先端計測分析技術・システム開発委員会(第3回) 議事録

1.日時

平成27年11月25日(水曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 15F1会議室

3.議題

  1. 先端計測分析技術・システム開発に係る検討について
  2. その他

4.出席者

委員

佐藤主査、尾嶋主査代理、坂本委員、金澤委員、田中委員、岡本委員、瀬藤委員、大堀委員、杉沢委員、藤本委員、飯島委員、森川委員、杉山委員

文部科学省

川上科学技術・学術政策局長、渡辺研究開発基盤課長、中川研究開発基盤課長補佐、吉川研究開発基盤課長補佐、高杉研究開発基盤課調査員

オブザーバー

岸本先端研究基盤部会長、原田先端研究基盤部会委員、西島先端研究基盤部会委員、木川研究基盤共用プラットフォーム委員、横山理化学研究所上席研究員、川口JST経営企画部研究監、市川JST総合評価会長、山下JST先端計測室調査役、角野JST先端計測室副調査役、岡部JST先端計測室主査、江端研究基盤環境形成作業部会委員

5.議事録

科学技術・学術審議会
先端計測分析技術・システム開発委員会(第3回)
平成27年11月25日



【佐藤主査】  それでは、定刻になりましたので、第3回先端計測分析技術・システム開発委員会を開催いたしたいと思います。御出席どうもありがとうございます。
きょうは、この前に会議があった親委員会である基盤部会の部会長をはじめ、オブザーバーで残ってもらう形にしましたので、たくさんいます。よろしくお願いいたします。
この会議は公開の扱いになりますので、よろしくお願いいたします。
事務局より出席者の確認及び資料の確認をお願いします。

中川研究開発基盤課課長補佐より、出席者と配布資料の確認があった。

【佐藤主査】  ありがとうございます。資料等は大丈夫でしょうか。
それでは、議事に入りたいと思います。最初に、今年春ぐらいからタスクフォースというか、今後の検討を含めて、今、先端計測がどういうふうになっているのかというのを俯瞰しようと、エビデンスに基づいて、どういう状況にあるのかというのを正しく認識して、次の施策に生かしていきたいということを考えて、文部科学省としてはどうも初めてらしいのですけれども、まずそれをベースでやりましょうということで、今までかなり力を入れてやってきました。きょうその結果をまとめて報告する形になります。
最初に、資料1です。ライフサイエンス計測技術の開発戦略に関して、我々が俯瞰していろいろ検討する前から、JSTで検討がやられていましたので、それに合流する形で我々も入って、少し検討させてもらいました。
前から検討されたものも含めて非常によく検討されて、まとまっておりますので、まずJSTの川口さんからそれを報告してもらって、その後に、資料2の俯瞰報告に関して報告したいと思います。
では、川口さん、よろしくお願いします。

【川口研究監補佐】  それでは、JSTの川口から、私どもで検討してまいりましたライフサイエンスに関する計測技術の現状と課題について報告させていただきます。
まず、2ページ目でございます。御承知のとおり、ライフサイエンスの研究といいますのは、ゲノムをはじめとするオミクス研究と、分子生物学を基盤とする機能解明研究、それから計測技術開発と、大きく分けて大体3つに分かれると考えております。
過去15年の動向を見てみますと、ゲノム研究といいますのは、2000年のヒトゲノム配列の解読以降、情報量が爆発的に増えて、データ駆動型の研究が今進められております。最近この分野では既に診断技術が市場に導入されているということで、こういった大きな流れがオミクス研究から生まれております。
一方で、機能解明研究といいますのは、主には計測イメージング技術の貢献が非常に大きかったと思うのですが、現在では3次元で可視化するようなトレンドがありまして、ますます学際化しております。
実はこういった2つの大きなライフサイエンス研究を支えているのが計測技術です。今申し上げましたように、シークエンサーをはじめ、様々なイメージング技術がこういった分野を先導してきているということで、計測技術の発展というのは、ライフサイエンスの研究不可欠であるというのが分かると思います。
1ページめくっていただきまして、3ページ目でございます。我が国におけるこの分野の課題というのは何なのかということを各種報告書からまとめてまいりました。
4つ挙げておりますが、1つ目がビッグデータの活用です。先ほど申し上げたような爆発的に増える情報をうまく統合して、意味あるものに変えていく。ここでは、バイオインフォマティシャンの育成に課題があると考えています。
2つ目はこの委員会と最も関係しますが、計測技術開発というのがなかなかうまく進まない。要素技術はいろいろあるのですけれども、やはりシステム化の部分が弱い。
3つ目は、コアファシリティーの活用です。様々な拠点が形成されておりますが、まだまだ十分に活用されていない。さらに高度になればなるほど、そういった機器を扱う技術者もいない。
最後は、これもずっと言われていることですが、なかなか異分野融合が進まない。こういった課題がこの分野にはあります。
4ページ目でございますが、私どもJSTでは、こういった課題を踏まえて、計測機器開発を我が国としてどう進めるべきかという検討をしてまいりました。計測機器といいましても幾つかありますので、特にこの1年、左下にございますMRIとか、質量分析装置といった中型の計測機器を中心に、国としてどのように取り組むべきかというのを検討いたしました。
5ページ目をごらんください。こちらがこれまでの検討経緯となります。合計4回にわたり、主に若手研究者を中心に、様々な意見を頂きました。
6ページ目は、第1回の研究検討会議です。一番下の「そめる」技術、一番上の「わかる」技術、それから、左側の「みる」「すける」、右側の「みる」「おう」といった各要素技術が今どういう状況にあるかというのを、先生方と議論いたしました。
もう1枚めくっていただきまして、第2回は具体的なモダリティーの開発状況を、ライフサイエンスで中心的に使われているMRI、マイクロCT、光学顕微鏡といった計測技術の研究開発をやられている先生方に御意見を伺って、検討いたしました。
8ページ目では、装置開発の方向性と要素技術を理解した上で、具体的にどんなニーズがあって、そのニーズに対してどういう技術を開発すればいいのかということで、ニーズサイドと技術者サイドに分かれまして、1泊2日で若手の先生を中心に議論をいたしました。
9ページ目です。最初に結論から申し上げます。ライフサイエンス系の技術トレンドとしては、物を見る形態イメージングから、機能を探る機能イメージングへと変遷している。さらに、サービスに関しましても、装置を提供するということだけではなくて、その研究者のソリューションも提供していくということで、パッケージでの提案の流れが確認されました。
こういった流れの中で、我が国の課題というのは、A)にございますように、強い要素志向であり、先鋭化志向、さらには画像解析、ビッグデータの課題、そして、そういった装置をシステム化するときのデザイナー、若しくはソリューションを解決するようなコンサル人材の不足といったものが挙げられました。
具体的な解決策としては、後ほど少し詳しく御説明しますが、開発拠点やサービス拠点の整備、若しくは、今までとは違った広域連携の在り方がもう少し検討されるべきではないかといった結論でした。
どういった検討がなされたのかというのを、10ページ以降のスライドで少し具体的に御説明いたします。まず、具体的な研究者側のニーズです。形態に関しましては、リアルタイムでホールボディーのイメージングをしていきたい。例えば、顕微鏡で動いている遺伝子を見たいとか、生体の中で1細胞をずっと追いかけたい、さらには、生きている動物を3次元・高倍率・高分解能で見たいといったニーズが挙げられました。
それから、機能観察に関しましては、これからの時代は形や位置情報だけでなく、それが一体何を意味しているのかといったものを計測したいという要望が出されました。
3つ目としましては、情報統合ということで、モデルマウスでの結果とヒトの情報というのをきちっとつないで意味あるものにしたいというニーズが挙げられております。
具体例としてもう少し細かくお示ししますが、こちらは阪大の石井先生の御提案です。木も見て森も見たいということで、今までは顕微鏡を使って細かい木だけを見ていたのですが、森を見るとなると、どうしてもPETやMRIのように、かなり粗い画像になってしまうということで、これらを同時にズームイン、ズームアウトしながら、見たいところを常にトレースできるようなシステムが今後ニーズとしてあるだろうという提案です。
それから、12ページですが、機能観察のトレンドとしましては、これも結構議論があったのですが、形の議論はもう決着が着きつつあるということで、次は機能、例えば、時間の変化や分子の動態、若しくはオミクス解析といったものを、今後は動的観察として機能まで見ていくということで、これはノーベル賞受賞者のコメントも出たんですけれども、超解像顕微鏡の研究者も今は超解像の研究はやめて、時間変化を追うような研究に移っているという意見が出されました。
13ページ目ですが、先ほど申し上げた情報統合についても、基礎研究の情報と臨床情報がなかなかつながらない。さらに画像情報がどんどん膨大化していて、その処理が進まないということで、こういった課題やニーズが挙げられました。
ということで、14ページに具体的にどういったコンソーシアムがあったらいいのかということで1枚にまとめたのですが、主にライフ計測に関わる役者というのは3者いると考えています。
1つが右上の赤い色の具体的なニーズ研究者、医者、いわゆるライフサイエンスの研究者です。それから、下の青色のところは技術開発者、これはプローブや機器開発。さらには左上のオレンジのところで、現在は企業が中心となって装置開発をしているというところなのですが、これら3者が今なかなかうまく結びついていない、若しくは、それぞれの情報や要素が散在しているということで、真ん中の緑色のところに、次世代生体・細胞イメージング研究開発コンソーシアムと書いておりますが、モダリティーごとにコンソーシアムを形成して、ここはニーズに対する回答も出すし、要素技術を統合して機器開発もするし、場合によっては、それを企業に導出する、又は企業からのアーリーアクセスを促進するようなシステムが、ライフ計測の分野でも、日本にも必要なのではないかといった意見がございました。
15ページ目でございます。具体的にライフサイエンスの研究者はいろいろなソリューションを持っているわけなのですが、現状は、そういった方たちは、どうしても自分の言葉で説明しようとするので、技術者になかなか理解してもらえない。技術者側も生物の言葉を理解しつつ、そういった課題に対してソリューションを提示できるような人が必要であるということで、病院などである症例カンファレンスみたいな機能が、先ほどのようなコンソーシアムには必要だという意見が出されております。
最後、16ページ目でございます。まとめますが、もちろん形態観察の技術というのは今でも必要で、今後も市場としても拡大する一方であることは間違いないと思うのですが、形態の議論は徐々に決着が着きつつあるということです。リアルタイムイメージング、生きたものをどう見ていくのか、それから、膨大になる情報にどう対応していくか、さらには、ニーズはどんどん多様化、高度化していきますので、それらをどう細分化してソリューションを出していくかといったものが、プラットフォームや今後の計測機器開発における重要なポイントになるのかなと考えています。
以上でございます。

【佐藤主査】  ありがとうございます。
これは続いてやった方が。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  まとめて。

【佐藤主査】  特に川口さんの説明に質問したいという方がいらっしゃいましたら、よろしいですか。
では、併せて次の資料を説明して、その上で、今の段階でもう既にかなりいろいろ課題が出てきているのですけれども、次の資料は俯瞰報告という形でまとめました。最初の段階なので、どこに焦点を絞るかということは迷ったのですけれども、特に電子顕微鏡とNMRと質量分析という御三家、それに光学顕微鏡を加えた4つに絞って、どういうふうになっているのかという俯瞰報告を事務局から説明していただきます。よろしくお願いします。

中川研究開発基盤課課長補佐より、資料2について説明があった。

【佐藤主査】  どうもありがとうございました。
多分皆さん、消化不良ではないかと思うのですけれども、事務局をはじめ、最後の資料作成に御協力いただいた、検討会以外に資料作成に御協力いただいた研究者、あるいは団体の方々に、この場をかりてお礼を申し上げたいのですけれども、これだけのものをまとめるというのは大変なことで、4つの分野でこれだけですから、大変だなというのを今回感じました。
さらにちょっと補足する意味で、資料作成に協力いただいた先生方に、今回まとめたものに関してレビューをしていただいておりますので、少し話をしてもらって、その後に皆さんの御意見をお伺いしたいと考えております。よろしくお願いします。
それでは、最初にレビューしていただく先生は、全体に関していろいろ御協力いただいた理化学研究所の横山先生からよろしくお願いします。

【横山上席研究員】  全体について何か申し上げれば。

【佐藤主査】  そうですね。

【横山上席研究員】  私はライフサイエンスのところしか分かりませんでしたが、ライフサイエンスの方では、複数の計測技術を組み合わせて研究するのがだんだん普通になってきているということで、あえてそういう観点から全体を少し拝見させていただきました。
それで、対象としているものが分子から組織まで、階層性の低いところから高いところまでをずっと見ていく必要があるということで、それが複数の計測手法を組み合わせるということにもなりますし、例えば、同じ手法でも分解能の異なる、あるいは観察できる、計測できるスケールの異なるものを組み合わせるということになっていまして、そういう意味で、この資料では、その範囲を非常に的確にまとめてあると思いました。
細かいところでは、分解能についてまだ改善が進んでいるようなところに、例えば、4ページで、分解能の限界みたいなものを示しているのですが、それをこういうふうにはっきり書いてしまっても、これは必ずしも原理的な分解能ではないものも矢印が書いてありまして、その分解能をさらに上げていくという開発は、この上にどういうふうに表現されるのかということがちょっと気になったところです。
あと先ほどから何回も出てきているところですけれども、一つ一つの計測機器の開発とそれを使う側との関係というところが、ここでは必ずしもそれだけを抽出してはいないのですけれども、要素だけあっても、実際の研究で使えないという部分がたびたび指摘されているわけですけれども、要素の限界を広げていくというところに関しては、それぞれの技術のところでどういう技術の開発が限界を広げたかということがまとめてあって、大変いいのですけれども、ニーズと提案されてそれを反映するように、限界を広げていくという対応のところが、一目で分かるようなものがもしあると、今後の開発に関してはイメージがつかみやすいのかなということは思います。そこは必ずしも明示されていなかったかなという印象でした。
それから、単独の技術でなくて、組み合わせる必要があるということでいいますと、システムであって、先ほどJSTからのお話もあったように、ソリューションを提供できるようなという意味での技術開発があるとすると、これは個別の技術に分かれてしまっていまして、組み合わせる部分のことについて今回はメンションしなくてもいいのかどうかというところももう一つ気になったところです。
一般的なユーザーを考えますと、それは非常に重要なところです。装置の開発のところに非常にウエイトを置いた研究者の場合には使いこなせると思いますけれども、その部分で、さっき企業のシェアの話がありましたけれども、シェアの大小が実はそういう部分で非常に大きく影響を受けているところがありますので、その部分についてはこの中でどのようにまとめるのかというのも少し気になったところです。
見せていただいて、むしろこの膨大なところをこれだけよくまとめられて、今回初めて拝見したのですけれども、大変感心いたしましたが、強いて言えばこういうところというのを少し申し上げました。
以上です。

【佐藤主査】  ありがとうございます、痛いところを突かれているのですけれども。

【横山上席研究員】  今までの経緯を存じませんで。

【佐藤主査】  それは我々も感じているところなので、まさにソリューションのソフト化みたいなことが相当抜けているというのは感じています。第1段階でここまで来たということで、次のステップ等も考えているのですけれども、考慮していきたいと思います。
時間がないので、それぞれのコメントを頂く先生方に最初にコメントを頂いてから議論に入りたいと思います。
電子顕微鏡について、杉沢委員から少しコメントを頂ければと思います。

【杉沢委員】  では、簡単に、非常に的確にまとめていただいてありがとうございます。今、横山先生がおっしゃられました、あるいはJSTから言われたように、機器開発という側面で考えますと、機器の開発とその機器を応用したアプリケーションの開発と、あとはユーザーニーズに応えるためのソリューション開発という3つのレイヤーがあるとは考えているのですけれども、全体的な日本のメーカーのシェアの育成は、まさに横山先生が御指摘されたとおりで、主にソリューション開発のところから来ているというのは我々の認識ではございますが、まずここでは、機器開発の部分について俯瞰図を作っていただいたと認識しております。
電子顕微鏡の機器開発の俯瞰図を見ていただきますと、非常に的確にまとめられております。1番のポイントは、18ページにございますように、電子顕微鏡の発展する方向がどこに行ったかというのがここに現れております。
電子顕微鏡は基本的には、原子分解能に到達するというのが1つの目標でございます。この収差補正器が出ることによって、ある意味ではラボ機器です。かつては1,000キロという本当に超大型機器でなければ見られなかったような原子分解能が、いまや割と手軽なラボ用の機器で原子分解能まで到達いたしましたので、原子分解能に関しましては、ある1つの到達点に来ております。
その次に出てきた技術は、より速く、あるいはダイナミックに見たい、あるいはやわらかいものを見たいという、見る対象を増やしたり、時間軸を広げたりするという方向で、それに最も貢献しましたのが、電子性の直接描画カメラの開発です。電子性の直接描画カメラに関しましては、非常に残念なことに、国内では全く技術がなくて、現在は海外の製品を買っています。
では、なぜそういった状況になったのかとざっくり俯瞰しますと、かつて国内でも電子性の直接描画カメラを研究開発された大学の先生がいらっしゃったのですが、予算が切れてもうやめてしまったのです。光のCCDカメラと違いまして、電子性の直接描画カメラのCCD素子は非常に特殊な境界条件を持っておりまして、通常のCCDが使えない、あるいはいろいろ要求があります。ニーズがないということもありまして、実はもう20年ぐらい海外の小さな研究機関で細々とずっと開発が継続されています。それが、ここ数年間急速に実用性が増して、かつ新しい応用が生まれたということで、その小さなシーズがずっと育って、ベンチャー企業ができて、さらにこういうふうに発展してきたという歴史がございます。
それを振り返りますと、こういった技術をいかに大事に育てて10年、20年かけて維持していくかというのも非常に重要なのかと思っておりますが、なかなか結果として今こういう状況になっているので、過去を振り返るとそうなるということなのですが、現状では電子性の直接描画カメラの技術によって、電子顕微鏡の新しい世界が開かれているのは間違いございません。
その結果といたしまして、最近クライオ電子顕微鏡という分野が出てまいりました。ハードウエア、特にサンプルを冷やして電子顕微鏡で見るという部位につきましては別に世界中同じようなレベルにあるのですが、電子性描画カメラとそれを使ったソフトウエアの発達が海外で非常に進みまして、現在単粒子解析と呼ばれているたんぱく質の構造解析は、ここに映し出されているとおり、99勝1敗みたいな状況になっておりまして、我々としては非常に申し訳ないところでございます。
実際この結果をもたらした2つの要因は、電子顕微鏡のハードウエアの性能ではなくて、検出器のカメラの発展とソフトウエアの発展ということになります。実はこのソフトウエアの発展も、特定のメーカーが特定のソフトを作ったわけではなくて、これもほとんど大学の基礎研究の部分で、様々なソフトウエアが世界中で作られまして、それを統合することによって、実際結果として見ると、たんぱくの構造がどんどん見えるようになった。
かつてはウイルスしか見えなかったのが、今は本当に、3オングストロ-ムぐらいの分解能でうまくたんぱくが見られるようになってきましたので、これを見て皆さん急にびっくりして、今こちらに大きな流れが動いているということなのです。
これを振り返りますと、こういったソフトウエアというのは、特定の個人の研究者の才能の塊なのです。そういった才能をずっと大事にしていた研究や、余り顧みられなかったような小さな要素技術をじっくりと時間をかけて蓄積していったというのは重要だと思いますので、これはそれを表しているのではないかと見ております。
あといろいろありますが、この2点がここに非常に明確に出ているのかなと思っています。どうもありがとうございます。

【佐藤主査】  企業を責めているつもりは何もありませんので、技術がどういうふうに動いているかというのをまず見たいので、ありがとうございました。
次に光学顕微鏡について、岡本委員からお願いします。

【岡本委員】  頂いた資料で幾つかコメントさせていただいて、それが的確に反映されていますので、ほとんどコメントする内容はないのですけれども、幾つかポイントを申し上げます.この資料の30ページ目の光学顕微鏡の種類と機能について、当初は超解像という表現だったのですが、これは非常に誤解を招くので、回折限界という表現にしたということ、それから、超解像顕微鏡というのも,この分野で使われる超解像蛍光顕微鏡にしたということ、30ページ目の右側です。蛍光顕微鏡も最近、透明化技術がどんどん進歩していて、1ミリを超えて数ミリの深さまでの観察ができたということも的確に反映されていますので、資料としてはとても良い形でできていると思います。
それから、資料の33ページ目、先ほど中川さんから、「なかなか全ては」というお話があったのですが、実はそのとおりでして、これはとても難しい.ただ、コメントは全て反映されていまして、例えば、本当に細かい話なのですけれども、1950年代に出た格子超解像という表現がちゃんと出ていることとか、蛍光顕微鏡の発展系であるノーベル賞を受賞したSTED顕微鏡に関係するのですけれども、上のところのSTROM/PALMのGSDIMというのが全部並列化されているということ.私自身は的確な表現になっていると思っています。
それから、35ページ目に、ちょっと1か所だけ誤植があるので指摘いたします.検出器・レンズの開発のところの下から2行目のところです。「adaptic」になっていますけれども、これは「adaptive optics」ですね。補償光学です。直していただくとよいと思います。
37ページは、画像処理技術の開発というのが実はとても重要で,これも的確に反映されていると思います.すぐれた内容であると私は思います。
以上です。

【佐藤主査】  ありがとうございました。
では、引き続きまして、核磁気共鳴の関係で、プラットフォーム関係の委員会の委員であります木川委員からお願いします。

【木川委員】  それでは、木川から、大変よくまとまっていると思いますが、NMRの1つの特殊な状況というか、最初には非常に磁場を上げていくというところで、だんだん解像度がよくなって物が見えてくるというところが非常に大きなトレンドだったわけです。それは今でも続いているのですが、この資料ですと、パワーポイントの46ページにあります高感度化というのが、単に磁場を上げるだけの高感度ではなくて、検出器の感度を上げていくという方向性でのソリューションが出てきまして、これによって、低磁場の装置でも感度が上がるという方向が次の新しいトレンドとして出てきました。
さらに現在ですと、DNPによる高感度化になりますけれども、この熱雑音低減による高感度化というところで、海外メーカーと日本メーカー、ないしはある1社が非常に強くなってしまったというところがあります。
それからもう一つ、NMRの状態としては、どういう状態のものを見るかということで、溶液状態のものを見る溶液NMRというのと、固体状態のものを見る固体NMRは、原理としては最初同じですけれども、実際には使う検出器とかもかなり違ってきているわけですけれども、今までずっと溶液NMRの方が時代を引っ張っていった、いろいろな技術開発を引っ張っていったのですが、最近は固体NMRの技術が進んできたことによって、固体NMRが技術を引っ張るような状況にもなってきました。これによって、アプリケーション、特に見えるものに関して、最近ですと、材料系の分野が非常にNMRを使い出したというところで、新たなトレンドになっているのではないかと思います。
それから最後に、ここはまだちょっと欠けているかなと思うところなのですけれども、今までの顕微鏡といったものは、像が出ると研究者が非常に理解しやすい絵が出るわけですけれども、NMRないしは質量分析というのは、出てくるものはスペクトルといったもので、これを見たところですぐに何が起きているかというのは、非常になれた研究者以外は分かりにくいところがあります。
そういう意味では、データを解析する、ないしはデータを処理する技術というのも非常に大事で、そういう意味では、先ほど杉沢さんがアプリケーション開発、ソリューション開発とおっしゃられましたけれども、そういったものとペアでさらに技術を進めることが装置の高機能化、ないしはユーザビリティーを上げていく、普及を加速するという意味で、その視点の開発というのが非常に大事ですし、そういう意味では、海外メーカーも、特に生命分子系に関して、非常に上手にやってきたというところが、差がついた理由と感じていますので、装置の開発に関しては、そこが非常に大事です。
実は、横山先生が指摘されたソリューション化、ないしは組み合わせて解析するというところまで含めたソリューション開発というのが今後技術開発、ないしは競争力を付ける上で非常に大事な視点だと思います。
以上です。

【佐藤主査】  ありがとうございました。
最後に質量分析器に関して、田中先生からよろしくお願いします。

【田中委員】  質量分析に関してですが、最後の話になりまして、もう既にほかの分析機器で指摘されたことの繰り返しになるところはなるべく避けるようにしまして、この質量分析で、実際に特徴をいろいろ挙げていまして、高分解能、高精度、高感度といった、いわゆる「High何とか」と付くカテゴリー分け、クラス分けをすることで分かる部分もありますし、こういうふうにまとめた人間は私の同僚なのですが、その肩を一部持つことにもなりますが、こういうふうに整理されたことで何ができるかといいますと、例えば、教科書に書かれている質量分析というのは、大体数十年前の技術しか書かれていないことも多く、先ほどもおっしゃられたとおり、質量分析は画像がそう簡単に見られるものではないので、非常に取っつきにくい。けれども何か見たい、細かいものを見たい、微量のものを見たい、教科書に書かれているものとは何桁も性能がいいものが出ている。そういったときに、俯瞰するというのは非常によく役立つとは思います。
ただ、実際の開発現場は、今までおっしゃられたとおり、本当にソリューションをいかに提供していくかということになります。質量分析というのは、もともと分子の大きさ、重さといいますか、それを見るだけだったのですが、それをいろいろ工夫することによって、例えば、膜タンパク質のどこが埋もれているかとか、分子と分子のどこがうまく接触して、どういう働きをしているかといったものも、質量分析で重さ以外の情報も分かるようになってきていますが、残念ながら、こういうところでは表し切れない。逆にそういったところは、例えば、企業とか、先端的な研究をやられている大学の先生とかが自分の一番大切なものとして、なかなか明かさないというのは当然なのですが、そうは言いつつも、日本の中でこういうふうに俯瞰的に見る資料ができたことは、まず一歩としては役立つものになったのではないかと思います。
以上です。

【佐藤主査】  ありがとうございました。
レビューも含めて、今まで俯瞰の報告を行ってもらいました。最初の目的は、先端計測事業として何をやるのかということ、何でもかんでもはできないので、飽くまでも重点課題をどういうふうに絞り込んでいくのかということをある程度決めたくて、そのためにそれぞれの計測技術はどうなっているのだということが、10年以上計測事業をやってきて、この後、さらにそれをベースにして発展させるには、それをきちっと見ておいて、その上で戦略を立てなければだめなのではないかという思いから、事務局の方々をはじめ、先生方の御協力をいただいて、ここまでまとめられたので、これに対して皆さんの御意見、質問等をお願いしたいと思います。どなたか、御意見、質問がございましたら。

【飯島委員】  先ほどからアプリケーションとか、ソリューションとかというお話がたくさん出て、結局そういうことだと思うのですけれども、こちらの最初の資料に、次の10年間でソフト解析の時代が来ると書かれていますけれども、せっかく大量の解析データが出たときに、その取り扱いをどういうふうにしたらいいのかというのが、素人から見ると、まず当惑するところだと思うのです。
特に画像ですと、ものすごい量のデータですよね。それをこちらに瞬時に転送するというようなことが書かれているのですけれども、実際それをどうやってやるかという情報の取り扱いのところの開発というのは、今後どういうふうに計画されていくのかなと。
そこから実際に必要なデータというのは、画像そのもの全部が必要なのではなくて、抜き出して見たいというのが、多分ユーザーの御意向だと思うのです。これを見たいから、これを比較したいとか。これを継時的にやろうとしたら、ものすごいデータ量になると思うのです。だから、そこのデータの取り扱い、抽出、維持とか解析をどううまく回すかという解析の技術のところをかなりやらないと、さっきもちらっと出ましたけれども、そういうところに長けた海外に対抗するのはかなり難しくなる。せっかく機器がよくて、いいデータが集まっても、使えないのでは何にもならないので、そこのところをどういうふうに計画するかというのは、このコンソーシアムの肝になるのではないかと思います。

【渡辺研究開発基盤課課長】  よろしいですか。

【佐藤主査】  はい。

【渡辺研究開発基盤課課長】  まさに今おっしゃったような御指摘の点というのは、ソリューション部分でのデータ、情報の計測といいますか、どういうふうにするのかということと併せて、何を測って何を見ているかという最先端の計測の部分でも、何を撮っているかというところは、例えば、X線の輝度をどんどん上げていくとすると、撮れているものの情報は実は少なくなっていたりするので、それをどう処理するかというのも同じ問題なのです。
今ある機器をどう重点化していくか、これは計測機器の課題というよりは、データサイエンスというものを計測の中に、本当は一体的に進んできたはずなのですけれども、実は情報処理の方がぐっと進んだので、情報の部分のモデリングが実際どういうふうに開発できるのかというのは、むしろ別のテーマとしてもう少し先端的な研究テーマとして立てることが適切なのかなともちょっと思っております。
もちろん計測技術の中で技術俯瞰の中に入れていくということはできるのですが、新しく開拓しなければいけない開発要素が非常に大きくて、多分新しい研究分野として少し成り立つ要素があるのではないかと思っています。
きょうは計測部門の方たちにおいでいただいていますけれども、この前の部会に出ていただいたような、もう少し基礎研究的な戦略創造のようなところで、分野、テーマ設定をしていくということも、まだ最終的なところまでは行っておりませんけれども、むしろそういったところで分野設定をして取り組んでいくところなのかなともちょっと思っております。
この中に入れるとすれば、ソリューションに対してどう応えるかというニーズ側、そこまで明示的に書いてある部分が今の中にはないので、こちらでは問題としてそれを記述し、研究テーマとしては戦略創造のようなほかのプログラムの中で今後採択を、いろいろな先生方の御意見を聞きながら、目標という形で立てていくということも今少し議論をしている途中でございます。

【佐藤主査】  これは別に1つの装置に限った話ではなくて、共通課題なのですね。ですから、4つの技術について今どういう状況にあるのかというのを、日本のお家芸であったはずなのに、どんどん低下しているものですから、ちょっと危機感を持って、それを集中的に調べたというのが現状です。
今言われた話はまさに共通している問題で、人工知能も取り上げた方がいいとか、いろいろなことを言っているのですけれども、多分ここの委員会だけでできる話ではないので、文部科学省側としてはどういうところと連携して、どういう形のプログラムにしてやっていけばいいかというのはいろいろ考えてくれていますので、多分そのうち出てくるんだと思います。

【飯島委員】  別々にやることには、私にはどうしても多少抵抗があって、こういうことこそ一緒にやらないと、後になって融合するのはなかなか難しいかもしれないという気がするので、あえて何とか。

【佐藤主査】  企業としては、製品として見たときには恐らくもう死活問題ですね。それができるかできないかで、計測分析装置の価値はほとんど変わってしまうという状態になってきていますから、どういう形でデータを収集して、どういう形で処理してソリューションを提供するのかということに、本当に真剣に取り組んでいかないとだめなんですけれども、それをどこまで国のものでやるか、それから企業がどこまでやるかということを、多分連携しないとだめなのだろうなと思います。

【尾嶋主査代理】  そういう点では、先ほど電子顕微鏡の話で、カメラとソフトの両方の開発が必要で、ソフトについては、オープンイノベーションで自発的にいろいろなところが持ち寄って解決していく、という話が出ました。だから、企業単独でやったわけでもなくて、国がやったわけでもない。

【杉沢委員】  ほとんど大学ですよね。大学の研究者の蓄積に近いですよね。

【尾嶋主査代理】  オープンイノベーションというわけではなくて、大学の研究者ですか。

【杉沢委員】  でも、それも結果としてはオープンイノベーションということですよね。大学の研究者の方々がされた要素技術の積み重ねが、こういった最終的な成果を生み出しているという意味では、大きな意味でのオープンイノベーションですね。

【尾嶋主査代理】  それがなぜ日本で起きなかったのかということです。先週も分析計測と情報の関係で、今まさにおっしゃったような議論を文部科学省でやりましたが、両方とも大事だ、ソリューションが大事だということを言ったのですけれども、先ほどの話を聞くと、どうも国主導ではなくて、1大学で、知恵のある人が集まって勝手にやったみたいで、ちょっとあれっと思ったのですけれども、そうですか。

【杉山委員】  以前にも議論したことがあるのですが、ドイツの例ではやはり国を挙げて取り組んでいると思います。大きな電子顕微鏡センターに世界中から研究者が集まってきて、その研究所の設備は民間の電子顕微鏡メーカーが全部提供し、そこで開発したソフトや細かな技術は全部その会社の製品技術に反映していくという仕組みと聞いています。日本でも電子顕微鏡に関するプラットフォームをもっとうまく使えばいいのではないかという議論がありますので、これからさらなる活用を楽しみに思っています。

【渡辺研究開発基盤課課長】  その辺は余り明確に書き過ぎてもと思いつつ、ちょっと難しかったのですけれども、22ページと23ページになぜいきなりJST事業と出てくるかというと、そこなのです。先端計測のたかだか十数億円の世界でやれるのは、要素技術開発とこれだという装置開発になってくると思います。だけれども、先ほどの、共通して今やらなければいけないテーマ設定ができるということに関しては、戦略創造、ここはまたJSTの中で扱っている部門が違うので、そういうところにあると。
あと学術ということになると、科研費はあるのですが、学術の世界で、ボトムアップでどんどん自由度を高めて、公知にすることで高まっていくというのが正しいと私は思うので、むしろJSTでオープンイノベーションになるような場をどう作れるかということを、今一応COIとか、いろいろなものを作ろうとはしているのですけれども、そういうものは明示的にないように思います。
例えば、少しでも出口に近くて、A-STEPといって、企業のお金とマッチングで進められるような枠組みもあるわけなのですけれども、軸を同じ次元で全部通してみたらこうなるよねというところまでは行っていないのです。
それはJSTの問題というよりは、それぞれの事業を持っている各課が自分の事業は大事で、オフレコですが、こんな報告書をいっぱいまとめるけれどみたいなこともあるのかもしれませんけれども、軸を同じにしてみたときに、どうすると共通ソリューションを新しいテーマに落とせるか、要素技術の開発は従来どおりのプロジェクトでできるならここだ、それから、大きな装置が必要なものは、それを実現するためにどうしたらいいかというふうに、これまたJSTではなくて別なところです。
あとはプラットフォームもJSTではなくて、文部科学省の直接委託の事業としてやっているのですけれども、そういうところをどう発展させていくか。計測機器の最先端市場はどっちにしてもハイエンド、研究の現場です。そこら中に転がっているものではありませんから、プレ市場をどう作り上げていけるか。
大変なのですけれども、取り扱う範囲が大体文部科学省の手中にあるので、もう少し横のつながりをしっかり見ていってほしいという意味で、私は、JSTの次期中期計画目標でしっかり議論しましょうと、所管課でもないのにすごいことを書いてしまったんですけれども、関係課にもちゃんと協議していますから、言ってしまったけれども、特に異存も出ていないし、まあ、いいかなという感じです。
前向きにいろいろなつながりを持って、ちょうどよい塊でそれぞれが処理できるようになっていくと、意外と既存のものでも行けるのですが、あとはそれぞれの業界ですね。計測機器業界でも扱っているものによって、世界の中での位置付けとかは違ってきているので、NMRのように世界で2社ですみたいな超希少種になったときには、これが国策だと一緒に進めていくのもありかなと思っていますが、適切な競争環境の中で、民間でしっかり進めていただくところはどこかということも一緒に議論しながら進めていけるとよろしいのかとは思います。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  ちょっと補足しますと、川口さんが説明した資料のスライド14にあるように、これも出発点が次世代生体・細胞イメージングということになっていますが、いろいろな要素技術といいますか、単なる技術ではなくて、ここでも右端にある統合解析、解析技術、こういった人が集まる、あるいは左の端っこであれば、プローブでそれぞれの研究者が開発をして、プラットフォームに向けて、その後もしっかり活用していくということを、この説明のときにはお伺いしたのですけれども、先ほど飯島先生がおっしゃったように、解析についていろいろな機器に適用もあるので、先ほどのドイツの例みたいに、プラットフォームの上で研究者が自由にやってくれるような仕掛けも必要なのだろうなというところで、こういったものをイメージしながら、JSTとは是非何かしらの大きな政策を考えたいというのは、担当としてはすごく思っております。

【佐藤主査】  ほかに御意見、御質問等はございませんか。

【藤本委員】  よろしいですか。

【佐藤主査】  はい。

【藤本委員】  ソリューション提供のソフトの部分はまだ検討中ということもあるかと思うのですけれども、最近私がすごく思うのが、例えば、14ページのニーズ研究者から各モダリティーの研究者集団につなぐところで、予備実験、審査、規模決定というのしか書かれていないのですけれども、ここの部分でニーズのところを、何をどのくらいの精度で測ったらいいのかというところに、プリプロセスで落とし込む過程がすごく大事で、そこの部分を是非こういうところに入れ込んでもらえたらと思うのです。
1か月ぐらい前に、アメリカとイギリスの標準研の人間とラマンの標準化の話でちょっと議論したのですけれども、そのときにかなりインパクトを受けたのは、今、脳腫瘍の手術にラマン分光が使われている。それは脳腫瘍を切るときに、健常な細胞と腫瘍細胞を見分けなければいけない。それをするときに必要とされる計測技術としては、分解能は細胞レベルでいい。そんな原子、分子は見えなくていい。ただ、健常な細胞とがん細胞をはっきり見分けられないといけない。そういったニーズを、ラマン分光を使えば、それができるのだというところに落とし込むところが、多分ソリューション提供で一番難しいところかなと思います。
次のページで、症例カンファレンスのイメージとかが書かれているので、こういった仕組みをうまく入れ込んでもらえると、ソリューション提供がより具体的に売れるというか、役に立つ装置の開発につながるのかなと思うところです。

【渡辺研究開発基盤課課長】  よろしいですか。佐藤主査と同じ思いで、若干トートロジーになってしまうのですけれども、何が欲しいのか、何を見たいのかというのをあぶり出すために、あえてこういう技術俯瞰図を初めて作らせていただいて、後ろの方のスライドの55ページとか、俯瞰図を作っているときに、例えば、升島先生のナノスプレーイオン化でここまで見えるようになったとか、これまで技術のブレークスルーをやってきた先生方が、もちろん国内外ですけれども、いらっしゃいます。
その先生は、何が見たくて、どうすれば測れると分かっていたので、このブレークスルーができたのです。ユーザーに徹している方だと多分そういうところは分からないことが多いのです。何で測ればいいのかちょっと教えてほしい、まさにソリューションを提供してほしいと思っていらっしゃる。
だけれども、そういう方にこういうことまで、ちょっと乱暴に全部を1つの平面図につなげてみると、こことここはこういうことなのかと見ていただくことで、少し新しいインスピレーション、あるいは自分のしたいところがどこだったのかがよりクリアになるのかなと。おっしゃったような議論をさらに深めていけるのでしたら、計測機器の事業の中でどんどん吸い上げていけるような技術開発要素がさらに出てくるのではないかと期待しています。

【佐藤主査】  よろしいでしょうか。どうぞ。

【横山上席研究員】  今まさにおっしゃったこと、さっき言いたかったことは、舌足らずであれだったかもしれないのですが、せっかくこういう技術で、要素技術というのはブレークスルーが起こったときに、それがどういうニーズに応えることにつながったかというところがぱっと分かると、今おっしゃったとおりのことがすごく見やすいですが、そこを知っている人でないと、今この資料では見えないのかなと思いまして、それをさっき申し上げたつもりだったのです。
先ほどから何回もお話が出てきていますけれども、最先端の計測機器が出てきて初めてできるような研究をされている方は、もちろんそこで出てきたソリューションもオリジナルの研究だから、みんなですぐにシェアしようということには多分ならないと思うのですが、最先端の本当にぎりぎりの装置があるところでやったからこそ、ソリューションの側も最先端のソリューションが出てきているのです。
先ほどから何回も出てきているように、だんだん大型装置がプラットフォームのように提供されるようになると、もっと最先端のところではない、ニーズは持っている人たちがそれを活用するようになったときに、より広い人たちが簡単に使えるような普及型のシステムやソリューションにこなれていくところがあって、この要素技術がないと困るというようなニーズを提供するような研究と少し違った部分を作らないと、大きなシェアの製品になっていかないことになるのだろうと思うのです。そういう意味では、プラットフォームで実際に今まで使ったことがなかった人たちへの提供みたいなものを含める中で、多様なニーズをそこで取り入れて、それがまた技術開発につながっていくような部分もあると、その組み合わせがすごく大事なのではないかと思います。

【佐藤主査】  ほかに。

【市川総合評価会長】  ちょっとよろしいですか。

【佐藤主査】  はい。

【市川総合評価会長】  これは非常に労作だと思います。ここには、今は非常に重要だと認識されていることがかなり書いてあるのですけれども、今後、海のものとも山のものともわからないようなことに関して、余り触れられていないような気がするのです。
例えば、今JSTでもやっているのですけれども、超高速のTEMとかございますね。超高速現象をいかにTEMで見るか、そのために、今はパルス電子源でやろうとしているプログラムがあります。もう一つは、位相差顕微鏡でも、走査透過型のSTEMで位相差をやろうという試みがあります。あと磁場計測に関しては、電子レンズの周りの磁場を極力小さくして、しかも高分解能で磁場を観測するというような、何か新しい芽が必要と思います。個々の技術でなくていいのですけれども、例えば、超高速計測とか、高分解能磁場計測とか、あと超コントラスト技術とか、そういう中で、今後10年どういうところをやるべきか、ということを少し書いておくべきではないかと私は思うのです。
例えば、NMRは、私は素人なのですけれども、現在JSTで、ダイアモンドNVセンターを使った超小型の超高感度のNMRを開発しようというプログラムが走っています。予測が困難かもしれないけれども、ひょっとすると、今後急速に発展しそうだなというところも何か書いておかないとまずいのではないかと、私は個人的には思うのです。

【佐藤主査】  実はちょっと抑えたのです。

【市川総合評価会長】  それは分かるのですけれども。

【佐藤主査】  今それなりにいろいろなところが出ているのですけれども。

【市川総合評価会長】  分かります。ただ、もう少しぼやかして、例えば、超高速の現象のTEMとか、抽象的でもいいのですから、分野でもいいのですけれども、そういうところを何か示すべきではないかという感想を持ったのです。それを十分認識されているのでしたら、私は構わないのですけれども。

【佐藤主査】  戦略の部分にかなり入り込んでくるので。

【市川総合評価会長】  ここはまだ議論中ですか。

【佐藤主査】  これをベースにして、次のステップで、今実際に最先端でやっていることも含めて、どれがブレークスルーできるのかということも含めた戦略立案みたいなものを議論していこうと、その辺はやっちゃだめと課長に止められまして。

【市川総合評価会長】  分かりました、そういう経緯があるのであれば。

【佐藤主査】  まずエビデンスベースでやりなさいという話があったものですから。

【市川総合評価会長】  次の段階では是非そういうところの検討をお願いします。これは非常に重要です。

【佐藤主査】  それがないと、もう業者も絶対に来ませんから、そうなのです。
ほかに御意見、ございますか。

【坂本委員】  いいですか。

【佐藤主査】  はい。

【坂本委員】  機器開発なので仕方がないのかもしれないのですけれども、率直にハードウエア寄りなのだなという感想はすごく持ちました。技術のところも、ハードの部品はたくさん書いてあるのですけれども、ソフトはソフトウエアと1個だけです。ただ、皆さんの御意見を聞くと、システム化とか、ユーザビリティーというのが出てきているので、そこのギャップは何なのかなというのを感じたのが1点です。
先ほどの通信のお話のところで、そこは共通だから別でやる、それは分かるのですけれども、では、計測機器用の専門ソフトウエアの開発というのはあると思うのです。そういうことはこちらではターゲットにされないのかなというのはちょっと感じました。

【渡辺研究開発基盤課課長】  杉沢さんとかにお話しいただくといいかもしれないのですけれども、そこは日本の強みであり、弱みであるところで、ソフトウエアは、日本の技術がないわけではなくて、すごくいい技術を持っているのですけれども、そこに大体ブラックボックスでだんだん作り込まれていて、余りオープンソースにされていないので、ソフトウエアとしてどういうものが要るかというのは、ものすごく基本的なモデリングの部分では、研究ベースでこのエンドをやりましょうというのは出てきたりします。
それから、MRIみたいにパルスシーケンスのソフトウエアが大事なのだと、すごく特化されて、ぼんやりした、少し大きなテーマになってくると、ソフトウエアの具体の名前が出てくるのですけれども、技術で次の開発はといったときに、やっぱり組み込まれているものなのでしょうか。もし、具体的に出てくるのであれば、ソフトウエアということだけではなくて名前として出てくるはずなのです。そこが出てこないのはどういうことなのかというと、日本の開発するソフトウエアというのがそういう状況だからなのかなと私は思っています。

【坂本委員】  出てこないというのは、論文に出てこないという意味ですか。

【渡辺研究開発基盤課課長】  論文、それから、技術の名称として、ソフトウエアの名前でもいいのですけれども。

【佐藤主査】  一応いろいろ出てきてはいるよね。例えば、FEIだったら、NIのLabVIEWとかを使ってやっている。

【杉山委員】  電子顕微鏡の分野ですと、例えば、3次元のイメージングは、データ処理技術開発の宝なのですけれども、アメリカではDream-3Dという形で、10年以上かけていろいろな大学の研究者が連携して開発研究を行い、今、デファックトスタンダード化になりつつあるかもしれませんが、この分野は日本もまだまだ勝負できる世界だと思います。特に先ほど議論がありましたが、イメージングに関わる技術のところ等は、数学者も入った形での新しい技術開発が必要な領域だと思います。

【渡辺研究開発基盤課課長】  あと木川先生もおっしゃっていましたけれども、スペクトル分析を、画像を再構築するということも、ちょっと大変ですけれども、技術的には可能なのですよね。ソフトウエア面、情報処理面でやらなければいけないとか、やれるようになってきたことが膨大にありますから、そこをどうするかですよね。そこを書き出して、機器開発の中に1つのテーマとして入れていくというのはありますけれども、どういうふうにすると、これは自分がやりたいことだったのだという方たちが出てくるのかというところは少し御議論いただかなければ。

【西島委員】  先端計測、少し分野が違う部分があるというか、アドバイザーは余り発現しない方がいいと思っていますが。本日の資料はよくまとまっていると私は思うのです。ただ、実際に販売シェアを拡大するとか、更にユーザーフレンドリーが重要であるとかとなってくると、ちょっと違う話が出てくるので、それをこの中に混ぜてしまうのがいいのかどうかというのはあると思うのです。
例えば、今、製薬業界がいろいろな大学やセンターの先端施設を訪問するのですが、そこで配備されている装置がほとんど海外製なのです。それでは、日本が先端分野の機器開発でかなり劣っているのかというと、少なくともチャンピオンデータでは決して劣っていないし、文献データでも劣っていないのだけれども、海外製品はとにかく使いやすく、設計段階からユーザーの声を十分に聞いている装置だという声を聞くのです。
だから、その辺はどちらかというと、これとはちょっと違う形で課題整理しておかなければいけないし、先ほど渡辺課長が、日本のソフトの強いところと弱いところということでしたが、強いところよりはむしろ弱いところが多いと私は思っているのです。強いところは結構なのですけれども、だから、その弱いところをどうするかという意味で、きょうはJSTのいい資料を見て、よくまとまっているなと思ったのですが、実際に使用する研究者、医師のニーズをどういうふうに捉えているかという部分を是非追求していただきたい。例えば、日本のある先端研究センターに置かれている半分が国内産機器になっているというのが自然になってきたときに、それは日本人が開発して、日本語で書いている機器だから、使いやすいという声があるんですが、一方、日本語で書かれていると余計分かりづらいという経験もあります。外国産機器の取扱概要はA4サイズ1枚程度で非常に分かりやすいとよく聞くのです。日本の場合は特許と同じで、記載内容が分かりづらい。開発研究者の思い入れが入って、哲学的過ぎると、英語のマニュアルの方がはるかにいいと言われています。ちょっとジョークっぽいですが、そういうことを聞くのです。その辺もよく考えていくというのは今後の課題と思います。本日の配布資料はこれで大変よくまとまっている。ここから先だと私は感じました。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  A4のマニュアルも、メーカー側が。

【西島委員】  海外メーカーは常にグローバル展開を考慮していますので、マニュアルも多国向けにシンプルがベストを目指していると思います。もちろん、国内メーカーも以前に比較すれば、今は随分よくなりましたよ。例えば、以前はSpring-8に行くと、そこの研究者のいろいろな人のノウハウが含蓄された説明書をかなり読まないと、外部利用者はすぐには利用できないのですが、ヨーロッパの放射光、たとえばスイスの放射光なんかでは日本の若い研究者が行ってもすぐに利用できてしまうのです。
なぜかというと、当たり前なのです。島国のSPring-8とは異なってヨーロッパにある放射光施設は多国利用が前提で多様な利用ニーズを考慮しています。その結果として、分かり易い英文でまず基本的な測定が理解できて、次に・・・という利用ニーズを考慮しています。即ち、とにかく1回利用してみなさいと、Aボタン、Bボタン、Cボタン、それでさらに高度な利用についてはその次に行くのです。もし、最初から難解な説明が書いてあったら、その国から文句が来ますよね。
日本の場合は、とにかく利用したいのだけれども、いきなりもう最高感度での利用を想定して使用条件がながながと書いてあるのです。その哲学を学んでからでないと、Spring-8は使えないと思ってしまう。もちろん、今は随分変わりましたよ、十数年前はそうだったのだけれども。

【佐藤主査】  今のユーザビリティーの話は、ユーザビリティーというのは、ニーズも考慮して、自動化も考慮して、いろいろなことが入っているので、技術的にはかなり高度なのです。だから、先端計測の見える見えないという最先端の部分だけでは済まなくて、その部分まで含めて考えて、これまでも歴代の先生方に聞くと、それなりにそういう観点で支援してきたはずだ、にもかかわらずユーザビリティーが上がっていないというのはどういうことだという話がいろいろあるのです。
本質的にそこが上がらないと、大学でも使いづらいし、研究の効率も上がらないし、新しいアイデアを生み出すにも、そこに余り時間をかけないで、出てきた結果で新しいことをやりたいわけですから、そこの加速性を考えると、みんなが使いやすくするためには、かなりニーズとかいろいろなことが分かった上で作らなければいけないだろうと思うので、是非取り上げなければいけないと僕は思っています。いいですよね。

【横山上席研究員】  西島先生は放射光の例を出されて、コミュニティーでいろいろなユーザーが集まって、情報交換をして、まだできないこと、あるいは自分はこういうことができるようにしたから、皆さんこれを使ってくださいという意味では、ファシリティーに集まるというのは物すごく重要なことで、放射光はまさに、非常に少数のファシリィーにみんなが集まるという意味では、モデルなのだと思うのですけれども、多分そこで御経験があると思うのですが、先ほど始まった頃の話をされましたけれども、今これだけ多くのユーザーになってきた場合に、そこで実際にユーザビリティーを拡大するような開発がうまくいっているのかどうかというところはいかがですか。

【西島委員】  今ですか。

【横山上席研究員】  今まで続けてきていて。

【西島委員】  放射光ですか。

【横山上席研究員】  放射光で。

【西島委員】  今、放射光は、これまでの使用実績、データ集積、シミュレーション等を踏まえて、今後どういうふうに取り扱うかのノウハウはかなり蓄積していると思います。今後は、精密測定が困難なタンパク質等に対して、蓄積データ、シミュレーション手法等をどのようにうまく使っていくのか、これからはそういうことも必要なのではないかと思う。
特にXFELみたいな形になってきた場合に、うまくいく場合といかない場合があるので、そういうことに対しては、どうすればうまくいくのかシミュレーションするとか、XFELは分解する過程を撮るという測定ですが、測定する前後のシミュレーションをどう活用するのかというのが関心ごとと思います。

【横山上席研究員】  そういうのもユーザーが集まっているとニーズがあって、ニーズがあれば、また新たな開発につながるということですよね。

【西島委員】  そうですね、はい。

【横山上席研究員】  だから、検出器を自分で作って、そこで初めて計測をするというような人たちではないところで、ちゃんとシステマチックにそういう開発をリードしたり、反映したりする仕組みがあれば、そこはうまくいく。

【佐藤主査】  ほかに委員の先生方でこれだけは言っておきたいというのがございましたら、是非。

【横山上席研究員】  余りしゃべるとあれなのですけれども、さっき具体的なソフトウエアの開発が書いていないという御指摘だったのですが、こうやって必要となる要素技術として見ると、ソフトウエアの開発なのかとも思う項目が結構いっぱいあるような気がしますから、これは十分この報告書で俯瞰できているのではないかと思います。

【佐藤主査】  森川委員、御意見、質問等、どうですか。

【森川委員】  CRDSの技術俯瞰図を基に、私は10年間いますけれども、これまでも何度かやってきましたけれども、今回のように4つの分野に絞って、これほど深掘りして体系的にまとめたということは、従来にないすばらしい成果だと私は思います。
ただその上で、もういろいろ御指摘がありましたけれども、結局最先端の要素技術の周りには最先端のニーズが寄ってくるし、最先端のニーズがあるところにはまた要素技術開発者が集まってくる。その知のスパイラルがまだなかなかうまくいかないなと。10年の間、途中5年目ぐらいからプラットフォームというのがありまして、ソフトウエア開発もテーマとしてやったりしたのですけれども、結局場だけではなくて、そこで動く人のインテグレーションというか、インテグレーターの存在も必要かもしれないのですけれども、これからそこのところにどうアプローチしていくのかが課題なのかなと。
ただ、今回の4分野の最後のところに課題を明確に指摘しておられるので、これは公開するわけですね。これが知のスパイラルの1つのきっかけになっていくだろうと私は思いまして、これをまとめられた方には本当に敬意を表したいと思います。

【佐藤主査】  今回はそういう意味でのまとめ方をしたのですけれども、これは個人的かもしれないですけれども、理想的には、オープンイノベーション的なことが起こらないと、先端計測の事業を見ていて、やっぱり結局個別の開発になっているのです。
例えば、半導体のムーアの法則ではないですけれども、あれを見ていると、ITRSのロードマップがあって、材料屋も装置屋もいろいろなソフトウエア屋も、何を次に開発すればいいかというロードマップを、本来は企業で見たら、秘密情報なのですけれども、挙げているのです。挙げて、あのもともとの趣旨は、日本の半導体に勝つためにああいうのを始めたという話なのですけれども、それを乗り越えてしまって、本当の意味でのオープンイノベーションが起きてしまっているのです。それでそれを使って、物すごく高性能なコンピューターができてくる。
だから、こういう計測分析装置において、統一的に全部を引っ張るようなロードマップ指標は何なのだというのが、みんながこれに乗っかってどんどん開発していけば、ファイナンスもちゃんとついてきて、お金も出てくるという仕組み、今、半導体はそうなっているわけです。そういうことに乗り遅れた日本だけが落ちてしまっているのですけれども、そういうことをちゃんと描いて、示していけば、先ほど横山先生なんかが言われたことの先に自然とロードマップが引かれて、ソフト開発も含めて、どんどん開発ができてくるのだろうと。
我々はそこまで踏み込みたいのだけれども、さすがにできないので、まずこういう方向を示してみて、その次に何をどういうふうにやっていけばいいのかというのを描いていけば、本当の国策の事業になっていくのではないかという気がするので、まず第1ステップとして考えてほしいのです。
ほかによろしいですか。いろいろな御意見を頂きまして、どうもありがとうございました。皆さんに頑張ってもらって、物すごく膨大な資料を作成したものですから、ちょっと消化不良のところもあったと思いますけれども、皆さんの御意見をいろいろ考慮して、あとは主査に一任していただいて、少し修正させていただいて、報告書の形で上げたいと思います。
それで、この資料は、きょう親部会の岸本部会長もおいでですけれども、その上の会にこの資料を上げなければいけないということで、岸本部会長に残っていただいて、こういう意見を踏まえて、この報告書を出すことにしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【岸本部会長】  是非よろしく。

【坂本委員】  これは置いていくのですよね。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  はい、こちらのJSTの資料だけは。

【原田委員】  こちらはいいのですか。
【渡辺研究開発基盤課課長】  後ろの方の参考図の中に、許諾の関係から公開できないものがあるのですが、そこの部分のお取り扱いに重々御注意いただきまして、回収までは必要ないと了解をいただいておりますので、その部分だけお取り扱いに御注意ください。

【佐藤主査】  では、あとは事務局から連絡事項。

中川研究開発基盤課課長補佐より、今後の予定について確認があった。

【佐藤主査】  それでは、きょうはどうもありがとうございました。終わりたいと思います。

── 了 ──


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