第5期地球観測推進部会(第5回) 議事録

1.日時

平成25年8月29日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室

3.議題

  1. GEOSS構築の現状及び今後の展望について(地球観測に関する政府間会合(GEO)バーバラ・ライアン事務局長からの報告)
  2. 北極研究における調査観測体制について(北極研究戦略小委員会からの報告)
  3. 平成25年度の我が国における地球観測の実施計画について
  4. 地球観測の推進戦略の見直しについて
  5. その他

4.出席者

委員

小池(勲)部会長、大垣部会長代理、沖委員、甲斐沼委員、河宮委員、小池(俊)委員、杉本委員、瀧澤委員、深澤委員、藤谷委員、堀川委員

文部科学省

木下 環境科学技術推進官、畑山 環境エネルギー課専門官、佐々木 海洋地球課課長補佐 他

オブザーバー

ライアン 地球観測に関する政府間会合(GEO)事務局長

5.議事録

【小池(勲)部会長】
それでは、時間になりましたので、ただいまより、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会地球観測推進部会第5期の第5回の会合を開催いたします。
本日はお忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
事務局より、出席者の確認をお願いいたします。

【木下推進官】
事務局ですが、本日、ただいま9名の委員に御出席を頂いております。この後、小池俊雄委員と沖委員が御出席いただける予定になっておりますので、合計で11になりますので、それをもって定足数を満たすということになりますので、このまま続けさせていただきたいと思います。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。
それでは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【木下推進官】
それでは、資料の確認をさせていただきます。配付資料は、北極研究における調査観測体制についてというのが資料1です。資料2はエクセル表、A3横の平成25年度の我が国における地球観測の実施計画という資料です。資料3は、地球観測の推進戦略の見直しに向けた我が国の地球観測の取組状況についての報告という、この資料3つがございます。それから参考資料として、委員の名簿と地球観測の推進戦略を添付しております。過不足がございましたら、事務局の方までお申し付けください。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。
本日は、議事次第にありますように5件の議題を予定しております。終了時は16時を予定しておりますので、よろしくお願いします。

議題(1)GEOSS構築の現状及び今後の展望について

【小池(勲)部会長】
議題の1に移ります。GEOSS構築の現状及び今後の展望についてです。本日は、GEOのバーバラ・ライアン事務局長にお越しいただいていますので、少しGEOについてのお話をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【ライアンGEO事務局長】
まず、今回の会議に参加させていただいて感謝の念を伝えさせていただきます。そして、新しい知人の方、これまで御存じの方、全ての方に対してご挨拶させていただければと思います。
本会合に対して、非常に印象深いのは、関係する様々な研究所並びに機関からお集まりいただいていること、並びにこの会議が非常に頻繁に開催されていることに対して、非常に印象深いということでございます。
更に、この会議が日本の次の地球観測戦略を議論していることに対して非常に感銘を受けており、それに対して、GEOと絡めて積極的に連携していきたいというふうなことを考えております。
今回、残念ながら会議の終了まで出席することがかないませんで、2時半頃退席させていただきます。ただ、この会議に対していろいろなフィードバックを頂けるとうれしいと考えており、是非何か御質問があれば頂ければと考えております。
日本は、この3つの分野でGEOSSに対して非常にコントリビューションがあると考えておりまして、1つは、トラスト・ファンド。米国、ヨーロピアン・コミッションに続いて日本が3番目に大きいコントリビューターとなって、定常的に事務局に対する、あとGEOの活動に対する援助が非常に積極的であると。2番目が事務局スタッフに関して、定常的にスタッフが常駐していて、現状2名がJAXAとAISTから来ておりますけれども、過去には、歴代のスタッフが着任して、これも非常に財産となっています。
3つ目が、プラクティカルに、GEOSSのワークプランに対する貢献が非常に大きいと考えています。特に9つのSBAの分野について、全てに対して日本は貢献があるというふうに認識しております。ここの貢献については非常に実質的であり、これからも継続していただければというふうに考えておりまして、日本は非常に大事なパートナーというふうに考えておるという次第です。
現状、GEOSSの方の進捗状況ですけれども、2012年から2015年までのワークプランに基づいて活動が実施されておりまして、2015年に、一応、10年実施計画の最終年度を迎えるということで、ほぼ最初の10年実施計画の終わりの段階まで来ています。その集大成を見るために、閣僚級会合が来年の1月、ジュネーブで開催される予定です。GEOの90か国、参加国、あと67の参加機関が、声を掛けて集結して、ミニストリアル・レベルでその達成度を確認いたします。この10年実施計画の8年間の実施状況を確認するということを予定しております。
GEOには、ストラテジック・ターゲット(戦略ターゲット)を御存じのとおり設定しておりまして、それらに対して進捗状況を確認するのですが、当然、達成しているものもあれば、達成できないものもあるというふうに考えておりまして、そこを次のポスト2015年実施計画に引き継ぐですとか、そういったところの議論もする予定であります。
閣僚級会合に当たって、2つの分野において閣僚が非常に興味を持つだろうと考えておりまして、1つはオープンデータ・ポリシー、GEOが進める3つのデータ共有原則に基づいて、9つのSBAの分野において、それらを横断するような形でデータがフリーで提供されるという形のところが1つ大きなGEOのコーナー・ストーンだと考えております。
もう1つが、GEOは国連機関ではないのでボランティアベースで活動がされているわけですけれども、その中でも全ての機関が参加するわけではないですが、参加している機関が非常に興味を持つ分野で連携をとって、幾つかのキーの分野で特別なイニシアチブが進められていると。その具体的な例が、御存じであるかと思いますけれども、GFOI、全球の森林の観測ですとか、GEO-BON、全球の生態系の観測ネットワーク、さらにはGEO-GLAM、全球の食料作付けモニタリング、食料安全保障に絡むところのモニタリング・ネットワークを構築するといったようなところが進められております。これらのところが、環境政策ですとか食料政策の方に連携するような形でGEOが動いていけば、閣僚の目に非常にとまるのではないかと思います。例えばGEO-GLAMの方で言いますと、GEO-GLAMというシステムができていきますと、それを運用する、あるいはそれを使ってもらえる政策を実施するFAOと連携できれば、そこが非常に目にとまるのではないかというふうに考えております。
こういったところを非常にハイライトする形で、閣僚級会合を準備していければというふうに考えています。
ちょっと質問の時間をとりたいためにここでストップさせていただきますけれども、改めて日本はGEOの執行委員会のメンバーでもありますし、非常に重大なパートナーというふうに考えておりまして、更に日本は、聞いておりますところによりますと、ICSUのフューチャー・アースとも連携を進めているということで、こういった面からも是非GEOの方と連携していきたいと思います。
あと、更にUNのパートナーシップも促進していきたいと考えておりますので、FAOは既にGEOのメンバーですけれども、参加機関を今後とも増やすように、努力を日本を通じてできていければというふうに考えております。
本日は、どうもありがとうございました。

【小池(勲)部会長】
どうもありがとうございました。
それでは、御意見、コメント、質問があればよろしくお願いいたします。
現在、議事録をとるために速記をしていて、速記は日本語のみの対応ということになっていますので、「質疑については日本語で行ってください」と言われていますので、よろしくお願いいたします。
いかがでしょうか。どなたかございませんか。

【大垣部会長代理】
いいですか。

【小池(勲)部会長】
どうぞ。

【大垣部会長代理】
私から1つだけ。最後にフューチャー・アースのことに触れられましたけれども、GEOの中ではフューチャー・アースはどういうふうに扱って、今後、どういう形になるんでしょうか。

【ライアンGEO事務局長】
ICSUのフューチャー・アースの暫定ディレクターとGEOの事務局と来週会合を持つ予定でして、そのときにもう少しサブスタンスにディスカッションする予定なんですけれども、フューチャー・アースのリサーチ・アジェンダの中にあるオブザベーションとかデータ・アクセスとか、そういったところに対しては、当然、GEOが貢献できると考えております。更にフューチャー・アースが持っているようなリサーチのニーズに対して、GEOに対してフィードバックを掛けてくれるような連携の仕方が一義的に考えられるんじゃないかということで、それを来週、調整していくような形になると考えております。

【大垣部会長代理】
ありがとうございます。

【小池(勲)部会長】
私の方から1つだけ。
先ほど、GEOの行っているいろいろなイニシアチブが、それぞれの、それを施策とかそういうところに反映させるやり方として、例えばUNの国際機関を通じてやるやり方と、あと、それぞれの国ベースでやるやり方があると思うんですけれども、GEOとすると、それをどういう形で具体的にやっていこうとされているのか、それについて。

【ライアンGEO事務局長】
回答としては、両方の道があるかなと。GEOに参加する国を通じて、あるいはGEOに参加する参加機関、参加機関にはFAOも入っていますけど、例えばGEO-GLAMで言いますと、参加している国を通じて活動もハイライトしてもらうやり方、あとはGEOの参加機関のFAOとしてハイライトするやり方の2つがあるというふうに、両方とも活用していくべきではないかというふうに考えております。
あとは、国連のサステーナブル・ディベロップメント・ゴール、SDGですとかミレニアム・ディベロップメント・ゴール、MDGにまつわる、そういった機会を通じてGEOのイニシアチブを活用していくというふうなことが考えられると考えています。

【小池(勲)部会長】
ほかによろしいでしょうか。
それでは、どうもありがとうございました。

議題(2)北極研究における調査観測体制について(北極研究戦略小委員会からの報告)

【小池(勲)部会長】
それでは、次の議題に移らせていただきます。次の議題は、北極研究における調査観測体制についてです。北極研究戦略小委員会からの報告になりますので、事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【佐々木課長補佐】
北極研究における調査研究体制についてということで、地球観測部会の下の北極研究戦略小委員会において取りまとめを行いましたので、それを御報告させていただきます。
まず、1枚目をめくっていただきまして、今次の検討の趣旨と目次のところで現状と課題、3番で北極研究の充実に向けた今後の取組ということで、国際連携の強化ということと、観測プラットフォームの充実ということを挙げております。
まず、今次の検討の趣旨のところでございますが、背景といたしましては、平成23年度より開始されました北極研究気候変動研究プロジェクトの進展に伴いまして、必要な観測網の充実や体制の強化の必要性が明らかになったということが1つでございます。
もう1点、我が国が本年5月に北極協議会のオブザーバー資格が承認されまして、今後、北極評議会オブザーバー国としての役割を果たすためにも、我が国の調査研究活動の充実が重要となっているというようなことを踏まえて、今回、御検討いただき取りまとめたといったものでございます。
まず、検討の経緯でございますが、一番後ろのページに本委員会の委員名簿、小池(勲)先生を主査とする委員名簿が載っております。最後から2枚目のところで、検討の経緯ということで、昨年の12月より関係者からのヒアリングを経て、それを踏まえて取りまとめたというところでございます。
それでは、また1ページ目に戻っていただきまして、北極域観測の現状と課題ということについて整理させていただいております。現状と課題については、主要観測分野ごとの現状と課題を概括するということで、大気観測、3ページ目で海洋・海氷観測、4ページ目で陸域観測、6ページ目で生態系の観測、7ページ目で海底地形・資源関係の観測、(6)として北極海航路の利用の関係観測ということで、分野ごと、テーマごとで現状と課題を取りまとめております。
現状と課題、これを説明すると長くなるのでかいつまんで申し上げますと、大気観測、陸域観測等では、やはり現場のステーションが少なかったり空白域がある。また、気象関係のデータがとりにくいということで、再解析データの精度が低いというようなところが今の課題としてあります。
海洋・海氷では、我が国が砕氷船等を持ち合わせていないので、現在は外国の砕氷船の傭船を行っているということで、かなり観測に制約されるといったところが大きな問題点でございます。
陸域観測では、現地のコミュニティーとの協力、国際共同観測のような国際協力が必要だといった点がございます。
次に、8ページ目のところで、それを踏まえた北極域研究の充実に向けた今後の取組というところでございます。
今後の取組は、先ほど目次の紹介で申し上げましたように、国際連携の強化ということと、プラットフォームの充実といったところが大きな柱でございます。
特に、国際連携の強化では、多国間の協力と二国間の協力という2方向で進めていく必要があるというところでございます。特に多国間の協力では、先ほど申し上げました北極評議会のオブザーバー国となったことで、調査研究活動を積極的に発信するということと、メンバー国に有益な情報を提供していくということが重要であるということが書いてあるとともに、これから動こうとしている国際共同観測に積極的に参画していくことが求められるということで整理させていただいております。
具体的には、中層・高層大気分野の研究を進めるEISCAT_3D計画。また、北東グリーンランド氷流計画。新しい氷床コアを採取・分析して、詳細な気候復元を行うものでございます。
また、10ページ目のところで、大気海洋・海氷の通年データを取得するという北極研究のための学際的漂流観測プロジェクト。また、砕氷船の効果的な利活用に関するプロジェクト等に参画する必要があるというところでございます。
次に、二国間の協力でございます。二国間の協力としては、特にアメリカ、カナダ、ノルウェー、ロシアとの協力が重要であり強化すべきということで、整理させていただいております。特にアメリカでは、これまで日米両国が共同で設置した国際北極圏研究センター(IARC)との連携強化を密にして、またそういった人材育成機能を活用して、若手研究者の派遣とか定期的なワークショップを開催するということが必要であるというところでございます。
カナダについては、カナダの環境変動に関する広大な空白域を埋めるために、カナダ政府は、カナダの極北観測拠点計画を進めておりまして、そういった計画に日本も共同参画していくことが重要であるというところでございます。
ノルウェーについては、国立極地研究所のニーオルスンの基地がございますが、そこを中心に、また大気、陸域のみならず、海洋等の観測についても、今後、ワークショップ等を通じて分野を広げていくということを検討すべきということでございます。
次にロシアでございますが、ロシアについては各機関間で協力を進めてきましたが、やはり人材交流、共同研究を進めていくという観点からも、12ページのところに書かせていただいておりますが、ノルウェーやIARCが有するロシアとの人的ネットワークを積極的に活用していく必要があるというところでございます。
次に、観測プラットフォームの充実ということで、まず我が国の砕氷船の整備ということで、我が国は砕氷船を持ち合わせていないので、我が国としての砕氷船の整備、また南極観測船「しらせ」の活用等も検討すべきということで書かせていただいております。
次に、観測拠点の整備ということで、観測拠点は、特にアメリカ、カナダ、ノルウェー、今後ロシア等にも観測拠点を設けて、人的交流、共同研究を推進していく必要があるということでございます。
次に、衛星データの活用基盤の整備ということでございます。日本の衛星に関しては、今、国立極地研究所とJAXAの間で包括契約が結ばれていまして、自由に使えるような状況でございますが、海外の衛星に関しては、まだ十分使えていないのが現状でございますので、そういったところを積極的に活用していくということが必要であるというところでございます。
観測装置に関しましては、今後、また技術開発が必要なものもございまして、例えば海氷検知システムを搭載した自動昇降ウインチ型の係留系、またAUVの開発をし、北極観測への活用が重要である、望まれるということで整理させていただいております。
最後に14ページ、まとめのところでございます。まとめのところは、この報告書を踏まえて、今後、国際連携の強化、プラットフォームの充実に努めて、充実・強化をしていく必要があるということでまとめさせていただいております。
簡単ですが、以上です。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。
この報告書に関して、何か御質問、コメントがありましたらお願いいたします。この部会の委員の先生方にも何人かに加わっていただいておりますので、内容については御存じの先生方が多いと思いますけれども、よろしくお願いします。いかがでしょうか。
これは、最初の趣旨のところに書かれていますように、今まで北極域の研究というのは、日本の場合、いろいろな研究者がばらばらに行っていて、極地研に1つセンターがあって、そこが中心でやられていたんですけれども、どちらかというとノルウェーの基地が中心であったのを、文部科学省のプロジェクトで北極気候変動研究プロジェクトというのが立ち上がって、23年からもう既に2年ぐらいして、初めて日本全体の北極圏の研究者が1つにまとまって大きなチームを組んで研究を始めたという。今、それが3年目ぐらいになって、そこでどういう問題点があるかと。今後の研究のためにどういう課題があるかということについて、いろいろ議論してまとめたという趣旨ですけれども、何か。

【河宮委員】
よろしいですか。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【河宮委員】
JAMSTECの河宮ですけれども、2ポツをずらずらと見させていただくと、北極海航路利用関係観測というのが特出ししてあるんですが、北極航路の関係の観測というと、何といっても海氷だと思って、実際、報告書を読んでみると、海氷関係が主なんですけれども、これ、(2)の海洋・海氷観測と殊さらに分けてあるのは、将来的に何か違う方向に展開するという予定があるのかということと、あと、5番、ちょっと私の専門とは遠いんですが、海底地形と資源関係と言いながら、これも海底地形というか、地球科学的観測が主で、資源のことについては何も触れていなかったようなんですけれども、こちらについても将来的に資源の方に展開する予定はあるんでしょうか。

【小池(勲)部会長】
事務局の方から答えられますか。

【佐々木課長補佐】
ええ。それでは、北極海航路に関しては、今、カナダの砕氷船等を傭船して、共同観測といったことは、今、特に東大の山口先生を中心にGRENEのプロジェクトで実施しているところでございます。
ただ、まだロシアとか、そういったところには入っていけないというところも聞いておりますので、そういったところの共同研究をどういうふうに進めていくのかというのは、今後の課題かなと考えております。
それと、海底地形に関しましては、実際にGRENEのプロジェクトでも、まだここはやっていないところでございまして、JOGMECとか、実際のところ、いろいろと各国と今後やろうとしているというふうに聞いておりますが、ここに関しては、今後、IODP等を通じて我が国としてもやっていく必要があるところではないかと考えております。

【河宮委員】
ごめんなさい、しつこいようなんですけれども、北極航路の方の質問に関しては、お聞きしたかったのは、ほとんどが2番に含まれるような観測内容だと想像してしまうんですけれども、あえて分けてある理由は何かあるんでしょうかということです。

【佐々木課長補佐】
そうですね、2番にほとんど課題とかは含まれるというのが実際のところでございます。今現在、GRENEのプロジェクトの中で、いわゆる海洋の部分と、あと北極海航路というのが、若干、別の人というか、やっているので、そういった関係であえて分けたということと、北極海航路に関しては、特に、今、注目度が高いというところで分けさせていただいております。

【小池(勲)部会長】
ちょっと私の方から追加しますけど、北極圏航路は、もともと北極圏航路という、今後、日本にとって、経済活動で非常に重要だということでも、この北極圏の気候変動のプロジェクトを立ち上げるかなり大きなドライビング・フォースになっていたので、それを特出しして1つの課題として立てたということですね。

【河宮委員】
それは理解しましたので。ただ、2番とやっぱり課題……。

【小池(勲)部会長】
研究的には、ほとんど重なります。

【河宮委員】
なので、必要な連携がこれで阻害されないように配慮していただけたらなというふうに思います。

【小池(勲)部会長】
あと、その辺で、どうぞ。

【甲斐沼委員】
ちょっと、そのことに関連するんですけれども、気候の温暖化の方では、結構、将来のこの北極圏の航路が使えることになるというメリットと、そこまで温暖化するというデメリット、マスコミなんかだと割とメリットがあるというようなのが大々的に報道されたりするのを時々見かけるのですけれども、ここのスタンスというのは、むしろ北極圏航路が活用できるからというようなスタンスなのか、それともいろいろ調査して、使えそうになるからもう少し対策もしなきゃいけないのかなという、どういったスタンスなのかというのをお聞かせ願いたいのと、もう1個、この趣旨のところで、丸4のところは、この北極海航路のところなんですけれども、海氷分布の将来予測、これは観測だけではなくて、将来予測のグループと一緒に何か研究されるということなんでしょうか。この2点、教えてください。

【佐々木課長補佐】
北極海航路に関しては、今現在、海氷分布、海氷の状況についての調査と将来予測、中期的、長期的な。「中期的」というのは6か月後ぐらいとか。長期的になると数年後ということで、海氷予測の観測・調査が行われていまして、それで海氷が、特に新聞報道でもありましたように、カナダの海域の海氷がなくなるので航路が開けるとか、そういった観点の調査研究を実際やっているというところでございます。

【小池(勲)部会長】
あとは、予測のですね。

【甲斐沼委員】
そうなんですけど、我々の方で「長期」と言うと、結構、何十年とか100年なんですけれども。中期で30年とか50年で、ここのところだと6か月とか数年の話で、その観測データから読めるというか推定できるような予測をされるという理解でよろしいんでしょうか。

【佐々木課長補佐】
はい。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。
【深澤委員】
一応、これのサブプロジェクトマネジャーということになっているので、今の点についてだけちょっとお答えしますと、要は、この北極海航路のところには、海氷のモデリングチームが入っておりまして、実際できるかどうかというよりも、何をこの5年間でやるかという中に、実は、データシミュレーション、特に海氷を扱うのは難しいんですけど、それを扱えるようにして、1年後の海氷の分布を予測しようと。どのくらいの精度で予測するかというのは、それはもちろん大事なんですけれど、その手法、それからそれの可能性を探るというのが実は入っています。
先ほど申し上げた50年とか30年という話ではなくて、実際、北極海航路ということに限定すると、実は、6か月じゃ遅過ぎるし3年では長過ぎるし、ちょうど1年ぐらい前にできていないと船の方の手配というのは不可能なわけですけれど、それも考慮に入れた形で、一応、ターゲットの中には入っているのが現状です。

【小池(勲)部会長】
よろしいですか。ほかになければ。はい、ありがとうございました。

議題(3)平成25年度の我が国における地球観測の実施計画について

【小池(勲)部会長】
よろしければ、次の議題に移らせていただきます。次の議題3ですけれども、平成25年度の我が国における地球観測の実施計画についてです。
事務局の方から、御説明をお願いいたします。

【木下推進官】
それでは、事務局の方から御説明させていただきます。
資料2を御覧ください。毎年度、まとめております地球観測の実施計画ですが、本年もこのように各省の御協力を頂きまして取りまとめさせていただきました。
従前から掲載されているものがほとんどでございます。今年度、25年度から追加されましたのは、最後のページを御覧ください。左側の番号で168番となっているところから6件が今年度からの新規の計画でございます。巨大地震・巨大津波の実態解明に向けた物理調査から始まっているところです。
そのほか、農水省、水産庁、国交省、環境省のプロジェクトが、今年度からの新しい計画として追加されておりますので御確認ください。
事務局からは以上です。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。
今、説明がありましたように、取組についてはエクセルの表でまとめる形で出させていただいています。それで、173の課題が登録されているわけですね。そのうち後半の6つが今年から新しく加わった計画ということになると思います。こういう形で、これで見やすくなったか見にくくなったかは、なかなか判断が難しいんですけれども、少なくともどういう省がどういうことをやっているかというのが表になってまとめられているということで、従来の文章のよりは見やすくなったかなというふうに思いますけれども。何か、これについて御質問はありますでしょうか。よろしいですか。これは、もうこれで実施計画ということで出して、これでおしまいということでよろしいんですね。この後の扱いはどうなんでしょう。

【木下推進官】
これでセットということで、各省の方で事業を進めていただくということになります。

【小池(勲)部会長】
進めていただくということですね。分かりました。じゃあ、これで今年の確定版という形にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

議題(4)地球観測の推進戦略の見直しについて

【小池(勲)部会長】
それでは、議題の4に移ります。議題の4が、きょうの一番大きな議題ですけれども、地球観測の推進戦略の見直しについてで、お手元に資料3がありますけれども、前回、前々回、今までの議論を踏まえて、前回の資料を基にこれに修正を加えたものが、きょう、提出されておりますので、まず事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【木下推進官】
それでは、資料3につきまして、前回からの修正点、変更箇所を中心に概要を御説明させていただきます。その後、御議論に移りたいと思います。
今回、追加いたしましたのは下線部のところなんですけれども、まず冒頭の「はじめに」を、このページの1ページ目ですけれども、追加をさせていただきました。これまでの経緯や状況変化に触れつつ、報告書の全体概要をこちらで触れております。
それから、2ページ目の1ポツ、現状認識につきましては前回とほぼ変更はございませんので御確認ください。
4ページ目以降、第2章ですけれども、こちらについては、前回の柱立てはそのままでございますが、委員の皆様、それから関係府省、それから機関の皆様から御報告いただいた点を踏まえまして、大幅に修正をしてございます。
まず、2.1のこれまでの成果につきましては、前回、マトリックス表でまとめてはどうかという御指摘も頂戴いたしました。いろいろと成果も提出いただきましたので、本文の方では、これまでの重点化成果としての3つの観点から整理を、前回と同じようにこの3つの観点から整理をさせていただいております。
詳細につきましては、別添1という形でまとめさせていただいております。ちょっと別添1を御確認ください。本文との対象の仕方を御紹介させていただきたいと思いますが、この別添1、例えば1ポツで災害・復興モニタリングへの貢献ということで、「独立行政法人宇宙航空研究開発機構」から始まるところですが、その上に、「東日本大震災等の大規模自然災害・復興状況について」という1文がございます。この横1行ぶち抜きになっている部分というのは、本文に掲載されている文章でございます。本文のこの部分に対して、どのような活動、成果というのが具体的にあったかというのを、この通し番号1から続いているもので御紹介をさせていただいています。
この1ポツのように1対1になっているところもございますが、4以降のように1つの文章に対して5つ、6つの成果が掲げられているところもございます。そういったように整理をさせていただいておりますので、御確認いただければと思います。
それでは、本文の方に戻りますけれども、2.1の(1)成果につきましては、そのようにまとめさせていただいております。
それから、(2)、9ページ目でございますけれども、こちらは成果のうち、今度は地球観測システムの統合化ということで、連携拠点の設置とデータの共有、利用の促進という、大きく分けてこの2点から成果を取りまとめさせていただきました。前者は、主に観測における連携の強化。後者は、データの統融合に関する連携をまとめてございまして、別添1同様、詳細な成果につきましては別添2ということでまとめさせていただいております。別添2を御確認ください。冒頭、連携拠点等の設置ということで、横ぶち抜きの説明書きがありますが、これが本文の記述です。この本文の記述に対して、具体的にどのような成果が上がっているかというのが─すいません、1が抜けておりますけど、1から9までの個別の成果というのがございます。
それから、データの共有と利用の促進につきましては、次のページに10番から15番ということで紹介をさせていただいておりますので、御確認いただければと思います。
それから、次が2.2項でございますが、12ページです。こちらは、表題も前回までは単に「課題」としておりましたけれども、「今後の地球観測において強化・展開すべき課題」ということで、表題をまず書いてございます。そのほか、修正点が多くございますが、項目として追加いたしましたのは13ページ目の観測イノベーション、沖委員から御提案を頂いた部分です。
それから、13ページ目の下の方ですね。未知の現象の解明、それから新たな科学的知見の創出を目指した観測と課題解決を目指した観測の戦略的な推進の箇所ですが、未知の観測と課題解決というのは二分論ではなくて、地球観測の特性上、どちらも必要であると。有機的に連携させて戦略的に取り組むことが重要であるというような形で、前回の御議論を反映させていただいております。
それから、次は15ページ目、第3章でございます。第3章につきましては、全体的に分量を減らしておりますが、ポイントとしてはこれまでと同じ点について言及をさせていただいております。
3.1以降の社会状況の変化のところ、冒頭のグローバル化の進展のところでは、前回を踏まえて、重点化の3つの観点、国民の安全・安心な生活と経済社会への貢献と国際貢献と、この観点が切り離せなくなっているという点を追記してございます。
それから、次の気候変動及びその影響の顕在化というのは、新たに項目として追加をさせていただきました。IPCCレポートにおける人為起源の温暖化の話であるとか、適応策の必要性、極端現象の増加などについて言及を追加させていただいております。
それから、次は17ページ目ですけれども、3.2項、科学技術、技術革新の進展につきましては、シミュレーション、データ同化について、18ページ目の方に少し記述を追加をさせていただいております。
それから、3.3項につきましては、国際動向ですけれども、こちらについては、19ページ目ですね、先ほども出ましたがフューチャー・アースの点に加筆をしたのと、それから防災の面での取組についても言及を追加させていただきました。
それから、一番最後の方にその他の動きということ、この前後に、アジア、アフリカ等の発展について考慮すべきであるという20ページ目の下の方ですね。そこから、少し加筆をしております。そこと、その他の動きとして、今、御紹介のあった北極域の話、それから海洋安全保障などの話も追記させていただいております。
最後に第4章ですけれども、取組に当たっての重要な観点につきましては、前回の御意見を踏まえまして、まず4.1項の基本認識というのを、最初に観測の重要性であるとか、観測ユーザーは間接的なものも含めまして幅広く存在しているという点につきまして加筆をさせていただきました。
それから4.2項につきましては、23ページ目ですけれども、戦略的取組の必要性に課題解決に貢献する観測と、先ほどちょっと御紹介した点で、二元論ではないということを反映して統合をして、大幅に修正を施してございます。また、前回の御意見を踏まえて政策的対応や新たなニーズへの対応のための観測というのも追記しております。
また、中長期観測について、4.4でその趣旨を。4.4は26ページですね。中長期的観測の重要性につきましては、4.4にもその旨追記をさせていただいております。
4.3項については大きな変更はございません。
それから、最後、4.4項につきましては、1つ、長期継続的な観測の実施のところ、先ほど申し上げた点ですけれども、それから観測技術に関する研究開発の推進のところでは、同一手法・精度の継続観測に加えて、精度の向上や新たな観測手法の開発が重要であるという点につきまして追記をさせていただいております。
また、最後に4.5項では、次の28ページですけれども、科学技術外交への観測の貢献につきましては、開発援助機関や開発銀行との連携も重要であるという指摘を加えさせていただきました。
以上が、変更点の簡単な御紹介でございます。
最後になりますけれども、冒頭、御紹介させていただきました成果の点、皆様から御意見をいろいろ頂いておりましてありがとうございます。ただ、まだ成果につきましては良い成果というのがあるかと思います。抜けている点等ございましたら、この国民の安全・安心の確保であるとか、経済社会の発展にどう貢献したのかという観点から御提案を頂けますと大変助かります。どうぞ、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上です。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。前回の議論を踏まえて大分大幅な改定が行われていますけれども、これは後で申し上げますけれども、部会の回数の関係もあって、きょうでこの部会での議論はおしまいにして、多分、この後はメールベースになりますので、なるべくきょう、ここをこうした方がいいという御意見がありましたら、是非御発言をお願いしたいと思います。これ、ちょっと長いので、各章ごとに御意見を伺っていこうと思いますので、よろしくお願いします。
初めは、「はじめに」のところと現状認識のところですけれども。これは、「はじめに」のところは新しく追加されましたけれども、現状認識のところは前回とほとんど変わっておりませんので、特に何かございましたら。

【小池(俊)委員】
ちょっとよろしいでしょうか。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【小池(俊)委員】
実は、4章と関係するんですけれども、この「はじめに」のところで、第2段落目の下の方に、「国際社会に目を移せば」というところで、「10年実施計画の見直しの議論が進んでいるほか」というのと、それから、それを受けて一番下から2つ目の段落の2行目から、「国際的なGEOSSの動きに対応し、10年実施計画の検討において」とありますが、いずれも「見直し」とか「再構築」という言葉が使われていて、この4章のところでもそういうふうな言葉なんですけれども、まずGEOSSの方は、2015年以降、継続して実施すべきという案になっておりますので、もう少しポジティブな書き方にすべきではないでしょうか。それで、再構築が求められるって、人のとり方にもよりますけれども、やはりより強固で発展させていくべきであるというような書き方の方が。後ろの4章もそうなんですけれども。
それはなぜかというと、その前に、この「地球観測は」という下から2つ目の段落のところか、あるいは国際社会のGEOSSをやるときもそういう議論をしたわけですが、巨大災害であるとか気候変動の影響は顕在化してきているので、それが食料とかエネルギーに影響を与えているということが分かってきて感じ始めているので、こういうことが国際的にも進めなければいけないし、国内でもそうだというような書き方にした方がいいんじゃないかなと思います。「はじめに」は皆さんが見るところですので、方針といいますか方向性をもう少し明確にした方がいいんではないかと思います。

【小池(勲)部会長】
今、例えば「見直し」という言葉と、それから「再構築」ですよね。どちらかというと、ちょっと強めな表現は。それを、今、何か言われましたね。

【小池(俊)委員】
例えば、第2の固まりの「また」というところですね。地球観測システム(GEOSS)の10年実施計画の、この10年の進捗を確認し、2015年以降の継続的発展の方向で議論が進んでいるとか、何かそういうふうにすべきではないかと。
それから、一番下から2つ目の段落は、「地球観測は、長期的な視点をもって」はいいんですが、巨大災害が、一国、地域のみならず世界に影響を与え、そして気候変動の影響が顕在化している中で地球観測はとかですね。そういうふうにした上で、一番最後の国内の地球観測の体制をより強固にして発展させていくべきであろうというような書き方にした方がよろしいんではないかということです。

【小池(勲)部会長】
はい、ありがとうございました。 そうすると、同じことが、第4章の書き方も。

【小池(俊)委員】
はい。

【小池(勲)部会長】
これは、それを受けてというか、両方がちょうど挟まる格好になっていますので。

【小池(俊)委員】
はい。中身はそういうふうに書かれているんですが、最後のまとめのところが何か「見直す」とか「再構築」というと、少し、どっちなんだというのが分からないので明確にした方がいいのではないかと思いました。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。
ほかに。よろしいですね。今の「はじめに」のところでは、今、言ったような形で書き直すということで、現状認識のところは、このままの形でというふうにさせていただきたいと思います。
それでは、その次に、第2章ですね。これまでの取組についてのところについて、何かコメントがございましたらお願いいたします。ここは、2.1が成果について書かれておりまして、成果については後の別添の資料の方で完全版で、その中からかなり短くしてピックアップしてここに記載されているという形にまとめさせていただきました。ですから、全てのこれに寄与したデータは別添の方には載ってくるという形になると思います。
それから、その後が2.2ですね。特に2.2の今後の地球観測において強化・展開すべき課題というところが幾つか新しくなっていますので、これに関しても見ていただきたいと思います。いかがでしょうか。
はい、どうぞ。

【藤谷委員】
ちょっと細かいことなんですけれども、この本文とか、あとの別添の表もそうなんですが、関係府省・機関の名前は出てくるんですが、それ以外で、この7ページに、突然、一般社団法人漁業情報サービスセンターと特出しで出てくる。あと、後ろの表を見ますと、例えば気象協会とかウェザーニューズとか一部の民間のそういうもの。だから、どういう基準でどこまで出すのか。多分、関係府省・機関とか独立行政法人は出すんでしょうけど、ここで突然、一般社団法人のこれが、多分、本文で、ほかはこういうのは出てこないんですね。その辺の基準がどうなっているのか、ちょっと気になったものですから。

【小池(勲)部会長】
これは、事務局。

【木下推進官】
はい。ここの点については、利用者ということでちょっと述べさせていただきましたが、いずれにせよ統一的に扱いをしたいと思いますので、事務局で後で再精査させていただきます。

【小池(勲)部会長】
ほかに何か。はい、どうぞ。

【杉本委員】
これまでの取組のこれまでの成果のところなんですけれども、それぞれの成果、良いと思うんですけれども、それがどこに配置されるかということを見ると、例えば国民の安心・安全の確保のところで、「航空機等を活用した現地観測を含む」という、比較的グローバルなことが出てきたりするんですけれども、何かちょっと、どういうふうに国民の安心・安全の確保につながるんだろうというのが、ちょっと違和感があるような感じがします。
もう一つ、「北極におけるオールジャパンによる地球観測活動が本格的に開始され」というのも、例えば北極航路の利用可能性でしたら、経済活動にも関係ありますし、例えば今の「北極におけるオールジャパンによる」という、これをここに残すのであれば、地球温暖化の把握や、例えば日本、我が国の気象に対する影響の評価、北極海航路の利用可能性、評価というような、国民の生活につながるような気象の評価みたいな文言を入れるとか、ちょっと工夫があってもいいのかなという気がしました。

【小池(勲)部会長】
これは、ここで書かれているような観測が、一体どこに当てはまるかということなんだと思うんですけれども、多分、先ほど言われた全球での二酸化炭素の排出量とか、そういうものというのは、確かに全球的な話ですので国際的な話になるんですけれども、やはり日本のいろいろな温暖化対策とか、そういうものの基礎になるわけですね。ですから、両方に入ってくるわけですね。

【杉本委員】
そのとおりですね。

【小池(勲)部会長】
国際貢献というのはなかなか難しくて、いわゆる国際的な枠組みでいろいろな国が分担して観測しているようなものは、国際貢献なのか、結局、それはまとまって日本に返ってくるという考えにした方がよくて、国際貢献の方は、例えばある特定の地域とかエリア、国に対して、日本としていろいろなことをやっている。それを特出しして国際貢献的にした方がいいのではないか、多分、そういう仕分けをしているような気がするんですね。この辺はちょっとグレーなところがありますので、多分、言葉の使い方で、なるべく、今、杉本委員の言われたように、国内のあれにこんなに役立っていますということが強調されればいいと思うんですけれども。
ただ、これ、元の出していただいているのが、どちらかというとかなり中立的な書き方をされているので、それをこちらの方で少し編集して、国内向けのものは国内にこういうふうに役立っているというような書き方を、多分して、もう既にこれは少しずつされていると思うんですね。
ほかに何かございますでしょうか。はい、どうぞ。

【堀川委員】
今、お話があった国際社会への貢献に関することなんですが、7ページのところに国際社会への貢献が書いてありますけれども、地球観測の分野で、特に地球観測衛星の国際的な委員会のCEOSというのがあるんですが、そこの戦略議長を日本が2年間、この期間の間にやってきて、世界の地球観測衛星のコンステレーション等に関してのリーダーシップをとってきたといったような成果を、ほかの分野にもそういった国際的なリーダーシップをとった例があるかと思うんですが、もしそういうものがあったら、併せてここに少し記述していただけるといいかと思うんですけれども。

【小池(勲)部会長】
それは、新しく加わるんですね。ほかに。

【深澤委員】 いいですか。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【深澤委員】
こういうぐあいに、成果と、そしてその具体的にまとめているというのはとても大事なんですけれど、これが出ていったときに、この後ろの成果の部分ですが、検証はされていますか。それとも、申告されたとおりを書いている形ですか。
というのは、今、僕、GCOSの評価をやっているんですけど、これを見るとかなりすばらしいので、困ったなというか、「もうGCOSはやめてもいいですよ」と言ってもいいぐらいなんですけれど、大丈夫ですかね。

【木下推進官】
基本は、各省さんからの申告と、そのほかの評価資料であるとか、そういったところから参照しながら整理をさせていただきました。厳密な意味で、一文一文検証したかというと、必ずしもそういうことではないという状況です。

【小池(勲)部会長】
これは、小池(俊)委員の方でGEOSSでまとめられているときに、ある程度、分かりますよね。

【小池(俊)委員】
はい、分かります。

【小池(勲)部会長】
それから見て、いかがでしょうか。

【小池(俊)委員】
それは、担当者の方が一番だと思うんですが。
私、この成果の、前、書かれていたものが主にこの成果の詳しい説明のところに入っていて、それを非常にうまくまとめられているなと思って感心しておりました。
まず、今の委員長からの質問に答えますと、それで見ている限りは、私は、GCOSはいいんじゃないかなと思っていたんですけれども、特に違和感は余りなかったんですが、深澤先生、やっぱりちょっと書き過ぎですか、GCOSは。

【深澤委員】
いやいやいや、そうではなくて、多分、いろいろな分野にまたがっていますから、例えば私が非常によく知っている部分と知らない部分とがあるから、今のような話になってくると思うので、後で、「これは本当にこうなんですか。それじゃ、もういいですね」と言われるようなことにならないように気を付けた方がいいような気がしたものですから。すいません。

【小池(俊)委員】
多分、そのために我々がいるんだと思うんですけれども、ざっと見て、余りにおかしいかなと思うものはコメントを付けるという形にしてはいかがでしょうか。そのコメントがかなりきつい場合には、これを御提案いただいたところに一応問い合わせるという形にしてはいかがですかね。

【深澤委員】
まあ、あれでしょうね、それぞれの詳しい方がいらっしゃいますから、それぞれに見て、これは一度確かめた方がいいんではないかというのは、例えば水循環でしたら小池(俊)先生とか、気候変動でしたら私でも構わないんですけれど、やった方がいいかなという気はします。
もちろん、書いてあることと、特にこれこれやってというところ、「に貢献した」とか、「に役立っている」というところが、特に、どの程度なのというのは非常に関係すると思うので、本文の方は非常にうまくまとめられていると思います。具体的に事例に入ったときに、それではこれはもう大丈夫だねという、本当にそうなのかという部分が少し、これを見る限りでは心配になった部分がありました。
以上です。

【小池(勲)部会長】
結局、別添のところの文責と、文の責任と、それからこっちの本文の方、本文の方はこれを基にしてかなり要約してまとめているんですけれども、こちらは、どちらかというともう出てきたそのままを載せられているんですよね。だから、文責は出されたものにあるというふうに考えるんですか、それとも、これも併せてこちらとして全部チェックしてということになるんでしょうかね。どっちなんでしょう。

【木下推進官】
別添の方も、委員の皆様に一度御確認いただけますと大変助かります。我々も、全部、いわゆるコピペをしたわけではないんですけれども、ほかの参照資料も見たりしておりますけれども、これは不正確な記述ではないかとか、確認した方がいいのではないかということがありましたら、この人に確認すればいいというアドバイスも頂けますと、その先生に確認をして適切な記述に改めたいというふうに考えます。

【小池(勲)部会長】
それでは、別添の記述もそれぞれ御専門の方がいらっしゃいますので、見て、これはちょっとと思うものに関してはコメントを頂くような形でお願いできますでしょうか。

【堀川委員】
ちょっといいですか。よろしいですか。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【堀川委員】
基本的には、こういう地球観測というのは、もともと長期観測をベースにしているものなので、オン・ゴーイングのものが多いと思いますので、これまでやってきた成果に更に次も続けていくということが大事なので、今まで成果が何もなかったというのも困りますし、「これで終わりだ」と言われるのも困りますので、その辺のあれを最初の成果のところに少しコメントを入れられたらいいんじゃないかと思うんですけど。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございます。確かに、成果の書き方というのはなかなか難しくて、もうこれで完全にいいですよという書き方をしてしまうと、それならもう結構じゃないかという話になってしまいますし、余り成果に関して何も書いていないと、成果は上がっていないんではないかということになってしまいますので、ちょっとその辺の書き方は工夫しないといけないんだと思いますけれども。
それ以外のところで、今後の地球観測に関して強化・展開すべき課題のところはこれでよろしいでしょうか。2枚ぐらいでまとめておりますけれども。

【小池(俊)委員】
ちょっとよろしいでしょうか。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【小池(俊)委員】
沖さんから出ている観測イノベーション、これは、私は非常に大事だと思うので。

【小池(勲)部会長】
なかなかいい。

【小池(俊)委員】
ええ。書かれていて、非常に重要なところだと思いますが。
でも、やはり具体例を幾つか挙げてはいかがかと。いろいろ書くことはできませんけれども、例えば衛星ですと、GOSATだとか開発が進んだ二周波降水レーダーとかいうのは、やっぱり我が国の専売特許ですし、地上系ですとXバンドMPレーダーというのも世界に先駆けて運用を開始しているわけで、何かこれなどとかいうのを入れながら、ちょっとここ、非常に重要なところなので。それからほかにも、私、不案内で十分知らないところがあるんですが、ほかの観測システムで、これはと入れた方がいいものは、ちょっと具体的なものを幾つか、余りたくさんではなく。

【小池(勲)部会長】
具体例を挙げるわけですね。

【小池(俊)委員】
ええ。具体例を挙げてみてはいかがかと思いますが。
PALSARも同じように、その最先端だと思いますし、何か衛星系、地上系で2、3は挙げた方がいいように思います。

【小池(勲)部会長】
はい、そうですね。それでは、できましたら何か候補になる具体的な事例を挙げていただければと思います。
それから、前回のときに議論になりました、いわゆる学術研究ですね。未知の解明と、それから課題解決型の、それを二分するのではなくて、両方ともが。そのときに、地球観測というか地球システムの観測の特性という言葉を使って、そういう書き方をしていますけれども。
はい、どうぞ。

【小池(俊)委員】
前回、入っていたのでちょっと気を抜いていたんですが、11ページの、ちょっと手前みそで申し訳ないんですけれども、水分野と、それから生物多様性がちょっと抜けているのかなという気がするんですが、具体的なところが。生物多様性ですと、AP-BONを先導しているというのは非常に大きな日本の成果だと思いますし、そういう意味では、地域的にアジアやアフリカの水循環もそうだと思うので、この11ページの下から2段落目のものが、その上から2段目のところに集約されているんだと思いますが、ここも何かちょっと具体の事例を幾つか挙げた方がリアリティーがあるかなというふうに思います。我が国の成果として、そういうものができているということを出してはいかがでしょうか。森林炭素関係も同じかなと思いますが。GEO-GLAMの農業関係は別のところで出ていたように、手前の方で出ていたように思うんですけれども、そういう感じを持ちました。

【小池(勲)部会長】
まとめるときに、どこまで入れるかというのはなかなか難しくて、いろいろ変わってきておりますけれども、ほかに何かございますか。
なければ、次のところですね。状況変化のところは、ここは余り大きくは変わっていないですね。文章を短くしてまとめたというところはありますけれども。
あと、15ページのところで気候変動の影響の顕在化という話を追加しているということで、これは先ほどの最初のところにも出てくる、ともかく今後のこういう地球観測というのはますます大事になってくるということの1つの根拠ということだと思いますけれども。

【小池(俊)委員】
ちょっとよろしいですか。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【小池(俊)委員】
4章にも出てくるんですけれども、18ページの3.3の丸の1つ目の一番最後ですけれども、「2014年1月以降に予定されている2015年以降の次期GEOSS10年実施計画の検討の着手にあたり」とございますが、これを10年の成果を踏まえ2015年、先ほど言ったくだりですが、というふうに書き直してはいかがかと思います。

【小池(勲)部会長】
これは「着手にあたり」ではなくて、もう既にその方向で、より、その方向で議論されているというふうな書き方にするということですね。
ほかに、第3章、ございますか。よろしいですか。
そうしますと、最後の第4章、取組に当たっての重要な観点ですけれども、基本認識から始まって、地球観測の在り方、それからデータ統融合・利活用、観測基盤の維持・長期的観測の推進、それから地球観測に関する国際的な取組戦略ですね。ここに関して、いかがでしょうか。

【杉本委員】
よろしいですか。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【杉本委員】
23ページの地球システム、2つ目の段落のところですね。地球システムのことが書かれているんですけれども、「複雑かつ未知の部分が多い地球システムと人間活動等の他の様々な要素」というふうに、地球システムと人間活動とが分かれて書かれているんですけれども、私の認識では、地球システムの中に人間の活動も含まれますので、ちょっとここのくだりを変えた方がいいのではないかと思います。

【小池(勲)部会長】
これは、分かれるのではなくて、人間活動が含まれる地球システムということですよね。

【杉本委員】
そうです。

【小池(勲)部会長】
はい。ほかに。

【河宮委員】
すいません、よろしいですか。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【河宮委員】
細かいところで申し訳ないんですけれども、25ページの政策的対応や新たなニーズへの対応のための観測の2段落目なんですけれども、気象予測を電力需要予測などへ応用することが欧米などで行われているので、観測の貢献も期待されるというつながりになっているんですが、気象予測の社会への応用という例を引きながら、地球観測が大事だというつながりになっているので、ここはちょっと論理の飛躍があるかなというふうに感じます。
すいません、戻って、もう1点、更に細かいところなんですけど、20ページの最後の丸のその他の動きですけど、「北極域においては」で始まるところ、「北極域は」としないと、最後まで読んでもらえれば分かると思います。日本語がちょっとおかしいです。それだけ。

【小池(勲)部会長】
はい。先ほどの再生エネルギー云々(うんぬん)、「欧州では」のところは、どう変えればいいんですかね。

【河宮委員】
どうするんでしょうね。

【小池(勲)部会長】
これは、新たなニーズという意味で言っていると思うんですけどね。

【河宮委員】
はい。ある意味、ひいき目に考えれば、欧州で進むような予測の中にもデータ同化などの形で観測のデータというのは入っているはずだと思いますので、そういうところを挟むと論理の飛躍の度合いが少し少なくなるかなと思いました。そこまでインプリシットに考えてしまえば、この文章でもいいかもしれないんですけれども。

【小池(勲)部会長】
でも、「気象予測」という言葉は、観測あるいはデータ同化に基づく予測なんですよね。

【河宮委員】
それを前提として考えれば、前提だと思ってしまえば、この文でもいいのかもしれないです。

【小池(勲)部会長】
ええ。ただ、入れるか入れないかで。

【河宮委員】
そうですね。そこに触れておいた方が読者にとって親切かなというふうに思います。

【小池(勲)部会長】
分かりました。よろしいですか。
はい、どうぞ。

【瀧澤委員】
ちょっと戻ってしまうんですが、20ページの上の前半あたりのオープンデータ化の話のところで、これを書いているところが、きっとIT関係のところの視点から書いているんだと思うんですが、そもそも地球観測では、既にGEOSSでオープンデータをやってきているので、何かちょっと、このような世界の潮流を踏まえつつ取組を検討する必要があるといってGEOSSのことに何も触れていないのは、ちょっと奇異な感じがするんですけれども、どうでしょうか。

【小池(俊)委員】
よろしいですか。

【小池(勲)部会長】
はい。

【小池(俊)委員】
今の御指摘、そのとおりだと思います。このオープンデータについては、特に今年のG8サミットから急にクローズアップされてきたことで、農業なんかでそれをやろうという動きが出てきているんですが、GEOでは、GEOSS Data COREというので完全にオープンなデータというのを、ある意味で先駆けてそういうカテゴリーを作って、それに皆さんがどんどん登録しているという状況ですので、そういうくだりをここでちょっと書いた方がいいように思います。

【小池(勲)部会長】
そうすると、むしろこの書き方、「世界の潮流を踏まえつつ取組を検討する必要がある」ではなくて、むしろ、地球観測においては、その先端を行っていると。

【小池(俊)委員】
「先端」と言うとちょっとあれなので、そういう取組を開始していると。

【小池(勲)部会長】
開始していると。

【小池(俊)委員】
はい。世界で、国際的に合意の上。

【小池(勲)部会長】
合意の上でやっているという、ポジティブな書き方にするということですね。

【小池(俊)委員】
はい。このGEOを始めたときには、この考え方は地球観測の中にもまだなくて、今もまだ難しい側面はあるんですけれども。ただ、GEOSSのData COREという中は、それはもう完全にオープンデータで、第三者配布も可というようなことにもしていて、非常にGEOSSの議論をやっている中で大きく変わったところだと思うんです。私は、当初、そんなの無理だろうと思っていたんですが、そういうものが、今、実際に動き始めているので、そういう議論を進めてきたということは書けると思います。

【小池(勲)部会長】
ほかに。はい、どうぞ。

【堀川委員】
前回も予算のことを少しお話しさせていただいたんですが、27ページの下の方に「地球観測の予算的特性を踏まえた戦略的検討の必要性」と書いてあるんですけれども、もう少しストレート・フォワードに言っていただいた方がいいかなと思うんですが、「予算的特性」って何なんだというのを、ちょっといろいろ疑問もあるかと思いますし、「戦略的検討」というと、何となく、我慢して少ない予算の中で戦略的にやっていきなさいみたいなイメージを受けてしまうので、ここはもう少しストレートに、「地球観測への適切な予算措置の必要性」といった表現で、一番最後のところ、もちろん戦略的に取り組む必要はあるんだと思うんですけれども、「着実に進捗するよう予算措置を図る必要がある」と言っていただけるといいのかなと思うんですけど。

【小池(勲)部会長】
どういうふうに書くかですよね。

【堀川委員】
やっぱり人とファンディング・リソースというのは非常に大事ではあると思いますし、それがないと、これだけいっぱいいろいろなことをやっていてもなかなか前に進まない部分が大きいんだと思うんですけれども、そういうことを訴えることも大事かなと思うんです。

【小池(勲)部会長】
ここのところで、「このような大規模基盤を必要とする地球観測を安定的に実施するためには、観測機器の整備・維持等で多額の予算が必要となり」と、そこまではいいわけですね。「研究者の関与も必要である」と。最後の、「これには継続的な予算が求められることから、長期的な展望をもって計画を検討し、着実に進捗するよう戦略的に」、この「戦略的に取り組む」というのが中途半端と。

【堀川委員】
何となく、与えられた範囲で戦略的に工夫しながらやっていく必要があるというふうにとれるような気がするんですけど。

【小池(勲)部会長】
事務局は、いかがですか。

【木下推進官】
なかなか御指摘どおりに反映できるかどうかは分からないですけれども、もう一工夫できるか検討してみたいと思います。

【小池(勲)部会長】
なかなか、この書き方が難しいと思いますけど、これは、やはり少し工夫していただいて、どういう言葉を使えばいいのか。
どうぞ。

【河宮委員】
それに関連してなんですけれども、2つ前の丸で「長期継続的な観測の実施」というのがあって、ここはごもっともなことが書いてあるんですけれども、やはり長期的な観測、モニタリングに近いものを行っていくのに一番の障壁は予算の獲得にあると思います。今のシステムだと、どうしても短期的な成果を求められますので。
というので、予算のことが一言も書いていないのはちょっと不自然かなと思うことがあるので、その最後の予算的特性の丸のところですね。そこにも、長期的予算にどう付けていくかということを検討する必要があるというのは、一言あってもいいんじゃないかなというふうに思いました。

【小池(勲)部会長】
今のは、長期継続的な観測の実施……。

【河宮委員】
そこのところに入れてもいいし、3つ目の予算のところに、上で触れた長期的観測についても、ファンディング・システムの抜本的見直しみたいなことが入るとよいのではないかなと思います。
あと、これ、元の文章は、長期継続的な観測ということは特に考慮に入れずに、地球観測研究全般のことを述べているんじゃないかなと思います。それは、例えば5年ごとに区切ってファンドを出すようなシステムについても、平たい言葉で言えば「予算が足りない」と言っているわけですよね。それ以外にも、モニタリング的な観測については、そういう5年ごとに区切って成果を求めるというシステム以外の考え方が必要なんじゃないかなと、ちょっと僕は常々思っているので、そういうところは入ってもいいかなという意味です。

【小池(勲)部会長】
ちょっと、この書き方が少し、今、言ったようなニュアンスが多少含まれるように工夫をしていただきたいと思いますけれども。
ほかに。

【深澤委員】
いいですか。

【小池(勲)部会長】
どうぞ。

【深澤委員】
全般的な話なんですけれども、余り定義のはっきりしないことを横文字で逃げていませんか。例えば「ステークホルダー」とか、それから、あと「トランスディシプリナリ」とか、できる限り同じ言葉でいろいろな人が同じイメージを持てるようにした方がいいような気がするんですけどね。もしも使うならば、きちんと定義なりをどこかで見せておかないとね。
例えば、ビジネスモデルにおけるステークホルダーというのはユーザーですよね。でも、これを読むとそうではない感じもする。だから、どちらかというとお金を出す人というかね。それは、広義にはそうなんですけど。
だから、なるべく同じイメージをみんなが持てるような感じをとっておいた方がいいような気が、ちょっとしました。もちろん、横文字を使うのが悪いというわけではなくて、それをお願いしたいというのが第1点。
それから、あと、これは本当に細かいことなんですけれどね、申し訳ないんですけれど、その20ページのその他の動きの北極のところなんですけれども、記述されている内容としてちょっと違和感があって、「北極域においては」というところなんですけど、こうではない気がするんですけどね。「北極域においては、地球温暖化による平均気温の上昇が最も大きく」、これは事実ですね。その次が何かおかしくて、「地球上において気候変動による影響が最も顕著に表れると予測される地域の1つ」というんですけど、多分、気候変動の中には地球温暖化も含まれるということを考えると、例えばエルニーニョなんていうのは気候変動のあれですけど、エルニーニョの影響が一番大きく表れているかというと合っていない部分もある。
だから、多分、ここで書きたいことはそういうことじゃなくて、「北極域においては、地球温暖化による平均気温の上昇が最も大きく」、あるいは「地球温暖化による平均気温の上昇も」なのかな。「最も大きく、地球上において気候変動が最も顕著に表れている地域の1つ」ならば確かなんですけれどね。年々変動とか季節変動が全部大きいところですから。だから、そういう感じに書き直した方が、ひょっとするとひっかかる人が少ないかもしれないなと思いました。すいません、細かいことで。

【小池(勲)部会長】
今の話は、「影響」ということを除くんですか。

【深澤委員】
そうですね。もしも書き直すとしたらですよ。1つの案としては、「地球上において気候変動が最も顕著に表れている地域の1つ」という感じになると思います。

【小池(勲)部会長】
「表れている地域の1つである」と。

【深澤委員】
はい。

【小池(勲)部会長】
あと、先ほどの片仮名を使った言い方というのは、確かに「ステークホルダー」とか、幾つかそういうのが使われていますけど、ほかに具体的な例は何かありましたか。

【深澤委員】
トランス……。

【小池(勲)部会長】
曖昧な使い方。

【深澤委員】
最後の付け加えたところが結構ありますけどね、例えば26ページの「トランスディシプリナリ」。インターディシプリナリとか、そういうのはよく聞くんですけれど、「トランスディシプリナリ」というのはどういう意味ですか。マルチディシプリナリとか。何かもうちょっと、知っている言葉、すいません、私が年をとっているから、もうフォローできないのかもしれないけど。

【河宮委員】
例のフューチャー・アースのキーワードの1つで。私の理解では、実社会において学術的な知見の実装を目指したような、そういう研究活動であるとか、そういう状態を指す言葉だと。だから、インターディシプリナリというと「学際的」というので、学者同士の付き合いでもいいんですけど、そうではなくて実社会への実装を目指すという点でインターディシプリナリとは全然違うという。

【深澤委員】
そうすると、「実社会への実装」と書いたのでは駄目なんですね。

【河宮委員】
駄目じゃないと思いますよ。

【深澤委員】
そうですか、はい。

【小池(俊)委員】
防災の分野では、そこは科学と社会の連携(トランスディシプリナリ)というふうにやるようにしています。確かに、深澤先生が御指摘のとおり、日本語で、今、フューチャー・アースの中では「超学際」という日本語を当てていますが、ちょっと僕は違和感があって、「科学と社会の連携(トランスディシプリナリ)」という書き方をしています。

【小池(勲)部会長】
これは、多分、フューチャー・アースはこれを非常によく使いますので、それでここにも出てきているんだと思うんですけど、今みたいに説明を付けて使う方が確かに分かりやすいですね。
ほかに、よろしいですか。
それでは、先ほど申し上げましたように、この部会での議論は、一応、きょうで締めさせていただいて、先ほどちょっと事務局と話しましたけれども、できたら9月の半ばぐらいまでにはまとめ、いろいろな委員の先生の御意見を頂いて、それで9月中にはCSTPの方にこれを出したいということを考えておりますので、あと2週間ぐらいで、きょう出ました、幾つかコメントを頂きましたので、それで見ていただいて、やはりここの言葉の使い方、あるいはここはこういうふうに変えた方がいいという御意見を事務局の方に頂ければ、それを直した形で最終的なものをまとめるという形にしたいと思いますけれども。事務局、それでよろしいですね。
あと、もう1つは、先ほど出ました別添のところですね。これに関しても、お時間をとらせて申し訳ありませんけれども、それぞれの関係のところを見ていただいて、ちょっとこの書き方だと後が大変という言い方はおかしいですけれども、やはり少し変えた方がいいというところがありましたら、それについても併せてコメントを頂ければというふうに思います。
それでは、この見直しのことについてはこれでよろしいでしょうか。よろしいですね。

議題(5)その他

【小池(勲)部会長】
それでは、最後、その他、何か事務局の方からありますでしょうか。

【木下推進官】
よろしいでしょうか。事務局からですが、いつものとおりでございますが、議事録は、後日、事務局の方からメールで委員の皆様方にお送りさせていただきたいと思います。修正等がございましたら、御指摘をお願いいたします。最終的には文科省のホームページに掲載をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

【小池(勲)部会長】
あと、今後のあれはどうなりますかね。一応、これで大体の大きなあれは終わりになりますね。これが出せれば。

【木下推進官】
今、小池(勲)部会長より御紹介がありましたとおり、これで一旦このレビューを終えまして、CSTPさんの方にどう上げていくかという御相談をさせていただこうと思っております。
今後につきましては、またいろいろと御相談させていただくことも多いかと思いますけれども、引き続きよろしくお願いいたします。

【小池(勲)部会長】
それでは、本当ならば8月の初めに終わるはずだったんですけれども、1か月、やはりきちんとしたものを作るということは非常に大事ですので、皆様の御尽力で、ほぼ完成に近いものを作ることができましたので、本当にありがとうございました。
それでは、きょうの第5回の会合をこれで終わりたいと思います。本日は、どうもありがとうございました。

お問合せ先

研究開発局環境エネルギー課

(研究開発局環境エネルギー課)