資料4-1 「共用施設・設備について、海外企業が成果専有利用を希望する場合の取扱い」に関する意見

1.総論

(1) 諸外国の状況、グローバルスタンダードを踏まえ、どれだけオープンにするか判断すべき。(日本だけが著しくクローズの状態にあるのは避けるべき)
(2) 「外国為替及び外国貿易法」も含め海外利用に対する制限に係る法令は精査する必要がある。
(3) 海外の状況を鑑みても、国内外に差を付けずに使ってもらうのが原則。差を付けない場合の条件や法令上の留意点を示すことが重要ではないか。
(4) 国内外での取扱いに差をつける方法としては、利用料金に差をつけるという方法のほか、利用に制限をかける、例えば、日本に法人をもつ企業のみに使用を認めるという方法もある。
(5) 海外の多くの施設が国外企業の成果専有利用に対してほとんど差をつけていないという事実を鑑みるに、日本だけ国内と利用料金に差をつけるのは、やはり良くない。

2.内外のユーザーに対する取扱いについて

(1) 観点としては、1「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」にある「科学技術の振興」を海外企業の成果専有利用に対してどのように捉えるか、2運営と建設に関してかなりの国費が使われているにも関わらず、国内外が同じ料金設定で良いか、という二つがある。丸2については、利用料金の設定根拠に基づき判断されるものである。海外に使わせないというのはむしろ変な話で、より使っていただくための理由づけを考えるべき。
(2) 切磋琢磨やネットワーク構築といった観点から、海外のユーザーにどんどん使ってもらうべき。(内外のユーザーは同じ料金で利用できるようにすべき)
(3) 産業界からの視点では、日本の税金を投入して立ち上げた施設を、内外のユーザーが同じ料金で利用できるという考え方には違和感がある。(海外ユーザーは割増料金で利用すべき)
(4) 国際協力の枠組みで行う共同利用と、産業利用あるいは広く利用を広げようという発想の下に行う共用事業では違いがあるので留意する必要がある。
(5) 知的財産化して特許を取る場合は、成果公開と整理されるが、税金を払っている国内企業と海外企業の取扱いが異なるのではないか。
(6) 基本方針としては、成果専有利用に対し、国内に法人があれば国内と同等に取扱い、国内に法人がない場合は、各機関において個別に審査して対応を決めるということになる。審査に当たっては、各機関の成り立ちなどを勘案して、例えば、日本の経済活動に貢献している等といった観点を考慮することが考えられる。

3.成果専有について

(1) 成果専有の範囲は契約等でどのようになっているか。機密保持の義務を負っていると思うが、施設を運営、管理する立場の人たちは、機密保持契約の中で情報を入手し、研究の推進や運営方法、課金制度の検討をすべきではないか。逆に、成果専有であっても施設の担当者等が実験の内容を把握できる形であれば、施設側は情報が取れるため大きなメリットがある。
(2) 成果専有だから何をやってもいいということはなく、倫理規定などチェックをかけることは必要。

4.その他

(1) 日本の施設・設備は、海外ユーザーに開放したとしても、利用マニュアルや専用スタッフ、宿泊施設といった点で態勢が整えられていないのが現状。

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