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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 科学技術・学術審議会 > 研究計画・評価分科会 > 情報科学技術委員会 計算科学技術推進ワーキンググループ(第4回)配布資料 > 資料2−3

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資料2−3

将来(2010年前後を想定)の

スーパーコンピューティング環境への要望について



平成16年11月

日産自動車株式会社

グローバル情報システム本部

石井 芳



1. 現行のスーパーコンピュータシステム及び利用状況について

現行スーパーコンピュータシステム導入の背景
衝突、NVH、空力・空調、エンジン燃焼、強度・剛性・耐久、等の性能解析 シミュレーションを精度良く短期間に行うことで、自動車開発におけるQCDの向上を図る。

システム概要
衝突解析:IBM-pシリーズ(1600ギガフロップス)、NVH解析:IBM-pシリーズ(600ギガフロップス)、CFD:ベクトルおよびIA64(600ギガフロップス)、パワートレイン: IBM-pシリーズ(1600ギガフロップス

現行スーパーコンピュータシステムの利用状況
24時間365日常時稼動、CPU稼働率平均60%

2. ペタフロップス超級スーパーコンピュータシステムのインパクトについて

調達の条件(コストパフォーマンスをどう評価するか)
コスト:CPU、メモリ、ディスクシステム、通信システム、等のハードウエアトータルのコストに市販ソフトウエアのライセンス費用も含めてシステム全体のコストで評価する。

パフォーマンス:ハードウエア単体の性能ではなく、アプリケーションと組み合わせた時の性能で評価する。アプリケーションによりCPU、通信、I/Oへの依存度が大きく異なるだけでなく、市販ソフトウエアにおいてはベンダーの開発姿勢に左右されるため、一概にCPUの速さだけでは評価することは難しい。

シミュレーション内容の変化へのインパクト
詳細化・大規模化が進み、仮説モデル・近似モデルが更に現物に近づくことで、解析精度の向上が期待できる。また、実験計画法などの多変量解析と組み合わせた最適設計・ロバスト設計への応用も期待できる。

3. 将来(2010年前後)のスーパーコンピュータシステムへの要望について

自動車メーカーは公的スーパーコンピュータセンターの利用者となり得るか?
(利用に際しての条件、利用しない・できない場合、その要因は何か?)
自動車開発において今後もますますコンピュータの利用度は高まる。しかしながら、コストだけでなく設置スペースの面からも単独企業でコンピュータリソースを拡大し続けるには限界がある。また、コンピュータの利用量は常に一定ではないため、ピーク対応などの運用面での難しさもある。以上より社外リソースの活用は有望と思われる。ただし、利用にあたっては、情報機密や遠隔地利用による利便性の確保といった運用面からの課題、データ転送や市販ソフトウエアの稼動といった技術面からの課題を解決することが条件となる。

国のスーパーコンピュータ開発推進へのご要望
研究者向けの設備ではなく、設計者向けの設備となるよう、汎用性の高いスーパーコンピュータの開発を希望する。

公的な共同利用スーパーコンピュータセンターの運用体制へのご要望 等
利便性と安全性(特に機密保持)を両立した運用を目指してほしい。


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