航空科学技術委員会(第54回) 議事録

1.日時

平成29年5月15日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

中央合同庁舎7号館西館(金融庁) 13階 共用第1特別会議室

3.議題

  1. 航空科学技術委員会の議事運営について
  2. 研究開発計画について
  3. 平成29年度政府予算(航空科学技術分野)及びJAXAの現状について
  4. 航空産業の動向について
  5. その他

4.出席者

委員

科学技術・学術審議会臨時委員  李家 賢一【主査】
科学技術・学術審議会専門委員  佐藤 哲也
科学技術・学術審議会専門委員  髙辻 成次
科学技術・学術審議会専門委員  武市 昇
科学技術・学術審議会専門委員  冨井 哲雄
科学技術・学術審議会専門委員  難波 章子
科学技術・学術審議会専門委員  松島 紀佐
科学技術・学術審議会専門委員  山内 純子
科学技術・学術審議会専門委員  和田 雅子

文部科学省

研究開発局宇宙開発利用課長  堀内 義規
研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長  藤森 昭裕
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  坂本 和紀

【説明者】
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 航空技術部門長  伊藤 文和
 航空技術部門航空プログラムディレクタ  吉田 憲司
三菱航空機株式会社飛行安全推進室長  佐倉 潔
株式会社IHI航空宇宙事業本部技術開発センター副所長  今成 邦之

オブザーバー

経済産業省
国土交通省

5.議事録

1.開会

【坂本課長補佐】 時間になりましたので,航空科学技術委員会第54回を開会したいと思います。
 航空科学技術委員会ですが,資料54-1-1にございますとおり,科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会で各委員会が設置されておりまして,資料54-1-1の2ページ目に航空科学技術委員会が設置されております。
 また,資料54-1-2が委員名簿で,机の上にも発令状を置いておりますが,計評分科会の運営規則に基づきまして大垣分科会長より各委員に,そして李家委員が主査として発令されております。また,李家主査より髙辻委員が主査代理として指名されております。
 資料54-1-2について,もし記載ミス等ございましたら,教えていただければと思います。
 それでは,御出席の委員の方々について,事務局から紹介をさせていただきます。
 まず,李家主査でございます。

【李家主査】 東京大学航空宇宙工学専攻の李家と申します。よろしくお願いします。

【坂本課長補佐】 続きまして,順番に,佐藤委員,お願いします。

【佐藤委員】 早稲田大学の佐藤と申します。よろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 髙辻主査代理でいらっしゃいます。

【髙辻主査代理】 日本航空宇宙工業会の髙辻でございます。よろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 武市委員でいらっしゃいます。

【武市委員】 首都大学の武市と申します。よろしくお願いします。

【坂本課長補佐】 冨井委員でいらっしゃいます。

【冨井委員】 日刊工業新聞の冨井と申します。よろしくお願いします。

【坂本課長補佐】 難波委員でございます。

【難波委員】 株式会社タンゴ・エア・サポートの難波と申します。よろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 松島委員でございます。

【松島委員】 富山大学の松島でございます。よろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 山内委員でいらっしゃいます。

【山内委員】 株式会社ミクニ社外監査役の山内でございます。よろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 和田委員でいらっしゃいます。

【和田委員】 日本女性航空協会の和田です。よろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 そのほか,竹内委員も就任しておりますが,本日は欠席となっております。
 続きまして,文部科学省側の出席者を紹介させていただきます。まず,宇宙開発利用課長の堀内でございます。

【堀内課長】 文部科学省の堀内と申します。よろしくお願いします。
 本日は最初の会合ということでありまして,私から委員の皆さんに,お引き受けいただきましたことにお礼申し上げます。しばらく,この議論におつき合いいただけたらと思っております。
 現下の情勢ということで言いますと,やはり,今日もお越しいただきました三菱航空機さんのMRJの議論が,研究開発の中でも話題になることが多く,世の中の注目度も高いということで,航空の研究開発全体についても非常に盛り上がりというか,元気が出てきているところではないかというふうに思っております。
 さらに,将来のエンジン開発をどうしていくかということであるとか,現在,防衛省で次の防衛政策の議論なども行われておりまして,そこで,戦闘機等になるかもしれませんが,航空活動がどういった位置づけになるのかなど,話題は今期もいろいろあるかと思っておりまして,いろいろ政策的な御議論をお願いしなければいけないかと思っております。
 本日は,お忙しい中お集まりいただきまして本当にありがとうございます。よろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 宇宙連携協力推進室長の藤森でございます。

【藤森室長】 藤森でございます。よろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 課長補佐をしております坂本です。よろしくお願いします。
 本日は,航空産業の動向について説明を頂くために,三菱航空機より佐倉飛行安全推進室長,中西東京支社長,また株式会社IHIより今成副所長,千葉課長代理にそれぞれ御出席いただいています。どうもありがとうございます。
 また,オブサーバーとして関係省庁である国土交通省,経済産業省より御出席いただいております。国土交通省から中村推進官でございます。

【国土交通省中村推進官】 中村でございます。よろしくお願いします。

【坂本課長補佐】 経済産業省より大門係長でございます。

【経済産業省大門係長】 大門でございます。よろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 以上になります。
 それでは,以後の議事に関しましては,李家主査にお願いいたします。

2.議事

【李家主査】 改めまして,おはようございます。
 それでは,研究計画・評価分科会の第9期が始まりまして,航空科学技術委員会では4名の委員の方に新たに就任していただきました。今後いろいろと議論していただきますので,よろしくお願いいたします。また,以前から委員の先生方も,よろしくお願いします。
 では,早速ですが,本日の議事に入らせていただきます。議事の1番目,航空科学技術委員会の議事運営についてということで,まずは事務局から御説明をお願いします。

【坂本課長補佐】 資料54-1-3を御確認ください。航空科学技術委員会運営規則(案)として,提示させていただいております。
 ポイントとしましては,委員の皆様の過半数が出席されて初めて委員会を開くことができるということです。本日は9名の委員が参加しておりますので,委員会を開催できるということになります。また,会議については原則公開となっております。議事録についても公表されますので,本委員会で発言された内容について,後日委員の皆様には照会をかけさせていただきますので,御協力をお願いいたします。
 続きまして,資料54-1-4,航空科学技術委員会の公開手続について,これも案ですけれども,御紹介させていただきます。これは一般傍聴者,あるいは報道関係の傍聴者につきまして,どのようなルールで公開するのかということを記載させていただいたものでございます。特にテレビだとか,カメラが入る場合においても,決められたルールに従って写していただくといった内容を記載させていただいております。
 航空科学技術委員会において,そこまで注目されたということは今までありませんでしたが,今後そういうこともあるかもしれないということで,今回改めてこのような公開のルールを作らせていただきました。資料54-1-4の説明は以上になります。

【李家主査】 ありがとうございます。ただいまの御説明について,御質問や御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 ないようでしたら,資料54-1-3の委員会運営規則と,資料54-1-4の公開手続については,了承してよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 資料54-1-3の委員会運営規則と,54-1-4の公開手続については,委員会として了承とさせていただきます。
 では,次の議題に入らせていただきます。研究開発計画についてということで,これは昨年度,この委員会でもかなり議論していただいたものですが,それに対して,まずは事務局から御説明をお願いします。

【坂本課長補佐】 まず,資料54-2-1,横の紙になります。これを御覧ください。
 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会でまとめた研究開発計画の概要版になります。第5期科学技術基本計画を踏まえて,今後10年程度を見通す中で,5年程度を対象期間として,重点的に実施すべき研究開発の取組,推進方策などを取りまとめたもので,計画自体は1章から6章までの分野で構成されております。それぞれ,各分野の委員会で担当しておりまして,航空科学技術分野におきましては,第5章国家戦略上重要な基幹技術の推進,この中で原子力と一緒に取りまとめさせていただきました。
 次に,研究開発計画というちょっと分厚い資料をつけさせていただいております。この中の50ページ目になりますけれども,先ほども言いましたとおり,第5章国家戦略上重要な基幹技術の推進ということで,航空と原子力の両名で大目標を定めた上で,その大目標を達するために必要な中目標として,航空科学技術分野についてはアウトプット指標・アウトカム指標をそれぞれ定めさせていただき,具体的な取り組みを50ページから52ページにかけて記載をさせていただいています。昨年度,委員の先生の皆様からいろいろと御意見を賜りながら作成させていただいたものです。改めて感謝申し上げたいと思います。
 続いて57ページ目ですけれども,研究開発の企画・推進・評価を行う上で留意すべき推進方策として,人材育成,オープンサイエンスの推進,オープンイノベーションの推進,知的財産・標準化戦略,社会との関係深化,国際連携,大型試験設備の整備,これらのいわゆる研究を支える取組についても,ここに記載させていただいております。
 原子力と共通でいろいろ記載させていただいていますが,例えば大型試験設備の整備という分野は,航空単独で記載させております。なぜかというと,航空については試験設備というのが風洞を初め大型ということで,なかなかこれらが一民間企業で整備するのは厳しいという事情があって,それらは日本の航空研究の中核機関であるJAXAでそろえて,それで皆様に利用していただくという形がベストというふうに考えて,このように記載させていただいているものでございます。
 最後に62ページ目,第6章を御覧ください。研究計画・評価分科会における研究開発評価の在り方というものになります。この中の1.基本的な考え方の中の2番目に研究計画・評価分科会における研究開発評価という項目がありますが,計評では次の二つの評価を実施すると記載しております。一つが中目標を単位とする研究開発プログラムの評価,もう一つが重点課題の評価というものになります。
 今までも評価はこの委員会でもずっと行ってきましたが,今までは丸2番の重点課題の評価だけを行っていたという経緯がございます。その一方,全体を取り巻く,俯瞰(ふかん)的に見るような評価というのがなかったという経緯もあります。今般,計評では,この丸1番の中目標を単位とする研究開発プログラム,プログラム全体の評価を実施していくと言っております。
 これは以前,武市委員からも,安全だとか環境だとか超音速,次世代,それぞれを評価するだけではなくて,全体を俯瞰(ふかん)的に見て,そのメリハリをつけるような評価もしていくべきではないのかと,そのような意見も頂いたところではありますが,正にその全体を俯瞰(ふかん)的に評価していくということを,今回計評からも方針として示されたということから,今後,全体的な評価を,この中目標を単位とする研究プログラムの評価の中で実施していきたいと思っております。
 ただ,これは今後の計評の委員会,8月あるいは11月の委員会の中で決めていくということで,現時点ではどのような評価をしていくかというのが,委員の皆様にはお示しできない状態ではありますが,まずはそういう状況だということを御理解いただければと思います。
 一方,丸2番の重点課題の評価につきましては,特に重要,重点的に評価すべきものということで,今までと同様に評価していきます。その説明につきましては,資料54-2-2を御覧ください。
 航空科学技術委員会における研究評価計画ですが,先ほど申したとおり,重点課題についての評価計画(案)になります。今年度につきましては,評価対象課題としては,環境適合性・経済性向上の研究開発のうち,次世代エンジン技術の鍵となるコアエンジン技術の事前評価を行っていく予定としております。これについては次のページの別紙1を御確認いただければと思いますが,今までは航空安全の研究開発,航空環境技術の研究開発,静粛超音速,いわゆる超音速機の研究開発,そして次世代航空機の研究開発を重点的な課題として設定して評価しておりましたが,今後,研究開発プログラム全体を評価していくという中で,重点課題としましては,より絞った形で評価をしていくということとします。
 具体的には,今までの航空環境技術の研究開発としては,大きなプロジェクトとしてaFJRプロジェクト,あるいはFQUROHプロジェクトといった,かなりの予算をかけて実施していくものも含めて,航空環境技術の研究開発というものを評価しておりましたが,今後重点課題としましては,特にJAXAでプロジェクトと設定されるような大きな予算,金額を投入して実施するものについて評価していくことにしたいと思っております。
 航空環境技術の研究開発につきましては,この中でaFJRプロジェクトというものが大きな柱として立っておりましたが,これは今年度で終了する予定となっております。
 一方,FQUROHプロジェクトという騒音低減のための研究開発プロジェクトは,平成32年度まで実施する予定となっておりますので,環境技術のうち,FQUROHプロジェクトについては,大きなプロジェクトということで,引き続き平成32年度まで評価していきたいと考えております。一方,それら以外のものについては,重点課題の中から落とすといいましょうか,一旦ここで終了し,今後は研究開発プログラムの中で評価していきたいというふうに考えております。
 一方,事前評価として今年度審議する研究開発課題として1件,先ほど申したとおり環境適合性・経済性向上技術の研究開発のコアエンジン技術というものがあります。これは今年度まで行っているaFJRプロジェクトの後継と位置づけておりまして,aFJRが終わった後に,今後エンジンで更に我が国が重点的に取り組むべき技術として,コアエンジンの研究開発を進めるべきと政策的に判断しております。よって,この事前評価を今年度中に実施させていただきたいと考えております。
 2ページ目以降には,事前評価フォーマットをつけさせていただいておりますが,これらについては,今後評価を実施していく中で,委員の皆様に,このフォーマットに記載したものを提示させていただきながら,評価をしていきたいと考えておりますので,よろしくお願いします。
 研究開発計画については,説明は以上になります。

【李家主査】 ありがとうございました。
 新たにできた研究開発計画に関して,これからは中目標を単位とする研究開発プログラムの評価を行うということで,先ほど御説明あったように,研究開発計画の51ページ,52ページに書かれていますけれども,安全性,環境適合性,それから超音速機と革新的技術,これらの研究開発と,基盤技術に関すること,こういったことが新たに我々のこの委員会で評価をすることになるという御説明があったと思います。それから,これまでのように重点課題の評価も続けて行うということでした。
 今の御説明に関して,御質問や御意見がございますでしょうか。今後,実際に事前評価やプログラム評価をしていくと,細かい流れがよりよくわかってくると思いますので,その時々に応じて,また御質問等いただければと思いますが,今日のところはよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 ないようですので,ただいまの資料54-2-2の平成29年度航空科学技術委員会における研究評価計画(案)については,了承してよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。では,資料54-2-2については,委員会として了承とさせていただきます。
 では,次は議題の3番です。平成29年度政府予算(航空科学技術分野)及びJAXAの現状についてということで,事務局から御説明をお願いいたします。

【坂本課長補佐】 資料54-3-1と資料54-3-2について,事務局とJAXAから説明させていただければと思います。
 JAXAからはJAXA航空技術部門の研究開発の現状について説明をさせていただきますが,今日の午後に視察を計画しておりますので,より詳しい質問等は,現場でいろいろ見ながら質問していただくのがよいかと思いますので,もし細かい質問等ありましたら,今のうちメモなどしていただければと考えております。
 それでは,まず資料54-3-1,平成29年度政府予算(航空科学技術分野)についての一枚紙について説明いたします。
 平成28年度予算額と同様に,33.4億円の予算が平成29年度に配布されております。平成26年8月になりますが,文部科学省次世代航空科学技術タスクフォースを設置しまして,日本の自動車産業というのが世界の23%というシェアを持っているわけですけれども,航空を自動車産業並みに発展させよう,4%であったものを,その5倍の20%の規模にしよう,そのために必要なのはいわゆる国際競争力,すなわち技術力ということですので,その技術力を高めるためビジョンを設定させていただきまして,2025年までに,安全性については航空機事故を25%低減する安全技術,騒音につきましては10分の1に低減する技術,経済性につきましては燃費半減の画期的な経済性を実現する技術の研究開発を進めていきたいという目標を定めて取り組んでいるところでございます。
 33.4億円の予算の中で,いわゆるこのポストMRJを見据えた研究開発に大体8割強の予算を投入して研究開発に取り組んでいるという状況にございます。具体的に安全性,環境適合性,経済性についてどういった研究開発を実施しているかについては,後ほどJAXAの方からも説明があるかと思いますが,それ以外にも,より先を見据えた研究開発としては,超音速と革新航空機,これらの研究開発も進めております。これが大体2割弱の予算で取り組んでいるところでございます。
 それ以外にも,いわゆる基盤技術と,大型試験設備の整備にも取り組んでおりますが,これらの予算というのは33.4億とはまた別で,JAXAというのは宇宙航空研究開発機構ということで宇宙と一緒となっておりまして,33.4億とはまた別の宇宙と一緒の基盤経費の中で,6億くらいの予算が航空に割り振られているという状況になっております。
 資料54-3-1の説明は以上になります。引き続きまして,資料54-3-2,JAXAの現状について,御説明をお願いします。

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 航空プログラムディレクタの吉田です。よろしくお願いいたします。
 資料について御説明します。時間が余りありませんので,かいつまんでということで,恐縮です。
 1ページ目をまず御覧ください。JAXAはいろんな事業所がありますが,航空に関するのはこの赤い箇所の四つでございます。中心は調布でございます。
 次に2ページ目を御覧ください。体制です。伊藤文和航空技術部門長のもとに,大きく三つのグループに分かれて活動しております。基礎基盤技術をやる部署がありまして,ここは研究の学問分野に分けて五つのユニットで研究をしております。真ん中のところが,後ほど申し上げますイノベーションハブという組織を2年前につくりまして,ここは目的別の研究チームを作って対応しております。一番左側が,いわゆるプロジェクトという,大型の予算等を使ってやらせていただくものでございます。
 次のページを御覧ください。3ページ目でございますが,これまでの取り組みを簡単にまとめました。JAXA航空では,左側の設備を持っております。それを使いまして,2番目の先進技術の研究開発を研究者が行っております。それを民間企業さんへ技術移転,あるいは技術協力など,いろいろな形でお渡しすることを通して,この右側は一例ですが,このような製品に協力させていただいてきたということを紹介で載せました。
 次に4ページ目を御覧ください。航空機産業の生産高の推移を書いています。これは航空宇宙工業会さんの資料から持ってきたものでございます。これまで1兆円規模と言われておりましたが,平成23年から民需が大幅に伸びてきておりまして,27年度においては1.8兆円規模になっているということで,航空産業が非常に伸びているということでございます。
 次のページを御覧ください。5ページ目でございます。これは日本航空機開発協会,JADCさんの資料でございます。タイプ別のジェット旅客機の運航機数と需要予測というものです。このグラフは左から右に行くと機体規模が大型になります。赤い棒グラフが20年後を考えたときの新規の機体になりますが,9割ぐらいが新規になるということで,我が国の産業界にとっては非常に大きなチャンスが目の前にあるということでございます。JAXAの役割は,そういうビジネスチャンスに企業さんが入っていけるための勝負できる技術を担うということではないかと考えております。
 6ページ目を御覧ください。そういう背景を踏まえて,JAXA航空の運営方針というものがあります。それは大きく二つの柱からなっておりまして,一つは産業・社会に役立つ研究開発を推進すること,もう一つは高い水準の技術を育成する研究開発を進めていくことでございます。
 次の7ページ目を御覧いただきますと,左側に先ほどの生産の推移を書いておりますが,20年後に大きく伸びるとした場合に,このブルーで書いたところは,既存のものが更に改良されていくということで,次世代製品の競争力が強化されていって伸びるという部分です。それからさらに,全く新しいものが創出されていくという部分の組合せだろうと想像いたします。ブルーの既存の方ですが,これは当然,企業さんのビジネス戦略というものがあるわけですが,JAXAの研究戦略がそれとしっかり連携をして競争力強化を支えるという考え方です。それから新たな方は,三つほど書いてありますが,要は企業に先駆けて,世界トップレベルの技術をJAXAが担うという姿勢で頑張っていきたいと考えております。
 二つ目の柱が次の8ページでございます。トップレベルの技術の育成に向けた開発の推進ですが,2年前に次世代航空イノベーションハブというのを設立いたしました。従来と違いまして,このハブを作ることによって,そこに黒丸が三つありますが,少し変化をつけるということを考えております。一つは,多機関協力をするということです。それからもう一つは,JAXAの研究をテーマ対応型からテーマ提案型へも広げていくということで,どんどん裾野を広げていくということです。それから,やはりスピード感のある研究開発にシフトするということがあります。また,その高いレベルの技術ということでは,一番下にありますように,基盤技術の高度化というのは当然続けていくということでございます。
 ここまでが全体像ですが,第3期中期計画の具体例を幾つかトピックスとして御紹介させていただきます。10ページ目を御覧ください。我々は大きく,環境,安全,将来の技術という3本のプログラムについて活動しております。
 まず環境の部分ですが,10ページ目はエンジン技術に関するものです。エンジンの絵がありますが,その青でハッチングしてある,前方のファンの部分と,それから中ほどにあるケーシングの内側に吸音ライナーという騒音を低減するもの,それから後方にあるタービン,この三つにフォーカスをして,技術ソリューションのところにありますように,我が国の優位技術である複合材技術を駆使したファン・タービンの高効率化,それから軽量化を行うことで,1%燃費向上を可能にすることを目的として行っております。
 我々は既に技術開発を行っておりまして,その実証が非常に重要でございます。JAXAには地上実証設備というのがありますので,先ほどの各フォーカスポイントの要素技術をシステムレベルで実証するということを行っております。これをaFJRプロジェクトと呼んで,実施しております。
 次のページですが,これはエンジン以外の機体騒音の低減に関する研究でございます。エンジン以外ですと,空力騒音になりますが,この翼の後ろの方にあるフラップという部分,それから前方にあるスラットという部分,それから脚,この三つが主要な騒音源となります。これらの音源から出る騒音を減らす技術ですが,JAXAには世界トップレベルの基盤技術として,数値解析技術と風洞音響計測技術があります。それらを使って,低騒音化の原理をもとに最適化設計技術というものを作り上げておりまして,これで特に空港騒音の低減に寄与したいと考えています。
 既にいろいろな技術を開発して,飛行実証に向けたプロジェクトを進めており,これがFQUROHというプロジェクトでございます。技術実証ですので,実際に飛行機を使って飛行実証しようということで,JAXAの実験用航空機とMRJさんの機体を想定して,プロジェクトのスコープとしております。JAXAの実験用航空機を使って既に予備フライトを2回行っております。2回というのは2キャンペーンのことです。1回のキャンペーンで何回か飛びます。本番のフライトをこの9月に行うということで,技術実証を今トライ中でございます。
 次に12ページ目でございます。今度は環境ではなくて安全技術です。先ほど申し上げた通りハブというのを作りまして,多機関協力ということを考えております。その一端としまして,6企業,3研究所,9大学が参加するWEATHER-Eye連携協定を結びまして,コンソーシアムを作りました。この絵にありますように,飛行機が飛んでいるときに遭遇する自然の影響,安全に及ぼす影響としましては,火山,雷,突風,それから滑走路の雪氷,いろいろなものがあります。そこで,まずそれらを検知するという部分,検知したらそれを予測あるいは回避する,それから場合によっては積極的に防御する,制御する,そういう技術が必要になります。そういうものを,このコンソーシアムで議論して,分担をしながらやって行こうというものでございます。
 次の13ページ目ですが,そのWEATHER-Eyeの中というわけではないですが,安全技術の一例としまして,JAXAでは乱気流事故防止技術の研究開発を行っております。晴天乱気流というものがございまして,巡航中に晴天時の乱気流というのは普通はわからないわけですが,技術ソリューションのフェーズ1に書いてありますように,レーザー光を機体から前へ打ち出すしてその反射をとると乱気流がわかるという原理があります。その装置をライダーと呼んでいますが,小型で軽量でハイパワーのものというのが非常に重要でありまして,この点はJAXAは現在世界トップと自負しておりまして,その装置を使いますと,機体前方14キロメートルまでの乱気流が検知できます。巡航時の速度から換算すると,その14キロメートル先がわかるというのは1分先のことを予測できるということになります。1分あると,かなりの対処ができますので,小型軽量でそういうハイパワーのものができたということは非常に重要なことでして,右側の上に写真がありますが,JAXAの実験用航空機を使って既に飛行実証に成功しております。
 次はこのフェーズ2ということで,機体の動揺低減などにつながるように,技術開発を進めております。
 次に14ページ目を御覧ください。これは既にプロジェクトとしては終了したものでございます。国土交通省さん,航空局さんが我が国の将来航空交通システムの目標を定めた長期ビジョン,CARATSというものがございます。そのCARATSの中のキー技術をJAXAが開発してきたものでございます。
 左側の図に,赤字で書いた部分の六つの技術をこのDREAMSプロジェクトの中で作り上げました。プロジェクトは既に終わっていますが,その成果の展開ということで,シナリオと書いたところに,幾つか今の状況を説明しております。気象情報配信は,これはALWINと呼んでおりますが,既に羽田,成田で実運用が開始されております。それから低騒音運航,飛行軌道制御,高精度衛星航法,これらはICAOの環境基準,安全基準等へ技術データとして貢献しております。それから防災小型機運航は,JAXAでD-NETシステムというものを作りまして,既に消防庁等へ技術を提供して,実装等もしていただいております。このように,安全技術の社会実装というものが進んでおります。
 最後の部分,将来の技術が15ページ目で,これは超音速機技術でございます。超音速機の一番の課題が,ソニックブームと言われるものです。ソニックブームと申しますのは,機体が超音速で飛行すると衝撃波というものが発生して,左側の下に小さな図がありますが,衝撃波が地上まで来ると圧力が変化して,ド・ドンという爆音が聞こえます。その圧力の変動をこの赤い線で描いておりまして,これはN型の文字に似ていますのでN型圧力波形と呼びますが,このNのピークを下げることが求められております。これには機体の形状を工夫すると下げられるというアイデアがありますが,先端も後端も同時に下げて飛行実証した例は世界にありませんでした。そこで,JAXAで真ん中の上の方にある写真の機体を開発して飛行させ,先端・後端のピークが同時に下がること,右側の下の図に赤い線と比較して描いてありますが,そのようなことを世界で初めて実証いたしました。
 これもICAOの環境基準の検討ワーキンググループに成果を提供して議論の大きなフェーズアップに使われております。現在は,これを更に進める研究開発を,JAXAでは進めております。16ページ目は,その事前評価をこの航空科学技術委員会で昨年させていただいたときの資料ですので,ここの説明は割愛させていただきます。
最後の17ページ目ですが,これは基盤技術を御説明したいがために載せました。一番上のラインが風洞というものです。真ん中のラインに数値解析技術というのがあって,いろいろな複雑な形状の計算ができるようになっています。これらはそれぞれ別々にやっていたのですが,これらをミックスさせて,お互いの足らないところを補完し合うということで,DAHWINという名前をつけたデジタル/アナログハイブリッド風洞システムというものを作って,風洞試験の効率化,CFDの有効活用ということをやっております。先ほどのD-SENDでも,これを使って実験機の開発を効果的に進めて参りました。
 一番下のラインは,実験用航空機です。プロペラ機,ジェット機,回転翼機を持っております。それから右側の二つは,フライトシミュレーターで,それぞれ固定翼,回転翼でございます。これらを使って技術開発を進めております。本日午後の見学では,これらの基礎技術の設備を見ていただきますので,そのときにいろいろ細かい御説明をさせていただこうと思います。
 駆け足で恐縮ですが,以上でございます。

【李家主査】 ありがとうございました。
 では,ただいまの政府予算とJAXAの現状についての御説明に関して,御質問や御意見等ございますでしょうか。

【佐藤委員】 JAXAの資料の2ページ目ですが,終わったプロジェクトについては,その後その技術を何か実際のものに展開していくという点で,チームを残すのでしょうか。それともほかのところに分散していってしまうのでしょうか。

【JAXA吉田プログラムディレクタ】 プロジェクトチームは,JAXAの組織のルールとして解散を致します。しかし,プロジェクトで作り上げたものを,その後フォローアップしていくというのは必ずやって行きますので,それはその右側にある二つの組織の中で,関係者が関わってやるようになっています。超音速においては後継事業が立っておりますので,今,ハブの中のシステム研究チームでやっておりますし,DREAMSのフォローアップは,プログラムディレクターの下にプロジェクトとは別に技術実証ユニットというのがありますが,この中で展開して,フォローアップを行い,次につなげていくということを行っております。

【佐藤委員】 ありがとうございます。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

【松島委員】 資料54-3-1の政府予算についてですけれども,これだけのことをやっていますよというビジョンが書いてありますが,これについて質問させていただきます。まず一つは,このビジョンと,先ほど資料54-2-2で御説明いただいた研究開発計画についての関連性というのは,このビジョンをもとにして研究開発を進める上で必要な項目を資料54-2-2の研究開発計画に挙げたと理解してよろしいでしょうか。

【坂本課長補佐】 研究開発計画は,今後10年を見据えつつ,5年間の目標と研究開発計画を定めさせていただいております。一方,この戦略的次世代航空機研究開発ビジョンというのは,更に先の2040年に我が国の航空産業を世界シェア20%にするという,大きな,本当に長期的なスパンといいましょうか,そういう目標を定めて,2025年までにこれらの技術を獲得するということです。より大きなスパンで設定をさせていただいたというものになります。

【松島委員】 長いスパンの間の最初の5年間を,こういう計画でやっていこうというふうに理解してよろしいでしょうか。

【坂本課長補佐】 そうです。これらを満たすために今後5年間,まずはこういうことをやりますということになりますので,そのように理解していただいて問題ないと思います。

【松島委員】 ありがとうございます。
 それからもう一つの質問です。非常に魅力的な数字が並んでいるんですけれども,例えば2025年までに航空機事故は4分の1に低減する,騒音も10分の1に低減するとか,燃費は半減になっていますが,10分の1をどういう数値として評価するかにもよると思いますが,この数値というのは,実際,本当に実現しなければならない数字として捉えるのか,それともビジョンとして,そこに向かって頑張ろうという数字なのかどちらでしょうか。
 私どもは科研費等を頂いているときは,目標を掲げて,それに対して順調に進んでいるとか,少々遅れているとか,そういう評価を毎年していく訳ですけれども,そういう目で見るのか,それとも非常に魅力的な数字で頑張りましょうという,そういう目標なのかというのをお伺いしたいです。一点ずつとしてはかなり厳しい数字かなという気がするので,そのあたりを教えてください。

【坂本課長補佐】 特に,騒音10分の1というのは,かなり野心的な目標ではありますけれども,これは当時の議事録を読みますと,成田空港の問題があって,日本の玄関空港,国際玄関空港といいながら,夜間カーフューがあって夜間使えないという制約があります。世界を見ても,こんな空港は日本ぐらいしかなく,羽田がその分をフォローしているような状態です。
 ただ,騒音が10分の1になれば,そんなにうるさくない訳ですから,夜間でも成田を使えるのではないかということで,そういう日本の弱点というか,そういう制約を解除するために取り組むべきだということで,10分の1という目標を目指しましょうということで,設定をさせていただきました。ただ,これは日本の特に政策的な目標があって設定をさせていただいたということで,それに向けて努力していくというふうに考えていたければと思います。

【松島委員】 燃費半減というのも,そういうことでしょうか。

【坂本課長補佐】 そうです,燃費半減もです。

【松島委員】 1%抵抗を下げるのにすごく苦労しているし,航空機の場合,基準量が大きいので1%でも量的には大きいというような事情がありますが,でも,非常に魅力的な目標だと思います。ありがとうございました。

【李家主査】 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 先ほど,御説明がありました通り,今日の午後の視察で,細かい質問をしていただければと思いますし,更に御質問等ある場合は,事務局まで御連絡いただければ,事務局から回答していただけると思います。
 では,次の議事に移らせていただきます。今日のメインの話になるかと思いますけれども,議題の4番目,航空産業の動向についてということで,民間より御説明していただきます。最初が機体,2番目がエンジンです。まず国産航空機開発の動向についてということで,三菱航空機様から御説明があります。では,よろしくお願いいたします。

【三菱航空機佐倉室長】 先ほども御紹介いただきました,三菱航空機の佐倉でございます。本日はこのような場を与えていただきまして,ありがとうございます。
 それでは,ただいまより,今,李家先生から御紹介のありました航空機開発の動向についてというテーマに対しまして,私どもが今開発中のMRJの開発状況ということで,まずお話をしたいと思います。
 お手元の資料に沿って説明させていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 一点,お断り申し上げます。何分,私どもは今開発中でございますので,本日の資料は公開資料と非公開のものとに分けさせていただいております。後半の部分が非公開という形の取扱いとなりますので,御容赦いただきたいと思います。

【李家主査】 すみません,資料ですが,委員の先生方には2種類の資料を配っているのでしょうか。

【坂本課長補佐】 はい,委員の先生にはこのフォルダー,机上配付資料の中に非公開資料を一式入れておりますので,そちらを御覧いただければと思います。

【三菱航空機佐倉室長】 不自由をおかけしてすみませんが,よろしくお願いいたします。
 それでは,ページをめくっていただきますと,本日お話しします内容が書いてあります。
 本日は3点,お話しいたします。最初に,MRJ開発の背景とMRJの概要ということで,十分御承知いただいているかと思いますが,今日のお話のイントロダクションということで,ざっとお話ししたいと思います。
 それでは,次のページを御覧ください。
 三菱航空機事業の変遷という書き方をさせていただいておりますが,これはいわば日本における戦後の航空機産業の推移ということで,よく紹介をさせていただいているものでございます。これもよく御承知のように,戦後,空白期間が7年間あった後,軍用機のオーバーホールから始まりました左の上からの流れがございます。これが最近はF-2,あるいは実証機ということで,防衛省との協業となっております。
 一方,左の下からは民間機の流れということで,これも十分御承知のように,戦後,YS-11の開発があったわけですけれども,その後は完成機開発はありませんでした。国際共同開発ということで,左からの流れがありますが,これがちょうど合流したところで今回MRJ,完成機事業に踏み出したということです。
 その次のページは,民間機事業ということで取り上げております。これも十分御承知のように,民間機事業は当初,部分下請と書いております,小さい部分の国際共同事業ということで,テールコーン,フラップなどを製造するということから始まっております。中段のところに構造取りまとめと書いておりますが,こちらは胴体や主翼などの大きな部分に広がりまして,設計も含めた国際共同開発ということになります。
 そして1番目の段に,全機取りまとめということで,完成機事業が書いてございます。これは,ある種下から上に難しくなってきますけれども,我々,会社の中でいつも議論しておりますのは,左上に書いてございますように,民間機事業は,完成機事業の確立と,一方で,国際共同開発事業の拡大と,両輪で進むべきではないかということでございます。
 それでは,次のページを御覧いただきますと,こちらのページはJAXAの吉田さんからもお話がありましたが,今後の市場ということで,今回ここはリージョナルジェットについてお話ししようと思って書いております。我々が取り組んでおりますリージョナルジェットの市場というのは,右下のオレンジ色のところになります。全体の旅客機需要というのは大きく伸びますけれども,その中でも,今までそれほど大きくなかったリージョナルの市場が拡大するであろう。もちろん大きな機体のところもそれなりの拡大はするんですが,リージョナル市場の拡大が非常に見込まれるということで,ボンバルディア,エンブラエルというライバル,あるいは中国,ロシアもありますが,ここに日本として技術を集結したMRJを投入しようという考え方です。
 それでは,次のページを御覧いただきますと,そういったMRJの開発,航空機開発のプロセスとしてどういう流れになっているか,これも委員の先生方は御存じかと思いますけれども,少し御説明いたします。左の上の市場要求,マーケットリサーチからコンセプチャルデザイン,基本設計に始まりまして,いろんな形状を決める,風洞試験がここにございます。こういったものからだんだん細かく設計をして,今度はそれを順番に部分的な試験から始めて組み上げるという右側のラインに上がっていって,最後は,今私どもが取り組んでおります全機の飛行試験を経て納入します。このような一連の流れが開発でありまして,今日,この一端を御説明したいと思っています。
 今日,こういう場でお話しさせていただいて,先ほどJAXAの御紹介もございましたので少し申し添えますと,この基本設計のところでの風洞試験,ここはJAXAに非常に協力を頂いていまして,後ほども出てまいりますが, JAXAの風洞施設を使わせていただいておりますし,構造のいろいろな試験もJAXAでやっているという意味で,この開発の過程でJAXAの協力を得た上での事業になっております。
 それでは,次のページは今お話しいたしました開発でございます。先ほども安全性というキーワードがございましたけれども,民間機の安全性といいますのは,このようになっております。
 そもそも,初めて開発する機体の安全性を証明する型式証明,これは設計の妥当性ということで,開発の時点で最初に実施します。その後,お納めした後のエアラインの運航は耐空性維持ということで,耐空証明を1年ごと取得するという形になります。今回,我々が開発で取り組んでおります主な課題は,この左側の型式証明,全く今までなかったものを初めて世に出すというところの安全性の証明,これが大きなポイントになります。
 その型式証明について,次のページで状況を御説明しております。今回,日本の旅客機の開発ということで,当局,JCABに審査をしていただくという意味で,JCABへのTCの申請を最初にしておりますが,世界に販売するということでございますので,米国のFAA,ヨーロッパのEASAにもTCの申請をしております。詳細の説明は省略いたしますが,国によって若干方式は違うものの,JCABの主の審査をそれぞれFAA,EASAが一緒に見ていただくという形で,3当局の型式証明の審査を受けております。
 それでは次のページを御覧いただきますと,もう少し,型式証明審査というものを解説しております。こちらにつきましては,若干細かいことも書いておりますが,申請からいろいろな手続を経て,まず初飛行までの安全性を見るという段階がございます。ここは構造,空力,電子・電気装備等,いろいろな地上の試験を行います。飛行試験が始まった後も,飛行試験データを収集する等で,型式証明のためのいろいろなデータを取ります。この前段の初飛行の前にも,先ほど申し上げましたJAXAの協力の中で,複合材の構造の試験も多数実施しましたので, JAXAでのデータをもとに,TC審査の書類をつくったということも多数ございます。
 その次のページは,少しニュアンスが違いますけれども,安全性基準の強化というチャートを入れております。これも十分御承知かと思いますが,航空機の歴史といいますのは安全性向上の歴史,裏を返せば事故の歴史ということもありますので,その事故を経て,いろいろな安全性の基準が設けられております。言葉を選ばずに若干申し上げると,技術の進歩というのはそのレギュレーション,法律が厳しくなる部分もあるということで,それへの対応というのが,民間航空機の開発においては非常に重要で,現在,型式証明の中でJCAB,FAA,EASAと議論しておりますのは,このような技術の進歩の現時点,最新の状態での安全性をどのように担保するかということでございます。
 その次のページは,これも十分御承知のMRJの御説明をしております。我々は2008年から三菱航空機をスタートいたしまして,ここにありますMRJ90とMRJ70を同時に開発しております。今,90が先行しております。2機種同時に開発するのは,青の吹き出しで書きましたように,共通化による運航,あるいは整備等のいろいろなメリットがございますので,航空機開発としては,このように実施することは通例でございます。
 次のページには,機体の三面図を示しております。これは大体,かつて開発しましたYS-11,あるいは今の最新の機体ですとボーイングの737-500でありますとかエアバスA320と同じぐらいの規模になりますので,リージョナルというと少し小型のイメージを持たれるかもしれませんが,30メートルくらいの全長・全幅です。
 それでは,次のページはMRJのビジョンということで,これもよくお目にとまっているかもしれませんけれども,三つのビジョンを掲げて,開発当初から進めております。環境にやさしいということ,それから乗客が快適に乗っていただけるということと,エアライン,運航者の皆さんが経済性を持って,ビジネスとして使っていただけるような機体ということです。これは開発当初から掲げておりましたけれども,いろいろなTC,あるいは技術変動の中で考えてみますと,今でもこれは非常に有効だと思っておりまして,先ほどの研究開発計画の中にもこういうものが集約されて,今,議論されているんだろうと思いますので,これからの民間機という意味では,この三つのビジョンというのは,様々な観点で重要になってくるだろうと思っております。
 このビジョンを実現するために,次のページにあります,最新の技術を幾つかMRJには盛り込んでおります。一番上にありますのは客室の快適性ということで,最新の設計で,スリムシート等を採用しております。それから左側にフライトデッキの絵がございますけれども,最新のアビオニクス技術,あるいはFBWと書いています,フライ・バイ・ワイヤ技術という操縦の技術,こういうものも採用しておりますし,真ん中の下にあります空力は,もともと三菱重工が得意でありましたいろいろな空力の数値解析を活用しまして最適な機体をつくるというものです。それから,右の上にあります複合材は今回,尾翼に主に採用しております。それから,大きな特徴としましては,プラット・アンド・ホイットニーの新しいGTFエンジン,ギヤード・ターボ・ファン・エンジンと言われる次世代のエンジンで,先ほども議論がありました燃費でありますとか,静粛性を確保するということを狙っております。
 この中で,このページにもございますように,JAXAを初め,大学,各機関から,いろいろな協力を得まして,特にこの数値解析でありますとか,先ほども申し上げた構造のいろいろな解析,そこには大きな寄与をしていただいております。数値解析につきましては委員のお手元にあります資料にはありますけれども,先進空力設計ということで,これもよく御存じのように,いろいろな流れの計算を事前に実施いたしまして,従来でありますといろいろな風洞試験を実施する必要があったのですが,その前に複雑な流れ,それから全機にわたる大規模な計算でありますとか,ウイングの先端の形状を決めるためのいろんなトレードオフ,こういうものをJAXAや,先ほどありました東北大学の最適化プログラムを使わせていただきまして,設計あるいは証明の中に参考とさせていただいております。
 ここまでが,主に公開資料に基づいた御説明でございます。ここからは2番目の項目の開発と飛行試験ということで,開発状況について御説明をしたいと思います。
 次のページに,開発スケジュールの現状という紙を入れております。これは,御存じかと思いますが,今年の1月23日に三菱重工からMRJの開発状況を御説明したときに,スケジュールの見直しを御説明した,その資料を引用しております。もともと,先ほど申し上げましたように,2008年から会社を立ち上げ,2009年に基本設計を完了した後,当時は2013年にお納めするという目標がありましたけれども,現在はお手元の資料にありますように,もう一つの矢印の傾斜で丸4,丸5と書いてございますけれども,丸5が納入の目標でございまして,見通しとしては2020年の半ばというふうに考えております。
 しかしながら,会社の中での目標としましては2019年末ということで掲げておりますということを,当時も御説明しております。黄色のところで外国人エキスパートの活用拡大と書いてございます。スケジュール遅れの一つの要因となりました我々の経験不足を,外国人からいろいろな情報を入れることによりまして改善し,かつマネジメントにも外国人を入れるということで,今後の開発を進めようと考えています。三菱重工,三菱航空機一体となりまして,この新しい目標に対して今進めているところでございます。
 詳細の説明は割愛いたしますが,これが最新の状況でございます。
 次のページに飛行試験への取り組みというタイトルで書かせていただいておりますが,これはいわば,開発の今の取り組み全体をあらわしておりまして,我々は3拠点という形で,もともとの本拠地であります名古屋と,それからシアトル地区に一つはシアトルエンジニアリングセンターということで,シアトル市内に技術検討の拠点,そして飛行試験の拠点ということで,シアトル郊外にモーゼスレイクフライトテストセンター(MFC)を設置しております。これら3拠点がうまく有機的にかみ合うことによりまして,先ほどの外国人エキスパートの知見も入れながら,それぞれで進めていこうというのが今の状況でございます。
 特に,モーゼスレイクフライトテストセンター(MFC)には,後ほども御紹介しますが,4機の飛行試験機が,今,到着しておりますので,その機体でどんどんアメリカで飛行しようというのが現在の状況でございます。
 それでは,その飛行試験の状況を引き続きお話しいたしますと,飛行試験機は今お話しましたように,1号機から5号機まで開発初期に設定しております。そのうちの今4機までが,ここに書いておりますタイミングで,去年から今年の4月にかけて,米国にフェリーを終えています。5号機は日本国内で試験をする準備をしております。機体は今,4機飛んでおり,現時点では初期フェーズの基本的な確認,ここの試験内容に書いておりますような基本的な確認を,約280回,フライトアワーにしまして680時間フライトしております。今,このうちの米国でのフライトが半分ぐらいに到達しております。これからどんどん米国が増えるという形になります。
 次のページは,4機が初飛行したときの写真です。1号機は一昨年,2015年11月11日に初飛行しまして,その後は2号機,4号機,3号機の順番に順次,名古屋空港で初飛行をいたしました。この後,何件か写真を御紹介したいと思いますが,次のページは初飛行の上空での写真です。これは上空ですが,安全を期すために脚はずっと出したままで飛行しました。後方についておりますのは防衛省に協力いただいたチェイサー(随伴機),T-4でございます。
 その次のページに,今回御紹介しようと思いまして,写真を入れさせていただきましたが,チェイサーは防衛省にやっていただきましたけれども,初飛行の前にJAXA実験機の「飛翔」で飛行していただきました。初飛行では気象条件等が気になるところでございますので,いろいろな天気予報とかレーダーの観測だけでは安心できないということで,初飛行が9時30分からだったのですが,その前に,早朝に「飛翔」で飛行試験エリアを飛んでいただき,気象状況を確認するということで,JAXAに初飛行を支援いただいたということをこの場で申し添えたいと思います。
 それから,その次のページの飛行試験は,その後の飛行試験ですけれども,やはりいろいろな新しい確認をするときには何かあってはいけませんので,このように防衛省の機体にチェイサーを要請いたしまして,機外からの監視をしていただくというのが開発における通常の進め方でございます。
 次のページは,トレーリングコーンによる速度校正試験ですが,上の写真に,ちょっと見にくいですけれども,機体の垂直尾翼部分からずっと後ろに点のようなものが出ております。これは右下の写真にありますようなコーン状のメガホンのようなものがついておりまして,これを機体の後方約45メートルのところに引き出して,空気の圧力を測るというものです。左の写真にありますピトー管で航空機は高度,速度,空気の圧力で測っておりますけれども,機体で測っている圧力が本当に正しいかどうかを開発の初期で確認するということで,機体の影響を受けない十分な後方の45メートルのところで大気圧を測るという,こういう特殊な試験を実施しております。
 このピトー管の配置というのは設計で決めるのですが,実際に飛行してみますと,その通りではなかなかきちんと速度の値が出ないということもございまして,こういう試験でトライアル・アンド・エラーでピトー管の配置を最終的に決めるというようなことも,開発の一つの課題でございます。
 同様に次のページはRAT,ラム・エア・タービンの展開と書いてありますが,これは非常用の発電装置,風車のようなものですけれども,通常の皆さんが乗られるようなフライトでは一切こういうものは使いません。普通に飛んでいるときには,展開しないものですけれども,万が一,エンジンが2機止まった場合,これで発電をして下りてくるということで,普通には全く使わないようなものを,開発の初期ではあえて飛行試験の中で展開させて,きちんと作動するかどうかを確認するということで,先ほどの圧力計測のキャリブレーション,校正でありますとか,非常時の対応などもいろいろ行うということです。
 次に風洞試験例を差し込んでおります。先ほども申し上げましたように,ここに書いてありますようにほとんどがJAXAの風洞を使って,いろんな空力の設計,先ほどのピトー管の位置決定なども行いました。ここでかなりの精度で設計できているとはいうものの,飛行試験を実施しますと,少し実際と合わないというものが出てまいりますので,そういうものを最終確認するのは飛行試験になります。
 その一つが,次のページにあります,能登空港からのフライバイです。よく見ると,これもトレーリングコーンが後ろに出ているのですが,そもそもトレーリングコーンが正しい値を出しているかというのを,地上のタワーに圧力計を置きまして確認しております。従いまして,今のお話で御理解いただきましたように,機体の速度計の正しさはトレーリングコーンで見る,トレーリングコーンの正しさは,地上と対応させて見てみるということで,何重にも確認をしてそのデータの正しさを確認するということを実施しています。
 少し申し添えますと,この能登空港では,先ほど御紹介ありましたJAXAのFQUROH,騒音のプロジェクトも,地上にマイクを置きまして計測しておりまして,能登空港ではJAXAと,その騒音計測でも協力をしております。
 それでは,次の写真は失速試験ということで,動きがないと全くわかりませんけれども,かなり大きな迎え角で飛んでいます。御存じのように失速というのは,速度が落ちて迎え角が大きくなると,もう揚力が発生しなくなって危ない状況になるということですので,先ほどのRATと同じように,実際の運行では全く遭遇しない状態ですけれども,開発試験ではこういうものも実施して,どのぐらいの速度で失速するかという確認をし,安全性を示すということです。大体予想どおりでしたが,実際の計算と少し違うというところもありまして,そのあたりを微調整する必要があります。そういうところの微調整には,機体の表面に小さなフィンをつけたりとか,細々とした対策を実施します。そういうものに関しましても先ほどのJAXAとの風洞試験とか,空力計算でどういうふうな処置をするかを決めるということを実施しております。
 それから,飛行試験の最後にフラッター飛行試験の写真が載っています。これは主翼の先端とか尾翼の先端に,少し見にくいですが,右上のウィングレットの根元にあるのが一番わかりやすい,赤い装置がついています。これは仕組みとしては,左の上にあります緑の図にありますように,簡単に言いますと筒の形状のものが回転して振動を起こすというもので,主翼に振動を起こしても不安定なフラッターは起きないということを確認するための試験です。飛行試験のいわゆるエンベロープというものをあらわす飛行領域全体でフラッターが起きないということを確認する試験を,かなり入念に開発試験では行っております。
 以上,飛行試験の概況をお話ししましたが,少し時間が押しているのであとを急ぎます。ここからは北米開発の拠点ということで,北米での飛行試験の状況をお話ししたいと思います。
 この地図もよく御覧かと思いますが,シアトル地区は左の上,北西にありますけれども,米国各地で特殊な試験を実施します。既に実施しました試験としては,ナチュラルアイシングというもので五大湖の上空で着氷試験,それからフロリダの半島の根元にありますマッキンリークライマティックラボラトリーというところでは酷寒酷暑試験を実施しました。今後は高地での離着陸ということでコロラドの飛行場で行い,ロズウェルと書いてありますところでは,ランウェイで特殊な試験を実施するということで,水を含んだランウェイでありますとか,飛行を中止したような試験をやるということで予定をしております。
 そのために,先ほど申し上げましたように,次のページですけれども,米国に4機をフェリーいたしまして,これもニュースなどで御存じのように,1号機は最初,北回りで青いルートで参りまして,その後の4,2,3の順番に行きましたが,こちらはグアム,マジュロ,ホノルルを経由しての南回りのルートで飛行しております。これも十分御理解いただいていますように,リージョナルの航続距離ですので,一気に太平洋は渡れないために,こういう形で陸伝い,島伝いに飛んでいってフェリーを実施しています。
 次のページは,そのフェリーがちょうど終わったところの各号機の写真で,1号機,4号機,2号機,3号機の順番に到着しております。次からは少し米国での試験の状況写真を入れておりますけれども,次のページは自然着氷試験ということで,これは4号機で実施いたしました。下に写真がありますように,ウィングレットでありますとか水平尾翼に氷がつく状況を見まして,この状態で安全に飛行ができるかどうかをこの後検討するための予備データをとっております。
 その次の写真は,先ほど申し上げたフロリダ半島のつけ根のマッキンリークライマティックラボラトリーで機体を全て建物の中に入れて試験をしたときの状況です。次のページに2枚写真を入れてありますけれども,左側が酷寒試験ということでマイナス40度,酷暑試験が右側でプラス50度ということで,ソーラーパネルで機体を熱します。このように,機体の中の温度環境を両者とも見るということでデータ取りを実施しております。
 このような試験を実施しておりますけれども,次のページはモーゼスレイク,MFCでの写真です。今申し上げましたように,4機到着しておりますので,MFCにありますハンガーに,このように4機格納しておりまして,次のページは4機がちょうどエプロンに出て,これから試験するというところです。ちょうど空の様子が見えますけれども,この時期,天気がよくなってきておりまして,冬場は雪が降ったりしてなかなか飛べなかったときがあったのですが,これからは飛行時間をどんどん延ばそうということで,この4機で飛行を実施する予定です。
 次のページは上空の写真ですけれども,御覧いただきますように冬場は地面が全て雪になりまして,このような影響で年末年始はウェザーキャンセルとなることもありましたけれども,先ほど申し上げましたように,これからシアトルは非常に天候がよくなりますので,どんどんフライトを実施する予定です。
 次のページは最終組立て工場の写真です。今日は開発の話をさせていただきますが,量産ということで,小牧,名古屋にこういう新しい工場を建てまして,生産を始めようとしているということを御紹介します。
 最後の写真は,今日余り御紹介できなかった5号機です。地上で今,準備をしており,ANAカラーに塗りまして,これは飛行試験機なんですけれども,飛行試験の前に,これから地上飛行試験に移る予定でございます。
 時間が押していてまことに恐縮ですけれども,最後に3番目の項目について,MRJの先にということで,少しこの場をかりてお話をしたいと思います。
 最初のページは,MRJを契機とする航空機産業の発展について書いています。若干,口幅ったいですけれども,今回,50年来の国産旅客機の開発ということと,日本経済の失われた20年ということがございますが,この後,MRJが開発を進めていきますと,斜めに書いております開発の後,開発だけで終わるわけではなくて,販売,量産,カスタマーサポートと,50年ほど続くような事業ということになります。この中で,これはスパイラルに書いておりますけれども,日本の産業の中で経済成長に貢献したりとか,そして技術的にはインテグレーターの確立,さらには航空輸送の地域ネットワークでありますとか,今日のテーマであります技術開発へつながるのではないかということと,最終的には,これはすべての基礎ではありますが,人材育成,こういうものが順番はこの通りではないかもしれませんけれども,絡み合いまして,次のテーマの領域へつながっていくのではないかというふうに考えております。
 そのために,最後のスライドは人材ということで述べさせていただいております。先ほど申し上げましたように,民間航空機の開発ということを考えますと,キーファクターと書きましたように,開発のみならず,量産,それからカスタマーサポート,さらにはファイナンスと,いろいろな我々が今まで経験したことがないようなものもございますので,求められる人材も従来のいわゆる工学部という形だけではなくて,いろいろな人材が必要だということで,まさしく我々は今,外国人と一緒に開発をしているような状況ですけれども,そういう人材を日本の中で育成して,次につなげていくということが重要なのではないかというふうに考えております。
 時間が超過してすみませんでした。説明は以上でございます。

【李家主査】 どうもありがとうございました。
 では,ただいまの御説明に関して,御質問等ございますでしょうか。どうぞ。

【山内委員】 お答えできなければ構いませんが,今の御説明にあった開発の遅れに関して,その大きな要因というのは技術的なものなのでしょうか。

【三菱航空機佐倉室長】 大丈夫です。そこはお答えできます。
 先ほど申し上げました1月の発表のときにも少し申し添えておりますが,一番大きな要因は,型式証明に対するいろいろな手当がまだ十分ではないということがわかりましたので,それを実施するための時間が必要だということです。今までもいろいろ議論していたのですが,昨年の夏ごろから,我々がグローバルエキスパートと呼んでいます外国人の技術者にたくさん入ってもらって,今までの活動をレビューした結果,まだやることがこれだけあるということがわかってきましたので,それを実施する期間として,今回アナウンスいたしました2020年までかかるだろうということです。
 あえて補足させていただきますと,では今,飛行試験を実施している飛行機が何か問題があるのかということを疑問に思われるかもしれませんが,それはそうではございません。今飛んでいる機体は安全に飛べるということを確認して飛んでおり,飛行機として飛ぶ分には問題ないのですけれども,お納めした後の,先ほども少し申し上げた特殊な条件,着氷環境もそうですけれども,普通は氷がつかない状態で飛びますが,万が一氷がついても安全に飛行できますかというような,いろいろなレギュレーション,法律がございます。万が一のときに安全に飛行できるということを証明する部分が我々には少し不足していたということが,外国人との議論でわかりました。そこが一番大きな理由です。まとめますと,型式証明に対する追加の作業が必要だということがわかりましたので,その期間を延長させていただいたということでございます。よろしゅうございますでしょうか。

【山内委員】 ありがとうございます。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

【佐藤委員】 これも答えられる質問かどうかわかりませんが,先ほどJAXAさんの紹介で,20年後ぐらいには3,000機から4,000機ぐらいの新しい機体を製造する必要があるということでしたが,その内のどのくらいのシェアを獲得しようしているのでしょうか。あともう一点は,今作っているMRJそのままでいくのか,大きく変えるのか,少し変えるのか,どのように考えているのでしょうか。

【三菱航空機佐倉室長】 最初の御質問,どのくらいの機数かということですが,先ほどありましたJAXAの御紹介は,リージョナルに限定せずに全体のお話であったと思いますので,私が御説明したリージョナルジェット機の市場という,こういうページがございましたけれども,この中で我々が考えていますことは,今後,リージョナルジェット機は新規の需要が5,000機あるだろうということで,この中のできるだけたくさんを取りたいと考えております。リージョナル市場といいますと,今後はエンブラエルがやはり主であろうと思いますので,エンブラエルと我々で,この市場を半分ずつぐらい取れると理想だということは,社内では話しております。
 そこから二つ目の御質問の,更に将来をどういうふうに考えるかというのは,この図でお示ししましたように,日本が今開発していくとすると,リージョナルジェットというのが非常に適しているかなということと,ボーイング,エアバスとのすみ分けということも考えて,ここに今集中しておりますので,しばらくはこのリージョナル市場をどうしていこうかということの議論になると思います。20年,30年先になりますと,我々としては今,ボーイングとの関係が強いですけれども,そことの関係で,更に規模が異なる機体のマーケットということもあろうかと思いますが,こちらにつきましてはまだ議論をいろいろ社内でしている,社内というか,業界の方がしておられるところでございます。
 よろしゅうございますでしょうか。

【佐藤委員】 大きい機体規模ではなくて,リージョナルの中での話ですが,今のMRJで20年,30年やっていけるということでしょうか。

【三菱航空機佐倉室長】 若干,口幅ったいことを申し上げれば,航空機の開発において20年,30年というのはそんなに長いスパンではございません。先ほど申し上げたように,カスタマーサポートも入れますと50年の事業だと思っていますので,この最初のMRJをしっかり事業として道をつけて,その後,その次のポストMRJということで,やはりリージョナルサイドで考えながら,それと並行してまたもう少し大きなことを考えるということで,当面はやはりリージョナルを主体に検討していくというふうに考えております。

【佐藤委員】 ありがとうございます。

【李家主査】 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは,少し時間も押しておりますので,更に御質問等もあるかもしれませんけれども,追加で質問等ある場合は,先ほどと同様に,後ほど事務局まで御連絡いただければ,事務局から回答していただきます。
 それでは,どうもありがとうございました。
 では次に,エンジン開発の動向についてということで,今度はIHIさんから,よろしくお願いいたします。

【IHI今成副所長】 今,非公開の資料を,1枚だけですけれどもお配りしますので,少しお待ちください。
 説明は紙でいたします。
 質疑があったときは,手前の画面に何かを映してお答えする場合もあるかと思います。
 非公開の資料は会議終了後,回収させていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 それでは,説明させていただきます。
 では,航空エンジンの開発動向ということで,IHIの今成から説明いたします。
 1ページ目は目次ということで,本日はこの3項目について御説明いたします。
 3ページは飛ばしていただいて,4ページですけれども,最初にIHIの事業領域だけ簡単に御紹介させていただきますと,大きくの四つ事業領域がございまして,資源・エネルギー・環境,それから社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,そして航空・宇宙・防衛です。航空・宇宙・防衛については航空エンジンが主力で,そのほかに幾つかの事業を持っております。売上げ規模としては,IHI全体として約1兆5,000億ということでございます。
 次の5ページですけれども,航空エンジン事業の推移を示しています。縦軸は売上高,横軸は年代です。弊社の航空エンジンの創業が1950年代,57年ですけれども,今年はそういう意味では60年ということになりますが,最初の30年は,防衛省さんのおかげで何とか成長できました。ここで得られた基盤を用いて,1980年代の後半から急激に民間エンジンが立ち上がり,2016年度はもう少しいっているかもしれませんが,3,500億を超えるようなレベルになってきまして,比率としても1対2とか1対3とかということで,民間が非常に成長しているという状況であります。
 この民間のところについて御説明いたしますと,民間エンジンの原点は,やはりFJR710でございまして,これは経済産業省さんの国家プロジェクトで,今のJAXAの航空さん,当時のNALさんが主導して開発したエンジンです。これのおかげでV2500が立ち上がり,これがベストセラーになりまして,その後ベストセラーか,若しくはそれに近いものがずっと続いて,今日に至っているという次第です。
 7ページに移りますけれども,民間市場については,先ほどJAXAさん,三菱さんからもお話がありました。過去から現在に向かって,大体,航空機市場は年率4,5%の高成長と言われていますけれども,機体に対してエンジンは大きく四つのカテゴリーに分かれるというのが,このページの右側です。
 一番下がリージョナルジェット,あるいは小型のビジネスジェットの領域でして,その上,水色のところが150席級のボリュームゾーンであるエアバス320とか,ボーイング737といったところのエンジンです。その上がボーイング787とかエアバス330等々のもの,そして一番上がボーイング777といったような大型機の領域で,エンジンとしては大きくこの四つに分かれます。特徴としては,弊社はこの四つのカテゴリー全ての入り込んでいるということでして,後でも述べますが,ここに入り込むには技術がないと駄目です。この市場はいまだに技術中心の市場でして,技術で入り込めれば,これ以上の成長,4,5%の成長に加えて,技術が伸びればシェアはアップする可能性もあるようなところでございます。
 その辺のバックグラウンドをこれから少し説明します。8ページですが,まず航空機産業の特徴としては,やはり高付加価値であるということでして,その高付加価値について,下のグラフで示しております。これは縦軸が単位重量当たりの価格ということで,1トン当たりの値段ですけれども,航空機エンジンでは1トン当たり2億ぐらいということになります。航空機,旅客機で1.3億ぐらい,そして乗用車は1トン当たり200万ぐらいということで,航空機エンジンについては,重さ当たりですけれども,約100倍の価値があるということになります。
 その他,すそ野が広いとか,技術波及効果があるとか,特に安全保障との関係でやはり自前化する必要がある等々の特徴があります。また,下のブルーのところに書いていますけれども,航空エンジンの事業の特徴は,1番目は開発リスク・事業リスクが高いということです。これで潰れた会社もあります。2番目は高い信頼性が必要という当たり前の話ですけれども,最後の3番目,ここが一番の特徴だと思いますが,前述した事業リスクが非常に高いので,リスクを低減するために国際共同開発をします。これをやると,どこの国の会社がどこをやるかという議論になります。そのときの議論は技術です。どこの部分であなたは一番ですかということです。大きく世界で三つぐらいのパーティに分かれますけれども,そのパーティの中では一番にならないとなかなか仕事は取れないということで,ここに書いてありますが,共同開発参入時には,特定技術分野で世界のナンバー1,ナンバー2が求められる高度技術産業であるというところが一番大きい特徴でございます。
 次に10ページを説明させていただきますけれども,前述したように,航空輸送は今後もそれなりの成長が見込まれています。一方で,CO2ほかの規制強化とか,空港の離着陸枠の制限とか,財務基盤の弱い格安航空機会社LCCの増大等の課題がありますので,対策として,以下の方向でエンジンは進化していくというふうに考えます。
 一つは燃料消費量の低減,そして大推力化,そして運用ライフサイクルコストの低減です。本日は時間のこともありますので,1項に焦点を絞ってお話します。
 11ページは,燃料消費量の低減の動向です。縦軸は燃料消費率あるいはSFCと呼ばれるもので,横軸は年代ですけれども,過去60年で燃費は約半減と大きく改善しました。これからまた,更に改善をしていこうという状況であります。このSFCの改善については大きく二つのパラメータで分けて説明できますので,それを次の12ページに載せております。燃料消費率のSFCは総合効率とも呼びますけれども,これは熱効率と推進効率を掛け算したものとして表示しています。
 熱効率というのは,全ての熱機関に共通するものですが,大概高温・高圧化することで上がっていくものです。それから,推進効率というのが航空機エンジンに特有のものですけれども,その噴き出すジェットの速度が飛んでいる速度に対して比較的近いと推進効率が良くて,余りにジェットの速度が速過ぎると推進効率が悪くなるという特徴があります。それを示したものが右のエンジンのところに「バイパス比=(イコール)青/赤(赤分の青)」と書いてありますが,赤いところはコアエンジンという燃焼器を通った空気が噴き出す部分でして,青いところがファンの少し涼しい空気が噴き出す部分で,これの比をバイパス比と呼んでいます。この比が大きいと推進効率が上がるということでありまして,下に書いてありますが,高バイパス比化,あるいは見た目で評価しますと,ファン径の大型化ということが推進効率の向上につながります。歴史的にその総合効率のアップを御覧いただくと,これらの両方の面で改善しながら上がっているということがわかりますので,この両面に対しての対策をこれから述べます。
 13ページですけれども,推進効率のアップに関しては,やはり高バイパス比化,ファン大型化ということになります。グラフの縦軸は燃費でして,下の方が良いということになります。横軸はファン径とかバイパス比といったものを考えておりまして,最初にその赤い線を見ていただきたいと思いますが,バイパス比あるいはファン径をどんどん大きくしていくと,燃料消費量がどんどん減っていきます。ところが,緑のエンジンがありますが,これはファンの部分が非常に大きくなっていて,それからファンを起動する低圧タービンも大きくなっているということがわかると思いますが,これはだんだんものが大きくなっていくのでどんどん重くなります。あるところでボトムに到達して,そこから先は悪化してしまうということが起こります。逆に言うと,ファンやそれを駆動している低圧タービンの軽量化をすれば,低圧タービンを更に大型化して燃費を改善できるということを意味しています。
 バイパス比なりファン径の大型化を進めるためには,低圧系のモジュールの軽量化技術が重要ということで,ファンについては炭素繊維複合材(CFRP),それから低圧タービンについてはセラミックの複合材(CMC)や,金属間化合物のチタンアルミといったものが鍵になると認識しています。
 次の14ページですけれども,こちらは実績ですが,炭素繊維複合材(CFRP)技術の実績です。これはPW1100Gというエアバス320の後継機のエンジンで,既に運航を開始しています。これはプラットアンドホイットニー社とコンペしまして,我々は勝ちましたので,この複合材ファンケースとファン静翼については,弊社の独自スペックで型式承認を取得しております。なお,先ほどのMRJさんのエンジンも,実はケースについては我々が製造していますので,認知いただければと思います。
 次の15ページは日本のCFRP技術の優位性ということで,エンジンに関してですけれども,CFRPについては熱硬化タイプと熱可塑タイプがございます。熱硬化タイプというのは,下の方にありますが,プリプレグを積層した,オートクレーブで長時間硬化をする必要があるというものでありますが,熱可塑はプラスチックを固めるのと同じなので非常に早く,数時間のものが数十分でできます。機体やエンジンのファンのケースのように,一つのエンジンなり機体に1個の部品であればこれでいいかと思いますが,羽のように一つのエンジンに何十枚もあるようなもの,これをやろうとすると,やはりスピードが追いついてこないと,設備投資がかさんでなかなかコスト的に勝てないということで,熱可塑のコスト優位性というのが我々の強みであります。
 もう一つは,下の方にある耐衝撃性ですけれども,これは熱硬化よりも熱可塑の方が粘り強いということがわかっておりまして,ここでも鳥などが撃ち込まれたときのことを考えますと,優位性があるということであります。
 次に進みますが,16ページは,先ほどの推進効率ではなくて,熱効率の向上に対する一番の話ということで,高温化の話になります。高温化の一番の代表例はタービンの材料で,こちらに図を示していますが,縦軸は耐熱性の指標のクリープ温度,横軸が年代です。過去60年,70年かけて金属材料は大変進化してきていまして,約300℃の耐熱性の向上が実現できました。けれども,もうそろそろ限界に達しつつあるというのが現状でございまして,さらなるタービンの熱効率向上のためには,セラミックの複合材(CMC)へのパラダイムシフトが必要であろうと認識しております。 
 18ページはそのCMCの実績で,これはMETIさん,NEDOさんの結果をもらったものを載せておりますが,左側の中空静翼が高圧タービンを模擬したもの,右側の3枚ほど翼が組み合わさったものが低圧タービンを模擬したもので,弊社の小型のガスタービンを入れて,数百時間の耐久試験をして,問題がないということまで実証しております。ただ,これは地上のガスタービンだと急加減速ができないという欠点もございまして,やはり欧米を本当に認めさせるためには,航空エンジンによる実証が必要というふうに考えております。
 続いて,技術バリューチェーンの話ですけれども,20ページを見ていただければと思います。20ページ,21ページはセットでございますけれども,技術開発には大きく三つのフェーズがあると認識しておりまして,基盤研究のフェーズ,それから実証,そして製品開発です。基盤研究フェーズは,新技術について機能・性能,耐久性,コストでお客様に対して従来を超える価値を提供できるかどうかを,ラボレベルで検討,評価するフェーズです。ここで価値を向上するために,産学官で知恵出しをすると,これが加速する可能性があるというふうに認識しています。
 次の実証フェーズですが,ここは新技術を,技術実証のエンジン等,実環境を模擬する環境で試験を行って,その機能・性能,耐久性等を実証する,加えて,製造実証設備を導入して,実用に耐える品質,コスト,納期を確保できるものづくりを実現できるかということを検討するフェーズと考えています。
 そして,最後に開発フェーズということで,国際共同開発等をする,製品開発をするフェーズです。これを絵にしたものが21ページにありまして,ここには会社を中心としながら,JAXAさんと,国研,大学といったいろいろなところに入っていただいてやっているということであります。
 次の22ページですけれども,その技術バリューチェーンの日本における現状認識と,今後の課題を整理したものでございます。
 まず,開発フェーズについては,経済産業省殿の施策もあってうまく回っていると認識しております。それから,基盤研究フェーズについても,文部科学省殿,それからJAXA殿のaFJRのプログラム,あるいは経済産業省もNEDOさんの各種プログラム,それから内閣府さんのSIP等のプログラムによって,基礎研究と技術開発の双方向コミュニケーションが活発化しておりまして,複合材料代表選手として,世界的に競争率のある技術が生み出されつつあるかなという認識でおります。
 よって,今後の話としては,JAXAさんの次期プログラム,aFJR後継プログラムだと思いますけれども,その立ち上げを含め,今後も産学官が連携して技術開発を進めていきたいなというふうに考えております。
 残された課題ですが,航空エンジンに適用する技術を実機に適用するためには,必ずエンジンに組み込んだ実証実験が必要です。この実証実験を国際共同開発の大手のパートナーが持っているエンジンで実証すると,せっかくの日本国の新技術も,その知財権に使用制限がかかって囲い込まれてしまうという大きな問題がございます。これに対する対策は,技術実証エンジンの導入,それから,それを活用した新技術の実証試験と考えておりまして,これを現在,文部科学省さん,それからJAXAさんに御努力いただきまして,JAXAさんに防衛省のF7エンジンの導入が進行していると認識しております。
 次のエンジン開発ですけれども,2020年頃から本格化すると考えておりますので,遅くとも2020年度中には,新技術をF7エンジンで実証試験することが必要ということで,エンジンの整備が非常に急務になっているというふうに認識しております。
 実質的に最後のページになりますけれども,では,その新技術として考えているものは何かというと,それはCMCの高圧タービン部品の適用ということでございまして,これについてはNEDOさんのプロジェクト,それから内閣府さんのプロジェクトで繊維そのものの改良や,量産性とかコスト低減の技術開発や,部材化の技術開発をさせていただいております。また,コーティングについてはSIPで少し検討させていただきまして,これから本格的な部材化,それからエンジン実証に進まなければいけない状況にあって,2020年度には是非これをF7で実証して,その結果をもっと欧米に技術提案して,知財権を確保した上で,製品の開発につきたいと考えております。
 説明は以上でございます。

【李家主査】 どうもありがとうございました。
 では,ただいまの御説明に関して御質問等ございましたら,お願いいたします。

【和田委員】 CMCの高圧タービンですけれども,2020年度から本格的に開発するということですが,実際に製品開発をして販売の段階に入るまでにはどれぐらいの期間がかかるのでしょうか。

【IHI今成副所長】 最速で2025年だと思います。大体2025年から2030年の間には来るだろうと思っております。

【和田委員】 ありがとうございます。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。
 では私から一つ。17ページのCMC技術のところで,2.5次元とか3次元の織物とか,そういったところで優位な技術を持っていらっしゃるという御説明がありましたが,この辺のところはこれまで長年の技術の蓄積とか,先見的にこういった研究開発をされてきたので,現在,優位に立っておられると考えてよろしいでしょうか。

【IHI今成副所長】 そうですね。弊社は何だかんだでもう25年ぐらいやっていまして,製品化が最初に進むGEと大体同じです。やはり向こうは自分でエンジンを持っている分だけ一歩先んじられていますけれども,大体くっついているところです。ほかの会社はやはり遅れていたので,今,明らかな優位性が見える状況になっております。

【李家主査】 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。

【佐藤委員】 同じCMCの質問ですけれども,中の冷却構造のようなものも金属と同じように作れるのでしょうか。

【IHI今成副所長】 それはちょっと違います。
 金属のような複雑な系,冷却構造は多分作れないだろうと思います。ただ,金属よりもはるかに,200℃ぐらいの耐熱性が向上しますので,そういう意味である種の冷却はもちろんできます。普通の昔からの冷却はできますので,それだけでより高い温度とか,冷却空気を大幅に削減した形でエンジンに提供できます。

【佐藤委員】 ありがとうございます。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 詳しい御説明をありがとうございました。委員の先生方でもし追加で御質問があるようでしたら,先ほどと同じく,事務局に御連絡いただければと思います。
 では,次の議題に移らせていただきます。5番のその他です。次回の日程等について,事務局から御説明をお願いします。

【坂本課長補佐】 机上配付資料の別添ということで,今後のスケジュールをつけさせていただいております。次回,第55回になりますけれども,航空科学技術委員会は6月14日を予定しております。また,第56回は7月14日を予定しております。議事次第等できましたら,委員の皆様に別途開催案内を送付させていただきたいと考えています。
 本日の委員会の議事録につきましては,事務局で案を作成しまして,別途皆様の照会をかけさせていただきたいと考えております。
 また,本日の午後,JAXA視察に参加される委員の方は,引き続きよろしくお願いします。待ち合わせ場所等につきましては,参加される委員の皆様に資料を配付させていただいております。もし何かわからないことがありましたら,遠慮なくお問い合わせいただければと思います。
 以上です。

3.閉会

【李家主査】 ありがとうございます。
 では,今日の午後,視察もあるということですから,特に新任の先生方はいろいろと興味を持って御質問いただけると思いますが,よろしくお願いいたします。また,詳しい御説明を頂きました三菱航空機様,IHI様,どうもありがとうございました。
 それでは,これで科学技術・学術審議会,研究計画・評価分科会第54回航空科学技術委員会を閉会いたします。
 どうもありがとうございました。

(了)

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研究開発局宇宙開発利用課