研究開発プラットフォーム委員会(第13回) 議事録

1.日時

平成26年4月14日(月曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 15階特別会議室

3.議題

  1. 共用プラットフォームの取組について
  2. その他

4.出席者

委員

二瓶主査、宇川主査代理、今仲委員、瀧澤委員、長野委員、西島委員、村上委員、吉川委員、吉澤委員、佐藤委員、野田委員、福嶋委員、緑川委員、森委員

文部科学省

伊藤科学技術・学術政策局次長、村田科学技術・学術総括官、弦本研究開発基盤課長、橋本研究開発基盤課総括・交流係長、神部量子放射線研究推進室室長補佐、川口計算科学技術推進室長

オブザーバー

平山高度情報科学技術研究機構神戸センター長、平原物質・材料研究機構ナノテクノロジープラットフォームセンター運営室長、木川理化学研究所生命システム研究センターチームリーダー、野村高エネルギー加速器研究機構理事

5.議事録

第13回 科学技術・学術審議会 先端研究基盤部会
研究開発プラットフォーム委員会
平成26年4月14日


【二瓶主査】  それでは、定刻になりましたので、本日の会議を始めたいと思います。本日、ただいまから第13回の研究開発プラットフォーム委員会でございます。
本日の議題は、お手元資料にございますとおり「共用プラットフォームの取組について」を予定しております。
事務局より出席者の確認、配付資料の確認等をお願いします。

○橋本研究開発基盤課係長より,出席者の紹介と配付資料の確認があった。

【二瓶主査】  それでは、早速でございますが、本日の議題「共用プラットフォームの取組について」に入りたいと思います。
前回委員会の冒頭でも申し上げたかと思いますが、本委員会において、我が国の科学技術イノベーションを支えるプラットフォーム構想に向け、先端的な研究基盤の整備並びに運用等の方策について検討を行うということとしておりまして、その検討を進める上で参考にするために、実際に様々な共用プラットフォームの取組を実施している関係諸機関から現状を御説明いただきたい、そう考えております。その上で、現状を把握するとともに意見交換を十分に行い、本委員会の参考にさせていただきたいと考えております。
まず、ヒアリングに入る前に、事務局より今回のヒアリングの趣旨について御説明をお願いいたします。

○橋本研究開発基盤課係長より,参考資料1及び2に基づき説明があった。

【二瓶主査】  それでは、関係機関からのヒアリングに入りたいと存じます。
前回の委員会では、文部科学省が推進しております共用プラットフォームの取組のうち、ナノテクノロジープラットフォームと革新的ハイパフォーマンスコンピューティングインフラの取組状況についてヒアリングを行いました。本日は、平成25年度から取組を開始いたしましたNMR共用プラットフォーム及び光ビームプラットフォームについて、それぞれ中核を担っていらっしゃる理化学研究所と高エネルギー加速器研究機構から御報告をお願いしております。
今回のヒアリングの進め方も前回と同様、各機関20分間の御説明を頂きまして、その後15分間の質疑を行いたい、そのように考えております。
それではまず、NMR共用プラットフォームの取組について、理化学研究所生命システム研究センター木川チームリーダーにお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いします。

【木川チームリーダー】  御紹介ありがとうございます。そして、お時間を頂きましてありがとうございます。
きょうは、NMR共用プラットフォームの取組について、代表を務めさせていただいています理化学研究所の木川が説明をさせていただきます。
では、資料2-1を御覧ください。
NMRというのは、装置としては各研究室に入って使われていますが、非常に大規模な施設から比べればかなり安いかもしれませんけれども、一般的な研究機器としては非常に高額な部類に入ります。高額というのは、ただ買うだけではなくて、それを維持していくこと、そしてさらには技術の進展に合わせてアップデートしていく、この全てが実験室の機器としては高額な部類に入ります。
そして定常的な維持管理というのが、非常に大変であり、それにはノウハウも必要、それを担当する人も必要です。もちろんここで挙げたようなお金も必要です。それから最近ですと、液体ヘリウムの確保なども大変であり、より一層装置の維持が大変という問題も出てきました。
こういったことが非常に大変な上に、更にこれを使って研究成果を得るためには高度な、利用するための技術というのが必要です。現状どのような状況になってきているかと言いますと、例えばアカデミアであれば、一般的な学部や部局レベルでこういった装置、研究室レベルではもちろんそうですけれども、維持していくのが非常に難しくなってきています。また、特に日本の企業で見ますと、800メガヘルツ以上の、非常に大型装置と分類されるものに関しての導入は、少なくとも非常にまれです。恐らく、今まで公表されているレベルでは、ほとんど800メガヘルツ以上の装置は企業には入っていないと思われます。それから、こういった装置を使いたい若手の研究者、ないしは独立したラボを持ち余り大きな研究機関には所属していないような研究者にとって、こういった大型の装置を利用する機会が非常に少ない、利用できる機会が少ないという状況になってきております。
このような中で、最新設備や技術に誰でもアクセスできる場としてNMR施設を構築し、継続的に維持していくことが業界では必要になってきております。こういう観点で、我々理化学研究所、それから横浜市立大学、大阪大学の3者が連携して、NMR共用プラットフォームを形成しまして、先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業の中で現在活動を始めております。
プラットフォームで目指すことは、産官学の研究者への共用を更に促進する。個別の機関はそれぞれ最先端の技術を持っていて、かつ共用事業を進めており、共用の取組もしているわけですけれども、更に連携することによってこの共用を促進する。それから、国の掲げている目標である科学技術イノベーションによる重要課題の達成や、日本企業の産業競争力の強化、研究開発投資効果の向上などに貢献していく。そして、特に産学連携研究を促進するような人材の育成というものを促進していくということを目指しておりまして、この3機関、地理的には、関東の横浜に理化学研究所と横浜市立大学、それから関西の大阪に大阪大学があるということです。4ページに記載しておりますとおり、多彩な装置をそれぞれの機関が共用して、それぞれ10台程度の装置を共用しているということ。それからもう1つは、それぞれ非常に特色のある歴史的な背景ないしは技術を有しており、この連合体というのは、少なくとも国内に匹敵する施設や施設群というのはない、NMR施設の非常に強固な連合体になっております。
このプラットフォームとしての活動、3か年の事業目標ですけれども、プラットフォームの運営体制をまずしっかりと構築していくということで、3機関のメンバーから成る運営委員会を設置して、ここでどういった活動をしていくかというステアリングをしていくという体制を組んでおります。それから、利用者の利便性の向上ということで、例えばポータルサイトを作る、ワンストップサービスを実現していく、利用システムの標準化、こういったことをひとつひとつ進めていこうということがあります。さらに、特定課題利用枠というものをプラットフォームとして設定して、利用課題を募るということをやっておりますが、後で詳しく説明いたします。また、人材育成の促進ということで、セミナーや講習会、講演会というのを開催したり共催したりということを進めていきます。それから、他の施設、他のNMR共用施設や他のプラットフォームとの協力・連携関係の構築も、少しずつですが進めております。今後、我々のNMRの技術領域でどういった研究開発が必要かというような課題の検討というものも、これから進めていこうと考えております。
そして、特筆すべき取組として、まず、3機関の公募の時期、利用課題の公募の時期。これはプラットフォームとしてだけではなくて、それぞれ各機関の共用事業の取組に関しても公募時期を同期させております。具体的には年に3回、昨年行いましたが、全て3機関が同時に公募して、審査を行いました。
課題を選定する委員に関しても、できる限り各機関で共通化するというようなことを進めております。これは、すなわちどういった課題が各施設で行われているかを、全てに知識を持った委員が入ることによって、それぞれの取組に関してのアドバイスが効率よく行えるということを目指して進めています。
それから、プラットフォームとしては、繰り返しになりますが、特定課題利用枠を開始したということです。それから、セミナー、講習会の共催というものもいろいろな形で進めています。これはプラットフォームの中だけではなくて、プラットフォームの外との連携も含めて、共催を進めています。また、3月にポータルサイトを開設いたしました。
まず、特定課題利用の詳細について御説明させていただきます。
これは、NMR共用プラットフォーム、ないしはNMRの技術領域の拡大発展に資する研究課題、実施課題を、機関ごとの共用取組とは独立に、プラットフォームとして募集し実施するということであります。実際に、この選定に当たっては、外部有識者で構成される委員会によって厳正に審査します。特徴は、機関ごとの共用取組とは運用方針が一致していない。これはプラットフォームという観点から見て受ける課題かどうかということを審査するという意味で、運営方針が異なったものになっております。
では、具体的に、この技術領域が拡大発展する課題というのはどういうものかということで、我々としては幾つかのカテゴリーを示しております。1つは、複数機関にまたがる利用ということで、3機関間、ないしは3機関と他の共用施設をまたいで実施する課題を受け付けていくというものです。先ほど申し上げましたとおり、ワンストップサービスや施設間の連携協力をやっていこうということですけれども、実際に課題を受けることによって問題点をあぶり出して、今後きちんとしたワンストップサービスを組み上げていく上でのフィージビリティースタディーというような位置付けとして、実施したいと考えております。もう1つは、技術領域の拡大発展ということで、最先端の技術開発をする。具体的にはNMRの装置に関わる技術やNMRを使った手法の開発、さらにはそれを利用して課題を解決する利用技術、こういった技術の開発を、各機関が有する様々な独自の技術をうまく活用しながら、最先端の技術を進めていく、開発を進めていくという課題について、プラットフォームとしてしっかりと支援していこうということです。実際にはこういった各セクターによる技術開発を加速したいという思いがあり、特にここでは、若手からの課題をできる限り採択して支援していこうという観点で進めております。
8ページについては、内容がある程度重なってしまうこともありますけれども、ポイントは、トライアルユースという仕組みが機関ごとの共用取組の中であるわけですけれども、これは6か月という非常に短期間の利用に限られているわけですが、それでは解決できないような、それよりもある程度長いスパンで取り組まなければいけない課題に対応するということ。それから、出口志向、例えば何々の分析をします、何々のこういった現象を分析しますといった出口志向の課題は機関ごとの共用取組で行うかわりに、こういった分析、解析をするために必要な技術開発はプラットフォームで行うというような区分でやっております。
それから、飽くまで我々の枠組みを示していますけれども、それを更に進めるような、コンセプトとしてはプラットフォーム、ないしはNMRの技術領域を発展する課題を受け付けるというのが非常に大事な根幹のコンセプトですので、それに対応するような積極的な課題の提案というのを歓迎して、受け付けたいという思いでおります。
この利用に関しては、成果は公開型。それから、年二、三回の公募、実際には各機関の共用取組の公募と同時期に課題選定、受け付けを行うということ。それから利用単位は1年間で、かつ先ほど示した委員会が評価をして、これは継続していい課題であるということであれば継続できる、そういった形での運用を進めております。
具体的に、昨年度は夏頃から課題を公募し始めまして、平成25年度に2回、それから平成26年度の1回目の課題選定がこの3月に終わったわけですけれども、そこで採択された課題が9ページに記載したとおりです。それぞれ利用する施設は、各施設、それから複数機関にまたがるもの、こういったものを実際に受け付けております。
ここまでが先ほどの特定課題利用の説明でありまして、次に、セミナーや講習会の共催としては、10ページに記載いたしました7件のセミナーの講演会、講習会等の主催ないしは共催をしております。
そして、ポータルサイトの開設に関しては、先ほど申し上げましたとおり、将来のワンストップサービスに向けた窓口として立ち上げました。実際に特定課題利用の公募受け付けは、このサイトから行っています。また、機能としては、3施設の利用事例や、装置ないしはアクセサリーの一括検索ができることによって、横断的に、施設が持っているもの、施設でできるもの、我々プラットフォーム内でできることというのが分かりやすく探せるようになっております。
以上が我々の取組の紹介でありますが、ここからは研究開発プラットフォーム委員会の調査検討に資する取組ということで、御説明ないしは御相談のポイントを挙げさせていただきたいと思います。
まず、諮問事項として共用プラットフォーム構築に係る問題点ということで、12ページに幾つか挙げさせていただきました。立場の異なる3機関というのは、理化学研究所は独立行政法人、横浜市立大学は公立大学法人、大阪大学は国立大学法人、そしてそれぞれ、独立行政法人のセンター、大学の研究科、附属研究所ということで、我々3機関、全く立場が異なっています。そういう意味で、予算制度も人事制度も組織のミッションも、それからそれを支える基になります法律まで違っている状況です。このような3機関が手を組んで進めようということでありますので、進めていく上で、意識が一緒でもなかなか意見が一致しない場合もあります。そのため、この機関間の意見調整というのは非常に重要であり、単に年数回の会議を開催するだけではなくて、メーリングリストやテレビ会議システムを活用して、なるべくコミュニケーションを密に図るということを頑張ってやっております。
ただ、やはり安定的な予算措置というのはそれぞれ各機関で非常に悩みでありまして、それが安定的でないと、数年掛けたタームでいろいろな物事を考えにくいというところがありまして、そういう意味で、これがないとノウハウや経験の蓄積や継続性といったものがなかなか担保しにくいということが我々の悩みであります。
先ほど挙げた特定課題利用ということをやっていきますと、装置を作る企業、ないしはいろいろな利用技術を作る企業との関連が深くなってくるのですが、企業との連携の在り方をどうするべきかという、幾つか議論が今出てきています。例えば、プラットフォームとしてやるべき課題と、企業が企業自身で開発すべき課題の線引きはどこにあるのかというようなところについては、先ほどの課題選定委員会でもかなり議論になっております。
それから、将来的に料金を統一する点について、具体的に言いますと600メガヘルツのNMR装置を1時間使う費用というのは、できれば、ユーザーの目から見ればそれぞれ同じであるべきですけれども、こういった様々な制度の違いによって統一しにくい部分があり、非常に難しいところです。それから現在、NMRの共用プラットフォームは3機関で構成していますけれども、これをどこまでの規模にすべきか、どういった機関が入るべきなのかということに関してはいろいろな考え方があり、今、我々の中でも議論がいろいろあるところで、恐らく外部から見た場合にもいろいろな議論があるのではないかと思います。
その次に、人材育成・確保に向けた取組ということですけれども、我々として1つやっているのは企業との人材交流ということで、兼務による人材の受入れなどを少し進め始めています。また、特定課題利用ということで、若手の申請を推奨する、奨励するということで、実際にアカデミアからの課題1件、企業からの2件は申請者が若手、実際に若手が主体となって進んでいる課題です。
他の事業や研究開発プログラム、学会との交流、連携ということで、実際に我々が共催しました、In Cell NMRトレーニングコースは、NEXTやCREST、新学術領域といったプログラムとの共催で行うとか、第3回の超電導応用研究会シンポジウムとの共催に関しては、当研究会との共催ということで、超伝導材料を切り口にしてNMRとMRI研究者のセミナーを開催する。こういった、いろいろな他の事業やプログラム、学会、研究会といったものとの連携を図ることを進めています。
ただ、人材の安定確保はやはり非常に大変でありまして、それは先ほどの予算制度の問題というのもありますけれども、例えば、この制度は3年続く、それから理化学研究所は独立行政法人ですので、5年で様々な事業の見直しがあるということになりますと、ロングタームで人を雇うことが制度的に難しい。そうすると、安定してある程度こういった技術支援をしたいという志向を持った人がいたとしても、そういう人が安定的にいられないというような問題がやはり生じております。それは各機関、プラットフォームとしても非常に悩みです。
それから、利用者からの評価・要望という問題ですけれども、これはプラットフォームとして寄せられた部分もありますし、それぞれの共用取組の中で寄せられたものもありまして、少し混同している部分もありますけれども、1つは、こういったプラットフォーム、ないしは施設の共用、それがプラットフォームとして進んでいくということに関しては、企業の利用者からいうと、特に海外企業との競争ではこういった測定装置の差、海外であれば非常に大型の装置をかなり自由に使える環境が整っているのに、日本ではなかなか整ってこなかったということから、そこでの差で負けることが多かった。そういう点では非常に有り難いと感じております。そういう意味では、企業でそろえることができないようなものをそろえてほしいという要望であります。
ただ、事務手続に時間が掛かるということは言われておりまして、これはそれぞれの機関の、どうしても様々な法律に見合ったものをきちんとそろえるとか、そういうことをやっていくと手間が掛かってしまうというところを何とかしてほしいというような要望もありました。
これは、こちらと同じようなものです。施設ごとの料金の差が大きいというのは、先ほどの料金の統一ということで、そこはやはり今の状態では大きいというようなことがありました。
ポジティブな声、それからもっと直してほしいというようなことは、プラットフォーム、ないしはそれぞれの取組としてもいろいろな声が寄せられております。
他の共用プラットフォームや事業との連携ということで、どのようなことをしているかということですけれども、実は本日、文部科学省に来る前にちょうど打合せをしてきたのですけれども、この後発表があります光ビーム共用プラットフォームとは、例えば旧分析展、今JASISと言っていますけれども、JASIS2014ではブースの出展を、なるべく共同して行おうということで、実際JASISに関しては、まだ構想段階ですけれども、それぞれ光ビームプラットフォームとNMRプラットフォームが並んで出展するというようなことを今予定しております。
また、他の国内NMR施設との連携ということで、例えば北海道大学が今回、先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業に採択されましたけれども、北海道大学が事業を立ち上げるに当たっては、我々がいろいろなノウハウを教えるというようなことをやっています。 また、理化学研究所自身では、我々が持っていましたNMR装置を国内の研究機関へ貸与するというような活動もやっております。また、他の共用制度に参加ということで、横浜市立大学や大阪大学に関しては、共共拠点への参加や、文部科学省が進めています創薬等プラットフォームにも参加するということで、事業連携を行っております。
それから、イノベーション創出に資する取組内容という諮問に関しては、先ほど言いました特定課題利用というのを推進しております。これは、NMRに関わるいろいろな技術の開発を促進したいというようなコンセプトからいっているわけですけれども、こういったことを進めていきますと、共用事業というのはある程度メニュー化された、規格化された施設利用ということで進んでいくわけです。これを超える範囲というのをどのようにやっていくか、費用をどのように負担していくかということが1つ問題になっています。具体例を挙げますと、我々の施設などですと電池です。燃料電池とか次世代の電池について、起こっていることをその場で計測したいとか、材料を測りたいという要望があり、これに関して特殊な仕様のアクセサリーが必要になってくる場合、それを作る、ないしは改造するというのは、一体、利用者の負担なのか施設側の負担なのかというようなことです。それから、NMRの場合、試料を安定同位体標識して測ることがありますが、そういったときに必要な特殊な試薬、試料というものは一体誰が負担すべきなのかということが1つ問題になっていて、ここはなかなかうまい解決策が見つかっておりません。
それから、先ほど挙げたとおり企業で開発すべき内容と、この取組の中でやるべき内容は、どこに線引きがあるのかというのも議論しております。それから、こういった部分と、共用取組と、それから施設の中の利用をどのように優先度を付けて割り当てていくのかというのも、今非常に難しくなってきています。
最後になりますが、このNMR共用プラットフォームの今後の課題と取組ということですけれども、1つは、持続的な運営をしていくために、安定的な財源を確保しないと、毎年予算額が動いて、それに合わせていろいろなものが変わっていくということになりますと、運営側は非常に大変になってくるということがあります。それから、今までNMRが使われてきた分野だけではなく、新しい分野の開拓を含めた部分に対応した研究開発というのが必要になってくるということです。そして、我々としては、企業やアカデミアからのNMRに関する要望の受皿、そしてそれを受けた開発拠点化、そういったことをこれから課題として取り組んでいかなければいけないと考えており、また、日本の企業ないしは日本のこの分野の国際競争力の向上へも寄与していかなければならないと思っております。
それから、3機関だけではカバーできない地域や利用分野について、国内機関との連携協力体制の構築というのもこれからの課題だと考えております。
以上、これでNMR共用プラットフォームの説明は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

【二瓶主査】  ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして御意見、御質問等ございましたら、どうぞ御自由に御発言ください。

【野田委員】  公開が原則になっているというお話でしょうか。

【木川チームリーダー】  特定課題利用に関してはということです。機関ごとには、もちろん成果非公開の利用がありますけれども、プラットフォームにまたがった利用に関しては、成果を公開するという形態にしております。

【野田委員】  企業の方の利用が多かったので、その辺はうまく調整が付けられているのかなと思います。

【木川チームリーダー】  そうですね、どちらかといえば、成果が公開されることによって企業だけではなくてユーザーにも利益がある課題ということを考えて、企業の方も応募してきていると理解しております。

【野田委員】  ありがとうございます。

【森委員】  16ページで、新しい領域を開拓する上で、メニュー化、規格化された施設の範囲を超える新しい活動について聞かせていただきました。こういう特殊なところ新しいところというのは、研究者であればもう御自分で切り開いていかれると思います。特に、新しい領域については。
それで、質問のポイントは、そういういわば独立の研究法人なり大学で、どちらかというと研究プロパーでやっておられる方が、こういうところへもう少し喜んで参画していただくためには、責任者としてどういうことが必要であるとお考えでしょうか。こういうことは、自然と融合が起こっていくことが望ましいと思います。ここに挙げておられるようなことは、本当は研究者であれば自分の研究費でやられるようなことであり、そういう中から新しいものが出ていくと思います。この共用の枠組みでは何もそこを、研究プロパーの研究者がやっていくデューティーは、余り文言としてははっきりしていません。しかし、研発法人や大学にはいっぱいそういうすぐれた研究者がおられて、そういう方との融合がうまく起こっていけば、もっとエフィシェンシーが上がる仕組みになると思いますけれども、そういうためにはどういうことが起こればいいというふうにお考えでしょうか。

【木川チームリーダー】  ここで挙げた例で言いますと、我々としてこういうことをやれる技術は持っております。ただし、理化学研究所でいえばセンターというミッションを持った組織ですので、そこで対応し切れない範囲に行くという点で、これはどういったところから予算を出すべきかというようなところになっていくわけですけれども、そういう意味で、例えば1つのやり方としては、この事業ではないかもしれませんが、こういったものを進めていく上で必要な予算枠があるとかいうところが1つ挙げられます。どのような形がいいか、ちょっと今すぐ言えませんけれども、例えば施設と利用者が共同で、新しいというところまでは行かないかもしれませんけれども、こういったものを生み出すために必要な予算制度があれば、理化学研究所自体はやりやすいということはあります。
今の御質問のもう1つは、施設で対応し切れないことに何かエクスパティーズを持った研究者が入ってくれば、そこのエクスパティーズないしは能力を持った人との連携がうまくいって、よりこういったことはできるのではないかという御質問だというふうに理解してよろしいでしょうか。

【森委員】  はい。結局、組織とおっしゃっても1つの独立研究法人であり、あるいは大学の中であると思いますので、ちょっと目を横に向ければ、もうそういうポテンシャルを持たれた研究者はたくさんおられると思います。同じ組織、理化学研究所だったら理化学研究所の中において、そういう方々がもう少し自発的な感覚を持ってこういうところへ入ってこられるには、どういう仕組みが必要か。別の言い方をすると、共用の高度化に対する人の仕組みです。そういうこととのリンケージで望まれておられるのはどういうことでしょうか。

【木川チームリーダー】  人のリンケージというのは、ある程度各施設で努力をすることによって広げることは可能かと思いますが、やはりそれに必要な予算、どうやって支えてあげるかというところで1つ仕組みが必要だと感じております。例えば、この事業か、この事業に寄り添うような機器開発をするときに必要な予算を、そんなに大きい額ではないけれども、ポケットマネーで出すような額でもない。そういったものを進める上での予算制度を、この事業に寄り添う形で設けるというようなことでもいいのかなと思っていて、そうするだけで、逆にここから先に出る出口のところが発展していくという形で、何か呼び水になるような制度が寄り添っているというのがいいのかなと今、思っています。

【森委員】  ありがとうございます。

【村上委員】  ネットワークを結ぶことによって新しい価値、新しいメリットを出そうという取組で、5ページに事業目標と書かれているところですが、いろいろやられている、あるいはこれからやろうとしていることだと思います、質問は、このネットワーク化によって新たに出てきた成果、あるいはこれから出るだろう成果というものの一番大きいポイントというのはどこだというふうにお考えでしょうか。

【木川チームリーダー】  1つは、それぞれ各機関の特色がありますが、逆に言えば、各機関にそのまま行ってしまうとそこの範囲で閉じてしまうということもありますが、これだけ、ある程度地域的にも広がりがありますし、技術的にも広がりがあるので、ユーザーが、うまくすれば、複数の機関を組み合わせて、今までではなかなかやりにくかったことができるようになるという意味でのネットワーク化というのは、強みがあるのではないかと思っています。

【村上委員】  それはシステムとして具体的に、特定課題利用枠というのはどうもそういうことを技術的なところで目指しておられるように見えるのですが、一般の利用に関しても、今おっしゃったような複数機関の利用によって成果の創出ということができるのでしょうか。

【木川チームリーダー】  それが、ワンストップサービスと言われるものを目指すところでありまして、ある1つのところに申し込めば、各機関の様々なエクスパティーズを組み合わせて提案するというような形に持っていければいいと。

【村上委員】  それはこの特定課題利用という枠の中でしょうか。

【木川チームリーダー】  というよりは、そういう意味ではワンストップサービス化です。

【村上委員】  それは一般的な課題に対しても通用されるのでしょうか。

【木川チームリーダー】  はい。

【村上委員】  もう1つの質問は、特定課題利用というのは、これは技術的な共通の発展を目指す課題に限るのでしょうか。

【木川チームリーダー】  現在のところ、共通の課題、一応コンセプトとしては、プラットフォームや技術領域の拡大に資するようなものを特に目指しているということでありますけれども、今のところの位置付けは、そうです。

【村上委員】  7ページに書いてある「複数機関にまたがる利用」というのは、技術的な領域の拡大ということに関するということでしょうか。

【木川チームリーダー】  はい、そうです。ただ、今まで、1つのユーザーが1つの課題で複数機関を使ったことがありませんので、そういう課題を実際に走らせてみないと、いろいろな問題点というのがなかなか出しにくいと思います。我々が頭の中で考えている問題点ではないもの、今までの共用事業の経験からいって、意外なところが問題になってくることが多いので、実際にそういった課題を走らせてみて問題点を出して、実際ワンストップサービスをきちんと作り上げる上で、そういったところからノウハウを得ようという発想でおります。

【村上委員】  わかりました。
最後に1つ。若手育成重視というのは、具体的にはどういう取組でしょうか。

【木川チームリーダー】  若手からの申請課題はできる限り支援してあげたいという意味で、若手からの課題に関しては特に、その内容、実際にこの選定プロセスでは、あなたは入りましたよ、落ちましたよというような単純なものではなくて、審査結果のフィードバックをしています。そのときに、委員が、こういったことをもうちょっと考えて課題を組んでみなさいとか、そういうアドバイスも含めて行います。資料には書いておりませんが、そのようなことを行っております。

【村上委員】  若手に関してのみでしょうか。

【木川チームリーダー】  実際、全てのユーザーに対して実施しておりますけれども、若手に関してのフィードバックとシニアに関してはそれぞれ言うことが違いますので、特に若手に関しては、若手をエンカレッジするような形でのコメントを出すようにしていただいていますし、それは実際、我々がそういうふうにお願いしなくても、各先生が、エンカレッジするような形でのコメントを出していただいております。

【村上委員】  若手が通りやすいとか、そういう話ではないわけですね。

【木川チームリーダー】  本当は通りやすくしたいところですけれども、やはりある程度、厳正に審査してバランスをとりながら、実際やっています。

【村上委員】  わかりました。どうもありがとうございます。

【木川チームリーダー】  補足ですが、若手にはなるべく応募しろとけしかけておりますので、そういう意味で若手重視です。

【佐藤委員】  大変苦労されてこのプラットフォームを運営されていると思います。また、国際的に見てもバイオとかライフイノベーションとか、NMRのプラットフォームは非常に重要だということでいろいろやられていると思います。そういう意味で、厳しい質問になるかもしれませんけれども、国際的に見て、今やっているこのプラットフォーム事業というのがどういう位置付けに今あるのかという話と、17ページにイノベーション創出に向けた研究開発というのをいろいろ考えたいというふうに書かれていますが、具体的に何か、これをやらなきゃいけないというのが今ありますか。

【木川チームリーダー】  特にNMR分野で言いますと非常に参考になるのはEUの取組です。EUの取組は10年ぐらいかけて、かなりしっかりとした形を作ってきて、例えば今ですと、特に、余りNMR分野に詳しくない、ただし解決したい課題を持っているユーザーが、1か所に申込みをしますと、その内容に応じて適切な施設をアドバイス、こういう施設でこういうことをというようなアドバイスを付けて利用に向かうというようなことをやっていまして、まだ我々はそこまでは十分できていませんので、NMRを常に使っているユーザーではなくて、課題は持っているけれども使い方が分からない。でも、もしかしたら、使ったら何か解決できるユーザーに対して、しっかりとした窓口を設ける必要はあるのかなと思います。EUの成功は、やはりそこを何とかやり遂げているというか、少しやれているというところが1つ、EUの取組の成功ではないかと思っています。

【佐藤委員】  新しいイノベーション創出に向けた研究開発、何か具体的に、先生は考えられていますか。

【木川チームリーダー】  1つは材料分野ということが、今、利用では非常に多くなっております。材料の分野はNMRの利用がかなり盛んになってきていますが、そこに対して、このプラットフォームとしては十分、一般的なものを超えるような利用課題はまだ出せていません。ただ、施設のポテンシャルとしてそういうものを持っていますので、そういう点では成果を出していきたいと思っています。

【二瓶主査】  ほかにいかがでしょうか。

【瀧澤委員】  特定課題利用において、基盤技術の高度化に関する課題に重点的に支援されているというのは、特定課題を通じてこの共用の取組を高度化していく。自己増殖化というか、良い意味で行う仕組みを取り入れていると思いますが、その背景にあるのは、やはり高度化することによって、新たな、例えば先ほどおっしゃったようなイノベーションに資するようなところが非常に多くあるということが背景にあって、そういうことをやられているということでしょうか。

【木川チームリーダー】  はい。

【瀧澤委員】  そのほかに共用取組もされていると思いますが、全ての研究課題においてそれほど高いパフォーマンスは必要ではなく、むしろ量的なものがもっと必要だというようなこともあるかとは思いますが、その辺を説明していただけますでしょうか。

【木川チームリーダー】  はい。NMRを使えればいい、余り高いパフォーマンスが要らないというものに関しては、各施設の共用取組で対応できます。十分とは言えませんけれども、既に対応していると思いますが、逆にまだ、施設のポテンシャルを使って、より高い成果を得るとか高い技術に向かっていくという部分が、我々の技術領域として支援する仕組みがないというか、うまくいっていないと思います。
プラットフォームだけでやっていても駄目ですし、各機関の共用取組でやっていてもうまくいかないという部分で、本当は統合して全部やれればいいのですが、ある程度形になったような利用に関してはなるべく各機関の共用取組、それから、より発展するために施設の能力をうまく使っていくようなものというのはこちらでというような位置付けにしていますが、必ずしもそこら辺は、明確に分けているという形ではないのですが、全体としては横に広がるのと縦に伸びていくのを両方でうまくカバーできればと思います。もしかしたらもう1つ何か、もう少し、どこか取りこぼしてしまう場所があって、そこについては共用として何か手を打っていかなければいけないかなと思っています。

【瀧澤委員】  ありがとうございます。よく分かりました。
特定課題利用の採択課題が2年間で7件ということですけれども、これは採択率というか、どれぐらい応募があった中で7件を採択されたのでしょうか。

【木川チームリーダー】  実際には1件、落ちています。どちらかといえば今のところ、厳密に審査ということを言ったこともあって、申請者がかなり絞って申請されてきている印象です。もう少し、できればいろいろな課題を応募してもらえたらいいと思っているんですけれども、そこら辺は、厳密に審査と言い過ぎると、もうかなり絞って申請されてきているという感じです。

【二瓶主査】  どうぞ。

【緑川委員】  先ほどの人材育成、若手を含めた部分をお聞きすると、これは主にユーザーサイドのことを言われていたと思いますが、装置開発とか周辺機器、その辺の開発する側の人材育成。そういうのは、このプラットフォームでどのように考えているのかということと、それからプラットフォームができたことによって、そういう人材の流動性とか交流がよくなっているかを御説明いただけますでしょうか。

【木川チームリーダー】  1つは、開発するような能力の人、人材育成ということに関して言いますと、企業から出向してきていただき、また企業に戻っていくというようなモデルを1つ考えて、やろうとしています。企業の方が、開発の能力はあるけれども、最先端のいろいろなアプリケーションとかには余り接していないような人が、我々の施設に来て、最先端を体験して戻っていくということを1つやろうとしています。
人材の交流についてですが、特に企業から特定課題利用枠での課題を受けて、どちらかといえば代表が非常に若い、30代後半の、実際にかなり企業でばりばりやられているような人が応募してきて、それが実際に使いに来るということで、今まで余り企業から出てこなかったような人が何人か施設に訪れるようになっていて、そういう点では少し交流が進みつつあります。施設側のメンバーと、それから企業からの課題を持ってきたメンバーが議論するという場ができてきており、交流は少しずつできるようになっている印象です。

【緑川委員】  どうもありがとうございます。

【二瓶主査】  どうぞ。

【福嶋委員】  今おっしゃった30代の企業の研究者ということで、私も気になっておりますが、9ページに載っている特定課題利用が幾つかあります。それから16ページにある、費用分担で困っている、例えば二次電池のその場観察の費用をどこが出すかで困っている。そうすると、この特定課題利用の中に、例えば二次電池とか高分子ゲルとか、高温で共通の装置が必要なものは、まだ入っていないということでしょうか。

【木川チームリーダー】  入っておりません。

【福嶋委員】  今までの活動で、もし必要な装置がそろっていれば、こういう課題が通っているというのが実際あるとお考えでしょうか。

【木川チームリーダー】  はい、そうです。こういう課題をやりたいという相談を受けたときに、装置を少し改造して作らなければいけないなということになると、今の枠ではできない。実際に相談がありましたが、応募に至っていないというのは確かにあります。

【福嶋委員】  それで先ほどの30代が気になったのは、もし本当に知りたかったら、企業だったらお金は出します。出しませんかと言ったら、やはり離れていくお客さんだったのでしょうか。

【木川チームリーダー】  企業というのは、電池の企業の方ですか。

【福嶋委員】  ええ。

【木川チームリーダー】  離れていくというよりも、余りまだ話が進められていないというところが実情です。

【福嶋委員】  なぜそのように聞いたかというと、30代ですと、やはりそれだけの金を出すとすると企業の中でのコンセンサスが必要で、そこまでの覚悟を企業の中で作って持ってくればもっと進むのかなという感じがします。一緒に企業に説明に行くとか、お金をもらいに行くとか、そういう活動までやる必要があるかどうかという質問です。

【木川チームリーダー】  説明に行って、ある程度企業がそういうものが必要だなと思っていただけるということは非常に大事です。確かにそのような取組ができればよいと思います。
今のところ、相談に来た方も企業の中で、必要な開発費を企業側が持ちますからという話にはなかなかなりにくかったということです。

【二瓶主査】  関連することで他にありますでしょうか。

【村上委員】  企業や大学へ、NMR共用プラットフォームから積極的にこのような取組を行っていますというアピールや売り込みに行くような活動というのはされていますか。展示会とかそういうのはお聞きしましたけれども、より積極的に何らかの活動というのはされていますでしょうか。

【木川チームリーダー】  ユーザー企業に対して、施設紹介とともにプラットフォームのアピールを積極的に行ったり、NMRの装置開発を行っている日本電子などには説明に行ったりしましたけれども、まだいろいろな業界の潜在的なユーザー企業に対して、こういう制度を十分アピールできていないというのは、御指摘のとおりです。

【村上委員】  これからそういう計画はございますか。

【木川チームリーダー】  はい、やろうとしています。

【二瓶主査】  ただ今のようなやりとりはプレゼンに対する質問等の中で随所に出てきましたが、プラットフォーム管理者として、例えば文部科学省の研究開発プラットフォームの全体構想、それに対する要望がおありだと感じました。例えば、先ほど、特別な附属品を開発したいというお話が有りましたが、これはファンディングの問題です。また、民間の経費による費用負担が制度的に受け入れられる仕組みが必要であるとか、そういうことがおありではないかという気がしました。これは、今後の課題ですので、いずれそういう議論が必要になろうかと思います。是非、施設あるいはプラットフォームサイドとして御検討いただければと考えております。

【木川チームリーダー】  はい、分かりました。いろいろと御提案させていただきたいと思います。

【二瓶主査】  それでは、よろしゅうございましょうか。
どうもありがとうございました。

【木川チームリーダー】  ありがとうございます。

【二瓶主査】  それでは次に、光ビームプラットフォームの取組についてお伺いしたいと存じます。
御説明は、高エネルギー加速器研究機構の野村先生から、お願い申し上げたいと思います。

【野村理事】  本日は、このような機会を与えていただきましてありがとうございます。我々としては、この先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業、光ビームプラットフォームを昨年の4月よりスタートいたしまして、その中で今どこまで来ているかということと、我々が抱えている問題点について、若しくは我々が取り組んでいることが、委員の皆さんから見て適切であるかどうか御意見を頂きたいということと、我々が抱えている問題点について皆さんからアドバイスを頂きたいという思いで、今日は参りました。
光ビームプラットフォームの目的・概要ということですが、非常にざっくりとしていますけれども、御存じのように大出力のレーザーとか放射光というような大型施設は、各企業とか大学、公的研究機関が単独で持つということはほとんど現実的でありませんので、そういうものをうまく共用して、科学技術イノベーションを推進するということを目的としています。
構成している機関ですが、我々高エネルギー加速器研究機構が代表機関でありまして、それ以外に、資料2-2の4ページに青枠で囲っておりますのが放射光関係の施設です。南から、佐賀県の地域産業支援センター、いわゆる九州シンクロトロン光研究センター、兵庫県立大学のニュースバル放射光施設、立命館大学のSRセンター、愛知県の科学技術交流財団のあいちシンクロトロン光センター、これらが実施機関です。それと、放射光関係では理化学研究所のSPring-8が連携機関として協力いただいています。また、大型レーザーの施設として大阪大学のレーザーエネルギー学研究センター、それから東京理科大学の総合研究機構の赤外自由電子レーザー研究センター、これだけの機関でプラットフォームを構成しています。
この中で、放射光分野、それからレーザー分野の間で、放射光とレーザーというのは余りこれまで交流がなかったわけですけれども、そういう中で交流をする。それから、これらの施設間での、若しくは施設と産業界での人材交流によって連携して、個々の施設ではなし得ないような新しい加工法や解析法を作って、産業活動に生かしていきたいと考えており、そのためのよりよい利用制度を作っていきたいという思いで、スタートしております。
具体的な取組内容、これはこの提案をさせていただいたときに記したものですが、我々の機関、これを構成している機関の特徴として、どの機関も、この事業がスタートする前から、ある意味でいろいろな形で共同利用といいますか、共用を行ってきています。そういう背景がありますので、設立基盤とか利用制度、それぞれ特徴を持っておりまして、それらを無理に何かに統一するとかではなくて、それぞれの特徴は尊重し、生かしつつ、連携を高度化して使いやすい形を作ってきたということです。ですので、各機関はそれぞれの地域性とか研究分野でも得意分野をお持ちですので、それを生かして利用相談の窓口になり、代表機関はそれをつなぐハブとして機能していこうということです。
高いレベルのサポートをユーザーに提供していくためには、この構成機関同士がお互いに、問題や持っている力をきちんと理解しなければいけないということで、コーディネーター会議を年4回開催したほか、メール等での議論は頻繁に繰り返しており、お互いの課題審査委員の中へ相乗りするような形で、それぞれの機関でどのような課題をどのような形で審査しているか等の理解を進めているところです。また、プラットフォーム全体としてホームページを整備して、相談窓口等への情報をできるだけ容易にするということを行っているほか、講習会とか報告会等の広報、展示会や成果報告会等を開催して、広報活動を行うということです。
今後、いろいろな形で、実習を伴う講習会を開催していきたいと考えており、これは先ほども御質問がありましたように、これまで、放射光やレーザーを使っておられないけれども、これらを使ったら本当にいい成果が出るだろうと、特にそういう産業界の方たちに、どうしてもこういう施設というのは敷居が高いと言われますので、それを下げるためにこういうことを開催していきたいということと、技術指導研究員という職種、ある意味で研究者でもない、テクニシャンでもないというような人たちの今後のキャリアパスをどう作っていくかというのは、こういう分野にとって非常に大きな問題になると考えております。そういう中で、いろいろな形で技術交流等々の人事交流を進めています。それと、関連分野で人材を輩出していきたいと考えております。
具体的には、8機関ありますので、実験環境の互換化を進めたいと考えております。これは統一ではなくて、互換化という形を作っております。例えば、試料ホルダーであったり、データフォーマットであったり、利用者の方が、特定の機関、特定の施設だけではなくて、最適な施設を利用できるような環境を整備していきたいということです。そういうことに関連する技術開発を進め、放射光とレーザーの複合的研究等を開発していこうということです。
図にすると6ページのように、8機関がネットワークを組んで、連携して進めていこうということで、いろいろな産業界の課題に応えていこうということです。それぞれの機関は地域性等がありますので、それぞれ御相談いただいて、その中で、例えば当機関では難しいけれども、向こうへ行ったらそういうことができますとか、そういう分野に関してはこちらの機関に専門家がいますとか、そういうことを案内して、進めていきたいということです。
それと同時に、このプラットフォームに閉じることなく、NMR共用プラットフォームや、それ以外の先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業の機関とか、前回御報告がありましたけれどもナノテクノロジープラットフォームとか、つくば地区ですとTIA-nanoとか、こういうところとも連携しながらこの事業を進めて、特にこういう材料開発を進めているような分野にうまく使っていただいて、材料開発等を促進していきたいと考えております。
ホームページについては、7ページにありますように、イメージとしては個々の機関の詳細な情報をここで提供するというよりは、全体の概要を一見することができるような場にしていきたいと考えています。この中で、技術や各施設の紹介、イベントニュース等を掲載していきたいということと、あとは、特に初めての方々からお問合せの窓口というのを設けていきたいということで、今、順次コンテンツを充実しつつあります。その中では、例えばイベントとか主要日程の案内とか、これらの機関、運転スケジュールがそれぞれの機関によって異なっておりますので、それを一望できるようにしようとか、利用制度も、先ほど申しましたように各機関、いろいろな形で違っておりますので、そういうものを一望できるような形で進めていきたいと考えております。利用事例等についても順次、充実していきます。こういうことを通して、先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業、それから、この光ビームプラットフォームに対する認識をまず高めていただかないと、利用いただけないと考えています。
展示会としては、8ページに記載しております、JASIS2013やメッセナゴヤ2013等に展示を行ってきております。
それから、9ページに記載しております特筆すべき取組の1として、機関間で連携した研究として、東京理科大学の赤外FELで生体物質の光分解を行って、その結果について立命館大学SRセンターの放射光の赤外顕微鏡による観察等を行っているものです。さらに、大阪大学のレーザー技術と高エネルギー加速器研究機構の放射光を組み合わせて、超高圧下における構造解析等の研究を進めようとしています。また、人材育成という意味では、各機関間の若手人材、先ほどのコーディネーター会議は割とシニアの人材が集まりますけれども、むしろ現場でこういう研究支援をする若手の人たちがよその施設に行って、比較的短期間ではありますけれども研修をすること、技術交流をしてレベルアップをはかること、研究報告会を合同で開催するといった取組を行ってきています。
ハードウエア関係では、先ほど、試料ホルダー等の互換化ということをお話ししましたが、1つの例として、真空といいますか、嫌気性試料を搬送するためのトランスファーベッセルの技術を展開していこうということです。先ほどのNMR共用プラットフォームからのプレゼンでも電池の話がありましたけれども、電池材料等については、例えば酸素にさらす、水にさらすということによって物性が大きく変化してしまうということがありまして、真空下で試料を調製している。例えば、自分の会社のラボから、こういう測定の場に持ってきたいということがあります。それについて、立命館大学で開発したこのようなトランスファーベッセルの技術を、あいちシンクロトロンとか兵庫県立大学に展開して、どこの施設に行っても同じようなサンプルホルダーを使えるというようなことを現在進めてきています。10ページには、写真としてトランスファーベッセルだけを示しましたけれども、当然、これをくっつけるための真空槽の方も互換化が進まないと同じことができませんので、トランスファーベッセルだけではなくて、真空槽についても対応を進めております。
それから、12ページに記載の課題について、簡単に御報告をさせていただきたいと思います。
1つは、先ほどもお話ししましたけれども、我々光ビームプラットフォームは、プラットフォームを構成する施設、設備、研究分野、それから利用制度が非常に多様になっています。昨年度は、特に構成機関間の相互理解を促進するということを重視して、このようなことをやってきました。その中でワーキンググループを作って、技術、例えば先ほどのトランスファーベッセルの問題や、各施設でとったデータのフォーマットが違うと、ユーザーの方はそれぞれの施設でまた違う解析ソフトを用意しなければいけないとか、そういうのは非常に不便であろうということで、そのような技術的な側面からの統一化といいますか、互換化を進めたいと考えております。それから、この光ビームプラットフォームについて、特に産業界の方にどうやって知っていただくかということで、イベント関係の検討を進めてきました。
我々が課題として悩んでおりますのは、このプラットフォームとしての活動と、それぞれの個別機関の活動をどう切り分けていくか。非常にこれは難しくて、なかなか切り分けられないというのが実情です。我々としては、これまでのところ、プラットフォームの活動を通して各機関の研究成果を質的・量的に拡大していくということをもう1つの目標として、進めてきています。
あと、解決ができていないのですが、是非委員の先生からアドバイスを頂ければ有り難いと思いますが、我々がこのプラットフォームを形成したときに、単にハードウエアを増やすのではなくて、ある意味では、多くの機関にいるいろいろな人材、この頭脳をどう活用するかということが重要だろうというふうに考えてきました。一方で、多くの人の頭脳を活用するためには、多くの人に情報を提供しなければいけなくて、それと、例えば産業界の持っている秘密保持との関係をどういうバランスでとっていくかというようなことについて、まだ十分、我々も議論できていませんので、こういうことに関してアドバイスを頂きたいと思います。
特に、秘密保持に関する理解というのですか、そこをこの先どう進めていくかということも課題かと思います。例えば、同業の何社かというのはほぼ同じような研究をされているケースが非常に多くて、これを、当然秘密保持という観点からすると、A社の研究とB社の研究とC社の研究は峻別しないといけないわけですが、どのようなところに気を付けてやっていけばいいかということは、アドバイスを頂きたいと思います。
1つ、これは一部の施設に限られるわけですけれども、放射光施設等において、週7日、1日24時間で施設が稼働しております。そうしますと、今、普通の企業とか研究機関における、いわゆる1日8時間、週40時間という枠となかなかマッチしない、いろいろな問題が出てきます。こういうことに関してどういうふうに我々は向き合っていけばいいかということを、悩んでいるところでございます。
利用者からの評価・要望については、まだプラットフォーム全体として、アンケートをとるとか、そういうことをする段階には至っておりませんけれども、これまで個別にいろいろやってきた中の経験から言いますと、やはり利用者の方から、どうやって本当に本音をお聞きするかというのは難しい問題です。特に産業界の方にお伺いすると、なかなか役に立ちましたということで、ここはちょっと気に入らなかったなと思っても言い出しにくいというようなことも感じることがあります。また、利用者の方によっていろいろ意見が違うこともあります。例えば、利用制度とか申請時期を共通にしてほしいという方もいらっしゃれば、ばらけさせることによって、いろいろなオポチュニティーが増える方が有り難いというような考え方もありますので、その辺は今後いろいろな意見をお聞きしながら、プラットフォームの中で慎重に議論していく必要があるかと考えています。
また、ほかのプラットフォームとの連携として、TIA-nanoとか、ナノテクノロジープラットフォーム等と緩やかな連携を進めていきたいと思います。先ほどの繰り返しになりますけれども、こういうところで新しい物質開発等々をされていますので、それをこういう放射光とかレーザーを使ってうまく解析をすることによって、材料、物質開発へうまくフィードバックしていくというようなことを目指したいと思います。
それと、昨年JASISに展示して感じたことではありますけれども、例えば光ビームプラットフォームだけを宣伝するのではなくて、先ほどNMR共用プラットフォームの方からもお話がありましたけれども、我々としては、やはり文部科学省のやっているこの事業全体を産業界に知っていただくことで、光ビームプラットフォームに対する関心も増えてくるだろうということで、広く宣伝活動をやっていきたいと考えています。利用される方にとっては、どこがどういう事業をやっているかではなくて、その結果として何が得られるかということがやはり重要でありますので、そういうことに応えていきたいということです。
人材育成に関しては、支援人材の交流ということで、昨年度は他施設での研修ということをかなり進めてまいりましたが、中長期的にはやはり異動できる制度設計というのを考えていく必要があるだろうと思っています。例えば年俸制というのが今いろいろと議論されていますけれども、こういうのが参考になるかなというふうに思います。また、先ほど言いましたような技術展開とか技術交流等を進めるということで、合同シンポジウムや研修等を行っています。
イノベーション創出に資する取組内容ということで、1つは、先ほどのNMR共用プラットフォームと大分違うのは、この光ビームプラットフォームで使われている実験装置は、ほとんどが特注品です。ですので、装置開発自体が各研究機関とメーカーとの共同作業で進められているということがあります。実際そういう中で、機器開発の成果を広く展開するということで、国内だけでなくて、国外にもいろいろな形で開発された装置が出されて、海外でも利用されているということがあります。また、施設によっては、課題募集の内容に優先カテゴリーを設けて実施しているというようなケースもあります。
今後の課題と取組ということで、まずはやはり光ビームプラットフォームということを、特に産業界の方に知っていただくということが重要だと思っていまして、展示会とか広報活動等を進めていきます。それから、機関ごとの利用制度の違いに関しては、無理に統一はしないで、特徴や違いがわかるような案内をしていきたいというふうに考えています。そういう意味で、補助事業、自主事業を含めた総合的な案内を進めていきたいということです。
実験環境の互換性の促進ということでは、先ほど申し上げたようなことを進めていきたいということ、それからレーザーと放射光の協奏的な研究成果を創っていきたいということで、例えばレーザーポンプ・放射光プローブみたいなことをもっと進めていくということがあると思います。
大きな課題として、リサーチエンジニアと申しますか、高度研究支援人材といいますか、そういうような人材の位置付けというのが、なかなか日本の中でははっきりしていないところもありまして、キャリアパスが十分に作られていないと思います。人事制度の異なる機関間を異動しやすい制度とか、そういうものを一緒に考えていく必要はあるだろうと思いますし、やはりリサーチエンジニアという職種が社会から見て、若しくは研究者から見てリスペクトされる職種として確立し、それに見合うような処遇を作っていくということが大事かと思っています。
こういうことを全部きちんとやっていくためには、各機関がやはり十分な運転時間を確保できるとか、あとは古くなった機器の高度化を行えるとか、このプラットフォーム事業とは離れるかもしれませんが、まずこれがないと、そういうことが進められないかなと考えておりまして、こういうことが今後の課題というふうに認識しております。
以上でございます。ありがとうございました。

【二瓶主査】  ありがとうございました。
それでは、御意見ある方はどうぞ。

【長野委員】  この光ビームプラットフォーム、非常にすばらしい取組と私は思います。共用として、多くの人が興味を持っていても、実際に使ったことがないという人は非常に多いのではないかなと思います。
1点、質問させていただきたいのは、ユーザーの立場からではなくて、実際に指導してくださる人、特に5ページのところで技術指導研究員というふうに書かれていたと思いますが、そういう人のキャリアパスのことも、野村先生はコメントされたと思います。資料の最後の方でリサーチエンジニアとありますが、同じ人のことをいうのでしょうか。

【野村理事】  表現が違いますけれども同じことです。

【長野委員】  いつもこういったプラットフォームのときに必ず問題になるのは、こういう人たちの研究の業績ですね、そういったものが実際に、指導することで担保できるのかどうか。また、その担保がなかなかできない場合、こういうシステムを作ると、その先のキャリアパスが必ず問題になってくると思います。
野村先生はこの中で、特に年俸制の導入だとか、幾つか提案を書かれているのですが、年俸制を導入するとこういうキャリアパスが担保されるものなのかどうか、その辺がよく理解できなかったのですが。

【野村理事】  それだけではとても無理だと思っています。1つは、最初にもお話ししたように、各機関がそもそも設立の基盤が違っているということがあり、例えば退職金の通算はできないわけです。そうしますと、脂の乗ったというのですか、40代半ばとかで異動するというのは、御本人にとっては余りメリットがないことになってしまう。そういうようなことはやはりよろしくないのではないかというので、多分、今、文部科学省でも年俸制とかいうことをおっしゃっているのだと理解していますけれども、とにかくそういうことをとり入れていくということが重要であろうと思いますし、各機関が、今はまだ割と各機関とも比較的若いので、例えば20代、30代で雇った方が30代、40代ぐらいでいらっしゃいますけれども、あと何年かすると、それがそのまま毎年、1年ずつ年齢が上がってしまうという問題があると、それぞれアクティビティーの問題が必ず発生すると思います。

【長野委員】  野村先生の光ビームプラットフォームの場合には、実際に使う、例えば主要機器も特注品であって、それ自身が1つのサイエンスになると。だから、そういうことで論文等を十分書けて、自分の業績というふうになっていくものでしょうか。

【野村理事】  ある部分はそうであると思います。ただ、そういう業績をもって、例えば何とか大学へ行くというのは、そう容易ではないと理解しています。

【長野委員】  そうですか。

【野村理事】  例えばそういう経験が、大学での研究にそのまま生きるかどうかと言われますと、それはなかなか難しい。もちろんそういうことができる方もいらっしゃると思います。でもやはり、もっと現実的なのは、この間で人が動くことだと、それをエンカレッジするような仕組みとして何を作るかということで、例えば我々のところは大学共同利用機関法人ですけれども、理化学研究所は独立行政法人ですので当然制度が違いますし、県のものになりますとまた違いますし、私立大学も違うということがありますので、そういうことをどうやって乗り越えていくか。やはり一緒に考えながら仕組みを作っていかないと、いつまでも採用された機関で行ってしまう、若しくは、こういう支援をするよりは自分の研究をして大学に行った方がいいのではないかと個人が判断すると、日本全体として、よくないと思います。
こういう分野で非常に問題だったのは、自分が研究をするというのは非常に大事ですけれども、それと同時に、例えば放射光なら放射光を専門としない方でも、放射光を使ったらいい研究ができる方をどう取り込んできて、サポートしながらいい成果に結び付けるかが必要であると考えております。

【長野委員】  ユーザーの立場にしたら非常にいいわけですね、それは。

【野村理事】  はい。ただ、そういう本当に望ましい活動をする人たちのキャリアパスがなくて、将来、犠牲になってはいけないわけです。

【長野委員】  おっしゃるとおりだと思います。

【野村理事】  だから、そういう方たちがやはりエンカレッジされ、実際、やはりいろいろなサポートをするためには、いわゆる古典的な意味のテクニシャンレベルでは非常に不足します。

【長野委員】  とてもテクニシャンでできる内容ではないと思います。

【野村理事】  例えば新しい電池の問題が持ち込まれたときに、やはり関連する論文をきちんと読んで理解して、その上で、例えば放射光を使ったらこういう研究ができますと、そういうプロポーズをできるぐらいの、サイエンティフィックバックグラウンドが絶対必要です。
先ほどのNMR共用プラットフォームのプレゼンでも電池のセルの話とか、そういうのがありましたけれども、やはり、電池の方が電池の世界でやっているセルをそのまま持ってくれば測れるものではないので、電池のリクワイアメントと、例えば放射光、若しくはレーザーのリクワイアメントをきちんと理解して提案できるだけの能力を持ってもらわないと、やはり単にテクニシャンになってしまうということがある。
そこは我々まだ、いい提案を持っているわけではないのですけれども、それを何とかしていかなくてはいけないという問題意識は持っていて、やはり年俸制とかそういうようなものが1つの手段ではないかなと考えております。

【長野委員】  もう1件、別件でコメントですが、機密保持に関して、私たちも創薬のプラットフォームというのをやっています。実際、企業も使われているわけですが、当然高度な機密保持を強く要求されます。ただ、私たちがやっているプラットフォームでは、成果は必ずフィードバックしてくれというふうに要求します。もちろんオープンには、すぐにはできないのですが、オープンにできるとき、例えば、特許を取ったり、実際公開されたり、新聞に掲載されたり。そういうときには私たち施設の成果の1つとして出しますので、必ずデータというのは、成果は私たちのところにフィードバックするのが1つの条件で支援をするという格好でやっています。支援しっ放しということをしません。そうすると単にお手伝いさんになってしまいますので、成果をやはり出さなければいけない、要求されていると思いますので、このようなやり方をやっています。機密保持は当然、企業ですと強く要求されて、それをすぐオープンにしてしまうことはできないわけです。

【野村理事】  そのとおりだと思います。
あと、我々が思っているのは、やはりいろいろな頭脳を活用しようとすると、例えば我々が受けた課題で、実はこの課題だったらこちらの方が詳しそうだということですと、やはり両方がそこの機微情報を知ることになってしまって、その辺の管理を本当にどうやっていくのがいいかなというところで、アドバイスが頂ければ有り難いと思います。

【西島委員】  なかなか個性のあるというか、8機関は大変だなと思っています。私は先ほどのNMR共用プラットフォームの運営に関わっていますが、どちらかというと3機関が比較的似ているので、やりやすいし、それから特定課題みたいなものも吸い上げて、そこで共通の課題をやって、個々のところでやるという。そういう意味ではわかりやすかったと思いますが、認知度を高めるということも重要ですけれども、やはり最大の問題は、レーザーと放射光の相乗的研究成果みたいなものを、なるほどこのように組んだら良いという成果が公開され、個々のテーマに波及されるというのが1ついいのかなと思いました。
もう1つ、SPring-8は連携機関ですが、例えばコーディネーター会議にはSPring-8のメンバーは入っているのでしょうか。

【野村理事】  来ていただいています。

【西島委員】  そのとき、このSPring-8というのは、XFELも含んでいますか。

【野村理事】  今の段階では、産業利用推進室を中心としたユニットで行っています。

【西島委員】  XFELというのは、いわゆる放射光とレーザー光の良いところを組み合わせたものだと思います。

【野村理事】  そうだと思います。

【西島委員】  XFELの情報などもうまく入っていって、企業がXFELに取り組むときの、ここが1つのトライアルみたいな形になってやるのが1ついいのかなというふうには思うので、そういうものを早く出す必要があるかなと思います。
もう1点は機密の問題ですけれども、先ほど長野先生からあったのですが、製薬企業はSPring-8を10年間ほど利用していますが、今まで機密が漏れたというトラブルは一度も経験がありません。SPring-8は、産業については非常にノウハウを持っていて、例えば、企業コンソーシアム等では、自分のところで持ち込んだコンピューターで情報を全部吸い上げて、そのまま自分で持って帰るとか、それから利用者が別々に来たり、時間をずらしたり、会社ごとや業界ごとにロッカーが別々になっているとか、事務員については、コンソーシアムの方で人件費を400万、500万ぐらいは払ってもらって、人材派遣センターから事務員を契約して、コンソーシアムの企業の方の人としてやってもらう。そうすると自分の給料が懸かりますから絶対漏らさないという形でやるとか、いろいろな運用があると思いますので、是非SPring-8の、連携機関として情報を共有いただきたいと思います。
ただ、先ほど長野先生は、契約についてお話されましたが、私たち業界からすると、成果は公開しないというのが一番いい成果が出ているということです。ですから、どんどん成果が出ているということは、やがて成果専有で、成果公開がなくなるので、つまりだんだん沈黙になっているなということは相当いい成果が出ているということで、5年後、10年後を楽しみにしてほしいというのが本望です。

【野村理事】  おっしゃることは非常によく理解できるのですが、なかなかそれでは皆さん納得していただけないのが実情です。

【西島委員】  成果専有で、資金は当然賄うということで、それを運営して、人を育てればいいと思います。

【野村理事】  はい、それはもちろん行っております。ただ、今このプラットフォームとして取り組んでいる部分に関しては、成果オープンの分野であるということと、やはり産業界も、業界によってかなりその辺の捉え方が違っているところがあります。あと、やはり大事なのは産業界と我々との間の信頼関係をどこまで築き上げられるかということであって、やはり彼らは慎重ですので、漏れそうな、危ないところはお話しいただけないわけです。当然その情報があるかないかによって、場合によってはその先の研究設計が変わってくるということがあるので、それはお互いの信頼度をどこまで高めて、どこまでの情報を得た上で、我々が提案していくかということになってくるかと思います。少し時間が掛かるかなと思っています。

【二瓶主査】  いかがですか。どうぞ。

【福嶋委員】  関連して、創薬の分野とは違うかもしれないですけれども、自動車のような、二次電池とか、いわゆる機密ということに関して、非常に厳密に考え過ぎている面が施設側にもあるかなという気がしています。契約書の内容は、実は私、あいちのシンクロトロンと関係していまして、あそこは全て有料で運用を始めて、全て機密だとしています。そうすると成果は1つも出てこないことになりますので、そこで悩んでおられることもあって、議論をしたことがありますが、いわゆる機密保持契約の内容、文書の中で、結ぶときには必ずあって、公知のものについてはよいということと、両者が合意したものについては公開できるという文面が必ずあります。
ですから、先ほどおっしゃった信頼関係が生まれれば、その範囲できちんと議論して、できる部分があるのではないかなと思いながら聞いておりました。

【野村理事】  本当の意味で研究をスタートして、その成果に関するところというのはいろいろな仕組みができているので、うまく行くと思います。ただ我々として、できれば、せっかくこのプラットフォームを作って、最適な場所を御案内していきたいというときに、どれだけの情報が得られるかによってその答えが違ってきてしまうということがあるのではないかということで、どういうことを考えていったらいいのか。
これだけの機関がありますと、利用される方は、どの機関が一番御自分の研究にフィットしているかというよりは、例えば、あそこに行ったらこの方がいらっしゃるからとか、使ったことがあるからとか、そういうような利用が多いように感じています。そういう中で、できるだけ最適化して、いいところを紹介していきたいということで、どうしても研究を始める前の段階で得られる情報と、研究をやった後の段階の情報というのは差が出るのは仕方がないかもしれないですけれども、できるだけの情報を得て我々としても考えていきたいと考えております。

【二瓶主査】  どうぞ。

【佐藤委員】  別の観点から申し上げますと、野村先生はすばらしい運営をされていると思いますが、6ページのところで、全体的な構想として、相互の連携をとりながら運営していくとかいうことを先ほど言われたと思います。ユーザーニーズに基づいた利用というのは比較的、今の秘密保持も含めてかなり利用が進んでいるのではないかと思いますが、トップダウン型というか、国家プロジェクト的な観点で、これを早期に解決しなければならないという問題こそまさに日本の国として持っているプラットフォームをフル活用して、短時間に解決していくということに対する命題としては非常にいいと思いますが、そのようなケースはありますか。

【野村理事】  我々としてまだ十分に把握できていないというのが正直なところです。放射光とかレーザーというのは手段であって、それ自体が研究目的というよりは、多くの場合は、ある研究目的に対してこういうプローブを使うとうまく成果が出ますよということになると思います。それをどうやってお互いに見付けて、マッチメーキングしていくかということになると思います。

【佐藤委員】  プラットフォームを持っている国力として考えたときに、この問題に関しては、いろいろな知見の人たちが集まって、トップダウン的に、こういう放射光と、こういうものとこういうものとこういうものを組み合わせて、それぞれをとってくれば、多分こういう解が得られるのではないか、そういう取り組み方というのが今後必要なのではないかなという気がしております。

【野村理事】  我々が音頭をとってやるのかどうかは別ですけれども、プラットフォームとしてある種の受皿ができますので、そういう課題をお持ちの方から御相談いただいて、一緒に考えるとか、そのようなことは当然できると思います。これまで、例えば国として、どこの施設と相談するのかと話があったと思うのですが、まずは絡みそうなところは一括して受けます。その上で、我々の中を含めて、できるだけいい提案をして、国からのリクワイアメントに応える。そのようなことは、これまで余り真面目に議論したことはないですが、今後考えられることだと思います。

【佐藤委員】  例えば国家プロジェクトで提案されたときに、例えばですが、野村先生が窓口になるということは可能でしょうか。大変なことになるかもしれないのですが。

【野村理事】  大変は大変だろうと思いますが、そこである程度調整を、調整という言葉がいいかどうかわからないですけれども、我々の持てる力の範囲で、例えば最適なところを御紹介するとか、そういうことはあると思います。私一人、若しくは何人かの人間が全ての課題に応えられるとはとても思いませんので。

【佐藤委員】  わかりました。どうもありがとうございました。

【野村理事】  多分そのようなことがナノテクノロジープラットフォームの代表機関にも要求されていたと思っておりますけれども、例えばナノテク絡みの課題で問題があれば、投げていただくと、一緒に考えて、例えばそれはこういうところの、こういう実験手法でやったらいいのではないですかというようなことを御相談して、御提案するというようなことは可能だろうと思っています。

【二瓶主査】  どうぞ。

【吉川委員】  12ページですけれども、進め方についてアドバイスを頂きたいことということで、2つ目のプラットフォームと個別機関の活動の切り分け方とは、どういう問題があるということでしょうか。

【野村理事】  今、我々の場合、少なくともプラットフォームとして何かの課題を受け付けるということではなくて、最終的な活動の、例えばアウトプットとしては、先ほど出した機関の中のどこかである課題を実施して、ある成果があった。ただ、今、プラットフォームとしては、その前段階として、プラットフォームによって、ある種、どの施設のどういう装置を使えばいいかというような最適化を行ったというような形にしか多分ならないと思っております。そういう場合にプラットフォームの活動というのは、そのアウトプットをどう見るかということと、実際の、例えば研究成果、若しくは研究報告書みたいな形が出るのは、個別機関で実施した結果として出るという形になりますので、その辺をどう切り分けて、プラットフォームのある意味目標達成の評価みたいなことをやっていくのかということを考えております。

【吉川委員】  これはもう切り分けないで、ある成果が出たときに、それは個別機関の成果でもあり、かつその研究を支えたプラットフォームの成果でもあるという、その1つの成果をどちらの成果として見てもかまわないという、何かそういう合意が必要ではないかなということを思うことがあります。というのは、共同して何か、特にプラットフォームというのは支える、研究の枠をまず提供するというところがあるので、それだけでこの成果がというのはなかなか言いにくいわけですけれども、個別の成果の中にもうプラットフォームの成果が埋め込まれているというふうな見方をすると、それはどちらの成果として提示しても問題ないという合意形成ができてしまえば、あえて切り分け方のところで頭を悩ませる必要がなくなるのではないかなと思います。

【野村理事】  多分プラットフォームの内部的には問題ないことであると思っています。ありがとうございます。

【野田委員】  では、1つ、よろしいですか。

【二瓶主査】  どうぞ。

【野田委員】  9ページ目に人材育成として、若手人材交流ということで研修とかいろいろやられていると思いますが、これは先ほどの話で、例えば退職金というような話になると、それはパーマネントのポジションの方だと思いますけれども、ポスドクだとか、あるいは任期付きの方々の交流がかなりこの中に入っているのでしょうか。

【野村理事】  この場合は、両方含まれております。この事業を、スタートさせた頃は、労働契約法で5年という縛りがありまして、それは10年に変わってきていますけれども、こういう研究支援をやる人材が3年たったら行くところがないというのでは、やはりいけないと思います。

【野田委員】  これだけ幾つかの機関があれば、その中で当然必要とされる技術を皆さん持っていると思うので、今回10年になりましたので、動くということは可能ではないでしょうか。

【野村理事】  1つの道だろうと思っております。やはりこういうことで交流する中で、お互いどういう人材がいて、そういう人たちがどういうレベルの人かというのも見えてきますので、そういう意味ではやはり能力の高い人、意欲の高い人は、当然次のところから声が掛かることも出てくるだろうと考えております。

【野田委員】  それから、先ほどの東京理科大学の例が面白いと思ったのは、要するに反応を起こす方と、それを解析する側と両方でやりましょうというのは、非常にいい取組だなと思ったので、レーザー側と放射光側でそういう組合せが幾つか考えられるのではないかなという気がします。

【野村理事】  あると思いますし、放射光の中でも、例えば波長域によって違うとか、持っている研究手法も施設によって違うので、そういうのをうまく組み合わせることによって、新しい知見が得られる可能性はあると思っています。

【野田委員】  そうですね。ありがとうございます。

【二瓶主査】  ありがとうございました。大分時間が経過しましたので、まだおありかと思いますが、ここで一旦切らせていただきます。どうもありがとうございました。
さて、本日の主な議題は以上でございますが、実はもう1件ございまして、前回の委員会の終了後に、革新的ハイパフォーマンスコンピューティングインフラの中核機関である高度情報科学技術研究機構から、取組状況について追加説明をしていただけるということがございます。本日お見えですが、高度情報科学技術研究機構神戸センターの平山センター長から御説明を、お願いできましたら。

【平山センター長】  御紹介ありがとうございます。また、追加説明のお時間を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。本日は、お手元の資料ベースで簡単に御説明申し上げます。
前回は、産業への広報活動が不足しているのではないか、さらには成果の説明が不足している、また国民への分かりやすい成果説明の取組はという、3つほどの御指摘を頂いたかと思っております。その3点に、手短に答えさせていただきたいと思います。
まず、お手元の資料2-3をめくっていただきまして、パワーポイントのページで3ページでございます。産業利用の状況に関しまして、簡単に御説明いたします。
産業利用そのものの専用の枠と申しますのは、この黄色の一般利用枠、35%程度の中の内枠としての5%程度でございますが、それ以外にも、一般利用あるいは戦略プログラム利用課題の中で、それぞれの課題に企業として参加しているところがたくさんございます。そういったところの利用枠を合わせますと、全体として約24%の課題利用枠に産業界の方々に参加いただいております。また、全体の利用者のうちの約3割が企業の方になっておりまして、総数としては100企業を超えているという状況でございます。
産業利用の促進策ということに関しましては、当然のことながら成果非公開の課題を設定しておりますとともに、手厚い応募前の相談、あるいは技術支援という活動を展開しております。更に平成26年度からの新規の取組といたしましては、この成果非公開課題の応募に関しましては随時応募していただけるようにいたしました。また、利用に当たりましても、その時間を予約して、専有して利用できるというような制度も別途導入してございます。
また、産業界に対する広報活動といたしましては、そこにございますようなセミナー等への出展、あるいは経済団体等外部機関との連携の場を活用した広報活動、あるいは様々な講習会を24回開催しております。また、HPCIの産業利用に関するパンフレットを用意いたしまして、先ほどの国際ナノテク展でありますとか、あるいは兵庫県が開催いたしましたSPring-8、J-PARCとの連携セミナー、あるいは私ども企業回りをしているわけでございますが、そういったときでの配付資料として、今までに1,500部を配付してきたところでございます。
こういった活動によりまして、平成26年度の課題の応募数は1.6倍に増えております。また、産業有償利用(成果非公開)の随時募集を始めたところでございますが、3月段階で2件の申請があり、既に採択をされたところでございます。
また、国民に分かりやすい成果ということでございますが、お手元の資料2-3として、成果事例集というものを作成しております。特に国民の皆様が、直感的にも、比較的理解しやすい内容ということで、心臓の話、あるいは創薬の話、それからリチウムイオン電池、ものづくりとしての車の設計に関わる話、そして防災として津波の問題と、こういった成果の出ております課題を、特に分かりやすくという視点に注力いたしまして成果事例集というものを作り、幅広くこれも広報活動として配付等をしております。また、ホームページ上からもこれはダウンロードできるようになっておりまして、非常にたくさんのダウンロードをしていただいております。
それ以外に、前回、昨年度の『ネイチャー』の記事として最もよく読まれた記事がHPCIの成果であったということを、簡単に御紹介申し上げました。これに関しましては、最近『サイエンス』に受理されたということで、HPCIプロジェクトとしては初めての『サイエンス』に載った成果ということになります。それから昨年、後半の半年ですが、プレスリリースがございました各研究成果につきましても簡単に御紹介をさせていただきました。
以上、前回御指摘いただいた3点に関しまして、簡単に御説明させていただきました。ありがとうございました。

【二瓶主査】  ありがとうございました。
ただいまの御説明に何か御質問、御意見、おありでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、どうもありがとうございました。大変参考になる資料をいろいろ頂きまして、ありがとうございます。
それでは、以上、御説明いただき、かつ質疑応答を頂いたということでございます。プレゼンターとしてお話しいただきました先生方、大変ありがとうございます。
最後に、今後のまとめに関して、少しアナウンスさせていただきます。
前回と今回の委員会において、関係機関のヒアリングをさせていただきました。目的は共用プラットフォームの取組の現状について把握するということが第一でございますが、今後は、今回の結果を踏まえて、研究開発プラットフォームの構築に向けて、引き続き検討を進めたい、特に研究基盤の整備並びに運用等に関する諸検討項目、これをまとめ上げていきたいと、こう考えております。
まずは事務局において、今回の皆様方の御議論、御発表、その結果から、共用プラットフォームの取組の課題あるいはニーズなどを取りまとめていただきまして、今後の検討の進め方を整理させていただきたいと思います。その上で、改めて委員の皆様にはお知らせしたいと思いますので、どうぞ引き続き御協力のほどお願い申し上げます。
本日の議事は以上でございます。事務局から何かございますか。

○橋本基盤研究課係長より、今後のスケジュールについて説明があった。

【二瓶主査】  それでは、本日の委員会、これにて閉会とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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