研究評価部会(第34回) 議事録

1.日時

平成21年4月14日(火曜日) 10時30分~12時00分

2.場所

文部科学省3F2特別会議室

3.議題

  1. 部会長等の選任について
  2. 研究評価部会の議事運営について
  3. 研究評価部会における作業部会の設置について
  4. その他

4.出席者

委員

笹月部会長、中西部会長代理、相原委員、有本委員、伊地知委員、
大隅委員、大泊委員、小川委員、後藤委員、諏訪委員、田中委員、
東嶋委員、西尾委員、西島委員、野田委員、持田委員

文部科学省

(科学技術・学術政策局)
泉科学技術・学術政策局長、戸渡政策課長、柿田計画官、苫米地評価推進室長

5.議事録

【苫米地評価推進室長】  それでは、定刻ですので始めさせていただきたいと思います。第34回の科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会研究評価部会を開催させていただきます。

 本日は、ご多忙にもかかわらずご出席賜りましてまことにありがとうございます。本日は第5期の研究評価部会として最初の会議でございますので、部会長をご選任いただくまでの間、便宜的に私、科学技術・学術政策局評価推進室の苫米地が、議事を進めさせていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

 なお、本部会運営規則第4条によりますと、部会長の選任その他人事にかかわる案件等を除き公開することとなっておりまして、本日の最初の議題が人事案件であることから、最初の議題につきましては非公開とさせていただき、議題の2より公開とさせていただきたいと考えてございます。

 まず、会議に先立ちまして、科学技術・学術政策局長の泉からごあいさつを申し上げます。

【泉局長】  皆様、おはようございます。科学技術・学術政策局長の泉でございます。本日はご多忙のところ、この研究評価部会にご出席いただきましてまことにありがとうございます。

 今、司会のほうから申し上げましたように、第5期の研究評価部会の第1回目でございます。前期から継続の委員の先生方もいらっしゃいますが、改めて申し上げれば、この部会は研究評価のあり方の検討、それから科学技術振興調整費によって実施した課題の中間・事後評価、及び研究開発プロジェクトの評価に関する調査審議を行うことが任務となっておりまして、これまでも今申し上げたような任務の中で、いろいろなご審議をいただいたわけでございます。前期の最後には、我が国の研究開発の評価について総合科学技術会議のほうで国の研究開発評価に関する大綱的指針が改定され、これを踏まえて、この部会においてご審議をいただき、文部科学省における研究及び開発に関する評価指針をこの2月に大臣決定したところでございます。

 こういった指針を踏まえて、これからの研究開発の評価の推進あるいは科学技術・学術の振興に努めていくということになるわけですが、文部科学省の評価指針の決定に至るためのこの部会でのご議論等々からもありますように、評価システムについてはいろいろと課題が指摘されておりまして、さらに発展あるいは、いわば進化させていく必要があると思っているところでございます。

 第5期の科学技術・学術審議会では、平成18年度からスタートしております第3期科学技術基本計画の次の第4期、平成23年度からスタートいたしますが、この策定に向けた議論も行っていくタイミングになってきておりまして、この部会におきましても、この次の科学技術基本計画も視野に入れた評価システム改革の課題あるいはその方向等についてご議論いただくことが必要であると考えているところでございます。

 研究開発評価を適切に行っていくということは、科学技術創造立国の実現に向けた取り組みの着実な展開のために必要不可欠でございます。先生方におかれましては、ご多忙中大変恐縮ではありますが、何とぞこの評価の重要性というものについて改めてご理解を賜りまして、いろいろとご指導、またご協力を賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。

 何とぞよろしくお願い申し上げます。

【苫米地評価推進室長】  それでは、研究評価部会の委員にご就任された方々をご紹介申し上げます。資料1に名簿がございますので、名簿の順に本日ご出席の委員の方々をご紹介させていただきます。

 まず、東京大学大学院理学系研究科教授の相原博昭委員でいらっしゃいます。

【相原委員】  よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  独立行政法人科学技術振興機構社会技術研究開発センター長の有本建男委員でいらっしゃいます。

【有本委員】  有本です。よろしくお願いします。

【苫米地評価推進室長】  成城大学社会イノベーション学部教授の伊地知寛博委員でいらっしゃいます。

【伊地知委員】  伊地知です。どうぞよろしくお願いします。

【苫米地評価推進室長】  東北大学大学院医学系研究科教授の大隅典子委員でいらっしゃいます。

【大隅委員】  大隅でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  前早稲田大学理工学術院教授の大泊巌委員でいらっしゃいます。

【大泊委員】  大泊です。よろしくお願いします。

【苫米地評価推進室長】  独立行政法人情報処理推進機構IT人材育成本部参事の小川健司委員でいらっしゃいます。

【小川委員】  小川でございます。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  早稲田大学理工学部教授の後藤滋樹委員でいらっしゃいます。

【後藤委員】  後藤です。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  国立国際医療センター名誉総長の笹月健彦委員でいらっしゃいます。

【笹月委員】  笹月です。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  独立行政法人産業技術総合研究所生命情報科学研究センター主幹研究員の諏訪牧子委員でいらっしゃいます。

【諏訪委員】  諏訪でございます。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  静岡文化芸術大学文化政策学部准教授の田中啓委員でいらっしゃいます。

【田中委員】  田中でございます。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  科学ジャーナリストの東嶋和子委員でいらっしゃいます。

【東嶋委員】  東嶋です。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  東京大学大学院農学生命科学研究科教授の中西友子委員でいらっしゃいます。

【中西委員】  中西でございます。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  大阪大学理事・副学長の西尾章治郎委員でいらっしゃいます。

【西尾委員】  西尾でございます。どうかよろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  持田製薬株式会社医薬開発本部主事の西島和三委員でいらっしゃいます。

【西島委員】  西島です。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  独立行政法人物質・材料研究機構理事の野田哲二委員でいらっしゃいます。

【野田委員】  野田でございます。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  東京医科大学医学部教授の持田澄子委員でいらっしゃいます。

【持田委員】  持田でございます。よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  また、本日ご欠席ですが、株式会社東芝顧問の有信睦弘委員、京都大学再生医科学研究所教授の岩田博夫委員、日本女子大学マルチキャリアパスプロジェクト担当学長補佐の小館香椎子委員、筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授の小林信一委員、LMUミュンヘン大学地球科学部客員教授・東北大学大学院理学研究科客員教授の田島文子委員、東京大学大学院工学系研究科教授の花木啓祐委員、金沢大学大学院自然科学研究科特任教授の広瀬幸雄委員が本部会の委員にご就任されております。

 続きまして、文部科学省からの出席者を紹介させていただきます。

 泉科学技術・学術政策局長でございます。

【泉局長】  よろしくお願いします。

【苫米地評価推進室長】  戸渡科学技術・学術政策局政策課長でございます。

【戸渡政策課長】  よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  柿田科学技術・学術政策局計画官でございます。

【柿田計画官】  よろしくお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  以上、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、議題1に入らせていただきます。本部会の部会長の選任でございます。

 

○ 部会長には、科学技術・学術審議会令第6条第3項の規定に基づき、委員の互選により笹月委員が選任された。

【笹月部会長】  ただいま部会長にご指名いただきました笹月でございます。非力ではございますが、これまでの経験も踏まえて、非常に大事な研究費の評価、審査ということで微力を尽くしたいと思っております。

 先ほど泉局長からの話にもありましたように、我が国にとりましては、科学技術立国ということを標榜して国際的に伍していこうというわけでありますので、科学技術の振興、それを支えるといいますか、あるいは行くべき方向あるいは進展を正しく、厳しく評価するという、この役割は非常に重要なものであろうと思っております。

 さらに私は、研究あるいは評価というのは、やはり教育と表裏一体であろうと思っておりますので、この部会が直接教育の評価ということにかかわるわけではありませんが、常に委員の先生方は、この教育が表裏一体の大きなテーマとしてあるということを心にとどめていただきながら、この部会でいろいろご意見を賜りたいと思っております。どうぞよろしくお願い申します。

 

○ 部会長代理は、科学技術・学術審議会令第6条第5項の規定に基づき、笹月部会長が中西委員を指名した。

 

【笹月部会長】  それでは、人事案件が終了いたしましたので、これより本部会は公開といたします。傍聴の希望者がありましたら入室させてください。

( 傍聴者入室 )

【笹月部会長】  それでは議事に入ります。

 まず事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  本日の配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第の配付資料一覧のとおり資料を配付させていただいておりますので、ご確認願います。

 資料1、委員の名簿でございます。

 資料2、部会長の選任についての関係法令抜粋でございます。

 資料3、本部会の概要でございます。

 資料4、本部会運営規則(案)でございます。

 資料5、本部会の公開の手続きについて(案)でございます。

 資料6-1、研究開発評価システム改革検討作業部会の設置について(案)でございます。

 資料6-2、評価システム改革に向けた検討の視点(主要論点)でございます。

 資料6-3、第3期科学技術基本計画(抜粋)でございます。

 資料7、最近の審議会等における研究開発評価に関する主な意見でございます。

 また、参考資料1、組織構成、参考資料2、関係法令等、参考資料3、本部会のこれまでの審議の状況、それと参考資料4といたしまして、本部会でご審議、改定いただきました文部科学省における研究及び開発に関する評価指針をつけさせていただいてございます。

 欠落等不備がございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じます。

 以上でございます。

【笹月部会長】  どうもありがとうございました。

 それでは議題2に入ります。研究評価部会の議事運営についてでありますが、まず事務局から当部会の概要、それから運営規則、さらに公開の手続きについてご説明をいただきたいと思います。事務局よろしくお願いします。

【苫米地評価推進室長】  それでは、資料3、4、5を使いまして説明をさせていただきます。資料3をご覧いただきたいと思います。

 本部会の概要でございます。

 まず1.でございますが、所掌及び実績ということで、所掌は、研究及び開発に関する評価のあり方の検討、科学技術振興調整費により実施した課題等の中間・事後評価、研究開発プロジェクトの評価に関する調査審議、これが本部会の所掌となってございます。

 前第4期の実績といたしましては、平成19年3月以降7回の開催で、大型放射線・放射光施設に関する中間評価のとりまとめ、光科学技術分野の平成20年度新規課題の事前評価の実施、科学技術振興調整費による実施課題等について、平成19年度、平成20年度の中間・事後評価のとりまとめ、文部科学省における研究及び開発に関する評価指針の見直しの審議と同指針の改定、以上を行っていただいたところでございます。

 2.は、今後の本部会の審議事項でございます。

 まず研究評価のあり方について、次期科学技術基本計画を視野に入れて、評価システム改革の課題と、その改善方策をご検討いただきたい、また、科学技術振興調整費の中間・事後評価について、8月ごろに平成21年度の評価の実施方法について決定し、11月を目途に評価結果を取りまとめいただきたい、さらに、研究開発プロジェクトの評価について、部会での評価が適当な、総合的なプロジェクトがあれば必要に応じてご検討いただきたいと考えてございます。

 3.は、今後の審議スケジュールを記載させていただいております。大体年3回程度の開催を考えてございます。4月は、本日の部会ですが、8月は、評価システム改革の方向性についての審議と科学技術振興調整費による実施課題の中間・事後評価の方針・対象課題の決定、11月は、科学技術振興調整費による実施課題の評価結果の審議ということで進めさせていただくことを考えてございます。

 なお、評価システムの改革の方向性につきましては、8月にご審議いただくことになっておりますが、後ほどお諮りします作業部会を設置させていただくことを考えておりまして、作業部会においてご検討を行っていただいた上で、本部会においてご審議、お取りまとめをいただければと考えてございます。

 資料4ですが、本部会の運営規則でございます。

 議事の手続その他、本部会の運営に関する必要な事項の定めでございまして、これはこれまでの取り扱いと変更はございません。

 第2条に、委員の組織、人数が記載されております。

 第3条では、部会は、研究計画・評価分科会において定められた所掌事務のうち、特定の事項について調査審議を行う必要がある場合は、作業部会を置くことができる、作業部会の名称及び所掌事務は、部会長が部会に諮って定める、作業部会に属すべき委員、臨時委員、専門委員は部会長が指名するとなってございます。

 第4条では、会議の公開が記載されております。基本的に下記のものを除き公開するということになっておりまして、部会長の選任その他人事に関する案件、行政処分に関する案件、その他部会において非公開とすることが適当であると認める案件、それ以外は基本的に公開となってございます。

 また、第5条には、議事録につきまして、委員、臨時委員にお諮りした上で、これを公表させていただく。こちらは名前を付して公表させていただくということになってございます。

 資料5は、本部会の公開の手続きでございます。これもこれまでの取り扱いと変わっておりません。会議の開催につきましては、原則1週間前にインターネット及び広報室に掲示するとか、一般傍聴者、報道関係者等の傍聴の手続きを定めさせていただくということでございます。以上でございます。

【笹月部会長】  どうもありがとうございました。

 ただいまの研究評価部会の概要、運営規則、それから公開の手続きについてのご説明に関して、どなたかご質問あるいはコメントはございますか。よろしいですか。

 それでは、ただいまの運営規則、公開の手続きについては、原案のとおり決定し、当部会としましては、引き続きこの規則にのっとって会議を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、議題3、研究評価部会における作業部会の設置についての審議に入りたいと思います。

 このたび、本部会に新たに研究開発評価システム改革検討作業部会を設置することが提案されておりますので、ご審議いただきたいと思います。これに関しまして、まず事務局より資料の説明をお願いいたします。

【苫米地評価推進室長】  資料6-1、6-2で説明させていただきます。研究開発評価システム改革検討作業部会の設置の案でございます。

 研究開発評価は、国民に対する説明責任を果たし、柔軟かつ競争的で開かれた研究開発環境の創出、研究開発の重点的・効率的な推進及び質の向上、研究者の意欲の向上、よりよい政策・施策の形成等を図る上で極めて重要でございます。

 一方で、研究開発は、研究分野の深化、大規模化、融合化等の方向に加えまして、社会的・経済的な要請や国民への成果還元のために、より効果的・効率的な推進が求められ、それに伴い、評価対象がより複雑なものへ拡大していることとか、評価水準が高度なものとなることが必要となっており、評価システムの一層の発展が求められているところでございます。

 このため、本部会のもとに研究開発評価システム改革検討作業部会を設置いたしまして、次期科学技術基本計画を視野に入れて研究開発評価システム改革の課題とその改善方策について検討をしていただきたいと考えているところでございます。

 検討事項としましては、資料6-2にございますが、評価システム改革の課題とその改善方策についてということで、これはこれまでの本部会におけるご意見等を取りまとめたものでございまして、8点の論点をご提言いただいているところでございます。

 主要論点としまして、まず1点目、研究開発の性格に応じた多様な評価基準が必要であろう、研究開発の性格に応じて評価方法は異なるものであるので、性格に応じた評価基準を明確化する必要があるのではないか、という点でございます。

 2点目といたしまして、研究開発に適した評価の観点ということで、現行の必要性、有効性、効率性に代わる、研究開発に適したよりふさわしい観点があるのではないか、という点でございます。

 3点目といたしまして、世界水準の視点での評価ということで、世界的なベンチマークの活用でありますとか、研究開発の特性に応じた世界水準の評価方法など、我が国にふさわしい評価方法を明確化する必要があるのではないか、という点でございます。

 4点目といたしましては、研究活動を支える組織、次世代の人材を育成する組織の役割を重視する評価の視点ということで、第3期科学技術基本計画では、モノから人へということで、機関における個人の重視が基本姿勢として示されていたわけですが、一方で、現場では、個人を支える機関の脆弱でありますとか、次世代の若手研究者が育つ環境になっていないという状況が見受けられる、ということで、個人を支える機関の役割を重視するような評価の視点、あるいは次世代の人材育成を重視する評価の視点が必要なのではないか、というご点でございます。

 5点目といたしまして、研究開発評価に係わる専門人材の育成ということで、研究開発評価に係わる人材について、機動的、体系的に養成する仕組みが必要なのではないか、という点でございます。

 6点目といたしまして、研究開発の施策レベルでの評価のあり方、政策上の目的・目標の実現に対して、成果としてのアウトカムを評価しうるような施策レベルでの評価のあり方の検討が必要なのではないか、という点でございます。

 また、7点目といたしまして、効果的・効率的な評価方法として、評価者・被評価者の双方にとって、過重な評価作業負担を回避する、より効果的で効率的な評価のあり方の検討が必要である、という点でございます。

 また、8点目といたしまして、PD、POの制度改革ということで、PD、PO制度につきましては、基本的には競争的資金制度の中での議論ということになるかと思いますが、評価の視点における現状の把握、ということで、評価の視点におけるPD、PO制度について、分析、改善点の検討というものが必要なのではないか、ということでご意見をいただいているところでございます。

 以上8点の論点につきまして、資料6-1に戻っていただきますと、この作業部会において、これに沿った形でのご検討をいただき、お取りまとめをいただければと考えてございます。

 また、検討事項の2ですが、第4期科学技術基本計画に盛り込まれるべき方策についてもご議論いただき、お取りまとめをいただければと考えているところでございます。

 3.のスケジュール(案)でございますが、平成21年7月に作業部会の報告をいただき、本部会においても審議・決定をしていただき、8月以降、科学技術基本計画に盛り込まれる方策については、科学技術・学術審議会における次期科学技術基本計画の策定に向けた議論に反映する、ということで進めさせていただければと考えているところでございます。

 以上が説明でございます。資料6-3は第3期の科学技術基本計画の評価システム改革の抜粋をつけてございます。

 以上でございます。

【笹月部会長】  ありがとうございました。

 作業部会を設置するということですが、作業部会でご審議いただく、その主要論点につきましては、この後の議題で、ご意見をいただきたいと思っております。まずここでは、作業部会の設置についてご意見あるいはご質問などありましたらお願いいたします。

 資料6-1にその趣旨、それから検討事項、スケジュールが記してあります。このスケジュールの案に従いますと、7月にはもう作業部会の報告を取りまとめるということで、かなりタイトなスケジュールですが、大変重要なことですのでしっかりやっていただかなければいけないと思います。何かご質問あるいはご意見等ございますか。

 もしございませんようでしたら、資料6-1の案のとおりに本部会に研究開発評価システム改革検討作業部会を設置することといたします。

 この作業部会に属する委員につきましては、研究評価部会運営規則第3条第3項により、部会長が指名することになっておりますので、私にご一任いただきたいと思います。

 きょう決定すべきことはこれで終わりです。次の議題では、その他ということで、本日は第5期の1回目の部会ですので、ただいまの作業部会でご審議いただく論点も含めまして、研究開発評価のあり方ということに関しまして意見交換をいたしたいと思います。時間が来るまで、1時間弱ですが、十分なご意見を賜って、それをまた参考に作業部会で検討していただくことにしたいと思います。

 まず事務局より資料の説明をお願いします。

【苫米地評価推進室長】  それでは、資料7を説明させていただきます。

 本日、ご議論いただく参考として、最近の審議会等における研究開発評価に関する主な意見を取りまとめたものを用意させていただいたところでございます。

 1番目ですが、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会において評価指針をご議論いただいた際のご意見でございます。順次ご紹介させていただきます。

 まず、評価人材の養成・確保、ということで、審査・評価に係わる事務局職員のキャリアパスを確立するのは、周りの理解を得るのはなかなか難しい、というご意見でございます。

 また、評価システムの高度化のための評価支援体制の整備、ということで、評価者はなかなか大変であるということと、ある程度のところまで評価された中で、さらに高度な評価をするという階層構造的な評価システムを構築するなどの評価支援システムを考えることが大事なのではないか、というご意見でございます。

 また、評価者は研究者が行っているという現状があるが、やはり研究者でない評価者が評価するシステム、研究者以外の人も評価するようなシステムづくりというものが、将来にわたって構築されることが必要なのではないか、というご意見でございます。またその他としまして、生き物を抱えているような研究開発については、次につなげるのが難しい場合がある、といった面から事後評価を終了前に実施して、最終年度に次のものが走れるような制度を工夫していただくといいのではないか、という意見でございます。

 続きまして、科学技術・学術審議会総会においてのご意見でございます。

 評価のあり方として、研究現場では、評価、評価でなかなか大変であると。これまで評価をやってこなかったので、その反動で、少し過剰な評価が現在行われているのではないか、というご意見でございます。

 また、評価には、不活発な研究者や研究機関を叱咤激励するといった意義もあるわけですが、大勢の優秀な研究者、優秀な研究機関にも不必要に何かエネルギーが要求されているのではないか、というご意見でございます。

 また、評価の年限が5年という短いスパンになっているのではないか。分野もいろいろあって一概には言えないが、時間を少しゆっくり流すようなことも必要なのではないか、ということで、まさにその際は、ファンディング・エージェンシーの理念というか、考え方が非常に大きな影響を持ってくるのではないか、というご意見でございます。

 次に、評価方法の設定、ということで、本来、評価というのは、質的な評価をしないと意味はないが、量的な評価、つまり、論文の数とか論文の被引用数とか、外部資金の獲得とか、勘定できるような評価にならざるを得ないというのが現状であり、これについては工夫が必要であろう、というご意見でございます。

 次に、評価人材の養成・確保、ということで、評価の職員を持続的に確保するためにはキャリアパス、またインセンティブを高める取り組みが必要である、というご意見でございます。

 また、日本のファンディング・エージェンシーは、配っている金額に比べれば相当効率がよい仕事をしているところであるが、一層これを有効にしていくためには、やはりプロフェッショナルをある程度お金をかけて育て、組織としての力を強めていくことが必要であろう、という意見でございます。

 次に、評価結果の取り扱い、ということで、実際に評価されたものをその後どのように生かしていくかということが最も重要だ、フォローアップをきちんと生かせるような形にする努力というものが必要だろう、という意見でございます。

 次に、PD・PO制度でございます。最近は、課題管理を最初から最後まで責任を持ってやっていただくという形で定着しつつある。課題の採択から最終的な事後評価に至るまでPOがしっかり見ていくというのは非常によい仕組みだと思う。そういった仕組みをもっと広げていくと、本当の意味で実効性のある評価になると思う、というご意見でございます。

 次に、研究者等の業績評価でございます。何をやるかということも大切だが、誰がやるかということも極めて大事。研究者の評価をきちんとしていかないと、本当の意味での評価にならないのではないか、というご意見でございます。

 3番目ですが、科学技術・学術審議会の学術の基本問題に関する特別委員会のご意見でございまして、研究評価の在り方について、特別委員会でも議論をすることが必要だ、というご発言がございました。

 4番目ですが、基礎科学力強化懇談会のご意見としては、先ほど論文の話もございましたが、評価は必要であるが、論文数だけに頼るというのは問題があるのではないか、というご意見でございます。

 5番目ですが、総合科学技術会議の基本政策推進専門調査会基礎研究強化に向けた長期方策検討ワーキンググループでのご意見でございます。評価のあり方としては、誰がきちんと責任を持って評価をするのか、評価者もその結果を周りから評価されるような形で明確になる方向にしていったほうがいい、というご意見でございます。

 また、評価基準の設定といたしましては、最近評価の形式が大分厳しくなったために、書いたものに対する研究達成度を評価するという形になってきている。だから、評価が全体像評価と言うよりも得点式になりやすい。本当は、基礎研究の提案書を審査するときには、実は書いた中身そのものではなく、構想や実行可能性とか、人物で選考していると思う。人を見ることからテーマの形を見る方向に移ってきているのではないかという気がしている。基礎研究は人、というところが大きいので、人や環境を選ぶというところにもう一回立ち戻らなければいけないのではないか、というご意見でございます。

 また、プロポーザルの中身のウエートがだんだん高くなってきているのには理由があるのではないか。研究環境を評価に入れると、環境の整っていない研究機関の人は採択の可能性がなくなってしまうということになるので、それは入れるべきではないという議論になる。だから、テーマだけの判断ということになっているのではないか、ということです。アメリカでは、実績のある人と研究環境のよいところというのが一致している。流動性が日本にはまだないので、すばらしい人が必ずしもそういう研究環境が整っているところに行くとは限らない、というようなことがあるので、そこは社会的、文化的背景の関係があるのではないか、というご意見でございます。

 以上が最近の審議会等における研究開発評価に関するご意見でございます。ご参考としていただければと存じます。

 以上でございます。

【笹月部会長】  どうもありがとうございました。

 45分程度時間がございますので、ここにいろいろ資料がありますが、順不同で、それぞれ日ごろお感じになっていること、実際に申請者の立場、あるいは審査者の立場、あるいは大きく全体を俯瞰した立場から、何でも結構ですので、どうぞご自由にご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【西島委員】   ここに書いてあることとは少し違いますが、実際評価をやって、私は公的資金をもらう機会がないので一方的に評価するという立場で、そういう意味では中立的だと思うのですが、例えば、生命科学とマテリアルでは成果の評価の仕方は違うと思います。例えば、5年間で、生命科学の解明を目的とした薬物に対して臨床まで持っていくとか、新薬をつくるとかいうことは書けるわけがないのです。ところが、何となくそういうことをにおわせて書かないとどうもお金にならないということで、生命科学の場合はテーマがこぶりになってきているのではないかということを危惧します。もちろんiPSのようなものが出てきましたから、そこは見直しがあるのかもしれませんが、そもそも5年間ではそういうことは難しいのだということは評価者全体が知っておかなければいけないということです。

 一方においてマテリアルの場合は、相当な競争になり、コストというものを考えなければいけないので、マテリアルのほうで、例えばチップをつくるときに、1枚当たりのコストが、妥当でなければ意味がないのに、大学の先生がやってみたら、1万円でも10万円でも1番の機能、ナンバーワンのチップをつくるということが平気で通ってしまうこともあるのではないか。

 また、例えば特許を何個書いても、生命科学の、例えば製薬会社の特許の1件の重みは、これは統計がありますが、電機メーカーなどと比べると8倍ぐらい特許に対する重みが違う。どういうことかというと、製薬会社の場合は、1つの特許で最後までライセンスを持っていって交渉できますが、多分電機関係の場合は、1個の特許で生き残ることはあり得ないと思うので、初めからクロスライセンスを考えている。 それから、かけるお金も全然違ってきて、製薬会社の場合は、国際特許出願を見据えることが常識ですが、製造のマテリアルの場合は国内出願でいいと。ただ、先生としては、生命科学でも特許を出せというからとりあえず特許を出したが、国際出願する準備もないのに出してしまうと、穴だらけの特許を出願してしまう。その結果として、関連の標的をねらっていた製薬会社からすると、公知の事実となってしまうのでありがた迷惑ということもあるのではないか。

この辺の評価をテーマによって考えていくということは、この大きな中で必要かなと思います。

【笹月部会長】  そうですね。ありがとうございます。それは、今ご説明があった資料6-2、評価システム改革に向けた検討の視点の中の、例えば1.研究開発の性格に応じた多様な評価基準、あるいは2.研究開発に適した評価の観点等で、特に2.の現行の「必要性」、「有効性」、「効率性」ということにかわる、研究開発に適したよりふさわしい評価の観点があるのではないかという、これに合致するものだと思いますが。

【西島委員】  おっしゃるとおりです。

【笹月部会長】  今西島委員がおっしゃった、例えば薬剤の開発にいくとすればもっと右のほうですし、逆に生命の理解、あるいは生命現象の解明ということから言えば、もっと左のほうといいますか、生命現象の理解あるいは生命の理解ということをターゲットにした場合に、必要性とか有効性とか効率性ということよりも、まず生命の理解という純粋な学問的な興味、そういうものをどの視点に当てはめて評価するのかということが、よく言われる研究者の自立的なといいますか、非常に強い好奇心に基づいた、生物科学で言えば生命の理解に対する研究ということをきちんと評価されて、それが何に役に立つのか、今緊急性があるのかという、そういう視点にはそれは合わないわけです。ですから、そういうものをきちんと評価できる柱を確立することが、私は非常に大事だろうと思っております。

 また、それの対極には、今度は西島委員がおっしゃったほんとうに薬になる、言葉で、薬剤開発あるいは治療法の開発に資するとか書くのですが、それが単なるお題目であって、実現可能性とか、準備がどこまでできているかということが少しも明確ではないということになりますので、それもきちんとした基準をつくらなければいけないと思います。

【大泊委員】  資料7の2ページ目、研究者等の業績評価ということに関して、最近の経験をお話しして意見を申し上げたいと思います。最近、私はJSPS(日本学術振興会)の特別推進研究の審査委員長をやりました。ここは純粋基礎、つまり素粒子論とか天体物理学といった世界から工学的な応用まで非常に多岐にわたりまして、評価委員はそれぞれ物理、化学、工学という専門分野の方が出ているのですが、かなり評価が難しい。しかしながら、最終的には全員の投票で採否は決まりますので、かなり気を使いながら評価を行ったわけです。

 申し上げたいことの1点は、そういう多岐にわたる分野の評価をどうするのかという問題と、それからもう一つは、私が悪い点をつけた課題は、受益者たる、つまり研究費をもらう人の意識がかなり乏しいというか、責任感がない。税金を使うのが当たり前みたいな意識の人が多いのです。私は前から考えていたのですが、昔のいわゆるパトロンと芸術家との関係は、必ず双方向のやりとりがありました。例えば芸術家は自分の最初の作品をそのパトロンに渡すとか、パトロンは文化の庇護者としての社会的名声を得るといったことがあったわけです。しかし、こういう税金でもって科学技術の推進が行われるという時代は、パトロンのほうの意識も低いですし、受益者のほうも責任感が乏しくなると私は考えていまして、では、何を納税者に返すのかということに関しては、何でもいいと思っているのです。例えばオリンピックで日本選手が活躍すれば我々はうれしいわけですし、すばるや、JAXA(宇宙航空研究開発機構)による月面観察も「おおーっ」と感動したわけで、そういう意味での感動とか希望とか喜びとか、そういったものをある程度定量的に評価することはできないだろうか。そういうものがないと、なかなか受益者の意識が高揚してこないと考えています。

【笹月部会長】  ありがとうございます。

【伊地知委員】 4点ほど申し上げたいと思います。

 まず1つは、今日私は委員として初めてこの場に参加させていただいているわけですが、評価関係の文章をいろいろ見ていて思うところなのですが、1つは言葉遣いです。日本語で「評価」、英語としての"evaluation"ということなのですが、あまり明確化されていない。分節化されていない。例えば英語で言うと、"assessment"であり、"appraisal"であり、"monitoring"であり、"review"であり、さまざまに分かれている。そのように言葉が分かれているということは、それぞれ違ったものとして認識されているわけですが、日本の場合はまだ「評価」ということだけで一くくりにされている。区別されていないのではないか。かなり評価活動が進んできているわけなので、改めてそこを考えてみてもいいのではないかというのが第1点であります。

 第2点は、これまでの議論と重なるところがあると思うのですが、評価の目的ということです。やはり公的資金を使うということであると、一体何を国としてあるいは国民全体の総意として実現するのか、配分をするのかというところから、実際の個々の研究開発プログラムに至るという流れ、それから、その中で評価ということを言った場合であっても、その目的が、これからある資源をいかに配るかということと、既にもう資源は費やしてしまったけれども、この先、それをどのように改善して、より効果的に、長期的に生かしていくためにはどうしたらいいかということは、かなり違う局面があるのではないかということです。そこについてもう一回認識を考え直してみるといいのではないか、目的に応じて評価のあり方を考え直してみるといいのではないか、というのが2点目であります。

 3点目は、これは科学技術振興調整費に関する議論がこの場で行われるということに関してなのですが、実際に科学技術振興調整費で行われているプログラムは、狭い意味での科学技術だけではありませんで、イノベーションであるとか、knowledge transfer(知識移転)であるとか、あるいは商業化を見据えたようなところまで実際に行われているわけなので、そういうことも、もしかしたら視野に入れておく必要があるのではないかという点であります。

 4点目は、これは既に資料の中にもありますが、やはり研究自体が国際化しているわけなので、その中でいかに評価を行っていくのかということについても、これは単にベンチマークをするということではなくて、もう少し幅広く考えていくといいのではないかと思う次第です。

 以上です。

【笹月部会長】  大変ありがとうございました。今伊地知委員がおっしゃったのは、評価と一言で言うが、中身はもっといろいろあるので、それをむしろきちんと分類して、それを意識して評価すべきだ、ということだと思うのですが、今先生の頭の中でといいますか、整理された形では、評価をどのように中身を分類されようと考えておられますか。

【伊地知委員】  例えばですが、お金を配るとき、資源を配るときには、英語で言うと"assessment"ということがあるわけです。これは日本語で言っても、あえて「環境評価」と言わないで日本語で「アセスメント」と定着しているように、これから先のこと、その結果はだれもわからないわけです。わからないのだけれども、やはり専門家がその衆知を集めて、実際こうなるであろうということを検討した上で決める、といったことで、やはり「アセスメント」という言葉を使っているでしょうし、それから、実際にお金を配るとき、日本でいったら「査定」ということに非常に近いと思うのですが、そこで"appraisal"と使っていると思います。そのときに、英語で言うときの"evaluation"というのはかなり事後的な意味で、どの程度成果を達成しているかということで使っていると思うので、そこが、例えば今の区別ということでは大きな違いになろうかと思います。

【笹月部会長】  どうもありがとうございました。大変参考になるご意見だと思います。

【田中委員】  資料6-2と資料7に関連して2点ございます。

 1点目は、先ほどの伊地知委員と全く同じポイントなのですが、やはり評価の目的というものが、この議論をする上で一番重要ではないかということです。この2つの資料を見ていますと、研究者の評価にかかわる作業負担が重いという記述が何カ所かあるかと思うのですが、このあたりの、評価の結果が何に使われるかわからないという不透明感があると、徒労感とか負担感も増すところがあると思います。ですから、この評価は何のためにやっているのかということをきちんと研究者がわかるような評価の仕組みをつくる。それが1つ重要かと思います。

 あともう1点は、この資料6-2と資料7にもございますが、評価人材の養成・確保というところです。これは人材となっていますが、私は評価体制と解釈しているのですが、どういうことかといいますと、ここでは行政内部で評価にかかわる人材をある意味で抱えて、しかも育成するというスタンスで書かれているのですが、実は評価そのものを外部の専門機関に託すという道もあるのではないのか。もしかしたらそのような議論もこれまであったのかもしれないのでが、そういった可能性を全く排除してもいいのかどうかということで、当然内部でやる場合には、その評価にかかわる方の育成というのが必要になると思うのですが、それ以外の道もあり得るということで、少しそういった観点の議論もしていただければということで、以上2点のコメントでございます。

【大隅委員】  今のお話と逆のことも危惧いたしまして、それは結局評価の多様性というところにかかわってくるのではないかと思います。例えば、昨年のノーベル化学賞になりました下村先生の研究を、50年前の時点でどう評価するのかといったときに、専門家としては、例えばイクオリンなりGFP(Green Fluorescent Protein 緑色蛍光タンパク質)を生成されたという、そのテクニックはすばらしい。純度がよくて、非常によいものだと。でも、それを例えば研究開発というところの観点からは、当時は何も評価すべき点はなかったと思うので、外部の方に評価を任せるという観点は、それが適する場合、そういう目的の評価もあるでしょうし、また、そうではなく、あくまで専門家の評価ということが必要な場合も両方あり得るのではないかと個人的には思っております。

 もう1点ですが、私自身いわゆる科学研究費補助金でありますとか科学技術振興調整費のプログラム・オフィサーなどもやった経験から申しますと、専門人材をどのように育成していくかというのは、今後の日本における評価のシステムをどのように定着していくかということで、おそらく根源的に一番重要な観点なのではないかと思います。

 ですので、専門的なPDやPOがどれだけ専門性を持ってやっていけるかということ、それからキャリアパスの中でどのように位置づけられていくのかという観点、そこを作業部会などでぜひご検討いただけたらいいことかなと思います。

 3点目、これは若干瑣末なことですが、経験に基づいてお話しさせていただきますと、資料6-2の4.のところに次の人材を育成する組織の役割などが書かれているのですが、これは確か科学技術振興調整費の若手用のプログラムが走っていたことがありまして、そのときに、確か機関の役割というのも評価の中に実際入っていた。ですが、実際のところは、それで何ができたかというと、評価のときに事務方がいらして、きちんとやっていますということを言ったぐらいのところで、それがほんとうに意味があったのかと私自身、そのときプログラム・オフィサーという立場で後ろで見ていたわけなのですが、そういった経験がございましたので、この個人を支える機関の役割を重視する評価という項目を出したときに、それは具体的には一体何をすればそういうことをよく評価することにつながるのかということをよく考えないと、絵にかいたもちになる可能性があるのではないかと思っております。

 以上です。

【西尾委員】  資料の2つでPD・PO制度のことが書かれています。現在、大阪大学が遂行しているプロジェクトに関して、PD・POの方々に貴重なご示唆やコメントをいただいており、非常助かっております。その第1の有効性というのは、プロジェクトの推進期間中、恒常的にそのプロジェクトを見守りながらいろいろアドバイスいただけるということだと思うのですが、私はそのような恒常性が評価の委員会にもあってほしいということを常々思います。

 私は、本来、評価ということについては、もちろん厳格に行うことは大切だと思うのですが、一方では、一旦採択したプロジェクトに関しては、それが大きな成果を生むためにいろいろな観点からエンカレッジしていくことも大事だと思います。例えば、プロジェクトが開始された時と中間評価時点等で、評価委員会の構成メンバーが変更したりしますと、採択時には要請されていなかった新たな要件が多く付加されることがしばしばあり、プロジェクトを推進する側としては戸惑ってしまいます。つまり、もともとプロジェクトが立ち上がった時の達成目標などが、このような新たな要請によって劇的に変更せざるを得ない状況になってしまいますと、プロジェクトを推進しているサイドとしては対応に困ってしまうことがあります。そういう意味で、評価委員会そのものの恒常性というものをある程度担保していただくようなことは大事ではないかと思います。

 さらにもう一つ言わせていただきますと、評価を実際に行うにあたっては事務の方々に裏方で大変お世話になるわけですが、その事務の方々は採択時とその後の評価時ではメンバー構成が変わっている場合がしばしばあります。そのような状況のなかにあっても、各プロジェクトがどのような特徴を持って採択されたのか、というような重要事項がきっちりと引き継ぎがれ、評価にきっちりと反映されていくことが大切だと考えます。つまり、各プロジェクトに対する評価の軸が最初から最後までぶれないということを担保していただくことが大事ではないかと思います。

 以上です。

【笹月部会長】  どうもありがとうございました。これも大変重要な点だと思いますが、そのときにいわゆる事前評価に携わった人と中間評価、あるいは事後評価、あるいはさらにその追跡評価というメンバーの構成がどの程度オーバーラップしているのか、そこが非常に大事なことだと思います。この間、日本学術振興会の評価のシステムを伺ったときには、事前評価と中間評価あるいは事後評価の評価者がおそらく全く違うというご発言があったと思いますが、それは正しいですか。

【後藤委員】  ほかはわかりませんが、私が経験した情報あるいは通信のほうでは、作業部会の人選で、それぞれの先生方の経歴などを見るときに、審査や中間評価に携わっていた方かというのは見てはおりますが、全く同じメンバーでというところまではいっておりません。ただ、そういう方に加わっていただくということは、人選をするときには考慮しております。したがって、全く違うということは、私がやらせていただいたときにはなかったと思います。

【笹月部会長】  非常に単純に考えますと、公募の際には当然理念が書かれているわけで、その理念に即して応募者が応募する。そして、今度は事前評価、要するに、採択するかどうかを決める評価者は、公募の理念にのっとって、それがほんとうに実現できる課題であるかということを評価すると思うのです。ですから、その後、中間評価、事後評価も、本来はその理念が受け継がれていれば、その理念に従って評価するわけだから、そう難しいことではないと思うのでが、実はそこが非常に茫漠としていて、まさに評価の基準がはっきりしないというところが問題になると思うのです。

 これは私の個人的な経験で、JST(科学技術振興機構)のCRESTという事業がありますが、CRESTは立ち上げのときの領域総括が理念も書き、公募要項も書きます。そして統括を中心とした委員会が採択も決定し、以後のサイトビジットから中間評価、事後評価を一貫してそのグループがやるわけです。ですから、ほんとうに自分たちが選んだ課題について責任を持ち、愛着を持ち、先生がおっしゃったようなアドバイスもする、そういう役割を演じている。だから、プロジェクト・オリエンテッドといいますか、ミッション・オリエンテッドな課題については、それでいいと思いますし、もし必要なら、またさらに外部からも少し人を加えた中間評価、事後評価がなされればいいのではないかと思いますが、そのメンバーがどのようにダブっているのか、全く別なのかという、そこもぜひひとつ検討していただくべきことで、これはまたその分野あるいは課題に従って一概に決められないことかもしれませんので、これもぜひ作業部会で検討していただければと思います。

【後藤委員】  簡単な補足ですが、ご懸念の点は確かにそうで、私も自分が評価される側のときは、いろいろ申し上げたこともあるのですが、実際の作業部会のときには、制度のもとで行っておりますので、それぞれ適切にどういうことで募集されたものであるとか、それから評価の観点もかなり精緻に異なっておりますので、それを一々時間を取って念を押して、課題のヒアリングなどをやるときも、その前にこういうことですからということで念を押して進めていただいていますので、その点は、進行上は、もちろん時間の制約とか、いろいろある中でではありますが、一応今までも配慮はしてきたところだろうと思いますので、少し補足させていただきました。

【笹月部会長】  それから、今の件に関連しますと、研究費が大きくなればなるほど、大負担になればなるほど、私はやはり評価委員会と申請者との間のキャッチボールが必要だと思います。採択するときにも、その申請書がパーフェクトであるということはおそらくないので、公募要項に従って、あるいは文部科学省が考えているミッションに照らして、採択はするのだけれども、もっとここはこう改善すべきであるというキャッチボールが十分になされるということが必要で、それは文部科学省と応募者、それから審査委員会と応募者との間の十分な議論を重ねて、ほんとうにいいものとして採択するということが私はぜひ必要なのではないかと思います。NIH(アメリカ国立衛生研究所)はリジェクトされても、なぜリジェクトしたかという、そのやりとりが可能で、そして改善されて採択されるということもあるわけですので、その辺もやはりルールとして検討していただければと思います。

【西島委員】  今の笹月先生の点は大変重要で、以前にも何回か指摘したと思うのですが、中間評価のときに、採択した人がだれもいないというのはおかしくて、私が中間評価の委員を受けるときは、必ず採択のメンバーを1人入れるというのをむしろ条件にしています。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)などは必ずそういう条件をつけてやっています。事務局からは、そういう点は全く考慮していませんでしたと昔は言われましたが、最近は必ず1名は入れる。採点時の記録では理由なども書いてあるのですが、ニュアンスってありますね。最初これはすごく難しいけれども先行投資としてやろうということでやったが、中間評価から関与する人、特に産業界からそこに入ってきたりすると、何でこんなのをやっているのだと言われる。

 それはかわいそうだなと思うのです。採択された人は、そこでまた反論すると印象が悪いから、「今は確かにそうかもしれませんけど・・・」と言うのだけれども、それが逆にネガティブに取られたりするので、最初の採択者は「そういうこともわかって採択したはずではないですか」とふれるというのが重要だと思います。それはできる話なので、ぜひ少なくとも1名含めると。資料の中には到底できないことも書いてありますので、できるところからやっていただければと思います。

【大隅委員】  違った論点でここの中に出てきていないことを1つ申し上げたいのですが、それは書面評価の位置づけをどのように考えるかということです。日本は国が大きくなかったせいだと思うのですが、やはりこういった霞が関に皆さんが集まって評価するということに重きが置かれて、これは実際に私が経験したことなのですが、書面評価も同時にとっていたりするわけなのですが、そこで書かれていることが全く反映されないで、その場の議論はその場でというようなことにつながっていったりする。

 そうしますと、書面の評価をされている方も、それなりに時間を使われて一生懸命書かれたはずだと思うのですが、そこのところに費やした時間が非常に無意味なものになってしまう。そうなると、書面の評価を頼まれた人は、あまり重視されないので適当に書きましょうかというネガティブなフィードバックになり得ることがあったりしますので、書面評価をどのようにとらえるかというのが重要だと思います。

 可能であれば、金額によると思うのですが、採択に関しても書面だけでも行っていける。だから、どなたかが全体の枠組みを書面評価だけで集まってくるものをやってしまう仕組みというのは、実際の科学研究費補助金などでもやっていらっしゃると思うのですが、そういったことで評価をシステムとして効率化していくということは検討していく課題かなと思います。

 

【野田委員】  せっかく新しい評価指針ができて、我々のところもそれに沿った評価を始めているのですが、できたばかりで結構現場が混乱しているのは、事後評価を前倒しでやるとなると、事前、中間、終了、事後、追跡ということになるのかと実は私も質問されました。それと同時に、内部の運営費交付金でやっているテーマなのですが、去年中間評価を終えたばかりで、ある程度の発展性がある話なので、そうすると、次の年終了の評価をやるのですかということで、少し現場が混乱していることがあります。それから、評価が非常に多いという意見が非常に多くありましたので、せっかくできたばかりなのですが、少しその辺も検討していただければと思います。よろしくお願いします。

【笹月部会長】  事後評価の前倒しというのはよく言われますが、研究の継続性、ほんとうに成果を上げている研究ならば、なるべく継続できるようなことが、ステップが踏めるような時期に結果を出したいということが1つあると思いますが、これも検討していただきたいと思います。

【相原委員】  やはりお聞きしていると、評価システムをつくる場合に、PO、PDの役割が非常に重要で、私も日本学術振興会のPOをやっていましたが、どういう権限があるのかあまりよく定義されていません。JST(科学技術振興機構)の場合はミッション・オリエンテッドなので、そこに張りついてウオッチする、モニターする、あるいはアドバイスするという機能もありますが、ではPO、PDが実際に評価委員になるかというと、それはならない。アドバイスはするが、点はつけない。あるいはWPI(世界トップレベル研究拠点)プログラムもそうですが、その審査のときには、笹月先生も含めて、POの先生方はいらっしゃらなくて、ほかの委員会が決めたものをフォローしなさいと渡されるわけです。一番最初から最後まで、事後評価も含めて一貫してモニターし、かつ評価自身もするのかとか、それから、その下でどういう人を用いて評価をやっていくのかというところは、継続的にそのPO、PDの方々がいないと、委員会ごとにやるのは非常に難しいのではないかと思います。

 ただし、そうはいっても、だれがPO、PDになるかということで、実際に研究をしている人がそこに張りつくのは難しい問題です。アメリカだと、研究から一旦離れなさいということになりますが、実際そういうことを私本人が言われた場合には、「ちょっとそれは……」となるわけで、その辺も含めて、やっぱり国全体としてこういうものをうまく進めるには、PO、PDをどういう位置づけで、どういう人材を養成するのかということを少し系統的に考える必要があるかと思います。

【笹月部会長】  そうですね、ありがとうございます。

 おそらくこのPO、PDはアメリカから持ち込んだと思うのですが、アメリカを調べてみても、アメリカの中でも課題ごとに、あるいはファンディング・エージェンシーごとにPO、PDの役割が、微妙にというよりもかなり違う。ですから、それぞれの課題あるいはファンディング・エージェンシーごとにきちんと役割を決めて、そこはぜひ明確にしていただかないと、PO、PDにとっても混乱があるでしょうし、そのプロジェクトを遂行する人たちにとっても混乱があると思います。そこはぜひ明確にすべきだろうと思います。

【中西部会長代理】  評価といいますと、研究の面ばかりに目がいきがちなのですが、教育等の面から考えますと、研究者は教科書を書くということをもっと評価してもいいと思います。研究というのは、とかく狭いところを対象としていることが多いのですが、教科書を書くためには本人も多くの広い分野を調べなければならないのです。また、教科書の場合、情熱を持って書かれると、読んだ若い人にもその情熱が伝わり、大変刺激を受けると思います。ただ、現実には教科書を書く研究者数は、ほとんど評価されていないこともあり少ないのですが、次世代の研究者を育てるという面からも、もっと評価するべきかと思います。よく外国の研究者はサバティカルで来られて教科書を書いたりしますが、日本の研究者も余裕を見つけて書いていただき、それを十分評価対象にしていただければと思います。

【笹月部会長】  そうですね。ありがとうございます。新しいご提案だと思います。教科書を書く、あるいは系統講義をするということも、研究者にとっても役に立つし、自分の狭い範囲で研究している分野の全貌をもう一度俯瞰するという意味では教育ということも非常に大事ですね。

【大隅委員】  ですので、そのときに、それは違った物差しだという観点が多分大事で、常に個人がすべてのところで何点なのですかという、そういったことになっては、結局本末転倒です。教科書を書くなり、いろいろな教育的なところですばらしい方もいるし、また、そういったことは苦手かもしれないが、研究開発のところですばらしいと。そういった多様な人材が全体として日本を支えていくというのが大事かなと思います。

【笹月部会長】  そうですね。例のDNAの増幅法、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を発明した彼は、教科書どころか論文そのものも全部で3編ぐらいしかない。ファーストオーサーのものは、商業誌の『サイエンティフィック・アメリカンズ』に書いたのがただ1編。それで日本国際賞を取って、ノーベル賞を取ったという、そういう人もありますので、多様な人材というものをきちんと評価することが大事だと思います。

【有本委員】  この研究開発評価システム改革検討作業部会は、3カ月たらずでやらないといけないわけですが、多分この作業部会でまとめられたことがこの場で議論され、それがまた科学技術・学術審議会の親委員会で議論をされた上で、総合科学技術会議に行く。ほとんどここの作業部会の方向性が、日本全体を決める可能性があると思います、文部科学省が競争的資金の多分7割ぐらいを持っているはずですから。これは非常に大事な作業部会で、しかし、あまり日がない。それはそれで仕方がないのでしょうが、こういう形でレポートがまとまると、この議論に参画された方は、読めばそこら辺の感じがわかると思うのですが、少し離れた人はほとんどわからなくなる。せっかくこういう非常に多様な議論をされているわけで、それを現場でもきちんと実行可能なものにする仕掛けをつくっておかないと、同じような議論が堂々めぐりでずっと続く形になると思います。本日もいろいろ先生方から話が出ているのですが、JSPS(日本学術振興会)の中でもそれぞれの分野とかプログラムでも違う、JST(科学技術振興機構)でも違う、それぞれ微妙に違うところで、それを一般化してこういうものにするものだから空回りする。どういうことを提案したらいいのかと思っているのです。

 1つは、第3期科学技術基本計画のレビューで、科学技術政策研究所でやっておられるのかもわかりませんが、今、主だった競争的資金がどういうことをどういう視点でやっているのか、これをまとめてほしいのです。ここに8つありますが、本日のご指摘で2つ3つ増えたような気がするのですが、それをまず階層構造にしておいた上で、今それぞれ主だったものがどういうことをやられているかという事実を調べた後、その改革の方向性をまとめていくというようなものをぜひ。抽象的で申しわけないのですが、そうすれば、現場にも適用できる形になるのではないかと思います。今のまま文章化しただけでは効果はないという感じがします。

【笹月部会長】  そうですね。ありがとうございます。

 繰り返し同じ議論がなされて、しかしながら、少しも先へ進んでないというのが、こういうものの1つの現状だろうと思います。今、有本委員がおっしゃったように、まず現実にどういう形で行われているのか。それはそれほど時間をかけずに、JST(科学技術振興機構)、日本学術振興会、それから文部科学省本省そのもの、少なくともこの3つが行っている公募課題研究について、どのような評価システム、評価法になっているのか。そして、それぞれについて、いろいろな理念が述べられましたし、いろいろなことがあるでしょうから、それに照らしてどういう形が適切なのか、あるいはどこが改善を必要とするのかというような形にすると、非常に現実的な議論を進める上でも役に立つのだろうと思いますので、ぜひそれを実行していただければと思います。

【東嶋委員】  評価そのものについては、今まで先生方から、あるいはこれまでもいろいろなご意見が出ているので、それについては特に具体的にこれということはないのですが、私の立場から申し上げますと、先ほどパトロンというご意見もありましたが、国民に対してこの研究の成果あるいは評価の結果をどのようにして伝えていくかというところの視点がやはり大切かと思います。それはもちろん今回の大綱的指針の17ページにも評価情報の国民への積極的な発信として書いてありますが、評価をする際に、研究そのものの評価とともに、それがどのように国民にわかりやすく伝えられ、国民の共感というか、先ほど感動という言葉もありましたが、国民に力を与えるようなものであったか、少し抽象的な表現になりますが、そういった視点も必要ではないか。評価に国民への還元という評価を入れること、そして評価結果そのものを国民に広報していくということ、その視点を加えていただければと思っています。

【持田委員】  資料の中に国際的な評価が大事だということが書かれているのですが、その国際的な視野に立って評価するというときに、日本の中で、その見えている範囲の中での評価する人たちが見るということも大事なことなのですが、外国に出ている日本の方、外国の有名な人に評価してもらうということではなくて、日本人であちらで実際に研究をしたり、それからサイエンスに加わっているような方々を評価委員に入れて、いろいろな視野に立った国際的な評価ができたらいいなと思います。

【諏訪委員】  非常に意見が言いにくいなと思っていたのは、有本委員と全く同じフラストレーションを感じておりまして、要するに、手元にいろいろな資料があるのですが、それぞれに対して、今どこまでが問題で、この場では何を話していいのかがなかなかわからないので、細かいコメントを言っても、これがどう反映されるのだろうと思いつつ意見を言ってなかったのですが、やはり一歩一歩この評価委員会での議論が進んできているので、前回まではこういう議論がなされた、それに対してまたどういう問題があったということを事務局のほうでうまく整理していただければ非常にいいかなと思っています。

 一番直近のことで言うと、科学技術振興調整費の評価なのですが、これは評価基準のことでつけ加えて申し上げたいのですが、おそらくこのままでいくと、またいつものように総合評価A、B、C、Dで、そのほかの評価項目も大体変えないでA、B、C、Dということになっていくと思うのですが、それ自体が正しいかどうか。

 例えば私の意見としては、評価基準がまだ少な過ぎて、結局のところ、論文の数とか特許の数とか、そういうところで評価せざるを得ない。あとは、いろいろなことを斟酌しながら、みんなどうしようか、ああしようかと言いながら議論していかなくてはいけないということになってしまってしまう。例えば外国の例で言うと、かなり評価の基準が細かく分けられていて、それに対して分けていくことができる。また、その細かく分けた根拠もしっかりとしていて、この課題に関しては何十項目の評価基準、この課題については10項目でいいとなっているわけです。

 そういった評価基準を、多分作業部会で今後やっていただけると思うのですが、要するに、3カ月で何か決まっても、反映するのは来年、再来年以降になってしまうと思いますので、なるべく早目にそれが反映していく仕組みをつくっていただけるといいなと思います。

【小川委員】  私は企業にいたもので、あまり研究の世界はわかりませんが、私が担当させていただいた部会は、人材育成の評価の部会でした。その中で、突端の研究だとやはり素人になってしまうので難しいところはあると思いますが、人材育成の世界であれば、外部の方がいろいろ意見を言ったほうがいいかなと思います。

 もう一つありましたのは、若干企業の論理になってしまうのですが、評価される側の方が、何がしかのお金あるいは費用をいただいて研究されて、発表する、その中に評価されること自身も入っているという意識を持っていただかないと、いつまでたっても評価と評価者との間の齟齬は生じると思います。我々の場合は、事前評価の担当の方がいなかったのですが、それは事前評価のときに認められているのだという言い方をされるのですが、どう見てもそうではないのではないかと思うのです。やはりそういう継続性とともに、外部の方もきちんと評価する。評価される側は、評価は、税金をいただいた交付金の中でやっているという意識をやはり持たないとまずいなと思いました。

【笹月部会長】  ありがとうございました。

 それでは、時間がまいりましたので、本日いただいた意見は、ぜひ作業部会でも生かしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後に事務局から何かご連絡はありますか。

【苫米地評価推進室長】  事務局からご連絡させていただきます。

 今回の議事録につきましては、各委員の方々にご確認いただいた後、ホームページにて公表させていただきたいと考えております。

 2点目ですが、次回の部会につきましては8月ごろに開催したいと考えてございます。後日改めて日程調整をさせていただきたいと思っております。

  以上でございます。

【笹月部会長】  どうもありがとうございます。

 それでは、本日の部会はこれで終了させていただきます。大変貴重なご意見を賜りましてありがとうございました。

 

―― 了 ――

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(科学技術・学術政策局計画官付)