第5期地球観測推進部会(第3回) 議事録

1.日時

平成25年7月8日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

新霞が関ビル LB階 201D号室 NISTEP会議室

3.議題

  1. 地球温暖化分野に係る地球観測連携拠点からの報告
  2. 全球地球観測システム(GEOSS)構築における最近の動きについて
  3. 平成26年度の我が国における地球観測の実施方針について
  4. 地球観測の推進戦略の見直しについて
  5. その他

4.出席者

委員

小池(勲)部会長、大垣部会長代理、沖委員、甲斐沼委員、河宮委員、小池(俊)委員、高村委員、瀧澤委員、中澤委員、深澤委員、藤谷委員、安岡委員、和気委員、渡邉委員

文部科学省

木下 環境科学技術推進官、畑山 地球観測推進専門官 他

5.議事録

【小池(勲)部会長】
それでは時間になりましたので、ただいまより科学技術・学術審議会、研究計画・評価分科会、地球観測推進部会の第5期の第3回会合を開催いたします。本日はお忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
7月1日で事務局の環境エネルギー課の推進官が清浦推進官から木下推進官にかわりましたので、一言御挨拶をお願いします。

【木下推進官】
皆様、初めまして。7月1日で環境科学技術推進官に着任いたしました木下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございます。では、事務局から出席者の確認をお願いいたします。

【木下推進官】
本日は委員の数、14名となっております。過半数に達しておりますので、本日、これで部会を成立とさせていただきたいと思います。
それから、本日は御都合の関係で途中で退席される先生方がいらっしゃいますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、本部会は運営規則に基づきまして公開とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。それでは、次に事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【木下推進官】
それでは、資料の確認をさせていただきます。委員にはバインダーで留めた資料が配付されていると思います。議事次第から始まりまして、資料1が「地球観測システム構築推進プラン」に関する調査報告(案)、資料2が全球地球観測システム(GEOSS)構築における最近の動きについて、資料3が平成26年度の我が国における地球観測の実施方針、それから資料4が地球観測の推進戦略の見直しに向けた論点整理(案)というふうになってございます。
また、参考資料1が委員名簿、それから参考資料2が地球観測の推進戦略、それから参考資料3が前回の議事録というふうになってございます。何か不都合な点ございましたら、事務局まで御連絡ください。
それから、本日の資料ですが、大変恐縮ですが、終わりましたら回収をさせていただきたいと思っております。GEOSSの会議の前で配付にはふさわしくないものが入っておりますので、後ほど会議が終わったところで事務局より回収させていただきます。資料が必要な方には、追ってその部分だけを除いたものをお送りいたしますので、事務局にお申し付けください。御不便を掛けますが、よろしくお願いします。

【小池(勲)部会長】
本日はお手元の議事次第にありますように、その他を入れて全部で5件の議題を予定しております。会議の終了時刻は16時でございます。

議題(1)地球温暖化分野に係る地球観測連携拠点からの報告

それでは、議題1に入ります。議題1は、温暖化分野に係る地球観測連携拠点からの報告、(「地球観測システム構築推進プラン」に関する調査報告書の(案))について御報告をいただきます。
地球温暖化観測推進事務局の事務局長の藤谷委員から御説明をお願いします。10分ぐらいでお願いします。

【藤谷委員】
それでは、資料1に基づいて御説明いたします。
前回の部会でも御報告いたしましたように、連携拠点でワークショップ等を開催し、取組案をとりまとめてこの部会に御報告し、実施方針に記載いただくということを行っております。その関係で、取組のフォローアップをいろいろやっております。その一環として、今日御報告する地球観測システム構築推進プランに関するフォローアップの調査を実施いたしましたので、その結果につきましてご報告いたします。
御案内のように、平成24年に「長期観測データの取得・発掘・保存に関する取組について」を本部会に提出し、平成25年度の実施方針に記載されております。お手元の資料の後ろから2枚目、推進部会提出というのが左上に記載されておりますが、この資料を提出いたしました。次ページの1.推進戦略策定後の動向と課題の1の長期継続観測の実現のところで幾つかの項目が示されておりますが、最後に、地球観測を推進するため「地球観測システム構築推進プラン」が平成17年度から実施された。プラン終了後、一部の観測については交付金等で継続されている。長期継続観測体制構築の検討のためには、上記プランの経験等が重要であることから、観測データの利活用の状況、学術コミュニティにおける議論等を含めて、プランのその後の経過等について調査する必要があるということを、課題して挙げております。
それに対して、次ページの2.具体的方策として、1の長期継続観測の実現の最後の課題として、長期継続観測体制の構築に資するための「地球観測システム構築推進プラン」に関する調査の実施を提案しております。この調査を具体的に行いました。もちろん、文部科学省の御了解を得ながら進めたわけでございます
お手元の資料で2枚ほど戻っていただきますと、表1というのがございます。これが平成17年度から実施されました地球観測システム構築推進プランの課題一覧でございます。そこにございますように、全部で13課題行われております。大くくりにして、「地球温暖化・炭素循環観測研究」、「アジアモンスーン地域水循環・気候変動観測研究」、それから「対流圏大気変化観測研究」というのが行われております。それぞれの研究代表者の方々にアンケート調査を実施いたしました。また、一部の先生方にはヒアリング等もさせていただきました。全部の先生方から詳細な回答をいただきまして、非常に分析に役立っております。各課題代表者に右ページにございますような質問をいたしました。課題名、研究代表者、サブ課題名、さらに研究期間終了後の状況ということで、課題全体の状況、サブ課題の状況、特に予算措置等を含めての状況、整備した観測機器・観測網の状況、開発した開発機器・観測技術の現状、関連する観測の現状、観測データの利活用の状況等について回答をお願いしております。さらに、長期継続的な観測に関する施策への要望等ということで1から7まで幅広に質問しており、さらに、自由意見として、いろいろなご意見を自由に記述いただいております。
資料の2枚目のところに目次がございますけれども、その後ろに先生方からいただきました回答につきまして、共通する項目等に分類して取りまとめてあります。お時間がありますときに見ていただければと思っております。今日は時間がございませんので、資料の最初にあります概要で御説明いたします。
2の調査結果の概要というところに、アンケート調査の回答の概要を示してあります。
(1)推進プランの評価としては、以下のように取りまとめることが出来ます。すなわち、新たな観測機器・システムを構築する上で必要な初期投資の原資として意義ある予算であった。長期継続観測そのものよりも、長期観測実施の基礎を作った。この面では、地球観測推進に大いに貢献した。観測機器開発と長期継続的観測とは本来は異なるものであり、観測システム構築後の運用の予算措置が必須である。さらに、機器開発後のフォローも重要であり、製品化・実用化のための施策、例えば企業との密接な連携、特に技術力のある中小企業の保護・育成と技術交流の場の確保、業界の国際進出の促進等々、そういうものも必要である。
(2)予算等に関しましては、以下のように取りまとめることが出来ます。すなわち、長期観測継続のための基盤的予算を確保するためには、長期ビジョンに基づいた研究予算の枠組み(少額であっても継続的に運用できる観測予算の創設等)の立案が不可欠である。また、長期継続観測関連の計画の評価に競争的資金の評価制度を適用することは困難であり、長期的な視野を持った評価が必要である。さらに、観測等の重要性が政策決定者に充分通じていない。国として必要な地球観測を同定し、長期観測を国家としてやり続ける仕組みが必要である。このためには、総合科学技術会議等での議論、科学コミュニティがコミットする仕組みが重要である。
(3)国際関係に関しては、推進プランで構築された観測網等を将来に活かすことが重要である。国際的な貢献を陽にアピールできる観測網に対する支援の仕組みの創設が必要である。国際的な連携による観測を円滑に実施するため、従来の二国間のみならず多国間の枠組みが必要である。海外での長期観測を維持するには、現地業務機関や研究機関が実施することが必須である。このため、現地業務機関や研究機関が自ら継続して観測できるような枠組みが重要である。現地業務部門への技術支援や研究者支援(共同研究活動、ワークショップ等)による現地業務機関の自立・発展が不可欠である。JICAなどの資金、途上国側の予算等を活用し、長期間にわたる継続的な活動が可能となる枠組みが必要である。観測に関する国際的な調整機関に対応する国内の体制の整備、また、データセンター等の国際的な組織の運営経費を負担できる制度の導入が必要である。
(4)観測実施体制につきましては、観測に特化した機関を設立し、予算を配算する必要がある。ただし、現業機関への観測の移管は、データ品質の低下、観測システムの改良/改善の停滞リスクを伴うことがある。長期観測においては、研究成果や技術の進歩を、常時取り込んでいくことが必要である。研究と業務の連携が重要である。
(5)現状分析としては、予算削減、若手研究者の減少により、観測関係の研究は危機的状況である。観測活動の低調化に伴い、観測技術・観測機器開発能力が低下し、観測の質も劣化している。現地を含めての若手人材の育成、専門技術員の確保と継続的な雇用の保障が必須である。そのための財源の継続的な確保も不可欠である。アジアにおける日本のプレゼンスは大きく後退している。アジア各国の資金は飛躍的に向上していることから、それを活用する方策の構築が重要である。
簡単ですが、一応、こういう形でまとめてございます。詳細は添付しました詳細版の報告の部分を読んでいただければと存じます。いろいろと貴重な意見等が出ております。この推進プランを調査しましたところ、長期継続と言いながら、実際には最長で研究期間は5年です。しかも5年のものは少なく、3年のものが多いという状況になっております。評価の部分にもありますように、やはりキックオフのための予算であったと改めて感じております。従いまして、この予算を受けて、本格的な長期継続観測を始めるための予算が必要であると、感じております。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。
今の御報告に関して、何か御質問、あるいはコメントがありましたらお願いいたします。はい、どうぞ。

【大垣部会長代理】
大垣ですが、内容じゃなくて、この概要の全体のことなんですが、予算の問題、それから今後の課題としての資金の問題等、予算に関係することが多く触れられているんですけれども、具体的な予算額がこの概要の中には、個別の課題に関しては表れてないんですが、普通は入れないんでしょうか。なぜこういうことを申し上げるかと言うと、よく研究者はあれやります、これやりますと言って、非常に小さい予算でいろんなことをやることになってしまったりとか、いろんな限界がありますので、具体的な予算に基づいてどのような成果が出たかということが必要かなと思うんですが、いかがでしょうか。

【小池(勲)部会長】
予算額に関しては、本資料の方には出ているんですか。

【藤谷委員】
予算額の話はなかなか微妙なところがございますので、ここでは聞いておりません。

【小池(勲)部会長】
これはたしか1件が2億とか、それぐらいの予算だったと、大きいのは。

【藤谷委員】
はい、そうです。

【小池(勲)部会長】
沖さん、もらっていますよね、これ。

【沖委員】
いただきました。ありがたく頂戴して、ありがたく使いました。年間2~3千万だったと。

【小池(勲)部会長】
年間3,000万ぐらいでした?

【沖委員】
はい。

【小池(勲)部会長】
5年間でしたか、3年間でしたか。

【沖委員】
3年でやりました。ちょっと大変でした。やっぱり観測を本当に立ち上げるところもやったんですが、準備ができたので何とかなりましたけど、ちょっと大変だったです。

【小池(勲)部会長】
ほかにいかがですか。よろしいですか。
今後の取り扱いはどうなるんでしょうか。

【藤谷委員】
調査をすることについては、連携拠点の関係府省機関連絡会議で御了解いただいておりますけれども、この報告案そのものはまだ会議で了承を得ておりませんので、今回、部会でこういう報告をしたということを次回の連絡会議で御報告し、併せてこの案についても御了解を得ることになります。今日御報告しましたのは、あくまでこれから推進戦略を検討されるのに少しは参考になるのではという考えから御報告させていただきました。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございます。
ほかになければ、次の議題に移らせていただきます。

議題(2)全球地球観測システム(GEOSS)構築における最近の動きについて

【小池(勲)部会長】
次の議題は、全球地球観測システム(GEOSS)構築における最近の動きについてです。GEOSSに関しましては推進戦略の検討にも深く関わっておりましたけれども、来年1月に閣僚級会議が開催されるということで、現在の議論の状況などについて、事務局から御説明をお願いいたします。

【木下推進官】
ありがとうございます。それでは、資料2に基づきまして事務局の方から御紹介させていただきたいと思います。
1ポツですが、来週、7月16日と17日に28回の執行委員会が開催されます。そこでの主な議題とその内容について、御紹介をさせていただきたいと思っております。
まず、別紙1を御覧ください、4ページ目です。こちらが今次会合の議題案となっております。2から6までが主なところですね。そこについて、簡単に日本語でも仮訳を付けさせていただいております。
1枚目に戻っていただきまして、2ポツですけれども、今次会合では1月の閣僚級会合で採択予定の「宣言文」案と、それからその直前の本会合で採択予定の「勧告文」案について調整を行うのがメーンのトピックになります。特にこれまで余り議論にならなかった点、新しく今回議論になる点について、御紹介をさせていただきます。
2.1項です、新規の議論というところです。大きく分けて4点あります。1つ目はサミット宣言文案ということで、最新のサミットの宣言文案がセットしてあります。本会合の後、9月にかけて各国による本案のレビューが本格的に行われるわけですけれども、これについて、今次会合でも議論が行われる予定です。別紙2として添付させていただいております。ここにつきましては、これまで我が国として重視しておりました国連持続可能な開発目標(SDGs)との連携であるとかステークホルダーの参画といった点が記述として盛り込まれておりますので、この方向で良いかというふうには考えております。今のところ、この宣言文案について、踏み込んだ議論になるというふうには聞いておりませんけれども、何らかの議論になった場合については、今、挙げた丸1から丸4の点が確保されるように対応していきたいと考えております。
それから(2)ですが、2015年以降のシナリオ案というのがあります。前回の執行委員会で、執行委員会国の結果で何人かのメンバーによって、このシナリオ案を作るようにと、2015年以降の10年実施計画のシナリオ案を試みに作るように指示がありました。それに対して、アメリカ、カナダ、EC、日本の代表によって検討されたシナリオ文案というのが紹介されています。和文については別紙3として8ページ目以降に添付させていただいておりますけれども、この勧告文案に基づいて、GEOSSを継続した場合の10年実施計画はどういったオプションを取り得るかというのを控えめな案、緩やかな案、意欲的な案という3つのアプローチから提案がなされております。これにつきましては、サミット宣言文と勧告文との整合性に留意して、先ほど申し上げたような方針で議論に参加したいと思っておりますが、この中身、シナリオ自体の準備ということについて良いかと考えておりますけれども、このシナリオに盛り込むべき個別の事項につきましては、今後、2014年のサミットで2015年以降のGEOSSの継続が承認された後、改めて議論すべき内容であると考えますので、今次会合はこういう提案があったということを確認するという対応をとりたいと思っております。
それから、3番はサミット・ショウケースという案です。その閣僚に対して、GEOSSの成果というのを示すビデオのことをショウケースというふうに呼んでございます。今回、事務局の方からこのようなショウケース、5本のショウケースを準備したいという提案が届いております。個々のテーマにつきましては、各国から提案がありまして、合計31件のプロポーザルとなったわけですけれども、31件分、ビデオが作れませんので、これをテーマごとにマージをして、このショウケース案として2ページ目の真ん中から下に書いてありますような項目で整理をすると。各3分のビデオ、ですから、合計15分のビデオを作るという案が届いております。これに対しては、丸4の水資源管理というところで、我が国からは小池先生の「アジア及びアフリカにおける水災害からの回復力に関するGEOSSの貢献」ということでテーマを提案いたしました。これは丸4の中に位置付けられる予定になっております。ただし、31件を5本にまとめるというのはかなり無理があると、1件当たりの、1テーマ当たりの御紹介が数十秒あるかないかということになりかねないので、もう少し絞り込みを行うのが適当ではないかという提案をすることを考えております。
最後に(4)ですけれども、民間及び非営利セクターとの連携についてということです。GEOの事務局については、GEOSSに新しいステークホルダーを取り込むために、民間セクター参画のための戦略というのを検討中でございます。そのための施策として、民間セクター・フォーラムというのを計画しておりますけれども、その準備を行うためにGEO民間セクター・シンク・タンクというものを設置して、15名ほどのメンバーで、もう少し突っ込んだ意見をして、来るべくフォーラムの準備に備えたいという提案が来ております。まだこの提案の詳細は明らかになっておりませんので、まずは我々もどういった趣旨でこの提案がなされているのかというのを今次会合では確認をしてまいりたいと思っております。このアプローチの仕方としては、GEOが直接、こういったステークホルダーと関係することも大いにあり得ると思いますけれども、一方で国連のほかの枠組みであるとか、それからフューチャー・アースのような新しい議論も起こっておりまして、そういった中にGEOSSが一角として参加することで、間接的にステークホルダーと連携をとるということも十分可能ですので、様々な方法があるということで、ほかの国際的なイニシアチブとの連携であるとか動きにも注視すべきというふうに考えております。こういった対応をとることを考えております。
そのほか、2.2ということで、その他の個別案件を簡単に御紹介させていただきます。
「勧告文」案につきましては、もうほぼ調整が終わっておりまして、前回御紹介させていただいたような内容と変わっておりませんので、ここでは御紹介を割愛させていただきます。
それから、GEO-GLAMの進捗報告というのが議題の5.2ということで予定をされております。
また、(3)でございますけれども、GEOSS10年実施計画第4次評価チームによる評価結果の報告というのもなされる予定です。
今後の予定は3ポツに記載のとおりでございます。
私からは以上です。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。
今、御説明いただいたことに関して、何か質問、あるいはコメントがありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。どうぞ。

【小池(俊)委員】
SDGとの連携とかステークホルダーと科学の連携とか、非常に重要なことが盛り込まれていて大変いいんですけれども、別紙2の5ページに――宣言文についてです。勧告文は、今、木下さんのお話があったように、これまで随分、原稿の起こしのところから日本はコミットしてきて、非常にいい勧告文になっていると思うんですが、宣言文のところで、5ページの下から2つ目、3つ目というんですか、Notigの上ですね、3つ目の段落にRecalling that the Rio+20 United Nations Conferenceのくだりがありますが、これは皆さん御存じのように、Rio+20のアウトカム・ドキュメントのパラグラフ274にGEOSSというのが実名といいますか固有名詞で入って、その重要性をrecognizedされたところをrecallingしているんですが、非常に残念なのが、この文章のUnited Nations Conference of Sustainable Developmet recognized the importance ofの次がEarth observations from all platforms、ここだけが実は原文と違うんですね。その後、for sustainable development policymakingとか同じなんですが、これは多分、簡略にしたんだと思うんですが、原文は何かと言いますと、recognized the importance of space-technology based data in situ monitoring and reliable geospatial informationってなっているんです。それでfor sustainable development policymakingとつながっていくんですが、私はin situ dataとかsatellite、space-technology based dataとか、やっぱりきちんとその文言のとおり入れた方が、我が国にとっても大変いいと思うし、世界的にとってもいいと思うんですね。ここをこういうふうに丸めないで、原文のまま、やっぱりちゃんと入れるというふうに主張してはいかがかと思うんですが。

【小池(勲)部会長】
いかがですか。

【木下推進官】
all platformsで読めるかなと思っておりましたけれども、御指摘のとおりかと思います。何を手段によって行うのかというところをこれですと曖昧なところがあるかと思いますので、交渉に当たっては、その点、今、御指摘いただいた点を踏まえて対応したいと思います。

【小池(勲)部会長】
ほかに。はい、どうぞ。

【安岡委員】
今の点にちょっと関係するんですが、ちょっと気になるのが8ページからシナリオ案というのが書かれていまして、日本語訳なのでちょっとよく分からないんですけれども、一番上のシナリオ1とシナリオ2、シナリオ3で微妙に表現が違っていて、シナリオ1は宇宙から観測システムの引き続きの発展、航空観測及び市民観測、社会経済データの云々となって、シリナオ2というmoderateの案に、これはアップグレードバージョンですけど、現場が今、小池先生言われたin situだと思いますが、航空及び市民観測とユーザーと書いてあって、moderateの案とmodestの案で現場が入っているか入っていないかってあるんですね。これ、意識的にそうされているのか、それがちょっとよく分からなくて。我々の地球観測のこの委員会ではin situの現場の観測って非常に重視してきたような気もするんですけど、それをこれから続けるか続けないかの議論はこれからする必要がありますが、これはGEOSSの方ではmodestの案だと、in situを抜いてmoderateに上げるというふうにも読めるんですね。今、言われたallという中に全部踏み込んでいるのか、意識的にそういうふうに表現を変えているのかがちょっとよく分からないので、ちょっと確認をお願いできますでしょうか。もしin situをmodestの中で入れてないんでしたら、今、言われたように、やはりきちんと書き込むことが必要ではないかなという気がしました。
以上です。

【小池(勲)部会長】
それはよろしいですか。

【木下推進官】
今回のシナリオ案、今、安岡先生御指摘のとおり、随分、意図が不明なものが多くて、我々もこれをどうしたものかというところで、あくまでもこの中身に突っ込んだ議論は、今次会合では基本的に行わないと。今、いただいたような御指摘はもちろんさせていただきたいと思っておりますけれども、ここに盛り込むべき案というのは、もっと綿密に議論して積み重ねていくべき案だと思いますので、それは今後に回すように提案をしたいというふうに考えております。

【小池(勲)部会長】
ほかに。
1つ、私の方から3ページ目ですね、(4)の民間及び非営利セクターとの連携の話で、NGOその他の非営利セクターとどういう形で連携するかということがあると思うんですけれども、先ほどのシナリオの1と2のところで、先ほどのmodestのところでも航空観測及び市民観測という言葉が入っていますね。民間との連携の場合、日本だと市民観測という言葉は余り今まで出てきたことがないんですけれども、これが国際的にはどういう扱いになっているのか、その辺はどうなんでしょうか。

【木下推進官】
申し訳ございません、その点についても、私も全く知見がありません。逆にどういう趣旨で提案があったのか、どういうものをイメージしてこの案文を作ろうとしたのか聞いてきたいと思います。

【小池(勲)部会長】
どうぞ。

【小池(俊)委員】
2つ側面がありまして、シチズン・サイエンスとか、要するに住民の方々が多くの手で測ることによって明らかになるようなものとか、あるいはモバイルフォンのように位置とか移動がある程度追跡できる情報とか、こういうデータを今後集めていくべきという1つの方向性があって、これは私ども地球観測のワーキングの方でも議論して、2015年に向けての提案づくりには入れていきました。そういうのが1つございます。
それから、もう1つはビッグデータという動きに関連して、クラウドソーシングという考え方があって、多様な主体から集まるデータを統合的に使うことによって、科学的なこととか、あるいは社会的な利益を生み出すという枠組みもございまして、いずれも私ども進めておりますGEOSSの中ではそういうものを重視してデータ統合化しておりまして、これは市民観測という言葉が日本語になるとちょっと違和感があるかもしれませんが、1つの大きな流れだというふうに思っております。

【小池(勲)部会長】
分かりました。

【小池(俊)委員】
もうちょっと言うと、先ほど来、話のあるステークホルダーを取り込む1つの運動化する大きな道具でもあるんですね。

【小池(勲)部会長】
ほかによろしいですか。はい、どうぞ。

【深澤委員】
今のにちょっと補足してよろしいですか。

【小池(勲)部会長】
どうぞ。

【深澤委員】
ブルー・プラネットって、例のオーシャン・ソサエティーかな、そこのところの活動の1つなんですけど、その中でNSFでNRC、ネットワーク・オブ・リサーチ・コミュニティというプログラムがありまして、パールマンが代表でやっていて、僕もその一員なんですけど、そこのところでやっているのは例えばどういうことかというと、まさに今の市民観測をどういうぐあいに展開しようかということなんですね。つまり、まさに今の例えばiPhoneのようなものを使って、ツールをみんなに渡すことによって海況を報告してもらう。それを1か所に集めて解析するというようなことを今、やろうとしているんですね。それは別に今までほかのところで例がないわけではなくて、例えばちょっと民間の名前を挙げれば、ウェザーニュースはそれをやっていますね。そのような形を例えば海の、特に沿岸のところにユーティリティーで展開しようというのがNRC、今度、10日にまた会議があるんですけれども、そういうところが入っている。それが多分、市民観測という日本語訳になるのかもしれません。

【小池(勲)部会長】
ほかになければよろしいですね。
それでは、ありがとうございました。議題の3に移らせていただきます。

議題(3)平成26年度の我が国における地球観測の実施方針について

【小池(勲)部会長】
議題の3は、平成26年度の我が国における地球観測の実施方針についてです。まず、事務局の方から御説明をお願いいたします。

【木下推進官】
ありがとうございます。それでは、資料3に基づきまして御説明をさせていただきます。
前回のこちらの部会で御報告させていただいた後、各省にも確認をいただいて、前回の部会で出たコメントと、それから各省からのコメントを反映したものが今日お配りした資料になってございます。見え消しで、修正履歴を使って記載してございますので、どの点が変わったかというのは皆様のお手元に配付されている資料で御確認いただけるかと思いますが、主な点を御紹介させていただきます。
3ページ目は藤谷委員から前回いただいたコメントを踏まえて加筆をしております。
それから、5ページ目は土砂災害について、国交省さんからの指摘を踏まえて追加をしております。
それから、10ページは随分手が入っておりますけれども、環境省さんからのコメントを踏まえて、文の構成を中心に変えさせていただいています。そのほか、いろいろ補足をいただいております。
それから、11ページ目は前回の放射観測のところですね、御指摘をいただきましたので、こちらも加筆をさせていただきました。
それから、12ページ、13ページ目はこちらのとおりです。
また、14ページ目は国交省さんからの意見を踏まえて、山体崩壊であるとか火山噴火の話を加筆しております。
それから、15ページ目、16ページはちょっと削除があって、17ページ目に藤谷委員の御意見を踏まえて文中に挿入をさせていただいております。
それから、18、19と若干の修正をいたしまして、22ページに最後、いま一度、藤谷委員の御指摘を反映させていただいております。
私の方からは以上です。非常に簡単ですが、以上が修正点です。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。
これに関してはまだありますので、今日確定する必要はございませんけれども、何か今の追加、訂正に関して、あるいはその他のところでご意見がありましたらお願いいたします。どうでしょうか。はい。

【小池(俊)委員】
はじめにになるのではないかと思いますが、今年度に入って非常に活発になってきましたフューチャー・アース絡みの記述をどこかにやっぱり入れておいた方がいいのではないかと思います。

【小池(勲)部会長】
入れるとすると、国際的な連携の強化のところですかね、それとも一番……。

【安岡委員】
一番最後、入っていますよ。フューチャー・アース(Future Earth)っていう固有名詞が入っています。

【木下推進官】
19ページ目の真ん中のところあたりに「Future Earth」が提唱されという記述が。

【小池(勲)部会長】
ああ、入っていますね。

【小池(俊)委員】
そうですね、申し訳ありませんでした、どうも。

【小池(勲)部会長】
どうぞ。

【藤谷委員】
7ページのREDDプラスのコメントについて、私の意見になっておりますが、私のほうでは、これは提出しておりません。どなたかほかの方の間違いじゃないかと思います。

【中澤委員】
私です。私が出したコメントです。

【木下推進官】
大変失礼いたしました。事務局の方で修正させていただきます。

【中澤委員】
この文章ですと正しいと思います。ただ、1割か2割って言われると、1割の方が正しいんです。この文章だったら、問題ないと思います。

【小池(勲)部会長】
ほかに何かありますか。はい、どうぞ。

【河宮委員】
JAMSTECの河宮ですけれども、訂正箇所というよりはちょっと気になったところ、9ページなんですけれども、第2節の2段落目、雲物理云々というところですね。この種の話をするといつも問題になるんですが、気候変化と気候変動は違うという話で、その問題をとやかく蒸し返すつもりはないんですけれども、ただ、やっぱり心の中ではしっかりと区別した文章を書いた方が気持ちいいかなと思うのですが、2段落目の1つ目の文は明らかに内部変動による気候変動であって、そこから持ってきて、次の段落で温暖化の予測不確実性云々という形に持ってきてあるので、少しちょっとフェアでない文章かなというふうに感じます。なので、例えば1文目のインド洋ダイポールのような振動現象がこれから温暖化によってどう変化するのか、その辺は研究が待たれるみたいな文章に直していただければ、出てくる単語は変えずに文脈もしっかりしてくると思うので、一度、御検討いただければと思います。

【木下推進官】
はい、分かりました。ありがとうございます。

【小池(勲)部会長】
インド洋ダイポール、そこのところですか。

【河宮委員】
そうです。インド洋ダイポールの科学的理解が不十分だから温暖化予測も不確実性を狭めるために頑張らなきゃいけないという文脈になっているので、ちょっとおかしいなと感じてしまうという。細かな指摘です。

【小池(勲)部会長】
分かりました。じゃあ、ちょっと事務局で直して、河宮委員に見てもらって。

【木下推進官】
河宮委員に少し教えを請いながら修正をしたいと思います。済みません、御協力お願いいたします。

【河宮委員】
はい。

【小池(勲)部会長】
ほかにはいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【高村委員】
報告に関して、基本的なところについては非常に重要な点を漏れなく触れていただいているというふうに思っております。そういう意味では、どちらかというと、クラリフィケーションの質問が1つと、もう少しハイライトしていただければと思う点が2つでございます。
1つ目が6ページのところですけれども、生態系・生物多様性のところにあります、これはマイナーなクラリフィケーションを求める質問でございますが、植林クリーン開発メカニズムのクレジット検証というのが私、ちょっとよくここが理解できませんで、基本的にはもう既にルールは作られているので、クレジット検証とおっしゃるときに何を意味されているのかというのがクラリフィケーションの御質問でございます。
それから、内容に不足があるというよりは、是非強調していただきたいという趣旨でございますけれども、11ページから12ページにかけての対流圏大気のところでありますが、もちろん、御存じのとおり、越境大気汚染の問題がとりわけ今年に入ってから非常に日本の社会の中で注目されておりますし、あわせて気候変動の関係でも2020年までに大気汚染物質も含めた、気候変動対策として大気汚染の改善にも結びつくような取組の強化というのが大筋、これはアメリカも欧州も日本もだと思いますけれども、共同した歩調になっていることを考えますと、この対流圏大気の変化のところは、やはりそうした文脈を補足していただけると重要性がより明確になるのではないかというふうに思っております。
それから、3点目、最後でございますけれども、こちらも同じように内容というよりもハイライトしていただきたいという趣旨でございますが、19ページから20ページでしょうか、にかけてのところですけれども、途上国との関係で、ここに書いてないという趣旨ではないのですが、特にやはりこれから途上国における適用策のより一層の強化、その中には途上国における気候変動リスクをアイデンティファイして、それをどう対処していくかということが大きな国際連携の、とりわけ気候変動分野の国際連携の中では大きな軸になっていくように思いますので、そうした観点から、こちらの計画が果たす役割は非常に大きいと思うものですから、そうした観点、もし補強していただければと思います。
以上です。

【小池(勲)部会長】
これはどうしましょうか、できたら何か具体的な文章を作っていただけるとありがたいですね。

【木下推進官】
はい、それを申し上げようと思っていたところでした。済みません、少し一案を御提示いただけますと大変助かります。

【高村委員】
申し訳ありません、1点目は御質問なんですけれども。

【小池(勲)部会長】
クレジット検証というところですよね。

【高村委員】
はい。

【木下推進官】
ちょっとここも私自身は分かりませんので、この後、確認して、適宜、先生と御相談させていただきながら、適切な文章に修正をしたいというふうに思います。それでよろしいでしょうか。

【高村委員】
結構です。ありがとうございました。

【小池(勲)部会長】
ほかにありますか。
それでは、これに関してはまだ時間がありますので、今のところも含めて、何か修正、その他をした方がいいというところがございましたら、事務局までコメントを寄せていただければというふうに思います。

議題(4)地球観測の推進戦略の見直しについて

【小池(勲)部会長】
それでは、とりあえず、この議題はここで終わりにして、議題の4、これは今日の一番大きな議題ですけれども、地球観測の推進戦略の見直しについてです。前回までの部会で委員の先生方の意見を踏まえて、事務局として目次、それから骨子案というものを作成していただきました。まずは事務局の方から、これについて御説明をお願いいたします。

【木下推進官】
それでは、資料4について御説明をさせていただきます。
これまでいただいた御指摘を踏まえて、まず、論点整理ということで目次(案)を準備いたしました。1ポツは現状認識、それから2ポツは今後の見直しに向けた論点の整理というふうに、大きく分けて2部構成にしてございます。1ポツの現状認識につきましては、まず、地球観測の推進戦略の御紹介が1.1、それからその推進戦略の成果というのが1.2に書いて、1.3には推進戦略策定後の状況の変化ということで構成しております。これらを踏まえて、今後議論をすべきであるという論点を2ポツで整理をしております。大きく分けて5項目に分けております。2.1が地球観測の在り方、2.2がデータの統融合及び利活用の促進、2.3が国際的な取組戦略、2.4が観測基盤の維持及び長期的な観測の推進、2.5が観測技術の研究開発の推進という5項目構成にしてございます。
そういった目次構成に対応して、骨子としてはページをめくっていただきまして、1ページ目から4ページ目、6ページ目、7ページ目まで書かせていただきました。本部会ではこういう形で現状認識と論点を整理したものでCSTPに渡すということを念頭に置いて、この構成を準備しておりますけれども、1ポツの現状認識については、まだ具体的には記載しておりません。
1.1は事実関係ですので、この後、簡単に埋められるかと思います。
1.2は推進戦略の重点化の成果とか分野別の成果というのをここに挙げていただきたいと思いますけれども、さらにどうすべきかというところにもつながる重要な事項ですので、皆様の御指摘をいただければと思っております。
それから、1.3のところではどういう状況変化があって見直しのきっかけになったのかというところのトリガーになるところを記載したいと思っておりますので、またこちらについても御指摘をいただければと思っております。
それから、2ポツにつきましては論点の整理ということですけれども、書かせていただいた体裁なんですけれども、2.1項から2.5項まであるというのは先ほど申し上げたとおりですけれども、どういった論点があるのかというのは各項目に、左端が丸で始まっているところですね、例えば1つ目は今後生じうる課題を先取りし、戦略を見直す必要があるのではないかという形で論点を提示させていただいております。それに対応して、例えば推進戦略ではどういうふうに書かれているかというのが1ページ目の一番下に書かせていただいております。また、2ページ目で点線の囲みの部分につきましては、これまでの部会で委員の皆様方からいただきました指摘を要約して記載をさせていただいております。こういった形で論点と参考情報とこれまでいただいた御指摘を論点別に2ページ目以降、記載をしております。
2ページ目ですと、論点は課題解決を志向した観測が重要ではないか、3ページ目になりますと未知の解明を目指す観測も重要ではないかというような形で続いております。4ページ目以降には2.2項というふうにつながっておりまして、それ以降、5ページ目、6ページ目というふうに続いております。
こういった形で素案を準備させていただいておりまして、本日の委員の先生方の御指摘を踏まえて、今後さらに肉付けを考えております。
以上です。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございました。
一応、見直しに向けた論点整理ということで目次を作っていただいています。初めにこういう目次を立てて、この中を書いていくという形でよろしいかどうか、それ以外に何か、目次としてこういう観点が抜けているのではないかというところがありましたら御指摘をいただければと思いますが、いかがですか。現状認識のところが3項立っていて、全部で5つという論点で書いていくということですけれども。もしございませんようでしたら、一応、この順序で中身の話を議論したいと思います。
現状認識ですが、次の1ページのところに書かれています。3つ、地球観測の推進戦略、成果、それから策定後の状況の変化という3つが現状認識ですけれども、これに関してはいかがでしょうか。これはまだ文章ができていない、今までのいろいろ議論したものをこの中に取り込んでいくということになりますけれども、特にこの10年近くやってきた地球観測推進の戦略による成果について、具体的な成果、この部会を中心にしてやった成果とすると温暖化拠点の設置、それからデータ統合・解析システム、DIASがスタートして、今、2期目に入っているというところがありますけれども、これ以外にもいろいろな成果を上げていると思いますけれども、どういう形でこれをまとめていくか。はい。

【沖委員】
全体に関わるところで申し上げてもよかったんですが、地球観測の推進戦略、名前そのものですが、それだけを聞くと、観測を推進しているだけに聞こえるんですが、これまでの地球観測の実質の活動というのは、取ったデータをきちんとアーカイブして、きちんと有効活用して社会に生かすというところまでが全部含まれているというのは、普通に言葉で聞いた印象を超えていると思うんですね。次の戦略を作るに当たって、ある意味で言うと、地球観測というのが有名なタームになりましたので、そのままでもいいと思いますが、それを超えた活動が研究活動、しかも社会に役立つ研究活動が含まれているという、体を表すような名前を付けることを考えてもいいんではないかと思いました。

【小池(勲)部会長】
具体的に何かいいのありますか。

【沖委員】
今、考えています。

【小池(勲)部会長】
確かに地球観測と言ってしまうと、観測のところまでが非常に強調されるような意味になりますので、では、これは宿題というか、是非知恵を絞って、いい名前を考えるというのは大事なことですので、よろしくお願いします。
どうぞ。

【小池(俊)委員】
この成果についてなんですが、重要なのが2つ抜けているように思うんですが。1つは今、まさに議論しましたように、実施計画を作って、そして毎年毎年やる、これは非常に大きなことなので、各府省と連携しながらやっているわけですので、これは是非入れていただきたいと思います。
それから、もう1つはちょっとあれなんですけど、正式名称は全球地球観測システム作業部会、GEOSSワーキンググループとよく言っていますが、この推進部会の下にワーキングを設置していただいて、特にGEOSS関連の国際的なコーディネーションと実際のアクションを計画して議論しておりますので、地球温暖化連携拠点も非常に重要なファンクションなんですが、ある意味でそれと類するようなアクティビティーかというふうに思います。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございます。
初めの推進戦略の実施方針は、あれは推進戦略の中にそれをやるようにと書かれているので、取り上げるのにちょっとちゅうちょしたんですが、ただ、成果とすると、確かにそれできちんとサイクルが動いているというのは大事なことだと思いますので、書かさせていただきます。
ほかに何かございますか。はい、どうぞ。

【和気委員】
1.3の策定後の状況の変化の一つのキーワードは、先ほどの藤谷委員からの御説明の中にありましたように、アジア、オセアニアにおける日本のプレゼンスが低下しているということでして、これは現場の相当一致した感触だろうと思うし、現実、それを裏付けるデータもあるのだろうと思います。そうなると、より一層、これまでの推進戦略以上に日本の意義がどこにあるかということを明確にしていって欲しいと思いますね。例えば中国とか韓国とか、ASEANも含めた国々がどのような戦略的対応があるのかなど、それを踏まえながら、1.3に、どこまで書き込めるか分かりませんけど、日本としての問題意識を入れておいた方がいいのではないかと思いました。

【小池(勲)部会長】
その場合は、やはりこの策定後のそういう地球観測に関する各国のウエートの置き方のバランスの変化ということですよね。

【和気委員】
そうですね。

【小池(勲)部会長】
これがやはり日本の場合はなかなか伸び悩んでいるのに対して、海外の国の方が伸びてきたというところをきちんと考えなきゃいけない。

【和気委員】
はい。あるいは、その客観的なデータがあればいいかもしれないなという気がしますけれども。

【小池(勲)部会長】
ほかに何かありますか。はい、どうぞ。

【甲斐沼委員】
今のご質問に関連しての確認ですが、藤谷委員から説明あった最初の2ページ目のところのアジアにおける日本のプレゼンスが大きく後退という文章で、アジア各国資金は飛躍的に向上され、それを活用する方策の構築が重要という最後の2行のところですが、非常に重要な記述と思いますが、私は、日本のプレゼンスは後退したけれども、アジアそれぞれの国でそれなりにいろいろやっていけるようになったというふうに理解したのですが、そうではなくて、日本以外の国の、例えば中国などの援助が増えて、他の国のプレゼンスが大きくなったという意味なのでしょうか。あるいは、それぞれの国が独自に推進するようになったのか。その場合、日本は、各国の努力にどう協力していくかということが重要な課題になるかと思います。その辺りをはっきりさせておいた方がいいのかなと思いました。

【小池(勲)部会長】
藤谷委員、これはどういうふうにとればいいんでしょうか。

【藤谷委員】
これはアンケートに対するいろいろな回答をまとめたものですが、例えばインドネシアあたりですと、この計画が始まったころは日本がほぼイニシアチブをとって、お金も出すような状況でしたが、現在は、インドネシア側が非常に資金も潤沢になって、向こうがイニシアチブをとってやるような形になっています。また、中国なんかも御案内のように、向こうの方が最近は非常に資金が潤沢で、例えば旅費なども逆に向こうが出してくれるような形になっています。そういう意味では、これまで日本がイニシアチブをとっていたような国に対しても、今までと同様の枠組みではなくて、向こうの資金等も活用する形で協力していければいい。そういう意味で書いております。

【小池(勲)部会長】
そうしますと、今まで日本がほとんど資金も出して、技術も提供してやっていたところが、それぞれが力をつけてきたというふうな考え方ですね、これは。

【藤谷委員】
そうです。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【小池(俊)委員】
今の部分、国際開発援助の観点から非常に大事なところだと思うので申し上げますが、これまでのこういう地球観測に限らず、国際開発援助は、途上国が発展できるようにサポートするという形だったんですが、今、お話のあったインドネシアのように、いわゆる中心国になってきて、自分でもある程度、できるようになってきたと。そしたら、変な言い方ですが、金の切れ目が縁の切れ目ではなくて、そういう協力の仕方ではなくて、ある程度、自分でもやれるようになったら、インドネシアは、例えばイスラム国ですから、イスラム国のリーダーとして、そこにさらにまだ途上段階にある国が集まって発展できるように、日本がパートナーとして一緒にやっていくような形態というのをこれからとっていく。先ほど和気委員からありましたように、我が国がどんなふうに考えながらこういうことを進めていくかということを、要するに考えなければいけないという文書をやっぱり入れるべきであろうというふうに思います。
それから、あわせて指摘させていただきたいんですが、1.3の丸3のところに災害の発生等とありますので結構だと思うんですが、先ほどちょっと言いましたGEOSSワーキングで、この2015年以降のGEOSSをどうするかという議論をやったときには、一応、4項目挙げまして、巨大な自然災害が壊滅的な被害を起こしていると。気候災害が各地で頻発していると。それから、感染症などの地域的な世界的流行があると。まあ、鳥インフルのようなものですね。それから、食料価格の世界的な高騰な安定生産への危惧があるというような大きく4項目挙げておりまして、等となっていますので、ただ忘れないように、そういうことは記載した方がよろしいかと思います。
その上でなんですが、やっぱり1.3の中に大きく書くべきことは、リオ+20で、サステイナブル・ディベロップメント・ゴールを定めようというふうに決めて、今、国連の中では非常にそれが大きな議論になっております。2015年にはそれが定められると思いますので、それに向けて、地球観測にそれを利用する枠組みがどうあるべきかというのは考えなくてはいけないというようなことがここに入るべきだというふうに思います。

【小池(勲)部会長】
初めの方の国際的な問題は課題の方にも同じようなのがありますので、そこで問題提起をしておいて、課題のところでも取り上げて、それに対してどうすべきかというのを書くということになると思いますけれども。ほかに何かございますか。はい、どうぞ。

【安岡委員】
1.3の書き方なんですが、今、ここでも丸1、丸2というふうにあるトピックとしての課題が挙がっているんですけれども、やはり1.3は重要ですので、例えば(1)として科学技術、(2)として社会状況、(3)として経済状況、(4)として国際関係とか、項を立ててきちんと書いた方がいいように思います。Future Earthとかビッグデータというキーワードは重要ですけれども、どうもそういうキーワードに落ちてしまうことが心配で、科学技術としては、やはり例えばアジアの各国が独自の衛星を持ち始めたとか、データが公開されているかどうかは別にしても、各国が打ち上げていることは事実ですよね。それはこの6年間、前の報告書が出てからだと思います、もうちょっと前からかもしれませんけど。今、それが顕著ですし、例えば日本はGOSATという世界に冠たるものを打ち上げていますし、例えばSNSの利用みたいな話がやっぱり地球観測のデータ配布に関しては非常に重要になってきますし、科学技術一般としての捉え方とか、それから社会環境の捉え方、経済環境の捉え方、きちんと書いておいた方がいいような気がいたしました。
以上です。

【小池(勲)部会長】
そうしますと、ここに書いてある戦略策定後の社会状況、それから科学技術、それから経済状態、そういうようなサブタイトルを付けて、その下に具体的なことを書いていくと。

【安岡委員】
多分、1.3のタイトルはこのまま状況の変化でいいと思いますけれども、その下に(1)にして科学技術とか、(2)にして社会状況というふうに書いておけば、きちんと検討していますねというのが伝わるような気がしますけど。

【小池(勲)部会長】
ありがとうございます。どうぞ。

【藤谷委員】
現状認識の1.2成果で、できたものが成果として確かに書いてあります。以前、推進戦略を作成したときに、いろいろ課題を挙げて、実施する必要があると記載しています。その中でできなかったものも今回リストアップして、その中の幾つかはやはり重要だから今後やる必要があるということを、どこかで示す必要があると思います。
以上です。

【小池(勲)部会長】
それは成果のところに書くんでしょうかね。

【藤谷委員】
どこに書くのが良いのか分かりませんけれども、2の論点の整理の最初のところに、推進戦略で目指した課題について、達成できたものがあるけれども、まだ達成されていないものもある。その中の幾つかは今後もやはりトライする必要があると、どこかで書く必要はあると思います。

【小池(勲)部会長】
ほかには。はい、どうぞ。

【深澤委員】
成果、いろいろ重要なのがあって、今後の大変重要なことがあって、ただ、本当にできるのかって、暗くなっちゃうところがあるんですけど、成果の中で一つ、この前の地球観測の推進戦略の平成16年のときに地球観測のシステム化、統合化ということがうたわれていたと思うんですね。それが平成16年、ですから、2005年かな、ちょうどGEOSSが始まって、僕は気候の方なんですけれども、GCOSが新しい10年計画ができて、この間、20年になったところですね。そこの中で、例えば海だとか大気、大気の場合、昔からされているんですけど、少なくとも物理とか科学に関する限りでは、海に関する部分ですけれども、地球観測の統合を図ったら、かなり進展した。その結果、何が起こったかというと、日本にも当然戻りがあって、気候だけとか、そういう面でいけば、IPCCの報告書がこの間、2回出て、9月ぐらいにワーキンググループ1が出る。まだセカンドの改訂の、もう終わりで、9月には出るんですが、少なくとも、日本人が、日本が、あるいはアジアの人が主張になっている引用文献というのは4から5に比べて、大体、10倍以上増えている。というのは、これは多分、日本で地球観測の推進戦略を作って、それで観測を統合化しましょう、地球観測って一国ではできませんから、それぐらいにやって、データのシュアリングとか観測の戦略を国際的にやっていきましょうというのがうまく動いた部分というのがやはりあって、そういうものについては良い成果があった。例えばIPCCなどでも出ているという言い方は必要かもしれないと思いました。何か具体的にこんないい例があるよというのがもしも必要であれば使えるのかなという気がした次第です。

【小池(勲)部会長】
一番最初のサマリーは今年の9月ですか、出るのは。

【深澤委員】  9月にワーキンググループ1が出ます。

【小池(勲)部会長】
それで、そのときに深澤委員の言われた、例えば引用文献が例えば4から5に、10倍ぐらい増えたということは書ける?

【深澤委員】
9月になれば書けますね。今の段階でも書こうと思えば書けますが、まあ、ただ書いちゃいけない状況なので。

【小池(勲)部会長】
それはかなり具体的な大きなあれですよね、インパクトがある。
ほかにありますか。はい、どうぞ。

【沖委員】
ちょっと私、退席しなきゃいけないので、2に入ってもよろしいですか。

【小池(勲)部会長】
どうぞ。

【沖委員】
ありがとうございます。2の方のところで、2つだけ意見を述べさせてください。
まず、3ページの連携が弱いというところですが、温暖化、水循環、災害、農業、それぞれ、例えば農業ということを中心に考えると、農業にとって気候もあり、気象もあり、水もあり、そして災害もある、あるいは水ということを中心に考えると、温暖化の話もあり、農業も関係するし、災害もあるということで、それぞれは恐らく非常に学際的な取組がなされているんだと思うんですね。そうしますと、こういう意見が出るというのは、もしかすると研究者の共同が足りないということなのかなと、ちょっとその辺が私としては弱いという言い方よりは、もう少し連携を促進というのが、学問がそんなに縦割りじゃない気が個人的にはするんですが、それでもこういうことを言うとすると、何をやるのか。例えば雨のデータとか太陽放射のデータとか、割と共有できるもの、あるいは温暖化の予測情報とか、そういうものの共有というのは非常に進んでいると思いますので、さらにこういうことをやるには今の連携では足りないというのをシャープに書かないと、やはりちょっと漠としているかなというふうに思いましたのでコメントさせてください。
もう1点は、4ページの方にまいりまして、グローバル、ローカルの話で、今までのデータが随分蓄積されている場合もあるのねと、ここは私、案外大事なことかなと。つまり、地球観測をして、ある程度、データがたまったら、たまってから研究をしようではなくて、まず観測しながら研究、あるいは実社会に役立てていくというリアルタイムの話と、それでも足りなければ過去にさかのぼる研究を、苦労してでもアーカイブを発掘して長期のデータを作って研究するといったことも、未来志向に加えて地球観測の今後の戦略に入れていくのが大事なんではないかなという気がいたしますので、ちょっとそういう視点を考えていただければと思います。

【小池(勲)部会長】
今、沖委員の言われた最初の方の例えば農業関係だと、もう農業というのは1つの産業ですよね、産業というか。それに対する研究分野としての統合が足りないとも思わない。どうなんでしょうね、この辺のところが。

【沖委員】
割とやっているような気がしますが、そうではないんですか。

【小池(勲)部会長】
それでは、ほかにありますか。

【大垣部会長代理】
沖さん、もう出ちゃうかな。沖さんがいるうちにと思って。

【小池(勲)部会長】
じゃあ、沖さんがいるうちにどうぞ。

【大垣部会長代理】
先ほど一番最初の地球観測の後ろに、例えば一番最初の御意見で中ポツで活用とか、中ポツで利用とか中ポツで応用とかいう、地球観測・活用の推進戦略なんていうような概念ですかね、言葉はちょっと選ばなきゃいけない。もしもそうなら、例えばこれの3ページにある未知の解明を目指す観測も重要ではないかというような基礎科学としての地球観測を中で強調しておく必要はあると思うんですね。せっかく御意見、私も基本的には考え方賛成なんで。

【沖委員】
はい。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【渡邉委員】
私も沖委員に半分レスポンスしながらです。
やはりあちこちで話題になった問題解決型のデータの蓄積なり活用が必要だという点です。今の沖委員のポイントと関わるのですけれども、例えば温暖化のインパクトアセスメントやアダプテーションにしても、私の関わっている水分野でも、地表面のデータ、例えばインフラの状況だとか、そういうデータが案外整備されてないのです。それを把握するのがここで言う地球観測に含まれるのかどうか分からないのですけれども、そういう状況の進捗を見ながら進める観測があると思うのです。例えば、私の関係する分野で言えば、農地の情報が分からない、農業水利施設が分からない、では、それを把握するようなサテライトのオブザベーションの仕方を考えるとか、そういう展開の仕方あると思うので、既存の情報、あるいはここでもしかしたら含まれない情報の状況を見ながら進める地球観測のあり方もどこかで言及されたらいいのではないかと感じました。
以上です。

【小池(勲)部会長】
今のは、この中の項目でいくとどこに。

【渡邉委員】
課題解決を志向した観測が重要ではないかというところですけれども、以前の案だと包括的な観測のところで1行入っているのですが、そこら辺をもう少し具体的に書き込んでもいいのかと思いました。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【瀧澤委員】
この見直しの文章がもしできた場合に、初めて見た人の立場に立ってちょっと考えてみているんですが、1.3の「地球観測の推進戦略」策定後の状況の変化というところ、これは新たな課題ができたことで新たに対応する必要があるよということを問いかけているわけですけれども、それに対する答えというものを探しながら、2.1以降が行くと思うんですが、1の1.3の内容と2以降の内容がある程度、どこに問いと答えが対応するかというのが分かるような記述の仕方というのが是非とも必要ではないかなと思います。
それから、あともう1つ、小さなことなんですけれども、「地球観測の推進戦略」という名前なんですが、これは私たちにとってみれば固有名詞として認識はされているんですが、初めて見た人にとってみると、もしかしたら固有名詞ではなくて、もう少し概念的なもので捉えられる可能性があるので、例えば地球観測の推進戦略(平成16年制定)のような、固有名詞として受けとっていただけるような記述の仕方の方が分かりやすいかなと思います。
以上です。

【小池(勲)部会長】
それでは、今、1の現状認識のところについていろいろコメントいただきましたけれども、次に中身ですね、2の論点の方に、地球観測に向けた論点の整理というところにに移らせていただきますけれども、これは全部で5項目あります。それで、今までいただいた意見をそれぞれ括弧の中に書いてございます。それから、1から5まで、かなり意見をたくさんいただいたところと、余り意見のないところが、かなり相当密なところがございます。それで、できましたら、それぞれのところでやはりきちんと書き込むということが必要ですので、意見の余りなかったところに関して御意見をいただければということと、あと、骨子の1のところのもともとの地球観測の推進戦略のところで取組に当たっての考え方に、地球観測とはこういうものが求められているということの中に1から4までございます。それで1はいいんですけれども、研究者に必要な情報を提供するだけではなく、政府の施策に必要な情報を提供し、産業界の経営基盤になるような情報を提供して、もう1つ、一般社会の人々の生活に密接にかかわるような情報を提供する、その3つが書かれてございます。それで、先ほど藤谷委員から今までの取組でこれができていたかどうかということの多分、これがこれに対して応える必要があるんですけれども、これに関してはいかがでしょうか。今までの取組で、ある程度、これに関しては応えていますよと言えるのか、それとも、やはりまだ足りないのかですね。それも含めて、コメントをいただければと思います。初めに今のことと、それから最初の地球観測のあり方ですね、これについてのところで何か御意見ありましたらお願いいたします。はい。

【安岡委員】
今、小池さんがおっしゃった丸1から丸4まで、地球観測の役割というんでしょうかね、これがあると思いますが、やっぱりもう一つ加えるべきものがあるような気がして、それは丸2と関係するんですけど、丸2は政策の決定に必要な情報ということですが、私はこれは日本政府だけではなくて、国際機関の決定にももちろん関係しますけれども、政府や国際機関が決定した施策の効果を評価するっていう全体のループを、フィードバックを回すようなサイクルとして考える必要があると思っていまして、例えばモントリオール・プロトコルの成果としてオゾン層が減ったということはやっぱり――ごめんなさい、オゾン層が減ったんじゃないや、それをちゃんとモニターしていくことが必要なわけですよね。それはやっぱり地球観測しかできないので、そういういろんなレベルで決められた施策の効果がちゃんと表れているかどうかということをやる必要があると思います。特に、例えばこれから温暖化で緩和策みたいなことがどんどん提供されるわけですけど、それでちゃんと減っていっているのかどうかというのを国のレベルでもあり、地域のレベルでもあり、大陸のレベルでもあり、地球全体でもあり、やっぱりきちんと測っていくということが非常に重要で、それを丸5として加えるか、若しくは丸2の文章を少し書き換えるか、やっぱりそこを書き換えた方がいいんではないかなという気がしました。
以上です。

【小池(勲)部会長】
その点はやはり大事なことで、もちろん、政策を決める前にきちんとした現状がどうなっているかというのを観測で伝えるということは大事ですけれども、それが本当にある施策を打ったときに、それがどういう効果、施策の評価ですよね。それに対して、やはり地球観測そのものを使うことが必要だということは大事なことだと思います。ただ、これは地球観測の需要がなぜ必要かということに関する、より強いプラスアルファの、こういう点があるので必要だということに使えるというふうに思いますけれども。
あと、国関係の方というのはいろいろな形でつながっているんですけど、3番と4番の産業界の経営基盤となる情報を提供しとか、あと、一般社会の人々の生活に密接にかかわる情報、この辺はどうなんでしょうか。小池委員、今、DIASでいろいろ役に立つというか、いろんなデータを統合して、実際に出口志向のデータとしてやられていますけど、そのときに出口がどこに、産業界、あるいは一般社会、その辺に対するインパクトというのはどうなんでしょう。

【小池(俊)委員】
非常に大きいと思います。それをどう具現化していくかが難しい部分があって、先ほどのGEOSSの閣僚宣言文の中にもございましたが、産業界の経営基盤となる情報が含まれていることは間違いないわけですが、それをどう産業界とシェアしていくかというところのやり方がまだはっきり分かっていないと。それを開発しなければいけないというのが現状だと思います。一般社会の人々の生活にというところはパブリック・アウェアネスを高めるために情報を発信していくこと、これは非常にはっきりしていて、今、例えば気象庁がやられているような気象予測というのはまさにそれなわけですね。ですから、さらに研究面で言うと、潜在的に隠れているようなリスクを顕在化するというのはまさにこういうところになってくると思いますが、4番目はいいんですが、3番目のやり方というのは、先ほどもありましたフォーラムを作りながら、どう折り合いをつけていくというのはこれからの課題だと。だから、DIASも課題でございまして、そういうのと同調しながら、あるいはちょっと先取りしながらやっていければと思います。

【小池(勲)部会長】
はい、どうぞ。

【高村委員】
今、ちょうど出ておりました産業界の経営基盤となる情報のところなんですけれども、これ自身の重要性は疑う余地がないんですけれども、この間、議論している内容は、これよりもやはり広くなっているような気がしていまして、例えば一般的に産業界と言うだけではなくて、当然、農業ですと水産業といったような農業者等々の第一次産業も関わってくると思いますし、単なる経営基盤だけではなくて、場合によっては新しい産業とかのビジネスのニーズといったようなものを発展させていくような情報という側面もあるというふうに思いますので、少し文言を工夫していただくと良いのではないかというふうに思います。

【小池(勲)部会長】
産業界と言った場合に、どちらかというと第三次的な色彩が非常に強くなってしまうという意味ですかね。

【高村委員】
どうしても、やはり経済団体というイメージが強うございます。あと、経営基盤というのがやはりかなり狭いように思っております。ですから、ちょっといい言葉を見つければいいのかもしれませんけれども。

【小池(勲)部会長】
ほかにはどうでしょうか。安岡委員は帰っちゃったな。前回、安岡委員が2ページの上に書かれている世代のミスマッチと空間的なミスマッチの話をされたんですけれども、本人、いなくなってしまったので、捕まえ損なったんですけど、ちょっとこの意味がどういうふうにこの場合、捉えるかというのはちょっと分からなかったんですけれども。
はい、どうぞ。

【藤谷委員】
資料の「これまでの部会における委員からの意見」で、東日本大震災関連の項目があり、それから先ほどの1.3のところでも災害の発生が挙げられています。地震関係の話が出ています。これまでの部会では本藏先生がメンバーでおられましたので、地震関係の状況が反映できていると思われますが、今回の部会のメンバーを見ますと、地震調査推進本部関係の方がおられない。私は測地学分科会に出ています地震関係の事項を多少言わなければならないと思っています。今回見直す戦略に、地震、火山関係をどのように書き込むかというのはなかなか難しいところがあります。推進本部に一応、地震・火山の連携拠点ができておりますので、成果として書く必要がある。前回の推進戦略では地震・津波被害の軽減というのが5本の柱の1つに入っています。東日本大震災の発生を受けて、このあたりのことを今回の推進戦略にどう書き込むか、どこまで書くのか、なかなか難しいところがあります。論点整理の項目にも、例えば政府の施策決定に必要な情報を提供するというのがありますが、同様のことは推進本部でもやっています。さらに、現在測地学分科会で検討している「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画(仮称)」においても、施策にもっとリンクしたような内容になっています。そのあたりのニュアンス、どこまで地震をここに書き込む、なかなか難しいところがあるように思います。何かその辺、取り扱いの枠組みをある程度決めておかないといけないような気がいたしております。

【小池(勲)部会長】
これは地球観測ですので、当然、地震、火山に関する観測も含まれるわけですよね。大気とかそっちの観測だけではないので、ですから、書かなければいけないんですけれども、ほかでやっていることとのオーバーラップ的なことをどこまでこちらでやるかということだと思うんですね。それはどうなんでしょうか。事務局の方は何かコメントありますか。

【木下推進官】
逆に私から質問をさせていただきたいんですけれども、ほかに今、地震や火山ということが議論されているものというと、どういったものがございますでしょうか、どういった場という観点ですけれども。

【藤谷委員】
政策的なものは、推進本部の「新総合基本施策」に書き込まれておりますが、学術的な方面は測地学分科会の建議という形で、最終的には科学技術・学術審議会に出る予定で、新しい建議を今、議論しているところです。これまでの建議は非常にボトムアップの研究計画でしたが、今回は推進本部の施策との連携とかが書き込まれるような方向になっています。多分、施策的な話はそちらに書くのだと思いますが、今回の推進戦略でも、全く地震、火山に触れないわけにはいかないと思います。前回の推進戦略策定後の大きなイベントとして、東日本大震災もありましたので、何らかの形で触れないといけないと思います。そのあたり、どういう形で触れるか、どこかで決めておかないといけないと思います。私も今期は測地学分科会だけに出ているわけで、その下の地震火山部会とかに出てないものですから、詳しいことは余りフォローできておりません。地震火山部会から上がってくる資料しか見てないものですから、詳しいことは分かりません。

【木下推進官】
分かりました。ありがとうございます。それでは、ちょっとこちらでも確認をとってみたいと思います。

【小池(勲)部会長】
それから、2.1の3ページ目に書かれている重点分野ですね。今まで重点分野で、どちらかというとニーズにこたえる戦略的な重点化で、そこに書いてある5つの項目に割合、特化した形で今までの戦略は書いていたんですけれども、これをそのまま今後ともそれが継続するのか、それとも、もうこういう書き方をやめた方がいいのかということがありますけれども。ただ、何らかの観測の内容、目的ですよね、出口に沿った、やはり区分けは必要だと思いますので、まず、今、地震のことが出ましたけれども、地震・津波が5番目に書かれていて、1から4までありますけれども、こういう分け方でいいのか、先ほど沖委員が言われた農業とかそういうものがこの場合は入ってこないわけですね。そういう、割合といろんな意味での産業的なものですね、それをもともとGEOSSの場合、利用分野ということで農業とかそういう形でターゲットが入っていたんですけれども、この場合は一応、5つの方の、どちらかというと観測の対象かな、水循環とか、そういう形で地球観測というものを区分して、グルーピングしてやっているんですけれども、こういうやり方を踏襲するかどうかということですよね。それに関して、何か御意見があればお願いしたいと思いますけれども。これは、私たちは非常に考えやすいやり方なんですけれども。はい、どうぞ。

【高村委員】
こうまとめ方を変えたらいいというより、先ほどの26年度の地球観測の実施方針の議論の中でも出ておりましたが、これからの社会的ニーズという観点からすると、恐らくこれに関わってくることは間違いないんですが、一定のハイライトが必要な分野が2つあるように思いまして。2つに限らないとは思うんですが、しかし、私自身の中では2つありまして、1つは生態系の観測に関しては、これは恐らく気候変動の影響予測でももちろん関わってまいりますし、いろいろな形でやはり必要ではないか。場合によっては、生態系の利用ということで、先ほどの第一次産業等々との関わりが出てくるのかもしれません。
もう1つが水循環に入るのか分かりませんけれども、海洋はとりわけ周辺国の動きも含めて、海洋自身の環境に与える影響といいましょうか、例えば気候変動などのメカニズムに影響を与える位置というのと同時に、やはり資源との関係で、やはり一定の活動を維持し、強化する必要がある分野ではないかというふうに思っております。このあたりは御専門の先生方の御意見も聞きたいところですけれども、社会的ニーズという観点から2点申し上げました。

【小池(勲)部会長】
今、2点、生態系の利用と、非常に大きな意味でとれば農業とかそういうのも生態系と非常にリンクしたものですので、そういうものも含めた生態系に関する様々な観点ですね。あとは海洋で、私は海洋が専門ですけれども、海洋の場合は、従来はどちらかというと生物資源が非常に大きかったんですけれども、今は海底の鉱物資源の話が出てきて、鉱物資源になると、それこそ、今、言われた国と国の話になってしまって、かなりぎすぎすしたというか、切実ないろんな問題が出てきていますので、実際には観測が非常にしにくいというか、できない状態が結構多いんですけれども、そういうものが非常に大事だと思いますけれども、ほかに何かございますでしょうか。はい。

【小池(俊)委員】
2011年からGRENE環境情報プログラムというのが動き始めていまして、その中で取り上げたのは水と気候と農業、それから生物多様性、それから健康と都市です。それはDIAS1期が終わって、2期を設計するときに、これから特にどういう社会的な分野に重点を当てながら地球規模の観測とローカルの観測を結び付けながら、また、モデルも入れながらやっていくべきかという議論も踏まえて、その6つを選んだんですね。そういうのもレビューしていただきながら、ニーズにこたえる戦略的な重点化、全体としてどう形にするか、ちょっと難しい面があって、羅列するのがいいのか、ある固まりで議論していく――2015年以降のGEOSSにつきましてはある固まりで捉えたんですね。経済的な分野であるとか、地球環境変動的な分野とか、そういう大きな固まりで捉えておりまして、ちょっとここの記述の仕方をどういうふうにするか、私自身も考えたいと思いますが、検討事項だと思います。

【小池(勲)部会長】
今、言われた農業、健康、都市というのは、いずれももうターゲットがはっきりしているもので、それに対するグローバル、あるいはローカルな観測というものでアッセンブルしていくやり方というのは当然、出口がはっきりしていますので一つあると思いますけれども。じゃあ、これに関しては、そういう従来型のどちらかいうと研究者が比較的やりやすいような分け方か、あるいはニーズの方ですね、の目的がはっきりしたような方の方が、チャレンジングだけ取ったものにするか、少し考えて、案を作ってみたいというふうに思います。
それから、1つ上に書かれている、今までやはり目的志向と、もう1つ、3ページ目の1番上に、いわゆる未知の解明する観測、いわゆる地球観測というのは、そういうのはまた非常に大事じゃないかと。それは先ほど大垣部会長代理が言われた、もし地球観測・活用とか利用にしてしまうと、地球観測というのが実際、地球の今、いろんなことを、まだこれから分かってないものを解明するということにも役立っているんだというところが薄まってしまうというおそれがありますね。ですから、ちょっと題名の付け方って、なかなか難しいと思うんですけれども。やはりまだまだ地球そのものというのは、これからいろんな意味での観測を続けていかなけば分からないところがたくさん残っておりますので、それは是非とも続けたいと思いますので、それがニュアンスとして含まれるような書き方も大事だと思います。
それでは、次が2.2、データの統融合及び利活用の推進ですけれども、これに関してはそこに4つほど丸のついたものがあります。これを入れていくということになると思いますけれども、何かこれに関してコメント、御意見をいただければと思いますけれども。
ビッグデータサイエンスのインパクト、これもこの間のときに議論が出ましたけれども、これをどういうふうに書くかというのはなかなか難しいと思いますけれども、何かありますか。はい、どうぞ。

【河宮委員】
どういうふうに書くかというの話じゃなくて、また若干細かいんですけれども、5ページのインパクトが大きいのかという点々の四角の1つ目の箇条書きは多分、私の意見に基づいたものかなと思うんですが、ちょっと趣旨が違っていて、最後のところ、ビッグデータを整理する能力が必要というふうにまとめてありますが、伝えたかったのはビッグデータという概念そのものが非常に曖昧なので、そこの整理が必要ではないかという話です。例えばツイッターの情報を集めると政党の支持傾向が分かるというのもビッグデータですし、モデルの解像度が大きくなったり、衛星観測の解像度も大きくなったりして、過去のものに比べて大変扱いづらい、それをどうしたらいいのかというのをビッグデータというキーワードで語られますし、そこのところをごっちゃにして話を進めていくと、どんな技術革新が必要だとか、そういう議論が混乱するおそれがあるなと思ったので、そこの整理が必要ではないかというふうに述べたものですので、ちょっと直していただければと思います。

【小池(勲)部会長】
特にこの場合、地球観測というキーワードの中でのビッグデータという意味ですよね。ですから、今、言われた、いわゆる社会科学的なデータでもビッグデータというのはあるし、それからいろんな意味で今のようないろんな情報を集めてやるやり方というのもビッグデータに入りますけれども、地球観測というキーワードで切った場合にどういうものがビッグデータとして私たちは扱うのか、それはどうでしょう。

【小池(俊)委員】
先ほどの沖さんの議論と関係するんですが、地球を理解し、そして持続可能な開発の世界を作るという観点におけるビッグデータというのは衛星観測とかモデルとかいうのがありますけれども、先ほど言いましたようにシチズン・サイエンス的なクラウドソーシングで得られるようなデータも非常に大事ですし、それから私ども、今、まさに取りかかろうとしておりますが、経済学でマクロ経済的なデータと組み合わせて、そういう成果を意思決定のために使うというようなのも大事なんですね。ですから、地球観測を社会の意思決定のために使うためのビッグデータというと、非常に量だけではなくて、多様性という意味で大きいと思います。ですから、必ずしも最初の衛星観測やモデルのグリッドがちっちゃくなったことによる量的なものだけはない、非常に多様なものを扱うという意味では、いわゆるビッグデータの定義と、一般に言われているものとそんなに変わらないというふうには思います。

【小池(勲)部会長】
ちょっとここでの書き方が、どちらかというと、従来、私たちが扱っている衛星観測とかモデルのところに非常にウエートが置いてしまっているので、今、小池委員が言われたような物の考え方がここではちょっと入ってないんですね。ですから、それを取り込んだ形で書いていくということが必要だと思いますけれども。
ほかにはいかがですか。あと、先ほど沖委員がデータは取りながら、実際に使い道をどんどん開発していかなきゃいけないというのと、あと過去のデータを頑張って、必要ならば集める努力をしてきゃいけないと。よくヒストリカルデータの発掘というのはいろんな分野でやるんですけれども、なかなか大変ですよね。ですけど、是非それも必要なので書いたらいいと思いますけれども。
ほかに何か、よろしいですか、ここは。
そうしましたら、次の2.3、地球観測に関する国際的な取組戦略です。ここは2つほど書かれていますけれども、先ほどこれに関しては少し議論が出ましたので、1のところと対応する形で2.3を書くということは必要だと思いますけれども、これに関しては何か追加のコメントございますでしょうか。先ほどの議論では、推進戦略を作ってから、やはりそれぞれの経済力、その他、社会の発展、その他のバランスが変わってきているということがかなり強調されましたけれども、やはり国際的な取組ですよね、それも先ほリオ+20で言われているような議論というのが今後どうなっていくか。ここはよろしいでしょうか。はい、どうぞ。

【瀧澤委員】
今のここの議論というのは、項目を付け足せという提案でもよろしいんですかね。

【小池(勲)部会長】
どうぞ。

【瀧澤委員】
そうしますと、1.3で挙げられていた新たな状況の変化ですか、それに対応したものとして、全球地球観測システムの話ですとか、あとFuture Earthも基本的には国際的な連携のもとでやられている部分もある、どこに入るか、ちょっと先生方の御判断かもしれませんけれども、そういったこと。それから、ちょっと戻りますけれども、2.1の今後生じうる課題の先取りのところでは、やっぱり丸3の災害の発生などというようなものも盛り込んでよろしいんでしょうかね。1.3で状況の変化という、先ほども申しました問いがあるのに対しての答えが2.1以降に入ってくるというふうに考えるとすれば、そういった個別の項目をこの中に入れ込んでいくというのも一つの考え方かなと思ったんですけれども。

【小池(勲)部会長】
やはり1で出たことを必ずそれに対するものを2に書いていくという対応は是非必要なので、多分、書き方のあれですけれども、それが落ちないように対応を付けて書いていくということですね。
ほかに2.4の観測基盤、長期的な観測の推進で書かれているのが、これは実施計画とか方針にも毎年毎年書いているんですけれども、何となく書いているだけで話が進まないんだけど、いかがですか。

【小池(俊)委員】
今、JICAのプロジェクトでインドネシアとの協力が始まっているんですけれども、その中でいろいろ議論していたときにSATREPSで山中大学先生が中心に進めておられる内容が非常にこういう研究的なものから長期的な、その国が自分で運営していく長期的な観測体制への転換といいますか、発展に非常にいい事例ではないかと思います。新しいそういうCOEもできて、観測を継続するだけではなくて、さらにそれを高度化していくような枠組みもできております。そういうのを何か例示的に見せながら、SATREPSという枠組みは、そもそもそういうことを進めようという枠組みでありましたので、私自身は、確かに今までなかなか前に進まないという感じがありましたけれども、その事例を見て、あっ、こういう展開の仕方があるだという意を強くしました。

【小池(勲)部会長】
しかし、ここでSATREPSの宣伝をするというのもちょっとあれなんですけれども、同じ文科省のあれをやっているJSTの事業ですので。確かに私もSATREPSに関係していますけど、非常にうまく行っている場合と、やはり国によっては5年たつと、なかなかそこから先に行かないという両方のケースがあって、実際にやられている研究者だけの努力だけではなかなかうまく行かないところがあるような気がいたしますけれども。まあ、かなり成功例がありますので、それは是非、よりそれを強化していくということは大事だと思いますね。
ほかに何かございますか。はい。

【甲斐沼委員】
先ほど1のところで議論されたことすけが、やはり先ほどの議論の中で、日本のプレゼンスが大きく後退しているというが話題になりましたが、これは非常に重要なことで、ここの国際的な取組のところで、国際的なリーダーシップをとるべきではないかというところで、それは非常に重要ですが、現実に世界の情勢が変化している中で、日本はどういうふうにほかの国と連携していったらいいのかということを、もう少しリーダーシップということと併せて、連携について具体的に書かれた方が良いのではないかというふうに考えます。

【小池(勲)部会長】
いつも国際的なリーダーシップをとるという書き方をしてしまうんですけど、結局、国際的なリーダーシップという意味がだんだん変わってきているわけですよね。ですから、その具体的なものを書いていかないと、これだけ書いているんだと、いつまでも単なる言葉だけになってしまうということだと思いますけれども、そこは大事な点ですね。是非、この中身をきちんと書いていくことが必要だと。
ほかにありませんでしょうか。
そうしますと、最後が2.5の観測技術に関する研究開発の推進というの、それはコメントが余りなくて、これもやはり継続的・長期的というキーワードが出てきてしまうんですけど、中澤委員、何かございますか、これに関しては。

【中澤委員】
最近、我々の分野ですと、非常に社会が関心を持つようになって、企業もお金になるということが分かって、要するにそういう装置を作って売れば彼らがもうかるということが分かって、民間の技術力がかなり上がっているんですよ。私が始めたころは社会問題でも何でもなかったので、企業の方が利益につながらないと、なかなか相手にしてくれなかったんですけど、現在はむしろ、企業の方がかなり熱心にやっているように思います。ですから、研究者の方は要求をどんどん出すと、企業の方もそれに対応してくれるようになっています。ですから、アイデアだと思います。

【小池(勲)部会長】
大気系の観測は非常にいろいろなところでやられるようになったので、その意味で、企業の方も、今、言われたように、いいものを作れば、それだけ販路が広がるということで積極的になると思うんですけれども、そういう意味で民間の企業を巻き込んで開発をしていくことが非常に大事ですね。それも是非書いておいて。ほかに何か、観測技術と、あと長期的な観測の維持というのはリンクしている話になるので、これを2つに分ける必要があるかどうかちょっと分からないんですけれども、同じような内容なんですね、実際には。ですから、いわゆる地球観測と言われているものの維持管理をどういうふうに、技術の更新も含めてやっていくかということも課題だと思いますけれども。あとは観測技術の国際連携というのかな、いわゆる最近の観測機器の場合、どこのメーカーがスタンダードをとるかというのが結構効いてきますよね。今、ほとんど海外がスタンダードになってしまっているので、なかなか国産でのスタンダードというのは非常に少ないんですけれども、それも1つの課題だと思います。
それでは、一応、今日、ざっと今までの議論を含めてしていただきましたけれども、まだ今日、今の資料4を見ていただくと分かりますように、文章になって、それを書いて見ていただくという段階になっていないので、できましたら、本来は次回で最終回だったんですけど、少し申し訳ないんですけれども、もう1回、追加させていただいて、次回までに文章化すると。それを委員の先生方に見ていただいて、最終案を作りたいということで、もう1回、作った文章で検討していただくという機会を設けたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。済みませんけれども、新しく全部文章を作るということになりますと、改訂とは違いますので、少し時間をとらせていただきたいと思います。それでは、事務局の方で調整をお願いしたいと思います。
それでは、事務局の方で何かその他でございますか。よろしいでしょうか。
それでは、事務局の方に何かあったらお願いします。

議題(5)その他

【木下推進官】
それでは、最後に事務局から御説明させていただきます。
本日の議事録につきましては後日メールでお送りいたしますので、お気づきの点ありましたら、事務局の方まで御連絡ください。最終的には文科省のウエブページで公開させていただきます。
また、冒頭申し上げましたとおり、議題2のGEOSSのところはいろいろと資料を付けさせていただきましたが、これからミーティングという関係もございますので、一旦、本日の資料は回収させていただきたいと思います。その該当部分を除いた分を改めて皆様にお送りさせていただきたいと思います。委員の方々につきましては連絡先が分かりますので、こちらからメールでお送りさせていただきますが、傍聴の方の連絡先も分かりますか。

【小池(勲)部会長】
全部置いていくんですか。

【木下推進官】
委員の方は資料2だけ置いておいていただければ結構です。GEOSSのところ。
それでは、傍聴の方は恐縮ですが、事務局の方に資料は返していただいて、改めて必要な方は連絡先を伝えておいてください。その該当部分を除いた分をメールで御連絡をさせていただきます。
それから、委員の方々につきましては旅費と手当の資料をお配りしておるかと思いますので、最後、事務局まで御提出をお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは、次回は7月29日でございます。13時からを予定しております。

【小池(勲)部会長】
場所はどこですか。

【木下推進官】
文科省の旧庁舎の講堂を予定しております。また改めて1週間前後に御連絡を差し上げます。
それから、延長戦となりました追加のミーティングにつきましては、改めて日程を調整させていただきたいと思いますので、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。

【小池(勲)部会長】
それでは、これをもちまして地球観測推進部会の第3回の会合を終わりたいと思います。
どうも本日はありがとうございました。

お問合せ先

研究開発局環境エネルギー課

(研究開発局環境エネルギー課)