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航空科学技術委員会(第55回) 議事録

1.日時

平成29年6月14日(水曜日) 10時00分~11時15分

2.場所

文部科学省 18階 研究開発局会議室1

3.議題

  1. 研究開発課題の評価について
  2. その他

4.出席者

委員

科学技術・学術審議会臨時委員  李家 賢一【主査】
科学技術・学術審議会専門委員  佐藤 哲也
科学技術・学術審議会専門委員  髙辻 成次
科学技術・学術審議会専門委員  武市 昇
科学技術・学術審議会専門委員  冨井 哲雄
科学技術・学術審議会専門委員  山内 純子
科学技術・学術審議会専門委員  和田 雅子

文部科学省

研究開発局審議官  大山 真未
研究開発局宇宙開発利用課長  堀内 義規
研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長  藤森 昭裕
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  坂本 和紀

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
  航空技術部門長  伊藤 文和
  航空技術部門航空プログラムディレクタ  吉田 憲司

オブザーバー

経済産業省

5.議事録

1.開会

 

【坂本課長補佐】 それでは,ただいまから,科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 航空科学技術委員会第55回を開会したいと思います。

 まず,定足数について御報告いたします。本日,竹内委員,松島委員,難波委員が欠席となっておりますが,委員の定数10名のうち7名出席いただいており,過半数を満たしているということで,定足数を満たしていることを御報告いたします。

 続きまして,配付資料の確認をさせていただきます。座席表,議事次第がありまして,そのあと,資料55-1-1が「コアエンジン技術の研究開発」の概要と事前評価票(案),資料55-1-2が事前評価補足資料,続きまして資料54-2-2が平成29年度航空科学技術委員会における研究評価計画(案)となっております。

 もし落丁等ございましたら,お申し出いただければと思います。

 事務局からこの場でおわびを申し上げさせていただきます。資料54-2-2は,前回,平成29年5月15日の委員会で配付させていただいた資料でございます。前回配付した資料に誤りがありましたので,今回修正という形で配付させていただいたものですが,詳しい説明をせずにメールでお送りいたしまして,委員の先生の混乱を招いてしまった点について,まずおわび申し上げます。

 具体的な修正箇所ですが,次のページの別紙1で,線表の下から2番目の「静粛超音速機統合設計技術の研究開発」というものが,今の資料では2016年から2019年までの4年間になっていますが,前回は間違えて5年間で,2020年まで伸ばしておりました。5年間で設定することが多いのですが,この課題は4年間ということで,前回,事前評価計画について承認いただきましたが,前回の資料ではそこが誤っておりましたので,今回改めて修正したものを配付させていただいた次第でございます。ホームページに公表する資料についても,この修正版をアップロードいたしますので,委員の皆様におかれましては,前回の資料を差し替えていただければと考えております。おわび申し上げます。

 それでは,以後の議事に関しましては,李家主査にお願いいたします。

 

2.議事

 

【李家主査】 おはようございます。朝早くからありがとうございます。航空科学技術委員会の第55回を始めさせていただきます。

 最初が議題の1番,研究開発課題の評価についてということで,前回,今日のテーマとなるエンジン関係でIHIの方から現状を御説明いただいておりますので,それも参考にしながら説明をお聞きいただければと思います。

 では,事務局から説明をお願いいたします。

 

【坂本課長補佐】 それでは,資料55-1-1及び資料55-1-2について,事務局とJAXAから説明をさせていただきたいと思います。

 まず資料55-1-1ですが,概要ということで,私から簡単に御紹介させていただきます。

 評価実施期間は5年間です。中間評価は平成32年度に実施,事後評価は平成35年度を予定しております。

 概要と目的ですけれども,2030年代に就航が予想されている次世代航空機用に,最新型の航空機用エンジンが出てくると予想されます。その際,経済性と環境適合性がキーになってくると考えております。JAXAで研究開発を進めている技術について,日本の民間エンジンメーカーと協力しながら,これらのキー技術を獲得していきたいと考えております。また,F7エンジンをJAXAに導入しますので,研究結果をエンジンのシステムレベルで実証していきたいと考えております。

 必要性ですけれども,昨今の動きとしては,経済性はもとより,環境適合性についても,ICAO,国際民間航空機関でも排出基準を年々下げているという実態もあって,日本のエンジンメーカーも含め,各社がしのぎを削っているという現状がございます。その一方,JAXAにおいては,要素レベルでは世界的にも非常に高い技術を持っておりますので,それらの技術成熟度を高めることによって,世界に負けない技術を獲得していきたいと考えております。

 協力体制については,JAXAだけではなく,民間あるいは大学等と,いわゆる産官学連携した体制を構築することによって,効果的に取り組んでいきたいと考えております。

 ロードマップですけれども,具体的にはコアエンジンの中の燃焼器と言われるものと高圧タービンと言われるもの,この二つについて研究開発を進めていきたいと考えております。それぞれ技術成熟度を上げていくわけですけれども,技術成熟度(TRL)が,燃焼器の方は現在4,タービンの方は3ということで,タービンの方が低いことから少し遅れているということを御承知いただければと思います。

 概要は以上ですが,概要と事前評価票というものを,この航空科学技術委員会でまとめさせていただいて,8月に行われる予定の研究計画・評価分科会に報告し,そこで承認を頂くということを考えております。

 今回は,まずは委員の皆様に対して,エンジンについて具体的にどのようなことをしたいと考えているのかということについて説明させていただいて,質疑応答を行った上で,今日の委員会が終わった後に,事前評価票(案)について,もっとこうした方がいいという御意見等があればコメントを頂きたいということで,委員の皆様に照会をさせていただきたいと考えております。

 その上で,事前評価票(案)について,委員の皆様からの意見を反映したものを提示させていただいて,了をとりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。

 事前評価票(案)についての説明は割愛させていただいて,先に資料55-1-2の補足説明資料で今日は質疑を受けたいと思いますので,よろしくお願いします。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 では,資料55-1-2につきまして,JAXAから御説明申し上げたいと思います。

 2ページ目に目次があります。本日この資料では,そこにある五つの項目について御説明しようと考えております。

 3ページ目を御覧ください。本研究の背景,位置付けということで,イントロダクションとしてエンジン産業の動向をまとめました。これは,前回IHIさんが航空科学技術委員会で御説明されたことを踏まえて,JAXA側でそれ以外のいろいろな情報も踏まえてまとめたものです。

 最初の四角ですが,国内エンジンメーカーさんの合計のシェアは5.8%あるということです。右側の円グラフのオレンジで示しているところです。

 海外のOEMのリスク・シェアリング・パートナー,サブコン等として,日本のメーカーさんは国際的にも一定の役割・存在感を示しているというのが現状でございます。

 3個目の四角ですが,少し古いのですが,JAXAを中核に旧NAL時代に進めたFJRエンジンプロジェクトというものがありました。それを進めていったおかげというか,その延長で国内エンジンメーカーのV2500エンジン国際共同開発への参画につながっていったという経緯がございます。

 そこで,海外OEMエンジン開発において,特に低圧部の分担の獲得につながっています。低圧部というのは,括弧にありますファン,低圧圧縮機,タービン等です。下にエンジンの絵とエンジンの種類,企業さんの分担部位の変遷があります。赤い点線で囲んだ部分が主に低圧部というところです。右側にくると,一部,圧縮機というものがありますが,主にファンというエンジンの一番前の方の部分と,低圧タービンという後ろの方の部分をやってきたということです。シェアは,その下にありますように,かなりの部分が取れているということです。

 四つ目の四角ですが,他方,エンジンの心臓部というのは,コアエンジンと言われるところで,高圧部です。それは燃焼器,高圧タービン等の部分でございます。そこは欧米のエンジンメーカーがかなり押さえておりまして,開発・設計レベルから国内メーカーさんがそこに入って分担するということにはなかなかたどりついていないというのが現状です。今後は高圧部の開発段階から分担するような状況になっていけば,我が国の航空エンジン産業の大きな飛躍につながるということで,そこを目指していこうというのが今の日本の位置付けだと理解しております。これが前提となります。

 次のページに参りまして,私どもが今回御提案させていただくコアエンジン技術の研究開発の概要を,次のページと合わせて2枚でまとめました。

 まず,ターゲットとなるのは,先ほど坂本補佐がお話された2030年代に就航が予想される次世代航空機というものがありますが,それに適用されるエンジンのキー技術を考えております。それには燃費と環境負荷性能を大幅に改善するコアエンジン技術が必要となり,その研究開発を進めたいと思っております。

 この研究開発を実用化につなげるためには,産業界と緊密に連携して,今後整備される予定の技術実証用国産エンジン,以後「F7エンジン」と呼びますが,それが導入されますと,エンジン丸ごとのシステムレベルの技術実証ができるようになりますので,そこを見据えてコアエンジン技術の開発を進めたいと思っております。そして,JAXAが保有する大規模試験設備群がありますので,それを使って技術開発の性能実証をしていきたいと思っております。

 この研究開発の技術課題として,大きく二つ取り上げております。

 一つは左側にあるリーンバーン燃焼器と書いてあるものです。エンジンの絵がありますが,真ん中あたりの茶色っぽく少し色が違っている部分がリーンバーン燃焼器という部分でございます。ここでは,我々は世界最高レベルの低NOxリーンバーン燃焼器技術というものを作り上げて,エンジン搭載直前,つまり実際に使われる実用化の直前でございますが,その手前の技術成熟度までもっていこうというものです。

 TRL(テクノロジー・レディネス・レベル)という技術成熟度の指標がありますが,これでは5というところでございまして,それをこの研究開発で実証したいと思っています。

 リーンバーン燃焼器の写真がそこにありますが,後ほどもう少し詳しく御説明いたします。全体に環状にしたものをアニュラ燃焼器と呼びますが,それを下の写真にある環状燃焼試験設備に入れて,性能を評価するというのが一つの課題になります。

 世界最高レベルという意味は次ページで御説明いたします。

 もう一つの課題は,右側でございまして,高温高効率タービンの技術でございます。これはコアエンジンの効率向上のために必要な高負荷をかけて,しかし,低損失であるようにする,高温のタービンの技術でして,そのタービンを作って,右側の写真の下側にあります回転タービン試験設備で実証しようというものです。この設備は今整備中でございますが,それが完了した段階で使うということになります。

 高負荷の低損失というのは,右側の写真の左隣に「前縁」と書いてある翼タービンと,タービンが付くルートのハブというものがありますが,垂直についているところはコーナーの部分に二次流れというものが生じて損失を生みますが,これをいかに小さくするかという設計技術,一例としてそういうものを取り込むということです。

 次の5ページを御覧ください。もう少し研究の状況を説明いたします。

 まず左側の矢印のところですが,我々は今中期計画5年間の中で,グリーンエンジン技術の研究開発を行っております。そこで,コアエンジンの,今回御提案するエンジンの基礎技術の開発に取り組んでおります。具体的には(1),(2)とある二つの成果が出つつあります。

 まず,(1)が希薄予混合二段燃焼器,先ほどリーンバーン燃焼器と申し上げたものです。それを開発して試験を行いまして,国際基準であるICAO CAEP/6という基準から,NOxに関しては75%減を達成しております。これは世界のトップレベルでございます。

 右側の上の図を御覧いただきますと,縦軸にNOxの0から1で無次元化した指標があります。横軸がCOです。グリーンの線がICAO CAEP/6の基準です。NOx基準を1とした場合,どれだけ下がったかということを下に見ていただきますと,75%減の線が赤の線でして,その下の方に緑の四角と青の四角がありまして,そこにJAXAと書いてあります。これが我々の試験設備で実際に計測して得られたデータに基づくものでして,我々はその75%減というライン以下の成果を得ているということで,非常に大きな成果がグリーンエンジン技術で得られております。

 2番目の項目ですが,燃費性能向上のためには,回転するタービンの入り口の温度が非常に重要です。温度を上げていくと性能が上がるわけですが,推力10トン未満のエンジンで,我々は今世界最高の超高温タービン技術にトライしております。1,600℃という非常に高温でございますが,その研究を実施しております。

 今度は右側の下の図を見ていただきたいのですが,縦軸はタービンの入り口温度で,横軸の高圧タービンの初段静翼高さというのは,タービンのコアからの半径,コア部分は除きますが,それが左側に行くと小さくなります。つまり,小型化されたエンジンで高温の方を狙っているということです。上にある赤い丸は今のグリーンエンジン技術研究の目標でございます。その近くに四角い赤と,少し右の方に三角がありますが,これが我々の最新の研究成果でして,ターゲットに向かって我々は技術の開発をしているというところにあります。

 これが我々の現状でございます。

 ですので,今後の研究方針としましては,矢印の2個目ですが,これらのコアエンジン技術について,実用化を目指す民間企業をパートナーとして,実用性の高い技術開発を進めていきたいと,そういう方針を持っております。

 この研究の先には何があるかと言いますと,我々が数年で導入する予定のF7エンジンが入りますと,エンジン丸ごとのシステム実証ができますので,コアエンジンでやった技術をいわゆるシステム実証まで行い,実用化につなげるという流れを,我々は考えております。

 2030年の次世代の航空機に向けては,産業界と連携を密にして歩調を合わせながら,国内メーカーさんの国際競争力の高いコアエンジン技術を実証して,実用化・事業化に結びつけるために,我々は研究開発をしていきたいと考えております。それがシナリオでございます。

 次のページを御覧ください。先ほどTRLというものをお示ししました。我々研究を行っている人間はこのTRLで物事を考えることになっておりますが,これは燃焼器の開発の一例で,TRLの数字と,どういうことを試験設備で実証するかという説明の図です。

 TRL2というのは実験室規模のものであり,TRL6というのはエンジン丸ごとで,トータルシステムで実証するようなものです。技術のシステム度や実用性を高めていくためには,このような実証実験のステップアップが必要でして,TRL2,3,4,5,6と技術研究・開発を進めるというものです。

 例えば,下の写真にある高温高圧燃焼試験設備というのは,シングルセクタ燃焼器というものがTRL3の横にありますが,それを入れられますし,マルチセクタというTRL4のものも入れられます。ですので,この試験設備ではTRL3から4が実証できます。それから,TRL5の横にアニュラ燃焼器というものがあります。マルチセクタをぐるっと一回りしたものですが,これを上の写真にある環状燃焼器試験設備に入れますと,燃焼器の性能がわかりまして,これでTRL5を実証できるということになります。

 次に7ページを御覧ください。ここで我々は先ほどの二つの技術を取り上げますが,その一つ目,リーンバーン燃焼器をもう少し詳しく御説明します。この研究の主要課題が真ん中にありますが,今保有している,あるいは,保有しつつある優位技術を,その上のところに三つほどまとめました。

 一つは,先ほど申し上げましたNOxを75%低減できるというものでして,先ほどの御説明どおりで,右側の真ん中の図がそれを再掲しているものです。

 2番目は,先ほどTRLの御説明で書きましたように,JAXAはTRL6に向かう試験設備群を持っておりますので,これを使うことで技術の確からしさと言いましょうか,成熟度を確認できる設備群を持っているというものです。先ほどの燃焼試験設備や環状燃焼試験設備の写真をもう一度下に並べておりますが,先ほど御説明させていただいたものでございます。

 それから,3番目,燃焼器の設計や技術課題を解決するために必要な基盤技術を持っているということを述べたいと思います。具体的には,1行上にありますが,高温高圧燃焼器の光学可視化計測とか,数値解析技術,燃焼振動抑制技術などでございます。下の一番右側に実際に高圧燃焼しているところの光学可視化計測の例がありますが,こういう分析を行える基盤技術を我々は持っているということです。

 このようなJAXAの技術レベルに対して,この5年間のコアエンジンの研究開発で取り組むべき主要課題をここに三つほどまとめています。

 リーンバーン燃焼器の実用化に必要な技術課題の解決です。具体的には少し専門的になりますが,括弧内に書いてあるようなことを考えております。

 2番目,今後導入されますF7エンジンを使った実証試験に向けて,燃料制御技術の実証を事前に実施する必要がありまして,これも課題でございます。

 それから,耐熱複合材,今はCMCを考えておりますが,それの燃焼器ライナー,これは燃焼器の内側の表面ですが,そこへそれを適用する技術の開発というものも主要課題と考えております。細かいことは括弧内にいろいろ書いてありますが,そういうものを想定しております。

 このコアエンジン技術の研究開発の終了後に,計画としてはF7エンジンを使ってリーンバーン燃焼器を実証しまして,これをもって国内として技術をつくり上げるというものです。

 次のページを御覧ください。8ページです。もう一つの柱であります高温高効率タービンの技術でございます。これもJAXAが保有する技術を四つほどまとめました。

 まず,タービン翼冷却構造の特許技術等を我々は持っております。これを使って,小型エンジン用タービン翼で大型エンジン並みの1,600℃という高温の耐熱性を確保する技術を開発しております。グリーンエンジンの中で実施中でございます。

 2番目,流体・熱伝導連成数値解析による詳細な翼温度分布予測技術を持っています。持っているという証拠として,一番下にカラーの赤とか緑とか青の絵があります。これは実際に予測した温度分布のカラーコンターでございますが,こういう計算ができるようになっておりますので,かなりの分析ができるようになっているというものです。

 それから,3個目の四角ですが,実機と相似環境を実現する回転タービン試験設備を整備中でございます。これがあるとTRL4の実験ができるということになります。

 それから,四つ目が耐熱材料の耐久性評価技術というものです。

 このような優位技術を持っておりますが,これを更に進める主要課題としては三つあります。

 エンジンの高圧力比化に伴うタービン出力の増大と効率向上を両立させるためには,高負荷なタービン空力設計技術の開発が必要になりまして,その開発及び性能実証をする必要があるということが主要課題です。

 それから,たくさんの翼列になりますが,その間の高速のガス流と冷却空気の混合というのが実際はありますが,それによる損失を低減することが重要でして,それには冷却する空気の流量を削減する技術と,冷却された空気が混合することによって圧力に損失が生じますが,その損失を低減する技術,この2種類の技術が必要となります。それを開発して性能を実証するということです。

 右上の図にタービン冷却構造の特許例がありまして,タービンのブレード1枚を取り出しておりますが,これは金属タービンを想定しております。そこに黄色い幾つかの穴があるように見えますが,それが冷却スロットでありまして,たくさんあるので「マルチスロット」と呼んでおります。これを使うと冷却空気流量を制限できるというものです。

 3個目の主要課題は耐熱複合材のタービン適用技術で,これは先ほどのリーンバーンの方にもありましたが,耐熱複合材の技術ということになります。

 この研究開発の終了後は,タービン性能試験を行ってエンジン実証につなげていくという計画を持っています。

 次に9ページ目を御覧いただきたいと思います。これは,JAXAと産業界で技術開発の戦略を整合するように,いろいろ相談などをしまして,エンジン技術の国際競争力を強化するという観点のシナリオで整理した研究開発ロードマップでございます。上に年数が書かれております。縦軸の中央にF7エンジンを置きました。これが今後導入されるので,これを使うとテクノロジー・レディネス・レベルがかなり上がりますので,そこを通してどう実用化につなげるかという線表が書いてあります。

 一番左側の列は正に今中期でございまして,一番下にJAXAの研究開発として緑の枠のグリーンエンジン技術開発というものがありますが,これが今進めているものです。今中期計画が終わりますと,その一部をコアエンジン技術の研究開発,一部を国内メーカーさんに渡していくということです。

 それから,真ん中の列に赤字で書かれたコアエンジン技術の研究開発のところで,先ほど御説明いたしました二つの柱を中心に研究開発を進めていきます。5年間が終わりますと,緑の上に上がる矢印,赤のところから上に上がる燃焼器という矢印がありますが,そこでF7エンジンの技術実証フェーズ丸2というところに入って,先ほどのTRL6の実証をして,上の次世代エンジン開発というところに間に合わせて,2030年の航空機に間に合わせるようなスケジュール感でロードマップが考えられております。

 タービンの方は,少し遅れて社会実装につながっていくという線表になっております。御参考までに,青で書いたJAXAの今中期の一番左ですが,高効率軽量ファン・低圧タービン技術実証というものは,今我々がプロジェクトで進めているaFJRというものです。これは,今中期で終わりますと,国内エンジンメーカーさんへ渡すものと,導入されるF7エンジンを使った技術実証フェーズ丸1を挟んで,それが産業界へ出ていくというものがございます。

 ということで,F7エンジンを使ってこのように技術実証をしていくという計画で,そこにたどりつく研究開発をしっかりやっていくという,研究と実証と産業界というつながりを整理しながら,ロードマップを作っております。

 最後に,10ページでございます。研究計画のスケジュールと実施体制を,簡単にもう一度まとめました。

 技術目標は二つありますが,リーンバーン燃焼器技術に関しましては,排出ガス低減のキー技術になります,JAXAが有している世界最高レベル,先ほどの75%低NOx希薄予混合燃焼(リーンバーン燃焼)技術を,環状のアニュラ燃焼器で実証しようというのが目標です。TRL5を達成します。

 それから,高温高効率タービン技術の方は,コアエンジンの効率向上のキー技術です。JAXAの持っている超高温タービン技術(小型エンジン),先ほどの初段静翼の高さが左側で小さかったものですが,それで最高レベルにするというものです。そして,冷却空気流量の削減技術等を使って高負荷低損失タービンを作って,回転タービン試験装置で実証します。これはTRL4になります。

 スケジュールの各年度展開は,真ん中の図にあるようなものです。少し細かくて恐縮ですが,そのように進めていこうと考えております。

 最後に実施体制でございます。実はJAXAの航空の研究者数というのはここ数年減り続けております。そういう状況なのですが,このコアエンジンの研究は非常に重要でございますので,JAXA航空技術部門としては研究リソースをかなり重点的に配置して取り組みたいという判断をしております。

 JAXAは,先導的なエンジン技術の開発や大規模試験設備,先ほどの自分の設備を使って技術実証試験を行うことが担当であり,国内エンジンメーカーは,エンジン製品化要求仕様を見据えて,実用化の技術開発を主に担うという役割分担かと思います。もちろん大学・研究機関も含めた協力体制を考えておりまして,効果的に研究開発を進めたいと思っています。

 右側に,小さな字で恐縮ですが,我々が想定しております連携の仕方を書きました。

 以上でございます。

 

【李家主査】 ありがとうございました。

 

【坂本課長補佐】 少し補足をさせていただきます。

 何度かTRL,技術成熟度という説明がありましたが,これについては,資料55-1-1の事前評価票(案)の3ページ目に,TRL3から5が要素実証で,6のレベルがエンジンのシステム実証になり,9が運用状態ということで説明を記載しております。

TRLは1から9の段階で分けられております。大体1から3が大学の実験室レベルで,要素中の要素というような基盤的な技術レベル,4から6が大型試験設備を用いないとできない,それなりの高い技術レベルです。主にJAXAは4から6を担当しているという実態がございます。7から9というのは,エンジンの実環境にかなり即した状態ということで,メーカーが主に担当しているレベルになります。TRLを1から順々に上げていって,最終的に9になったところで,エンジンは製品として完成するというものでございます。もともとアメリカのNASAで提唱された考え方で,JAXAも同じようにTRLを用いて研究開発に取り組んでいるというものでございます。

 また,事前評価票(案)ですけれども,今のJAXAの説明に基づいて,2ページ目から,事前評価票のフォーマットに従って,必要性,有効性,効率性についてそれぞれ記載させていただいております。

 必要性については,JAXAの説明のとおりですが,2030年代に就航が予想される次世代航空機用のエンジンについて,平成37年以降量産化に向けた国際共同開発の開始が見込まれています。そのような現状を踏まえて,特に国内メーカーが現状獲得できていないコアエンジン部分の分担獲得のために,コアエンジン技術のTRLを早急に高めることが必要となっていること,ここが一番のポイントかと考えております。

 先ほども少し申し上げたとおり,国際民間航空機関においても,NOxの基準,CO2の基準,CO2については経済性とリンクする話ですけれども,これらの基準は非常に厳しくなっている傾向があるということで,社会的・経済的,科学的・技術的意義が非常に高いことから,必要性はあると判断しております。

 また,税金を投入して国やJAXAが行う必要があるかということについても,航空機産業というのは多額の開発費を要するということ,民間だけではなかなか参入が難しい分野であること,諸外国においても,アメリカのNASAとボーイングなどが連合を組んで研究開発に取り組んでいるという実態もありますので,当然,日本においても同じようにJAXAと民間が協力しながら,これらの研究開発を進めることが重要と考えております。

 続きまして,3ページ目,有効性については,真ん中の丸1低NOx燃焼器技術,丸2高温高効率タービン技術,いずれもJAXAは今までかなり高いレベルの要素研究を進めてきています。NOxについては,先ほどJAXAの吉田プログラムディレクタが説明したとおり,ICAOのCAEP/6の基準があるわけですけれども,これに対して75%も低減する,世界最高レベルの技術を獲得しているというものでございます。

 NOxの基準については,3ページの上の方に米印で説明しておりますが,最新の基準はCAEP/8の基準ということで,平成26年からの型式のエンジン,最新のエンジンには適用されます。CAEP/6の基準は平成20年からの型式のエンジンに適用されているというものでございます。

 最新の基準というのも,直前の基準,CAEP/6の基準から15%低減ということになっています。CAEPの会議は3年に1回開かれているわけですが,大体2回に1回,6年に1回ぐらいで,「またNOxを下げようか」ということが国際会議の場で議論をされている状況です。逆に言えば,エンジンの研究者,国際基準等をつくるような人たちにおいても,NOxというのは放っておくとどんどん増えてしまうということから,NOxは下げなければいけないということが前提となって,国際基準がつくられているというものでございます。

 要は,NOxというのはエンジンが高温高圧縮になれば自動的に増えていくということで,何らかの対策をしないと,経済性の優れたエンジンになればなるほどNOxがどんどん増えてしまうという,反比例と言いましょうか,そのような関係性があることから,国際会議の場においてもNOxを抑えることが提言されています。ですから,NOxについては今後も基準は段階的に下がっていくものと考えられます。

 また,高効率タービン技術につきましては,燃費向上が,CO2削減のためにも避けられない技術です。これについても,もともとJAXAはTRL3相当でありますけれども,非常に高いレベルの冷却技術を持っていますので,それらを高めることによって有効性の高い研究開発ができると考えております。

 最後に4ページ目,効率性です。2030年の就航予定という目標を見据えて,燃焼器についてはTRLを5年間で4から5に,タービンについては3から4にするということで,計画・目標を適切に定めて研究開発を進めることとしております。

 これはメーカーとJAXA,そして大学等を含めていろいろ話し合っていく中で,これらの計画・目標,TRLをこの段階で上げていくことは妥当かということを検討した結果,これらは妥当であるということで,今回研究開発を進めていくこととしたものでございます。

 次に体制ですけれども,役割分担として,JAXAは次世代航空機エンジンの要求性能を見据えた先進的なコア技術の開発,大規模試験設備での技術実証担当,民間企業はエンジンの製品化要求仕様を見据えた実用化技術の開発を担当,大学など,大学以外にも材料を専門としているような研究機関,NIMSといったところももしかすると入るかもしれませんが,大学等においては技術実証で適用する要素技術の評価や計測・解析技術の開発を担当ということで,それぞれ産官学で強みを生かした体制を構築することで,最大限の効果を発揮して効率的な研究開発を進めていきたいと考えております。

 最後に,総合評価ということで,これは現状で事務局の案として考えている総合評価ですが,実施は可とすると考えているものでございます。これについても委員の先生から御意見等いただければと考えております。まずは,今日,説明を差し上げましたので,それについて質疑応答等いただければと考えております。

 以上でございます。

 大山審議官が今回初めて航空科学技術委員会に参加しておりますので,ここで一言挨拶をさせていただきます。

 

【大山審議官】 白間審議官の後任の大山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 

【坂本課長補佐】 事務局からの説明は以上でございます。

 

【李家主査】 どうもありがとうございました。

 では,ただいまの御説明について,御質問や御意見等お願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。

 

【佐藤委員】 どうもありがとうございます。

 今回のエンジンの燃焼器とタービンというのは,F7エンジンのサイズに合わせたものをつくるのでしょうか。それとも,セクタやタービンの大きさや流量などは別に考えるべきものでしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 両方です。別に考えて,最後はF7にも合わせたものにします。

 

【佐藤委員】 F7をターゲットとしたときに,例えばエアラインのエンジンはもっと大きいですが,小さいものができれば,大きいものも延長でできるという考え方でよろしいでしょうか。

 

【JAXA立花計画マネージャ】 計画マネージャの立花と申します。

 基本的には,例えば燃焼器については,小さい方がその中で完全に燃焼させることは難しいです。そういう意味では,小型で実証すれば大型の方にいきやすいということはございますが,次世代航空機エンジンの条件とF7の条件というのは正確には一致しませんので,エンジン実証も行い,次世代の条件に合わせた要素試験も併せて実施して,それらを相補的に合わせて次のターゲットを狙った開発を行うという形になるかと思います。

 

【佐藤委員】 ありがとうございます。

 もう一つよろしいでしょうか。今回のものは,TRLを上げるということで,セクタであったものを環状にするということですが。基本的な流路設計を変えるとか,材料にCMCを取り込んでいくとか,何か新しいものを取り込んでいくのか,それとも,今までの技術を延長した形で実証に近いものを作っていくのか,どちらの方向性が強いのでしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 両方です。CMCの適用というチャレンジングなことと,今の技術を実用化に向けて進めることと,両方を課題として考えております。

 

【佐藤委員】 CMCを入れると,冷却のやり方などが変わってくるかと思いますが,それは両方並行して進めていくということでしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 はい。

 

【佐藤委員】 ありがとうございます。

 

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

 

【武市委員】 エンジンのことは専門外で細かいことはわからないのですが,こちらの資料で平成37年以降量産化に向けた国際共同開発の開始が見込まれているとあります。今回は平成34年度までの5年間の計画ですが,この研究計画が終わって,TRLを上げたものをメーカーに渡してから国際共同開発に参入するまでに3年しかありませんが,そのようなスケジュールはエンジン開発では普通なのでしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 2030年に出るとすると,5年ぐらい前にエンジンの開発に入るということで,9ページのロードマップには年ごとの線は入っていませんけれども,我々は燃焼器に関しては間に合うと思っております。

 

【JAXA立花計画マネージャ】 就航が2030年だとしますと,5年前の2025年までにTRL5まで到達するということが,その次にエンジンに載せて実証する条件になりますので,それはある意味,通常のスケジュール感で進めているものです。

 

【武市委員】 メーカー側とも十分話し合われてこういうスケジュールになっているということでしょうか。

 

【JAXA立花計画マネージャ】 そこは国内のメーカーさんと意識合わせをしながらやっていくものですけれども,基本的にはそういうことです。

 

【武市委員】 それで,これが普通の計画なんでしょうか。

 

【JAXA立花計画マネージャ】 はい。

 

【武市委員】 ありがとうございます。

 

【李家主査】 はい,どうぞ。

 

【和田委員】 今回は高圧系コンポーネントの開発シェアの獲得ということが目標で,アメリカなどでは技術が進んでいて,今までシェアがとれていない部分を狙っていくということだと思います。実際にJAXAが保有する優位技術と課題というのがこちらに記載されていますけれども,そちらで実際に今強みを持っているほかの国に対抗することは十分可能なのでしょうか。この技術を開発することで,十分シェアがとれる可能性はあるのでしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 対抗は可能だと思います。先ほどの75%のNOx低減というのは大変優れた技術です。高い技術を持っていて,実証されたものを持っていて,国内エンジンメーカーさんとの戦略シナリオが合致していく中で,シェアの拡大につながると思います。この技術があれば確実ということはわからないですけれども,この技術があって臨むことでたどりつくのだと理解しております。

 

【和田委員】 もう一つよろしいでしょうか。JAXAが保有する優位技術というのは,ほかの国と比べて圧倒的に優位であるということでしょうか。それとも,これを開発する上で優位となる技術,必要な技術ということでしょうか。

 

【JAXA立花計画マネージャ】 7ページ目の右側の2段目に,燃焼器のベンチマークという図がございます。少し見にくいかもしれませんが,縦軸がNOxでして,たくさん点がありますが,ほとんどは今飛んでいるエンジンの値です。そのうちGEnxという赤い丸が,飛んでいるエンジンの中で一番NOxが低いものです。これはGEがボーイング787用に作ったエンジンです。この図が今のところ最新のものです。

 更に言いますと,リーンバーンという燃焼方式を一部取り入れているのはGEnxのみです。ただし,一部取り入れているということです。国際的に見てどのメーカーもリーンバーンをやりたいと思っているのですが,いろいろな難しさがあって,NOxを下げるということはできていません。NASAはプラット・アンド・ホイットニーと組んでやっていますし,JAXAも国内のメーカーと組んでやろうとしているというのが現状です。TRL4で80%ぐらい下げているというのがJAXAのリーンバーンの技術ですので,これは世界でもトップレベルということで,それを基礎に狙っていくということです。

 

【和田委員】 ありがとうございます。

 

【高辻主査代理】 今のお話と関連しますが,NOxの基準をNASAの基準レベルまで下げるということはよくわかりますが,タービン入り口温度を1,600℃に設定された背景を教えていただければと思います。産業界としては効率化というのは非常に気になるところです。

 

【JAXA山根ユニット長】 JAXAの推進技術研究ユニット長をしております山根と申します。

 先ほど御紹介いたしましたグリーンエンジン技術の研究開発で1,600℃と設定しましたのは,既に飛んでいる最新エンジンの実用化されているレベルに対して,その中で一番小さいクラスのターボファンエンジンで日本が対抗していくには,大型機で実用化されているものと同じ温度レベルが必要で,小さいエンジンで成立させるタービン翼を作るためにはこのぐらいの温度,かつ,冷却に必要な空気流量を増やさずにやらなければいけないということで設定したものです。

 チャンピオンデータでしたら,冷却空気流量を一時的にもっと増やすという形で設定できますが,そのところは実用機並みの冷却空気流量比はキープするように設定しています。1,600℃という数字だけを見ると,実験データとしては余りすごくは見えませんが,実用機としてはトップレベルのところに合わせて設定しています。

 実際にエンジンシステムを考えるときには,もう少し上の温度にいく場合もあると思いますが,このあたりに設定するのは,今のところ同等エンジンとしては適切であろうと考えております。最終的にどうなるかはエンジン設計にもよりますが,これ以上タービン入り口温度を上げますと,逆に燃焼器の温度を上げなければいけないということになりまして,先ほども少しお話がありましたように,温度が上がれば原理的にNOxの発生は増えることになりまして,燃焼器の方の条件が厳しくなります。そのバランスをとって,このあたりが実用的には適当なところかと思います。この辺の温度で冷却空気を減らして,それによってタービンの損失を減らすというようなことを,この高温高効率タービンの課題で研究開発することになっております。

 

【高辻主査代理】 ありがとうございます。

 

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

 

【冨井委員】 事務方にお聞きします。資料55-1-1で,予算の総額が調整中とありますが,実際はどれくらいの規模なのでしょうか。

 

【坂本課長補佐】 現在,aFJRプロジェクトを行っておりまして,年間10億円弱ぐらいの予算をかけてエンジンの研究開発に取り組んでいます。この後継としてコアエンジンのプロジェクトが立ち上がるのであれば,やはりそれくらいの規模の予算は投入されるというか,逆にそれくらいの規模がないと研究開発は進まないのではないかと考えております。

 

【冨井委員】 10億円弱というのは今のプロジェクトの規模でしょうか。

 

【坂本課長補佐】 そうです。5年間ということで進めているaFJRプロジェクトが今年度で終わるので,その後継ということでコアエンジンのプロジェクトを立ち上げようと考えておりますが,現行のaFJRプロジェクトは山なりのカーブになっていまして,今年度は7億で少し下がっておりますが,山の部分ですと年間10億ぐらいの予算規模で進んできたものでございます。

 

【冨井委員】 aFJRと同程度を想定しているということですね。

 

【坂本課長補佐】 そうです。

 

【冨井委員】 わかりました。

 もう一点お伺いします。先ほどTRL4という段階でNOxが75%下がったという話があったと思います。TRLは今後上がっていくと思いますが,上がっていくとその数字はだんだん下がるのでしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 75%がTRLを上げていったら例えば50%に減るのではないかということでしょうか。

 

【冨井委員】 そうです。

 

【JAXA立花計画マネージャ】 基本的には今のレベルを満たそうとしていますけれども,傾向としては実用度を満たすために低減量はある程度犠牲にされる部分がありますので,数パーセント減って,例えば70%になるということはあるかもしれないですけれども,TRL5でどのくらいという目標値を設定して,そこは満たすように進めます。ですから,4から5に上がるときは,一般的には少し低減量を譲ることで技術レベルが上がっていくということは傾向としてございます。

 

【冨井委員】 わかりました。ありがとうございます。

 

【李家主査】 はい,どうぞ。

 

【山内委員】 エンジンメーカーというのはもう特定されているのでしょうか。それとも,これからでしょうか。今,メーカーが3社ありますけれども,これから調整していくということでしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 まだ実際に共同研究の契約を結んでおりませんので,今は特定のところはどこかということは申し上げられないですし,そういう意味ではまだ決まっていないということになります。

 

【藤森室長】 JAXAさんからの資料の1ページ目,航空エンジン産業の動向のページにありますが,今,国内エンジンメーカーは,IHI,KHI,MHI,基本的にこの3社が技術を持っていまして,これらとの協力になっていくと思っています。

 

【山内委員】 そのいずれかという認識でよろしいでしょうか。

 

【藤森室長】 はい。実際プロジェクトが始まりましたら,共同研究という形になります。

 

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

 私から2点質問させていただきます。1点目は,今日もJAXAさんの資料でいろいろなところに書かれていましたが,耐熱複合材のCMCの技術開発が挙げられています。聞いている話ですと,現在,METIさんの方でかなり積極的に国内でも研究開発を進められているようですが,そちらとJAXAさんの研究開発計画の関係や役割分担の考え方はどのようになっているのでしょうか。

 

【JAXA立花計画マネージャ】 NEDOのプロジェクトで,国内メーカーさんがCMCの部材開発をされています。ですから,製造や部材開発の部分は主にメーカーさんがNEDOプロジェクトでされるものが核になります。我々は,先ほどありましたように,大規模な実証試験設備を用いて,部材が実用化されていく段階でどのような問題があるかという実証試験で協力させていただきます。

 それから,もう少し基礎的な部分で,コーティングの評価などの要素技術でも,NEDOプロジェクトと重複していない部分で,JAXAの技術が生きるところがございますので,そこはメーカーの方々と話をしながら役割分担を決めて進めていければと思っております。

 

【李家主査】 それに関連しますが,F7エンジンが導入された試験設備ができると,JAXAさんの今回の研究開発だけではなくて,メーカーさんが実用化を目指して行う試験にも使われる予定でしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 はい,そうです。

 

【李家主査】 わかりました。

 もう1点は,10ページの実施体制のところで,研究リソースを本研究開発に重点化して取り組むという説明がありましたが,具体的に現在JAXAの航空で,今回のプロジェクトにどれくらいの人数,若しくはどのくらいの割合を充てる予定でしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 かなりの割合ですが,トータルの人数は人事上の数字で,今ここで申し上げられないので,何パーセントと明確に言えませんが,それなりに重点化しようと思っています。これくらいだという規模感はありますが,今は正確な数字を覚えていないですし,人事部との話もありまして出しにくいところもあります。よろしければ持ち帰って人事部と相談して,次回にでも御報告させていただければと思います。

 

【李家主査】 今回の5年間の研究を行った後も,TRLを上げていくための将来に向けての研究がこの線表に書かれていますけれども,そういった研究を行おうとすると更に人数が必要になってくると思います。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 そうですね,かなりやり繰りをしなければいけないです。今ここで明確にお答えできないので,持ち帰らせていただけないでしょうか。

 

【李家主査】 はい,わかりました。ちょうど今日はMETIさんもいらっしゃっていますけれども,航空機の研究開発ではなくて,実機開発の製造技術者の方はかなり人数が足りなくて,それをどう増やそうかということを国土交通省と経済産業省で現在議論されていますが,こちらの委員会の所掌である研究開発では人数は実際足りているのでしょうか。少しこのプロジェクトから離れますが,その辺りはどうでしょうか。

 

【JAXA伊藤部門長】 私からお答えします。

 まず,エンジンについては,何パーセントとか,10人とか20人とか,絶対値は申し上げにくいですが,大きな考え方としては,先ほどの説明にありましたように,コアエンジンの高圧高温の技術に,現在,プロジェクトではありませんが,その一つ前の段階のグリーンエンジンという研究事業を行っています。そこにはある人数を割り当てています。その人たちは,当然,その次のコアエンジンへ行きます。

 もう一つは,先ほど少し説明がありましたけれども,現在行っている低圧部のプロジェクトのaFJR,ここにはプロジェクトですので相当な人数を割り当てていますが,今年度で終わりますから,その人数のかなりの部分が高圧にも入ってきます。それでもまだ足りません。どうして足りないかというと,今度はF7を導入しますが,これはただ買うだけではなくて,技術者が要ります。そういう意味では,推進ユニットにいる人数のうちのある部分がF7の装置を作るための技術者として入ったりします。

 それでも,燃焼技術,構造技術,空力技術,いろいろな技術がありますが,弱点もないわけではありませんので,そこは詳細に見て,足らないところは中で補充するような努力はします。ただ,そういうことをしても,トータルでは航空部門で足りているとは言えない部分もありますので,そういうところをどうやって強化するかを考えていきたいと思います。

 

【李家主査】 わかりました。

 少し関係ない話になってしまったかもしれませんが,最近,若い人がどう研究開発に携わっていくかというのが気になっています。また機会がありましたら,お教えいただければと思います。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 はい。一度持ち帰って調べて,御報告できるようにします。

 

【李家主査】 ほかに御意見,御質問等ございますでしょうか。

 

【武市委員】 11ページに,F7エンジンは防衛省開発と書いてありまして,専門分野の違う人間から見ると,エンジン開発はJAXAでも行っているし,防衛省でも行っているように見えてしまうのですが,これまではどうだったのでしょうか。また,このプロジェクトには防衛省はかかわらないのでしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 F7は防衛省さんがP-1のために開発をしたものです。これは国産の完成されたエンジンなので,我々はそれを買わせていただきます。我々は丸ごとのエンジン設備を持っておりませんので,それを買って使わせていただこうというものです。

 

【武市委員】 防衛省で研究開発をできる人たちも,航空装備研究所などにはいらっしゃると思いますが,そういう人たちと一緒に,この新しいコアエンジンの研究課題を行わないのでしょうか。

 

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 今,我々が目指しているのは民間旅客機に適用される技術ということで,国内のエンジンメーカーさん何社かと話をして産業界の方を見ていますので,コアエンジンの研究開発の中では,防衛省さんとの連携は考えていません。

 

【JAXA立花計画マネージャ】 技術連絡会という会議体がありまして,そこで情報交換を航空装備研究所さんと密にさせていただいております。そういう中で,防衛用のエンジンと民間向けのエンジンは,例えばリーンバーンというのは防衛用のエンジンで使われることはほとんどないとか,用途が違うために開発項目は異なります。そういう部分がありますので,協力できる部分とそうでない部分とをしっかり分けて進めていくということになります。

 

【武市委員】 そういう切り分けがきちんとあるということですか。

 

【JAXA立花計画マネージャ】 はい。

 

【武市委員】 わかりました。ありがとうございます。

 

【李家主査】 ほかはよろしいでしょうか。

 それでは,更に御質問や御意見等あるかもしれませんが,今日のところはこれまでにさせていただきます。更に御質問,御意見等ある場合は,後ほど事務局まで御連絡いただければ,事務局から回答いただけるとのことです。

 どうもありがとうございました。

 では,議題の2番目,その他について,事務局からお願いいたします。

 

【坂本課長補佐】 先ほども説明したとおり,資料55-1-1に関しましては,今日の委員会が終わった後に,委員の皆様が御意見を記載できるワードファイルを作りまして,コメントをお願いするメールを皆様に展開させていただきます。御意見ございましたら,来週末をめどに回答していただきたいと思います。御意見を必ず一人一つ出してくださいというものでありません。ただ,御意見をいただければということで,メールを送らせていただきますので,よろしくお願いいたします。

 また,留意事項ですが,今回はコアエンジンの研究開発の事前評価ですけれども,利害関係を有する委員がもしいらっしゃれば,ないと思っていますけれども,もし利害関係がありましたら,事務局に御連絡いただければと思います。実は研究開発に参画していたとか,そのような利害関係がある場合は評価はできないということになっております。

 次回の委員会については,7月14日,金曜日開催を予定しておりますので,よろしくお願いいたします。

 本日の委員会の議事録につきましても,委員の皆様に議事録の案として送付させていただきますので,御自身が発言された部分について御確認の上,返送していただければと考えております。よろしくお願いいたします。

 事務局からの説明は以上でございます。

 

3.閉会


【李家主査】 ありがとうございます。

 それでは,これで科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 第55回航空科学技術委員会を閉会させていただきます。活発な議論をどうもありがとうございました。


(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成29年08月 --