研究開発プラットフォーム委員会 先端計測分析技術・システム開発小委員会(第5回) 議事録

1.日時

平成26年4月3日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 3F2特別会議室

3.議題

  1. 先端計測分析技術・機器開発プログラム平成26年度におけるプログラム実施の基本方針について
  2. その他

4.出席者

委員

二瓶主査、長我部委員、尾嶋委員、田中委員、飯島委員、江原委員、佐藤主査代理、菅野委員、杉沢委員、杉山委員、竹内委員、中村委員、藤宮委員、森口委員、柳沢委員、山科委員、

文部科学省

川上科学技術・学術政策局長、伊藤科学技術・学術政策局次長、弦本研究開発基盤課長、三宅研究開発基盤課課長補佐

オブザーバー

JST小原理事、JST齊藤執行役、JST林開発主監、JST市川総合評価分科会長、JST久保先端計測室室長、JST山下先端計測室調査役、NISTEP科学技術動向研究センター重茂センター長補佐

5.議事録


科学技術・学術審議会 先端研究基盤部会
研究開発プラットフォーム委員会
先端計測分析技術・システム開発小委員会(第5回)
平成26年4月3日


【二瓶主査】  それでは、定刻になりましたので、本日の会議を始めさせていただきたいと思います。第5回になりますが、先端計測分析技術・システム開発小委員会を開催したいと思います。
 本日の議題は、お手元の議事次第にございますとおり、「先端計測分析技術・機器開発プログラム平成26年度におけるプログラム実施の基本方針について」でございます。
 それでは、事務局から配付資料の御確認をお願いします。

○三宅研究開発基盤課課長補佐より,出席者の紹介と配付資料の確認があった。

【二瓶主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議題に入らせていただきます。
 本日の議題は、前回に引き続きまして、平成26年度の基本方針について御議論いただく予定でございます。
 それでは、まず事務局から本プログラムの現在の状況について御報告いただきます。それでは、資料2について事務局より御説明お願いします。

○三宅研究開発基盤課課長補佐より,資料2に基づき説明があり、続いて机上資料についても説明があった。

【二瓶主査】  ただいま追加で御説明、御紹介がありました資料、これは実は、先生方御存じのとおりでございますが、3省連携の新しいプロジェクト、そこに本事業、我々の事業におけるライフイノベーションの領域がいわばくくり出されます。その際に、従来先端計測の事業として行ってまいりました研究課題、それ全体を見直した上で、適切なものを健康医療の研究分野の対象としてまとめ直そうと、そういうもくろみでございます。
 この資料を御覧いただきまして、現在実施中の研究課題が全部リストアップされておりますが、その中で、ナンバーが左に打ってありますが、1から12までが、現在本事業で行われているライフイノベーション領域で採択され、初年度実施されている課題でございます。13以降は、従来の一般領域、あるいは、一般領域のもの以外も、グリーンイノベーション等も書いてございますが、全体の中から、いわばライフイノベーション領域、特に今後実施される、先ほど御説明のありました日本医療研究開発機構において継続的に実施される、その課題に適合しているものは、その仕組みの中で継続的に研究実施しよう、そういうもくろみでございます。
 ここで御紹介しなくてはいけないのは、別途、あらかじめこの件に関しまして検討をお願いいたしました。菅野先生、山科先生、瀬藤先生の三先生にこれを御覧いただきまして、その御意見を集めて、全体として判断をしていただこうと、そういうもくろみでございます。
 この件は、この委員会でどの部分をくくり出すという決定をするもくろみではございません。ただ、委員会として、従来といいますか、現在進めている研究課題、そのうちのどのような課題が、先ほど来話題になっております日本医療研究開発機構にいわば実施を移管していくことになるのか、その内容について御理解を頂きたい、そういう意味でございます。
 大変恐縮ですが、菅野先生、少しこの丸・バツ・三角といいますか、そのあたりの考え方をちょっと御説明いただけますでしょうか。
【菅野委員】  いろいろ解釈があるとは思うのですが、ライフイノベーションを立ち上げたときに、いろいろ考えまして、測定しなければいけない、いわゆるターゲットが決まっているものをカテゴリー1、新たに測定すると医療の役に立つターゲットを見つけるための測定機器をカテゴリー2という形で分けて、それぞれの要素技術、機器開発、プロトタイプを募集したということがございましたので、それに従って、この一般領域ももう一度、個人的な考えですけれども、見直させていただいた結果が、私のところで丸・バツ・三角が付いているところです。
 それで、若干、なかなか使うターゲットがはっきりしないなというようなものもございますし、また、確かにこれは非常に医療の基礎研究としてはいいのだけれども、医療イノベーションというのには当たらないかなという、ちょっと変わったものもございますので、そういうものをちょっとピックアップさせていただいて、一方で、下の方をそういう目で見させていただいて、少し医療と関係したものがあるかどうか見せていただいていて、特に53番は、もう全く医療に直結した課題でしたので、例えばこういうようなものをピックアップさせていただいたというところでございます。
 多分、こんなところでございます。
【二瓶主査】  ありがとうございました。山科先生の御意見もお尋ねしないといけませんが、いかがですか。
【山科委員】  基礎生物学から医療までずっとシームレスといいますか、なかなか線を引きにくい部分があって、それで、どちらかというとこの課題は基礎生物学の段階、今はその段階で、もう一歩応用段階に進んだ場合には医療にも使えるかなという、そういうようなものもあって、なかなか線を引くのは難しいと思いましたけれども、何かしなければならないという命を受けたものですから、限られた資料の中でそういう線引きをさせていただきました。私なりの独断と偏見もあろうかと思いますけれども、そんなようなことでやらせていただきました。
【二瓶主査】  ありがとうございます。ただいまのような次第でございまして、この資料を持ち出し禁止という扱いにさせていただきました理由は、現在もうそれぞれ既に研究を実施中の先生方にとってみれば、こういう成り行きによって、言うならば研究開発の基本的方向性、それが全く別の理由でぱっと移し替えられては困るという反応が当然あり得ます。したがいまして、ただいまのような考え方で議論はさせていただきましたが、まずは研究当事者の先生方とのコミュニケーションをとる必要がある。
 一方、研究のマネジメントの立場からすれば、従来の一般領域で進めてきたものを、ライフイノベーションのくくりにまとめるということで、何か課題が生じないかという問題もございます。もう少し具体的に言いますと、予算がもう既に組み上がっておりますから、それが当面きちんと保証できないといけないわけでございまして、そういう課題もございます。
 そのようなことで、本日は、この件に関して、どういう状況であるのかということを御説明申し上げまして、ただ1点、医療に関わる、人に関わる研究課題として、将来更に発展していただくためには、3省連携の研究推進方式に移す方がベターであろうともちろん考えておるわけですが、そういうことに、いろいろな観点から、まさにそのとおりであるという結論をまとめ上げるまでは軽々には決められない、そういう事情でございます。
 ただ、ちょうど先ほど少し御説明があったとおり、3省連携の事業体は、現在まだまだ検討の入り口でございまして、なかなかすっきりとは見通せないという状況もございます。ただ、余り時間もございませんものですから、なかなか事務局としては苦慮しているところでございますけれども、そういう状況下において、本日、その全体像を御覧いただいたということでございます。
 それでは、何か別に御意見いただければ幸いですが、御意見ございますでしょうか。
【田中委員】  島津の田中です。ここ数か月出席できず申し訳ありませんでした。
 これまでどういったことが論議されたか分からないのですが、この資料2の3ページのところに青の丸枠で書かれていることを、もう少し詳しく知りたいのですが。調整費で実施を検討している具体的な課題ということで書かれている内容、このポツ3つに関しては、これは別に先端計測に限らず、いわば日本医療研究開発機構の、こういう方向性でやるという、そういう総論をお話しされているわけでしょうか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  事務局から失礼いたします。
 それについて説明が悪くて申し訳ございませんでした。こちらにつきましては、先端計測プログラムの中で、この日本医療研究開発機構に関するプログラムとして何ができるか、何をしていくべきかという提案ですので、全体というよりは、先端計測に特化した話でございます。なので、それ以外のプログラムについては、それぞれがそれぞれで要求をしているという状況でございます。
【田中委員】  いわば先端計測のケーススタディとして、こういうものを選び抽出するという、そういうことの判断材料として、ここに3つ並べてあるわけでしょうか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  さようでございます。
【田中委員】  ありがとうございます。
【二瓶主査】  今の点は少しお分かりいただきにくかったかもしれませんが、全体の流れ、重なるかもしれませんが、私なりの理解を申しますと、26年度から開始される9施策、9つのうちの2番、オールジャパンでの医療機器開発の3省連携施策、そこに先端計測機器に既に含まれて実施されておりますライフイノベーションの課題が含まれて、今後活動していただく、そういう状況になりました。
 そこで、26年度は、各9つの課題に対して、総額175億円のいわば追加予算が配分されるという状況になったわけです。もちろん、その中の一部がオールジャパンでの医療機器開発、2番の課題に配分をされる予定であると。その額がまずどの程度の額になるのかは、まだこれからでございますけれども、それを例えば9で割った金額を想定いたしますと、その中で先端計測が担当している26年度分、その関連施策に対して、ある程度の予算が追加されるという可能性が起こったわけです。
 ただ、その調整費の性格上、これも私自身は余りよく理解していませんが、単年度会計で執行すべしというくくりがございます。そうすると、普通の意味で言えば、使いにくい、限定がきつい予算なのですね。では、どういう考え方でその対応がとれるのかというのが、この3つのポツの内容です。こういうことであれば単年度でも有効に執行できるのではないかという事務局のお考えの下に、これもまだこれからでありますが、例えば、既存の計画課題が走っているわけですから、そこに割り付ければ研究が加速されます、そういう意味で有効に使え、かつ成果が上がります、そういう課題があれば、提案して予算を頂いて確実にプラスになるわけですからよかろうと、そんなことで、この3つの考え方が出てきている。この3つの考え方で、今後、これ、3省庁ですから、他の省庁との折衝を経て、我々のもくろみの中に何がしかの研究費が付け加わる予定であると、そういうことでございます。
 どうぞ。
【尾嶋委員】  私も完全には理解が追いつかないのですが。
 先端計測のプログラムが、今回の医療研究開発機構という国を挙げての施策に非常に大きく貢献するというのは、まさに望むところであるわけですけれども、先ほどの予算について、175億円が追加で来ると聞きました。先端計測でやっているライフ関係の位置付けで12課題あるわけですが、その追加予算を使うとすると、今回医療機構に移ることによって、研究費の点で不利益はなくて、いや、少しプラスがあるということですね。それから、12課題以外の医療機構に移る課題の数だけ新しい課題が採択できるというようなことも可能性はあるのでしょうか。ちょっと虫のいい話なのですが。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  もともとの予算要求の流れを言いますと、平成26年度要求、概算要求が終わって予算になっておりますけれども、こちらが先端計測全体で30億程度、その中でいわゆる移管分、医療関係課題として移管をされている分というので、切り分けが行われまして、それが大体約10億円という形になって、3分の1程度となっております。その積み上げがどのように行われたかというと、いわゆる医療関係課題についてというのを積み上げていくと。それは、いわゆるライフイノベーション分野というだけではなくて、医療に関する課題も含めて積み上げを行っております。なので、原則として、継続経費につきましては、26年度の当初予算案で措置はできているという状況です。
 調整費につきましては、これとは別に、26年度になってから新たに配分する経費でございますので、その配分の仕方はいろいろ考え方があろうかと思います。まず新規の課題を取るためにそれの配分を受けたいというふうな考え方もございますし、既に走っている課題について、新たにそれを加速して前倒しして研究をしていくというふうな使い方も、可能性としてはあると。ただし、それについては、まだこれから配分を行うということもございますので、事務局としては、こちらの3つの方法について御提案をさせていただいているという状況となっております。
【二瓶主査】  よろしゅうございますでしょうか。ほかに御意見、御質問ございますか。
 よろしければ、議題を先に進ませていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、資料3について御説明をお願いいたします。

○三宅研究開発基盤課課長補佐より,資料3に基づき説明があった。

【二瓶主査】  ありがとうございました。
 この件につきましては、尾嶋先生、何か付け加えていただけることはございますでしょうか。
【尾嶋委員】  特にはありません。
【二瓶主査】  そうですか。
 それでは、御質問、御意見いただこうかと思いますが、いかがでございましょうか。
 私からで恐縮ですけど、この件について、タイムスケジュール、これからどんな日程で進んでいきそうなのでしょうか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  補足させていただきます。
 現状、決定したスケジュールというものはありませんが、総合科学技術会議の方では、4月にこちら研究費の配分、全体のSIPの各領域における研究費の配分というのを総合科学技術会議で決定をするということを想定しております。この後、SIPは内閣府に計上された予算ですので、それをまた各省に配分をし直すという事務的な作業が発生します。それが終わった段階で、先端計測事業であれば、JSTの事業でございますので、JSTの運営費交付金という形で予算がおりてくるという流れになっております。
 少なくともその総合科学技術会議が4月、恐らく中下旬になるかと思いますので、その後に事務手続を進めるという流れになりますので、早くて5月頃には配分を受けると。具体的に、今回であれば、例えばインフラの計測技術ということでございますので、その予算の額によって具体的な公募を進めていくという流れになっております。
【二瓶主査】  そうしますと、先端計測の分野にある程度の予算が付いて、その後、私どもの今までやってきたような仕組み、要するに、公募をし、選定をして、それで実施に移るというような、いわゆる先端計測の中のやり方で全て進めていいということになるのですか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  予算の配分の仕組みとしては、先端計測事業の仕組みを使っていくことになります。ただし、今回、府省連携のプログラムでございますので、当然、採択に当たっては、今回府省連携、例えば、出口の部分であれば国交省であり農水省でありという、インフラを実際に管理監督している官庁への移行というのもある程度反映しつつ課題を設定していく必要がございますので、具体的な公募に当たっては、その公募の内容、具体的にこういうふうな計測機器を作っていくなど、そういう内容につきましては、各省との調整という作業が発生するかとは思います。
 ただ、そこで具体的な課題が設定されれば、その先はいわゆる先端計測の公募の仕組みというものを使って、また、課題管理についても、先端計測の課題管理の方法を使って進めていくということになると考えております。
【二瓶主査】  ほかに御質問はいかがでしょう。どうぞ。
【長我部委員】  SIPは5年を想定した予算制度だったと思いますが、その中に先端計測を入れ込んだ際には、当然ながら、終わりは全て5年だという設計になるわけですよね。そのときに、今年採択したものを5年継続するのか、それとも、2年あるいは3年単位をずらしていくかとか、その辺は、今後の予算提案の中で詳細を詰めていくということになるのでしょうか。それとも、ある程度の試案をもうこういうところに出しているのでしょうか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  最終的な設計自体は、PDが最終的に設計しますので、その意向に応じて対応することになりますけれども、こちらの提案としましては、確かに5年間のプログラムの提案ということもございますし、あとまた、今回のSIPというのが府省連携で、最終的な出口を見据えて設計をしていくということの前提もございますので、ある程度、例えば、実際に出来上がったものが、各省であったりとか、そういうところで実証、実用化を図っていくという期間も含めて、研究スケジュールを立てていく必要があると考えています。
 なので、SIPのプログラム5年間ということもございますので、恐らく先端計測の機器開発が担うところは、特に前半3年間、4年間というところが中心になっていくということになりますので、そのような提案をさせていただいているところでございます。
【長我部委員】  分かりました。では、5年の間の中で機器の成果が出て、それが全体の分野に生かされていくという姿で提案すると、そういうイメージですね。分かりました。
【二瓶主査】  どうぞ。
【佐藤主査代理】  これ、結局は、このプログラムはPDの意向に相当よるわけですよね。だから、PDがどういう公募の仕方、あるいは、公募を含めて、どういうふうに運営していくのかというのに、先端計測関連の開発関係、それを埋め込んで、どういう形で入り込んで、公募の中に、これは先端計測部分だというのを例えば入れるとか、そういうことをPDと調整しないと多分駄目なのではないのですか。その辺はどうなっているのですか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  現段階では、こちらからの提案の段階なので、最終的なまずPDの考え方として、先端計測も含めた関連の事業、インフラのと、あと20事業以上あると聞いているのですけれども、それの全体設計をしていただくということになります。
 ただ、具体的な進め方については、その都度PDとの相談や、内閣府での調整を経た上で進めていきますので、こちら側で先端計測の仕組みを全て伝えた上で採択を頂いておりますから、そこの整合性を図っていくと。特にこの内容につきましては、具体的にどういうふうな技術をPD側としては開発してほしいか、最終的にはどういう出口を見据えて開発してほしいかというふうな構想が出てくるかと思いますので、それと先端計測における公募の仕組みとの整合性を図って、具体的なプログラムを進めていくということになろうかと考えております。
【佐藤主査代理】  では、今は待っていればいいという状態でいいのですか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  現状は、具体的な予算配分の結果をお待ちしているという状況でございます。こちらからは提案をさせていただいているので、その結果をお待ちしているという状況でございます。
【佐藤主査代理】  分かりました。
【二瓶主査】  ほかにはございますでしょうか。どうぞ。
【杉山委員】  今の議論に関連します。SIPプログラムの革新的構造材料のところで先端計測というワードが出ています。ただ日本としては様々なところで先端計測をやっているところがありますので、PDの方で別な箇所で先端計測の提案を考えていたりした場合には、本先端計測事業には声がかからない可能性があるということになるのでしょうか。それとも、こちらからPDの方に提案するルートがあるのか、そのあたりはいかがでしょうか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  こちらにつきましては、前回の小委員会の議論も踏まえて、今、先端計測で行っているプログラムにおいて各個で開発した状況については、内閣府事務局を通じてPDにお伝えをしているところではございます。
 ただ、ここでいう先端計測を、先端計測分析技術開発プログラム、こちらのプログラムを活用するか、それとも、例えば、材料開発をしていく一環として、その中で先端計測というものを開発していくか、やり方はいろいろあろうかと思います。それの取捨選択は、最終的にはこのプログラムではPDの判断となっておりますので、こちら側はこういうプログラムがあるという御提案をしているという状況でございます。
【杉山委員】  分かりました。
【二瓶主査】  ほかにはございますか。
【尾嶋委員】  そうしますと、今後のスケジュールとして、4月に総合科学技術会議の決定があって、それから各PDから、これは先端計測と関係あるからと言って、ボールを返してくるのを待つしかないと、という状況でしょうか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  現状、各省からの提案というプロセスは、年度前、3月中には終わっておりまして、最終的な全体の設計であったりとか、そういうところを今PDがまさに書いているというところにございます。なので、いわゆる提案のプロセスというのは、現状では終わっているというふうに認識をしております。
 なので、具体的にその配分、計画が作られましたら、そこで最大限の成果を出すために、研究計画とこちらのプログラムのやり方というのを合わせていくというふうな流れになっていくのではないかと考えております。
【尾嶋委員】  何かこの小委員会の中でそういうことを準備しておく必要はないということでしょうか。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  現状、その御意見があるところであれば、当然、今後実施していくJSTとも連携を図ってまいりたいとも考えておりますし、いろんな考え方はあろうかとは思います。ただ、現状は、今、予算の位置付けで言えば、お待ちしている段階なので、それが明らかになった段階で、スムーズにその事業が進められるよう、特に事務体制的な話になるかと思いますけれども、そちらを準備しておくということが大切なのではないかと考えています。
【尾嶋委員】  はい。
【二瓶主査】  それでは、よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 それでは、次の議題に進ませていただきます。次は、ただいまのようなことがそれぞれ関係いたしますが、平成26年度の基本方針について、資料4を用いて事務局から御説明をお願いいたします。

○三宅研究開発基盤課課長補佐より,資料4に基づき説明があった。

【二瓶主査】  ありがとうございました。
 それでは、本件が本日のメーンの議題でございます。26年度、もう4月に入っておりますが、26年度におけるプログラム実施の基本方針。前回も大分いろいろ御意見いただいて、その御意見に基づいて直したものでございます。全体として御意見がございましたらば、あるいは御質問がございましたら、お願い申し上げます。どうぞ。
【森口委員】  環境問題解決領域のところについてちょっと教えていただきたいというか、確認をさせていただきたいのですけれども。
 1つ前の議題で資料3の最終ページの図解が分かりやすいかと思うのですが、環境問題解決領域については、3つのサブカテゴリーがあると認識しておりまして、グリーンイノベーションから引き継いだといいますか、電池関連の技術と、それから、PM2.5というようなキーワードが出ていますが、環境汚染物質の計測と、それから、構造物の劣化・損傷という、この3つかと思うのですが、今日の見え消しの中で、先ほども御説明があったSIPとの関連が明記されているのは、インフラといいますか、構造物の非破壊検査等の分野かと思いますけれども、基本的にはSIPと連動しているのは、この3つのカテゴリーにおけるここの部分だけという理解でよろしいかどうか。つまり、SIPの方でこれを採択いただけるかどうかということが、環境問題解決領域全体との関係をどう捉えればいいのか。この3分の1の部分だけがいわば少し膨らんだりしぼんだりというようなことで、結果的に、それと連動して、残りの2つにもその予算配分の影響を受けるというような、そんな理解でよろしいのかどうか、そのあたりを教えていただければと思います。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  御説明申し上げます。
 先生のおっしゃるとおりで、こちら、SIPの関係というのは、構造物の劣化・損傷の部分だけでございます。そのため、文章の方もそこについては工夫させていただいておりまして、「また」以降の部分かと思いますけれども、「また」のところについては、いわゆる構造物、インフラ環境問題の改善等を実施するためということでございますが、SIPの議論の内容を踏まえ対応するとさせていただいております。
 現状、その予算につきましては、こちらの部分に追加で配分を受ける可能性は高いという状況でございますが、SIPの対応を踏まえて対応するという表現で、ここはさせていただければと考えております。
 以上でございます。
【二瓶主査】  ほかにはいかがでしょうか。
 特に御指摘いただいた御意見が適切に反映しているかどうかということなのでございますけれども、前回御意見いただいた先生方からも何か御意見があればお願いしたいのですが、いかがでしょう。どうぞ。
【江原委員】  では、ちょっと小さいことで。
 まず2ページ目のライフイノベーション、下の方の2-1というところの1行上のところ、推進していくこと「が」求められるの「が」が抜けているのではないかなと思うのですけど。ちょっと小さいことですが。
【三宅研究開発基盤課課長補佐】  失礼いたしました。修正いたします。
【江原委員】  それと、4ページ目の2-3の放射線計測領域、これはもうほぼ、そういう意味では新規は終わったということなのですけれども、最後の行のところに、「被災地におけるシンポジウム等を実施するなど」というふうに記載されているのですけれど、多分、これは2月20日に郡山であったシンポジウムとか、その辺を意識してなのかなと思うのですけれども、個人的な意見なのですが、シンポジウムというと、まだまだこれからこういうのをやっていきますよというようなイメージを、私なんかはこれを読んで思ってしまいまして、例えば、この前に、「被災地における活用状況等のシンポジウムを実施するなど」とか、又は、アセスメントというような言葉に換えた方が、後ろの文にも合うのではないかなという気がちょっとしたものですから、意見を言わせていただきました。
【二瓶主査】  ありがとうございました。要するに、シンポジウムの内容について、少し触れた表現、「被災地における活用状況などに関するシンポジウム」、そう……。
【江原委員】  入れた方がちょっといいのではないかなと思いましたので。
【二瓶主査】  おっしゃるとおりだと思いますね。
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
【杉山委員】  これまでのタスクフォースの議論なども経て、今回、4ページの重点開発領域以外というところに新しい情報処理ということが1つ付け加わったと思っております。そこについて補足しておきたいと思っております。最近の新しい画像情報処理技術に対して、従来の重点開発領域で取り扱ってきた機器開発というハード開発だけではなく、特に3次元の画像処理に対する情報処理技術もこの重点開発領域で取り扱うということで議論されてきたと思います。これは、一時期あったソフト開発事業とは違います。今、ビッグデータが話題となり、様々なところで情報処理を見直す議論が起きております。このような動向に対して先端計測の中では、計測機器に対して新しい付加価値を与える技術に成り得る、という視点でその情報処理技術基盤をしっかり作っていく必要があると考えています。例えば従来技術では、材料を引っ張って破断したときに、どこで割れるのかという議論が主体でしたが、それが3次元微視的に破断部分の、どこで、どこの方向に割れが伝搬していくかまで具体的な形で議論ができるようになります。そのようなときに定量的な3次元的画像計測情報は非常に重要となり、膨大なデータが蓄積されてくれば、解析手法的にも新しい価値を生み出すようになります。
【二瓶主査】  ただいまの御指摘ですが、まだほかにも関連するのですけれども、実際に公募する際の公募要領の表現の仕方ですね。今のお話は、そういうところで少し具体性が求められる、要するに、分かりやすさを高める、そのあたりで少し工夫が必要ではないかという気がするのですが。これはJSTが実際に作業する際に、是非今のような御議論を生かしていただきたいのですが、具体的には、もうその文案のときに、例えば、杉山委員に御照会いただいて、分かりやすい表現――これ、やはり一般の人たちが、これは何なのだろうと思うのでは困りますので、例えば、例などを入れていただくような作業は必要ではないかという気がいたしますが、いかがですか。
【久保室長】  今も、要素技術タイプにおきましても、例えば、ビーム源とか、そういった例示を示しておりますので、公募する要領を作る際に、杉山先生に御意見を伺って作成をしたいと思っております。
【杉山委員】  分かりました。ありがとうございました。
【市川分科会長】  ちょっとよろしいでしょうか。
 これは要素技術タイプに限られるのでしょうか。というのは、機器開発の中の一部としてこういうものがあり得るというふうに思うのですけれども、要素だけに限ると、要素技術のものしか提案できないというふうに限定されてしまうということはないでしょうか。
【杉山委員】  これまでも、計測機器のデータとしての3D画像、また画像処理技術は出てきていますので、機器開発プログラムでも取り扱うという議論はありました。ただそれを、更に新しい付加価値を付ける評価技術、画像情報処理技術として位置付けたならば、要素技術として取り組んだ方が望ましいと考えられ、要素技術タイプの中で取り扱う方がふさわしいとなった経緯があったと思います。
 そこで個別の機器のデータ処理技術というよりも、例えば、様々な国家プロジェクトで産まれている計測機器の画像データを、もう少しプラットフォーム的に集めて、その画像データを情報処理していく中で新しい価値を生み出していくような提案があっても良いと考えております。具体的には、CT画像を含めて、今まで曖昧で捨てていたデータに対してある情報処理を施すことで精度が良くなり、意味のある3次元画像として使えるような画像処理技術の開発があると思います。よく遠い宇宙の情報を含んだ画像に対して、高度な画像処理やノイズ処理を施して、意味のある画像データを得ていく世界がありますが、従来は捨てていたり単独では余り価値のなかったりした曖昧な画像データというのも、情報処理技術を開発することで、意味のある画像に変換していく、またそのやり方というところに新しい技術開発思想があると思います。そのように普遍的な新しい価値を生み出すような要素技術開発として画像処理技術を捉えることにより、要素技術タイプの中で取り扱ったらよいと考えます。
【市川分科会長】  若しくは、機器開発の中でやりたければ勝手にやってくださいということでよろしいですね。
【杉山委員】  はい。
【二瓶主査】  どうぞ。
【柳沢委員】  ライフイノベーション領域、2-1ポツの頭で、4行ほど追加されたところで、これは、25年度の2つの類型というのをそのまま引用した文だと思うのですけれども、よく考えると、こういうふうにタイトルだけ引用すると、言っている意味が分からないですね。測定するための技術、解明するための技術という違いだけなので、意味が全然分からないと思います。なので、せっかくこれを入れるのでしたら、1行ずつぐらい、ちょっとカテゴリー分けの意図を分かるように膨らませた方がいいのではないかと思います。
【二瓶主査】  いかがでしょうか。
【菅野委員】  確かにその方が分かりやすいかなという気もいたしますので、もし可能でしたら文言を追加した方がいいかもしれない。
【二瓶主査】  菅野先生、少し書き足していただきますか。
【柳沢委員】  現状だと、「測定」と「解明」という、この1語が違っているだけなので、よく分からないと思います。
【二瓶主査】  どうぞ。
【中村委員】  その他の重要事項に関してなんですけれども、これまでの小委員会でも、標準化に関してはかなり重要だという御議論がされてきたと思うのです。標準化に関しての話は、2つ目の丸に出てくるのですけれども、「また」ということで出てきていまして、併記されている感じがございまして。これ、計測分析技術についての標準化に向けた取組は望まれるというのは、少し明言してはいかがかなというふうに、私の私見ですけれど感じました。
 例えば、「また」の後、「これまで本プログラムで採択された研究開発課題の成果や波及状況を検証し、有力な機器等については計測分析技術についての標準化に向けての取組が望まれる」とかいうような感じで進められてはいかがでしょうか。
 以上です。
【二瓶主査】  いや、おっしゃいますように、標準化というのは、いつもキーワードとして大事だという御指摘を頂きながら、なかなか具体化するのが難しいのですよね。そういう意味で、これは基本方針ですから、今の御意見を頂いて、少し書き足したいと思いますので、御提案、また確認してください。お願いいたします。
【田中委員】  よろしいですか。
 3ページの7行目にあります、「ターゲットを精密、早期、低侵襲」というこの3つのキーワード、なかなか的確、端的に表されていて非常にいいと思うのですが、どちらかというと文科省よりも厚労省的な発想をしますと、もうちょっと、例えば、具体的な公募の文章として付け加えた方がいい考え方、あるいは、その応募をする方々に一度思い起こしていただきたい言葉がといいますか、観点がありまして、私自身がある意味常に考えておかなければならないことなのですが、例えば、早期に見つかったとしても、それを治す薬があるのかという、そういうペアで考えなければならないこともありますし、精密という点でいいのかもしれないのですが、例えば、病気が分かったとして、それを治すときに物すごくお金がかかってしまってはまずいなということがあります。
 特に日本はこれだけ長寿になって、それで良かった良かったというだけでなく、健康に長寿でないと、これは厚労省の方は苦しまれるといいますか、国の財政が1兆円ずつこの健康のために増えている、保健のために増えているという状況を考えると、そういった、できる限りコストをかけずに――コストをかけずにと言ったら、質を落とすというふうに思われるかもしれませんが、例えば、がんになって、それを治療するために、どの薬がベストかというようなことが分からない状態で、結局、全部使ってしまって、患者さんに対して、例えば、年間数十万どころか数百万というふうにかかっている場合もあるみたいです。がんの薬を使うために。そういったことを考えると、健康で長生き、あるいは、結局、国あるいは個々人として負担のかからない、そういった観点を、例えば、具体的な公募の文章の中に入れれば、それに対してちゃんとポイントを押さえているかどうかを、応募するときに皆さんが判断していただけるのではないかなと思います。
 ここでそういうことを長々と書くと、余計分かりにくくなるので、具体的な公募の文書で触れていただいた方がいいのかなと思います。皆さんの貴重な税金を使わせていただくという点で、やはり説明責任というものもありますし、そういった点を考えなければならないかなと。特にこれからいわゆる日本版NIHのことを考えると、そういう点でこれから評価されていくということも踏まえて、今のうちから入れ込んでおいた方がいいのかなと思います。
 以上です。
【二瓶主査】  ありがとうございます。
 実は私、これの推進会議メンバーの一人でございますけれども、まさに今のようなお話が一番苦手でございまして、機器サイドから見て必要な機能という観点の、言葉遣いなのですね。こういうのは装置側から見ると極めて分かりやすいということなのですが、先生のおっしゃる、では、ユーザー側から見た視点で、更に何が必要かという観点が抜けている心配が大いにございます。
 お願いは、今おっしゃった先生の、何かお書きになったものがあれば、是非読ませていただきたいのですが。
【田中委員】  これは、実は朝日新聞の関西版のところで、そういうふうにインタビューを受けて、記事にはなっているのですが。
【二瓶主査】  是非それを頂きたいので、お願いいたします。
 この公募については、まだこの先、多分、1年後に議論になるようなタイミングになります。それまでにいろんなことを考えなければならないのですが、私自身ちょっと勉強したいので、恐れ入りますが。
【田中委員】  私も、これ、人から言われて、それではっと思い返したところなので、これ、私自身のではないので。
【二瓶主査】  いやいや、それはオリジナリティの問題ではなくて、私自身が、あるいは、何かのときにそういうことを理解していただきたいときに必要な表現という意味で、参考にさせていただければまことに幸いでございます。
【田中委員】  はい。
【二瓶主査】  確かに、私も今若干勉強の最中ではありますが、早期診断の、今お触れになったことですが、診断はいいけどその後どうするかという、治療とのギャップですか。あるいは、そういう幾つかの予防の領域における大事なポイントを押さえておかないといけないという御指摘は、この分野でもいろいろあるように思います。是非勉強したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【長我部委員】  よろしいですか。
【二瓶主査】  どうぞ。
【長我部委員】  ちょうど今、田中委員が言われたようなことが、3ページの一番上のパラグラフのところに、医療費全体の抑制はしなければならない、一方、患者さんの負担は軽減しなければならないとか、あるいは、治療と診断というのはセットでなければ患者さんを救えないとか、ほぼ田中委員の意図に合致することが書いてあるので、ここをもう少し充実して書かれると、このドキュメントでもほぼ田中委員の意図が込められるのではないかと思います。
【田中委員】  そうですね。「医療現場等のユーザーニーズに適合し」というのが書かれていますね。
【長我部委員】  そこをもうちょっと広げてですね。
【二瓶主査】  そうですね。何か付け加えるべき言葉として。
【田中委員】  今すぐは思い浮かばないです。
【山科委員】  よろしいですか。
【二瓶主査】  どうぞ。
【山科委員】  これ、事務局の方が皆さんの意見を入れて次々赤を入れていった結果、例えば、司令塔機能に係る云々という文言が3つのパラグラフにみんな入ってきており、かえって分かりにくくなってしまったようなところがあります。だけど、言いたいことは、この中に全部書いてあると思うのですね。ですから、ちょっと整理して短くするような工夫をすれば、それで言いたいことは分かるのではないかと思います。重複が多すぎるから、かえってややこしくなっていますから、うまく整理すれば半分ぐらいに削れるのではないでしょうか。
【二瓶主査】  いや、この司令塔機能云々は、もう事務局が一番苦慮されているところでございまして。何せ、このタイミングでこういう、要するに、パラレルに作業しているのですね。上部の司令塔も。それが我々に適切なタイミングで下りてこないのですよ。そのときに、こういう文章を書かなければならないので、常に紋切り型でも書いておかないと、この先何が起こるか分からないという懸念がございまして、大変お目障りかと思いますが、よろしく御理解いただきたいと思います。
 どうぞ。
【柳沢委員】  前回の小委員会でライフの項が妙に短いのではないですかという意見を述べさせていただいた柳沢で、削るとまた同じことを言いたくなるのではないかなと思います。
【二瓶主査】  どうぞ。
【森口委員】  度々恐縮です。
 ちょっと話が戻ってしまうのですが、先ほど放射線計測の社会実装の取組について御意見がありましたけれども、今、ライフのところで話題になっていた「医療現場等のユーザーニーズに適合し」という、この辺の表現は非常にいいなと思っておりまして、放射線計測の方も、やっぱり現場ニーズに即したということを明確に書いていただいた方がいいかなと思います。具体的には、「被災地の現場ニーズに即した活用促進に関するシンポジウム等を実施するなど」とか、そういう表現にしていただくと、先ほどの御指摘とも合う。現場はもう本当にローテクでいろいろ苦労しているところがありますので、こういう高度な技術とのマッチングが非常に重要かと思いますので、ライフのところで出てきた表現に近いような形で、「現場」あるいは「ニーズ」という言葉を入れていただくと大変有り難いなと思います。
【二瓶主査】  おっしゃるとおりですね。ありがとうございます。
 ここはもう少し具体的な幾つかの言葉を入れましょう。
 さて、それでは、大体よろしゅうございますでしょうか。どうぞ。
【杉山委員】  先ほど標準化の話が一度出ましたので、その点についての意見です。ちょうど5ページのところになると思います。
 これまでもずっと標準化のことを話題にしながら、なかなか具体的な施策が進まない現状を考えますと、計測分析技術について標準化を考慮するということを書きながらも、「そのため普及促進については重点的に予算を配分すべきである」と、だけ書いている点が気になります。
 つまり、この開発成果の活用とか普及促進のところで御提案されてくるメンバーの中に、その機器の能力に関連した分野で世界標準化委員を担当している方が参画するように推奨すれば、標準化に適した具体的な計測機器の使い方やそのデータ処理に対する展開が期待できるのではないかと思います。予算配分を増やすことも大事だと思いますが、メンバー構成に関連分野で標準化に関わる方を含めることを推奨することを付記するのも一案としてあると思います。いかがでしょうか。
【二瓶主査】  おっしゃるとおりですね。ありがとうございました。
 それでは、ただいまのような御意見をこの案文に更に付け加えるという努力をさせていただきたいと思います。
 それでは、前回、今の5ページの下から2つ目の丸に更に付け加えさせていただきましたが、3行目です。国及びJSTは、本プログラムの機能を高め、より高度な成果をより迅速に達成することに資する「先端計測機器開発プラットフォーム」を構築するための具体的な方策を検討する必要がある。この文章を付け加えさせていただいた理由は、この委員会の、年度で言えば3年前になりますが、7年目ぐらいのまとめの文書を作りました。その中に、じつはプラットフォーム構想というのがございまして、そのプラットフォーム構想の言い出しっぺに相当すると思いますけれども、その後、研究開発プラットフォーム委員会というのが学術審議会の中に、先端研究基盤部会の下に委員会が作られ、プラットフォーム構築というのが随分進んでまいりました。そういうタイミングを選んで、先端計測機器開発に関してもプラットフォーム化を具体的に検討してはいかがかと、そういう趣旨でございます。
 そういう話題に鑑みまして、次の議題でございますが、本日、次の御発表をお願いしたいと思います。
 少し言い残しましたが、先ほどの基本方針のまとめに関しましては、事務局と適宜相談させていただきまして、主査預かりの形でまとめさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。恐れ入りますが、ぼつぼつ、まとめてJSTに渡さないといけないタイミングでございますので、その点、御了解いただきます。
 それでは、続きまして、今後の展開等を見据えて、佐藤委員から、研究開発プラットフォームに関する欧州調査報告に関する御説明をお願いしたいと思います。
【佐藤主査代理】  分かりました。
 資料5を御覧ください。これは、親委員会の研究開発プラットフォーム委員会で話を大分前にして、この委員会では実はしていなかったということが最近分かりまして、この委員会でもきちっと報告して、今主査がお話しした先端計測機器開発プラットフォーム、この構築に向けてどういうふうに取り組んでいくのかというのに、少しそれの参考になるかなと思いますので、御説明させていただきます。
 この出張は、ヨーロッパの方に、二瓶主査を団長として、前の柿田課長を含めて6名ぐらいで出張したのですけれども、次のページを見ていただくと分かると思うのですけれども、出張の目的は、EC、欧州委員会がどういう研究開発、いわゆる基礎研究基盤を含めた開発を進めているかというのを少し調査して、それを我々の具体的な行政に、あるいは政策立案に生かすことはできないかということを考えて出張したわけであります。その中で、4か所ぐらい行ったのですけれども、時間の関係で、今日は欧州の委員会と、それから、ライフイノベーションに関係するNMRの、欧州のプラットフォームの戦略に関して、少し御説明させていただきたいと思います。
 3ページ目を見ていただきたいのですけれども、最初に少しショッキングなデータを皆さんに御説明しますが、ヨーロッパにおけるNMRのマーケットシェアというのが出されておりまして、それを見てお分かりのように、真ん中の丸のところを見てもらいますと、メーカー別のマーケットサイズというのが、2011年から2012年の間で112台のNMRがヨーロッパで出荷されていると。そのうちの約80%がBrukerというドイツのメーカーで、一人勝ちになっている状況があります。これは結果として、日本も含めて、世界中のNMRがBrukerの一人勝ちになっているということにつながっているのですけれども、その背景というのは、ヨーロッパにおけるECの取り組み方というのが多分関係しているのだろうというふうに後で御説明させていただきます。
 それ以外、国別にどういうふうに使われているかとか、国別には、やっぱりイギリス、フランス、ドイツ、ポーランド、この辺のあたりがかなりNMRを駆使して、いろいろ研究開発を進めているということがよく分かると思います。
 あと、周波数別に見ますと、400、500、600ぐらいが多いのですけれども、既に1.1ギガヘルツのものが開発されているということがこの時点で分かりまして、やっぱり相当水をあけられている状況かなというのが、ここで分かります。
 こういう状況の中で、今、先端計測で我々がいろいろ取り組んでいる中で、これをちょっと見ると、やはり産業競争力を含めて、オンリーワン・ナンバーワンをどういうふうに位置付けて開発して進めていけばいいのかということを、考え直さなくてはいけないというモチベーションになったわけです。
 次のページ、お願いします。具体的にNMRの話に行く前に、欧州委員会の研究イノベーション総局の組織図をちょっと説明させていただきます。
 これはEUの中にECの欧州委員会というのがございまして、そこが行政を賄うところになるのですけれども、その中の研究イノベーション総局というのが、先端計測を扱っているような文科省の局になると思います。そういう中で、科学技術政策だとか、あるいは、それに基づく研究基盤、あるいはイノベーション等の施策に関する政策を立案・実行しているというのが、全体の図からは分かります。EUの中に欧州委員会(EC)というのがあるということです。
 そのECの中で、次のページをお願いします。4ページ目です。ECにおける研究開発の概要を少しまとめてみました。
 何をやられているかというと、ECの研究開発、それぞれの国では、それぞれの国で多分研究開発はもちろん行われていると思うのですけれども、ヨーロッパ全体として共通基盤的な科学技術研究の基盤になるようなものをまとめて推進しようというのがもともとの発想ですから、その考え方に基づいて、欧州委員会でFP7という、フレームワーク・プログラム7というのですかね、それを6年の計画で作って、総額約6兆円を投じてこのプログラムを実行していると。丸が全体のバジェットで、約6兆円規模で、その中にリサーチ・インフラストラクチャーというところがあると思うのですけど、先端計測に絡んでくる研究基盤関連の予算がそこにありまして、それが約3.4%、約2,000億円のかなり大型な予算を持っているということであります。その研究基盤整備の中に、ESFRIというプロジェクト(研究インフラ欧州戦略フォーラム)というのがありまして、その中で具体的にどういうことをやろうかということを考えて、それを経て実行しているというようでございます。
 それで、次のプログラムがもう少しで始まると思うのですけれども、次のプログラムは、Horizon2020という、それは約1.5倍の予算で、メーン課題はやはりイノベーション創出強化ということをうたって立案がなされているという状況です。
 FP7における研究基盤戦略及びESFRIのプロジェクトの概要を述べますと、マル1のところに、その研究基盤戦略の特徴ということで、どちらかというと共通的な基盤を確立するということをメーンにしています。それをやってイノベーションを創出するための質を向上させるということを目指しているのですけれども、予算の内訳としては、約6割が共用・ネットワーク化に使っている。それから、2割強が新規の施設・設備の整備・準備、それから調査研究、そういうものに使っているというのが特徴ですね。やはりベースの基盤をきちっと作らなければいけないというのがかなり強調されているようです。それ以外に、もう少し国を超えて、環境問題とか、いろんな問題に絡む、そういう共通的な問題に関してかなり大きな予算を加えているということが見てとれます。
 ESFRIのプロジェクトに関しては、これもまさに研究基盤なのですけれども、49ぐらいのプロジェクトを起こして実施して、採択の条件が、3か国以上の共同プロジェクトであるという条件が面白いというか、EUらしいというか、日本ではちょっとあり得ないようなことが実際のプログラムの条件になっています。
 次のページをお願いします。ここは次期のプログラムの概要を少し書いてあるのですけれども、先ほど行ったFP7の強化・枠組み拡大という話と、それから、やはりイノベーションのポテンシャルを上げるということをやらなくてはいけないので、人材育成を促進しなければいけないという話と、それから、やはり研究基盤の強化というのを考えている。
 それから、産業競争力をつけるという観点で見ると、マル3の、いわゆるプロトタイプ、商業化前のプロトタイプに関してECのお金を入れていく、それでイノベーションのポテンシャルを上げるということを強化策に入れていると。それが(5)のところに、装置開発における産業競争力強化ということが書かれているのですけど、それは同じようなことでございます。
 こういうふうに、次のプログラムを含めて、かなりの大きな予算枠を取って、EC、EU全体として科学技術戦略を持って進めようとしているので、こういうことを少し我々としても見ならわなくてはいけないのかなというふうに思うわけです。
 次のページをお願いします。全体の状況はそういうことなのですけど、その中にNMRのプラットフォームというのは作られています。その中の、イタリアのフローレンス大学にあるCERMという1つの拠点に行ってきました。全体として11か国で11拠点あるのですけれども、その中の一つ、フローレンスのところにあるCERMという拠点は、ここの下の写真で見て分かりますように、物すごい数、11台のNMRの装置を保有して研究開発・運営をしているという状況で、これは圧巻の状況ですね。これが11拠点ぐらいあると。ですから、全体として100台以上のNMRがネットワークとしてつながって運営されていると。3年間で100万人ぐらいの雇用を生み出しているという、本当かなと思うぐらいすごい効果をもたらしているということが言われていますので、これは非常に参考になることなのではないかと思います。
 その中で、ネットワーク型のプラットフォームの整備事業と、それから、バイオNMRプロジェクトということで、Structural BiologyとかBioBankとかInformation Technology、この3つの分野をカバーして全体のプラットフォームを運営しているという、使える形にしているという状況です。
 次のページをお願いします。そのCERMのもう少し具体的な中身を言いますと、このプロジェクトの最終的なターゲットというのは、やはりマルチスケールでNMRを使って各種の構造データを得ていくと、それによってライフに関連する研究を促進するということが目的だと。下の右側の図を見てもらいますと、マルチスケールですから、取ったデータを最終的に構造解析まで行って、これはこういう構造をしているよというところまで出せるようなハードとソフトを兼ね備えているということですね。
 それで、ソフトウェアに関しては、これをやるために30本ぐらいのソフトを保有していて、それをプラットフォームの中で使える形にしていると。日本もある程度アクセスできるようなことは言われているのですけれども、どこまでできるかはちょっと分かりません。ですけど、彼らの中でそういうことができるという状況を作っているということでございます。
 これを見てきて、感想としては、やはりライフイノベーションという最重要課題に対して、プラットフォームという取り組み方をして、かつ、最先端の技術、あるいは研究者、企業、特にBrukerという、1社が入っているということがいいのかどうか分からないのですけれども、そういう先端的な企業を入れて、一緒になってプラットフォームを作って、それでイノベーションを創出すると同時に、産業競争力を強化するという国家戦略になっているということなので、こういうことを見ていくと、やはり我々の開発の仕方も、オンリーワン・ナンバーワンというのを開発しながら、それをいかに産業競争力に結び付けていくためには、プラットフォーム的な考え方を入れ込んでいかないと非常に難しいのではないかということを強く感じた次第です。
 最後のページですけれども、これはちょっと私の感想みたいなものですけれども、まとめとして、27か国の世界水準のインフラ共用促進・強化というのが行われているわけで、一国ではできない、日本ではなかなかこういう取組はできないのですけれども、そういう異文化の衝突とかいうことを含めて、イノベーション創出のベースにしようとしている。NMRプラットフォームもその一環であると。
 EUの多国間の共同利用、共同研究プロジェクトなどを通じて、先ほど行った標準化、デファクトスタンダード化というのは、日本一国でやっていることに比べたら、これは非常に有利で、27か国がもう既に入っているわけですから、そういう意味では、すごく有利だなと。だから、そういうところとどうやってコラボレーションしながら、どうやって標準化に結び付けていくのかというのを、やはりよほどの戦略を持って取り組まないといけないなと感じました。
 それから、産業競争力強化についても、我々もやっぱりプロトタイプからもう既に育てるつもりで、あるいは、次を担う、そういう装置に仕上げる意味で取り組んでいかなくては、入り込んでいかなくてはいけないのではないかという気がしました。
 それから、最終的にインフラのロードマップを作成して、中長期的計画を立案しているので、我々もこういうことを参考にしながらやっていかなくてはいけないという気がしました。
 こういうことを踏まえて、我々が今までやってきているマザー・オブ・サイエンスという意味での先端計測というのは非常に重要だと言ってきているわけですから、この国際競争力強化ということを進めるためには、やはり他国ではできませんから、日本国という一国しかないので、今のところ、日本で国と企業が一体となった戦略を作って遂行することが必須だと。そのためのプラットフォーム構築というのがやっぱり必須なのではないかと。
 どういうものを対象にして進めていくかという一例では、日本のお家芸である電顕だとか、MSだとか、NMRはもうちょっと大変だなというふうに思ったものですから、御三家という意味では、電顕、MSみたいなものを取り上げて、バイオ電顕とか、バイオMSは絶対負けないよというようなものができるような、そういうプラットフォームというのを考えていくのも一案かなというふうに思いました。
 以上でございます。
【二瓶主査】  ありがとうございました。
 今日、佐藤先生からこの話題提供をしていただくお願いをした理由は、先ほど述べましたとおりでございますが、要するに、ヨーロッパにおけるリサーチインフラ全体を見た研究開発投資の現状、1つの例でございます。これはNMRを例に御紹介いただいたわけですが。最後、佐藤先生のまとめにもありましたように、例えば、電子顕微鏡、あるいは質量分析、そういうものも、言うならば、今の先端計測事業の枠組みですと、一つ一つのユニットに細分化して、それぞれが開発をパラレルにやっているという姿でありますが、これをもう少し束ねるといいますか、ですから、重点領域を指定してやるというのが、今まで先端計測でやってきたやり方ですが、その中で更にもう少し重点特化したような枠組みを考える必要があるのではないかというような御提案にもつながる御報告だと思うのです。
 この話題は、実は、先ほどの基本方針の中で、プラットフォーム構築を検討するタスクフォースを立ち上げていただきたいというふうに私から御提案申し上げようと考えた次第で、その御説明の一環というふうに御理解いただければ幸いです。いろいろなやり方はもちろん、先端計測の中でも今までもくろんでまいりました。しかし、やはりプラットフォーム構築ということの最大の意義は、ユーザーサイドと供給・開発者サイドとの連携、それを一対一ではなくて、N対Nの対応でオープン化をするという発想が是非とも必要だということでございます。
 ですから、1台の装置を、今はもちろん産学連携でユーザーサイドと供給者・開発サイドとの連携を必須条件としてこの先端計測の事業を進めてまいりましたが、それをそれぞれマルチ化するというような発想がとれれば、開発がオープンな開発方式が取り入れられれば、開発速度を格段に加速できるのではないかという発想です。
 これはヨーロッパでは、御承知の先生もいらっしゃいますけど、このHorizon2020というのは、22年まで7年間、今年度から7年間かけて巨額な投資をして、リサーチインフラを強化するというプランですが、それに相当するというと、いささかサイズが違いすぎるのですが、やはりリサーチインフラの強化ということを、私どもの年間数十億規模の予算範囲でどう活性化するか、あるいは、どう予算や資源を有効に使うか、そういう観点での検討をしていただければということでございます。
 そういうことで、お願いしたいことは、先端計測機器開発に関連したプラットフォーム構築という課題を実現に向けて検討していただく、あるいは、今後の重点領域設置の仕方ですとか、先端計測の事業の運営方針に係る次世代型の在り方のようなものを検討していただくですとか、少し将来に向けた検討をしていただくタスクフォースを設置させていただければというように考えております。
 これが本日の最後の案件でございますが、今のプレゼンに対する御質問、あるいは御意見、それから、私が今申し上げたタスクフォースを立ち上げるということに関する御意見、それをまとめてお出しいただければ幸いですが、いかがでございましょうか。
 どうぞ、今のプレゼンに対する御質問でも結構です。
【尾嶋委員】  では、ちょっと1つ。
 大変参考になる、いや、非常に勉強になりますね。こういう112台のNMRがヨーロッパのいろんな国にあるときに、それをどういうふうに運用していくのか、興味があります。例えば、日本でも放射光がいろいろありますが、すぐに使いたい、遠くでもすぐに使いたい、多少輝度が低くても使いたいとかいうニーズを交通整理することが重要です。このNMRではどういう交通整理をやられているのか、非常に興味のあるところでですね。
 もう一つは、例えば、日本でも今、SPring-8とJ-PARCで、放射光で何かを測りたい、中性子で何かを測りたいではなくて、モノの構造と機能の関係を解明したいので、要するに、両方で測りたいという強いニーズがある。そこでプラットフォーム化する。要するに、プロポーザル一つで、サイエンスの命題だけ書いてあって、手法は問わない。それが通れば両方使えますというような、そういうプラットフォーム化の動きが今あります。だから、ヨーロッパでも、まずNMRで運用をどういうふうに交通整理をやっておられるのか。それと、そういう他の放射光なり中性子なりとの連携的な動きがあるのかどうか、この2つをお聞きしたいと思いますけれども。
【佐藤主査代理】  中身の詳細はさすがに分からなくて、バーチャルに運営しているというニュアンスはまずありました。
 それから、具体的に機器をどういうふうに応募してどうのこうのするというところの説明が余りなかったので、分からないのですけど、恐らくみんなが応募してくれば開放するようです。あと、ヨーロッパの中の、やっぱり日本でもタンパクの何とかとか、いろんなプログラムがありますね。そういうものに関連して提案するような感じに見えましたね。
【尾嶋委員】  なるほど。
【佐藤主査代理】  1年前なので、大分忘れたのですけど、先生何か補足することがあれば。
【二瓶主査】  一番冒頭におっしゃった、いろいろなニーズをどうまとめ上げていくかということですが、ここにもございますように、ヨーロッパの中で拠点が11あると。いわば、各国にあるわけではないでしょうが、主な国にはみんな拠点があると。それをイタリアのフィレンツェにあるこのセンターが統括をしている、そういう構造なのですね。
 それで、恐らくこういう組織を、仕組みを作る最大のメリットは、ネットワークのWeNMRとか言っております、あれですね。全部ネットワークで情報を結び付けて、総合的に解析するというメリットだと思うのですよ。それだけ数が束ねられれば、もっとシステム化できるでしょうとか、それぞれの装置の特徴が結び付けて活用できるでしょうとか、そういうことをまずは狙ってやっていると。ですから、これは、NMRという道具だからできるという見方もあるのですね。かなり幅広く情報が扱えます。特にバイオに関する最も有力な方法論の一つでございますので、それでネットワークで。
 御質問の中にありました、ほかの方法と結び付ければなおいいというのは、全くそのとおりなのですが、そこまでは多分いっていません。それが今後のパースペクティブにある可能性はあります。
【尾嶋委員】  分かりました。
【山科委員】  このプラットフォームというキーワードが出てからかなり時間が経っておりますが、言葉はそれぞれにあっても、なかなか中身がはっきりしなかったという実情があると思うのですけれども、本日二瓶先生がこういう形で、それを一歩二歩前進させるというお考えは、大変よろしいと思います。是非進めていただきたいと思います。
 それで、一体どういうやり方で、どんなプラットフォームをどう作っていくか、それはやっぱりそのタスクフォースといいますか、少人数のところでいろいろお考えいただいて、具体的に提案していただいて、それに検討を加えながら前へ進めていくのが一番好都合だと思います。
 過去10年間この事業をやって、その評価が結構大事ではないかとかねて思っていたのですが、なかなかそのことも先へ進んでいかないということも感じております。それで例えば、この10年間でいろいろ開発した機器がありますから、それをリストアップして、またカテゴリーごとに分けてみて、どの部分が最も今日日本から売り出していく装置として更にリファインしていくのがいいかという考えでグループ分けしてみる。その中に、今佐藤先生がおっしゃったその一例を、バイオ電顕とかバイオMSとか、そういうものを並べてみて、いろいろ議論した結果、二瓶先生が先ほど仰ったNのうちの1はこれでいく、2はこれでいくというような、そんなやり方で、テーマというようなものをある程度前に置いて、具体的なもので考えていく。そういったやり方が大事だろうと思います。
【二瓶主査】  ありがとうございます。
 今先生おっしゃいました、10年間で何をやってきたのかということを見直すという点は、全く大事でございまして、できれば、先ほど申し上げたタスクフォースの中の作業の一つとして、それは是非やるべきではないかと考えております。
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
【藤宮委員】  測定機器の利用を広めるという意味では、ソフトウェアもかなり重要です。今、ヨーロッパですとScilab(サイラボ)という科学技術系のソフトウェアがあり、プラグインでどんどん機能が追加できます。グラフィカルでとても見やすく結果を示すことができます。
 その他にも統計解析に関しては、R言語というソフトがあり、今3,000ぐらいのライブラリを持って、最先端の数学研究者の先生方が作ったライブラリを自由に無料で使えています。今から日本独自のものは難しいかもしれませんが、そういったものをできるだけ測定機器の解析ツールとうまく組み合わせることで、余りコストをかけずに利用範囲を広げることができます。さらに、ソフトの使い方に関しましても、従来だとマニュアルを読みながら理解しなければいけなかったわけですが、最近のソフトでは、画面操作にナレーションを加えた動画をYouTubeなどで見ることができます。ソフトの使い方を知るという意味で、非常に的確で、30分程度のビデオを見るだけで、ほぼ全体を網羅することができます。そういったツールもうまく組み合わせて、障壁をどんどん減らしていくことも必要だろうという気がしました。
【二瓶主査】  ありがとうございます。
 どうぞ。
【菅野委員】  先ほど山科先生がおっしゃったことが、やっぱり同感でございまして、せっかくこちらで積み上げてきたことがあるので、それをどこまで生かせるかという評価は必要かなと思います。
 もう一つは、やはりオンリーワン・ナンバーワンとうまくどうやってニーズとを合わせるかなというところがありまして、このプラットフォーム、逆の使い方もできるかもしれないなと思っているのは、ニーズを作るというようなことも可能かもしれないと。こういう大きな仕掛けならですね。僕はニーズから出発して開発した方がいいという意見の持ち主なのですけれども、でも、ここまでこういう仕掛けを大きくすると、逆に、例えば、マス顕微鏡というのは、全く新しいのでできていて、若干そのニーズと合っているかどうかというのはまだ分からないところなのですけれども、ああいうものも、こういう大きな仕掛けの上に乗せて、6年とか7年とかかけてやると、その分野は本当に全て8割のシェアを占めるというようなこともあり得るかもしれませんので、幾つかそういうものも考えてもいいのかなという気がちょっといたしました。
【二瓶主査】  ありがとうございます。
 時間が来てしまいまして、この議論は是非御関心のある先生方に参加して、これから進めたいと思いますが、いかがでございましょうか。そのタスクフォースをセットして、これは事務局とよく相談して、仕組みをこれから考えたいと思いますが、本日の委員会でそういう目的、もくろみのタスクフォースを作るということを御了承いただけましたらば、その方向に向けて検討を進めたいと思います。いかがでございましょう。よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 それでは、本日の議題は以上でございます。
 最後に、事務局からお願いいたします。

○三宅研究開発基盤課課長補佐より、今後のスケジュールの確認があった。

【二瓶主査】  それでは、どうもありがとうございました。どうぞ本年度もよろしくお願い申し上げます。

―― 了 ――

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