資料3 研究開発プラットフォーム構築に必要となる取組について(論点メモ)

1.調査検討の経緯

研究開発プラットフォーム委員会では、これまで計4回にわたる調査検討を実施し、「論点整理(参考資料1)」の中で、
- 研究開発プラットフォームの概念
- 調査検討の対象範囲
- 先端研究基盤を巡る現状と課題
- 研究開発プラットフォーム構築の基本的考え方
を整理し、今後必要となる取組を抽出した。

2.「論点整理」以降の変化

(1)平成24年度の研究開発プラットフォーム関連予算事業(資料2)において、システム改革のための取組が進んできている。
(2)「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針(平成24年1月閣議決定)」に基づき、平成26年4月に、文部科学省所管の五つの研究開発系独立行政法人物質・材料研究機構、防災科学技術研究所、科学技術振興機構、理化学研究所及び海洋研究開発機構)が統合予定。統合後の新法人は、研究基盤に関する卓越性、 科学技術政策に関する調査分析機能等を有しており、研究開発プラットフォーム推進の中核的機関となり得る。

3.本委員会で調査検討を進める取組(案)

「論点整理」で掲げた「必要となる取組」のうち、本委員会においては、主に、分野別委員会では検討が困難な横断的取組について調査検討を進めていくことが求められる。また、調査検討結果については、分野別の取組等に確実に反映させていく。具体的に想定される取組は以下のア)~ク)の通り。
ア)大学、独法等が所有する先端研究施設・設備について、産学官への共用を量的・質的に拡大していくための取組、施設・設備の戦略的な高度化
イ)重要課題達成に向けた研究開発プロジェクトの推進において、先端研究施設・設備等を最適かつ効果的に活用する仕組みの構築
ウ)研究基盤を支える人材(研究者、技術者など。コーディネーターも含む)の育成、充実・確保
エ)政策ニーズ、利用者ニーズを受けて施設・設備の高度化を行うにあたり、必要となる共通基盤技術・機器の開発を連動して実行可能とする仕組みの構築
オ)研究開発プラットフォームの推進を担う中核的機関の整備
カ)利用システムに関する考え方(共通的なガイドライン)の明確化
キ)競争的資金等で整備された研究施設・設備、機器等を有効に活用するための、 補助金等の使用ルールの明確化
ク)緊急時におけるセーフティネット確立に向けた、施設・設備等のリスク分散のための考え方の明確化

4.調査検討の進め方(案)

(1)本年夏までに調査検討を行う取組
・平成25年度以降、主に予算事業として実施すべき取組(主にア~エ)
・統合後の新法人が担うべき、研究開発プラットフォーム推進の中核的機関としての役割本年中に調査検討を行う取組
(2)本年中に調査検討を行う取組
・各取組に反映させるシステム改革、制度改革

5.平成25年度予算事業について

(主な現状と課題)
(1)「先端研究施設共用促進事業」により、外部(特に産業界)による施設利用が着実に増加。
(2)同事業の対象施設の中には、「外部利用体制の構築」という事業目的をすでに達成しているものの、施設の維持・運用のために、本事業経費による支援に頼らざるを得ない状況の施設も存在。
(3)「最先端研究基盤事業」は、平成24年度に事業終了を予定しており、整備された研究設備の事業終了後の運用にあたって、各機関の自己努力を促しつつも、広く産学官の利用に供していくという視点からの支援方策も必要。
(4)最先端大型量子ビーム施設や「ナノテクノロジープラットフォーム」等において、利用システムや施設携に関する様々な取組が試行されており、優れた取組については研究開発プラットフォーム全体に波及させることが望ましい。
(5)施設・設備を支える人材が不足している。
(6)戦略的に施設・設備の高度化を行うための横断的な取組が存在しない。
(主に審議いただきたい論点)
(1)大学、独法等が所有する先端研究施設・設備について、産学官への共用を量的・質的に拡大していくための取組はどのようにあるべきか。
(具体例)
・「先端研究施設共用促進事業」について、支援対象施設の拡充、見直し
・外部利用体制が構築されている施設・設備については、利用料収入等による自立的運用を目指す
・外部利用体制が構築されている施設・設備については、新たな目標の設定を条件とした上で支援を実施(施設間のネットワーク構築(技術領域別プラットフォーム構築)、重要課題達成に向けた研究開発プロジェクトによる利用、など)
・共用すべき施設・設備への制度的手当て(特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律等)
(2)先端研究施設、設備について、どのような方法で高度化支援を行っていくべきか。(如何にして高度化にふさわしい施設・設備を見極め、施設・設備の先端性を維持していくか。)
(3)重要課題達成に向けた研究開発プロジェクトにおいて、先端研究施設、設備を有効に利用し、研究成果創出のスピードアップを図るためのシステムをどのように構築すべきか。
 (具体例)
・共用法対象施設等の連携の促進
・「創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業」のように、課題達成を軸とするプラットフォームを構築
・J-PARCやSPring-8における重点分野利用枠設定のような工夫を、大学、独法等が有する他の先端研究施設・設備でも実施
(4)研究基盤を支える人材をどのように育成・確保すべきか。(そのような人材は、研究者として育成すべきか、研究者とは別の職として育成すべきか)
(具体例)
・若手研究者(特に学生・ポスドク)向けに、施設・設備利用費が含まれた研究費を用意し、施設側に 一定期間滞在させることで、研究側と施設・設備側との流動性を高め、将来の研究基盤を支える人材を育成・確保
(5)政策ニーズ、利用者ニーズ等を踏まえた上で、必要となる共通基盤技術・機器を開発していくための方策はどうあるべきか。

6.中核的機関の役割について

(主に審議いただきたい論点)
(1)研究開発プラットフォームの推進において求められる機能とそれを担う中核的機関の役割はどのようなものか。
(具体例)
・統合後の新法人において、大学、独法等の先端研究施設・設備等の利用者に対するワンストップサービス機能の整備や、コーディネーター人材の育成等の取組を実施
・統合後の新法人が所有する共用研究施設・設備について、一層効果的な運用を可能とする仕組みの構築
・統合後の新法人において、政策ニーズ、利用者ニーズを踏まえた上で、施設・設備等の高度化等に必要となる共通基盤技術・機器を重点的に開発

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