は、前回の関係省庁や文科省の関係課から御説明を頂きました内容も踏まえまして、事務局が中間取りまとめに向けた現状認識と論点を作成しておりますので、これについて、まず御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【木下環境科学技術推進官】
 それでは、事務局の方より、まず資料2-1と2-2に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 資料2-1は、前回、お示しさせていただいた資料のうち、GEOSSの新10年実施計画の策定に向けて、来月、本会合が行われて、その検討状況の報告と各国の意見調整があるわけですけれども、そこで、その場を生かして、日本としてどういった問題意識を提起するかという観点でまとめてございます。
 問題意識、(1)と(2)の2点を、前回、お示しさせていただきましたけれども、それに対応したような取組、各省、各機関から御説明いただきました取組が、この(1)、(2)にどう対応するかというのを、この表の形で整理をさせていただいております。それを、簡単に御紹介させていただいております。
 文科省といたしましては、GEOSSに対しては、この(1)と(2)の2点で積極的に提案をしてまいりたいと思っております。
 1つは、課題対応型の取組ということで、顕在化した課題に対して直接的な対応を目的とした観測は、利用者との連携で進めるべきであるというふうに考えておりまして、例えばここに書いてありますような、センチネルアジアのような我が国の取組をグッドプラクティスとして示しつつ、このような活動を後押しできるようなGEOSS構築を目指すべきであるというふうに発言したいと思っております。
 それから、もう1点、ここでは(2)サイエンス的な取組と書かせていただいておりますけれども、人類共通の科学的知見の蓄積・深化を目指すための観測につきましては、国際社会が協調して世界的な課題解決に貢献することを示しつつ、科学技術外交の側面を意識しながら、GEOSSの構築に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 そのグッドプラクティスの例というのを、1ページ目の下から2ページ目に掛けて掲載をさせていただいております。説明時間の関係もありますので個別の説明は割愛させていただきますけれども、御覧ください。
 次は、資料2-2でございます。こちらは、この部会としての中間取りまとめに向けた現状認識と論点ということでまとめさせていただきました。
 ローマ数字の1から4まであります。1は、はじめに。2は、現状認識。次のページの真ん中に行っていただきまして、今後の地球観測の取組に当たっての基本的考え方が3。4として、今後10年間の具体的な実施方針と、大きくこの4章があるかと考えておりますけれども、1章、2章につきましては、これまでの議論で、昨年、皆様に御議論いただきましたものもございますので、おおよそこういった内容だったかと思ったところを、はじめにと現状認識につきましては抽出させていただいております。
 はじめにといたしましては、地球観測の基本的な考え方ということで、地球観測というのは、地球の現状や将来予測に対する包括的な理解のための基礎データを得るものであって、今後の地球観測というのは、社会からの具体的な課題解決の要請(利用者のニーズ)に応じた観測を行うというのを基本として進めてまいりたいと。
 現状認識といたしましては、1ポツでございますけれども、このページの真ん中ぐらいですけれども、推進戦略の下、国として統一した方針をもって推進することが必要であって、今回の検討に当たっては、文科省で中心となって検討するということが、今、確認をされているところでございます。
 そして、これまでの取組と、その成果につきましては2ポツに書かせていただいておりますけれども、過去10年間、推進戦略の下では、国として喫緊に対応すべきニーズを明確にして、取り組む努力がなされてきたと思っております。その中で、皆様からの御指摘としては、このページの一番下ですけれども、データの統融合とか積極的な情報発信、課題解決への貢献の必要性というのが、皆様から御指摘を頂いた点かと理解をしております。
 また、ページをめくっていただきまして3ポツとしては、状況変化としてはこういった認識ですねということの確認を頂いております。温暖化による影響が顕在化し、地球観測の重要性というのは増大していると。
 それから、社会等々の状況変化としては、グローバル化の進展であるとか、ビッグデータといったようなICT(情報通信)技術の発展といったようなものも取り上げられました。
 また、国内においては、関連する様々な計画ができておりまして、「海洋基本計画」であるとか「宇宙基本計画」というのが策定されております。
 そして、国際社会においても、「フューチャー・アース」のような新しい国際的なイニシアティブも動いていると、こういう状況に現在あるという認識を、これまで確認を頂いているところかと理解をしております。
 今後、どういうふうに地球観測に取り組むべきかというのがローマ数字の3とローマ数字の4ということでございますけれども、これを、来年の1月に向けて御議論を深めていただきたいと思っておりまして、それを論点という形で、このお配りいたしました資料の3ページ目、4ページ目にポイントをリストアップさせていただきました。大きく分けて4点ございます。
 1つ目でございますけれども、これまでの「地球観測の推進戦略」では、我が国の地球観測の基本方針としては、利用ニーズ主導の取組、それから国際的な中での独自性の確保とリーダーシップの発揮、それからアジア・オセアニア地域との連携というのをうたっておりました。その中で、先ほど申し上げたように、地球観測を利用者ニーズに応じた観測の観点から考えれば、これらのマル1からマル3を、この四角の囲みの中のように理解するのが適切ではないかというふうに考えておりまして、論点として掲げさせていただきました。
 まず1つ目ですけれども、社会からの具体的な課題解決の要請を的確に酌み取って、利用者のニーズに応じた観測を実施するために、利用者及び観測システムのより一層の相互連携を図る必要がある。その中で、未知の現象の解明であるとか、新たな科学的知見の創出といったことを目指した観測というのも、そのデータを使う利用者のニーズを具体的に明確にした上で行う必要があろうかというふうに考えております。
 また、マル2といたしましては、国際動向を踏まえて、戦略的な観測を実施すべきであろうと。その際、利用者との「co-design」に結び付く取組であるとか、世界的な課題解決に貢献し得る科学的に意義深い取組というのは、我が国の国際貢献であるとか、科学技術外交の強力なツールとして、国際社会との協力を図りつつ、積極的に推進すべきではないかというふうに考えております。
 次に、2点目ですけれども、その中で、「地球観測の推進戦略」では、この基本戦略をベースに、「重点化の観点」というのを3点挙げておりました。国民の安心・安全の確保、経済社会の発展と国民生活の質の向上、それから国際社会への貢献というのをうたっておりましたけれども、例えば、今後10年に実施すべき取組ということについては、これらの観点を踏襲しつつ進めるべきかと思いますけれども、この経済社会の発展という観点であれば、例えばデータをニーズに応じて加工し、新たな付加価値を創造することによって、産業の芽を育てるということも重要視すべきではないかというふうに考えられますので、こういった追加して捉えるべき視点があるかというのを御議論いただければと思っております。
 それから、ページをめくっていただきまして4ページ目、論点の3ですけれども、地球観測データの収集から情報提供に当たっては、ニーズの集約であるとか、施設設備の相互利用、共同運用、民間活力の活用といったことを推進してまいりましたけれども、更に関係機関、分野間の連携を促進する上で、今後、どのような点について留意すべきか御検討いただきたいと思っております。
 また、文科省では、「データ統合・解析システム」の開発を進めておりますけれども、これをデータ基盤の整備、それから利用と共有の促進という観点で捉えて、どうこの取組を進めていくのが適切かというのも御議論いただければと思っております。
 最後に論点の4つ目ですけれども、この地球観測推進部会というのは、「地球観測の推進戦略」に基づきまして、こちらの第1パラグラフに書かせていただいたような幅広い目的を行うために設置をされてございます。
 今後は、そのニーズとシーズの対応を明確にし、的確なレビューを行いながら地球観測を推進することが重要となると考えておりますけれども、地球観測推進部会としてどのような役割を果たすのが適切かというのを、また御議論を頂ければというふうに思っております。事務局から、資料2-1と2-2の説明は以上です。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。それでは、今の資料について質疑をしていただく前に、藤谷委員の方が事務局長を務められております地球観測連携拠点が、地球観測の実施方針に関する意見書をまとめられたということですので、その御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【藤谷委員】
 それでは、私の方から簡単に御説明いたします。御案内のように、我々が運営しています連携拠点には、その活動の助言機関として地球観測推進委員会がございます。年に数回、会合を開きまして、我々の計画を御説明し、また年間の活動の成果を御報告し、それらに関して助言を頂いております。委員会におきましては、本部会の活動についても、機会を見付けては御報告しているところでございます。今年度1回目の会合に際し、9月3日の本部会の資料を基にしまして、少し時間を割きまして、実施方針の策定に対する方針について自由な立場で意見を交換いたしました。
 時間も十分ではなく、まだ個々の発言等につきまして精査をしているわけではございませんが、一応、今日の部会での検討に資するために、意見等を取りまとめましたので、簡単に御報告いたします。
 2の所にございますように、意見交換で出された主な意見等を少し分類しまして、そこに示しました。
 まず、2.1の地球観測の位置付けでございますけれども、CSTIの文書では、地球観測を革新的な温暖化対策技術というような、非常にターゲットを絞ったような形になっていますけれども、従前の推進戦略では、重点5分野プラス15分野について戦略等を策定していることから、温暖化以外の他の分野についてはどうなのか。そのあたりのことも示す必要があるだろうという意見がございました。
 さらに、地球観測は革新的な対策技術という考え方だけではなく、もっと多種多様なシステムを連携して、効率的・多面的に地球を理解するという理念があるので、そのあたりをもっときちんと位置付ける必要があるだろうということです。
 2.2としまして、地球観測と地球環境モニタリングでございます。この2つは、必ずしも同じ内容ではなく、それぞれ目的も違うのであるから、特に、モニタリングの重要性というのをきちんと書き込む必要があるだろうということです。
 次のページの2.3でございますけれども、モデルとの連携について、記載しております。地球観測はモデルとの連携が非常に重要でございますけれども、モデルができたから全て終わりというわけではなく、モデルができても、予測等々を行うには必ず観測が必要だということが1つ。もう一つは、これまでは比較的グローバルな視点で議論が行われたわけでございますけれども、これから具体的な影響評価、適応戦略等を考える場合には、地域的ないろいろな観測とモデルとの連携も必要になってくるということです。具体的には目的に応じて時空間的に大きな幅を持った地球観測とモデルとの連携を着実に発展させていく必要があるというような御意見がございました。
 次は、2.4観測データの活用でございます。これまでの議論でも言われておりますように、エンドユーザーが使いやすい形で結果を提供すること、多種多様な研究が可能となる道筋をはっきりさせることが重要でございます。これまで、いろいろな分野で連携が行われているわけでございますけれども、今まで余りそういうことが行われていない分野についても、具体的な連携の形を示す必要があるという意見でございます。
 2.5には、今後の検討における要望等を取りまとめてあります。これまで、毎年の実施方針を決めてPDCAサイクルを回していたわけでございますけれども、地球観測は長期的な視野に立って行う必要があることから、今回、長期的な実施方針の策定を行うことは非常に時宜にかなっております。ただし、これまで毎年のPDCAサイクルを回すことによって、毎年の予算要求等に策定結果が反映されることが可能な構造となっていましたけれども、今後、中長期的なPDCAサイクルによる予算への反映ということに配慮する必要があると考えられます。
 それから、推進戦略による10年の実績を踏まえた取組状況報告をこの部会として出したわけでございますけれども、その中で指摘された課題等々について、その解決策等を具体的に明記する必要があるということでございます。先ほど、御説明がありましたように、資料2-1、2-2にそのあたりは書いてございますけれども、そういうことも明記する必要があるだろうということでございます。
 それから、実施方針の策定に当たっては、GEOSSをはじめとする地球観測に関する我が国の国際的な対応を念頭に検討を行っていますけれども、日本の独自性についても明確に示す必要があると思われます。また、フューチャー・アースとの関係が重要となってくると想定されることから、これらについても示す必要があるということでございます。簡単ですが、以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。ただいま意見の御説明がありましたけれども、まず初めに、それぞれの御説明について質問があればお受けしたいと思いますけど、いかがでしょうか。
 この後は、この論点の2つについて御議論いただく予定ですけれども、その前に、書かれたことの趣旨、あるいはその他について何か質問があれば、よろしくお願いします。よろしいですか。
 それでは、あと1時間10分ほどありますけれども、1時間程度を使いまして、今、木下推進官の方から説明いただきました、主に資料2-2のローマ数字の3、4のところに関して、特に論点が1、2、3、4とありますけれども、これについて今回は御議論いただいて、年内にもう1回ありますので、そこで、ある程度の全体の形を決めさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 1から4まで、どこからでも結構ですので、よろしくお願いします。

【沖委員】
 今、資料2-2の現状認識と論点、4点に書かれているのはまさにそのとおりだと思うのですが、そういう意味で、私がこれを拝見させていただいて、資料2-1にあったようにグッドプラクティスであろうと思ったのに書いていないなと思いましたのは、JAXAのTRMM(熱帯降雨観測衛星)によるGSMaP(Global Satellite Mapping of Precipitation)という降水量分布のデータができているという事例が、なぜグッドプラクティスでないのかよく分からない。
 と申しますのは、御承知おきのとおり、TRMM(熱帯降雨観測衛星)は、世界的に先端的であり、チャレンジングな降雨レーダーを初めて実装して、全球ではなくて限られた範囲ではありますけれども、雨を初めて3次元的に観測するという技術的課題を克服したと。さらには、熱帯降雨の気候学という新しい分野を切り開いて、例えば台風の内部構造というのは、台風がたまたま地上レーダーの上を通らない限りは観測できなかったのが、非常に頻繁に、しかも設計寿命を超えて、今、16年、17年ですかね、にわたって観測し続けて、新たな科学的な成果を得たと。かつ、それらを使って、GSMaP(Global Satellite Mapping of Precipitation)という実時間で全球を追うような降水量マップを作って、しかも、これがJST(独立行政法人科学技術振興機構)のCREST、虫明先生のCRESTのときに学術的に開発されたものが、ある程度、成果が出た時点でJAXAのオペレーショナルに移って全世界に提供されていて、先ほどの大槻様からの御発表にあったような、途上国援助では実際にオペレーショナルに使われているということで、ここに書かれている趣旨に添ったものとして成功例ではないかと私は思うのですね。
 そういう所で考えましたときに、今、その次のGPMで二周波レーダーが上がりましたけれども、上がったということは、その次をもう考える時期に来ていると。としたときに、果たして、ここに書いてあるようなニーズを踏まえて、次の観測、実績を踏まえ、ニーズを踏まえて、更に次の技術的な可能性と科学を考えるような場があるかというと、恐らく関係者がまだ予算の手当てもなく、見込みもない中でボランタリーにやっているという状況だと思うのですね。そういうものについて、いや、どうするのが良いか分からないですが、1つは、もっと広く技術シーズと社会のニーズをマッチングさせるような場を組織的に設けて、分野ごとにやっていくといった営みがないと、やはりよほどの強い意欲を持ってやったものしか残らないということになってしまうのではないかと思いますので、その辺を検討した方が良いのではないかということと、もう一つは、その実利用ということに関して、そうやって研究者がやってきたものに対して、いきなりどこかの会社がもうけるということに対する抵抗感も、本当は若干あるのではないかと思うので、そういう非常に公共的に出てきた地球観測データを民間が使うというのは、広く考えるといい気もするのですけれども、果たして、例えばDIASでやられてきたことが、何か特定の会社が非常に大もうけをしたときに、何ら開発に苦労された方々に対するリターンがないのかというようなことに関して、僕は、多少、検討した方がいいのではないかなと思いますので、コメントいたします。以上です。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。
 今の沖委員の話の中で、これは熱帯のTRMMがグッドプラクティス、でも、この場合はもうオペレーショナルなところまで行っているわけですね。だから、それはグッドプラクティスの非常にいい一連の流れの実例にはなると思うのですけど、その後で言われた、今、上がったやつは、そうはなりそうもないという感じですか。

【沖委員】
 いや、今、上がったので、上がったということは、もう次を上げるかどうかというところから話し合うタイミングだと思うのですね。衛星なんかを見ていますと。ところが、それをやる場というのが、多分、表にはないのが現実ではないかと。その辺について、もっと観測プラットフォーム、こういう観測が本当はあったらいいのにとか、それは、今はまだ技術的にはできないけど、こういうことであればできるとかいうのを、もう少し広くやらなければ、フューチャー・アースで言っているような、本当に社会と技術あるいは科学とのマッチングというのはなかなかうまくいかないのだけれど、今はもう割と、どこかの誰かが非常に頑張って、ようやく表に出てきたものを、じゃあ、いいか悪いかというところになっているのですけれども、その前の段階のところも、大変手間暇が掛かり歩留り率は悪いかもしれないのですけれども、やっぱりそういう営みを、この地球観測委員会では大事にした方がいいのではないかと思いますと、そういう意見でございます。

【小池(勲)部会長】  他にございますか。

【寶委員】  別紙の方の論点1、2、3、4全て、「ニーズ」とか「利用者」とかいう言葉が書いてあるわけですね。ですから、論点の1の方は、「ニーズ主導の」とか、「利用者のニーズ」とか、この四角の中も、マル1もマル2も「利用者」というのが書いてあるのですね。それから2番のところも「ニーズ」と書いてありますし、4番のところも「利用ニーズ」、「ニーズとシーズ」というのが書いてあるのですけれども、そういった利用者を意識していまして、資料2-2の1ページ目のはじめにの2つ目のマル、「地球観測は、地球の現状や将来予測に対する包括的な理解のための基礎データを得るものである」という、これとニーズとのギャップが結構あると思うのですね。ですから、ここの「理解」だけではなくて、「理解と対応のための」とか、例えば、現状というところには、起こりつつある地球環境変化とか災害とかがあると思うのですけどね、理解するだけじゃなくて、それを観測して対応するための基礎データではないかと思うのですね。ですから、この「理解のため」という所が、「理解と対応」とかいう言葉を付け加えることによって、もう少し、利用者を意識したものになるのではないかと思います。
 それから、2ページ目の3番の推進戦略策定後の状況変化の3つ目のマルですけれども、「海洋基本計画」と「宇宙基本計画」だけ書いてあるのですが、これは海洋基本法、それから宇宙基本法にのっとって策定されているものですけれども、これだけしか書いていないというのは、ちょっと文科省的という感じがしまして、実は、災害対策基本法も改定されました。ですから、今、「防災基本計画」というのが今年の1月に策定されているはずです。それから、水循環基本法というのが今年の3月にできました。ですから、「水循環基本計画」というのも、来年の秋の策定に向けて、今、動いているところですけれども、そのページの下の方には、4の今後10年間の具体的な実施方針というところには、水循環の把握と水管理ですとか、風水害被害の軽減とか、地震・津波被害の軽減というのが書いてあるわけですから、ここの3番の3つ目のマルの所には、「防災基本計画」とか、今後策定される「水循環基本計画」といったものも書いておかないと、こういう文書が出たときに、利用者は、海洋と宇宙だけなのかという気がするのですね。下には書いてあるわけですけどね。ですから、その根拠として、そういう「防災基本計画」、それから「水循環基本計画」といったものもあるのだということで、従来、海洋基本法、宇宙基本法を中心に地球観測をやってきたのかもしれないですけど、そのユーザーとか、利活用を意識すれば、そういうものをここに書き込んでおいて、それに基づいて、今後10年の具体的な実施方針が打ち立てられていくのだという筋立てにしていただけたらなと思っています。

【小池(勲)部会長】
 それは、よろしいですね。

【小池(俊)委員】
 この論点の1から4というのは、よくまとめてあると思います。
 これを、どういうふうに整理したらいいかと考えていたのですけれども、別の切り口を3つ申し上げたいと思います。これは、この4つが不十分と言っているわけではなくて、こういうまとめ方と別の切り口で、これをどう整理したらいいかということをお考えいただければと思ってのことです。
 1つ目と2つ目はよく似ているのですけど、1番目が国内のイニシアティブ、2番目が国際のイニシアティブでして、1番目の国内のイニシアティブは、今、寶先生がおっしゃったような、防災とか水循環とか、そういう国内で立ち上がっている諸活動に対して地球観測がどう貢献できるかというところです。現在、取り組まれているところでは、来年夏の閣議決定を目指して気候変動の適用が進められていますが、これに地球観測がどう貢献できるかということです。
 また、国土の強靱(きょうじん)化とか、国土のいろいろな社会基盤の維持管理ということも大きな課題になっておりますが。そういうところに地球観測はどう役に立つのかということを考える必要があるのではないかということが1点目です。
 国際イニシアティブでは、来年仙台で開催される第3回国連防災世界会議会合に関するものが重要です。特に科学技術の貢献が兵庫行動枠組み2005-2015の後継枠組み(HFA2)の枠組みでは強調されており、ここに地球観測がどのように貢献できるか明示する必要があります。これは、先ほどの国内のイニシアティブの防災とも関連するわけですけれども、どうアピールできるかということ。
 もう一つは来年の9月に予定されております持続可能な開発目標であり、この4つの中にそういうものをどう考えるかというのも入れるべきではないかと思っております。
 3番目は、日本の比較優位というところです。先ほど沖委員からございましたように、雨を量る衛星というのは、日本の比較優位の科学技術だと思いますし、「しずく」やALOSというマイクロ波関係は、さっきの降雨レーダーも含めてですが、やはり日本の比較優位の非常に典型的なものであると思います。そういう衛星の技術、それから海洋探索技術というのは、非常に大きな世界の比較優位になっているわけです。
 また、日本は地球シミュレータを作って「京」を作ってきたという、HPC(高性能計算)の非常に大きな力を持っているわけで、これと、手前みそになりますけれども、「データ統合・解析システム」というのは、いろいろな側面を見てもオンリーワンのシステムというふうに思います。そういう比較優位のものをどう統合化したら、ここに書かれている4つの論点を引っ張っていけるかというようなことの観点が必要ではないか。例えば具体的には、国際的な観点で言うと科学技術外交の枠組みだと思うのですね。国際的にはそういうツールといいますか、活用する場がありますので、それと、こういう比較優位の技術を統合化していくというものをアピールすべきではないかというふうに思います。以上です。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。
 今のいわゆる国内のミッションと、それから国際的なミッションの2つの切り口というのは、3ページ目の四角の中で囲まれた「社会からの具体的な課題解決」というのと「国際動向」というのと関連はしているのですけど、ちょっと切り口が違う考え方ですね。これを混ぜたような形で書いていくのが良いのでは。

【小池(俊)委員】
 そうですね。こういう中に国際的イニシアティブをちゃんと明示して、それにどう貢献するのだと。国際的イニシアティブを明示して、どう貢献するということを書き込んでいけばいいのではないかと思います。

【小池(勲)部会長】
 そうですね。

【杉本委員】
 とてもよくまとまっていますし、いろいろな科学的な進展というのも急速に出てきていると思うのですけれども、私、これを見て、少し違和感を覚えたのです。それは何かといいますと、実は、例えば熱帯域の降水の観測に関しては、多分、衛星が上がってかなりちゃんと観測が行われて、それなりに予測とか、もう社会実装できる段階に来ているというのはそのとおりだと思うのですけれども、例えば私は北極の方で仕事をしておりますけれども、いまだに基本的な降水量のデータに本当にそのまま困っているという状況が続いております。
 ですから、既に全ての観測網がかなり出来上がって、あとはもう社会実装するだけというのではなくて、地球全体を見渡したときに、全ての地域がそういう状況にはないということを少し認識として、雰囲気が出ていてほしいというふうに思っています。

【小池(勲)部会長】
 前のときは、観測の空白域ということで随分議論させていただいたのですけど、今回は、その視点はちょっと入ってきていないので、まだ観測の空白域は、先ほどの発展途上国も含めてかなりあるということですので、やはりそれも大事な視点だと思います。

【安岡委員】
 3点あります。ただ、もう既に1点目の話は、小池(俊)委員からも、それから沖委員からも出ました。今までの観測方針というのが、どちらかというと、やや網羅的に課題をずっと挙げてきたというのがあるのですが、やっぱり日本の強みとのマッチングの部分はどうしてもこれから考えなきゃいけないだろうということです。例えば資料2-2の2章のところに、これまでの取組と成果というのがありますが、この成果のところにきちんとそれを上げて、これを日本の強みとして今後生かしていくべきだということを、時計文字の3ポツのところにつなげるように書くというのが非常に重要じゃないかなということです。つまり、強みをきちんと書き込むということが非常に重要じゃないかなと思いました。
 それから、もう一つは、「ニーズ」という言葉が非常にたくさん使われていますが、よくよく考えてみると、観測からニーズに至る道筋、そのシナリオというのは、実際には我々は頭の中に余り描いていない。どうも、言葉は使われるのですけれど、本当に観測したデータが最後のニーズに結び付いて成果として上がるまでの道筋はちゃんと作るべきであるというふうに思います。そういうことを書き込むだけではなくて、観測という具体的な行為をつなげていくと、その次には、またモデルというのがあると思いますけど、最後に課題にどうやって行き着くのかということを示せるような書き方が必要です。個別に方針の中では書く必要はないと思いますけど、それを意識して書く必要があるだろうというふうに思います。
 それから、もう一つ、これは資料2-2だけからとはちょっと違うのですが、資料2-1の冒頭のところで、課題対応型の取組ということと、サイエンス的な取組というふうに大きく二本柱を書いているのですけど、サイエンス的な取組ということに対する文言が、資料2-2の方からはちょっと見受けられない。ここは書き振りの話だと思います。当然、サイエンス的なものが中に入っているはずですので、資料2-1と2-2を必ずしも結び付ける必要はないのかもしれませんけど、ここで課題対応型とサイエンス的なというふうに書くのであれば、この資料2-2の方の報告書というのですか、方針の方にもそれを書いておいた方がいいのではないかなという。対比できるような形のところがあった方がいいのではないかなという気がしました。以上です。

【小池(勲)部会長】
 はい。今のニーズとシーズの間の実際のプロセスというのがはっきりしないというか、明確でない。
 今回の4ポツの所は、この地球観測推進部会のこれから先のミッションというのは、やはりそこをきちんとさせることだというように言おうということなので、今、おっしゃったことを、ここで少し一般的にきちんと書くということが大事ではないかというふうに思いますけれども。

【中静委員】
 論点の2点目で、経済社会の発展と国民生活の質の向上ということが推進戦略でうたわれていて、それに応じて新たな付加価値を創造することにより、産業の芽を育てることも重要視すべきではないかということが書いてあるのですけれど、最近の傾向として、従来型の経済だけではなくて、自然資本を生かしたような経済を目指していくべきだというようなこともすごくうたわれています。実際に世銀などは、自然資本の経済勘定への参入というのをどんどん進めようというような形で動いています。この観点から原案を読むと視野が少し狭い感じがするので、もう少しブロードに、自然資本もにらんだような形の表現で戦略を持っていった方がいいのではないかと私は思います。世銀とか自然資本の参入を予定している企業や国というのは、僕は非常に大きなユーザーだというふうに思っています。

【小池(勲)部会長】
 今、2ポツのところのコメントを頂きましたけど、この2番目の経済社会の発展と国民生活の質の向上というところが、前の地球観測、いわゆる推進戦略では、その3点が重点化の観点で書かれているのですけど、これをこのまま継続するのではなくて、そこの書き方を少し変えた方がいいとは思うのですけれども、経済社会の発展と、特に国民生活の質の向上というのが非常に分かりにくいのですね。ですから、今、言われたようなことを考えると、何かいい表現がありますでしょうか。

【中静委員】
 すぐには浮かばないですけど、考えてみたいと思います。

【小池(勲)部会長】
 是非、少し表現の仕方を、うまい表現を考えて、今、言われたようなことが読めるような言葉にするといいと思うのですけれども。ほかにございますか。

【深澤委員】
 幾つかあるのですけど、まず、ちょっと聞いておきたいことは、はじめにの3番目のマル、「今後の地球観測は、社会からの具体的な課題解決の要請(利用者のニーズ)」と書いてありますが、これは利用者のニーズの定義をした文章だと思えばいいですか。

【木下環境科学技術推進官】
 はい。

【深澤委員】
 分かりました。また、そうなると、「具体的な」というのがどの程度具体的なのかというのが非常に気になるのですけれども、これと、先ほどのグッドプラクティスとして紹介する我が国の取組と考えると、こうなるのかなという気が。ちょっと、これで大丈夫かねという気は少しするのですが、そんなに具体的かなと。DONETは具体的なのでしょうね。
 だから、「社会からの具体的な課題解決の要請」というのが、この次に文章として10年実施計画に出てくるかどうかというのが、少し気になるところでした。その「具体的な」というのが、どういうものを指しているのかですね。
 それは、実は非常に細かいことなのですけれど、それよりもっと大事なのは、先ほど安岡さんもおっしゃっていることなので、それに近いことなのですけど、これを読んで最初に私が感じたことは、ニーズに基づく観測というのが、それはそれで非常にいいのですけれど、そのニーズという具体的な課題解決のための観測というのは、どのぐらい絞られたものか。あるいは、どのくらい広いものかということが関係してくると思うのですけれど、そのニーズに基づくという観測がうたわれる以上、ニーズから観測の手法や何を測るべきかが導かれるのだと思うのです。そうすると、当然、それに関して、出てきたものを集めて解析をすれば、最初のニーズに応えるのだという暗黙の了解があると思うのです。
 ただ、実際は、多分、課題の解決というのは、1つの観測あるいは、例えば水循環をやるので、日本のどこかの川の降雨量あるいは降水量を量れば済むだけではないと思うのですね。特に、それが課題解決に結び付く具体的な話になったら、それだけでは済まない。
 となってくると、やはりどうしても考えなきゃいけないのは、同じ「ニーズ」という言葉を使うときにも、要するに、観測に対するニーズと、それからそれらのデータを使っての解析に対するニーズというのは、どうしてもおのずから分けて書かざるを得ないのではないかという気が僕にはするのですね。
 ですから、例えばこれの4ページ目の「地球観測データの収集から情報提供に当たっては、ニーズの集約、施設設備の相互利用」とあるのですけど、この「ニーズ」というのが、地球観測データ収集に関するニーズなのか、情報提供に対するニーズなのかというのは、多分違うのではないかという気が。二面性を持っているような気が私はしました。
 ですから、その次の「また、地球観測データの提供と利活用にあたり」というよりは、これは「また」ではなくて、もっと前に出てくるような、「データ統合・解析システム」というのが大事なのではないかなと思うのですね。
 となりますと、最初に戻った、資料2-1の「2点を基本として検討に当たる」のは、それはそれでいいのですけれども、1と2というのは、ある意味で、この資料2-2の「はじめに」にあるように、「地球の現状や将来予測に対する包括的な理解のための基礎データ」、それから「社会からの具体的な課題解決の要請」の観測、その2つが、ある意味でステレオタイプに書かれているのかなという気もするのですが。例えば、それのどちらにも当てはまらないけれども、データの収集、あるいはデータのその後の解析のためのベースとしては、実は、我々はそれなりにいいプラクティスを持っていると思う。それはどういうものかというと、例えば、僕は海屋さんですから海の話しかできませんけれども、NEAR-GOOS(北東アジア地域海洋観測システム)なんていうのは最高の例だと思いますね。つまり、ある1つずつ個別の課題解決のために行われた観測のデータが、集積することによって、全くそれとは別の使い方が出てくるという。そういったところも、実は、地球観測の1つの非常に面白いというか、大きな特徴ではないかと思います。それがあるからこそ、実は、データのこの統融合システムというのは、改めて大事になる話なのではないかなと思うのですね。
 ですから、これを書くときにも、ニーズによる観測というのはもちろん大事で、それと同時に、それらのデータを集めた形で解析を行うことによって、より多くの社会的なニーズに応えることができるし、ニーズを発掘することができるというところは、地球観測にとっての1つの特徴であるというような形の書き方ができると有り難いなと思います。
 以上です。

【沖委員】
 今の深澤委員の御発言に大いに賛同します。と申しますのは、私もさっきから違和感があったのですが、「ニーズ」は、本人が自覚していないことも多いと。例えば、今晩、何を食べたいですかと言われて、何とかと言われたら、それも食べたいなと。こっちはどうですかといったら、そっちもいいなと。目の前に来てみて、食べてみて、ああ、これが自分が欲しかったものだというのが分かる。あるいは、先ほど私がグッドプラクティスになったと申し上げたTRMMですが、あれも、結果としてうまくいったというところがあって、最初は、そんなの、何の役に立つのだという言われ方をしていたという経緯がございますので、そういう意味で、今、深澤委員がおっしゃったようにといいますか、もう少し、私の言葉で申し上げますと、シーズを磨いて、こういうデータがあったらきっといいに違いない、こういう観測があると役に立つに違いないというシーズ作成側の思い込みでも突っ走って取ったデータを、今度は、何とか役に立てよう、こういう見せ方もありますよ、ああいう見せ方もありますよといって初めてニーズが発掘されると。
 逆に、ニーズというのが聞けば分かるかというと、本当に消費者に、「あなた、何が欲しいですか」と聞いてすぐ分かるのであればマーケティングで誰も困らないわけで、やはり何が欲しいかを本人が分かっていないことの方が多い。としますと、先端的なシーズ、技術によってもたらされる情報の形をいろいろと変えて付加価値を付けてみて、ある状況になったときに、たまたまそれがみんなのニーズとヒットするというふうな捉え方もあると思うのですね。ですので、そういう意味では、付加価値の付け方、地球観測データの、まさに先ほど深澤委員のおっしゃった言い方で言うと、統融合して、いろいろな切り口で使ってみることによって、社会のニーズと合うこともあるということでは、そこに関してはかなりのトライ・アンド・エラーが可能な仕組みというのが、多分、必要になってくるんじゃないかというふうに思いました。

【小池(勲)部会長】
 今、3ポツの、実際にデータをそれぞれのところがとってから最終的にそれが役に立つまでのプロセスには、結構、いろいろな途中があって、やっぱりシーズだけで考えてやっていても、最終的にはニーズとマッチする。多分、なかなか書き方は、何でもあるというような書き方にしてしまうと、なかなか難しいですけど。

【沖委員】
 ニーズに結び付けるような努力を、結び付くまでやらなきゃいけないということではないでしょうか。

【大垣部会長代理】
 今、ニーズの話が出ましたので。例えば水道事業で、2時間後か3時間後の取水している水の濁度が高くなるかどうかを知りたいというニーズがあります。これは、浄水場のオペレーターあるいは浄水場の管理者が必要としているもので、それを間違えると水の供給を止めなきゃならないというような問題なのですね。
 それを例にしますと、濁度上昇の上流の降雨がかなり細かい規模で分かればいいわけなのですが、その情報はもうあるわけですよね、今現在。ところが、その情報を、今のような目的のために使おうと思っても、技術的な能力の問題もありますけれども、簡単には使えない状況にあるわけです。気象データでもいいという言い方もあるのですが、実は、それも簡単には使えない。
 そうしますと、今、何を申し上げたいかというと、このニーズ、シーズの話なのですが、そういう目から見ますと、実は、地球観測というのは、地球の降雨なり地形なりをきちんと理解するというサイエンティフィックな活動を、きちんとデータを集めておいていただいて、重要なのは、それだけをやっていると社会の要請に役立たないのですが、今のような具体的な要請があったときに、それに対して、大本のサイエンスのデータと橋渡しをしてくれる窓口みたいなものが明快に打ち出されている。あるいは、「窓口」と言うか、人がいることもそうなのですが、そういう事例がある。こうすれば使えますよというような事例がある、そういうような。3ページの論点の2のところに、「産業の芽を育てることも重要視すべき」、多分、これはそういう活動を常にするためには、大学の人間ではできませんので、有償の企業があって、それで継続してサービスをするというようなことがイメージされていると思うのですが。そういう、ニーズのためにデータを取るのではなくて、データ群があって、それをきちんと様々な、ニーズはもう無数にいろいろな種類がありますから、何かその仕掛けを議論しておく必要があるのではないかという、ちょっとそんな感じが今の議論を聞いていてしました。

【小池(勲)部会長】
 前からも、地球観測から、それが実際に使われるところまでの間にはかなりいろいろなステップがあって、統合化の話もありますし、今言ったような、実際のニーズと、あるのだけど、そこはうまくつながっていないという問題もあるわけですね。ですから、それをこの部会がどこまでできるかは別にして、この部会で、それの、ある程度ジェネラルな道筋を出して、それがいろいろなところでうまく具体的に使われていけばいいというようなのが、1つ大きなミッションになろうかと思いますけれども。
 ほかに。今、ニーズとシーズの間の話が出ましたけれども、いかがでしょうか。

【堀川委員】
 ニーズとシーズの話に、また同じようになってしまうかもしれないのですが、最初の2-1の方の資料のグッドプラクティスに関して、これまで地球観測推進戦略に基づいて我が国が地球観測を重点的にやってきたこととして、地球の温暖化に伴う気候変動と、水循環及び災害をメインにしてきましたので、そういう意味で、ここに並んでいるグッドプラクティスということに対して、先ほど沖先生がおっしゃった水循環のTRMM関連の話は、グッドプラクティスとして適切であり、しかもこれまで中心にやってきたことですので、是非、入れるべき内容かと思います。それと併せて、温暖化に伴う気候変動や災害に関しても、もっとグッドプラクティスが本当になかったのかどうか、私は、データプロバイダ側の立場なのでよく分からないところがありますが、そういうことを、もう少し抽出し、強調して記述した方がいいのではないかかというふうに思いました。
 それから、利用者のニーズに関してですが、課題解決の要請と利用者のニーズというのは、私はイコールじゃなくて、課題解決は飽くまで大きなグローバルな話であって、その中のニーズというのをどうするかということについて、もっと研究とか、いろいろなスタディを深めないと真のニーズというのは出てこないのではないかと思います。例えば気候変動のためにEssential Climate Variablesという、要するに気候変動を解決するために必要なパラメータは何を観測しなきゃいけないかというのを、GCOSの方で40幾つの項目として出されていますが、実は、それが出されていても、その精度はどれだけ必要なのかとか、頻度はどれだけ必要なのかとか、どれだけの量が必要だという要求が、利用者側、研究者側から出てきていないのです。与えられたデータに基づいた研究をして、その研究成果が、今、世界にいろいろ出されているという状態ではありますが、 私、前回の会議の後で文科省さんの方にコメントとして出させていただきましたが、そういう研究をもっと促進するような仕組みというか、そういう手当てをしないと利用者のニーズというのは本当の意味で出てこないのではないかと思います。そういったことも踏まえて、次の10年の中では、更にどういう研究をしたらいいのか検討されるべきと思います。
 前回、各機関から観測データをいろいろ使っていますという報告がありましたけれども、どっちかというと、定型的に、過去から経常的に取っているデータの活用の話が非常に多くて、新しいテーマに対して、どういうふうに研究をしていますというのが、やはりまだ少ないと思います。そういう意味で、そういう研究をもっとどんどん促進させることによって、利用者のニーズ、利用のニーズというものを深めていくということが大事なのかなというふうに思い、衛星データのプロバイダ側からの要請として、そういうのを出してほしいという意味もあってお話しさせていただきました。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございます。ほかにございますか。
 今のお話は、この論点の1番目の、「未知の現象の解明や新たな科学的知見」ですね。だから、地球システムを理解するためには、やはり観測というのも非常に大事で、そのためには、従来の観測も踏まえて、更にいろいろな手法なり新しいものが必要になってくると。
 たしか、前回の議論で、観測イノベーションの話も出ましたけれども、そういうものも踏まえてやっていかなければいけないという視点が、地球観測の場合は非常に大事だということは、今回、次のときにもやはりきちんと書いた方がいいと思いますけれども。

【河宮委員】
 ありがとうございます。JAMSTECの河宮です。
 私は、ふだんはシミュレーションの仕事をしております。ちょっと見当違いのことを言うかもしれないのですが、シミュレーションの分野でも、シミュレーションから観測データを創出しようという活動というのが行われるようになってきまして、特に過去のデータですね。観測は充実させる、充実させるのは将来しかないわけですけれども、シミュレーションを使って、ほとんどデータがないような100年前とか、そういう時代についても、100年前とはいえ、海面気圧ですとか水温、気温ですとか、地表近くの水温、気温ですとか、そういった基本的なデータはそろっている。それをデータ同化の技術を使うことによって、100年前のデータも3次元的に再現することができる。これは非常に頼りなく聞こえてしまうのですが、やってみると、案外、できるのではないかという結果が世界中からちらほら出てきておりまして、日本の中でも取組が始まったところでございます。
 ですので、将来的に、どう観測を充実させていくかという取組とともに、シミュレーションとそれこそ連携して、過去のデータを掘り起こすと。あと、非常に地味な活動になりますけれども、電子化されていないような観測データをきちんと管理していく、また発掘していくというような観点を、このメモで言うと3ポツのところですかね、そういったところに加えていただけるといいのではないかなというふうに思いました。

【甲斐沼委員】
 観測の方は全く素人で見当違いのことを言うかもしれませんが、観測というのは非常に重要なことと認識していまして、未知の現象の解明をしていくのには観測は不可欠だと思います。
 ここで、「利用者のニーズ」という言葉が何回も出てくるのですけれども、最初に読ませていただいたときに、その「利用者」というのがどういうふうに定義されているのかというのが、わかりませんでした。「利用者」というと、本当に幅広くいらっしゃるわけで、いろいろな段階の方がいらっしゃるので、データを全部網羅的にみんなに提供するというわけでもないのではないかと思っていまして、「利用者」の定義を明確にしてほしいと思いました。どういうデータがあって、どこまで使いやすくデータを提供していただけるかによって、その使い勝手も変わってくるので、「利用者」も変わってくるかと思います。その辺、もう少し整理して書いていただければ分かりやすいかと思いました。

【瀧澤委員】
 先ほどから、産業界の芽を育てるというところの意見が幾つかあったかと思うのですが、産業界への応用というか、そのデータをいかに生かしていくかというお話は、たしかもう数年来、話がある割には、進んでいるところがなかなか見えないなというふうに思っております。先ほど沖先生もおっしゃっていましたけれども、私企業の一方的な利益になるというのもいかがなものかということで、どうやって公平性を保ちつつ、競争性を保ちつつ、こういったデータをうまく生かしてもらうプロジェクトを立ち上げていくかというのは、この部会でのミッションかどうか分かりませんけれども、もう少し具体的に掘り下げて進めていかれたらいいかなと思います。
 例えば、私が1年ぐらい前にイギリスの仕組みを調べたことがありまして、そこでは、たしか5年間ぐらいの政府からのグラントだったかと思いますけれども、必ず企業とどこか、大学とか研究所が一緒になってプロジェクトを提案して、優秀な、いいものを選んで、そこに予算を付けるといった形で、例えば農作物の病害虫を衛星データと組み合わせて予測していくプロジェクトですとか、海洋の状況の予測を海洋の観測データと組み合わせて、その必要な企業、技術を持っている企業と一緒にやっていくプロジェクトですとか、そういったものが採択されておりました。何か具体的な道筋と、先ほど中静先生がおっしゃっていたように、範囲をもう少し明確にして、議論を掘り下げていくようにしていかないと、なかなかこれが進んでいかないのではないかなというふうに思っております。

【小池(勲)部会長】
 今の視点ですけれども、いわゆる国がというか、研究機関が取っているデータは基本的にはオープンですね。ですから、今、ほとんどのデータはホームページとかそういうところからデータベースで取れると。その後の利用に関しては、どうなのですか。そこに規制はないわけですね。

【木下環境科学技術推進官】
 全てを私が承知しているわけではないのですけれども、データを公開していても、研究利用であれば自由ですが、例えば私企業が商業目的で使う場合には、個別の許可申請を取ってくださいという所が多いようには承知をしております。

【瀧澤委員】
 ついでに申しますと、そういった場合に、企業がただ公開されているデータを使って自分たちで解析をして、適切なデータ利用をしていくというふうに考えるのも1つのやり方だと思いますけれども、そうではなくて、研究機関とデータ利用の仕方そのもの、いろいろなデータを組み合わせて新しい価値を創っていくというような方法もあるのかなと思っております。多分、イギリスの方は後者に近いのかなとは思ったのですけれども。

【松尾環境エネルギー課長】
 今のお話のとおりで、多分、宇宙の分野も含めて、生データそのものというのですか、基本データと言うのですかね、そういうものは基本的にオープンであって、その付加価値を付ける加工のところ、これでどんどん勝負をしようというのが、多分、流れなのだろうと思います。
 これを地球観測の分野で当てはめてみると、具体的イメージが湧くので、まずDIASと申し上げますけど、DIASですよね。あそこが、一番付加価値が付くところであって、アーカイブしているそのものというのも、ある意味、付加価値かも知れませんが、それを加工して、利用者が望むように提供できる所が、多分、付加価値が付くところで、そこをどう扱っていくのかというのが議論の本質なのだろうと思います。
 この場でも議論でもあるのですが、実は、DIASというシステム、すいません、小池(俊)先生を前に申し上げるのもあれなのですが、予算的な観点からは、一応、来年度までで技術実証をするということになっていまして、その後、長期運用体制に入るということで、今、その体制をどうするかというのを、枠組みとしては、一応、環境エネルギー科学技術委員会というところが、その事業の評価の担当をしていますので、その下で検討を始めつつあるところでございます。
 環エネ課としましては、この秋から、もう来年のできるだけ早い時期に長期運用体制の案みたいなのを作って、あと、もう来年度あるからといって、検討はゆっくりやればいいやということではなくて、できるだけ早く体制の案を作って、小池(俊)先生ともよく相談をしながら、来年度、試行的に動かし始めて、それで、実際、どうかということをやってみたいなと思って、その検討を加速しようかなと思っています。
 その検討が進んだところで、その検討結果は、環境エネルギー科学技術委員会だけではなくて、こちらにもフィードバックをさせていただきたいなというふうに思います。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。
 多分、データの付加価値を付けるのが、どこが付けるかという問題で、いわゆるそこで産業というのが、そういう付加価値を付けるのが、民間が付加価値を付けることもあるということなのだと思うのですけどね。例えば、気象データは、今、様々な形で民間が付加価値を付けて出していますね。ですから、多分、それ、例えば先ほど大垣委員が言われた降水量のデータを実際のニーズに変換するというのも、誰がやるかということですね。
 ですから、ある意味で、そういう形に、民間がそれの付加価値を付けるところにどんどん出てくれると、1つの産業育成というところに結び付くことになると思いますけど。

【安岡委員】
 頭の中が少し混乱してきたのですが、今あるデータを、ほかの知識を使ってどういう付加価値を付けて、有効に使ってもらうかという話は、僕は、それで1つあると思います。まさに、ビッグデータなんかはそういう世界だと思います。
 ここで議論するのは、こんなデータを取っておけば、後で役に立つかもしれないという意味でのデータの観測ではないと思うのです。そこは、ちょっと間違っちゃいけなくて、「利用者のニーズ」というのを、「社会からの具体的な課題解決の要請」というふうに木下さんが書いてくださって、私は、これは、今から5年前、10年前に、この委員会ができたときに言われていたことに比べると、少し範囲を狭めてきちんと書いてくださっていると思います。今は、社会の課題を解決するというのは1つの大きな目的になっていますから。そこに向けての観測というのは厳然としてあって、それは、どうしても外しちゃいけないと思います。
 一方で、科学観測で、さっきの空白域を埋めるとか、そういう観測というのを忘れてはいけないよということは重要なのですが、いつ使われるか分からないデータはともかく取っておきましょうという観測は、少なくともこの委員会では違うのではないかなというふうに思っています。ちょっと混乱したのですが、その可能性もありなのですかね。

【小池(勲)部会長】
 いや、空白域の話は、そういう空白域を埋めないと、グローバルな視点でのあれができないということでの空白域を埋めるという意味であって。

【安岡委員】
 それはいいと思うのです。

【小池(勲)部会長】
 無駄に、ともかく観測すればいいというような意味では、多分元々ないですね。ですから、やはり何でそこをやらなきゃいけないかというちゃんとした意義がある、目的があってやるということだと思いますけど。

【深澤委員】
 今の安岡さんのお話はそのとおりで、観測はニーズに基づいてやろうという方向になっているわけですよ。僕が非常に気にしているのは、それから答えが出てくるものは出てくるのだが、例えば気象庁とか水産庁が一生懸命日本海で進めたような、例えばNEAR-GOOS(北東アジア地域海洋観測システム)というのは、元々ある目的のために取られたデータが、集めると更に新たなニーズを発掘することになるし、答えられる。だから、観測のためのニーズと、それから解析に対するニーズというのは、分けてきちんと議論しておかないと、どっちかだけ守ると片方が駄目になるし、片方だけやると、まさに安岡さんがおっしゃったように、それじゃ、取っておきゃいいデータは取っておこうかという話にもなりかねない。でも、多分、それでは、例えば地球観測のドライバーには絶対なり得ないということは、この10年間ぐらいではっきり言われたことですから、そこに戻るのはちょっとつらいという気はします。

【安岡委員】
 そうですね。おっしゃるとおりです。

【中澤委員】
 利用者のニーズということが先ほどから出ていまして、私もこれを読んだときに何だろうと思いました。社会からの課題解決の要請のために観測を行うということは、そんなにおかしなことではない、まさに、文字どおり受け取っていいと思うのです。ただ、観測側(がわ)にとってみると、課題解決の要請とは何であるか、目に見えるような形、あるいは大まかな指針でも与えてもらわないと、非常にやりにくいと思うのですね。特に、要請というのは、現在、考えているものと、10年たったときとで変わっている可能性がありますね。東日本大震災が良い例で、地震予知の観測はしていたのですけど、想定していないことが、大規模に起こってしまい、現在は防災を更にしっかりやらなければならないという状況に変化しています。
 ですから、非常に細かく要請を定義する必要はないけれども、ある程度の方針のようなものは目に見えるような形で示すべきじゃないかと思います。

【小池(勲)部会長】
 はい。前の推進戦略では、社会からのニーズというのが、具体的には温暖化ですとか水循環ですとかという形で提示されていたわけですね。ですから、そこのところは、多分、大きくは、地球観測に対するニーズというか、社会からの要請というのはそのためにやるのだということだと思いますけれども。

【東委員】
 私も、やはり「ニーズ」という言葉の使い方にちょっと違和感を覚えたのですけれども、社会からの要請、今、おっしゃったように、地球温暖化とか、そういうことに、割と広い意味でのニーズと、それから産業とか経済とか、そういうニーズと、若干、違うような気がしますので。両方大事だと思いますから、その辺、うまくバランスよく書いていただけたらなと思いました。
 あとは、観測の空白域ということで言いますと、今、北極が非常に問題になっていまして、こちら、ただ空白だというだけではなくて、いろいろな日本の気象とか災害とか、そういうものにも影響を与えるようになってきていますので、ちょっとそういうのも入れた方がいいのかなという気がしました。

【小池(俊)委員】
 今まで出てきていない話で、1つ。
 ベルモントフォーラムで、イー・インフラストラクチャーというものをまとめて中間報告を出して、この間、北京で、全体会合で議論されて、最終取りまとめを来年の3月に向けてやっている最中でございますが、その中で、私が日本は弱いなと思ったところが1つありまして、それは、このデータとか観測とか、その利用に関する法律的な枠組みの整備、それから先ほどちょっと民間のところでお話がありましたが、権利関係。それから、プライシング。この辺が、かっちりしたものを持っていないということを私自身も強く感じました。
 DIASの場合は、データポリシーはデータ提供者のポリシーに沿って実施しております。ただ、これを広く民間、産業としても使っていこうとすると、いろいろな問題を私どもは解決しないといけない。今の、特に法律的な制限だとか、権利関係をどうクリアにするか。イギリスの例を先ほどお出しいただきましたが、ヨーロッパは日本に比べると非常によくやっておりまして、いい例が、音楽ソフトですね。ああいうものをダウンロードしたときに、どう価格を決めるかとか、それをどう保護するかとか、こういう著作権関係に関することの、他分野での取組というものをよく勉強して、地球観測はどうあるべきかを明示する必要があると思います。実は、GEOSSの中でもそれは一度議論されかけたのですけれども、データポリシーをクリアにするという中で、実は深く議論されませんでした。GEOの執行委員会の中でも出されたことがあるのですけれども、まだ時期尚早というような感じで深く議論されなかった経緯がございまして、今や、本当にそういうことをクリアにしておくべき時期にあると思います。それから、今、10年実施計画を立てている中で、現在一生懸命やっていることがあって、それはユーザーエンゲージメントなのですけれども、ヨーロッパでも、アメリカでも、どういうふうにユーザーを取り込んでいくか。いろいろな階層があるわけですね。ユーザーは必ずしも民間だけではなくて、広く公共や市民を取り込んでいくかという議論が非常に盛んです。この中には、今、データ利用ということであるのですが、じゃあ、ターゲットは何で、それにはどういうアプローチが必要なのかということの、ある意味、深い議論も必要ではないかというふうに思います。

【小池(勲)部会長】
 今の最後のところというのは、「ユーザー」という言葉が非常にいろいろな意味を持ってしまうので、やはり、そこを少しそれぞれに定義をしないとなかなか話がややこしくなるような気がしますので。あと、もう一つ、データの利用のポリシーに関しては、国としての何らかのあれが既にありますよね。

【小池(俊)委員】
 G8でデータのオープン化というのが加速されて、私は、随分、日本は変わってきたと思います。それは、気象庁とお付き合いなんかをしていると、随分変わったなというふうには思います。
 ただ、そういう流れと、それを産業に利用するときに、先ほどの議論もありましたが、そこから生まれた利益はどう還元されるべきかというところの、それぞれの思いはあると思いますけれども、そこの整理は、まだ十分できていないように思います。

【小池(勲)部会長】
 この問題は、事務局としてはどういうふうに考えられますか。実際に観測をしてから、様々なプロセスを経て、そのニーズというか、使いたい人に渡るときの途中の段階で、今、言ったような関係が出てきますけれども、それは、今回のこの中ではまだ入ってこない?

【木下環境科学技術推進官】
 その一つ一つの事例については、恐らく各取組を検討する中でじっくりと議論すべきではないかなと思います。ここでは、もう少し大きな視点に立って、どの方向を向いて議論をすべきであるとかというのに注力して御議論いただければ、その後の個別のプロジェクト、事業についての議論というのが加速できるのではないかなと思っております。

【小池(勲)部会長】
 そろそろ時間がなくなってきましたけど、ほかにございますか。よろしいですか。それでは、今日、いろいろなコメントを頂きましたので、きょうの議論を踏まえまして、事務局でこれをある程度まとめて、次回の部会で中間報告(案)になるかどうか、そのたたき台を出していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

議題(3)その他

【小池(勲)部会長】
 それでは、事務局から他に何かございますか。

【西川地球観測推進専門官】
 本日の議事録は、後日、事務局よりメールで委員の皆様にお送りさせていただきます。修正等があれば御指摘ください。最終的には、文部科学省ホームページに掲載することで公表させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、きょうは活発な御議論を頂きましてどうもありがとうございます。事務局もまとめがいがある、議論をしていただきたいと思います。
 それでは、これをもちまして、地球観測推進部会の第7回の会合を閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

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-- 登録:平成26年12月 --