原子力分野の研究開発に関する委員会 原子力研究開発作業部会(第15回) 議事要旨

1.日時

平成18年8月17日(木曜日) 14時~14時45分

2.場所

文部科学省 4階 宇宙開発委員会会議室

3.議題

  1. 高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズⅡについて
  2. 平成19年度概算要求における重点課題等の評価について
  3. 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 原子力分野の研究開発に関する委員会 原子力研究開発作業部会の今後の予定について

4.出席者

委員

 柴田洋二、代谷誠治、田中知、田中治邦、前川治、山中伸介(以上、五十音順、敬称略)

文部科学省

 中村原子力研究開発課長、鈴木原子力研究開発課核燃料サイクル推進調整官、鎌田原子力研究開発課課長補佐
日本原子力研究開発機構
 向次世代原子力システム研究開発部門長、佐賀山次世代原子力システム研究開発部門副部門長

5.議事要旨

 平成19年度概算要求における事前評価については、原子力分野の研究開発に関する委員会運営規則第4条第3号及び第5条第1項に基づき、本会合及び本会合の議事概要について非公開とすることとなった。

(1)高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズ2について

 事務局中村課長より、資料15‐1に基づき説明後、質疑応答。

【委員】
 補完概念は、それがあって初めて完結するととられるものであるため、主概念、副概念としたほうがいいと思う。また、8ページの「日本の技術的競争力」において、「1990年代には電気事業者を中心に高速増殖炉実証炉の計画が進められた」とあるが、「計画が進められた」と言われると何かかなり進んでいて何かできてしまっているという印象を受けるので、書き方を工夫いただきたい。さらに、「米国とともに中核的役割を」とあるが、フランスのことはここに入れなくていいのか。

【機構】
 以前は主副だった。原子力長期計画のときの議論で、いわゆる主と補完というような考え方で議論がされたことがあり、原子力機構の報告書も当初は主副だったが、それを踏まえ主と補完とした。

【委員】
 9ページ目の核拡散抵抗性の問題について、ウランやマイナーアクチニド元素等々、混合された状態で常に取り扱われるような形にしているが、このままだと自然とそのようになるととられる。積極的にそのように取り扱うという方針でやることによって、核拡散抵抗性を高めているという言い方のほうが正確ではないかという気がする。その次の「技術的な開発目標」の、「軽水炉サイクルと同等以上の安全性と経済性を実現し」、これが「要求される」というのは強過ぎるのではないか。要求されるとすると、それが実現しないと全然だめだとなる。代替技術に変えることがあり、非常に極端な話をすると、全部代替技術になれば経済性はこの状況にはならないということになる。これを目標にするというような言い方であればいいと思う。

【事務局】
 この部分では、サイクルはどのように社会に貢献するのかという評価を書いている。ただ、全体として、このページで「このようにつくったから」というのがあまり前面に出過ぎると、最初から燃料輸入不要となるようにつくる、あるいは、廃棄物の発生量が少なくなるようなシステムをつくるという宣言文みたいになってくるので、目指すものは何なのかというのとはロジックが変わってくるのではないかと感じる。

【委員】
 高速増殖炉サイクルということからいうと、燃料については、増殖炉サイクルであれば必然的に輸入が不要になるということはある。

【事務局】
 高速炉サイクルであっても、例えばヘリウム炉だとか軽水炉というものを考えると、2100年ではなくて、軽水炉が第2世代、第3世代があった後で初めて燃料輸入不要にできるということになるので、まさに2100年とここで書いているのは、ある一定の想定があるからということになると思う。

【委員】
 「マイナーアクチニド元素を燃料とし」という書き方も気にかかる。燃料として使っているとはとても思えないので、燃焼させるというのがいいと思う。

【委員】
 13ページの、「2015年までの研究開発計画」の1の「研究開発の目標」の書き方についてですが、具体的なことはここに書かれているような概念設計を得るということが目的でしょうが、2015年までの目標としては、これまで「高速増殖炉サイクルの適切な実用化像と、実用化に至るまでの研究開発を明らかにするのが目的」と言われているので、この「研究開発の目標」のところも、それがまずあって、具体的にはこうだという書きぶりのほうがいいと思う。

【委員】
 14ページの左側の研究開発ロードマップがある。研究開発方針ということがこの報告書の主たることとして、それを端的にあらわしたのがこの図のような形に見えるが、高速増殖炉システム開発では概念設計研究や概念の最適化、革新技術の研究開発等々があって、燃料サイクルシステム開発については、後のほうより上から下のところには入っているが、左のほうにも概念設計研究的なことや、革新技術の研究開発的な、両方が同じようなトーンになったほうがいいと思う。また、下のほうは、炉とサイクルとでは書きぶりが違うのが気になっているところで、これがひとり歩きし、数値が一つの結果として勘違いされないように、わかるようにしたほうがいい。

【委員】
 「2015年までの研究開発の進め方」のところで、18ページの「研究開発資源の確保」、「研究開発費の確保」の文章が長いため、原子力研究開発機構は選択と集中を行うだけでいいのか、国が研究資金を確保するのか、その辺のところがよくわからない。また、人材の確保・育成に関して、「適切な対応をとる必要がある」とあるが、適切な対応というのは何か。人材確保・育成の2つ目の文章で、「また、研究開発機構、産業界、大学における人材」の文章の意味がよくわからない。もう少しはっきり意味がわかるように書いたほうがいい。

【事務局】
 今の機構は独法であり、中期目標が達成できるトータルの金額があって、それを国が運営費交付金として手当をする。その中で機構の理事長がリーダーシップを発揮して、業務の選択と集中を行い、そこに当てていくというのが流れ。国の役割は中期目標に対して必要な資金を提供するということまでであり、業務の選択と集中というのをポイントにしたいためにここまで書いてある。国は機構に対して新しい業務を与えたならば、その新しい業務に対しては必要な資金見積もりを出して、中期計画の額を変えて、その部分はきちんと機構に予算措置をするということと、国自らが大事なところに直接予算措置をするということもあり得るということを念頭に置いている。

【事務局】
 人材確保については、90ページから91ページにあるような問題意識があり、その上で、2015年までの研究開発を着実に推進する観点、研究開発段階から実用化段階への円滑な移行というような観点、将来を担う人材の確保の観点からやらなければならないことがあり、それぞれ施策はここに書いてあり、総論ではこのような観点からの施策を適切にとる必要があるとだけ書いているが、一つずつぐらい代表例を書くなど工夫をする。

【委員】
 いわゆる選択と集中という考え方が基本的にあるかと思うが、それと人材育成というのは相入れないところがあるのではないかと考えている。そのあたり、微妙なニュアンスをどこかに含めていただきたい。

【委員】
 質問や意見等があれば、24日までに事務局にご連絡いただきたい。

(2)平成19年度概算要求における重点課題等の評価について

 (非公開)

(3)今後の予定について

 事務局から説明。

-了-

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