第4期ナノテクノロジー・材料委員会(第4回) 議事録

1.日時

平成19年8月20日(月曜日) 15時~17時

2.場所

学術総合センター 2階 中会議場2

3.出席者

委員

 北澤主査、井上委員、魚崎委員、潮田委員、遠藤委員、長我部委員、川合委員、岸委員、栗原委員、小長井委員、田中委員、玉尾委員、樽茶委員、横山委員

文部科学省

 徳永研究振興局長、高橋ナノテクノロジー・材料開発推進室長、下岡室長補佐 他

オブザーバー

(委員外)
 澤岡プログラムディレクター、中山プログラムオフィサー

4.議事録

【北澤主査】
 それでは、徳永局長がちょっとおくれられるということで、ただいまより、第4回ナノテクノロジー・材料委員会を開催したいと思います。本日はご多忙のところお集まりいただき、まことにありがとうございます。
 事務局から、委員の出欠及び資料の確認をお願いしたいと思います。

【下岡補佐】
 では、本日の先生方のご出席を確認させていただきます。では、井上委員からよろしくお願いします。井上委員でございます。魚崎委員でございます。潮田委員でございます。遠藤委員でございます。長我部委員でございます。川合委員でございます。岸委員でございます。北澤主査でございます。小長井委員でございます。田中委員でございます。玉尾委員でございます。樽茶委員でございます。横山委員でございます。PDといたしまして、澤岡PDでございます。POといたしまして、中山POでございます。
 本日でございますが、大泊先生がご欠席との連絡をいただいております。栗原先生は、少々おくれられるようでございます。
 では、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。
 資料1、資料2でございますが、前回第2回と第3回の議事録(案)となっております。資料3でございますが、キーテクノロジーの中間評価の総合所見(案)となっております。資料4でございますが、リーディングプロジェクトの事後評価の総合所見(案)となっております。資料5、カラーの資料でございますが、平成20年度概算要求課題に関する資料となっております。ことし、文部科学省が新たに拡充要求させていただく案件について、後ほど説明させていただきます。資料6でございますが、平成20年度拡充課題に関します事前評価票(案)となっております。資料7、同じく事前評価票(案)でございますが、本日でございますけれども、ナノテクノロジー・ネットワークと元素戦略について、先生方にご評価をいただきたいと考えております。参考資料といたしまして、ナノテクノロジー・材料施策一覧となっております。以上でございます。欠落等ありましたら、事務局のほうまでご連絡をお願いします。

【北澤主査】
 それでは、議事に入る前に、資料1及び資料2が議事録になっているんですけれども、この議事録に関しましては、後でお読みいただきまして、特にこれは委員個人の名前が入ったまま公表されますので、これはまずいということもあるかと思いますので、その場合には、名前のところを消すということもあり得るんですか。「委員A」とか。

【下岡補佐】
 できるだけそれはちょっとやめていただきたいので、発言内容のほうを消す形で対応いただければと思います。

【北澤主査】
 そうですか。そうすると、例えば「玉尾委員」というのは消さないで、非常に差し障りがある部分があった場合には、そこのところをやわらげてもらうと。

【下岡補佐】
 はい。それでお願いします。

【北澤主査】
 ちょっと難しい部分があるかと思いますので、そういう部分、きっと必ず我々の発言の中に、わりと個別のことを言っている面がありますから、そういうところだけご注意いただいて、それを事務局のほうにお知らせいただくということにしたいと思います。
 それでは、きょうやることは、キーテクノロジーの中間評価についてと、リーディングプロジェクトの事後評価についてと、もう1つ、平成20年度概算要求課題の事前評価というのがありますので、ちょっとスピーディーにやらせていただいて、どれも議論がちゃんとできるようにしたいと思っております。
 まず、キーテクノロジーの研究開発の推進にかかる中間評価をこれから行うことにしたいと思うんですけれども、今回、評価の対象となるプロジェクトにつきましては、先月25日の本委員会で、既にヒアリングを行いました。そのヒアリングに基づきまして、各委員から事前にご提出いただいたa、b、c、dの評価とコメントを、資料3にまとめていただいてあります。色が左のほうについている横長のやつなんですけれども、資料3をちょっと出していただいて、それでコメントについては、重複する意見は集約しておりますけれども、提出された意見が反映されていないというような場合、あるいは追記が必要な場合には、この場でご指摘いただけたらと思います。
 それから、各委員からご提出いただいたa、b、c、dの評価を参考にしていただきまして、これより目標達成度などの各評価項目に対して、皆様のご意見を集約した形で評価を付していきたいと思います。研究計画・評価分科会には、資料3の網かけの各委員の評価は消したもの、つまり、委員会全体としての評価のa、b、c、dを入れるということにして提出する予定です。
 評価の進め方につきましては、事務局から、さらに詳細の説明をお願いいたします。

【下岡補佐】
 今、ほとんど主査のほうからご説明いただいてしまいましたが、ここにお配りさせていただいております資料3ですが、事前にメール等で先生方からいただいている評価、a、b、c、dをつけさせていただいております。こちらの大体のほうを俯瞰していただきまして、主査主導のもと、こちちのほうに評価を付していただくことになります。コメントのところでございますが、各先生方からいただいたものを、事務局のほうで重複しない形で入れさせていただいております。場合によっては、先生方で相反するようなご意見があったところもございまして、済みません、こちらのほうでちょっと勝手につくらさせていただいておりますので、もしこちらのコメントは消すべきであるとか、ご意見が反映されていないというご意見がありましたら、こちらのほうで承らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。調整が難しいところは、後ほど事務局と主査のほうで調整させていただいて、研究計画・評価分科会のほうに報告させていただく予定でございます。

(各評価項目に関する議事は非公開のため省略。)

【北澤主査】
 これら2つの課題にかかる本委員会の事前評価票については、本日の議論を踏まえて、あとちょっと修正が入るかと思いますけれども、私にご一任いただきまして、8月28日火曜日に、科学技術・学術審議会の研究計画・評価分科会がありますので、そこで報告させていただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、きょうの評価のところは全部終わったんですけれども、事務局のほうから、平成20年度概算要求課題の事前評価について、ご説明をいただきたいと思います。平成20年度概算要求課題の事前評価では、概算要求に当たって、内閣府の総合科学技術会議によるS、A、B、Cの優先づけの評価を経る必要があります。しかしながら、その前に研究計画・評価分科会で、新規概算要求案件を評価する必要があります。評価の進め方及び具体的な課題の内容について、まず事務局から、説明をお願いいたします。

【下岡補佐】
 では、お手元の資料5をごらんください。新規要求ないしは拡充案件につきましては、内閣府の総合科学技術会議が出しております「資源配分方針のあり方について」というペーパーに基づいて、いわゆる優先づけと言われているものでございますが、S、A、B、Cの評価を受ける必要がございます。こちらのほうは、本日評価していただく2つの案件につきましては、赤字にさせていただいているものでございますけれども、ナノテクノロジー・ネットワーク、あと元素戦略の拡充についてお諮りさせていただきたいと考えております。総合科学技術会議のS、A、B、Cの評価というのは、財務省が参考にするというよりは、機械的にほとんど予算が決まってしまうという、極めて致命的な評価を下されるものでございますので、先生方のご意見をいろいろ踏まえつつ、財務省と今後協議をしていく必要がございますので、この場でいろいろご意見等いただければ、非常に事務局としても幸いでございます。
 資料5に従って説明させていただきます。こちらのほうのペーパーでございますが、ナノテクノロジー・材料分野の研究開発の推進といたしまして、文部科学省が実施している施策すべて俯瞰的にごらんいただけるものとなっております。左上の青色の枠でございますけれども、分野融合・イノベーションを支える研究基盤の構築でございますが、こちらのほうの先端研究施設共用イノベーション創出事業といたしまして、先生方にはたびたびお諮りさせていただいているものでございますが、ナノテクノロジー・ネットワーク、昨年度の予算が18億、ことしは21.6億まで拡充要求をする予定でございます。拡充する内容といたしましては、汎用的な共用装置を、主に若手の研究者の共用化に資するべく、より拡充していくという形で、若手研究者に対して貸し出していく形で拡充要求をかけます。その下の黒字でございまして大変申しわけないんですけれども、量子ビーム利用プラットフォームの構築ということでございまして、新規案件でございます。こちらの新規案件につきましては、資料6と資料7のほうにまとめておりませんので、また別途違う機会にご審議いただくことになると思いますけれども、こちらのほうはナノテクノロジー・ネットワークと同様に、高圧電顕とかそういった施設ではなくて、例えば、理研のRBFとか、量子ビームをよりナノテクノロジー・ネットワークのような形で共用に資していくという形で皆様方に使っていただくべく、新規案件で要求していく予定でございます。
 隣でございますが、X線自由電子レーザーの開発利用といたしまして、こちらは国家基幹技術でございますが、昨年約75億に対してことしは178億と、大幅に拡充要求する予定でございます。下のほうの黄色の枠でございますけれども、左上でございますが、ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発、こちらはいわゆるキーテクノロジーでございます。キーテクノロジーは昨年は21.1億でございましたが、ことしは元素戦略を3億拡充要求いたします。こちらのほうは昨年までは、いわゆる希少元素、有害元素を代替するという形で、幅広く産学連携の形をもって公募をかけていたところでございますけれども、ことしはいわゆる燃料電池とか熱電素子といった形で、環境、エネルギー、資源問題に対して、それらの打開に資するような研究開発を、より拡充する形で要求していく予定でございます。その他の施策につきましては、ことしと全く同じ金額で出す予定でございます。
 一番下の箱をごらんいただきますと、経済活性化のための研究開発プロジェクトといたしまして、こちらはリーディングプロジェクトでございます。今残っているのは、次世代電顕の基礎的・基盤的な技術の開発でございまして、4.0億ありますが、ことしでこちらのほうは打ち切りとなります。
 右上のほうでございますけれども、光・量子ビームを中心とした融合新興分野研究開発でございます。こちらのほうは新規案件で、20億の要求となっておりますけれども、先ほど紹介させていただきました量子ビーム利用プラットフォームの構築と、総合的に進めていく予定でございます。量子ビームの利用プラットフォームというのは、いわゆるインフラでございますけれども、インフラを整備するとともに、こちらのほうは研究開発、後ほど紹介させていただきますが、いわゆるX線自由電子レーザーのような形で、極めて小型なものだったり、フェムト秒、アト秒といった形で、極めて高輝度のレーザーをつくっていくべく、研究開発を進めるものでございます。こちらのほうはナノテク・材料分野で、ことしは新規案件で拡充させていただく予定でございます。
 次のページをごらんください。右上のほうの予算が、昨年31億8,000万となっておりますけれども、今、申し上げましたように、ナノテクノロジー・ネットワークで3億の拡充、あとは量子ビームの施設横断利用といたしまして、新規で2.8億要求する予定でございます。こちらのほうをすべて合わせますと、約41億という形で要求していく予定でございます。以前先生方にお諮りさせていただいている図でございますと、産業戦略利用としまして13.8億、ナノテクノロジー・ネットワークとして18.0億でございましたけれども、量子ビーム施設横断利用を加えさせていただくことで、もし予算が通れば、3つの施策を相まって進めていくという形で進めさせていただく予定でございます。
 では、次のページをごらんください。こちらは参考資料でございますけれども、既存のナノテクノロジー・ネットワークの施設の一覧となっております。もし、先ほどの話が通りますと、量子ビームの形でさらに加えさせていただく予定でございます。
 では、次のページをごらんください。既に複数の先生方にはいろいろお話を伺っているところでございますけれども、ことしのナノテクノロジー・ネットワークの拡充の方針といたしましては、より多くの若手の研究者が、身近に先端計測器を利用できるような環境を整備するということで、若手研究者のアイデア実現の機会を増やしていく予定でございます。具体的に申し上げますと、今、共有されております先端的な高圧電顕ではなくて、汎用的なFIBとか、低周波のNMRといったものを、若手の研究者に使っていただくべく拡充する予定でございます。若手の研究者の融合・相互作用を通じまして、我が国のナノテクノロジー研究のレベルの底上げを図るということで、さらなる振興を図っていく予定でございます。なかなか若手研究者、先生方にいろいろご意見をいただいているんですけれども、主に若手の方が使っている場合が多いという学校もあると聞いておりますので、なるべく予算要求する際は、財務省と協議する際、その辺がかなりネックとなってまいりますので、また先生方、メールでも構いませんので、いろいろお知恵をいただければと思います。
 では、次のページをごらんください。先ほど申し上げましたように、量子ビーム利用プラットフォームの構築というものでございまして、こちらのほうは、うちの研究振興局のほうで検討会を開きまして、光科学技術の推進に関する懇談会というところで中間報告を出しております。これに基づきまして、先ほど申し上げたように、例えば、JRR-3とか、J-PARCとか、全国にあります量子ビームのインフラでございますけれども、そちらのほうが総合的に関係しまして、人材育成だったり、研究の促進だったりという形で、インフラのほうを整備していく予定でございます。こちらのほうは新規で2.8億要求する予定でございます。
 次のページをごらんください。こちらも前回のナノテクノロジー・材料委員会で諮らせていただいている案件でございますが、元素戦略をさらに拡充していく予定でございます。ことし、内閣府のほうとも連携しておりまして、連携施策群の中で、燃料電池、水素活用のタスクフォースを立ち上げております。その中でも、金属学会のほうも、今、燃料電池というのは非常に重要な研究テーマだという形で打ち上げていただいているところでございます。次のページをごらんいただきますと、例を挙げさせていただいているところでございますけれども、ことしは燃料電池、熱電素子、さらには発電効率を上げるためのタービンとか、あとはギアとか磁石とかに使いますジスプロシウム、ネオジウムを用いないような高性能の磁石をつくっていくなど、環境、資源、エネルギーの対策として、その解決に資するような研究開発を進めていく予定でございます。
 テーマといたしましては、元素戦略と同じでございまして、希少金属、有害元素代替、構造制御による主要元素の低減という3つのテーマをそのまま維持する予定でございますが、さらに社会的なニーズが高い環境、エネルギーの問題に資するような形で公募をかけていく予定でございます。まだこの辺は未定でございますが、昨年は産学連携という形で公募をかけたところ、なかなか企業が難色を示しまして応募できなかったというケースがございます。そちらのほうも踏まえまして、産学連携の枠組みを外すことも視野に入れつつ、拡充する予定でございます。こちらもまだ局内で検討中でございますが、先生方、ご意見をいろいろいただければ非常に幸いでございます。
 最後のページをごらんください。済みません、右上の数字がちょっと間違っております。今、20億のバージョンの紙を配らさせていただきますが、先ほど申し上げたとおり、左上にあります光科学技術の推進に関する懇談会の中間報告書を踏まえまして、量子ビームのプラットフォームをつくっていくとともに、例えば、こちらの化学反応過程のin situで観察できるような、アト秒のパルスレーザーであったり、あとは小型の電子加速器を実現するためには、いろいろクリアする課題があります。あとは細胞レベルとか、非常に小さな病巣部の非侵襲型の高感度のイメージングであったり、治療に使えるようなレーザーを開発していく必要がございますので、プラットフォームをつくるとともに、さらには今、既存の研究をさらに進めるべく、20億の新規要求をいたしまして、こちらの研究も進めていくという形で新規要求をさせていただく予定でございます。
 以上、今申し上げたとおり、ナノテクノロジー・ネットワーク、量子ビームプラットフォームの構築、元素戦略の拡充、そして今、再度申し上げたように、光・量子科学の研究分野の推進という形で、ことしは拡充要求ないしは新規要求させていただく予定でございます。
 では、先生方からご意見をいただければと思います。よろしくお願いします。

【北澤主査】
 ご質問ありましたらお願いいたします。最初に私、ちょっと質問させていただきたいんですが、量子ビーム施設横断利用というのは、この1枚目の紙の中でいうと、この20億の中に入っているんですか。

【下岡補佐】
 研究開発のほうが20億でございまして、プラットフォームの構築というのが、左上にありますナノテクノロジー・ネットワークのところに入っております。

【北澤主査】
 ナノテクノロジー・ネットワークの中に、さらに量子ビームが入っているんですか。

【下岡補佐】
 はい。そちらは2.8億の新規要求です。

【北澤主査】
 すごいですね。あらゆるところに入ってきているんだ。ちょっとこれ、今のご説明を伺っていますと、そうすると、ことしはナノテクの予算は減っていると見てよろしいですか。

【下岡補佐】
 いえ、X線自由電子レーザーのほうで相当伸びておりますので、トータルとしては当然伸びるんですけれども、内局と法人のほうを合わせましても、概算要求では去年よりも上回る形の数字となっております。

【北澤主査】
 X線レーザーを含めればね。

【下岡補佐】
 はい。

【北澤主査】
 でも、X線レーザーはものすごい増えてますよね、100億以上。そうすると、ナノテクは100億ぐらい減るということですか。

【下岡補佐】
 概算要求時では、まだ一応かろうじて増えております。

【北澤主査】
 これは大変なことなんじゃないかなという感じがちょっとするんですが。

【川合委員】
 僕もちょっと見てすぐに感じたんですけれども、1ページの一番大きなのは177億円のあれですね。それで、これは何でナノテクなんですか。X線自由電子レーザーの開発は基幹技術としてわかるんですが、ナノテクノロジー・材料、直接ではないですよね。

【下岡補佐】
 そこは局内でも今、議論中でございまして、ライフサイエンスとかにも使えるんですけれども、いわゆるちょっと分野横断的なナノテクノロジーのところに一たん入れて、今、検討しているところでございまして、ありとあらゆるものに使えるというご指摘は当然あるんですけれども、一応昨年同様、ちょっと今はナノテクのほうに入れさせていただいているところでございます。先生ご指摘のところは、今、調整しているところでございます。

【川合委員】
 それでもやはり、ナノテクノロジー・材料という、非常に日本にとって重要な分野があって、それをきちんと推進していくために、方便上でも177億円がナノテクに入るということ自身は、施策としてはまずいんじゃないかなと思うんですけれどもね。X線自由電子レーザーはそれなりに大事だとするならば、やはりバイオに使う場合もあるし、いろいろな形のものがあるからいいんですけれども、やはりナノテクノロジーでこれだけ使って、こういうふうに推進していくというのとは、ちょっと違うなという印象です。どうでしょうね、ほかの方は。すごく大事な点だと思うんですけれども。

【北澤主査】
 魚崎委員。

【魚崎委員】
 去年ですか、最初に出てきたときにもちょっと気になって発言したんですけれども、X線フリーエレクトロニックレーザーって、まだこれつくっているところですよね。それで実際問題、いろいろ例題を例示されていましたけれども、必ずしもほんとうにそうかなというようなものがいっぱい例示になっていて、ナノテクノロジー・材料の、今、着実に進めていこうという話と、かなり遠いのではないか。それでここで100億増えたから、ナノテク・材料が100億、あるいはそれに近い分減ったのでは、かなり世界的にもまずいんじゃないかなと思うんです。具体的に、ほんとうにまだまだ建設にも至っていない段階で、今のナノテクの進歩にとっては、あんまり具体的には関係ないですよね。

【北澤主査】
 これ、確かに非常に由々しき問題だと思うんですけれども、X線自由電子レーザーも量子ビームも、サイエンス全体から考えればとても大切なことだと思うんですが、それがナノテクノロジーだと言われると、ナノテクの予算は国際的に比べなきゃいけない予算でもあって、日本はナノテクの予算、すごい多いですねと言われて、中を見ると実はうそだということになっていたのでは、これは国際的にもうそを言うことになりますね。そんなことでいいんでしょうかね。そこが若干問題ですね。

【下岡補佐】
 局内でも結構議論があるところでございまして、あからさまにライフの分野も相当なウエートを占めているはずでありますので、ちょっと切り分けが、どこでミシン目を入れていけばいいのかわからないので、今、協議中となっております。本日、先生方のご意見を持ち帰りまして、至急検討させていただきたいと思います。

【北澤主査】
 ああ、そうですか。できれば、ナノテクノロジー・材料分野というのであれば、ここはナノテク・材料分野の委員会ですよね。そこに諮られなければおかしいんじゃないかとちょっと思うんです。そこに諮らずに、それが決められてしまうとしたら、この委員会は何のためにあるのかというのがまず第1。それから、第2は、X線自由電子レーザーや量子ビームも、我々は基本的には応援できたらと思うんですけれども、そのときに、ナノテクの一分野ですよと言われて、だからナノテクの予算は減っちゃっても仕方がないんですよと言われたのでは、ナノテクの予算を拡充したことになっていない。それなのに、外の人から見ると、ナノテクの予算が増えたように見えるという、ここが非常に困るところです。だから、これはやはり私たちの委員会としては、そこのところを指摘せざるを得ないような気がするんです。
 それで、これはまずどこで決まったことなんでしたっけ。去年既に決まっていることなんですか。

【徳永研究振興局長】
 はい。

【北澤主査】
 それで、それはどこで決められたことなんですか。

【高橋室長】
 本件につきましては、昨年の概算要求時点ではこういう整理になっておりました。そもそももとを質せば、現在進行中の第3期科学技術基本計画の枠組みというところで、国家基幹技術で、情報分野ではスーパーコンピューター、ナノ分野ではX線自由電子レーザーということになりまして、分野としては、XFELについてはナノテク分野にということで、全体の枠組みがセットされたということが発端というか、話のスタートになってございます。

【田中委員】
 これは第3期の科学技術基本計画を議論しているときに、2年ぐらい前でしたか、このX線自由電子レーザーは、確かに分野推進戦略会議に出てきたんですよ。しかしながら、それはほとんど前もって何の説明もされていないで、そのために委員は、これは別途便宜的に入れたものであろうというふうに皆さん解釈していたんですよ。今考えますと、それはきちっと確かめるべきであったとは思いますけれども、皆さんほとんどの方が、僕はそう思っていたのではないかと思います。これはあと岸先生にも、ちょっとご発言いただければいいと思いますけれども。それで、ほとんどこれは議論の対象にならなかったんです。極めて大きな予算ですので、別途決まって便宜的に入れられた。我々が真剣に議論したのは、その残りの予算を懸命に議論をしたということだったんです。
 ところが今回、このように前年度に比べて100億もというふうに出てきますと、我々は、総合科学技術の分野推進戦略会議で何を議論したんだろうかというふうに、我々の責任も含めて問われることになるんじゃないかという気がいたします。これは岸先生にもちょっと伺いたいんですけれども。

【岸委員】
 結局、このビッグサイエンスというか、ビッグファシリティーと、この4分野というのは、常に並列で進んでいるんです。ですから、こっちがきちゃったときに、こちらが縮まるというところで、コンピューターなんか大き過ぎちゃって、それを議論できないんです。それをひしひしと味わっているというのが実感なんです。
 さあ、そこでこれを入れていただいてしまうと、確かに問題があるのは、ここでは一切議論していないという、北澤先生のご指摘は非常に大きいです。それから、もう1つは、外に対する予算の問題も確かにあるんです。ただ、決してこれを弁護するわけではないんですけれども、ヨーロッパなどでは、こういう大きいのはナノテクの一つだってどんどん入れる風潮はあるんです。その辺をどうするのか。

【北澤主査】
 アメリカやヨーロッパの予算の中で、これにたぐいするものが、ナノテクの予算という形でカウントされていないんじゃないでしょうか。

【岸委員】
 ヨーロッパのJNESとか何とかいう扱いですね、あれなんかはわりと大型装置がナノの根幹にあるというような感じでやりますからね。もしかしたら、資料持っているかもしれないですけれども。でも、ちょっと悩ましいところで、しかしビッグプロジェクトというやつがボコンボコンと入ってきますから、いつでもこういうことになるのは仕方ないです。

【魚崎委員】
 ほかが減らなければ問題ないわけですよね。ただこれが入った分、トータルで一定になっていて、この分だけ減る、そこが問題なんじゃないですかね。

【岸委員】
 ヨーロッパのジェネシーズというプロジェクトなんです。これはEuropean strategy study on nanomaterial using large test facilityというもので、こういうファシリティーとか、シンクロトロンなんか全部入れちゃって、彼らの予算に入れ込んじゃっているんです。ですから、今度、ヨーロッパでは1,600億とかという、ものすごく大きい予算になっちゃっているんです。だから、ヨーロッパではそういう意味では、入り込んじゃっているんです。ちょうどきのう送ってきた資料に、ホワイトペーパーがあるんです。ですから、この辺をもうちょっと、世界の予算のあり方をサーベイしてみて、比較していかないといけないでしょうね。

【川合委員】
 これ自身が意味があるとかないとかという議論をここでするのが適当ではないと思うんですが、SSCのお話が前にありましたよね。スーパーコンダクティング・スーパーコライダー、あれはやっぱり、その途中までいったんだけれども、やはりこれだけ大きなものをそのまま無理してやれば、ほかの部分に非常に影響が大きいということで、科学者としての判断としては、選ぶ場合だったらそれを中止するということで中止したという経緯があったと思うんです。だから、それ自身が悪いとかいいとかというよりは、やはりこれが全ナノテク材料の予算として、どういう影響があるかというのを考えて、やはり非常に深刻な影響があるようだったら何か考えなきゃいけないという、そういうことなんじゃないかと思います。

【岸委員】
 これは、それを言い出すともっと大きいのは、原子力とかエネルギーの予算の大きいのが出てきたときにまた問題で、ただ、一番大事なのは、総合科学技術会議というのは、日本の全予算の34パーセントしか議論していないんだそうです。これは三村先生が明確に言われたんですけれども。ですから、原子力の特会とかそういうのはみんな外してやっているわけです。だけど、大型プロジェクトがほんとうに入っているんですか、電子顕微鏡なんか。

【徳永研究振興局長】
 厳密に言うと、総合科学技術会議が本来所管していない予算まで、科学技術基本計画に入っていまして、例えばあの中で、25兆円という数字があるんですけれども、前の計画でも24兆円といっていますけれども、あれは国立学校特別会計の予算の大体半分が入っているわけです。あれは人文社会系を除いて、教育分の系を除いて。ところが、それは病院の診療報酬から授業料まで入っているから公財政じゃないわけです。だから、もともと国の金じゃないやつまで入れて算入しているところがありまして、だから、入っていないところと入っている部分というのが、必ずしも厳密にいっていない。ただ、ここは厳密に科学的な方法論で計画をつくって進めているわけではないわけですが、あくまでも行政上の計画、行政上のプロセスをやっているわけで、いわば厳密にいったらおかしなことはたくさんありますけれども、行政手続として、そういったものを進めていく上での指針としてはまあまあの話なんで、それまで言い出したら、そもそも計画的に行政を進めるということは成り立たなくなってしまいます。
 もう1つは、大きな話があって、例えば、ビッグサイエンスみたいなもの、ビッグプロジェクトをどうするかという問題があります。これは常に昔からあるわけで、例えば、今、核融合科学、ITER(イーター)が進んでいますけれども、ITER(イーター)も、とにかくエネルギー予算の内枠でやれということを押しつけられてしまって、エネルギーの関連の人たちは、別にITER(イーター)に関係ない人たちは大変怒って、結局今、日本で核融合研究をしているところは、実は科学技術の世界ではない、学術の世界だけになってしまいまして、土岐の核融合科学研究所の予算が、実は一番多いと。原研よりも核融合研究の予算が多くなってしまっている。それは全部ITER(イーター)にとられているから、あるいは動燃の核燃料サイクルのほうに使われているという問題もあります。
 いろいろなことがありますけれども、それはそれとして、国としてさまざまな計画をどういう形で整合的に進めていくかというときには、もちろん単年度で見ればさまざまご不満も、問題点もありますけれども、やはりせっかく各5年計画で基本計画を決めているわけですから、ある程度中期的なスパンでもって、全体をどうしていくのかということを考えなきゃいけないと思っています。特にX線自由電子レーザーの場合は、当然これは先端共用施設に適用されますから、でき上がった後のあかつきとすれば、この運用予算は、多分共用交付金というものに入っていきますので、そういったものが明確にツールとしての位置づけに与えられるだろうと思っております。
 ただ、ツールとしてつくるまでは、じゃあ何の分野の予算なんだと言われれば、それはどこかに入れなければいけないわけで、それはうちの予算じゃないよといったら、多分どこにも入らなくなってしまうわけで、そこはそういう全体として、考えようによれば、ビッグプロジェクトといいますけれども、ビッグプロジェクトの中では、多分一番市場でも少ないプロジェクトで390億円。国民の貴重な税金ですから、390億円でも巨額なお金ですけれども、昔のハワイの天文台や東大の宇宙線研のあれよりは小さい、カミオカンデよりも小さいわけですから、これが果たして昔でいうビッグプロジェクトになるかどうかというくらいのことで、逆にいうと、少しの間はちょっと我慢かもしれませんが、一応これでナノテク・材料予算として枠取りをするわけですから、390億円もそんなに年々年々増えるわけじゃなくて、21年度以降はすぐ減っていくということが予想されるわけで、逆にそのときに、ナノテク・材料分野としては、せっかく増えた枠取りを減らさないということのほうも必要だと思いますので、ぜひそれは中期的な視点でごらんいただければと思っております。

【岸委員】
 でも、そのときは減っちゃうんですよね。そううまくいかないんですよ。

【徳永研究振興局長】
 そこはなかなかいかないですね。

【岸委員】
 そのときは、あれはビッグプロジェクトで別だということにいつもなっちゃうから、非常につらいところなんです。でも、どこかに……。頭が痛いところですね。ただ、DOEのシンクロトロンと中性子もナノに入れちゃっていますよね、あの新しいやつね。それで横に、新しいナノの6,000平米の建物を建てているんですよね。だから、なかなかそこら辺は難しいなと思っているんですけれども。

【川合委員】
 いいんだけど、そのためにほかが減らされるということになると問題なんで、そうでなければ……。

【徳永研究振興局長】
 ただ、シーリングそのものが、前年度終わったプロジェクトは全部当然減ということになっていますから、日本の国全体として、さきに閣議決定されたものからすれば、いわば全部ほかの予算も1パーセント減るのが当たり前で、科学技術予算だけがイーブンだと。プラス全施策予算の中で特に重点的なものは、500億円の別途配分査定枠があるという構造ですから、いわば全体として要するにお金は減ることが当たり前で、増えることは極めてレアという状況になっていますから、そういう中で、ある意味では中期的に見て、それをとにかくナノテク材料予算という枠取りの中で、正直申し上げれば、ほかの分野の予算はこういうプロジェクトがないと、逆に言うと、もっと分野そのものとして初めから形式的にも減っているわけでございますので、ぜひそういう中で中期的にいろいろ作戦を考えて、X線自由電子レーザー、及びいろんなことの考えの中で展開していくほかないなというように思っています。

【岸委員】
 ただ、いずれにしろ国家基幹技術をやるときに、その議論がどういうところでやられているかよくわからないんです。まさに政治と行政でやっているんじゃないという気もしてしまうんですけど、こういう委員会がたくさんあってもあまり機能していませんよね。逆に言うと、予算が大きいから、バーンとやっちゃう以外だめなんでしょうか。

【徳永研究振興局長】
 我々行政サイドからすれば、とにかくこういう大きなものがないと、むしろ予算は減りぎみになってしまうわけです。それだと、第3期基本計画で25兆円にしたのは一体どういう意味なんだと。第2期計画でも、例によって24兆円さえ達成していないわけで、それも先ほど言ったように、それも授業料や診療報酬まで含んだ額ですから、一体国費で幾らなんだと。そういうことはだれも検証しておりません。
 中には、行財政界のかなり首脳的な立場にある方の中には、そういう基本計画というのはたくさんあるだろうと。空港整備何とか計画、港湾整備何とか計画もたくさんあって、みんな閣議決定しているけど、金も決めているけど、あれは普通は半分ぐらいしかいってないじゃないかというようなことを平気でいろんな公の席でおっしゃっている方もいらっしゃいますので、逆に言うと、あとはお金がどれだけとれるかというのは、実力勝負でとるしかないと思っています。

【北澤委員】
 ナノテクノロジー・材料分野は、日本の国際競争力を支える唯一の分野として、ほかの分野は支えてくれませんから、ナノテク材料が頑張るしかないわけです。それで日本の国際競争力が非常に心配されて、だから増やしましょうということになって、我々はその責任を負っているわけです。それでナノテク材料を増やしていきましょうというような合意が総合科学技術会議でもできて、4分野の1つに選ばれていると思うんです。
 では、ナノテク・材料、責任が持てる、そういう部分は増えているでしょうかといったら、何とその3分の1がX線自由電子レーザーになってしまった。それで、X線自由電子レーザーは、私たちもナノテクに寄与しますからいいでしょうといって、ちょっと軒先を借りたと。そうしたら、翌年度は100億もの予算をそこにつけて、それは我々のナノテク・材料委員会のディスカッションを全く経ないでそういうものがついている。それで、これがナノテクであるという形で予算要求がなされて、ナノテクはたくさんとりましたねと言われることになるわけです。これで我々は社会に責任を果たせるのかどうかということからいったら、これは果たせないと言わざるを得ない、そういうことだと思いますが、その点は皆さん、どう思われますか。

【魚崎委員】
 この委員会でも何回かにわたって将来計画、あるいは次期どういうふうに発展させるかというようなことを前、川合先生の委員会でもやったりしましたけど、そういう中でどう展開するかという話と、X線自由電子レーザーは時々紙がこの委員会でも出てきましたけれども、そこで、これができたらこんなのができるんだというのは、どちらかというと、こんなに金をかけてこんなことしかしないのかというような話ばっかりだったんです。今も、シンクロトロンの話がありましたけれども、シンクロトロンで今具体的に解析するという話と、いわば海のものとも山のものともわからないX線自由電子レーザーで、ほんとうにナノにとってどれだけの役に立つんだという議論は、先ほど北澤先生がおっしゃられたように一切していないわけです。
 そうすると、今までいろいろ将来計画、ここの委員会を立ててきたということと、この横入りしてきたX線自由電子レーザーが知らない間にほとんどをとってしまう。先ほども言いましたけど、去年もこれが出てきて、これがナノに入るんですかと。これは今に大変なことになるねという話が出たと思うんですけれども、まさにそうなってきているわけです。
 それで、先ほど将来像がすぐ減るでしょうとおっしゃったが、これはどういうことになるのか。まだ建設も始まっていない……。

【徳永研究振興局長】
 建設完了までは23億以上ありますから。

【魚崎委員】
 でも、ほんとうにできるのかどうかというか、まあ、それはいいとして。だから、そういう中身の議論はここでは全然やっていないわけですね。これがナノにとってどれだけの役に立つのかという議論はしていない。それが全体を占めてしまうというのは、委員会としては非常に困りますね。

【北澤主査】
 これは、もう物事が非常にはっきりしていて、ナノテクノロジーという観点からしたら、ナノテクノロジー・材料分野が日本の国際競争力として責任を追う部分の3分の1のコストが、X線自由電子レーザーから出てくるとは到底考えられない。だから、これはもう議論以前の問題です。「ナノテク・材料にはこれだけ科学技術基本計画の中でお金を投入してきた。どれだけの成果が出たのか?」と我々は今詰問されているわけです。これはもう政治家からも常に言われていますし、それからナノテク・材料でどれだけの予算をとって、それだけの責任を果たしているのかというときに、我々としては、「いや、実は3分の1はナノテクのお金じゃありません」と言わざるを得ない。
 我々としては、できれば科学技術全体の進展から考えて、あんまり露骨にそういうことは言いたくないんですが、それをナノテク・材料をこれだけ増やしたぞというふうに言われたのでは、我々としては容認しがたい面があります。現にこの100億が増えることによって、ナノテク・材料の予算は減らされている、あるいは減らされてしまうことになるはずなんです。
 そこのところは、やはりこれが入ってくることでナノテク・材料の予算は減らさないという確約がない限り、我々としてはこれはのむことはできないと思うんですけれども、どう思われますか。こういうものが入ってくることで、ナノテク・材料の計画なんて、もうつくることはできないわけですよ。だって、ナノテク・材料でいくら計画を立てても、そこに100億、200億といったお金がぼんとくっつけられて、それで全体として予算を圧縮されると、そうすると結局はこれから計画を立てていくことができないことになるという状況になったことがこれではっきりしたわけです。それで、おそらく平成20年度は、絶対にナノテク・材料の予算は減ります。これによって。

【岸委員】
 第3段階で11億減っているんですね。

【下岡補佐】
 私のほうの説明が足りなくて申しわけないんですが、現状、この資料をごらんいただくと、X線自由電子レーザーを除いていただいた上で、今概算要求の段階で減っているのはリーディングプロジェクトのところだけになります。ことし確保した4億がなくなるだけでございまして、あとはキーテクも純粋に3億増額要求しておりますし、ナノテクノロジーネットワークのところも増額要求しています。概算要求の段階では決して減っておらず、むしろ増えている状況でございますので、まだ確約できないんですけれども、頑張れば減らないとは……。

【北澤主査】
 概算要求が全体としてガサッと圧縮されたときにはどうなるんですか。

【下岡補佐】
 出すまでは勝負でございますけれども、概算要求をこのままの案で出せれば、出す段階では減ってはいない状況でございます。

【北澤主査】
 「出す段階では」ですね。

【下岡補佐】
 はい。

【北澤主査】
 後で全体を減らされたときには、そうすると、X線自由電子レーザーのほうがその減少分は吸収すると。それとも、同じ比率で吸収したらどうなると思います?

【高橋室長】
 主査、資料が、X線自由電子レーザーについて十分こちらの委員会でご議論いただかなかったのは私どもの失敗でございましたけれども、X線自由電子レーザーの全体の年次計画というのは、平成18年から22年ということになってございます。まさに20年度の概算要求で170億ということで、かなり大幅に、前年度より100億ほど増えておりますけれども、全体の計画の進行から申しますと、この170億というのは一番額としては膨らんでいる額でございまして、21年度、22年度ということで、またこういうふうになるという計画になってございます。
 そういった意味で、今最大瞬間風速みたいな形で……。

【北澤主査】
 量子ビームはどうなるんですか。来年の量子ビームの予算は幾らですか。ことしだけですか。

【高橋室長】
 ええ。これは新規でございますので、ことしだけということではないんですけれども、全く新規の予算でございますので。

【北澤主査】
 いや、だからX線自由電子レーザも新規といってまず入ってきたわけですね。それでよく見たら100億増えるわけです。それで、量子ビームも20億といって入ってきて、来年は幾らですか、よくわからないと言うわけ。そういうことでしょう?

【徳永研究振興局長】
 まあ、まあ。X線自由電子レーザーと次世代スーパーコンピューターは、総額がわかって初めから計画的にやっている事業ですけれども、量子ビームは、通常のいわゆる各種のリーディングプロジェクトやキーテクと同じようなたぐいの事業でございます。
 もう1つは、概算要求をしても、結果的にどうなるか。減らすときにどうなるかというのは基本的に中身の問題、それから、ぎりぎり言えば、財務省の査定権の問題、あとははっきり言えば、政治レベルでの閣議で決定するということになってしまいますので、そこのところは日本中どんな予算だって、各省だってみんな必要な予算しか要求していないわけで、不必要な予算要求はしておりませんけれど、それを制度改正してまで500億円、1,000億円減らされることだってあるわけですから、そこははっきり申し上げて、ナノテク予算が全部ゼロだということだって、それは査定の中ではあり得ます。それはそれで、日本の国はそういう仕組みでやっているわけですから、我々としては、ナノテク予算でここでお認めいただいたものを、できるだけ多く財務省に認めていただけるように、それはもう行政職員が頑張るしかないと。

【北澤主査】
 いや、そこが一番の問題で、今日本にとってナノテク予算と、X線自由電子レーザー予算、どっちがより重要だとお考えになりますか。

【徳永研究振興局長】
 そこは、第3期基本計画で、まず国家基幹技術として、やっぱりナノテクというのがX線自由電子レーザー……。

【北澤主査】
 だから、そこが詭弁なんですよ。そこの詭弁を使わざるを得ないというところに、日本の科学技術予算の悲しさがあって、その詭弁を使ってしまうために、今度は国として本来重要であったはずのナノテクが、実際には増えているように見えつつ減らされて、これから我々のポテンシャルは落ちていくということになるということで、皆さん、よろしいでしょうか。そういう問題なんです。

【徳永研究振興局長】
 そこは先生、我が国全体のポテンシャルといった場合、どれだけのものをどう考えるのか。逆に言うと、政策主導でやっている予算だって、それは材料分野、あるいは物質分野、あるいは金属材料加工分野、総予算の中のそんなに全部を占めるわけじゃないんです。
 例えば、ライフサイエンスの場合で言いますと、大体科研費のライフサイエンス分と政策予算を見ますと、むしろ科研費の予算のほうが多い。特に大学の予算のうち、材料、物質分野はどれだけで見積もるかと。一方では、今回、国立大学の運営交付金では、はっきり申し上げて、退職手当の積み越しをやめましたので、その分を去年ぐっと減らされましたから、その分を初めから積み増しをやめて、全部普通の小型、中型といいますか、大学共通の研究設備で一斉に要求するということの方針を決めておりますから、その分だけでもどかっと、正直申し上げれば、先生方の具体的な研究室等でいろいろ使っている機器はまた増えるわけでございまして、我が国全体のポテンシャルをどう考えるかとなれば、それは正直言って、科学技術予算だけではとてもとても決められませんので、そういう中でいわば政策主導型の予算の部分については、そういう意味ではおっしゃるように、20年度概算要求レベル、それから査定レベルでは、多分X線自由電子レーザーとトレードオフの関係になっているのかもしれない。
 ただ、X線自由電子レーザーのほうも、はっきり申し上げますと、これはプロトタイプでも確実に成功しておりますし、もともとの技術は高エネ研でつくりましたCバンド加速器を使うわけですから、かなり技術的な確証も得られておりますし、全体の総経費が390億円でございますから、これまで既に昨年の予算化分74億円、その前が34億円、来年仮にこの177億円全部つけば、それだけで277億円で、もうはっきり申し上げれば、390億円のうち300億円近くを予算化してしまうという状況にありますので、過去のSSCとか、今素粒子物理学界を震撼させているインターナショナル・リニアコライダーとか、ITER(イーター)問題からすれば、そんなとても大きな問題にはなりませんので、その辺はX線自由電子レーザーに関するきちっとした説明をしていなかったことが、もし無用のご不安と混乱をお招きしたならば、それは十分おわびをいたしますが。

【北澤主査】
 これは無用な混乱では全くなくて、もう本質にかかわることで、ナノテクノロジー・材料分野の計画が全く立てられないと。つまり、そのほかの予算によって決まってしまって、ここの委員会で考えるようなプランというのは全くなしということでよろしいですか。

【高橋室長】
 X線自由電子レーザーのことについては、局長からもご説明申し上げましたので申しませんけれども、私どもとしては、ナノテクノロジーの材料分野ということで、これからどういう計画を立てていくのか、プロジェクトを立てていくのかということは、これはまた別途考えてございます。
 そういう中で、20年度につきましては、ナノネットの拡充と元素戦略の拡充ということで私どもは考えているわけでございますが、もちろん21年度、22年度に向けまして、X線自由電子レーザーの額が減ってくるであろうというようなことも踏まえて、我々としては先を見た計画というか、準備をしていかなきゃいけないなと。もちろん、当然それは考えてございます。
 そういった中で、局長から今ちょっと話がありましたようなことは、つまり20年度は最大瞬間風速じゃないですけれども、残念なといいますか、若干障害が発生しておりますけれども、21年度、22年度と見た場合に、これから先ナノテク・材料分野にどういう施策が必要なのか。例えばキーテクノロジーみたいなプロジェクト型の研究を引き続き推進していくべきなのか、それとも基盤的なナノネットワークみたいなものの充実に内局予算を使っていくべきなのか。そういった議論をここで、リーディングプロジェクトも終わり、ナノテクバーチャルラボも終わりというような中で、少し整理していくということでないと、逆にこれから先の全体の計画ということも立てられないのかなと思っておりまして、本日の評価いただいたキーテクとLP結果なども踏まえながら、今後の進め方についてはまたご検討いただいて、また我々も一生懸命勉強しますので、ぜひともご指導よろしくお願いします。

【北澤主査】
 できれば、これは材料室もかかわるんだと思いますけれども、全体のナノテクノロジー・材料分野の研究開発の推進という、これは一体どこが管轄しているのかということをはっきりさせていただきたいんです。これが材料室だというのであれば、ここの委員会で予算要求の原案全体を決めることができるはずですね。

【高橋室長】
 こちらは一応全体を、一覧表という形で取りまとめているのは私どものほうでございます。ただ、既にほかのところでいろいろな議論もあり、そういったこともございますけれども、国家基幹技術といえども、X線自由電子レーザーの議論については、ナノテクノロジーの分野と非常にかかわりが深いということを前提にこういう形になっておりますので、20年度、またその先の計画について、こちらにご紹介してご議論いただくということはもちろん可能でございます。それを私どもが省いてしまったことは申しわけございません。

【北澤主査】
 できれば、これを管轄しておられる基盤、どこでしたか、基礎基盤課ですね。

【高橋室長】
 はい、基礎基盤研究課でございます。

【北澤主査】
 基礎基盤研究課から、一度この全体についてご説明いただくことはできませんか。

【高橋室長】
 わかりました。

【徳永研究振興局長】
 今うちの局の話で、伝統的なこれまでの経緯を踏まえた所管でやってきたんですけれども、私の目から見ても少し、特に研究基盤、産業連携課の所管事業とこの分野と、結構あちこちになっていまして、中には正直言いまして、あまりこういうところで事業名を具体的に言ってはいけませんけれども、佐野君の産学連携担当の課でやっている先端計測機器技術のほうが、よっぽどナノテクに関係する予算ではないかというようなこともあって。
 逆に言うと、多分にナノテク・材料委員会ではありますが、単に基礎基盤研究課の中の材料室が所管をしているから、たまたま課の所管の予算のことをご議論いただくんですが、厳密に言うと、正直言って、現にあちらのほうの先端共有イノベーションが、去年はナノテクファンデーションか何かと一緒に要求したんですけど、両方の事業が似ているからというので財務省のレベルで一緒にしろと言われて一緒にしましたし、そのほか先端計測機器技術なんていうのは、まさにほとんどナノテク予算といっても差し支えないと思っていますけれども、そういうものもありますし。
 逆に言うと、課の所掌分野と研究分野が必ずしもマッチしていない分野がありますから、そういう意味では、もうちょっとほかの課のやつも含めてウイングを広げたほうが、先生方にもご安心していただけるのかもしれません。

【岸委員】
 ただ、そうは言いましても、今ほんとうにつらいところにあるんです。先ほど、大型装置がヨーロッパなどで中に入っているという話をしたんですが、彼らは明確に1,800億の年間予算に動こうとしていますよね。5割増ぐらいのナノテク・材料予算に動いているわけです。その中の話なんです。だから、それは一緒にされたら大変だなという気がありまして、今北澤先生が心配しているのは、我々は実感があるんですけど、ここのところ、ナノテク・材料関係の伸び悩みというのはものすごく深刻な問題ですよね。ですから、そこら辺はよくご理解いただいて考えないと危ないかなという気が。財政問題は十分理解しても、つらいところなんです。
 ですから、アメリカもヨーロッパも、ほんとうにここのところ増やしていますので、そこのところをどう考えるかですね。

【田中委員】
 予算について言いますと、今、岸先生がご指摘のとおりで、この3年ぐらいの間に大体日本とアメリカとでは総予算に違いはなかったんですけれども、今は大きく差ができております。ご存じだろうと思いますけれども、数百億の差ができています。ヨーロッパ、EUはもう倍増にするということと、ドイツが急激に増やしてきている等々ありまして、その中で手当をしていることであって、日本の場合は、これはかなり個々のいわゆるナノテク・材料の本家本元の研究にはかなり影響が出るだろうと思います。ぜひこれはどこかできちっと議論をしていただくというか、説明をしていただく必要があるのではないかと、この委員会としては。私はそう思います。
 それから、これは質問ですが、光・量子ビームを中心とした融合振興分野研究開発、これは何年計画なんでしょうか。単年度ではないと思いますが。

【下岡補佐】
 5年から10年を目指しております。一番最後のページをごらんいただきますと、一番下に矢印が書いてありますが、約5年から10年という形で、今検討しているところでございます。

【北澤主査】
 これは総予算は幾らですか。

【下岡補佐】
 まだ検討中です。

【徳永研究振興局長】
 その総予算、プロジェクトに全体のボリュームが決まっているような事業ではないです。

【北澤主査】
 ただ、軒先をお貸しすると母屋になってしまうわけです。X線自由電子レーザーみたいに。そういうものではないんですか。

【高橋室長】
 ええ、これはそういうものではないです。国家基幹技術のように、あらかじめ方針なり計画がなりが決まって、それを遂行していくものではございません。これはまさに、毎年毎年の議論の中で考えていくべきことであって、ただ構想としては、5年とか10年とか、そういう構想は持っていますけれども、あくまでも毎年毎年の中での議論を経て進めていくべきものでございます。

【北澤主査】
 実は、ほかのほうも見ながらという徳永局長のお話だったんですが、今度でナノテクバーチャルラボが、CRESTから全部終了して終わります。それで、ナノテクはそれだけでも大打撃を受けることになってしまうんです。ほかのほうで増えていかないと。それで、例えばJSTでもそれをどうするかということで一生懸命努力していますけれども、ナノテクバーチャルラボなき後に、もう一度ナノテクバーチャルラボをつくるところまでは残念ながらできませんでした。ですから、それはもう純減なんです。それから、リーディングプロジェクトとか、そういうのもどんどん終わっていきます。
 その終わったやつを代替する新たなものをつくっていかないと、ナノテクとしてはどんどん減少していってしまうという状況にあるわけで、そのときに新しい計画を立てられない状況になってしまっているというところが一番問題なので、そこのところをよくご理解いただいて、JSTでも、一生懸命そこのところがそんなに大幅減というようなことにならないように努力はしたいと思いますけれども、これは徳永局長にも、この点は振興局の中をよく見張っていただいて、非常に大きなひずみがナノテクに出ると、我々は国際競争力を何とかしますといった約束を果たせないということになりますので、ぜひそこのところはご配慮いただきたいと思います。

【徳永研究振興局長】
 そこは私のほうも、正直申しまして、ライフサイエンス予算というのは、何がライフサイエンス予算で何がライフサイエンス予算じゃないかとかいうことが、比較的今まではわかりやすかったと。最近になると、だんだん橋渡し研究なんかをやっていますから、臨床医学まで全部ライフサイエンス予算の中に入っちゃって、どんどんどんどんわからなくなっていますけれども、そういう意味で言うと、光科学技術なんかもナノテク・材料分野にはかなり関係するんですが、これもこの分野の関係者からすれば、ぜひ第4期の科学技術基本計画には、新しい重点5分野にしてもらいたいと思って、光科学技術分野と言ってらっしゃる方もいらっしゃるわけでございます。
 おっしゃるように、そういう意味では、ナノテク・材料ということも、言葉としてはかなり流布しておりますが、実際にナノテク・材料分野の中で何が具体的な研究内容なんだということを、私なんかが結構国会の先生方とか、関係の省庁の担当官に説明をしても、若干輪郭が広過ぎて漠としてよくつかめない。要するに、エネルギーとかロケットの予算は非常にわかりやすいんですけれども、ナノテク・材料のほうは専門家にはわかりますけれども、そういう意味ではこれがナノテク・材料予算ですということが、ぜひ短期的な観点、あるいは中期的な観点、さらに長期的な観点で、ナノテク・材料科学技術分野というものの研究内容がより魅力的に見えるようなお考えをここでいただきたいと。
 そういう意味では、光科学技術分野というのは、そういう関係する先生方がぜひ第5の重点分野にしたいというようなことで上げましたけれども、そうはいってもかなり重複しておりまして、きょう、光科学技術の報告書はない?お配りしてない?

【高橋室長】
 はい、あります。

【徳永研究振興局長】
 お配りしますと、ほとんどナノテク・材料の分野じゃないかというようなことも入っていまして、いわばくくり方という問題もあるので、その辺は逆に大いに先生方のお知恵を出していただければと思っております。
 まず、私どもも十分そういったところは、普通どおり毎年毎年予算を獲得していくというのも、学問分野それ自体の必要性なり、定性的な性質というようなこと、また別の政治学的なダイナミクスを要する面もありますので、魅力的なプロジェクトがあればやはり予算をとりやすいという面があることは間違いないと思っております。

【川合委員】
 さっき北澤さんが言ったのと全く同じことなんですが、配られている参考資料の表を見ていただくとすごく一目瞭然なんです。ちょうど第3期が始まるときにナノテク・材料委員会としては今後、今徳永さんが言ったような魅力的な方向ということで検討させていただいて、わかりやすいいろんな例も挙げながら方向づけをしたと思うんです。そういう中で施策されていくべきだと思うんですが、19から20のところで、左側のJSTというグリーンのところが極端に減っていますよね。それから、キーテクのところが少しつなぎみたいには出ましたが、LP、水色の部分もぐーんと減って、要するにこの委員会としても、非常に魅力的な、しかも海外と競争できるようなプランをつくったのが、先ほどの自由電子レーザーのような大きいものが入ったために、非常に途切れているという感覚、これは多分事実だと思うので、ぜひこれはうまく対処しないゃいかんなということだと思うんです。
 これを見ると、ここでほんとうに減って、それで自由電子レーザーと量子ビームが入っているという感じなので、ぜひそこはご検討ください。

【北澤主査】
 では、澤岡PD、お願いいたします。

【澤岡PD】
 私は、キーテクのPDとして、きょうは評価を見せていただくためにオブザーバーの形で出席しておりますが、別途研究経過評価分科会のほうの分科会長をやっておりまして、ライフサイエンス、いろんな委員会から来年の概算要求に関する要求、それからまとめが28日に出てきて、そこで分科会として決定する予定なんですが、このX線自由電子レーザーについては、別途検討するための懇談会、委員会のようなものがあって活動して、報告書も出しておりましたので、その委員会、懇談会のほうからそういう提案が出てくるのかと思っておりましたら、このナノテク・材料分野の1つとして出てくるということで混乱が、実際の検討はしかるべきところで営々とやってきたと思うんですが、そことこの委員会の意思疎通というのは全くないままで、ただ、28日ですから時間がもうないという状態で、この委員会が大変クレームをつけてノーと言った場合に、この後この話が一体どうなるのか大変不安なんですが、局長が心配するな、任せておけとおっしゃったように聞こえたんですが、それを信じてこれだけは、ナノテク・材料の基幹にかかわる部分だけは致命的な打撃がないような約束だけはしてほしいと、北澤先生はおっしゃっていると思うんですが、そのあたり、時間的に、紳士の約束として大丈夫だよというあたりでいくしかないような気がするんですが、甘いでしょうか。

【北澤主査】
 いや、やはりそういう状態であるという、非常に危機の状況にあるということを、例えば本年度の予算、平成20年度の概算要求の関係資料を今、我々としてはこの委員会で了承しようとしているわけですけれども、その予算を見ると、ナノテクの予算としては、書かれているのは実は左側の予算だけで、これを全部足し合わせても35億なわけです。それで、右側の予算を足し合わせると、これで200億なわけです。それで、左側の中にも実は量子ビームも入っているという状況なわけです。ですから、そういうことからすると、このナノテク・材料分野で考える予算は10分の1だけだと。実はナノテクにカウントされている中の10分の1だけなんだということを、我々としてはよく認識した上で、これを了承するかどうかを決めたいと思うんですよ。

【高橋室長】
 そこはちょっと資料のあれで申しわけないんですけれども、ここに出ているのはプロジェクト型の研究として、内局予算で進めるものの……。

【北澤主査】
 新しい内局の予算ですよね。だから、新しい内局の予算は10対1なんだという認識で我々は考えていると。

【高橋室長】
 例えば、物材機構の運営費交付金などは、ここには数字としては出てきておりませんので、今年度であれば160億とか170億程度の運営費交付金がございます。それはここでは数字としてはあえて出しておりませんけれども、それはちょっとお含みおきいただきたい点でございます。

【北澤主査】
 だから、新たに考える施策、新たな施策と言えばいいですかね。文科省がお考えになる新たな施策は、ナノテクノロジーと言っているけれども、実はその10分の1がナノテクノロジーであるということで、我々としてはきょうのプロポーザルを了承するということになるのかなということを申し上げたんです。その認識を持った上で、つまりナノテクノロジーにはこれだけの予算をつけたではないか、何をしているんだといつも政治家なんかに我々は迫られているわけですけれども、実はナノテク日本の全予算のうちのこの程度はこういう予算であってという、そういう言いわけをしなきゃならなくなるのかなということがちょっと心配だということです。
 ここではこれ以上議論しても、これは日本全体でもうちょっと難しい問題がたくさんあるようですので、ここではここまでにしたいと思うんですが、まだどなたかご発言されたい方はいらっしゃいますか。時間が来てはいるんですが。

【魚崎委員】
 これ全体をもう議論しないんですか。これというか、自由電子レーザーの話はやめるということですか。この書類の中のところ……。

【北澤主査】
 はい、わかりました。では、ほかにありましたらお願いします。自由電子レーザーは、ここで議論を打ち切ってよろしいですか。打ち切らざるを得なくなったかなと思いますけど、そういうことにしたいと思います。
 では、最初に魚崎委員。

【魚崎委員】
 この中の元素戦略のところで、燃料電池のほうは非常によくわかるというか、これは触媒の話ですからいいんですけど、もう1つの電池のほう、リチウム・コバルトフリー二次電池と書いてあるほうは、これの意味といいましょうか、基本的な話なんですけど、燃料電池のほうは、反応は本来出るべき出力なり何とかが出ないと。それは触媒で変えるということで、白金のかわりに何か別のものはありますかという話なんですが、一方、二次電池のほうは、これは熱力学で決まっているエネルギーですから、例えばリチウムを用いない革新的な電池といっても、これはある程度予想がされるような話ですよね、重さと何とかと元素を考えれば。その辺のところが、コバルトは担体ですからいいんですけれども、リチウムを使わないというときに、どういうことまで考えて言っているのか。熱力学の話と速度論の話で意味合いが大分違うんです。
 そこは細かいことと言えば細かいことなんですけど、ここにこう書いたときに、リチウムを用いない革新的電池というのはどういうことを想定しているのか。これは代替材料を考えれば、元素の原子量は変わりませんし、これの酸化源というか、電子の出しやすさも変わらないので、それはもう熱力学で決まって、そこへどう統括するかというのは触媒の話ですけれども、その辺がリチウム・コバルトフリー二次電池というものでは少し気になったんです。

【北澤主査】
 今、魚崎委員の質問は、リチウムという言葉がなければそんなに問題ではないと、そういうことですか。コバルトは確かにいいと。

【魚崎委員】
 まあ、そうですね。いいですけど、「リチウムを用いない革新的電池」って、そんなものはどういう想定、リチウムじゃなくて、ナトリウムならいいのか。でも、ナトリウムになれば、原子量は10倍ぐらいになっちゃいますから自動的に難しい話になるんですけども、そういう「リチウムを用いない革新的電池」とは、アルケミーみたいに突然何かがあらわれてくる話ではなかなかなくて、初めから持っているものが決まっていくんじゃないかという。

【下岡補佐】
 すいません、確かにコバルトとリチウムを併記して大変申しわけないんですが、コバルトのほうはいわゆる希少元素代替という観点ですが、リチウムは最近報道されたように非常に不安定でよく発火するということがございますので、運送のほうもことしは新規案件で出していただいておりますが、そういったものではリチウムを使わない電池、併記したのがちょっと誤解を生む形で申しわけありません。

【魚崎委員】
 本来的に不安定だからものすごい出力が出るというもともと抱えた問題があって、出力も大きいけど不安定じゃないというのは、あるのかもしれませんけど、ちょっと考えるとないんじゃないかなと思いますので。

【遠藤委員】
 今、魚崎先生がおっしゃっているとおりで、二次電池というのは過去150年間にほんとうに使われたのは4つしかないんだよね。鉛電池、ニカド、ニッケル水素、リチウム、この4つなんですよ。それで、鉛電池は150年前に開発されたんですけど、いまだに自動車のバッテリーで最も有用な方法なんです。ですから、リチウムというのは大体究極なんですよ、今のエネルギー密度からいって。最も軽くて、最も小型の電池になっているんです。
 ですから、これを倫理的に変えるということはあり得ないんです。むしろ、今いろいろ問題になっている究極の安全性をどうやってつくり出すか。これはもともとリチウム電池は日本でつくられた日本の世界技術なので、それが今ちょっとした問題を起こしているので、むしろその辺について、どうやったら安全性が高まるかというところだと思うんです。
 自動車メーカーも、今、事実、この技術そこが日本発のハイブリッド技術の究極だという認識で、膨大な資金をつぎ込んで、ほぼめどをつけたんです。ですから、次世代のハイブリッドは間違いなくこれになるんですけど、そういうものを逆にもうちょっと最終的にサポートするような発想ですね。脱コバルトは非常にいいので……。

【北澤主査】
 お二人にお伺いしたいんですが、「リチウムを用いても画期的に安全な電池」と、仮にここの表現を「リチウムを用いない」ではなくて、「安全な電池」と言ったときに、リチウムを用いてしかも安全にする電池の技術というのは、こういう文科省がやるような研究としてふさわしいとお考えになりますか。そういうレベルですか。

【遠藤委員】
 それは可能です。まだ科学は必要です。例えば、水の中にリチウム電池を入れると、ほぼ爆発的に反応するんですけど、そのリチウムを入れておく入れ物を今カーボンを使っているんですが、それ次第では爆発的に反応しないカーボンが可能になってきたんです。
 それから、正極をコバルトなんかを使っていると、放電のときに発熱反応をするんですけど、発熱しない負極も正極も見つかってきているんです。そういう意味では、そこの科学をもっともっと最終的に突き詰めると、日本で生まれた世界の技術を、今はどちらかというとアメリカの技術に少し流れているんですけど、もう一度引き寄せられると思うんです。それをやったときに、ほんとうにハイブリッド技術、環境エネルギーに大々的に貢献する、すばらしい完成度の高い技術になると思うんです。

【北澤主査】
 そうすると、必ずしも「リチウムを用いない」と書く必要はないですよね。

【魚崎委員】
 書いちゃうと、これはどうなるんですかと。

【北澤主査】
 だから、「安全な」という、そちらを重んじて書いていただくということができれば、今の問題は解消しますね。

【下岡補佐】
 修正させていただきます。

【遠藤委員】
 だから、むしろ「革新的リチウム電池」とか「革新的二次電池」というふうに。

【北澤主査】
 それでは「安全な」ということを入れて。ありがとうございました。

【玉尾委員】
 今のもちょっと関係しますが、これはおそらくこの前ヒアリングに出てきた二次電池みたいなものを想定しているところもあるのかなとも思うんですけれども、そういうのと関係して、私がこの提案を受けたときに、もう少し化学のエネルギー環境資源問題全部を解決するのにも、やはり物質合成のあたりの触媒機能であるとか、そういうものをここへ例示として入れておいてほしいと書いていたんですけれども、そういうものがこの中に1つ含まれていないと、あまりにも偏っているという気がどうしてもします。これでいくと化学はまず入ってこないですね、ここに書いてあるものだけでいきますと。どうしても基盤的なものが出てくる……。

【高橋室長】
 これもさっきの話の続きみたいになっちゃうんですけれども、実は我々、今、内局予算と並行して、JSTにお願いする戦略目標の局内の審議も行っているんです。戦略目標のほうは、こちらの委員会でご議論いただかないのであえてご披露はしていないんですけれども、役割分担として内局予算ではわりとこのような形で、どちらかというともう少し堅実なという言い方は悪いんですけれども、出口に近いような役割分担にしておいて、JSTにお願いする戦略目標のほうには、我々としては化学、有機合成とか、そういうのを中心にしたより基礎的な、基盤的な、挑戦的なものを中心にやってくださいと。そういうすみ分けをして出しているんです。
 このすみ分けがないと、共倒れになっちゃって、同じものを2つ出すわけにいかないので、若干こちらを、少しそういう意味では玉尾先生からなんかからすると、これはちょっとというものがあるかもしれませんけれども、それはそういう事情がありますので、あえてそういう……。

【玉尾委員】
 それはむしろ避けているわけですね。

【高橋室長】
 ええ、強調している部分もあるんです。結局、内局予算と戦略目標と同じような内容では、これはもうだめなわけですから、そこをうまく役割分担をして出していくという中で、若干強調しているようなところもありつつ、こういうふうな形で考えています。

【玉尾委員】
 僕が送ったときにも、これは内局予算に限っていて、ほかのJSTのほうは別途やっていただいているんでしょうねということを書いたんですが。

【高橋室長】
 はい、やっています。

【玉尾委員】
 そういう理解で。

【高橋室長】
 はい、そういうことであります。

【玉尾委員】
 全体的にそういう取り組みをきちっと説明しているようだと、これはこれでよいのかということにはなるかとは思いますが。

【高橋室長】
 もちろんこちらは財務省との関係でこれから議論していきますが、内局予算のほうも局内での検討をして、この冬の段階で概算要求と同じようなタイミングで、どのような戦略目標をJSTにお願いするのかというのを局として決めるという手続がございますので、これは我々としては並行して議論を進めてございます。

【玉尾委員】
 わかりましたが、そうすると、むしろこれだけ具体的なターゲットを決めているようなもので、産学連携枠を外すというのはほんとうに得策なんですか。そこがどちらがいいのか、むしろ理解しにくくなるんですけどね。

【高橋室長】
 これはあくまでわかりやすくした事例というようなイメージであれしていますので、もちろんこれはどういうものを載せるかというのは、今後さらに工夫をしますけれども、ここに載っていないからすべて排除されるとか、そういうものではないということでご理解いただきたいんですけれども。

【井上委員】
 ちょっと教えていただきたいんですけど、この量子ビーム利用プラットフォームの構築というので、これは取り上げていただいていて、多分J-PARC関係の人が大変喜ばれるんだと思うんですが、ちょっと確認を。このJ-PARCが来年の10月、秋からということで、これはJRR-3、J-PARC、こういうあれで、これはナノテクの予算としての範疇で出されると。あるいは、これは環境、ライフサイエンス、医療分野連携で出されているという予算ですか。どういう位置づけなんですか。

【下岡補佐】
 これもX線自由電子レーザーと同じになってしまいますが、局内の検討では、一応すべてナノから出す予定でございます。

【井上委員】
 ああ、ナノテク。そうしたら、J-PARC、JRR-3も、ナノテクはほんの一部ですよね。だから、こういう場合に、4大分野だとか、先ほどの自由電子レーザーも同じなんですが、国の方策としてナノテクだけではなしに、むしろこういうふうなものこそ全分野にまたがると。総合科学技術会議なんかでも非常に理解が得られやすいんだとすると、こういう全分野にまたがって日本の基盤技術、J-PARCを議論したときは全部基盤技術ですよね。それが今、実際にこういう動きをしてほしいというユーザーからの動きがあって、ふたをあけてみたら、これがナノテクだということになると、やっぱりちょっと違うと思われるんです。
 実際のユーザー、これは非常にありがたい、多分大学関係でも大変ありがたいシステムができ上がるということなんですが、先ほどの自由電子レーザー、そういう感じでの共通基盤的なものは別予算立てにね。何かそのほうが、対財務省に対しても説明しやすいような気がいたします。それが1つ。

【北澤主査】
 井上委員、今は説明しにくいんですよ。

【井上委員】
 しにくい?

【北澤主査】
 ええ。しにくいようになっているわけです。

【井上委員】
 それは連携すると?これは例えばJ-PARCのものすごい予算を1,000億円近いあれでやってきたのは、あくまでも基盤技術ということでやってきたと。だから、そういう意味での自由電子レーザー云々でも、J-PARCの説明のときに、これもわりとパラレルで出てくるんですよ、自由電子レーザー。ところが、実際の運用になってくると、こうなってくるとなると、そのあたりが1つ。
 それと、J-PARCなんかで例えば光熱水料なんて180億とか190億とか、あのあたりの予算はKEKだとか、あちらのほうの運営費交付金として、あるいはJAEAだとか、そのあたりに与えられるという位置づけですか。

【徳永研究振興局長】
 要するに、基本的にJ-PARC自体に限れば、これははっきり言って半分は素粒子物理学の予算です。ですから、これは学術予算なので大学の予算で、片方の予算はエネルギー予算です。したがって、建設経費と運転経費は素粒子物理学と、それはすなわち高エネルギー物理学研究所の予算と原研の予算でやるわけです。
 ただ、ここはそういうことではなくて、いわばうちのほうで全体として、あちこちに放射光施設もできていると。それから、今回大学の予算でも、さらにSPring-8に、東京大学をはじめとする全大学共用ビームラインをつくるとか、さらに佐賀県の放射光施設にも、九州大学を中心にやっぱり全大学共用のビームラインをつくっていくと。どんどんどんどんそういう意味では量子ビームの利用が増えていきますから、そういう量子ビームの利用をプラットフォームをつくってワンストップサービスを実現しましょうということで、いわばナノテクの分野の方が、主たるユーザーとして多いのではないかということで整理しています。
 おっしゃるように、全体としてJ-PARCそのものは違いますけれども、いわば研究インフラストラクチャーみたいなものをどうするんだというものは、今まで全然予算もありませんし、例の第3期基本計画でも事柄として言及はありますけれども、基本的な位置づけはないので、そういうものを無理やり各分野の中に入れ込んでいるということ自体がいろんな誤解を生んでいるわけですから、将来的には、私もさっき言いましたように、そもそも基礎基盤研究課がSPring-8を持っていること自体が、もうそろそろ時代的に間違っているので、それこそそういうものを研究環境、産学連携から移していくべきではないかというようなことを時々個人的には思っておりますけれども、そういう研究インフラみたいなものをどういう形で、これはバイオリソースみたいなものを含めて、いわば機器的ハード、バイオ全体としてリソースというものを、もう少しきちっと位置づけていくというのはまさに賛成で、少なくともSPring-8の運転経費については、この19年度予算から共用交付金という形ができましたし、このJ-PARCの関係者も、少なくとも高エネ研サイドのK中間子のほうはなかなか難しいですけれども、原研サイドのほうからは岡崎理事長のほうと、原研サイドのほうからは、ぜひあれも共用施設にしてもらいたいという陳情も受けて、要望も受けておりますから、そういう意味で、井上先生がおっしゃったような方向で少し整理をしていくというのが中期的には大事な課題だと思っております。

【井上委員】
 あと1点だけ。これは、どこが主に将来、2億8,300万の運用は、新しくこういう組織体ができるんですか。

【下岡補佐】
 うちの基礎基盤研究課にあります量子放射線研究推進室が担当いたします。

【井上委員】
 担当するけれども、実際に行うところはどこがやるんですか。KEKがやるんですか、あるいはJAEA、あるいは第三者的な組織ができ上がるの?

【徳永研究振興局長】
 そこのところは多分ワンストップサービスを担う主体ですから、そこは多分全国から、今のところほかのライフサイエンスでやっているような手法を見ますと、こういうところをうちが引き受けますよということを公募する形になります。それこそ今、橋渡し研究とか、ライフサイエンスの分野の臨床応用なんかだと、例えば先端医療振興財団みたいなところが引き受けてやっておりますけれども、そういう意味では多分どこかの法人、大学、あるいはコンソーシアム、大学のコンソーシアムのようなものに手を挙げていただくようなことを多分競争的にお願いするだろうと思います。

【北澤主査】
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、時間が大分過ぎてしまってすいませんでした。徳永局長もせっかくいいところにおられたので、ついついいろいろと言葉が自然に出てきてしまいましたが、やはり我々、危機感を感じているところもありまして、きょうはちょっと時間を延ばしてしまいました。すいませんでした。
 あと、事務局のほうからお願いします。

【下岡補佐】
 本日ご議論いただきましたキーテクノロジーとLPの評価につきましては、先生方の評価を反映したものをメールにて再協議かけさせていただきますので、そこで特段コメントありましたら、また返信していただければと思います。
 あと、X線自由電子レーザーのお話はいろいろ議論がありましたところでございますけれども、研究計画・評価分科会においても、内閣府の総合科学技術会議においても、いわゆるナノテク・材料委員会の分野としては評価しない、別のところで評価することになっております。そういった観点では、本日言及するのが遅くなって申しわけないですが、資料の6と7のX線自由電子レーザーとか大型のものを除くものについて、内局の新規案件、拡充案件について先生に評価していただく必要がございます。事前にメールでは紹介させていただいているところでございますけれども、もし再度コメントがありましたら、こちらのほうにいただければと思います。
 ほんとうはこちらもよく見ていただきたいんですけれども、見ていただいた上で特段問題なければ研究計画・評価分科会のほうにかけさせていただくことになりますので、メールないしは郵送、ファクスにてコメントいただければと思います。
 以上でございます。

【北澤主査】
 ちょっと待ってください。最後に言われた資料6というのと、資料7というのがありまして、資料6は、平成20年度拡充課題に関する事前評価票ということで、先ほどのナノテク・ネットワーク、それから元素戦略、この2つが提案されていて、それをここで事前評価の案ができております。これは、きょうかなり細かくまでは見なくてもいいということですね。

【下岡補佐】
 言及するタイミングが遅くなって申しわけないんですけれども、一応中を見ていただきまして、これではまずいと、これは事務局のほうで作文させていただいたものでございますので。

【北澤主査】
 これは先ほど一応説明していただいたんだと思うんですけれども、これについては、中身についてもし問題がありましたら事務局のほうに言っていただくということにしてよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。

【下岡補佐】
 申しわけありません。よろしくお願いします。

【北澤主査】
 それで、科学技術・学術審議会の計画評価分科会が間もなくあるんですよね。

【下岡補佐】
 はい、28日でございます。

【北澤主査】
 それで、そこにきょうのことをご報告することになっているんです。それで、報告は私がするんですか。

【下岡補佐】
 お願いします。

【北澤主査】
 そうすると、また少しきょうに近いことをちょっと言ってしまうかなという感じがしないわけでもないんですが、それもありつつ、徳永局長が言われたことをよくかみしめながら、ご報告するということにしたいと思いますが、やはりナノテクノロジーにとって、これは問題点もあるんだということだけは指摘する形でご報告したいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

【下岡補佐】
 はい、ぜひお願いいたします。

【北澤主査】
 はい、どうもありがとうございました。徳永局長、最後までおつき合いいただきましてありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。

─了─

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