航空科学技術委員会(第56回) 議事録

1.日時

平成30年2月23日(金曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 18階 研究開発局会議室1

3.議題

  1. 研究開発プログラム評価(航空科学技術分野)における我が国全体の状況を把握するアウトカム指標の検討について
  2. 平成30年度予算案について
  3. FQUROHプロジェクト(機体騒音低減技術)の飛行試験結果について
  4. その他

4.出席者

委員

科学技術・学術審議会臨時委員  李家 賢一【主査】
科学技術・学術審議会専門委員  佐藤 哲也
科学技術・学術審議会専門委員  髙辻 成次
科学技術・学術審議会専門委員  武市 昇
科学技術・学術審議会専門委員  竹内 健蔵
科学技術・学術審議会専門委員  冨井 哲雄
科学技術・学術審議会専門委員  松島 紀佐
科学技術・学術審議会専門委員  山内 純子
科学技術・学術審議会専門委員  和田 雅子

文部科学省

研究開発局審議官  大山 真未
研究開発局宇宙開発利用課長  谷 広太
研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長  藤森 昭裕
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  坂本 和紀

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
航空技術部門長  伊藤 文和
航空技術部門FQUROHプロジェクトマネージャ  山本 一臣

オブザーバー

経済産業省
国土交通省

5.議事録

1.開会

【坂本課長補佐】 ただいまから,科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会航空科学技術委員会第56回を開会したいと思います。
 まず定足数について御報告いたします。航空科学技術委員会委員10名のうち,現時点で9名に御出席いただいております。定足数である過半数を満たしていることを御報告させていただきます。
 続きまして,配付資料の確認をさせていただきます。まず資料56-1-1ですが,少し厚い資料になります。続いて資料56-2-1は1枚紙になります。資料56-3-1はFQUROH(フクロウ)の報告資料で,これもそれなりの量の資料になります。それから,資料56-4-1,資料56-4-2,資料56-4-3。これらを配付資料として机の上に置いておりますが,もし落丁等ございましたらお知らせいただければと思います。
 事務局から,本日,航空科学技術委員会に初めて出席となります谷課長を,紹介させていただければと思います。

【谷課長】 文部科学省宇宙開発利用課長,谷でございます。
 平素より先生方には,大変お世話になっておりましてありがとうございます。
私自身,去年の夏に着任しておりますけれども,春から夏にかけての一連の委員会での様々な御審議を頂いた後に着任したものですから,御挨拶がおくれました。大変お世話になっております。どうぞよろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 それでは,以後の議事に関しましては,李家主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

2.議事

【李家主査】 皆様,おはようございます。お忙しい中お集まりいただきまして,ありがとうございます。今もお話がありましたが,去年の6月14日でしたか,それ以来8か月ぶりの委員会となりますが,どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,最初の議事に移らせていただきます。これは昨年度来いろいろ議論をされていた研究開発計画とも関連する事柄ですけれども,議題1の研究開発プログラム評価(航空科学技術分野)における我が国全体の状況を把握するアウトカム指標の検討について,御議論いただきます。
 では,事務局から御説明をお願いします。

【坂本課長補佐】 資料56-1-1ですけれども,研究開発プログラム評価における我が国全体の状況を把握するアウトカム指標の検討についてですが,まず,そもそもの研究開発プログラム評価について簡単に説明させていただければと思います。
 ファイルされている資料の中に研究開発計画というものが入っているかと思いますが,これは昨年2月に第5期科学技術基本計画に基づきまして文部科学省研究計画・評価分科会で取りまとめたものでございます。そのときの,前期の委員の先生には,いろいろ御審議いただいたものです。この62ページ,第6章の研究計画・評価分科会における研究開発評価の在り方というところがございます。この中で2番,研究計画・評価分科会における研究開発の評価の項目で,この評価については次の評価を実施するとあり,1,2と書いてあります。この中の2というのは, 総額が10億円以上の事業については,重点課題として評価するというものでございます。前回の6月の委員会では,コアエンジン技術の研究開発の評価を委員の皆様に御議論いただきました。
 一方,1番の中目標を単位とする研究開発プログラムの評価は,今までは行っておりませんでした。この研究開発プログラムの評価というものについて,今まさに研究計画・評価分科会で様式を定めて,こういう方針で評価していくということを決めようとしている最中でございます。これが,資料56-1-1の6ページ目と7ページ目になるわけですけれども,参考資料1研究開発プログラム評価の実施方法について,参考資料2研究開発プログラム評価の方法(案)として,研究計画・評価分科会で今議論をしていただいているものを,添付しております。
 先に飛びますが,資料56-1-1の15ページ目,参考資料3を御覧ください。研究開発計画における指標の再検討についてということで,これまでの経緯を書いております。研究開発計画では,第5期科学技術基本計画を踏まえて,中目標達成状況の評価のための指標として,アウトプット指標,アウトカム指標を検討し設定しております。
 これについて航空科学技術委員会でもアウトプット指標,アウトカム指標を設定させていただいております。ほかにも原子力あるいは量子だとか防災だとか,各委員会で検討してアウトプット指標,アウトカム指標を設定しているわけですけれども,指標に統一性がない,例えばある委員会では特許数をアウトプットに記載し,ある委員会では特許数をアウトカム指標に記載しており,統一性がないということで,引き続き検討するという状況になっております。
 また,アウトカム指標の粒度に違いがあるだとか,いろいろ指標の再検討について今議論がされているところでありますが,更にその中で中目標達成状況の評価のための指標としては,文部科学省の実施した事業に限定されているものの,施策の継続や見直しを検討するプログラム評価を実施し,PDCAサイクルを効果的に回していくためには,文部科学省の施策の成果・進捗のみではなく,当該分野に関する我が国全体の状況を把握することが必要ではないのかという指摘がなされました。
 例えば航空の分野では,航空の我が国全体の状況,今,航空科学技術がどういう状況か,我々はJAXAという研究機関を抱えているわけですけれども,JAXAではこう頑張っていますだけではなくて,我が国全体の航空科学技術はどうなのかという点も把握する指標が必要ではないのかと,そういう指摘でございます。更にその指摘にプラスして,国際的に比較してどうなっているのかという点も大事になろうかと考えられます。
また資料を飛ばせていただきます。7ページ目,参考資料2,研究開発プログラム評価の方法ということで,これは研究計画・評価分科会で,今,案を検討している最中ではございますが,次のページ,8ページ目と9ページ目が評価票案と様式案でございます。この中では8ページ目に真ん中の段に,「研究開発計画に記載の『中目標達成状況の評価のためのアウトカム指標』」として設定しているものの,それとは別に9ページ目,真ん中やや上の方に,「我が国全体の状況を把握するための指標」を新たに設けて,この部分について検討していくということです。この我が国全体の状況を把握するための指標について,今回この航空科学技術委員会で御議論いただければと考えているものでございます。
 いろいろ飛んで申し訳ありませんが,資料56-1-1の16ページ目,参考資料4を御覧ください。研究計画・評価分科会における我が国全体の状況を把握するアウトカム指標についてということで,これは昨年12月の研究計画・評価分科会で,たたき台ということで,このようなアウトカム指標が良いのではないかということで提案され,議論がなされた,そのときの資料でございます。目的としては,プログラム評価を実施するに当たっては,今までのアウトプット指標,アウトカム指標とは別に,当該分野に関する我が国全体の状況を把握するための指標を設定するということで,具体的な候補として研究計画・評価分科会の事務局が挙げた候補が二つがございます。
 まず候補1ということで,各分野の研究内容ごとの論文数,具体的に言えばWeb of Scienceという民間会社が作っているデータベースのサブジェクトカテゴリごとに分類した世界の論文数を共通の指標としてはどうかというものでございます。具体的には,18ページ目を御覧いただければと思います。候補1,各分野の研究内容(サブジェクトカテゴリ)ごとの論文数を指標とする場合として,例えば情報科学技術分野ですとサブジェクトカテゴリでは通信という論文数の固まり,以下同じようにサブジェクトカテゴリが書いてあるわけですけれども,それらの論文数を参考指標としてはどうかというのが一つの提案でございます。
 もう一つは,16ページに戻らせていただきますが,候補2ということで,社会・経済的に生み出される価値の内容等による指標というものでございます。これはサブジェクトカテゴリではなかなか動向を把握できないと考えられる分野については,研究開発の活動自体やその成果により社会・経済的に生み出される価値の内容,例えば産業データベースや温室効果ガス排出量などによる指標を利用することも考えられるということです。19ページ目,候補2ということで,社会・経済的に生み出される価値の内容等による指標とする場合の例として,航空科学技術分野では我が国の航空機の生産高・売上高の長期推移,これは次の20ページ目に書いてある数字でありますけれども,これが12月の研究計画・評価分科会の場では提案されています。航空の場合は,Web of Scienceの論文数ですと,サブジェクトカテゴリでは航空宇宙ということで,航空の論文だけではなく宇宙の論文も含まれた形で数が出されるということから,どちらを選ぶかとなったときに,宇宙が含まれる論文数よりもむしろこちらの方が良いのではないのかということで,12月の研究計画・評価分科会の場で提案されているところです。ほかに環境エネルギー科学技術分野も同じように候補2で提案されているところです。
 12月の研究計画・評価分科会において,候補1,候補2もあり得るということで,その場で委員の先生からいろいろな意見がありましたが,どちらもメリットもあればデメリットもあるということで,簡単に説明させていただきます。研究計画・評価分科会の場で,ある委員からは,候補1はサブジェクトカテゴリに分類されるものが非常に幅広になり過ぎているのではないかという意見がありました。
 例えば,19ページ目に防災科学技術分野がありますが,これについては地球科学だとか,地球物理学だとか,地質学だとか,どうしても防災以外の観点の論文も多く含まれるということが考えられて,本当にそれが直接防災にかかわっているものなのか,そうでないものも多くて見かけの論文数がどんどん増えていくのではないのかと,それでもって推移を捉えたり国際比較をしたりしても,それはどうなのかというような意見がありました。この意見については,航空宇宙というサブジェクトカテゴリにしてしまうと宇宙の論文数が含まれるということから,その点はどうかということで候補1は見送ったわけですけれども,同じような意見が委員の先生からあったというものでございます。
 また,論文数だけとなると,数にこだわってしまって,論文を出せば良いということになり,それはおかしいのではないのかという委員の先生からの意見もありました。これについては,絶対値ではなくて過去からの推移という観点,しかも国際的な比較を見つつ,そういった観点で検討していくことの方が大事ではないのかという御意見でありました。
 一方,候補2,航空科学技術委員会で挙げさせていただいた航空機の売上高等についても,デメリットとしてある委員から意見がありました。航空の科学技術力を上げても,それが実際に民間の航空機産業に展開するには時間的にラグがあるということで,PDCAを回すという観点からはややふさわしくないのではないのかというものです。さらに,候補2の場合は,外的な要素が影響することもある,例えば民間の景気だとかあるいは為替だとか,そういった要素も影響するので,候補2でもってすぐにPDCAを回すというのも,なかなか厳しいのではないのかという意見でした。むしろ候補1と候補2がどのような相関があるのかという検討をすることも大事ではないかというアドバイスも頂いたところです。
 それでは,また戻りますが,資料56-1-1,1ページ目を御覧ください。そのような状況で研究計画・評価分科会の場でもいろいろな委員の意見はありましたが,最終的には,航空も含めて,各分野別委員会にこれらを持ち帰って,指標の候補を検討するようにと,研究計画・評価分科会から指示がありました。そこで,今回この航空科学技術委員会を開催した上で,我が国全体を俯瞰(ふかん)するアウトカム指標について議論させていただければと考えております。
 2ページ目を御覧ください。2番,我が国全体の状況を把握するアウトカム指標の検討についてということで,事務局としては,昨年12月の研究計画・評価分科会での委員の意見も踏まえて改めて内部で検討した結果,現在三つの指標案を考えております。それを提示させていただければと考えております。
 一つ目がa,我が国の航空機産業の生産高の推移ということで,これは既に12月の研究計画・評価分科会でも提案されているものですけれども,改めてこれも提案させていただければと考えております。bが航空分野における特許出願数の推移,cが航空分野における論文数の推移,米,欧との比較というものでございます。
我々は研究開発計画において,もともと中目標自体に我が国産業の振興,国際競争力の強化に資するため社会からの要請に応える研究開発,次世代を切り開く先進技術の研究開発及び,航空産業の持続的発展につながる基盤技術の研究開発を推進すると設定しています。したがって,我が国産業の振興の観点から,特にaの我が国の航空機産業の生産高の推移や,bの特許出願数は,案としてふさわしいのではないのかということで,今回提案をさせていただいております。
 cの航空分野における論文数の推移については,民間会社が発行するWeb of Scienceの論文数ですと,サブジェクトカテゴリでは航空と宇宙というのが一つのまとまりになっていますので,これを何とか避けて航空だけを抜き出した論文数というものを今回提案をさせていただきました。このやり方であれば,航空だけに特化した論文数ということで,ある程度指標としてふさわしいのではないのかということで,今回cとして提案をさせていただいております。
 2ページ目,(2)番です。先ほども少し申し上げたかもしれませんけれども,今回,航空科学技術分野に関する我が国全体の状況を把握するための指標というものは,各参考指標の絶対値を評価に活用するものではなくて,参考指標の全体の推移,増減傾向等の長期的な視点で航空科学技術の航空産業への貢献度度合いを把握し,国内及び国際的な状況を俯瞰(ふかん)するために用いるものです。先ほど申したとおり,絶対値だけを重視してしまうと,単に論文数を増やせば良いといった観点になりかねませんので,そうではなくて国内的・国際的な動向を俯瞰(ふかん)的に見るためのものとして,今回アウトカム指標として設定させていただくというものでございます。
 3ページ目を御覧ください。初めにa,航空機産業の生産高の推移ということで,この表に書いてあるとおりSJAC(日本航空宇宙工業会)さんが調査されているデータを,そのまま活用させていただいております。ただ,ドルだとかポンドだとかユーロだとかというものについては,書いてあるとおり換算をさせていただいて,全て日本円で示させていただいております。
 まず,推移表を御覧ください。日本は平成24年度から27,28年度にかけて,かなりの割合で生産高は増えております。特にボーイングの787やボーイングの777については,日本はボーイングの機体を製造して,それをボーイングに納めているという状況から,777あるいは787という機体が相当売れていますので,必然的に日本のメーカーの売上高も増えているという現状がございます。エンジンについても同様で,国際分担の中で一定のシェアを日本が持っているエンジンがそれなりに売れているという状況から,生産高を押し上げているという状況が見てとれます。
 ただ,数字を見ていただければ分かりますが,日本だけで伸びているのではなくて,実は米国,英国,仏国,ドイツ,いずれも増えています。これはなぜかというと,そもそもボーイングの機体あるいはエアバスの機体それぞれが大きく売上げを伸ばしており,機体が売上げを伸ばしているからエンジンも売上げを伸ばしているということで,世界的に売上げが伸びているということでございます。日本も売上高としてはかなり急ピッチで伸びていますが,決して世界的に見て日本だけがすぐれているものではないということが,これでわかるかと思います。
 続きまして,b,航空分野における特許出願数の推移というものでございます。これは我が国の特許の推移ということで,独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営するウェブサイトに日本の特許の出願数が集計されておりますので,この中で航空分野と考えられるものについて抜き出して,これを表にまとめたものでございます。
 これも平成24年度から平成28年度の推移をデータとして示しております。結論からいえば,平成24年度から見ると,特に平成27年度あたりが,数値としてかなり増えております。平成28年度も暫定値ということで,これも恐らくもっと増えるのではないかと考えられます。
 特に平成27年度について何が大きく影響しているのかということをざっと見渡すと,航空というよりはドローン,いわゆる小型無人機,その関係の特許が非常に増えているという傾向がございました。ドローンだとか小型無人機というものが一時期新聞をにぎわせて,こちらについて将来の商売チャンスではないのかということで,企業だとかあるいは個人の方が,この時期に特許を非常に多く出願しているというようなことが,傾向として見られました。
 一方JAXAですと,ドローン等に関係するものは少なく,いわゆる普通のと言いますか,航空機全般の特許というのはJAXAは毎年同じような推移をしておりまして,そういう意味では昨今日本の特許数というのは非常に特色的なもの,ドローン関係の特許が大きく増えているという傾向があります。
 米国,欧州,そのほかについては,日本に特許を出願しているのは米国が圧倒的に多く,しかもこれが年々増えているという状況があります。米国でも半分以上を占めているのがボーイング社でございます。欧州もエアバス社がかなりの割合を占めていますが,それでもボーイングに比べると数が全然違うという状況です。
 次のページ,4ページ目を御覧ください。最後にc,航空分野における論文数の推移ということで,これはWeb of Scienceに登録されている全論文の中から,航空関連の論文と推測されるものについて抜き出したものでございます。具体的にどう抜き出したかについては,5ページ目の※2を御覧ください。航空関係の論文数として1から5,Aeronautical, Aircraft,Helicopter,Micro Air Vehicle,Jet Engineのいずれかの用語が使用されている論文をカウントしております。1から5の用語については,Web of Scienceのサブジェクトカテゴリ,工学・航空宇宙の論文集31件の表題に使用されている航空関連の用語として,この五つのワードを設定いたしました。
 これにより抜き出した論文数が4ページ目になります。平成24年から28年のデータになります。まず全論文数ですが,24年から27年に向けて全体的に増えています。航空関係の論文も増えているという傾向が見られます。一方,日本はと言うと,残念ながら全体の傾向も,航空関係,JAXAも含めてですけれども,そこまで増えているという傾向にはありません。米国,英国,ドイツ,フランス,いずれの国も若干増えているという傾向は見られますが,それでもそこまで大きく増えているという傾向はありません。これは全論文数も航空論文数も同じ傾向かと思います。
 一番特色があるのが中国で,これは全体の論文数もすごい勢いで増えていますし,航空関係の論文数もすごい勢いで増えています。もともと航空大国のアメリカが論文数で世界トップでしたが,航空関係の論文に至ってはアメリカを抜くような勢いで増えているという傾向が見られます。
 ということで,この論文数の推移を見る限りにおいては,特に中国というのが非常に気にはなる国ではありますが,残念ながら中国は,航空機の売上高・生産高について公表していませんのでどれくらい増えているのかということがわからないのですが,10年前と比較してかなり産業が発展している国でありますので,恐らく日本以上に航空機の生産高・売上高は急ピッチで増えているのではないかということは,推測はしております。
 以上,アウトカム指標としてa,b,c,それぞれについて,国際的にもこういう傾向が見られるという点と併せて,データを示させていただきました。いずれもメリットとデメリットはあるかと思います。ただ,いろいろこういう傾向を見ていく中で,もしかすると相関関係があるかもしれないということで,そういう点も含めて検討していくことは,今後も有意義ではないのかということで提案をさせていただいております。
 今後のスケジュールですけれども,今回,この場でアウトカム指標について委員の皆様の御議論を踏まえて決定した後に,次回の研究計画・評価分科会において各委員会から上がってきた案について再度審議し決定されるという予定でございます。次回の研究計画・評価分科会は3月下旬から4月上旬という予定になっております。なお,研究開発プログラム評価そのものについては,研究開発計画策定後2から4年後を目安に実施するとしておりまして,航空科学技術分野については来年度,具体的に言えば平成30年の後半から評価を開始する予定ということで,来年度ですからまだ先の話ではありますけれども,今回アウトカム指標について決めた後に,プログラム評価を実施していく予定としております。
 最後にもう一つ補足です。今回,a,b,c,三つの指標案を提案させていただきましたけれども,この中で一つに絞る必要はございません。恐らくほかの委員会はWeb of Scienceを使った論文数だけを出してくる委員会が多いのではないのかとは推測していますが,今回事務局としてはa,b,c,三つを提案させていただいております。その中から一つに絞る必要はなく,三つ全部を採択していただいても全く構いません。
 事務局からの説明は以上になります。

【李家主査】 どうもありがとうございました。
 事務局の考えがよくわかりました。12月の研究計画・評価分科会にも出席していましたが,今お話があったように,候補1の指標のみという委員会がほぼ全体を占めていましたけれども,今御説明がありましたとおり,航空科学技術分野では,なかなか航空関連の論文数を絞れないということで,候補2の中目標ごとの特性を考慮した指標案を最初に提案していただきました。今回の検討案としましては,最初に提案した候補2に加えて論文数も計算できるようになりましたので,それを加えたらどうかという御提案だと思います。これに関して委員の皆様から御質問や御意見等を頂きたいと思います。いかがでしょうか。

【冨井委員】 素人質問で申し訳ありません。宇宙と航空と言われますけれども,これを完全に分離するということは可能なのでしょうか。素人としては両方使う技術というのがあるのではないかと思ったのですが,それを切り分けるということで,専門家の方はどのようにお考えなのでしょうか。

【李家主査】 では,私から。
 航空宇宙は,ひとくくりになっていることが多くて,JAXAもそうですしアメリカのNASAもそうですが,航空宇宙の研究に関する論文が掲載される論文集や学会も,大体,航空と宇宙とが一緒になっています。その結果として,Web of Scienceでも,サブジェクトカテゴリとして航空宇宙としてまとめられてしまっているという感じです。
 ですから各論文を一個一個精査すれば,これは完全に航空,これは宇宙と分けられるものもありますし,今お話があったように,航空と宇宙の両方に使える技術に関するものもあります。今回の御提案としては,その両方が含まれているものはなかなか切り分けが難しく,また,Web of Scienceで全ての論文を精査して航空と宇宙を一個一個拾っていくこともほとんど不可能なので,代表的なキーワードで論文を取り上げたということだと思います。
 ですから,今回の1から5までのキーワードでは,航空関係の論文が全て含まれているわけではなくて,どうしても取りこぼしもあるでしょうけれども,同じ土俵の中で世界の状況を比較したらどうなるかということでまとめていただいたということでよろしいですか。

【坂本課長補佐】 おっしゃるとおりでございます。一個一個精査していけば,これは航空の論文,これは宇宙の論文と分けることはできますが,さすがにそれは事務作業的にも実質不可能ですので,ではどうしようかと考えたときに,キーワード検索という機能がありましたので,キーワード検索でヒットしたものをカウントしたというものでございます。

【冨井委員】 追加で聞きたいのですが,宇宙と航空の両方にまたがっている領域があると思いますが,それに関しては検索できるという状況で,取りこぼしは余りないという認識でよろしいでしょうか。

【坂本課長補佐】 そうです。両方にまたがっているとしても,その中で航空に関する単語,Aeronautic等の単語を使っているのであれば,これは航空としてヒットしますので,航空と宇宙,両方のワードを使っているものは含まれると,我々としては考えております。

【冨井委員】 わかりました。

【李家主査】 ほかにいかがですか。どうぞ。

【和田委員】 私も論文の検索についてお伺いしたいのですが, Web of Scienceですと英語の論文の検索になると思いますので,日本の論文は英語の論文しか該当しないという点がまず一つです。それから,フランスですとフランス語で書かれていたりとか,英語だけだと少しバイアスがかかるかと思いますが,その点はいかがでしょうか。

【坂本課長補佐】 おっしゃるとおりでございます。Web of Scienceは基本的に英語の論文ということで,日本語で書かれた論文というのはWeb of Scienceの中に入っていないという状況でございます。

【和田委員】 私も論文を社会科学系の分野で検索していますが,エブスコホスト(EBSCOhost)という検索がありまして,そこですと英語だけではなくフランス語も入れるというような検索ができるので,大まかなデータをとるとき,総数をとるときにはそれを使っています。そういう数字をとるのか,それとも質をとって明確にしたいのかによって,Web of Scienceを使うのか,何を使うのかというところも,検討されてはいかがかと思いました。

【坂本課長補佐】 御指摘のとおり,4ページ目のWeb of Scienceの論文数ですが,例えば日本のうちJAXAの数値が毎年16,21,14,14,10とありますが,実はJAXAは毎年60から70ぐらいの論文を出しておりますが,Web of Scienceではそれくらいしかヒットしていません。JAXAも日本語で出している論文もありますし,それ以外のWeb of Scienceに登録されていない論文集に出しているケースもあります。完璧を期すのであれば数値をしっかり精査する必要がありますが,これはどちらかというと全体的な傾向,世界の傾向に対して日本の傾向はどうかという観点で比較する資料ということで今回設定させていただいておりますので,御指摘はごもっともですけれども,今回はそういう形で使っていきたいと考えております。

【藤森室長】 少し補足させていただきます。説明資料の16ページですが,参考資料4の研究計画・評価分科会の資料1-2の候補1のところに書いてありますが,このWeb of Scienceについては,※1のところに書いてあるとおり,ピア・レビューがあることと定期的な刊行であることが条件となっています。もちろん全部英語ですけれども,おっしゃっていただいたように質の面もあると思いますので,質の高い論文を選んだものが登録されておりまして,文部科学省の科学技術・学術政策研究所でも,論文の推移等を分析するのはこのWeb of Scienceを使っているということもございますので,英語だけというところはありますが,ピア・レビューがあってそれなりの質を担保された論文集を集めているということで,Web of Scienceを使わせていただければと思っております。

【和田委員】 でも日本語で書かれた論文の数は,このWeb of Science には入ってこないですよね。

【藤森室長】 こちらには日本語だけの論文は入ってこないです。

【和田委員】 入ってこないですよね。

【坂本課長補佐】 Transaction of the Japan Society for Aeronautics and Space Scienceという日本航空宇宙学会が発行している英語の論文集はWeb of Scienceに登録されています。航空宇宙関係のサブジェクトカテゴリに登録された31の論文集の中の一つが日本の論文(英語版)になります。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

【武市委員】 これはこの論文数を評価指標に加えるならという前提のお話なので,その続きの話をすると,一見すると航空と宇宙に見えない論文というのがたくさんあるはずで,本当はそれを拾う努力をすべきではないのかと思います。先ほどもお話がありましたように,JAXAの論文が60とか70とかあるけれども,そのうちひっかかったのが16とか21とかの数字で,ほとんどがひっかかってこないというのが実態ですよね。

【坂本課長補佐】 ひっかからない一番の理由は,まずJAXAも日本語と英語の論文というのが,ざっと見たところ大体半分ずつです。そういう意味では,半分の日本語の論文は,そもそも該当しないということになるかと思います。

【武市委員】 例えば材料とか燃焼とか,一般的な工学の分野に入ってしまうものはいかがでしょうか。

【坂本課長補佐】 サブジェクトカテゴリは航空宇宙だけではなくて,例えば材料の分野においても,航空の論文であれば,例えばAircraftあるいはAeronauticという単語を恐らく使っているだろうと我々は考えております。実際に検索の結果を示しますと,例えば2016年のデータですけれども,サブジェクトカテゴリでAerospace,航空宇宙の論文というのが223件ヒットしております。次にMechanicsという機械関係の論文集でも45件,Materialについても44件ヒットしています。ということで,航空宇宙以外の論文,例えばエンジンや材料関係の学会に恐らく出されるかと思いますが,航空の論文であれば航空という単語を使っているということから,実際に検索ではヒットしています。

【武市委員】 その点は御確認はされているわけですね。もう一つ気になるのは,国としての論文数が評価されるべきなのか,あるいは研究者人口当たりの論文数という評価もあると思いますがいかがでしょうか。

【JAXA伊藤部門長】 JAXAの伊藤です。
 先日,私どもの活動を外部評価委員の方に評価していただいた際に,今おっしゃったような論文の推移のグラフを作りました。同時に,研究者が若干減っておりますので,研究者の人数で割った数字も出しました。大きな統計をとるという意味では,JAXAの人数が大幅に変更していないので,誤った傾向が出るということはないと思いますが,精細に見るのであれば,人数で割ったものを補助としてつけておくと,我々のアクティビティーが下がっていないということは言えると思います。微妙なところだと思っております。我々のデータを見ていくとわかると思います。

【李家主査】 JAXAはできるとして,世界のほかの国の中の研究者数というのは調べることができるのでしょうか。

【JAXA伊藤部門長】 ほかの国は研究者数で割るというのは難しいと思います。

【李家主査】 武市先生,よろしいですか。

【武市委員】 研究者当たりでも良いですし,最初は組織単位で比較しても良いかと思いました。JAXAではアウトカムがこれぐらいでというように。

【李家主査】 この指標は,日本全体であって,JAXAだけを見ているわけではないので,それも少し難しいですね。
 今の先生の御質問に関連しますが,Web of Scienceのキーワードを選んだときに,論文の表題からキーワードを選ばれたと書いてありますけれども,恐らく航空関係ですと,武市先生も詳しいと思いますけれども,Air Transportとか,そういう単語も入るかと思いますが,いかがでしょうか。

【武市委員】 そういったものをきちんと拾っていただきたいと思います。拾わないと指標そのものが指標にならなくなってしまいます。ですから,ここで5まで挙げられていますが,これが今後適宜追加されていくならいいと思います。それから,Web of Scienceの検索のときにキーワードを検索しているのか,アブストラクトを検索しているのかも重要だと思います。

【藤森室長】 基本的にアブストラクトまでキーワード検索できるようになっています。

【武市委員】 ですから,もしこれを指標とされるのであれば,その点もきちんと御確認された方が良いかと思います。

【藤森室長】 確かにキーワードをどこまでやるかというところはなかなか区切りが難しくて,今回,我々の提案としては,登録されている31のジャーナルのタイトルに含まれている航空関係のキーワードを抽出した五つの言葉で増減の傾向を見るという観点から,もちろん漏れは出てきてしまいますが,傾向を見る観点では大体追えるのではないかというところで,今の段階では区切らせていただいております。

【武市委員】 そうすると31に入っていない分はそもそも検索されないのですね。

【藤森室長】 単語としてそれが入っていなければ検索されません。

【武市委員】 Air Transportationの話が出たので例として言いますと,Air Transportationの業界で評価の高い論文というのは,多分この31に入っていないと思います。そういった点についても,指標とされるのであれば精査は必要だと思います。

【佐藤委員】 今まで議論したときに,アウトカムというのは余り学術的なところではなかったと思いますが,今回論文数を入れるというのはほかの委員会との整合性をとるということでしょうか。生産高,特許,論文数は,タイムラグがとても大きいので,本当は全部見ていくべきだと思います。今まではどちらかというと産業的なところだったのが,今回,論文が入ってきたのは,ほかの委員会との整合をとるためと理解してよろしいですか。

【藤森室長】 おっしゃるとおり,我々の中目標は,飽くまで産業の振興あるいは国際競争力の強化ということが目標になっております。従いまして,産業振興に直結する売上高なり特許なりが,アウトカム指標として一番重要かと思っております。ただ,論文はおっしゃるように時間差はありますが,最終的には産業振興や国際競争力つながっていくところもありますので,その三つの指標を,増減の傾向を見ながら,可能な限り分析をしつつ評価に使いたいということで,論文も今回は提案させていただいています。 

【高辻主査代理】 指標の種類といいますか,研究開発効率のようなものは御検討されたのでしょうか。

【藤森室長】 研究開発効率とは例えばどういったものでしょうか。

【高辻主査代理】 例えば各国の研究開発効率として,研究開発投資額を分母に置いて,3年なり5年なりに生み出した利益を分子に置いた値です。その国際的な効率比較があったと思います。文部科学省さんだったか経済産業省さんだったかは覚えていないのですが,白書関係に出ていたと思います。もしそういうものがあれば,3年か5年後にリターンがどれだけあったかということですので,それなりにタイムラグの少ない評価の一つになるのではないかと思います。ただ,国別のものは見たことがありますけれども,業種別,分野別にそういうデータがあるかどうかは私もわかりません。

【藤森室長】 勉強不足でありますけれども,調べてみてもし活用できる可能性がありましたら,また検討したいと思います。ありがとうございます。

【武市委員】 そもそもの確認で教えていただきたいのですが,1ページ目に「PDCAサイクルを効果的に回していくため」とあり,8ページを見ると,研究開発プログラム評価の個別の評価などに我が国全体の状況を把握しないといけないということで,ここがつながってこないなと思います。
 ただ,もうやることが決まっているとは思いますので,それを前提で話をしていくと,産業の売上高という指標があったかと思いますが,それだとタイムラグがある指標ですが,例えば航空輸送市場の動向とか見通しとか,そういうことは指標にならないでしょうか。要するに輸送市場が伸びていったら産業も伸ばさないといけなくて,それに対して日本の研究開発として,どういうふうに行動していかないといけないかというような指標にはなると思いますが,将来方向のタイムラグがあるものというのは,指標にはならないのでしょうか。

【坂本課長補佐】 航空輸送市場も一つの考え方としてはありますけれども,これはどちらかというとエアラインということで,航空機産業とはまた別の分野,国土交通省が所管しているような分野になるかと思っています。しかもこれは厄介なのが,日本のエアラインであるか外国のエアラインであるかで差があって,世界的に輸送量が今増えているわけですけれども,それが直ちに日本のエアラインの増加になっているかというと,実はそういう傾向になっておりません。今我々が考えているのはあくまでも航空機産業ということで,輸送関係のデータは外したものでお示しさせていただいているというものでございます。

【藤森室長】 関係省庁が集まって航空産業ビジョンというものを平成27年に作りましたが,その中で,2020年代に2兆円,2030年代に3兆円という今後の航空機輸送の需要も踏まえて国として航空機産業の売上高の目標も立ててございますので,例えばそういった2兆円とか3兆円という数字の目標も横目で見つつ,売上高を見ていくということはあるかとは思います。
 全体の評価の考え方ですけれども,おっしゃるとおり御説明不足で申し訳ございませんでしたが,8ページ,9ページから研究開発プログラムの評価票というのがございます。今議論しているのは,9ページ目の我が国全体を把握するための指標で,「(参考指標)」と書いてございますとおり,飽くまでこれは参考です。研究開発プログラム評価自身は文部科学省の施策の評価でございまして,8ページ目に書いてあるアウトカム指標,これはまさにJAXAでの特許の活用とか,そういった文部科学省での研究開発のアウトカムを評価していますが,我が国全体の指標は,9ページにあるように飽くまで参考指標として使うということでございます。なお,政策評価というものを文部科学省で行っておりまして,政策評価の評価票に加えて研究開発プログラム評価では,この黄色の部分を新たに加えています。様式はなるべく統一して文部科学省で実施している政策評価と合わせるという方向で,今議論を進めておりまして,この黄色の部分は,文部科学省の政策評価に加えてプログラム評価で新たにつけ加えて行う部分になるということを,補足として御説明させていただきます。

【武市委員】 飽くまで参考ということですね。

【藤森室長】 そうです。評価自身は我々が研究開発計画で設定したアウトカムで見ますが,プログラム評価を行う際には,参考として我が国全体の状況も把握しながら評価するということで,参考指標として別途設定するという形になってございます。

【武市委員】 そうすると,個別のプログラムの例えば国際的な位置づけ等は,また別のところで評価をしていくことになるのでしょうか。

【藤森室長】 航空科学技術全体でこのアウトカム指標で諸外国との比較も含めて評価するかと思います。まだ具体的にどうやるかというのは決まっておりませんが,総括的な分析という項目が10ページにありまして,研究開発プログラム評価自身は必要性,有効性,効率性の観点で行うことになってございまして,その中で国際的なところも必要に応じて考慮して評価していくことになるかと思っております。

【武市委員】 そういったことは,この8ページの形でやるということですね。

【藤森室長】 そうです。アウトカムもそうですし,この参考指標,我が国全体を把握するための指標等を踏まえて,総合評価なり必要性,有効性,効率性について,最終的な評価をしていただくということになろうかと思います。

【武市委員】 そのようなコンセンサスが全体にあるわけですね。

【藤森室長】 全体的にはそういう形で評価を実施していくということで,まだ完全に固まっているわけではありませんが,その方向で議論が進められております。

【竹内委員】 一つは質問で一つは意見です。質問はそもそも論というか入り口にかかわる話で,資料だとアウトプットとアウトカムが分野ごとに統一性がないというお話があって,そうなるとそもそも分科会はアウトプット指標,アウトカム指標をどのように区別し,どう定義しているのか,それがはっきりしていない限りは,なかなかこの議論はできないと思います。ですから,分科会としてこれをどのように区別をしているのかを知りたいのが一点です。
 それから意見の方は売上高の話ですけれども,私が社会科学系の人間なものでこう思ってしまうのですが,通常,生産高とか売上高というものはある政策をやることによる効果の指標としては余り適切ではありません。どうしてかというと,産業連関分析の話をすると,ある投入物があって産出物があるといったときに,その投入物,要するに投下した資源が大きければ大きいほど通常はそのアウトプット,生産高は増えることになります。卑近な例を言うと,例えば物すごく宣伝,広告に金かけたとか,営業をたくさんするとか,コストをかければ当然売上げは増えるわけです。付加価値で見なければいけない話です。そういうところが見落とされてしまうので,ある程度の相関はあるのでしょうけれども,成果の指標としてはやや問題があるのではないかということで,その点に気をつけて使う必要があるというのが私の意見です。

【坂本課長補佐】 そもそもアウトプット,アウトカム指標について,余り指標に統一性がないということで,分科会でも改めてアウトプット指標,アウトカム指標について,今後見直す方向で検討しているということでございます。この中で,航空科学技術委員会で設定したアウトプット指標,アウトカム指標も,全体の方針でこのように検討してほしいというような指示があれば,この航空科学技術委員会の場で再検討したいと考えておりますが,現時点ではまだそこまでの指示は来ておりません。今後も引き続き,研究計画・評価分科会ともよく相談しながら,そもそもアウトプット指標,アウトカム指標について全体的にどうすべきかという点について,情報が入り次第また皆様に共有させていただければと考えております。

【竹内委員】 統一性がないと言われても,では分科会はどう考えているのかと,それを考えなくては仕方がないではないかと思ってしまうところがあります。私がほかの審議会,例えば社会資本整備審議会等で議論しているときには,ここで出てくるようないわゆる論文数的なものは通常アウトプットです。それをここではアウトカムだと言っています。そこの基準が明確でないところが,私としては頭が混乱してしまったものですから,そのあたりは恐らく双方向でやっていくうちに決まることなので,今どうこうということはありませんが,少し疑問に思ったものですからお伺いしました。結構です。

【坂本課長補佐】 ありがとうございます。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。
 どうぞ。

【松島委員】 私もそもそも論のような質問ですが,この研究開発プログラムの評価を行って,その後どういうことが起こるのかということを知りたいです。各分野のアウトプット,アウトカム指標に統一性がないということは,統一をして各分野でそれぞれ比較するということも行われて,例えば限られた予算の中の分配のやり方が変わってくるとか,そういうことに影響するのか,それとも,ただ分野ごとにPDCAサイクルのような科学技術政策の継続とか見直しの展望のための指標として,評価というものを指標として使うのか,どちらでしょうか。

【藤森室長】 基本的には限られた予算の分配というよりは,中期目標ごとに中間評価を行った上で,それぞれ次期研究開発計画に反映していくということを想定しております。

【松島委員】 そうすると,統一性がないことが問題だとおっしゃることが,ちょっとよくわからないのですが。

【藤森室長】 研究計画・評価分科会の中でいろいろな分野がある中で,分野によってはアウトプットの方に特許を入れており,そういったばらつきがあるというところがございます。そこは研究計画・評価分科会の方で全体を考えるのですが,航空の分野は,坂本からも話をしておりますとおり,中目標に対するアウトプット,アウトカムについては,この航空技術委員会でも議論していただきまして,中目標に対応した指標を設定していただいていると思っていますので,特に我々事務局としては変更が必要とは考えておりません。

【松島委員】 わかりました。ありがとうございました。

【李家主査】 いろいろな御意見をありがとうございました。
 今日御提案いただいたa,b,cの三つの指標ですが,最初のa,bが航空関係の中目標と密接に絡んだもので,それを我々は第一に考えていますけれども,cの論文数,これは研究計画・評価分科会のほかの分科会との関連がありますので,いずれも提案するということで理解しております。
 その上で,今日いろいろ御意見いただきましたけれども,aに関しましては先ほどありました研究開発効率ですとか,竹内委員からありました投下した資源に対してどのぐらいの売上高があるかとか,そういった観点も可能でしたら,そういった資料がもしありましたら,何を加えられるかを検討していただければ良いかと思いました。
 論文数についてはいろいろ御意見があると思いますが,Web of Scienceが文部科学省の標準ということで,漏れはあるかもしれませんけれども,その範囲の中でできるだけのことをやるということかと思います。ただし,とりあえず今は1から5のキーワードで選んでいますが,ここは可能でしたらもう少し増やすことはできるのかと思いましたので,少し検討していただくことはできますでしょうか。

【藤森室長】 そこは検討いたします。

【李家主査】 ですから,大きい方針として2ページにあるa,b,c,これを指標として研究計画・評価分科会に提案するということで,今日のところはよろしいでしょうか。細かい具体的な中身については,今日頂いた御意見を参考にしてブラッシュアップしていただいて,もう少し改定していただくということでいかがでしょうか。

【藤森室長】 実際のプログラム評価のときに,頂いた御意見も踏まえて,その指標をどう活用できるかというところで反映していきたいと思います。

【李家主査】 そのようにさせていただきたいと思いますが,それでよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございます。
 では,そういった方針で次回の研究計画・評価分科会に報告させていただきたいと思います。
 次の議題に移りまして議題の2,平成30年度予算案,それから議題の3,FQUROH(フクロウ)プロジェクトの飛行試験結果について,この両方を事務局から御説明をお願いいたします。

【坂本課長補佐】 資料56-2-1を御覧ください。次世代航空科学技術の研究開発の予算ですが,平成29年度の予算額が33億4,000万円,平成30年度の予算額,これは案ですけれども,33億4,000万円で変わらずということで,この予算で来年度も執行させていただきたいと考えております。
 簡単に御説明しますと,主なプロジェクトの中で一番大きなものはコアエンジン技術です。昨年6月にコアエンジン技術の研究開発を進めるということで,重要課題として皆様の評価を頂いた案件ですけれども,特にエンジンの中の燃焼器とタービン,この分野についててこ入れを図りたいということで,来年度から重要課題として取り組んでいきたいと考えております。
 あわせて,実証用設備として防衛省のP-1哨戒(しょうかい)機に搭載されている国産エンジンを,JAXAに導入して実証用設備として整備していきたいと考えております。
 もう一つ大きな話としては,機体騒音低減技術があります。これは機体騒音を下げるための技術ですが,後ほどJAXAから御報告させていただければと考えております。
 また,乱気流事故防止機体技術,これは乱気流を検知するための装置としてレーザー光を用いた技術ですけれども,この研究開発にも取り組んでおります。ボーイングのデモンストレーションが米国で行われておりまして,まさに今それに向けた準備を進めていますので,プレス等を含めて何らかの形で報告ができると考えております。
 予算についての説明は以上になります。
 引き続きまして,資料56-3-1になりますけれども,FQUROH(フクロウ)の飛行実証試験結果の報告について,お時間を頂いて御説明させていただければ思います。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 JAXAの山本です。
 資料56-3-1を用いまして,昨年9月に行いました飛行実証試験の内容について御紹介させていただきたいと思います。表紙にありますこの写真が,そのときに用いた我々の実験機の「飛翔」でありまして,この写真にオレンジ色で少し色がついている箇所がフラップと脚にありますが,この部分が低騒音化のために改造した箇所になります。このような改造をしまして,騒音が予想どおりに下がったかどうかを調べる試験を行ったものです。プロジェクトの名称は,機体騒音低減技術の飛行実証プロジェクトという非常に長い名称なもので,それに愛称をつける意味でFQUROH(フクロウ)という名前をつけて進めております。
 では,前半は少し背景説明とプロジェクトの概要をお話しして,後半で昨年行った実証試験について御説明したいと思います。
 資料2ページ,まず本研究開発の位置づけですけれども,JAXAで行われております研究開発の中で,社会からの要請に応える研究開発の中の航空環境技術の研究開発に位置づけて進めております。プロジェクト化したのが2015年1月1日,2014年度の第4四半期からスタートしていまして,ここまで今進めてきたところです。どのようなステップで進んできたかということは,後でまた御紹介したいと思います。
 3ページから航空機の騒音に関する背景説明を,文章が長いのでかいつまんで御説明させていただこうと思います。機体騒音に限らず旅客機の騒音という問題ですが,初期の旅客機に比べると今現在,旅客機1機当たりの騒音は大分下がってきています。右上の図にありますのは,成田空港の周辺で環境騒音基準を超えている範囲をあらわしています。点線であらわしているものが,環境基準を超えていて何らかの対策を行っているところです。家屋の騒音対策を行ったりエアコンをつけたりという対策が典型的なものです。そこに書いている矢印が滑走路をあらわしていまして,この二つの滑走路の延長線上にわたって環境基準を超えています。これは成田空港の典型例で,公開されているものから図をわかりやすくしたものですけれども,都市に近い空港ですと,こういった形で影響を受けている範囲があります。長い方の点線の長さは30キロ以上の範囲にわたっていて,これをどんどん小さくしていく,あるいは最低でもこれを維持するということが,恐らく空港側の考え方だろうと思います。
それに対して問題になるのが,先ほど話題に上がっていましたけれども,航空輸送量が増大しているということです。世界全体の状況をあらわしている図が右下のJADC(日本航空機開発協会)さんの資料にあります。輸送量が年5%,20年間で2.6倍,新しい資料ですと2.4倍と予想されているそうですが,そのように増加するため,離着陸の回数は必然的に増えていくことになります。その結果,飛行機1機当たりの騒音は下がってますが,その回数が倍になれば3デシベル騒音が増えたと同じことになるという状況です。それに対する対策は,空港側でいろいろ考えることもありますが,飛行機を造る側(がわ)からすれば,更に静かな飛行機を造っていかなければいけないという状況になっています。
 資料の4ページですが,では,空港の騒音と言ったときに,どのようなところの騒音が問題になるのかということです。騒音基準では,この4ページの右上にあるように,滑走路に向けて着陸してまた離陸してという,こういう飛行機の経路に対して3か所の騒音値を評価します。この3点の評価で型式証明を取るというのが現在のやり方ですが,そのときのラテラルという場所を除いて,着陸進入のアプローチと書いている場所と,それから離陸して上昇していくところのフライオーバー,その2か所の騒音レベルについて,過去の経緯をあらわしたものが4ページの資料になります。左側がフライオーバーといって離陸側で,右側が着陸の進入に対応するものです。横軸が型式証明をとったときの年をあらわします。1960年ごろから最近までの状況で,縦軸は騒音の国際基準,先ほどの型式証明をとるための基準値をベースにしてそれからの差分という形で,いろいろな旅客機の機種ごとの騒音値をプロットしたものです。
 いろいろな色がついていますがそれは別にして,ばらつきもありますが,全体的な傾向として,離陸側であれば1960年代からだんだん騒音は下がって,50年間で15デシベルぐらい騒音が下がりました。右側が着陸の進入ですけれども,同じように10デシベルぐらい下がりました。図の中に矢印が三つ書いてあります。これはエンジンの技術的な進歩をあらわしているもので,新しいエンジンになってきますと,離陸は騒音がそれに合わせて十分下がっていっていますが,進入側は1990年代後半ぐらいから余り下がっておらず,新しいエンジンを持ってきても静かになっていないということです。
 背景にあるのは,進入時にはエンジンの推力を絞っているため,エンジン騒音だけが根源ではなくて,次に御紹介する機体騒音というものが問題になるということです。エンジンに関しては,半世紀エンジンの低騒音化の技術開発が行われてきましたけれども,機体に関しては手つかずになっておりまして,このままにしておくと将来,低騒音化のボトルネックになるということです。
 次に,大きい飛行機の絵を5ページに載せています。最新の旅客機ではエンジンよりも機体音が問題になるということですが,実際に音が発生している箇所というと,着陸のときに大きく展開します高揚力装置,つまりフラップやスラットという装置であるとか,降着装置,つまり主脚,前脚といったもの,それらを非常に高速の気流中に出すために,強い風切り音が発生します。この騒音を下げる研究というのは,この10年でも非常に多くのものが出ています。ただ,それを実際の航空機に適用して実用化していくという面ではまだ課題が多くて,現段階では,旅客機を設計する段階で,低騒音な飛行機にするという設計自体ができないという状況にあります。
 エアバスでこのような研究開発を進めている人がおっしゃっているのですが,現段階では実用性について技術実証を行わないといけないということです。いろいろなアイデアが実際の飛行機にまだ適用できない段階にあるということが,ICAO(国際民間航空機関)の会議などで話されているという状況です。
 従いまして,資料の3番目にありますけれども,メーカーがリードしているというよりは,今はまだ各国の国立研究機関がリードして技術開発が進んでいるという状況にあります。
 そのような背景の中でFQUROH(フクロウ)というプロジェクトをどのように進めていくかということが,6ページにあります。大きな目標としては,将来の静かな旅客機の実現のために必要な低騒音化技術の確立ということです。下に図がありますように,我々は2005年頃から基礎研究に着手しまして,国内の企業とも協力して必要な基盤技術であります数値解析技術や風洞実験技術を開発して,その中でいろいろな低騒音に関するアイデアを作ってきています。それらをベースにして実際の航空機に適用して飛行実証試験を行い,それまで積み重ねてきたものがどのくらい正しいのか,また,実機の設計に適用するには何を解決しなければいけないかというところを明確にしていこうというプロジェクトとして,FQUROH(フクロウ)プロジェクトを立ち上げました。
 いろいろなベースになる技術を組み合わせてやりますということが資料の7ページに書いてありますけれども,実はこの種の飛行実証試験というのは,十数年前にヨーロッパとアメリカで大型の旅客機を使って行われました。対象は脚だけだったのですが,その当時は数値解析技術が未熟な状態で,風洞実験でいろいろ試行錯誤をしてから行ったものの,良い結果が得られたとは言えません。それ以来,実証試験は行われていませんでしたが,その間に進歩したものとして数値解析技術がありまして,それによって物理現象をしっかり把握できるようになってきました。それを積極的に生かすことが一つのキー技術になっています。
 風洞実験でも,航空で低騒音の風洞設備が日本には大きいものがないのですが,運がよかったことに,鉄道総合技術研究所というところで新幹線の課題解決用に非常に大きな低騒音風洞が造られました。これを活用させていただいて,航空機の騒音を丁寧に計測するためのノウハウのようなものを作り上げまして,それを組み合わせてきました。それから,実際に飛んでいる飛行機の状況を正確に把握しようということで,騒音源の計測技術として,多数のマイクロホンを使って,右上の図にあるように飛行機のうるさいところが赤い色であらわれるような可視化ができる技術を作りました。また,今まで基礎研究で行ってきたいろいろな低騒音のアイデアは,特にメーカーと一緒に取り組んでいるということで,海外に比べると実用性の面で優れたものだと考えています。
 そういうものを組み合わせて我々の実験機であります「飛翔」と旅客機に適用して実証試験を行い,それによって低騒音化の設計技術の開発を加速することと,コンセプトの実用性を実証していくこと,最終的にはそれによって国内メーカーの技術力の向上を図ろうというのが,アウトカムとしての目標になります。
 8ページ,実施体制ですが,一つ目は最初にお話ししたとおりでして,実用化というところで,メーカーに入っていただかないとなかなか進まないということで,最初に各社といろいろ話をしまして,特にニーズを有するであるとか非常に興味を持っているというメーカー3社と組んで進めていくことにしました。三菱航空機さん,それから川崎重工さんと住友精密さん。住友精密さんというのは脚を造っているメーカーになります。基盤研究,大学等も全部含めて大きいプロジェクトにするということも考えたのですが,知財の問題も入ってきて難しいので,基礎的な研究は事業としては切り離して,研究としては連携するような形,我々のデータを公表したり,逆に新たに作られた技術,特に解析技術ですね,それを導入したりしながら高度化を図っていくという形で進めています。
次の9ページですけれども,全体的なスケジュールと,実証をどのようなステップで進めるかということをあらわした図になります。飛行実証試験を,実際には1回ではなくて3回のステップで進めていくようにしています。機体は2種類で,JAXAの実験機の「飛翔」と,最終的には今開発中のMRJの,今アメリカで飛んでいる試験機を利用して,設計技術の獲得を図ろうという考え方になっております。
 今まで「飛翔」を使った2回の実証試験を行いましたが,2016年に行ったものが予備実証試験,そして昨年9月に行ったものが飛行実証の(1)と称している試験になります。それぞれ位置づけに違いがありまして,それが左側に書いてあります。予備実証試験というのは,そもそもこういう飛行実証試験そのものがうまく行えるかどうか,その実験のプロセスを確立することを主目的として行いました。そのため低騒音化については十分ではありません。それに対して昨年実施した実証試験は,特に低騒音化に絞って行ったものであります。
 これが最後のMRJにどうつながっていくかといいますと,飽くまでもこれはビジネスジェットですので,十分な低騒音化が行えたとしても,直接それが旅客機にどう生かされるかということは明示的に見えません。旅客機に向けてよりしっかりとした形で進めたいということで,その中間段階になります。
 では10ページ以降,実際に適用したものについて御説明します。余り低騒音化の手法について具体的なお話はしませんけれども,どのくらいのことを行ったかということがわかるようにしました。アイデアとしては,フラップに対しては3種類の低騒音化のアイデアを全部組み合わせて使っています。主脚に対しては多孔カバーと言っていますけれども,それを中心にして新たに幾つか騒音を減らす別のアイデアも加えています。
その進め方の紹介が11ページです。数値解析の絵を載せていますが,空気の乱れを精度よく計算できる手法を積極的に用いて,騒音源になっている部分の形状をうまく変えていくというところを進めてきています。ただ,まだこのような解析技術というのは発展途上でありまして,それだけで騒音を完全に評価できないので,12ページにありますように風洞実験を用いまして高揚力装置,フラップとそれから主脚,それぞれについて風洞模型を使いまして,しっかりした騒音の評価を行って進めてきています。
 13ページは少し省略します。図があらわしているのは,設計段階での低騒音化のレベルです。赤が改造前の騒音レベルで,水色が一昨年の予備実証試験のレベル,そして濃い青が昨年行いました飛行実証試験のレベルでして,だんだんと騒音を下げていっている様子を示したものです。
 実際の改造の様子が14ページの写真にあります。オレンジ色の部分の部品を交換しまして,構造設計,飛行性能の解析等を行いまして,飛行の安全性を証明して航空局さんから許可を頂いて実験を行いました。脚については,先ほど紹介した多孔カバー以外に,ディフレクターとか多孔質材など,ほかに三つほどアイデアを盛り込んでやっております。
 次に15ページの試験の実施ですけれども,場所は,のと里山空港というところを用いました。非常に試験を行いやすい場所でした。15ページの右の写真にある,のと里山空港の滑走路の脇にマイクロホンを設置する場所を作らせてもらいまして,200本弱のマイクロホンを置いて音源計測を行うようにしました。その上を「飛翔」を繰り返し飛ばすというやり方です。8月に安全性を確認する試験を行った後,9月に騒音源の計測を丁寧に行いました。「飛翔」の計測の回数としては全部で222回分とることができまして,飛行のばらつきもありますので,その分を考慮した十分なデータが取れたと考えています。
 16ページです。計測の詳細をあらわしていますけれども,ただ飛行機を飛ばして音を測ったというよりはもう少し丁寧なことをしていまして,飛行機は風の影響等によって繰り返し飛行精度を維持することは何もないと難しいので,JAXAで作っているナビゲーションシステムのトンネル・イン・ザ・スカイというものを活用しまして,できるだけ飛行速度と飛行高度,飛行の経路のばらつきが少なくなるような努力をしてきています。それによって非常にばらつきの少ないデータがとれたと思っております。
 17ページは典型的な音源マップの例です。先ほどお話ししたように,色の濃いところが騒音源をあらわしているところですけれども,左側の縦の列が630ヘルツと1キロヘルツの騒音源をあらわしております。右側が今回低騒音化した形態の結果をあらわしていまして,赤いところがほとんどなくなっているという状況です。1キロヘルツのところを少し説明を補足いたします。音が残っている箇所は今回の低騒音化の対象にしていなかったところで,これ以外のところの騒音が十分下がっていればうまくいったということになります。
 定量的な結果をあらわすのが最後の18ページになります。左側はフラップの騒音スペクトル,右側が主脚の騒音スペクトルというものです。先ほどの計測の非常に良いところは,このような部位ごとに騒音スペクトルを把握することができるということです。横軸は周波数をあらわしています。赤い線がベースの何もしていない機体の場合で,青の実線が今回低騒音化した形態での騒音のレベルをあらわしたものになります。点線が2016年の予備実証試験の結果をあらわしてます。フラップは予備実証段階で非常にうまくいっていたところがありまして,今回は少しだけ騒音を下げたところですが,予備実証でなかなか騒音を下げられなかった主脚の方は,今回,大幅に騒音を下げることができました。周波数方向に積分してトータルの騒音低減量で考えると,フラップが3デシベル,主脚が4デシベル騒音を下げられたということで,機体騒音を下げるという意味では,かなり限界に近いところまで騒音を下げることができたと考えています。
 最後にまとめです。FQUROH(フクロウ)プロジェクトの全体,何を考えているかということを最初に御紹介しました。二つ目の進捗に関しましては,昨年9月に飛行実証試験を実施して改良された低騒音化設計の効果を確認することができまして,まだデータの分析を続けています。4月の航空宇宙学会,それから6月のアメリカの航空宇宙学会で,この試験結果を発表する予定です。来年度は,この飛行実証データに対してしっかりと対応した風洞試験を行って,十分な検証を行っていこうと考えています。それから,今後はMRJを使用するフェーズに移っていこうと考えていまして,そのための低騒音化の設計を今進めているというところです。
 以上になります。

【李家主査】 どうもありがとうございました。
 では,ただいまの御説明について御質問等ありましたらお願いいたします。

【佐藤委員】 どうもありがとうございました。
 騒音が低減できたということで喜ばしいことと思います。CFDでLESの解析をしていますが,この結果と実験の結果というのはどのように組み合わせていて,CFDの精度を上げるためにどのように役立たせていっているのでしょうか。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 まず設計の段階では,CFDはとりあえずどのように静かになるかという指針を出す目的で使っていましたけれども,今はもう少し丁寧な解析を行って,実際にどのくらいの周波数まで騒音レベルを評価できるのかということを調べているところです。
 風洞実験と比べたところ,大まかに言うと2キロヘルツぐらいまでは何とか評価できていたかと考えています。風洞実験は実機との間でモデル化している関係でずれがありますので,そこの3者の結果を来年度,全部丁寧に比べ直しまして,それによってCFDで今後どこまで行けるのかという見通しを立てることと,CFDでできないことで風洞試験であと何をやらなければいけないかということを明確にしていこうと考えています。

【佐藤委員】 CFDで機体のスケール効果のようなところまで追えるようになっていくということなのでしょうか。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 それがまだよくわからないので,特にそこは重要な課題だと思っています。

【山内委員】 少し単純な質問ですけれども,カバーをつけたりとか,機体に何らかの対応をしてこの実験をされていますが,これによって機体の重量というのはどの程度増加したのでしょうか。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 今回の実験の場合は,まずは余り手間暇かけずにやりたいということで,例えばフラップのケースですとアルミの削り出しで部品を造って取りつけたもので,結構重いです。飛行性能を落とすほどの重量ではないですけれども,実際にはここを複合材で造ればもっと軽くなるということはわかっています。実用化を進めていく上では,今おっしゃったような観点,重量の問題,それから空力性能にも若干の影響を与えているといった問題を,課題として明確にするということが重要だと思っています。これまでやってきたことをベースにして,メーカーさんと一緒に,この方法はどこまで使えるかということを,最後には資料として作り上げて,実際の機体開発にも使えるようにしていこうと考えているところです。

【山内委員】 ありがとうございました。

【李家主査】 ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ。

【冨井委員】 9ページ目ですけれども,FQUROH(フクロウ)プロジェクトの目標達成のステップと現状というので,もともとMRJに乗せるという計画はあったと思いますが,これは当初の計画どおりの年で2019年となっているのでしょうか。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 これはまだ修正作業を行っているところで,いつごろにするかというのは,今は確定できていない段階ですので,当初計画で2019年を予定していたので,それ以降という非常にあやふやな表現にさせていただいています。

【冨井委員】 このプロジェクトは2020年度に終わる予定ですよね。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 当初計画ではそうです。

【冨井委員】 それまでには行うということでしょうか。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 今,計画変更を準備しているところです。御想像のとおりで,MRJに関しては,当初このプロジェクトを立ち上げたところから数えていくと3年間予定が遅れているために,我々もそれにひきずられて遅らせる必要があると考えています。それをどのような形で今後進めるべきかというのは,今まさに内部で議論をしているところで,この委員会にもいずれこういう形に計画を変更しましたというお話をすることになると思っています。

【冨井委員】 わかりました。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。
 どうぞ。

【松島委員】 騒音低減の効果ですけれども,今回使われたようなデバイスに関しては,例えば機体が大きくなったりとか,エンジンのパワーが大きくなったりとか,レイノルズ数効果とか,そういったことにも対応できるような一般的な結論だと思ってよろしいでしょうか。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 今回飛行実証したものについては,フラップに関してはかなり大型の機体まで持っていっても使える方法だと考えています。脚については,脚の形態は機体サイズによって大分変わりますが,基本的に2輪の主脚の形態であるもの,ですからボーイング737クラスぐらいまでは,このようなアイデアは使っていけるのではないかと考えています。現在,我々が視野に入れているのは,リージョナルジェットクラスまでですが。

【松島委員】 ありがとうございました。

【李家主査】 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

【武市委員】 前半の話題に関係しますが,騒音低減はICAOの基準で決まっていると思いますが,海外のメーカーや研究機関はどのような対処をしているのかということと,この結果は知的財産になるのかというところを教えてください。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 この結果といいますか,低騒音化の手法等は特許出願をしているものです。
 海外の動向は丁寧に説明する資料を持ってきておりませんが,FQUROH(フクロウ)プロジェクトで予備実証試験を2016年に行いましたが,それから3か月後にボーイングとエンブラエルが共同でスラットの低騒音化の飛行実証試験を実施しました。それから去年9月に,NASAが主脚に対して我々と同じように飛行試験を行いました。ちょうど去年我々が飛行試験を行っていたのと同じ時期です。それからエアバスが欧州のプロジェクトの中でフラップの低騒音化について去年の7月に行いまいた。ちょうどタイミングが合って全部そろって同じように進んでいますが,このようなことをやっていかないと機体騒音の問題は解決できないという点は,皆同じように考えているようです。

【武市委員】 そうすると,知財は早い者勝ちになりますよね。

【JAXA山本プロジェクトマネージャ】 もちろんそうですね。このような飛行実証試験を行う前に特許出願をして進めています。一番古いものはフラップの下を少し膨らませる方法ですけれども,これは2008年,随分前に特許出願して,その後,海外を全部押さえていっています。

【武市委員】 わかりました。

【李家主査】 では,更に御質問や御意見があるかもしれませんが,今回はこれまでにさせていただきます。
 それでは,次は議題4のその他について,事務局より説明をお願いいたします。

【坂本課長補佐】 資料56-4-1,4-2,4-3を御覧ください。前回6月に航空科学技術委員会を開いた際に,コアエンジン技術の研究開発について事前評価票案を作成した上で,御意見を頂き修正等を加えて,当初は,次回の委員会で決定したいと思いますと申し上げましたけれども,次の委員会を開かずに,その後はメールベースで委員の皆様と調整をさせていただきました。その結果を取りまとめさせていただいて8月の研究計画・評価分科会に報告いたしまして,そのまま決定されたわけですけれども,李家主査ともいろいろ相談した中で,委員の皆様の御意見を募って決めたという資料,エビデンスが残っていないということから,これはメールベースで皆様に展開させていただいた資料になりますが,今回改めてこの資料をつけさせていただいて,これでもってエビデンスとして残すこととさせていただきたいということでつけたものでございます。よって,これをまた議論するとか,そういったものではございません。
 資料56-4-1が第1回の照会結果です。委員の皆様の御意見を踏まえて修正をさせていただきました。これがちょうど七夕あたりですかね。資料56-4-2が第2回ということで,更に御意見を頂きまして,再修正案を示させていただいた上で,資料56-4-3の最終形の修正案を研究計画・評価分科会に上げさせていただいて確定したという,一連の流れのものでございます。
 ただ,資料56-4-2の8ページ目になりますが,6月のときに,コアエンジン技術の研究開発を進めるに当たり,人的リソースについていろいろ御意見を頂きました。その際にこれも次回委員会で説明しますと言っておきながら,次回委員会を開けなかったものですから,説明資料として1枚紙を作って回答したという経緯がございます。
 8ページ目の真ん中あたりですが,李家主査からのコメントとして,「一方,後者については,本研究開発にとどまらずほかの研究開発にも係(かか)わるとともに,今回JAXAから提示を受けた『人的リソース』に関する資料にも関連するため,改めて次回の委員会で意見したい。本評価票の記述としては事務局修正どおりで了解します」とございます。人的リソースに関するJAXA資料は最後のページにつけております。もともとは,本当に人的リソースが足りるのかという問題意識があって,そのコメントに対してJAXAが答えたというペーパーでございます。
 これも,JAXAでは出向だとか,招へい職員等,産業界からの人的リソースも増強して,本研究開発計画が滞りなく進捗するよう事業を運営しますということを,本来であれば委員会の場で説明をさせていただく予定でしたが,これをペーパーでJAXAが回答しましたので,これも併せて今回記録として残させていただければと考えて,今回つけたものでございます。
 資料56-4-1,4-2,4-3の説明は以上になります。

【李家主査】 どうもありがとうございました。
 前回から8か月委員会がなく,メール審議とさせていただきましたので,今,課長補佐から御説明があったとおり,エビデンスを残すということでこの資料もつけていただきました。
 その際,私の手元の資料になりますが,7月27日に本件を確定させるために,事務局にお願いして私からコメントを送らせていただいています。それに関しても記録に残すために読み上げさせていただきますと,「航空科学技術委員会委員の皆様,2回にわたり評価案への御意見を頂き,ありがとうございました。皆様の意見が出そろい,評価案としておかげさまでまとめることができました。そこで評価案の審議は完了ということにさせていただき,8月開催予定の研究計画・評価分科会において報告し,了承を求めることとします。今後もし追加でお気づきの点がありましたら事務局宛てにお知らせください。その後の対応は主査と事務局に一任していただくということにさせていただきます。なお,今回複数の委員から人材育成に関する御意見を頂きました。これは本課題に限る話ではありませんので,既に事務局からも連絡があったように,前回残されていたJAXAへの宿題と合わせて次回の委員会において議論させていただきます。」昨年の7月27日付でこのメールを送らせていただきました。以上は事務的な整合性をとるための御説明ですけれども,資料56-4-2の,先ほど坂本さんからもお話があった8ページで,私が次回の委員会で意見をしたいと申しておりますので,少しだけ今時間を頂いてコメントをさせていただこうと思います。基本的には,この資料56-4-2の最後のページについている人的リソースに関するJAXA資料を見た感想です。先ほどもお話がありましたけれども,この資料の下から4行目に,出向等とか産業界からの人的リソースを増強するとか,そういった説明がありました。その意味としては,要は研究開発するに当たって人が足りなくなったときに,JAXA内のほかの部門から人を呼んできてすぐに仕事をしてもらうとか,産業界の現役の技術者も来てもらって研究をするという,そんなニュアンスかと思いました。ただし,我々の研究開発計画等を審議する立場として,例えば今回のコアエンジン技術ですと,10年後に更に進んだ技術開発をするということも併せて高く評価させていただきましたけれども,そうすると今は非常に優秀な技術を持った研究者がいらっしゃるとしても,10年後にまたそういう人がいるかどうかということが心配になりました。単に出向で,きのうまで全く関係ない宇宙関係のことをやっていた人が航空に来てすぐできるのかとか,産業界からですと,突然会社の技術の方にJAXAに来てもらうとか,そういった急な話で研究開発計画がうまくいくのかどうかということが不安になりました。基本的にはJAXAでも若い人をなるべく育成していくことが必要なのかと思います。博士号を持っている人をできれば定期的に採用していただきたいです。人事に口出しするようなことができないことは重々承知していますので,飽くまでも研究開発計画を評価するという立場でコメントさせていただいています。例えば,先ほどの山本さんが説明された音響の資料56-3-1の2ページに今後の研究開発計画の流れが書いてあります。これを見ますと,今後コアエンジンの研究開発,それから超音速機の研究開発,それともう一つが環境適合性の低騒音化技術の研究開発といったものが幾つも続いていきます。そのような状況を考えると,毎年そういった専門性を持った,例えば機体システムとかエンジン関係とか,また,ここには挙がっていないですけれども構造材料関係の専門家といった,ドクターを持っている人をなるべく採用していただいて,それが10年後にこういった研究開発の第一線に立って非常に多大な成果を上げていただけると良いのではないか,そんなふうに思ったということを,先ほどの資料の8ページで,意見させてくださいと書かせていただいた訳です。
 これに関して資料56-4-2のほかの先生方の意見を見ますと,急に振って申し訳ないですが,資料56-4-2の9ページの右側では,高辻委員からこういった人的リソースのコメントも頂いていますし,前の方の5ページでも松島委員から人材に関する御意見を頂いています。もし何か追加のコメントがございまいしたらいただけると有り難いですが,いかがでしょうか。急に振って申し訳ありません。

【高辻主査代理】 そこに書いてあるとおりですけれども,よく言われるとおり,人が全てを決定いたしますので,それを継承していく人の目配りをしていただくことが,より良い成果になっていくと思います。

【松島委員】 私もこちらに書いてあるとおりですけれども,高度な専門的知識と技術センスを持つ人材が多く必要になってくるだろうと思われるということと,私が大学にいる者として,大学としても修士課程と博士課程では鍛え方が違うところがありまして,博士課程の学生はどんどん鍛えているような状況で,そういう人材を生かしていただきたいという希望もあります。大学でできるだけ高度な専門知識やセンスを磨けるような教育をしていきたいと思っていますし,それをきちんと使っていただくような場があれば良いなという希望を込めて,このようなコメントをさせていただきました。

【李家主査】 どうもありがとうございました。

【JAXA伊藤部門長】 どうもありがとうございました。
 JAXAとして,この1枚紙の一番下の青い四角にありますように,エンジンだけではなくて航空技術部門全体で研究所員が漸減しています。この5年間で14人ぐらい減っていまして,定年退職の人とか途中退職もいまして,それを補充する意味で新人採用をしていますが,差が若干出ているということです。
 我々としては今御指摘のあった新人の採用を熱心にやろうと思っていまして,今まで以上に各研究部門でリクルート活動をきちんと行いたいと思っています。おっしゃるように,普通の人ではなくて,研究意欲のある高いレベルを持った人でなければいけないというのは事実ですので,そういう人をリクルートするように研究所全体で動いております。
 それからもう一つ,その上の四角に書いてあるように,出向,招へい職員,産業界からの人的リソースというのは新人ではないですけれども,出向というのはメーカーさんからの出向,あるいは大学からの出向ですが,全くエンジンの素人を採用するということではありません。今どこの研究所もそうですけれども,上が多くて真ん中が小さいという年齢のいびつさがあります。真ん中が抜けているところを補うために,既に相当実力を持っていらっしゃる方を中途で採用すると捉えていただければと思います。
 私としましては,そのように外部から良い方を採るということを研究所全体として努力すると同時に,JAXAの中でも,無尽蔵に予算が増える訳ではなく限られた中でということで,航空技術部門がこういう研究者が必要だということをJAXAの中で訴えていって,JAXAの幹部や人事部も理解していただくような内部の努力もしており,御理解を頂きつつあるところでございます。どうもいろいろ御指摘ありがとうございました。

【李家主査】 この件に関して,ほかの委員の先生から何か御意見はありますでしょうか。

【武市委員】 下から二つ目の項目で,「エンジン技術開発に関わる人員を増やすこと」とありますが,これはエンジンの専門家ではない人でもエンジン技術開発に携わるようになって,その分野の専門家として育成していくという意味でしょうか。

【JAXA伊藤部門長】 これはそれに近いです。例えばシミュレーションが重要になってくるといったときに,シミュレーションでは例えば機体をやっている人が多かったりします。その中で1人だけでもエンジンの方にシフトするとか,あるいは材料の研究者もいますので,そういう中から今はエンジンではないことをやっている人がエンジンに関係するようにするなどです。限られた100というパワーの中でエンジンに注力するときは,そこを少し増やさないといけないのは事実です。絶対値は増やせない中で,選択と集中を行うという意味合いです。

【武市委員】 JAXAの研究者の方も複数の専門性を持つようになる方向で育成していくということですね。

【JAXA伊藤部門長】 例えば主に機体をやっていた数値解析の研究者がもしエンジンのことをやるとすると,彼としては二つの柱ができることになります。同じシミュレーションでも機体も強いけれども,エンジンの燃焼も加味したこともできるというふうに広がります。

【武市委員】 わかりました。

【李家主査】 ほかはよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。更に御意見や御質問があるかもしれませんけれども,これまでにさせていただきます。頂いた御意見等は,今後の研究開発等に役立てていただければと思います。
 では,ほかに事務局からお願いいたします。

【坂本課長補佐】 次回の航空科学技術委員会の開催日につきましては,次回の研究計画・評価分科会が3月下旬から4月上旬と聞いていますが,その開催結果を踏まえた上で,また委員の皆様にスケジュール調整の連絡をさせていただければと考えておりますので,引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 本日の委員会の議事録につきましては,事務局案を作成し,委員の皆様に送付させていただきますので,議事録の作成方,御協力よろしくお願いします。
 事務局からの説明は以上になります。

3.閉会

【李家主査】 それでは,これで科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会第56回航空科学技術委員会を閉会させていただきます。長時間にわたる御審議,どうもありがとうございました。


(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課