研究評価部会(第33回) 議事要旨

1.日時

平成20年12月11日(木曜日) 13時30分~16時30分

2.場所

文部科学省3F2特別会議室

3.議題

  1. 開会
  2. 平成20年度科学技術振興調整費による実施課題の評価について(議題1)
  3. 文部科学省における研究及び開発に関する評価指針の見直しについて(議題2)
  4. その他
  5. 閉会

4.出席者

委員

笹月部会長、大隅委員、大泊委員、小川委員、後藤委員、
小林委員、諏訪委員、東嶋委員、永田委員、中西委員、西島委員、
野田委員、花木委員、番場委員、平澤委員、広瀬委員、持田委員

文部科学省

科学技術・学術政策局
 岩瀨科学技術・学術総括官、戸渡政策課長、柿田計画官、
 岡谷科学技術・学術戦略官、沼田計画官補佐、太田調整企画室長補佐

5.議事要旨

【笹月部会長】  それでは、定刻となりましたので、第33回の科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会研究評価部会を開催いたします。

 本日は、平成20年度の科学技術振興調整費による実施課題の評価、さらに文部科学省における研究及び開発に関する評価指針の見直しについて、この2つのご審議をお願いいたします。

 なお、議題1につきましては、審議内容が関係者の利害に影響を及ぼす事項を含みますので、研究評価部会運営規則第4条第3号に基づき、非公開とさせていただきます。また、同規則第5条第2項に基づき、評価に関する部分の議事録を非公表とさせていただきます。

 

○議題1.平成20年度科学技術振興調整費による実施課題の評価について

 事務局より資料1-1~3に基づき、説明を行い、続いて、各作業部会の主査より評価結果の概要を報告した後、審議が行われた。

 その結果、各作業部会の評価結果に関しては部会として了承され、総合科学技術会議へ報告資料として提出されることとなった。

【笹月部会長】  ありがとうございました。

 それでは、議題1の審議が終了しましたので、これからは一般傍聴の方、どうぞ入室していただければと思います。

(一般傍聴者入室)

【笹月部会長】  それでは、議題2「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針の見直しについて」に入りたいと思います。本件につきましては、前回も議論いたしましたが、引き続き、文部科学省における研究及び開発に関する評価指針の見直し案についてご審議いただきたいと思います。事務局から資料を説明していただきまして、その後、委員から意見をいただくということにします。

 事務局から説明、よろしくお願いいたします。

【沼田計画官補佐】  それでは、資料2-1をご覧いただければと思います。こちらの資料につきましては、前回ご審議をいただきまして、その場でのご意見と、その後、何名かの先生方からご意見をいただきましたので、そちらを踏まえ修正しております。黄色いマーカーを引いている箇所が主な修正箇所でございます。誤字脱字でありますとか、他の部分との表現に合わせるとか、そういった細かい修正もございます。時間の関係もございますので、大きな変更点だけご説明をさせていただきます。

 まず、5ページをご覧いただければと思います。第1章の基本的考え方、「1.5 評価における過重な負担の回避」でございます。こちらにつきましては前回、平澤先生から、制度の下で展開する課題評価と、その結果を活用した制度の評価に適した文言に修正をすべきというご意見をいただきまして、このような形に修正させていただいております。

 次に7ページ、「1.6.2 評価者」でございます。こちらは中ほどの黄色いマーカーの箇所でございますけれども、研究者が評価者となるインセンティブについて検討が重要というところで、「例えば」として、前回の案では「競争的資金の配分機関等においては研究開発課題の申請において申請者が評価者として参加した実績について申請書に記載させる」ということを入れておりましたけれども、インセンティブとして位置づけるということは、評価者として参加した実績を競争的資金の獲得に有効に働くように取り扱うことが必要になります。こちらについては、研究計画でありますとか、研究の遂行能力を総合的に判断する競争的資金の審査の現場に混乱を起こす、または、誤解を与えるのではないかというご意見をいただきましたので、削除という形で修正させていただいているところでございます。

 その下の「1.8 世界的水準による評価の実施」というところで、こちらについてはタイトルを少し変更させていただいたことと、一番下の黄色い部分でございますけれども、すべて世界的水準による評価を実施するということではなくて、研究開発の特性や規模に応じて取り組むという形に修正させていただいております。

 次に15ページ以降でございますけれども、こちらから「研究開発施策の評価」になります。こちらにつきましては前回、平澤先生から、施策の評価に適した手法などに修正すべきというご意見をいただきまして、具体的に平澤先生からも修正案をいただき、このような形で修正させていただきました。

 一番大きな修正は、17ページからの「評価方法」の部分でございます。評価方法につきましては、2.1.5.1の2行目のところに括弧書きがありますが、括弧の中の順番を少し変えてございます。その下の「評価の観点」につきましては、それぞれ必要性、有効性、効率性の前に、評価のポイントを付け加えさせていただいております。

 次に18ページの「評価項目の抽出」につきましては、それぞれの項目の一部、順番を変更したところ、その表現で一部変えたところもあり、このように変更させていただいております。

 次が「評価基準の設定」でございますけれども、「研究開発の特性や規模に応じて、世界的水準等を評価の基準とする」、また、「未知への挑戦に対する取り組みを重視する」という表現を付け加えさせていただております。

 最後の「評価手法の設定」ということで、評価手法については事前評価と中間・事後・追跡評価とでは異なるため、事前評価と、中間・事後・追跡評価でそれぞれの観点を示しております。その下の評価手法で、大綱的指針も同様でありますけれども、「その対象や時期、評価の目的や手法可能な情報の状況等に応じて、適切な調査・分析及び評価の手法を選択する」という形で修正してございます。

 こちらが施策の評価についての変更でございます。

 次に21ページから、研究開発課題の評価の「競争的資金による評価」でございます。25ページをご覧いただければと思います。「2.2.1.5 評価方法」で、中程の黄色いマーカーのところ、これは「評価手法の設定」でございますけれども、ここでは、これまで安全・安心に関する評価について具体的な例示を示しておりましたけれども、こちらについては指針としては少し細かく書き過ぎているのではないかというご意見をいただきましたので、このような形で修正させていただいております。

 次に27ページをご覧いただければと思います。こちらは一番下側の「自己点検・評価の活用」でございます。こちらはそれぞれの評価に自己点検・評価を活用していく、被評価者が自己点検・評価をやって、それを活用するということですけれども、前回の案では、その被評価者が「具体的かつ明確な目標とその達成状況の判定指標等を明示し」という表現になっておりましたが、特にチャレンジングな基礎研究については計画の段階で具体的な目標でありますとか、判定指標等を明示するということは困難で、それを強いることで評価者の負担にもなりかねないというご意見をいただきましたので、このような形で修正させていただいております。

 最後の「問題点」については、前回、中西先生からご指摘をいただき、このような形で入れさせていただいているところでございます。

「重点的資金による評価」、「研究機関等の評価」、「研究者等の業績評価」、その他の「機関の特性に応じた配慮事項」については大きな変更はございません。

 説明は以上でございます。

【笹月部会長】  どうもありがとうございました。

 前回、平澤委員からご指摘いただいたところは、ただいま読み上げていただいたようになりましたが、どなたか全体を通じて何かございますか。

 このような見直しがされると、何年ぐらいこれが施行されるということになるのでしょうか。

【柿田計画官】  この文科省をはじめ各省の評価指針に対し、内閣総理大臣決定されます大綱的指針というものが上位の指針としてございます。今日も、新しい大綱的指針を冊子で配付しております。これを受けて各省がそれぞれの指針をつくって、省ごとに研究評価をやりなさいというのが国としてのルールになっております。ですので、10月に新しい大綱的指針が内閣総理大臣決定されましたので、それにあわせて改定する。

 次の改定がいつになるかというのは私ども文科省が決める立場にはないのですが、予想されますのは、1つには、科学技術基本計画の策定のタイミングでしょうか。評価も含めた科学技術の基本的な政策が5年ごとに改められるわけでございまして、それに連動する形で、これまでもぴったりと連動しているわけではございませんけれども、基本的には科学技術基本計画とも連動させながら、国の大綱的指針も改められているということになりますので、次の大綱的指針の改定までの期間は、おそらく3年ぐらいはあるのではないかなと考えております。

【笹月部会長】  例えばグローバルCOEとか、さまざまな拠点形成、あるいはトップダウンの大きなプロジェクト、そういうものの評価もこの大綱的指針の中にすべて入るわけですね。そうすると、最近よく、外国人を含めたアドバイザリーコミッティーとか評価委員会ができて、そこが評価するということがありますね。外国人の評価者に関するものはどの部分でしたか。

【沼田計画官補佐】  一番大きなところは、7ページの世界水準による評価の実施というところです。世界的なベンチマークを取り入れたり、海外の研究者や、その豊富な海外経験を有する研究者を参加させるという表現がございます。それと、細かいところでは、それぞれの課題の評価者の部分にも、外国の専門家、研究者等を評価者に加えるという表現がございます。

【笹月部会長】  これまでの私の数少ない経験で申しますと、外国人の評価者というのを往々にして研究開発拠点の長が推薦するといいますか、リストをつくって、その中から選択される。その拠点の長というのは大抵国際的に活躍している研究者が多いものですから、世界中に友人がいる。そうすると、そういう友人が評価者になる、逆に言えば、評価者のほとんどが親しい友達である。そうすると、彼らのディスカッションを聞いていると、日本人の評価者よりもずっと評価が甘いんですね。友達に頼まれて、旅費、滞在費をもらって、はるばるやってきたと。そうすると、つい甘い評価になっている。逆に外国人を入れたために本当の意味の評価になっていないような気がするということを経験しました。外国人が入るというのは、私、大事なことだと思いますし、国際的に優れた人たちが国際水準で評価するというのは結構なのですけれども、細則でもつくっておかないと、何かもう、外国のトップの研究者がこんなに自分たちの研究を高く評価してくれているんだというお墨つきをもらったみたいなことになってしまう。そういう危うさがあるようなことを感じるものですから、ぜひ今後考えていただければと思いますが。

【小川委員】  今の外国人のことに関しまして、人材育成もこのガイドラインに則っていくわけですよね。我々は人材養成の大学のプログラムを見てきたのですけれども、例えばここの評価の視点のところでは、国費を使っているので、その有効活用とか、国の貢献と書いてあるのですけれども、実際の被養成者の大部分が海外の方であったということがあったわけですね。そのときに、プログラムとしては良くできているのですけれども、本来的な費用という意味から言えば、日本の税金を使って海外の方々を養成していくということが、本来のプログラムとしていいのだろうかという疑問があって、少しディスカッションをしたことがあります。

 先ほどと同じで、テクノロジーの面であれば、そういう知的なものというのは残っていくと思いますので、そういうところに研究者がいらっしゃるというのは多分いいことだとは思うのです。けれども、人材養成に関しましては、やはり、海外の方が大部分、5割以上を占めているというのは本当にいいのかなというのは、評価する立場から見ていて、根本的なところでディスカッションしたことがありますので、少し細かいことになるかもしれませんが、そういう細則みたいなものがあって、運用基準とかに入っていれば良い。文科省としてそれを全然制限しないという方針であれば、そういうふうに出していただければ結構ですし、そこに危惧することがあるのであれば、そういう運用基準に書いていただければ、ということを評価をやっていて感じました。

【笹月部会長】  各論になっては良くありませんけれども、あるとき、委員会で外国人の評価者を目の前にして、確かに全員その拠点長の友人であるというのは見ただけでわかったものですから、私が今のようなお話を、そういう危惧をしている、みんなエクセレントのところに丸をつけて、わざわざ来てもらったのに何の意味もないということがあると言ったら、何人かが一生懸命消しゴムで消して。ですから、何か工夫が必要ではないかなと思うんです。

 ほかによろしゅうございますか。今回でこの見直しの案が決定するわけですが、何かございませんでしょうか。

【諏訪委員】  今の点に少しだけ関連するのですけれども、例えば評価結果の取り扱い、2.1.7、その後ろの二重線で消してあるところですけれども、「ただし、研究開発課題の評価の場合、研究者間に新たな利害関係を生じさせないよう、個々の課題に対する評価者が特定されないように配慮することも必要である」と書かれているんですね。評価者名も公表するということでもいいのかもしれません。ここを消してしまうと、ある意味、今みたいに利害関係者が――利害関係者というか、なあなあで決まっていってしまうということが起こるのではないかなと思うのですけれども、ここをあえて消された理由を少しお伺いしたいのですけれども。

【沼田計画官補佐】  こちらは研究開発施策の評価ということで消させていただいて、それぞれの課題の中で、競争的資金の課題でありますとか、重点的資金の課題のところについては、この文言を入れさせていただいているところです。

【笹月部会長】  よろしいですか。

【諏訪委員】  はい。

【笹月部会長】  ほかにございませんでしょうか。一応、今日のところは、これを本部会の取りまとめ案といたしまして、国民への意見募集を行うことになっております。そして、次回の部会では、その意見募集の結果を踏まえてご審議いただいた上で、最終的な取りまとめとするということにしたいと思っておりますので、何か意見がございましたら、今お願いいたしますし、もしなければ、そういう手順で進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。それでは、これを本部会の案として国民への意見募集をするということになります。

 予定しておりました議事は以上でありますけれども、事務局から何かございますか。

【沼田計画官補佐】  本日の議事録につきましては、部会運営規則第5条第1項に基づき議事録を作成し、各委員に確認をしていただいた後、議題2につきましては、ホームページに公表させていただきます。

 次回の研究評価部会につきましては、1月9日、金曜日、13時30分から15時30分、本会議室にて開催を予定しております。後日、改めまして出席の確認をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 なお、本日の資料につきましては、机上に配付しております作業部会の報告書については回収させていただきます。後日、製本を予定しておりますので、委員の皆様には製本したものを送付させていただきます。また、ほかの資料につきましては、机上に置いておいていただければ、事務局より郵送させていただきます。

 以上でございます。

【笹月部会長】  どうもありがとうございました。

 本日は、本年残りも少ないところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。寒くなりますので、また個人的な話で恐縮ですけれども、私、まだインフルエンザウイルスのワクチンを受けておりませんが、受けることが推奨されておりますので、お気をつけて、まだの方はぜひされたほうが良いと思います。お忙しいところ、どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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(科学技術・学術政策局計画官付)