【資料1-3】大型放射光施設評価作業部会(第3回)における主なトピックス

2.ビームラインの整備・高度化について

○ 高度化については、SPRUCと一体で議論を進めていく仕組みが必要。SPRUCが書いたプロポーザルを理研とJASRIが評価・回答する仕組みがあると良い。
←SPRUCとしては要望を吸い上げ、施設側へ要求する仕組みを構築予定。

○ 蛋白関連のビームラインについては、ロボットによる無人計測技術やの発達や、ベンディングソースよりもデータ算出量の多いアンジュレーターソースのビームラインの整備が進んだことで、計測環境が大きく変わった。

3.利用者支援について

○ キャリア形成の面からポスドクにユーザー支援を行わせることは本当に良いのか。見直しを検討すべき。

○ スタッフの不足への対応という意味では、パワーユーザーの拡大を検討してはどうか。インセンティブとして与えられるビームタイムを20%から15%に減らし、パワーユーザー数は増やすことを考えても良いのではないか。

○ パワーユーザー制度を整理するタイミングがきているのではないか。選考の透明化やパワーユーザーの評価制度を整理したうえで、パワーユーザーが所有する装置の保守・高度化に関する予算を手厚くするなど、経費面を含めて戦略的に行うべき。

4.利用者拡大について

○ 新規ユーザーに限ったトライアルユースを実施すべき。

5.利用研究課題の選定について

○ 課題数が頭打ちという議論があるが、一つの課題に多くの実験が含まれるケースや、施設やビームラインの高度化によって時間あたりの得られるデータ量が年々増加していることを考慮すると、利用が停滞しているとはいえないのではないか。

6.施設の運用・運転について

○ ユーザー側がSPRUCとして一体となった一方、施設側は理研とJASRIという二つの組織が存在する。SPring-8として施設設置者と登録機関の一体的なった活動パターンの仕組みはあるのか。
←大前提として共用法はSPring-8を1つとして見ている。理研がSPring-8を設置者として所有しており、その業務の中の一部である利用促進業務を登録機関が代行するという仕組み。業務を公平かつ効率的に進めるという観点で分割しているが、施設のパフォーマンスとしてはSPring-8を一体的に見ることは必要。

○ 今後、SPring-8の国際評価などについては理研とJASRIが研究の上で一体として活動し一体として評価をうけるべき。また、SPring-8としての研究ハイライトについても、一体となって社会へ紹介していく場が必要。

○ SPring-8におけるサイエンスは、新しいサイエンスが生まれる一方、相対的に縮んでいるサイエンスもある。それを循環させる仕組みについては、理研とJASRIが一体となって取り組まなければいけない課題。完成した施設の運用に重きを置いた共用法の性質上、発展的な検討は難しい面もあるが、サイエンス面からみると、この検討は必ずやらなければならない。

7.先端研究拠点の形成・人材育成について

○ SPring-8という場は、若手、また大学院生を教育するにあたって必要なツールのそろった環境。今まで大学院単位で個別に行われてきたカリキュラムを連携させながら、実地研修も含めた教育活動ができる仕組みを作るべき。

その他

○ 施設側からユーザーコミュニティへの情報開示と意見交換が必要。具体的には将来計画について、理研・JASRIと定期協議を行う場や、JASRIによる12条課題で行われた研究内容のフィードバック、SPring-8課題選定委員会へのSPRUC代表者出席が必要と思われる。

○ SPRUCの活動資金は、施設側と対峙し執行するミッションへの対価として資金を得ることが望ましいが、ユーザー組織という法人などではないコミュニティへ予算を分配する仕組みについては、今後検討が必要。

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研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室

(研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室)