資料4 ナノテクノロジー・材料委員会(第1回)の議論における主な意見

【第2期、3期基本計画の成果】
○材料のものづくりの現場が非常にサイエンスと近くなり、基礎が応用に役立つようになってきことが、この10年の努力の1つの成果。

【第4期基本計画における目標設定について】
○クリントン大統領の言葉によって、目標が設定され、また、研究者が刺激されて、ナノテクの進歩につながったと言える。ナノテク側から次の目標を提示すべき。

【「ナノテクノロジー」について】
○「ナノテクノロジー」という言葉を大切に扱い、また、そこから出てくるものをきちんと把握していくことが重要。
○ナノテクノロジーの本質的な問題を検討するにあたっては、20世紀にでき上がった従来型の縦型の学問体系を組み直す必要があるのではないか。

○ナノテクノロジーは基盤技術であり、多様な分野に波及し、支え、また、プラットホームとなる側面がある。また、先端技術であり、常に新しいものが生まれ、新しいものが湧いてくる成長点であるというもう一つの側面もある。先端技術として、次に出てくるものを引っ張り、新しい目標を提示していかないとナノテクノロジーとして存在する意義がない。

【今後の研究開発の方向性】
○ナノテクノロジーの基盤を充実させ、研究のいろいろなステージをシームレスにつないでいくことが重要。

○ナノテクノロジーと物質材料をつなぐ、エンジニアリング未満の部分の新しいサイエンス(メソスケールの科学)が必要。

○ナノテクノロジーが関わってくる範囲が極めて広いので、ナノテクノロジーを枢要な部分として含む大きなテーマをどのくらいやっていくのかという基本的な方針を議論すべきではないか。  

○出口だけを追求するのではなく、基礎・基盤的なものをやっていないと研究が荒れ、また、学生への教育にならず、大学としての役割を果たすことができなくなる。 

○ナノテクの問題点は、省資源・省エネルギー・大量生産に向いていないことである。第4期基本計画では、ナノテクを進化させ、中小企業、ベンチャーが大量に安価で製造できるようになれば社会に貢献できるのではないか。  

○ナノテクは、分野によって実用化に向かう時間軸が大きく違うため、特に新しいナノテクの切り口であるボトムアップ型のナノテクは、非常に長時間を要することを社会に理解してもらうことが重要。 

○革新的なナノ物質をほんとうに世の中に使える状態にしていくには、長期のサポートが必要となる。見えているものだけ使い回し、何かつくる方向に走ってしまうと、国際競争に負ける。

【異分野融合】
○ 日本が国際競争力を持つためには、異分野の技術を組織化、システム化、ソリューション化して、競争力のあるプロダクトをつくっていけるかどうか。そのためには、強力な基盤技術が必要不可欠であり、国からのサポートが求められる。

○縦割りの異分野融合のテコとして、ナノテクノロジーは非常に意味があるが、そこに使うエネルギーと、ナノテクノロジーそのものを進歩させるために使うエネルギーのバランスを失することを懸念。

○ナノテクノロジーというのは、各領域を融合させていくところに大きな特徴があり、そのようなインセティブを与えるようなファンディングとセットにして政策を進めるべきだと考えられる。エネルギーや環境はナノテクノロジーという切り口のほうが推進しやすい一面もある。 

○異分野融合を進め、ある程度新しい分野をつくっていくには、予算を投入し、両方の分野を理解できる学生をどう育てるかということが重要。 

○ナノテク等のテクノロジーが医療の中にタイムリーに入っていかないと、日本の医療はアートの世界になってしまい多くの人を治すことはできない。

【人材確保・育成、国際戦略】
○国際的に沈下していく状況にある中、人材の養成・確保、そのための国際戦略について、ナノテクを例題にしていろいろ仕かけていく必要があるのではないか。

○異分野融合を進め、ある程度新しい分野をつくっていくには、予算を投入し、両方の分野が理解できる学生をどう育てるかということが重要。 <再掲>

○出口だけを追求するのではなく、基礎・基盤的なものをやっていないと研究が荒れ、また、学生への教育にならず、大学としての役割を果たすことができなくなる。 <再掲>

【オープンイノベーションの推進】
○ベンチャー企業の優秀なナノテクの技術を活かすためにも、大学のナノテク関連の装置、特許の活用も含め、オープンイノベーションを進めることが非常に重要ではないか。

【社会への発信】
○ナノテクノロジーが身の回りの技術に役立っているという現実と将来の夢の両方をしっかり語り、夢の一部分が現実となり我々の生活に非常に貢献していることを発信すべき。

○新物質の発見から実用化まで随分時間がかかるが、新物質発見から実用化された非常に説得力のある例があるので、わかりやすい例をそろえることも重要。

○ナノテクは、分野によって実用化に向かう時間軸が大きく違うため、特に新しいナノテクの切り口であるボトムアップ型のナノテクは、非常に長時間を要することを社会に理解してもらうことが重要。 <再掲>

○ナノテク材料ほど、社会に役立っていると直接言える分野はないのではないかと感じているが、今後は社会全体に夢を持たせるという側面も重要。人々が夢を持ってナノテク材料を支援していくような地盤づくりの議論をしていくことが重要。

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研究振興局 基礎基盤研究課 ナノテクノロジー・材料開発推進室

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