資料2‐3 別紙2 第六回の委員会における主な指摘

ナノテクノロジー・材料科学技術が果たす役割等

  • 我が国のナノテクノロジー・材料分野における強みは、長年の技術やノウハウの蓄積によるものである。
  • ナノテクノロジーは、例えば、水素エネルギー社会の実現に向けた、水素分離技術や燃料電池用触媒等にとって鍵となるものであり、資源・エネルギーという我が国の大きな課題の観点からも非常に重要である。
  • ナノテクノロジー・材料分野は各応用分野に対し横串的役割を果たし、技術融合により不連続な革新をもたらす。

ナノテクノロジー・材料科学技術の推進方策

基礎・基盤的な研究としての振興

  • 産業界における課題解決のための、システム主導の材料開発では「技術改良」に留まってしまう。これまで材料開発の歴史に学んでも、新たな機能を持つ革新的な材料がイノベーションを生んでおり、材料機能からシステムを提案することも重要である。
  • 材料を個々別々に研究するのではなく、飛躍的な発展を見せるITを活用しながら巨大なデータ空間の中で捉えると全く違う見え方となり、新しい材料の創出、同時に特許化に直結することが想定される。米国が、得意とするITを材料研究に適用する施策(Material Genome Initiative)を打ち出しており、このような新しい時代の流れに遅れを取ると非常に危険である。
  • 日本の材料研究の強みは、10年、20年後の国の経済・産業を支えるような基礎的な研究であることは、液晶等の歴史を見ても明らかであり、ここを育てることが非常に重要である。

「基礎から応用へ」、「応用から基礎へ」の循環

  • 応用先を意識すれば、他の材料やシステムも含めた研究を行うようになるなど、基盤の広がりにつながるため、応用先を意識することは重要である。
  • 産学官の研究拠点では、オープンイノベーションを目指す部分として、徹底した最先端の基礎研究や人材育成等を行うべきであり、企業における実用化フェーズのクローズな部分とは分けて考える必要がある。
  • マテリアルズインフォマティクスについては、オープンとなる基幹データベースが、企業等の研究者が自前のデータと組み合わせて新しい研究ができる高度なアルゴリズム、質の高いプラットフォームとして形成してほしい。

関係機関の協力・連携による推進等

  • 主要国においては、共用施設のネットワーク化が進んでおり、国際競争の中で、共用拠点を整備する中で投資効率を最大化して融合を進めていくこと重要になっている。
  • データ基盤の充実も含めた研究インフラ、実質的な府省連携、川上から川下までの全体における戦略の構造化、官民による戦略的重点投資のあり方、国際共同方策等について検討が必要。
  • 材料の応用先ごとにイノベーション創出までの道のりが長いものもあれば短いものもあり、研究開発プロジェクトの設計の際には適切な計画期間の設定が必要である。
  • 分野横断型の拠点形成プロジェクトは、プロジェクトの終了とともに活動が止まってしまい、分野横断型の仕組み作りがなかなか大学の中に根付いてきていない。

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ナノテクノロジー・材料企画・機構係

(ナノテクノロジー・材料企画・機構係)