【資料3】大強度陽子加速器計画中間評価報告書(平成19年6月)における指摘事項の概要

第2期計画について

物質・生命科学実験施設及び原子核・素粒子実験施設

  • 中性子・ミュオンのビームラインの高度化、ハドロン実験施設の拡張などについては、関連する研究者コミュニティで、当該分野における優先順位付けを行い、その時点での財政状況等を踏まえつつ、判断していくことが必要

核変換実験施設

  • 核変換技術については、重要な基盤技術として引き続き研究開発を進める必要がある
  • 核変換実験施設の整備については、原子力政策全体の中で検討していく必要があり、今後、原子力委員会等の評価を踏まえて進めていくことが適当である

フライホイール

  • 50GeVシンクロトロンの運転状況を見ながら適切な時期に再度レビューを行い判断することが必要

多目的研究施設としての運用体制の構築について

  • J-PARCの運営に当たっては、国際諮問委員会や利用者協議会などの仕組みを有効に活用することにより、ユーザーの意見を汲み上げるような運営を目指すことが必要
  • J-PARCセンターの円滑な運営のためには、センター長のリーダーシップはもとより、各副センター長の明確な役割分担やディビジョン長への必要な権限と責任の付与が必要
  • センター内各組織が緊密に連絡を取り情報を共有できるような運営体制を構築していくことが必要
  • 両機関(JAEAとKEK) の協力の下、J-PARC センターにおける明確な指揮命令系統の下、両機関の人員が融合し一体となってセンターを運営していくことが必要

円滑な施設利用体制の構築について

  • (審査体制について)様々な分野における課題の応募が想定されることから、専門部会の下に課題分野ごとの専門の分科会を設けることが適当
  • JRR-3との合同審査体制の構築など、一律的な運営を目指した検討が必要
  • 両機関は、(課題について)機関の評価に際しては異なった評価基準で評価を受けることに留意する必要がある。一方、ユーザー側からは、このような利用体系を意識することなく利用できるような配慮が必要
  • ビームラインの整備に当たって、国際諮問委員会や利用者協議会などを通じて利用ニーズの把握に努めるとともに、これらニーズを踏まえ、研究分野のバランス、学術研究と産業利用のバランスを考慮して適時に設置することが必要
  • J-PARCとJRR-3は相互補完の関係にあり、今後のニーズの広がりを見ながら、両者の一体的な運営と同時に有効な使い分けの方策を検討すべき
  • 産業界のニーズを掘り起こし、利用を促進して行くにはトライアルユースが非常に有効であることから、J-PARCの中性子利用においてもこれを導入することが適切
  • コーディネータや技術支援者を育成するためには、適切な評価の仕組みやキャリアパスを検討する必要がある
  • 試料の前処理からデータ取得・解析までの一貫した分析サービスを受けられるような制度も検討することが適当
  • 知的財産権の保護や機密保持の徹底など産業界に使いやすい仕組みを早急に整備することが必要
  • J-PARCセンターは、県との緊密な連携のもと、コーディネータの人材交流などを実施することが望ましい
  • 光熱費や装置保守費など、今後のビーム試験や運用の経験を基に、経費削減に向けての努力を行うことが必要

国際公共財としての取組みについて

  • 研究環境及び生活環境の国際化が必要
  • 外国人研究者のユーザーズオフィスの整備や、外国の研究環境やニーズを理解し、汲み取ることのできる支援者の雇用などの環境整備が必要
  • 利用者の居室や宿舎等の環境整備が喫緊の課題であり、茨城県や東海村など自治体との連携・協力の下、速やかな対応が必要である。
  • 居室における英語表記や多種民族に対応した食堂などの環境整備とともに、研究者の家族の教育、医療等の生活支援や家族の活動機会の充実など自治体・地域社会と協調した取組みが望まれる。
  • 広報担当者を配置し、国際的な広報活動の強化を図っていくことが必要

今後の課題等について

  • センターの位置づけを含むJ-PARCの運用・利用体制については、今後のJ-PARC を取り巻く情勢、研究や技術の進展、利用ニーズの動向、運用開始後における知見や経験等を踏まえ、適切な時期にレビューを行うことが必要

お問合せ先

研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室

季武
電話番号:03-5253-4111(内線4336)

(研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室)