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産業連携・地域支援部会 競争力強化に向けた大学知的資産マネジメント検討委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成27年5月14日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 東館 15F1会議室

3.議題

  1. 運営規則について(非公開)
  2. 競争力強化に向けた大学知的資産マネジメントの状況と課題について
  3. その他

4.出席者

委員

橋本主査、三木主査代理、上野山委員、上山委員、魚崎委員、川端委員、國吉委員、島崎委員、進藤委員、菅委員、高梨委員、松本委員、両角委員

文部科学省

岸本科学技術・学術政策局次長、浅田総務課長、村田科学技術・学術総括官、坂本産業連携・地域支援課長、山下大学技術移転推進室長、神田地域支援企画官、西島大学技術移転推進室室長補佐、江間大学技術移転推進室企画調査係長、他

5.議事録

【山下室長】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会競争力強化に向けた大学知的資産マネジメント検討委員会の第1回を開催させていただきます。
 私は、大学技術移転推進室長の山下と申します。本日は、お忙しい中、御出席頂きまして、ありがとうございます。本日は最初の会合でございますので、冒頭、私が司会を務めさせていただきます。また、主査代理の指名等、人事案件等に関する議題が終了するまでの間は非公開で進めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず配付資料の確認をさせていただきます。

【西島室長補佐】  資料の確認をさせていただきます。まず、本日の議事次第が1枚。続きまして資料1、科学技術・学術審議会産業連携地域支援部会に置く委員会について。資料2、本委員会の委員名簿。資料3、本委員会の運営規則(案)。資料4としまして、横書きで競争力強化に向けた大学知的資産マネジメント検討委員会。資料5-1、上山委員による大学財務から見た研究経営の戦略的マネジメント。資料5-2、川端委員による大学経営~イノベーション創出の観点から~。資料5-3、進藤委員による東北大学における大学経営の現状。資料6、今後のスケジュールについて。参考資料としまして、参考資料1、科学技術・学術審議会関係法令。参考資料2、科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会運営規則。
 以上となりますが、ございますでしょうか。もし不備等ございましたら、途中でも結構ですので事務局までお問い合わせください。以上でございます。

○主査代理は、科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会運営規則に基づき、橋本主査が三木委員を指名した。

【山下室長】   本来であれば、ここで委員の皆様について口頭で御紹介させていただくところでございますけれども、時間が限られているために恐縮ながら割愛させていただきます。本委員会に御参加頂いている委員の皆様については、資料2のとおりでございます。
 次に、事務局を代表いたしまして、岸本科学技術・学術政策次長より一言御挨拶申し上げます。

【岸本次長】  次長の岸本でございます。局長の川上が少し遅れてまいりますので、代わりに御挨拶させていただきます。
 今日は、第1回目の開催となりますけれども、橋本主査をはじめ、委員の皆様方、御多用中にもかかわらず御出席頂きまして、まことにありがとうございます。御承知のように国立大学をめぐって運営費の交付金とか、競争的資金の在り方に関する検討をはじめとしまして、現在、国立大学をどうしていくべきかということについて様々な観点から議論が進められておりまして、まさしく非常に国立大学は大きな岐路に立っているということでございまして、この検討委員会におきましては、大学自身が保有する研究資金、知的財産、人材等の、いわゆる研究経営資源をどのように配分し、どのように活用していくかということについて御検討頂くことになっております。したがいまして、このテーマは国立大学に対しまして大学の研究経営の在り方に関する強いメッセージを送り、その改革を後押しすることを目指すものでございまして、委員の先生方におかれましては、大学が実施していくべき方策について積極的に提案していただければと思います。よろしくお願いします。

【山下室長】  では、以降の議事進行につきましては、橋本主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【橋本主査】  では、改めまして、橋本です。どうぞよろしくお願いいたします。今、岸本次長からお話がありましたけれども、現在文科省で精力的に行われている大学改革、それから、競争的資金改革、そういうものがかなり急ピッチで進んでいます。その中の非常に大きな論点は、もちろん大学に国費を投入していただきたいということです。そのためにもしっかりとシステム改革をしなければいけないという立場でやっているのですが、併せて国費投入を要求するだけではなくて、やはり大学の持っている資産をいかに有効に使って、それを研究教育のための資金として使えるかというのが、実は一つの大きな方向性だと思っております。
 この委員会は、まさにその大学の保有資産をいかに有効に使うかということに対していろいろな御議論を頂いて、今お話がありましたように、まさに大学が大きく変わろうとしている中での強いメッセージ、方向性として打ち出せると良いかなと思っております。委員の先生方には何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 では、早速ですが、議題に入ります。最初は運営規則についてです。事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会競争力強化に向けた大学知的資産マネジメント検討委員会運営規則について、資料3に基づき事務局より説明後、原案のとおり了承、決定された。

【橋本主査】  本検討委員会の議事については、運営規則第4条により原則公開とされております。したがいまして、ただいまより公開とさせていただき、報道関係者及び一般傍聴者の入場を許可したいと思います。

(傍聴者入室)

【橋本主査】  
 では、これより公開で競争力強化に向けた大学知的資産マネジメント検討委員会を進めさせていただきます。本検討委員会の主査を務めさせていただきます橋本でございます。また、主査代理は、少し到着が遅れておりますけれども、三木委員となります。
 では、議題2の競争力強化に向けた大学知的資産マネジメントの現状と課題について審議を進めてまいりたいと思います。まずは、本検討委員会開催の趣旨、目的及び今後の進め方について確認してまいります。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。江間係長、お願いします。

【江間係長】  それでは、お手元の資料4を御覧ください。資料4に基づいて本検討委員会での検討事項等について御説明させていただきます。資料を1枚めくっていただきまして、まず、導入として国立大学改革をめぐる昨今の議論の概要について簡単に御説明させていただきます。国立大学改革をめぐっては、大きく運営費交付金と競争的資金の在り方という2点について重点的な議論がなされております。運営費交付金をめぐっては大学に対して3つの枠組みを提示する。ここにございますとおり、例えば地域のニーズに応える研究に重点を置くもの、次に分野ごとの研究や教育研究拠点としての機能に重点をおくもの、3点目として世界最高水準の研究を行うことに重点を置くもの、こういった形で大学に対して枠組みを提示し、それぞれの大学がどこに入るかといった点をそれぞれの大学が決定した上で支援を行う、こういった点について議論が進められております。

 こういった3つの枠組みと合わせて、下にございますとおりですけれども、まず、運営費交付金の中に学長裁量経費を新設するであるとか、あとは運営費交付金と競争的資金それぞれではなくて、それらはまさに改革の両輪として、デュアルサポートシステムとして改革を進めていく。特に競争的資金の改革の中では間接経費の措置の対象の拡大であるとか、直接経費からの人件費、支出等の使途の柔軟化といった点についても議論が行われております。更には、3点目でございますけれども、財務基盤の強化として財源の多元化ということで寄附金受け入れの拡大であるとか、保有資産の有効活用、更には民間からの共同研究費の受け入れ拡大といった、大学のまさに自律的経営を促進させるための手法といった点についても議論が進められているところでございます。このとおり、国立大学改革をめぐっては、運営費交付金、競争的資金という二つの大きな資金の在り方について、特に財務面についての検討が進められているところでございます。

 更に1枚めくっていただきまして、本論でございますけれども、では、この委員会で実際に何を検討していくかといった点について御説明させていただきます。これまで申し上げたとおり、財務面に関して概算要求に向けて、今、非常に活発な議論が進められているところでございます。一方で、大学全体で各国立大学がどのように、それぞれの大学が有する限られた資源というものを配分していくかといった議論については、まだ検討していく余地があるのかなと思っております。そこで、本委員会の目的、赤囲いの部分でございますけれども、まさに大学が学長のリーダーシップの下、外部機関との連携を含めて金、ここにありますとおり研究開発投資の財源であるとか、その物、知的財産であるとか、研究インフラ等の資産の取り扱い、更には人として研究人材等の知的財産に限らず、ここで言う知的資産、非常に大きな枠組みとして研究経営資源、知的資産を効果的に活用していくためには、どのような戦略を各大学が構築していくべきかといった点について検討を行って、大学の経営力強化への貢献を目指していくということを考えております。

 その下に委員会での検討が想定されるポイントとして大きく4点挙げていますけれども、まず、研究経費全体のシステムです。システム、更には財源、資産、研究人材といったこの4点に分けて議論を進めていただきたいと思っております。特に6月までですけれども、夏までをめどに第一次提言を取りまとめる予定でおりますが、特に1.の研究経営システム全体に関する論点、ここにまずフォーカスを絞って重点的に御議論頂きたいと思っております。以上になります。

【橋本主査】  ありがとうございます。
 私も、今御説明頂いた大学改革をめぐる会議に関わっておりますので、少しだけ補足させていただきます。2ページ目のところで、大学改革が今どうなっているかということを簡単に申し上げますと、運営費交付金がここ10年間で10%も減ってしまっている中で、人件費でほとんど占められてしまっており、とてもマネジメント経費にまわせるお金がない。しかし、そういう中で大学を更にグローバル化して研究力も高めて、しかも、人材育成力も高めてという要望が大変強い。そうすると、やり方としては運営費交付金の額を元に戻してもらう、あるいはそれ以上増やしてもらうという要求をする方法が当然あるわけです。今までずっとこういうふうにやってきたわけですけれども、ある種の限界があるというか、諦めているわけではないのですけれども、それだけに頼ってはいかんだろうというのが今のポイントです。もう一つは、運営費交付金以外の財源の多様化ということも進めるべきだろうということで、それが下の残りの二つです。

 一つは、運営費交付金プラス競争的研究費のデュアルサポートシステムです。その中で間接経費というのが実は、リーダーシップ、ガバナンス改革等々に使えるようなものに相当するわけでして、間接経費をしっかり増やすべきではないか、そういうものを確保していくべきではないか、そして、それをどのように使うかという議論です。もう一つの財務基盤としては、それ以外に自分たちで財源の多様化を図るということです。例えば寄附金受け入れの問題もあるでしょうし、それから、ここでの主な論点になると思いますけれども、大学の保有資産としての知財などをいかに有効に使っていくようなシステムを構築していくのかということです。そのようなことをトータルで議論しているわけです。

 次のページの3ページ目を御覧頂きまして、そういう中でこの知的資産マネジメントですから、今申し上げたような観点で議論していただくわけですが、順番としては、最初に、なぜそういうお金が必要なのかということを議論しなくてはなりません。ただ増やして今までと同じようなお金の使い方では何にもならないというか、穴埋めのためだけに使ってしまうのだったら誰も協力もしてくれません。なぜ、どういうふうに、ガバナンス改革を通じて研究システム全体を変えていかなければいけないのかというようなことの議論が1番目です。2番目に、その財源についてどういうことがあり得るのかという議論をして、3番目がこの知的財産競争の資産に関する論点、4番目は大変重要な人材の話、こういう四つを議論していただく予定です。
 今日は、その中で1番目。

【山下室長】  1番目です。

【橋本主査】  今日はその中でも1番目、なぜそもそもこういうことが必要なのかということです。それを分かっていると私も思っていたのですが、実は分かっていなかった。これはグローバルに見たときに、我が国はある意味で遅れて――私が遅れていただけなのかも分かりませんけれども、遅れていたんだなと随分感じ入ったところがあります。そういうことに大変詳しい上山先生に、大学財務から見た経営、研究経営の戦略的マネジメントということについてお話しいただきたいと思います。上山先生は、こういう研究戦略の日米比較をずっと研究しておられて、極めて知識も豊富で、かつ厳しい御提言もあちこちでしていただいていて、今、大変な売れっ子です。それでは、上山先生、お願いいたします。

【上山委員】  私自身は、最近ずっと、主にアメリカだけではないのですけれども、トップクラスの研究大学の財務のデータをかなり集中的に集めています。そのなかで、アメリカの産業政策みたいなことの一つとして大学を取り上げて見ているんですけれども、いろいろなところでこの手の話をしているので、そのたびに少し付け加えていくべきかと思って、今日持ってきたデータは、そこから見る大学経営の在り方ということについて少し話題提供として考えました。主にスタンフォードとUCの二つのケースを取り上げます。なぜかというと、スタンフォードは私立でUCは州立大学ですから日本の国立大学に近いところがあって、その話をさせていただきます。

 大体、ここに書いていますように、まず、アカデミアというものに対する社会の関心が、実は日本は非常に低いんですね。というのは、こここそが我々がよく知識社会だという言い方をしますけれども、ここから出てくるシーズこそが実は本当の意味での経済的な成長だという意識がないために大学への支援が非常に細ってきている。これは本当に大きな問題だと思います。長期的に見て明らかに問題だと分かっていても、そこはなかなか向かっていかないということを非常に懸念しているということですね。その話と、それから、ガバナンスとマネジメント力が非常に重要になってきているというお話。

 それから、スタンフォードとUCのデータを使いながら、大学、非常に公的な存在ですけれども、そこに私的な資金が非常に大きな役割をし始めてきているという話をし、この中で、後で少し出ますけれども、Designated Fundというのに最近注目します。大学の中におけるある特定の目的を持ったファンディングの仕方ということ、おもしろいなと思っていますので。あとは、最近やっているんですけれども、Web of ScienceとかScopusというデータで、大体トップ20校ぐらいの研究者全員の一番スター研究者のデータを集めて、そして、彼らが一体どこを移動しているかというのを調べている。そのデータを少しお話ししようと思います。

 最初の2ページ目ですけれども、ここに少し絵を描きましたけれども、「大学」に対する研究というのが研究資金も限られていて行われていない。というのは、私も経済学者ですけれども、大学というのが産業連関の一つとしてなかなか認識されていないんですよね。ところが、我々、よく考えてみると、特に現在のような状況だと、大学から出てくるものが非常に大きな経済的インパクトがあって、しかも、また、アメリカの大学もそうですけれども、大学自体が巨大な地域産業と化しているので、これはもう明らかに産業のセクターとしても大きな役割をしていると捉えないといけないのに、ここの分析が実は社会科学的にもあまりなされていない。大学という存在は、実は産業政策も科学技術政策も高等教育政策もみんな集まってきているところだという意味で大学研究というのをやるべきだと非常に考えております。

 そのような視点から最近ずっと研究をしているわけですが、もともと私がこういう研究をやり始めたというのは、シリコンバレーの研究を通してアメリカの大学が80年代に非常に大きく変わったという現実に直面したわけです。アメリカの大学といえども、例えばほとんどエリート大学は私立ですけれども、私立大学といえども公的な役割が非常に強くて、例えばどの私立大学、エリート大学の研究資金も80%ぐらいは公的資金で出されているわけですね。ですから、私立といえども非常に公的な役割を持っているわけです。ところが、その公的な役割を持っていた大学が80年代に非常に大きく変化をし始めます。つまり、私的な資金が急速に入ってくるということですね。

 その一環としてここでも議論されるでしょうが、知財の問題もありますし、大学発ベンチャーとか、共同研究みたいな形もあるわけですが、そのフェーズが80年代に大きく変わってきたということを実感せざるを得なくなって、それを実際にデータで裏付けるためには大学の財務で相当調べないといけないというので、スタンフォードに関して1920年から現在までの全ての部局の全部のデータを集めるという作業をやり、実はなかなかオープンにされていないデータなので少し難しいのですけれども、そういったものをずっとやっております。明らかに出てくることは、80年代頃からOffice of President、大学の本部の役割が大きくなってきているという現実ですね。後でデータを見せますけれども。というのは、ファンディングの在り方一つとっても、これはそれまで以前とは違って、やっぱり社会的な要請にきちんと対応するようなものでなければ、ファンディングが取れないんですね。

 そうすると、大学の中にある人的なリソースをうまく活用することによって絵を描くことが必要になってくるわけです。絵を描くと言っても、個々の部局とか研究者ではなかなかそんな大きな絵は描けない。本部のようなところが、うちのところにはどういう資源があり、リソースがあり人がいるかということを念頭に入れた上で、そして新しい戦略の中で外部の資金を取っていくという、こういうマネジメント力が非常に重要視されてくるわけですね。その意味では本部の力が、あるいは本部の戦略力みたいなのが非常に重要になってきたということがはっきり分かっていきます。日本の大学などでも部局の力が非常に強いですよね。ある関西の有力大学などで言うと、大学の中で「大学とは」みたいなことを言うと、あいつは敵だと言われる。つまり、大学とはと言うと、あいつは俺の部局からお金を取り上げて大学で使うんだろうみたいな、そんな感じになるので、大学というものがどうあるべきかという議論すらできないというのが日本の国立大学で非常に困った現状なんですね。それは特殊だとは思いますけれども。

 後でもお見せしますけれども、スタンフォードで、今で言うと1ドル100円ぐらいで計算して4,500億ぐらいの年間の収入でしょうか。それは東大の2倍弱ですよね。それの大体3分の1ぐらいは大学本部がある程度、完全にグリップしているわけですね。そういうことがどういう形でできてきたのかということに関心を持って調べてきました。それから、寄附金ですよね。寄附金が非常に急速に伸びていく。これは私立だけではなくて公立というか、州立大学も同じだというデータもお見せします。それから、このアメリカの大学、80年代まで、よく考えてみると80年代というのは日本のバブル成長期ですから、アメリカは非常にディフェンシブな立場に追い込まれたときですけれども、そのときにアメリカの国としての政策は製造業中心ではなくて、むしろ、大学を中心とする新しい知識型産業に国全体として変換していくときだという、そういう意識を持って産業育成政策などもやってきましたから、その中の一環として大学というものの重要性を常に見据えていたわけですね。

 したがって、大学に対するケアも非常に大きくなりますし、大学へのファンディングもきめ細やかで、かつ非常に大きくなってくる。そのことが明らかに分かってくるのは大学の予算の急速な伸びですね。だから、80年代からそういった伸びを経験した中で新しい意識が大学の中から生まれてき、90年代のクリントン政権下の大きなアメリカの経済的リカバリーにつながっていく、そういうシナリオを見ていくと、日本のような対抗軸を見据えた新しい国家戦略としての大学戦略みたいなことは明確にあった。という意味では、大学とかアカデミア、大学だけではなくてアカデミア全体を国の戦略の中に位置付けないと、恐らく大学には全くお金が入ってこないし、かつその大学人の意識も変わらないという、そういうストーリーをどこかで描かないといけないのだと思っております。

 そういう意味で、どういう分野でどれぐらい資金が増加しているかということもお示ししますし、それから、Central Administrationですね。大学本部の役割が予算的に見ても大きくなってきているということのデータもお見せします。めくっていただくとそうなのですが、それは最初、スタンフォードですよね。これはいろいろSchool of Medicine、Engineering、Humanities、Physical Science、ずっとありますけれども、そこに少し強調してあるのがAdministrationです。もちろん、例えばSchool of Medicine、非常に伸びるわけです。80年代から90年代になってくると、ここはライフサイエンス系のバイオベンチャーなんかどんどん出てくるところですから、大きな予算が投下されているということが分かりますが、実はアドミニの予算も急速に伸びている。3番目ぐらいで伸びているわけです。

 それから、その下のところ、UC Systemですけれども、ここにある、同じように部局ごとの予算の変化と、それから、Institutional support、Executive managementの予算も見ますと、ここも急速に伸びているわけです。UC全体を統括するようなOffice of Presidentの役割というのが大学の中で非常に強く認識をされて、そこの中に必然的に予算が入ってくるということですね。これはもちろん戦略を考えるだけではなくて、大学というものの公的な役割が非常に複雑になってくるんですね。例えば研究不正一つとってもそうです。これは80年代ぐらいから研究不正の問題がいっぱい出てきますけれども、これは大学という、あくまで公的だったところに私的な利益の視点をパーッと入れたためですよね。そうすると、当然、研究者たちはそこに引っ張られていろいろなことをやっていくわけです。

 そうすると、それを日本の大学の悪いところは、悪い研究者がいて、その人を告発して、刑事罰にするかどうかみたいな、そこで終わっているんですけれども、そうではなくて不正が起こらないような体制をどのように大学の中で組んでいくかというところに視点を向けていくと、これは必然的にアドミニの力は非常に求められるわけです。そういうような専門的な知識、つまり、科学も分かり、法的なことも分かるような、そういうプロフェッショナルもたくさん抱えないといけない。そういった人件費もどんどんかかっていくというと、これは一つ一つの問題がアドミニにかかっていて、そしてアドミニストレーションの予算が急速に増加しているという現状がお分かりになると思いますね。これ、今、スタンフォードとカリフォルニアだけ挙げていますけれども、ハーバードも、あるいはMITもみんなデータを見ると同じようなことが起こっています。

 6番目を見ていただきますと、6番目のところに研究・教育資金の循環ということ、ここの大学の中における予算のマネジメントがどのように行われているかということに関して非常に関心を持って、というのは、予算を動かすということそのものが大学ということの動きに関わってくるわけですから、例えば部局に毎年、毎年幾らか配分されているのを単に以前の配分の仕方で配分しているのか、そうではない戦略性がそこにあるのかという視点で見てきたわけですが、これからいろいろなデータを見ていきますけれども、明らかに分かることは、その研究大学の収入が非常に急速に伸びている。しかも、またそのファンディングが非常にマルチであるということですね。マルチファンディングに成功している。いろいろな部門からの資金の吸収に成功しているということです。

 公的な州立大学を見ても、州からのサポートというのは激しく下落をしているんですね。今、カリフォルニアで20%台に落ちているわけです。ということは、州立大学というもの、予算から見ると州というものの役割は非常に小さくなってきて、ほかの資金が急速に伸びている。何が伸びているかというと、まず、競争的資金のお金が増えている。競争的資金に関連して間接経費が大学本部に入ってくるというストーリーもありますし、それから、私的なマネーとしての、例えば病院の収入もそうですし、それから、寄附金、これも後でデータを見せますけれども、80年代から、UCといえども私的な資金の吸収を激しく行うようになっている。

 僕が知っている限り、UCが知的財産権のマネジメントで最も厳しいですね。つまり、UCの中に書かれてあるんですけれども、UCの教員で、UCに関わっているあらゆる人間は、その人間が考えたこと、それは大学の中でやろうと、家でやろうと、あるいはどこかで企業と連携してやろうと、あるいはそこの中でおもしろいのは、「ガレージの中で考えたアイディアであれ」と書いてあるんですね。つまり、あらゆる活動であなたが考えたことは、大学の資産だと書いてあるんです。したがって、大学にレポートして、そしてその許可を得なければいけないと書いてあるんですね。UCみたいなところは、これだけ財源が落ちてくると、スタンフォードなんかよりもっと厳しいんですね。つまり、知財に関してはあらゆるところから資金が取れるなら、大学の中にそれを吸収したいという意図がはっきり見える。

 なぜガレージと書いてあるかというと、Appleも、Hewlett-Packardもそうですが、ガレージで何か作ったやつが大企業になるわけですから、そんなものも全部大学の資産だと書いてあるところを見ても、やっぱりこの大学の姿勢が見える。つまり、僕はよく言うんですけれども、州立大学なのにprivatizationに熱心で、スタンフォードは私立大学なのですけれども、あそこは非常にパブリック性が強いという、とてもおもしろい二律背反になって、そういう意味ではこのカリフォルニアの7番目を見ていただくと分かるのですけれども、例えばGiftのところが急速に伸びていますね。そして、州からの赤いところの線が下落をしているということもお分かりになると思います。

 つまり、授業料は伸びていますけれども、これはなかなか難しい。もちろん研究者、教員の給与も、後でデータを見せますけれども、急速に伸びていくんですけれども、それをやるためには当然、授業料も上げざるを得ないんですけれども、やっぱり高止まりせざるを得ない。そういうものもあって、まあ、大体州立大学はそうですけれども、州内の学生と州外の学生と国外の学生とで授業料を完全に分けてしまって、国外の学生からは、たくさんふんだくるみたいな政策をやるわけです。そういうことがお分かりになると思います。

 それから、この大学資金、大学の中に入ってくるお金をどのように戦略的に配分するかということが本当に大学の中でのマネジメントに決定的な意味を持つので、一体どのような意図を持ってやっているのか。それは当然ながら、今の世代のシニア世代と若手の世代の間ではどのような配分をしていくのか。当然、若い人たちを育てなければいけないという使命を考えた上での大学の資金配分の在り方はどうなのかということも考えないといけない。それからもう一つ、僕はさんざん1年ぐらい言ってきたのですが、日本の大学にはProvostが存在しないということですよね。これ、最近いろいろなところで取り上げられてきてうれしいのですけれども、学長というのはどちらかというとファンドレイジングなんですよね。大学の中は研究教育に関するProvostという副学長を置いて、ほとんどここに一任している。

 ここが決定的に大きな予算権を持っていて、3分の1ぐらいグリップしているわけですね。その中でどのような形で奨学金を出してくるのかとやっていくわけですが、こういう存在が実は日本にはいないんです。つまり、プロフェッショナルな大学経営という、そういう人材が日本の大学には決定的に欠けていて、本当にここを育てないとなかなかグローバルには戦っていけないという気がしますね。前、スタンフォードのProvostをやっていたのは、コンドリーザ・ライスという前の政権の国務長官だった人ですが、大体ここのポジションに着く人はものすごく頭のいい人なんですよ。彼女は政治学が専門ですけれども、政治学であろうと、あらゆる科学分野の予算を握っているわけですから、それはもう目配せの効く非常に頭のいい人が入る。彼女、15歳でスタンフォードに入って、25歳でフルプロフェッサーになっている。本当、ピカピカですよね。こういう人が日本にいないんですよ。

 つまり、専門的な科学者を育てるというのはできるかもしれないけれども、そういう視野の広い大きなマネジメントをする人材がいないんですよ。それを早く育てないといけないと僕は前から言っていることなのですが、8番を見てください。これは大学の基金ですね。御存知のようにハーバード、今、3兆数千億円になっていますが、8,000億ぐらいになっていますか。1970年代のときって1ドル100円とすると700億円ぐらいなんですよ。これは80年代にアメリカの資本市場の拡大とともに、80年代から90年代に急速に伸びていくわけですね。何でこんなに伸びなかったかというと、やっぱりフリーハンドのお金が必要なんですよ。大学というところは。そして、その戦略性を考えるような資金が決定的に必要だけれども、日本の大学にはないということですね。

 それから、僕は言うんですけれども、東大も数百億あるんですね。そうすると、20年後ぐらい、東大もこれぐらいになっているかもしれないというぐらいのスピードなんですね。うまく資本市場が伸びていけばですけどね。そういう意味では、どれぐらい外部の私的な資金を大学の中に呼び込みながら、それを戦略的に使うようなスキームを作っていくかってとても重要で、9を見てください、これはカリフォルニアの各スクールの寄附金の変化です。急速に伸びて、90年代非常に伸びていくわけですね。日本の私立大学には税上の優遇措置が講じられていますけれども、国立大学には認められていないですね。これは早く、やっぱり何かの形で規制改革していって寄附金を集めるような体制を作っていけないと思います。

 その次のページ、二つのところは、スタンフォードとバークレーのそれぞれのバジェットの配分のところ、スタンフォード、見ていただけますようにこのEndowment Incomeが21%と書いている。これは2014年、15年ですから、つまり、Endowmentというのは基金からの収益です。四千数百億のうちの20%を基金から稼いでいるわけですね。大体、毎年19から20%前半ぐらいで稼いでいますね。それから、もちろんながらGift、それから、ほかのInvestment。それらが、こういうような配分になっているというのがお分かりになりますように、下の方はバークレーですよね。バークレーは公立ですからもちろん、ガバメント、州立からのステートサポートが多いのですけれども、14%ぐらいに実は落ちているということ。Contracts & Grantsというのは、要するに競争的資金ですね。これは競争的資金からのお金ということであります。

 こういうのを見るとよく思うのですけれども、日本の大学では、国立大学は公的な資金に極めて依存し、私立大学はTuitionに依存しているという、とてもゆがんだ形になっている。これをもう少し変えていかないと、なかなか大学ではうまくいかないなという気がします。12ページを見ていただくと、これはバジェットの決め方なのですが、これもやっぱり大学経営に関わる人はこういうようなことをやりながらみたいなことを頭に入れてほしいなと思うのはそうですが、当然ながら大学の中で物を考えるときにはバジェットをどう組むかということなのですが、日本の中では毎年、毎年のバジェットに関する議論をするところがないんですよ。つまり、運営費交付金が来ると、ほとんど自動的に配分される。しかも、それはほとんど人件費に消えていく。どういうところで戦略的投資をして、大学の強みをなしていくかということが考えることもできないし、考える予算もないんですよね。

 これを見ますと分かりますように、Trustees Boardという理事会があって、Budget Officeにこういう形で何か次の期の大学の経営を考えないといけないと下りてきて、そこでBudget Groupは、これは大体ここにFacultyとかStaffが書いていますけれども、教員と、それから、アドミニに関わる人たちが集まってきて、今後のスタンフォードの資源配分に関するバジェットの組み立てを議論して、そしてそれをProvostに投げて実際に動いていくというシステムになっているんですね。ということは、すなわちバジェットの組み方そのものに、ある種の研究投資の視点がはっきり見えてきているということです。どれぐらいこの分野に投資することによってスタンフォードの名声を高めていくことができるのか。そこがどれぐらいIntellectual property――知的資本が出てくるのか、知的財産が出てくるのかというようなことも考えた上で、次々、次々とこういう戦略的なバジェットの組み方をやっているということですよね。これはなかなか日本の大学ではできないんですよ。

 できないのは当然で、運営費交付金で全部賄ってきましたから、基本的に配分する以外の力がないわけです。お金がないですから。僕は言うのですが、本部の中に例えば毎年、数百億ぐらいのお金があったら、これは相当動きますよ。国立大学で言えば。あなたのところでこういう新しい動きをするのだったら、ここにお金を付けますよみたいなことはできますけれども、日本の大学には全くできない。という意味では、僕はやっぱりこのバジェットの組み方みたいなところから、はっきりと国立大学の人たちは意識を持って国なんかに交渉すべきだと思っています。13ページのところというのは、これはGeneral Fund、これはつまり、全体の中の一般経費、General Fundを何と訳したか難しいのですけれども、ここは3分の1ぐらいあるんですけれども、Provost Officeが完全にグリップしていますね。その中の使い方というのは、多くは奨学金であるとか、あるいは個々の部局に対する補助金であるとかという形で資金を提供するわけですが、3分の1を動かせるというのは非常に大きいですよね。

 残りの3分の2というのは、大学本部は手を付けられないけれども、残りの予算に関しても完全に予算の財務諸表を押さえています。それぞれのプロジェクトごとの予算も押さえている。ということは、例えばある部局がこんなことをやりたいと言っていて、その部局が、あなたのところはやりたいと思っているかもしれないけれども、あなたのところ、予算、ちゃんと持っているでしょうと。予算を持っているんだから、うちの予算を引き上げてこっちに回すよという交渉ができるんですね、大学本部は。つまり、そういうのをConsolidated Budgetというんですが、統合的な全体のバジェットの組み方を大体1990年代ぐらいにスタンフォードがやり始めたのですが、つまり、大学本部と各部局が資金の流れに関してネゴシエーションを行いながら、適切な、最適なバジェットの組み方みたいなことをやっていることですよね。そういうことができ上がってきているということだと思います。そういうシステムはどういう形で入らないか、国立大学の中に、アメリカにはならないと思いますけれども、日本の大学はアメリカにはならないとは言うものの、何かのヒントをここから得ることはできるのではないかなという気がしています。

 それから、14ページ以下、Designated Fundの話をさせていただきます。僕はこういう話を何年か前からしているのですけれども、そのときに上山さんの言っていることというのは自然科学系の話が多いですよねと。つまり、外部のお金が取りやすいような部局、活動は、それは確かに大学経営の中で入っているかもしれないけれども、アカデミアってそういうものではなくて、もっと多面的な面があるでしょう。人文科学はどうするんですか、哲学研究はどうするんですかと。あるいは社会科学の研究なんかどうなるんですか。そういう外部資金がはっきり取られるところは全部死んじゃうじゃないですかという議論をされて、それはなかなか僕はちょっと、それは表面的にはそう見えるかもしれないけれどもそんなことはなくて、例えばスタンフォードやハーバードで哲学が死んでいますかというと、あそこは世界一級の哲学者を集めようとしていますよね。

 ハーバードも論文のアウトプットを見ると、トップ20の分野のうち4分の3とか5分の4ぐらい実はメディシン関係なんです。ほとんどライフサイエンス系の論文ばっかり出ているんですね。ということは、ハーバードという大学はメディカルスクールなんですよ。アウトプットで言うと。だけど、我々はハーバードをそういうふうには見ていなくて、特に社会科学系の人間からすると、ものすごい強い経済学がいる。強いヒューマニティーズがいる、そういうイメージがありますよね。それはなぜかというと、明らかに資金を大学の中で循環させているということですよ。アカデミアというのは、やはりただ一つの分野、ただ一つの力強いところだけを育てていくのではなくて、アカデミア全体の中で育てないと、それは総合大学の力を確保できない。そのような視点がアメリカの大学にないかというと、そんなことはないということですよ。そういうことを何か実証的に示せないかと思って最近注目していているのは、このDesignated Fundということです。

 このDesignated Fundというのは大体1974年ぐらいから始まるのですが、それまでにないファンドのカテゴリーなんですね。アメリカの大学ってファンドシステムなので、restrictedとunrestricted、つまり、使っていい目的が決まっているファンドと決まっていないファンドと分かれていて、それだけの二つのカテゴリーだったのが70年代の半ばぐらいからDesignatedというファンドが出てくるんですよ。つまり、これはある特定の目的に使用することができるようなファンドという形ですね。これは何でかというと、明らかに戦略性があるんだと思います。二つの理由があると思いますけれども、会計上のアカウンタビリティが必要だからきちんと、今まででもやっていたかもしれない、つまり、資金の循環をやっていたかもしれないけれども、明確に資金の循環を意図するようなことをファンド会計に入れないといけないと思ってDesignated Fundを入れたというのが一つのシナリオで、もう一つは、こういうファンドを作ることによって、はっきりと戦略上に資金を動かすことができる根拠を持ちたかったというこの二つだと思いますが。

 これ、見ていると分かりますが、赤いところがDesignated Fundの変化です。90年代に入ってくると急速に伸びていっているということがお分かりになるでしょうし、それから、16ページのところは、そのDesignated Fundがどの分野に投下されているかということですね。マークしてあるのは、例えばBusiness management、伸びていますね。Health関係、伸びています。そのほかにも例えばここで、17ページを見てください。17ページはそこの赤いところだけ抜き出したものなのですけれども、lettersとか、Lawとか、Physical scienceとか、こういうところに、Fine and applied artsみたいなところに入っているんですね。つまり、お金が必ずしも外部資金が取りやすいとは限らない分野であっても、例えば文学みたいなところなどにも非常に大きくお金を出しているということです。

 そのところで18ページも同じなのですけれども、これはプロジェクトベースのRESEARCHに関するDesignated Fundがどれぐらい投入されているかということで、18、19を見ていただくと、例えば非常におもしろいのは、lettersなんかにたくさんのお金が入っているということが分かりますね。それから、Interdisciplinaryに非常に入っている。つまり、学際的、マルチサイエンスのところですよね。日本語で言うと融合型のところです。これはいろいろな理由があるでしょうが、融合型の研究の方が外部資金が取りやすくなってきているから、そこに大学の資金を投入して新しいプロジェクトを立てる戦略をやっているという見方もあり、かつ、恐らくこれは結構早い段階から入っているということを見ると、大学の中で今後、個別のディシプリンを超えた融合型の研究こそが新しいものを生み出していくという、本当に一級の科学者の中からの要求に応えているファンディングの在り方なのだという気も実はします。

 これを見ると、つまり、先鋭的で新しい絵を描けるようなところ、あるいは外部資金を取れないかもしれないけれども、アカデミアとして守らなければいけないところにもDesignated Fundというのが入っているという実態が見えてくるわけです。ここに戦略性がある。こういうところにアメリカの大学の非常にアカデミアとしての戦略が見えてきていると考えなければいけないのではないでしょうか。

 今のはUCのケースですけれども、スタンフォードの同じようなDesignated Fundを見ていただきますと、20と21なのですが、これを見ていただいて分かりますように、スタンフォードはスタンフォードなりのDesignated Fundのアロケーションをやっていることが分かります。メディシン関係に相当お金を入れているというのが分かりますね。あそこ、御存知ないかもしれませんが、UC San Franciscoをマージしようとして莫大なお金を入れて失敗したのですけれども、ライフサイエンス系というのは、あの大学にとってはドル箱のような大きな分野ですから、そこに資金を入れるというのは当然なのですけれども、ほかにもいろいろなところにも入れていて、地球科学であったり、エンジニアにも入れているということも分かります。ビジネス関係も入れていますね。

 このDesignated Fund、特定の目的を持っているようなファンドの仕方というものは恐らくは、まだ完璧な実証はできていないのですけれども、大学の経営戦略の中にとても重要な意味を持っていると考えた方がいいと思っております。もし大学の知的資産マネジメントということであれば、まさに財務の形から見たマネジメントの戦略性ということを本気になって議論する段階に、今、日本の大学も来ていると思っています。23ページは大学の人材に関わるような資金の流れを少しお話しして、それからもう一つは、これも今やり始めているのですけれども、先ほど言いましたけれども、人材の移動をビッグデータの中から調べるということをやっているということを少し御紹介しますね。

 まず、言えることは予算が非常に拡大している。研究者の人件費が伸びてきているということ。それから、大学における奨学金やStipend、つまり、大体アメリカの大学は博士課程に行くと学費は免除されることが多くて、それに加えて生活費として毎月1,000ドルぐらいのStipendが出るのですけれども、そういうものがどういうふうになっているかということも見ていきたいと思います。それから、今言いましたようなビッグデータの中から人間の移動の話を少し御紹介しようと思います。それから、第3番目に書いた、これは後でまた御説明しますけれども、個別の大学に対する研究者の帰属意識が相当変化しているなという気がします。80年代、90年代、2000年代、2010年代、やはり相当変わってきているなということが、この人材の移動の中から何となく読めてきて、これも実は完璧な実証までできていないのですけれども、そのお話を実はしようと思います。

 まず、最初は24ページ、これはスタンフォードのケースですが、教員の給与と、それから、Stipendの変化です。サラリーは多いところで急速に伸びているわけですね。それから、supplies expense、これは当然ながら研究の個別のプロジェクトのバルクが大きくなっていますから上がってきますけれども、それに人件費が急速に伸びている。Stipendも人件費ほどではないけれども、伸びているんですね。MITあたりで本当にいい学部の博士課程をやると、恐らく年収で言うと四、五百万円じゃないでしょうかね、Stipendだけで。つまり、かなり安定した雇用、長期的な年数で言う雇用ではないけれども、その奨学金も含めた財政的なサポートは相当大きい。したがって、そこに人間が集まってくるということだと思いますね。

 これは少し御意見も聞きたいのですが、日本の場合は大学院生、修士が中心なんですね。大きなところは修士で、ところが、アメリカはやっぱり修士ではなくて博士なんですね。これは自然科学の人たちに聞きたいなと思ったのですが、日本の自然科学の教室って、修士号の学生をある種の労働者としてといいますか、研究の補助的な形で使うことも多いのではないか。ところが、博士課程って完全な、対等な研究者の卵なんですね。この辺の意識の差も実はあるのではないかなという気がしたりします。それから、そこのところに書いていますけれども、これはStipendが分野ごとにとう違っているのかということを見ていただきたいなと思って、サラリーとequipmentとStipendですね。ライフサイエンス系のBiochemistry、Biological Science、GeneticsのStipendは非常に大きいなというのが私の印象でございました。

 それから、次のところのページも同じようにInstruction and Departmental Researchに関するStipendの違いみたいなこともここに少しプロットしてみましたから、もし御関心があれば見ていただきたいと思います。

 最後にお話をしたいのは、今、やり始めてきているトップ20校ぐらいの、いわゆるスター研究者の移動の話を調べています。これは今でこそ可能になって、いわゆるデータというのがWeb of Scienceとか、Scopusが出てきて、あらゆるデータを一応、取ろうと思えば、お金は要りますけれども取ることができて、今、そのトップ20校ぐらいの全ての研究者の、特にスター研究者に焦点を当てて調べ始めているところですが、ここでやったデータというのは、スタンフォードだけ少し紹介しますと、ライフサイエンス系については全てやったのですが、そのデータの中でサイテーションが非常に高い、トップ100人を一応スター研究者として、その100人の人たちの論文を全部ダウンロードして、そこに書かれているアフィリエーション、所属先をずっと追いかけました。全部の人たちにIDの番号を振って、そして、その人たちか何年にスタンフォードで論文を書き始めたのか。そして、それが別の機関に行って論文になっているのかということを調べたんですね。

 その中からどのようなスタンフォードの中にも人材の移動みたいなことがあるかということを調べて、今日、出てきているデータというのはBiochemistry、Genetics、Cell Biologyだけを挙げておいたのですが、一見すると、僕はこれを見て「えっ」と思ったのは、そのほとんど、どの分野もこのライフサイエンス系と同じような動きをしている。すなわち、スタンフォードだけでやっている研究者と、それから、ほかのところに移った人、Others Onlyというのは、ここにはいろいろな大学の名前が、僕はどの大学に行ったかということも全部把握していますけれども、別の大学に行った人ですね。別の大学に行って論文を書き始めているという人が1990年代後半から急速に伸びてきている。ですから、スタンフォードはその意味ではワーッと80年代から急速にスタンフォードが引き抜いているのか、スタンフォードは魅力だから人が移っているのか分からないですが、そういうのが入ってきて、そして90年後半になってくると、それがワーッと出てきている。出て行っているという、そういう姿がある。ライフサイエンス系でみんな同じなので、これはなかなか、どういうことが起こっているのだろうという気がいたします。

 ですから、これは今言った三つの分野、みんなそうだということですね。それも含めて、この最後のところのグラフは、その2000年、このデータは2000年から2010年までの100人のエリート研究者だけなのですが、1990年代のエリート研究者、1980年代のエリート研究者のデータはまだ取れていませんので、そこの人間の動きは分からないのですが、少なくとも2000年から2010年にかけての人たちが1980年から一体どこに所属しているのかということをずっと見たのですが、それでおもしろいのは、1980年代ぐらいにスタンフォードに移籍した人というのはあんまり動かない。スタンフォードにずっといる。これが2000年代ぐらいに入ってきた人はかなり動きが激しい。出て行くんですね。そうすると、つまり、80年代頃、伝統的な世界の中でスタンフォードに来た人というのは、これはこここそが私の住処だと思って非常にスタンフォードに固執しながら研究していく。ところが、若い世代になればなるほど移動が激しくなってきている。いいところがあれば動いていくということが非常に起こってきているということですね。

 この大きな動きというのは、明らかにどこかが、例えばスタンフォードの大学の研究者を引き抜いているということはいっぱいあるわけです。ここのデータには見せなかったのですが、例えばシンガポール国立大学、非常に激しい動きをして、特にコンピュータとバイオ関係で言うと、優秀な研究者をどんどん引き抜くということをやっていますが、まさにBrain Circulationみたいなことが先端の科学領域で起こってきている。こうなってくると、当然、大学はマネジメントとしてこのような人材をどうやって自分のところにつなぎとめながら大学経営をやっていかなければいけないかと考えないといけない。そのときに、先ほど申し上げたみたいなDesignated Fundとか、あるいはProvostの持っている予算などというものは大学の戦略の中で動かし、例えば先生方も恐らく御存知でしょうが、やるところって、もう教室ごと引き抜くわけですよね、研究者を。

 それは億単位のお金が必要ですけれども、それは運営費交付金ではできないんですよね。そういうような資金をきちんとできるかどうかというのが恐らくグローバルな競争の中で東京大学とか、あるいはエリート、日本の研究大学が対峙して生きていけるかというところに関わっていて、そういう意味では資金のマネジメントというのは恐らく決定的に死活問題として日本の研究大学は考えなければいけない状況に来ているのだと思います。そういう意味で私が話したように、日本の研究大学の財源をどのような形で多様化していくかということを考えないといけない。民間の資金も含めた多様な資金源をどう作っていくかということを考える時期に来ていて、それは前から議論になっていますような間接経費の問題などもここに入ってきている。それから、研究大学は経営戦略ということを前面に打ち出した財務上の動きを念頭に入れて活動していかなければいけないという見直しが必要だということ。

 一方で、こういうことを幾ら必要だと言っても、今の日本の研究大学は手足を縛られていますから、その規制緩和を相当考えないといけないということだと思いますね。外部の資金を入れたり、ここで議論するような民間企業との連携を含めてもなかなか縛りがある。あるいは設置認可のことでもいろいろな縛りがある。あるいは寄附金の税制に関してもいろいろな縛りがある。こういうような規制緩和を訴えていかなければ、マルチファンディングはなかなか成功しないだろう。それから、先ほども出ていますけれども、こういうことができるような研究大学の人材育成ですよね。よく言う、人材育成というと大学院生の人材育成、よく話が出るのですが、恐らくエグゼクティブマネジメントができるような、そういう人材をどうやって作っていくかということは本当に重要な今後の喫緊の課題ではないかなと思ったりします。

 そういう意味では、実はバイオなどでポスドクが余っているような議論が何か後ろ向きの話としてあるのですが、多分、自然科学系には非常に豊かな人材があって、彼らは今までだったら研究一辺倒でいい論文を書くだけしか評価されないという、そういう世界の中で生きている人たちをもっと幅広い視点の中から、それこそこういうマネジメントに入っていく人とか、さっき言った研究不正の問題に関わっていける人とか、あるいは利益相反のようなところに関わっていける人とか、様々なところのプロフェッショナルな人材に向けていく必要がある。そういうような教育体制を研究大学の自然科学系のプログラムの中に入れていけば、人材のミスマッチみたいなところに一つの回答になっていく可能性があると思っている。これはむしろ、僕は科学コミュニティを拡大していくということだと思いますよ。

 例えばよく研究不正の問題なんて、倫理の話だからあんまりやりたくないという話があるかもしれませんが、あれはまさに科学のコミュニティを拡大していき、科学者が倫理などというもので手足を縛られるのではなくて、倫理の問題が起こらないような、どういういいマネジメントをしていくかという意味での研究の環境をよくしていくためのメカニズムと考えた方がいい。今でもアメリカにおける研究不正というのは、悪いことをやった人間を告発するというより、むしろ研究不正の問題を通して科学の環境をどのようによくしていくかということの方に力点が置かれているわけですね。そうすると、これは明らかにマネジメントの問題なんですよ。そういうマネジメントをできるような人材がなかなか日本にはいない。つまり、理科系のきちんとした先端の科学のことも分かり、かつ文科系的なことも分かるような人間をこういう科学のコミュニティの拡大の中で吸収していくという、そういう戦略性が恐らく求められるだろうと思っています。
 こういうことを少し話題提供としてお話しさせていただきました。どうもありがとうございました。

【橋本主査】  どうもありがとうございました。
 御質問は、あと2人の御発表を頂く予定ですので、その後まとめていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、続きまして、イノベーション創出の観点からの大学経営で、川端委員からお願いいたします。

【川端委員】  では、私の方からなのですが、上山先生の話を聞いて、上山先生のアメリカの話で、確かに30年前からスタートして、そのメジャーリーグ系の野球の話に対して、今から話すのは実業団の話みたいになっていて、むしろ高校野球かもしれないけれども、じゃあ、それがそれでいいかというと、最初のページから始まるのですけれども、結局、今まではそれでよかった部分があるのですが、今、研究も教育もイノベーションも国際化が進んでいて――今、もう上山先生がいろいろ言われた話はそのままで、概要の最初、言いたいことを先に言っておこうと思いますと、要するに国際化というのが始まった場合に、人の獲得合戦が起こり、研究の資金投入合戦が起こり、いろいろなものと要するに戦わなければならない土壌の上に高校野球とメジャーリーグが乗っけられているという状態なんですよ。その上で向こう側には大学基金、今言われた何兆円というオーダーの基金を持っている部分もありますし、シンガポールみたいに国策としての基金を持っているところもある。こちとら何があるんだと言ったら、いやあ、貯金がちょっとあるみたいな、そんなような話なので、その上で、じゃあ、何ができますかという話になると思います。

 それからもう1個、最初にお話になったように、今、国立の大学の置かれている状況だとか何とかかんとかと言うのですけれども、ここ10年来、国立大学に文科省予算自体は減ってはいない。増えている。その上で大学教員も、私たち執行部もあんまり喜んでいないんですよ。文科省予算が上がって、世の中、こんなに下がっていて、その中でこれだけ守られた予算があるのになぜ喜んでいないかという。それからもう1個、産業界からはイノベーションの成果が出ないではないかと言われている。若手研究者からは大学に希望が持てないと言っている。一体どうすればいいんだというような状況の中で、一体次のステップとして我々は何をしなければならないか。今からお話しするのは、私たち、こんなにうまくやっていますという話を言っても仕方がないので、スタート点として、今現状どうあるかという話を御紹介したいということを思っています。

 そういう意味で、大学規模の資金の流れであったり、新しい産業、共同のシステムであったり、それから、人材育成というのが今どうなっているか、それから、資金のマネジメントをやろうとすると必ず出てくるのが先端設備だとか、施設だとか、こういうものの話が出てきます。大学経営の資金と言われている、現在、運営費交付金だとか、外部資金だとかというものを全部取り出したら、結局、真水で一体幾らのお金を我々は持っているのか、さっき言われたような資金に比べてどれぐらいのずれを持っているのかという話を少し御紹介したいと思います。

 ただ、最初にまずお断りしなければならないのは、私は別に財務担当理事でも何でもありません。理事として大学全体を見ているという意味で、このお話をさせていただきたい。そういう意味で、今から出すデータに関しても厳密なデータというふうに見ないでいただきたい。25年度であったり、26年度データになっていたり、それから、足したらこれが合わなかったりします。それは御容赦ください。ともかく規模感として見ていただければ、大学はどんな形で動いているかというのが御理解頂ければと思います。

 それからもう1点は、国立大学もサイズはばらばらです。東京大学から始まって、ずっと一番――ごめんなさい。一番下なんて言ったら怒られるけれども、うちの近所に小樽商科大学というのがあります。そこまで行くと何桁も違います。運営費交付金は。そういう中でみんなそれぞれ一つの企業体、法人としての運営というものを考えなければならないという状態にあるというのが現状です。最後のオチは、私たちが今思っているのは、やはり資金構造まで含めて、皆さんが言われているのと同じように多様化をしなければならない。そのときに産業界とどうつながっていくのか。単にあるものの共同研究をやりましょうなんていう時代はもう終わっていて、何が共同事業体として動けるのかというような検討を進めなければと思っているという状態です。

 2ページ目から、とっとと行きます。これは規模感の話で、うちの場合は1万8,000人ぐらい学生がいて、7大学と、ついでにオックスフォードを並べると似たようなところにありますよという話です。
 4ページ目です。4ページ目、うちの大学では収入予算を「えいや」で言うと1,000億で毎年動いています。その中で運営費交付金が360ぐらいで、次が、授業料収入が100億ぐらい、あと附属病院、これが260億ぐらい。それ以外に外部資金と言われているものがあるという状態です。外部資金なのですが、実態としては、この後もお話ししますけれども、その中の競争的資金、右の図は表現が合っているのかな、外部資金という意味で言うと200億ぐらいになります。その中に科研費、寄附金とこうなっていって、企業から入ってきている共同研究というのは全体で10億ぐらい。実際、共同研究という名前になっていない奨学寄附金という形での流れがこの寄附金というところに入っています。これは内容的には共同研究でしょうというような話も今は寄附金という動きの中で流れているということになります。

 バジェット規模で言うとこんなような話で、ほかの大学を並べてもこんなような、オックスフォードを並べてもこんなようなものだけれども、外側に何兆円か持っているという話になります。実はこれはP/Lシートであってバランスシートではない。本当はバランスシートがあって初めて運営、経営という話が起こっていて、実際、試算としては、うちの大学のバランスで言うと3,000億ぐらいがバランスシートとして書いてはいます。ただし、それを基に資金調達もできませんし、何もできません。せいぜいあるのは減価償却ぐらいです。100億円ぐらいの減価償却というのが出てくるぐらいですが、それも実際としてはもう少しお話しします。

 5ページ目です。左の上にあるのが収入金で、「えいや」で1,000億ぐらいがここ5年ぐらい、ゆっくりとは上がっていると見えます。ただし、右の上で運営交付金というので、これも運営交付金も一般というのと特別というのといろいろあります。真水の運営交付金という意味で言うと10年間で20%下がっています。約84億円ぐらい下がっている。それを少しカバーするのに特別運営交付金とかいうのがあるのですが、科研費だとか外部資金としても大体ちょっと、ちょっと上がっていっている。足してなぜプラスになっているかというと、右の下の図なのですが、これが施設・船舶整備費です。ここが結局は全部を埋めている。これは何かというと補正予算系になります。要するに補正予算だけではないですけれども、例えば大きい、うちで言えば「おしょろ丸」というような船を買う若しくは建物が建つ。そういうようなものに関して補助金がバンバンバンと積まれていく。ちょうどそのときに大型の補正予算が付いたりすると、ここに大きいものが上に乗っかっていく。これも運営交付金という立ち位置を持っていますから、全部乗っけると文科省予算としては、全体としてはうちの大学に入っているのは上がっていっているという関係になります。

 ただ、一方で、こういう施設だとかというのは何年か前までは、これに維持費が毎年付いて、その後のメンテナンスだとかというのをどうやっていくかというは付いたのですが、今は渡し切り予算になります。建物が建ったら、あんたたち、自分で頑張りなさいという、そうすると、これのランニングコストであるとか、それから、減価償却であるとか、そういうものが全部運営交付金から出していくという話になっていきます。それ以外に競争的資金をもっと大きくすればどうにかなるかというと、要するに競争的資金というのは企業体においては、稼げばそのお金には何の名前も付いていないのですが、大学の場合は直接経費で稼いだ場合は、それは何のために使うかがはっきりしているし、そういう意味でいろいろな、例えば設備を隣の建物に移しますという、大型の設備を、例えばこれに200万かかりますと言ったら、これはどの資金で出せるかというと何もないんですね。運営交付金以外に。こういうような状況の中にマネジメントというものが埋め込まれるという話になります。

 最初の上山先生から出てきたように、私たちも、もう資金としては多様化すべきだと。それは資金構造上の多様化であるのもそうですし、研究自体を今までの基礎研究経営の部分からもっと弾けた新しいものに展開するためにもいろいろな新しい芽だとか、いろいろな風を入れ込む必要があるだろうというので、資金の多様化というものも考えています。それが経営の原点になるだろうと。まず、第一義は今までの共同研究型の研究、これが6ページ目になっています。「えいや」で言うと、ここしばらく10億円ぐらいで推移しているということになります。ただ、道内はもう少し小さいですけれども、全体で言えば収入の1%程度です。

 その中身は何かというと右側に書いている円グラフになります。外側が共同研究費を100万、300万、500万、1,000万、5,000万、5,000万以上と色で分けています。外側が件数で内側が受入額です。そうすると、500万以下が全体の90%の件数になります。500万以上の、要するに10%で稼いだお金を受入額の半分以上、そこが占めている。まあ、10%が90%を占めるような、そういうような意味よりはもう少し小さいですけれども、要するに何かというと、ほとんどは500万以下だということ。中身を言うと、500万以下というのはどういうことかというと、人件費は出ない共同研究ですということです。だから、企業との連動の中でお金が大学に投げ込まれた場合に、このお金は要するに消耗品に消えていくという、要するに人は雇用できない。そういうような研究費だというのが今の現状だということになります。

 7ページ目が知財特許収入、何年か前までは大学との共同研究に関しては知財権の実施だとか、これが追いかけるパラメータ、KPIみたいなイメージで持たれていまして、それを見せたのがこれです。左側の図ですが、ここしばらくで言うとバーッと上がって、ドンと下がったり、上がったり下がったりという、これが「えいや」で言うと年間3,000万とか、4,000万ぐらいを推移しているという話です。じゃあ、どれぐらい投入していますかというと、大体うちの大学の場合、単年度で2億円ぐらい投入して、やっとこういう金額が出ているというのが今の状態です。これはうちがまずいのかというと、その右側にあるのが各大学の知財収入の推移です。ここ5年ぐらい。「えいや」で言うと、桁で言うと似たようなものです。どんなお金だとか、どんな規模の大学でも、まあ、こんなような桁の中で動いているという。しかも、1件取れればバーンと上がり、期限が切れたらドーンと下がるというので、1件、2件が知財収入の源になっているような動きをしている。

 そういう意味で、私たちは今、知財収入を追いかけるのではなく、それよりは共同研究重視へというのが今のタイアップとして考えているところです。そのマネジメントという意味で少し変わったのが8ページ目からなのですが、アメリカ型の部分も非常に参考にさせていただいて、現在は小さな共同研究に関しては手を付けないでおきます。その上で、あるレベルよりも上に加速したいというものに関しては、我々トップでそこは見据えて、直接研究者たちに話をするよりは、向こう側の企業のトップ対トップの話し合いをするということを進めています。

 その中にイコールパートナーシップであるとか、ゴール・ミッションをはっきりさせるだとか、そのための共同研究費は一体幾らかかるかだとか、そこをはっきりさせて、現在、大学の研究者と企業の研究者で共同研究をするに当たっては、その上にマネジメントレイヤーを企業からと大学側から出して、それが資金をまず管理をして、工程管理をするという、この2層構造の中でマネジメントを進めていくということで組織型の産学共同を今進めようとしております。また、同時に研究シーズだとか、知財だとかが活用すべきものではなくて、そこにある病院のデータであるとか、臨床データ、それから、施設、動物実験であるとか、それから、特殊な機器であるとか、そういうものをもっともっと資産としての活用というものを進めていこうというのが現在の私たちの動き方です。

 これ、こんなことをやったら時間がかかるな。人材についてです。5ページ目。人材としては、今現在、研究者としては2,000名程度います。教授、准教授、助教、左の上にあります。「えいや」で言うと1対1対1ぐらいで、それに同じぐらいの数がポスドクでいる。それを年齢構成で見ると右側になります。これで言うと、と言いますか、もっと細かくするのが次のページになります。これが、左側が正規教員の年齢分布で「えいや」で2,000人ぐらい、これか平成21年、まだ団塊の世代が上の方にいるという状態です。それが5年たったらどうなったかというと、団塊がだんだん消えていったと同時に、このときに実は定年延長があったという。だから、資金繰りとしては基本的に何も、資金が下の若手向けに起こらなかったという。ただ、一方で右側が特任教員に関する数です。大体5年間で50%増えている。これは外部資金で雇用されるような人間の集合体ですが、外部資金自体、そんなに伸びていないのに、特任教員は50%伸びたというのがこれの状況です。ただ、ポスドクの数はほとんど変わっていません。という意味で、ポスドクから特任教員へのシフトが起こったというのがここでの話ということになります。

 あと、左側に関して言うと、若手、若手というよりはテニュア職へのシフトが起こっているというのが。それがどうしてかというのが次のページで、基本的には現在の国の事業自体が、大型化が起こっている。上の半分に書いています。一つはイノベーション創出型というので基礎研究型から資金はどんどん大型化して、要するに出口に近くなればなるほど大型化していく。COI事業もTR事業もそうですけれども、もう1個がシステム改革型と言われているもの、それから、教育改革型、国際化型、スーパーグローバルもそうです。こういうものは基本的には教員を雇わなければならない。要するにポスドクでは済まなくなった。それから、これで成果が上がったというときにポスドクの成果にならなくなったので特任教員にしなければならないというので特任教員の数がバンと増えている。それが下側の若手研究者の不満の中にも出てきているというような感じに見えております。

 また、同時にここの段階では毎年1.5万人、ドクターコースの人間が卒業するのですが、基本的に大学で受け取れるのはせいぜい5,000人ぐらいまで、あと1万人をどうするのだという話、そこにはやはり産業界との連動というのは、もう間違いなく避けて通れないところなので、ここに関してはしっかりとした連動というものを持っていかないと、もともとドクターを作ること自体をもうやめるのかという選択肢まで出てくるような状況にあるのかなと思っております。

 12ページ、もう少しで終わります。今の話は、ついつい大学の運営交付金改革にしても、何の改革にしても、競争的資金にしても研究者の話ばっかりやるのですが、実際は研究者2,000人に対して事務職員が850人に技術職員が1,000人ぐらい、病院も含めてこれぐらいいるという、これ全部がマネジメントの対象なのだというところになります。先ほどの経営型の人間を育てるという意味で、今、大学の中で取り始めているのがURAと言われている、要するにドクターを取った人間である若手の研究職をやった上で、上のポストに、研究者のポストに就くよりはURAの方で活躍したいという人たちを雇用して育成している。同時に企業からのヘッドハントの中で、こういうマネジメント系の人間を増やしているというのが今の状況です。

 最後になりますが、設備です。設備に関してはバランスシート上で言うと200億ぐらいの話があります。施設で言えば800億ぐらい。これ、減価償却で言うと100億円ぐらいの減価償却が出てくるのですが、実態的に考えると年間30億ぐらいを回さない限り、新しいものとか修理ができなくなっているという状況にあります。そういう中で、全学的なマネジメントとしては、共有化でやるのだという意味でオープンファシリティセンターのように、要するに機器は各個人で買うのではなくて全学で買うのだ、それを共有化するのだという立ち位置で動かしています。と言いながらも、こんなものもやるのに当たってもマネジメント資金が必要になる。

 じゃあ、真水で幾らあるのというのが14ページです。これはあまり出すと怒られる気がするんだけれども、大学マネジメント資金としては、今現在、収入予算1,000億に対して運営交付金側から出てくる話で言うと、「えいや」で言うと12億円ぐらいが真水で使えるお金かなという。一方で、間接経費としては24億円ぐらいというので、全部足すと36億円とか、そんなものが真水として動かせるお金かなというのが今の状態です。本当は上の人というので、だから、これで何か新しいものをやると同時に誘導するしかないんです。あなた方のお金をこっちに使ったらもっとよくなりますよという誘導の仕方、それは多分、上山先生の言うマネジメントとちょっと違っている。そういうような形が今のレイヤーかなと。

 今のような話、今の30億とかありますけれども、実態的に言えば設備の問題、図書の問題、プロジェクト自体が終わった後とか、セーフティネットとか、それから、マネジメント自体がトップマネジメントだけではなくて部局のマネジメント、研究室のマネジメント、レイヤー、階層があるという話。その上で全体としての大きなディレクションを出していかなくてはならないという立ち位置で、現在やはり多様化という、資金の多様化というものをしっかりやっていく必要がある。ただ、共同研究を進めるだけでない多様化というのが必要だろうと思っています。

 最後は付録ですけれども、F&A cost rateだとか、それから、Modified Total Direct COSTだとかというレートをうちの大学で「えいや」で書いてみると0.5とか、0.45とか、間接経費比率はこんなぐらいになるのだという、それをどう見るかというのはこれからの話かなというのです。
 以上です。

【橋本主査】  ありがとうございました。
 それでは、続いて東北大学における大学経営の現状で、進藤先生からお願いいたします。

【進藤委員】  東北大学の産学連携担当理事の進藤でございます。今の川端委員と同じく財務を見ているわけではなくて、実際には産学連携という切り口から本件に関して紹介をということでしたので、実は経営の現状と書いてありますけれども、産学連携をやりながら外部資金をどう増やしていくかというような問題意識で整理をさせていただいております。それも東北大学、ページをめくっていただいて2ページ目にあるとおり、そもそも建学の精神の中に「実学尊重」という言葉とかありますし、それから、本多光太郎元学長、「産業は学問の道場」といったようなこともありまして、かなり産学連携が今まで盛んだと少なくとも言われていたというような状況があるものでして、加えて、後でまた御紹介しますけれども、幾つかそれなりにおもしろい動きというのもやってきているということもあるので、本来は、ここはこんな問題があって、こういうところを直すべきだという会だと思うのですけれども、実際のところ制度改正とは別の部分でも工夫すればこういうレベルのことはできる。でも、何で、先ほどの例えば北大さんとあまり、そういう意味ではどの大学もそんなに頑張れないのだろうということを考えるときに実は一つの参考になるかなという、あまり制度改革と考えずに、実態としてどういうふうにやっていくかということですごく簡単に御紹介したいと思います。さすがに大学全体の流れが分からないとまずいなと思ったので、3ページ目と4ページ目のところに外部資金、あるいは全体の収支の話が書いてあります。本学の場合は大体1,600億から1,700億ぐらいの全収入ということになっていまして、運営費交付金が大体500億弱で、やはりこれがほぼ人件費と見合いになっているということであります。それから、外部資金っぽいところを赤で囲みましたけれども、受託事業等収入、それから、その他の競争的資金と合わせて大体480億ぐらいということになっています。

 ただ、これは必ずしも研究だけではない数字が入っているので少し多目になっておりまして、次のページにその外部資金の受入額の推移、これは契約ベースなので少し数字がずれたりもしますし、本学の場合、2011年度、12年度は東北大震災で復興関係の補助金が入った分、ちょっと積み上がっているところがありますけれども、大体400億ぐらいの外部資金が入っている。ただ、そのうち、私ども割とコントローラブルなものとして見ているのは、一番上の水色の40億とか30億と書いてある共同研究の部分をやっぱり見ているという感じになります。

 5ページ目、これは文科省さんの調査から引いてきたので、必ずしも学内の数字と完全に合っていませんが、民間という限定とか、特許だけとかいろいろあるのですけれども、大体、各大学、四、五十億から10億前後の共同研究。それから、特許権については、先ほど川端先生から御紹介がありましたとおり、大体1億いったら結構すごいねというような感じかなと思っています。実は東北大学、この少し前まではかなり売れている知財がありまして、その頃は黒字だったのですけれども、今はそれが若干減りましたので、今は投入に対して実際の知財収入はちょっと少ないのかなという感じになっております。ただ、こういうようなものでも一応、知財功労賞とか取ったりもしているので、そこは紹介をしてございます。

 それから、7ページ目以下が外部資金の現状ということなのですけれども、こうやってざっと見てみると、全体収支の中に占める外部資金は3割ぐらいということなのですけれども、多くは文科省の科研費とかプロジェクトということで、国からの資金が結局、大半ということになります。それから、部局横断型の組織的な取り組み、先ほど川端先生が紹介されたような、そういうものはあまり多くはなくて、最近、私ども文科省様のCOIを受けさせていただいているのですけれども、そういうことでかなり初めてに近く、部局を横断するような大型プロジェクトというのに取り組むようになってきております。

 それから、企業様との間で単品ではなくて、数年ベースの企業から人も受け入れるような共同研究講座、インダストリーオンキャンパスというような取り組みがあるのですけれども、私どもはほかの大学に比べると若干遅くて、まだ始めたばかりというような感じでありますので、組織的に産学連携について、やはり最大限ポテンシャルを生かしているとは言いがたいなということで、まだまだ改善が必要だなと。特にそもそもどういうことをやっているかが、見える化が必要だということと、それから、ハイレベル化ということが必要だなと考えております。

 次のページに産業界の声の中から引いてきた部分があるのですけれども、ざっと読んでいただくと分かりますけれども、真ん中あたりに海外の大学との比較というのがありまして、先ほど上山先生が言われていたようなことの産学連携部分ですけれども、企業の求める研究開発テーマの分析、組織としてプロジェクトの企画というようなきちっとしたサービスをする。それから、成果もコミットする。それらに対して国内大学の共同研究や研究職個人が取り組みたい研究に援助する形が多いというような感じになっているのではないかということで、この辺、改善していかなければなと思っております。

 それから、9ページ以降が、実は結構いろいろやっているよということが紹介されているのですけれども、飛ばし飛ばしやらせていただくと、10ページ目にいろいろな動きが、左側が産学連携を取り巻く法律等の制定関係で、右側はいろいろ東北大学でそういうのを踏まえて作った本部とかセンターとかいうようなものでございます。つい最近、産学連携本部というものを産学連携機構というものに改めたところでございます。11ページにある未来科学技術共同研究センター(NICHe)というのは、1998年にやっているものでありまして、12ページのところを見ていただくと分かりますけれども、研究専念ということを教員に認めまして、専用の研究スペースとか、いろいろなサービスをする。その代わりに自分で資金を自己調達してください。それから、期限を持ってやってくださいというような形で、いわば自立的に回すというような問題意識でやっていたわけであります。

 13ページにあるとおり、これだけでも大体30億ぐらいを外部から受け入れながらやっているというようなものがございます。また、14ページは東北大学にいろいろあるMEMS等の研究装置をいろいろ集めておいて、こういうのは大学の外の中小企業等に開放していまして、それも単なる研究だけではなくて一定の条件の下に製造などもしていいよということもやらせていただいております。それから、15ページが臨床研究関係なのですけれども、これは16ページにいろいろな組織的変遷がありますけれども、2012年度に最終的にできたのですけれども、病院に併設されていまして、基礎研究から臨床試験に向かって橋渡し研究をするときの取りまとめ機関ということをやっております。

 17ページを見ていただくと分かりますけれども、学内にいろいろな研究科で横断的なメディカルサイエンス実用化推進委員会というものを作りまして、ここに何と15部局ぐらい関係しているんですけれども、その関係のもろもろの研究シーズ等について、だんだん臨床段階で必要だなというものが来たものについて受け付けて実用化支援ですとか、臨床研究のサポートというようなことをやっています。実際にはお国の制度等に手を挙げるみたいなことをしていますけれども、15ページのところにも書いてありますけれども、このように取りまとめることによって開発支援シーズというのが3年間で3倍ぐらいに増えていますし、いろいろな採択率も非常に高まっているということです。

 それから、19ページは半導体関係の研究開発センターでありまして、これも民間拠出で建物を建てておりまして、1社からの寄附金でいただいたものを非常に公的に使っているということなのですけれども、東北大学の技術、それから、こうした施設、それから、知財契約についても一元管理するというようなやり方で進めていまして、外部資金を使って基本的にはこれも自律的な経営でやっているというようなものを幾つもやらせていただているところでございます。ただ、何となくこういうようなことを進めていても、全体としては、ばらばらしているなという感じがあるのは否めないかなと思っております。

 一つ、類似のは飛ばして22ページ目に、私ども文科省様のリードで国立大学の出資事業というのをやらせていただくことになっておりまして、東北大学も四つの大学の一つということで、今、事業イノベーション本部というのを作りまして、これの準備を進めているところでございます。こういうことをやると、研究の内容を単純に論文とか特許という形で成果を上げるということだけではなくて、本格的にその事業化ということを目指すためにはどうしたらいいかというようなことをいろいろ考えなければいけないなということを非常に気づかされたところでございます。

 23ページと24ページがこういったいろいろの活動を踏まえまして、大学としてどうしようかということで今考えているところなのですけれども、国立大学を取り巻く環境というのが非常に変わっている中で、先ほど申し上げたように産学連携機能というのをもっと見える化、ハイレベル化ということをしなくてはいけないというようなことを考えておりまして、これに関連して下の方に少し書いてありますけれども、教職員で実際に産学連携活動をやっている人というのは、必ずしも全員ではないわけであります。しかしながら、実際に大学の場合は教育とか研究といったところは非常にみんな意識が高いですけれども、産学連携をやっているということについて必ずしも評価されたりしない部分がありますので、こういったものをもっと見える化してアプリシエートしていきたいというような問題意識などがございます。

 それから、幾つも本学の場合、さっき申し上げたような産学連携の関係の組織があるのですけれども、結構、ばらばらにやっているんですね。これは大学のいいところでもあり、悪いところでもあるのですけれども、人に迷惑をかけなければいろいろやってもいいということなのですけれども、そういったことを全体にフィードバックするような仕組みがあまり強くなかったというようなことを感じているので、ここのところを産学連携組織ということで明示しまして、こういったところに対してインセンティブをもっと明示的に与えていくというようなことをすることによって、もっと産学連携活動というのについて意識を高めていく。外からも見えるようにしたいですし、中の教員などに対してもやる気を与えていくというようなことをしていきたいと考えております。

 それから、右側にありますとおり、ハイレベル化ということでいろいろ企画、セクションを作ったり、学内の知財を掘り起こしたりといったようなことも本格的にやらなくてはいけないということで、24ページにありますけれども、つい最近、産学連携本部というのを拡大しまして、先ほど紹介した幾つかの産学連携のセンターや出資事業を担う事業イノベーション本部やCOIを担っている本部等もみんなまとめて機構ということにしました。先ほど幾つか挙げさせていただいた非常に実務的な観点については、1年間ぐらいかけてじっくりと議論させていただいて、産学連携活動についてどういうようなことを進めていくかということをもっと議論していきたいと考えております。

 何でそのぐらい時間をかけるかというと、現状は、今まさに先ほど橋本先生がおっしゃった国立大学を巡るいろいろな改革の動きというのがあるので、そこと連動したいということもあるのですけれども、もう一つはやはり先ほど少し申し上げた産学連携をやっている人たちの数は必ずしも大きくないということと、大学全体でそういうことに関する意識が必ずしも高くないと私ども思っておりますので、関係者を集めてじっくり議論して、納得のプロセスの下に産学連携活動をもっと盛り上げていくというようなことをやっていきたいということを考えているわけであります。

 それから、必ずしも産学連携ということではないのですけれども、その下に「社会にインパクトある研究の推進」というのが2ページほど挟まっていますけれども、これも最近の動き、検討している事項でありまして、先ほど川端先生が個別のテーマの共同研究ということでは、あまり小玉なので手を付けないようにしているという、その代わりもう少し大きなものにしていきたいとおっしゃるのと同じような話でありまして、実際に幾つか出口を考えながら、社会にインパクトある研究ということで実際の部局とかを横断して幾つかチームを作っていこうというようなことを研究の品質の向上ということも含めてやっていきたいということを考えております。したがって、右上にあるように実際の課題解決、それから、学問分野の創生、実学の尊重といったようなことを基に推進手順の概略とありますように、推進責任者、プログラムディレクターというのを置いていこうというようなことを考えております。

 26ページ目が実際にいろいろ考えられている一つのテーマの案でありまして、こういうことも詰めていきたいと考えておりますけれども、全体としてこうした大きな活動母体に対して大学としてしっかり見せていくということも必要だと思っておりますし、これに関連して、産学連携というのを持ちかけていくというようなことも必要かと考えております。
 27ページのところには、むしろ、産学連携という観点で幾つか思ったことを書かせていただいているわけなのですけれども、特に産業界のニーズに対してきちんと素早く対応するといったようなことというのは、今までどうしても大学の場合は充実していなかったと考えておりますので、こういった部分を強化してプログラムディレクターを設定するとか、あるいは納期・守秘厳守等の企業ニーズにきちんと応える。

 一方で、必要な経費というものをきちっと積算していく。先ほど500万以下の共同研究が多いとありましたけれども、実際問題、国内の共同研究というのは初めに200万ぐらいねとか言って、そこから始まってしまって積算を決めていくみたいなことが結構あるわけであります。これはやっぱり企業の方に伺うと、そもそも成果を余り期待しないのだけれども、まさに個人の研究者に頼まれて、このぐらいならいいかなと切ってやっているという部分は確かにあるわけです。もちろん、そういうところはあってもいいのですけれども、本当に必要なものについては、しっかり人件費、間接経費を付けて、その代わり成果を出すというふうにした方が、先ほどのいろいろな流れの中で運営費交付金が減ったので、お金が欲しいので大型化してくださいとかいう話よりも、もっとずっと意味があるかなということを考えて、こういったところをしっかりやらなくてはいけないと考えております。

 それから、⑤に人材育成を兼ねた共同研究と書いてありますけれども、どうしても共同研究というと成果のところをポイントに考えますけれども、一番の成果は実は人材ではないかというようなことも考えておりまして、インターンシップの組み合わせみたいなのは今もありますけれども、こういったところをもっと開拓できないかなということを考えているところでございます。

 28ページ、29ページは、どちらかというと産業界との関係でどのようにコミュニケーションを高くするかということの試案なのですけれども、今日の議論とは少しずれているかなと思いますので、細かい紹介は避けさせていただきます。

【橋本主査】  ありがとうございました。
 3人の先生方にお話を伺って、力が入って予定よりも延びてしまい残りの時間が少なくなってしまっているのですが、あと20分強、御自由にディスカッションしていただきたいと思います。それから、この後も何回か検討委員会があり、今日の議論を含めていろいろな視点があるかと思います。是非、上山委員にも今の100万、200万の研究がどうなのかというようなことも含めて伺いたいと思っていますが、御理解頂きたいと思います。

 さて、上山先生からはアメリカの、ある意味でオリンピック金メダルみたいなところを紹介していただき、日本では東北大と北大の大学経営についてご説明いただきました。多分この2大学は意識の高い大学だと思うのです。だから、問題点をよく分かっていて、それに対して一生懸命やろうとしているわけですが、明らかに財務状況が違って、幾ら意識が高くてもできることが限られているというのも、何か非常にクリアになってきたような気がします。なので、もちろん意識をしっかりと高めてやらないといけないこともあるのですけれども、一方で運営費交付金を増やしてくださいということが通じない現在の状況においては、もちろんそれもしっかりと言いながら、同時に、それに頼らないような財務構造にするためにどうするのかという議論がやはり重要なのかなと思います。

 それで、今、菅先生が所用があって帰られたのですが、コメントを頂いたのでそれだけ読んでおきます。上山先生へのコメントで、アドミニストレーションのバジェットが増加している中には、スター研究者を獲得するための予算、サラリーとかスタートアップが含まれており、それが戦略的に使われているはずである。そういった戦略が日本の大学には欠けている。それから、日本の大学への個人寄附を増やすためには税制改革は必須である。私の昨年の経験では税制控除は給与の所得税にしか適用されないため、給与以外の収入の税金には適用されない。つまり、ほとんど控除にならないので、多額の寄附をする気には一般的にならない。というコメントをいただきました。これは菅さんが言うのはすごく意味があると思います。


【橋本主査】  今日は最初の回なので、全体をよく知っていただいて、議論をスタートするためのいろいろな情報共有ということで、ご質問ご意見等があればどなたからでもどうぞ。
 松本委員、どうぞ。

【松本委員】  最初の御発表、大変楽しく聞かせていただきました。スタンフォードとかバークレーなんか非常にヘッドクオーターといいますか、マネジメント、経営が非常にしっかりしている。こういう人たちというのは、アメリカなどは経営のプロフェッショナルが結構いてヘッドハンティング、まあ、大学に限らずヘッドハンティングしてきて経営チームをしっかり作れるという、そういう人材の環境がありますけれども、今、発表のあった二つの大学というのは、そういう人たちというのは内部で育成したのか、あるいはダイナミックに外部から調達してきたのかというと、どういう感じですか。それと、日本の大学がやるときに果たして内部で教育していって、いつになったらそういう戦略部門ができるのかというのが多少、二つぐらい質問ですけれども。

【川端委員】  私の方から。うちの大学の話から入りますけれども、基本的に今、マネジメントという、元の話に戻れば、国立大学の時代は、マネジメントは文科省がやっていた。もう誰もいなくなった。違う。いた。要するに大学側は運営をしていた。これが国立大学法人となったがために、自分たちの生きる道は自分たちで見つけて走っていくというのでマネジメントが成立して、どうするかというので、中でそういう目のきいた人間が上の方に立ち、同時に今、運営組織側で産学連携だとか、人材だとか、いろいろなところがみんなヘッドハントしています。企業から。
 そういう方々をヘッドハントして全部並べて、それだけだったら、いつまでたってもそんなことばっかりやっていたら駄目なので、次にやっているのは、若手としては、三木先生もおられますけれども、URAというような、そういうような人たちを新しい人材として、博士を出て研究者をやって、助教を終わったような人材というので30の後半の人間を、こういうマネジメント側に入れるような人間を採用して、それが今のところの部分を支えていくという。あとは、今いる部局長だとかの中の目がきいている人間をこれでトレーニングしていく、そういうような話。

【松本委員】  上山先生の御質問に追加した質問なのですけれども、企業もそうなのですけれども、つまり、ヘッドクオーターといいますか、全体の経営をマネジメントするところがかなり強い力を持つのか、事業部に権限移譲するのか、事業部がかなり権限を与えられてやるのかというのは、企業によっていろいろな状況によって違うんですね。大学も多分そういうところがあって、日本の大学の産学連携の方とお付き合いしていたら、全体の産学連携の方に幾ら言っても、例えば工学部にもそんな方がいて、そちらの方が結構うまく回してくれたとか、そういういろいろ、どうなのかとあるんですけれども、でも、ここへ来てやっぱり、アメリカ型がどうなっているか分からないですけれども、アメリカ型のように全体の部局をちゃんと融合させながら、全体最適をするという局面に来ていると思うんですね。だから、やっぱりヘッドクオーターといいますか、そういう全体をマネジメントするところにかなりの権限を持つ方が日本の大学もいいと思うのですけれども、その辺、アメリカはどういうふうな状況なのかというのも一つ追加して。

【上山委員】  プロフェッショナルな人材育成というのは本当に重要なのですけれども、実は日本のアカデミアの中で、このアドミニストレーションの役割というのは不当に過小評価されてきたと思います。当然、そのアカデミアというのは、いい研究者、イノベーションに至るような道というのが、もちろんその中心なのですけれども、実はそれを支える環境というのはアドミニしかないんですよね。この役割は、実はアカデミアの中の人たちに余り評価されてこなかったために有能な人間がなかなか行かない。ところが、大体、学長、総長が選ばれるときというのは学者としていい人、研究した人というのを選挙で選びますから、ところが、その人たちはマネジメントを何も分からないですね。なった途端にどうしようかと思うわけですよ。手探りでマネジメントをし始める。

 もちろん、そのそれぞれの方は非常に優秀なので、なった途端にいろいろなことを勉強してやって始めるんですけれども、それでは遅いんですね。多分、どの総長になった方に聞いても言われると思うのですけれども、もう少し若いときにその訓練を始めないといけない。アメリカだと、どういうところでできるんですかという御質問ですけれども、学内で育てる場合、学外から採ってくる場合両方あります。しかし、どこでも40ぐらいでディーンになったぐらいにその人は研究者として生きていくのか、アドミニのところに軸足を移していくのかという選択を大体迫られるんですね。僕が見ている限り、研究者として優秀な人ってやっぱりアドミニもできるんですよ。実は能力は高いんですよ。決して、その二つの才能と相入れないものではないんですよ。ただ、ものすごい研究者として優秀で可能性があってもキャリアとしてアドミニストレーションの方に行くというケースもあって、これはとても勇気が要る。でも、アメリカではそんなに勇気はない。日本だと恐らくかなり勇気が要ると思うんですね。

 こういう人たちを育てるというときは、ちょうどディーンになったぐらいなんですが、日本でディーンというと学部長なんですね。それはディーンでも何でもないんです。権限が何もないですから。僕も上智で学部長をやっていましたけれども、つまり、人も動かせないし、人事権もないし、予算権もないから、したがって、ディーンのマネジメントなんかやっていないんですよ。ということは、ディーンというのは本来であれば各学部も超えたある種の、いみじくも事業部制とおっしゃいましたけれども、事業部制の中には各いろいろなところも集めて一つの小さな組織、あるいは経営母体として動かすのが事業部ですよね。そういうものが日本の大学にはないんですよ。ということは、例えばスクール・オブ何とかというと、その中にいろいろなデパートメントがあって、いわゆる日本の部局、学部が集まってスクールになって、そうすると少し違う分野も含めて人事決裁しないといけないんですよ。

 ということは、ディーンになった時点で、ある程度自分の近いところではあるけれども、違う分野で何が起こり、この分野はひょっとしたら衰退しているかもしれないな、その分は切っていった方がいいかなという判断も求められる。実際、それを行うことができるような権限を与えられている。人事権と予算ですよね。そのディーンになったぐらいに、私はひょっとすると大学のプロフェッショナルが経営に携わる人間になっていくというキャリア選択をするわけですね。そうすると、Provostになっていったり、学長になっていくのですが、大体、そういう人たちというのは有能であればあるほど評判が立って、どこかの大学に引き抜かれるわけですよ。例えばシカゴ大学でProvostをやっていた今のスタンフォードの前の学長は、Provostで非常に優秀だったためにスタンフォード大学が引き抜いたわけですね。そうすると、そのプロフェッショナルなアカデミックな経営をやっている人たちのある種のマーケット化ができ上がっていくわけです。

 そういうような仕組み作りが日本の大学にはないんですよ。まさに今おっしゃったみたいに運営しかやっていないですから、経営をやっていないんですから。こういうことを早く何かの形で作っていかなければいけないと思うのですが、それはやっぱり僕は文科省に責任があるような気がしますよ。それはやらないといけないんじゃないですかね。そういうような人材育成を。どういう形でか分からないのですが。ということですね。それで見ても、事業部制というのにある程度、大学でもあるんじゃないですかって、そういうことなんですね。もう一つは、このアカデミアの経営というのは非常に難しいんですよ。恐らく企業などの経営よりもはるかに難しいんですよ。なぜかというと、マルチパーパスですから、ものすごくたくさんのステークホルダーがいて、いろいろなところを考慮しながら経営しないといけないということは、恐らく企業の経営なんかよりもはるかに難しいんですよ。

 したがって、例えばさっき言ったコンドリーザ・ライスみたいな人は、そこで非常に能力が高いと国務長官なんかに引っ張られるし、スタンフォードの前の前の学長のケネディなんかはFDAの長官になるんですよ。というのは、それぐらい大きな視野と、そして、経営力を持っている人でなければ、なかなか一流の研究大学の学長なんかになれないんですよね。ということは、例えばアカデミアは、しばしば僕は間違っていると思うのですが、例えば知財のことは分からないから企業の人たちの知財をやっている人を引き抜いて、できないですよ。でも、アカデミアとは全然違うんですもの。もちろん、そういう人の中に人材はいますから、アカデミアのことを勉強した上で変わっていくことはありますけれども、簡単に持ってくるような話ではないんですよ。つまり、非常に難しい仕事をやる人材という意味では、その人材の難しさをアカデミア全体で考えて、ここにもっとリスペクトを張らないといけないんですよ。そして、育てるようなことを文科省などがやってくれたらいいなと僕は思いますけどね。

【魚崎委員】  関係したコメントです。今の話は別にアメリカに限った話ではありません。私、オーストラリアの大学でドクターを取っているのでそちらの現状も聞いていますがそこの大学でもバイスチャンセラー(=プレジデント)はやっぱり選考委員会があって世界中のプールから探しています。今回の人はスコットランドのDeanをした後、西オ―ストラリ大学でProvost、そして今回別の大学のプレジデントになっています。同じ大学の中で育てて選ぶとかいうことではなくて選んでいます。別の例で私の友人も元々アメリカのウイスコンシン大学の教授だったのですけれども、その後、NSFの化学のディビジョンヘッドをやって、その後、UCサンディエゴのProvostか何かやって、今、香港シティ大学でバイスプレジデントをやっています。このように大学のトップは世界のマーケットの中で選ばれて動いています。

 ただ、私、いつも思うのですけれども、日本の大学にはそういう、教員もそうなのですけれども、スターを集めるインセンティブがあまりないのではないか。つまり、先ほどの川端さんの資料でも大学への文科省予算が増えて教員、執行部が喜ばないかと書かれていますが、大学がいい大学になったときに本当に喜べる状況になっているかどうか。会社だと経営がよくなって、配当が上がるとか、従業員の給料が上がるとかいうことで、経営が良ければ結果が良く、いい経営者が求められと思うのですけれども、大学に本当にいい経営者が欲しいと思っている人は、まだまだ、少なくとも大学教員の中にはあまり多くないですよね、きっと。だから、そこらが大きな問題ではないか。つまり、有名な先生や良い経営者(学長等)を呼んできたところで、自分にとって何もプラスにならない。ちょっと極端なことを言っていますけれども。

【橋本主査】  ありがとうございます。時間がないものですから、すみませんが、次の御質問に移らせていただいてもよろしいでしょうか。

【魚崎委員】  はい。

【三木委員】  今、人の話が中心なのですけれども、私も大学で一時期、経営陣の一角を占めていたときに、実は国立学校会計を読める人がほとんど経営陣にいないですよ。問題は、やはり財務的なところを読めるということが一番。国立学校会計ってちょっと変な会計なので、そういう意味で質問なのですけれども、上山先生にはスタンフォードなりアメリカの大学の会計基準、それから、最近で言ったらシンガポール・ナショナル・ユニバーシティとか、上海交通大とか、そういったところの会計基準、そういった会計基準のところでしっかりとした情報が取れないと、実は的確な意思決定ができないし、中長期の経営計画って絶対立てられないんですよね。その辺のところで今どういうふうな、会計的な部分のところはどうなっているのか。それから、私は昔の大学では、実は企業会計に直して、あんな膨大なデータから自分で、もう一遍読み解いていたんですけれども、裏の会計データをもう一度やっていらっしゃる方は、お2人とも副学長さんなので、そういった方が学内におられるのか。それを少しお伺いしたいと思います。

【橋本主査】  簡単に少し意見をお願いいたします。

【上山委員】  確かにおっしゃるように、日本の大学の会計を見たら分からないんですよね。うまくできていないんですよ。つまり、研究投資に関して、そのリターンとしてという視点で作られていないために、あれだと多分、お財布、会計ですよね。管理会計的なものが全く入っていない。そういう意味で、アメリカの会計、詳しいことはお話しできませんけれども、完全なファンド会計になっているんですよ。個別のイシューについて。実はアメリカのシステムをシンガポールがどうですかについて、ちょうどいい話があって、さっき言ったConsolidated budgetみたいなものをちょうどその前のキャスパーという学長が導入したんですが、彼がシカゴでやり始めたモデルをスタンフォードに導入したんですね。それは全てのファンドに関しての会計を統一して完全に見えるようにするという、これは実は非常に大きな会計上の変化なんですね。

 それを92年にやり始めたのですが、おもしろいことに2008年ぐらいからかな、シンガポール国立大学がスタンフォードのbudget officeのプレジデントをコンサルティングとして雇って、4年間か5年間ぐらい雇っていると思うんですね。そして、スタンフォードのconsulting budgetのシステムをシンガポール国立大学に導入する試みを随分やっています。それはつまり、その形をやらないとなかなか財務的に大学を動かせないということをやり始めているととてもおもしろくて、僕はそういう意味でスタンフォードのbudget officeの人を一遍呼んだ方がいいと思っている。彼、僕はよく知っているんですけれども、それを例えば国立大学の研究大学の人たちにちゃんと聞いてもらって、どういう形で入れて、どういう形で動かすことが必要かという話をトップマネジメントの人たちに聞いてほしいなと思って、僕は幾らでも橋渡ししますよ、彼らと。喜んで来ると思いますけれども。

【橋本主査】  ありがとうございます。
 では、両角委員、どうぞ。短めの時間で済みませんが。

【両角委員】  アメリカの大学経営人材の話がで、マーケットプールがあるという話がでていましたが、実際にアメリカの大学の場では、1人の学長を選ぶのに候補者が100人以上とか、そういう規模感の中から適任者を選んでいます。この日米の人材ストックの違いは大きいと常々感じていましたが、それが今日のお話にあった違いに現れるのだと思いました。
 あと、今日のお話で川端委員の実際に学長が自由に使えるお金の金額のデータが興味深かったです。多くはないと思っていましたが、3%という具体的な数値はやはり衝撃を受けました。

【川端委員】  内緒です。

【両角委員】  でも、公開されていますので。なかなかこういう数字は聞いても教えてくださらない大学が多いのですが、これでは確かに厳しいなということをつくづく感じました。現在、運営費交付金の中から学長が自由に使えるお金をどんどん作ろうという改革がされていて、学内でそれをなんとかするのを学長のリーダーシップというのではないかと少し疑問に思うところもあったのですけれども、何らかのそういう資金がないと厳しいほどの状況なのだなということを今日つくづく感じました。感想のみですみません。

【橋本主査】  現状を御理解頂いただけで随分価値があったように思います。
 高梨委員、いかがですか。

【高梨委員】  数々の衝撃的なエヴィデンス、大変勉強になりました。やはり海外のアメリカのケースですとか、オーストラリアのケースですとか、シンガポールのケースですとか、そういうケースを学んで、この委員会で検討されるものにどういうふうに反映していくのかなというのが、今、見えていないかなと思いますので、是非そういうのも含めて今後検討していきたいなと思っています。

【橋本主査】  ありがとうございます。
 本日は時間がなくなってしまったので済みません、上野山委員、島崎委員、國吉委員に御発言頂く機会がないのですが、次回、じっくりとお1人ずつ御発言頂きたいと思いますので、是非お願いします。
 それで、今、最後に高梨委員が言われたように、今日の議論だけ聞いていると、一体どこに出口を出すつもりなのかと感じると思います。私自身も事務局と出口をどういうふうにするかということを常に話していまして、まだまとまっていないのですが、やりながら考えましょうみたいなところもあります。ただ、今日の議論でも本質的な問題が上がってきているような気がしますので、これを全部解決するような案をここで出すとはとても言えないんですけれども、事務局でしっかりと整理していただいて、方向性を出せればいいと思います。では、今日はここまでにして事務局にお戻しします。

【西島室長補佐】  スケジュール。

【橋本主査】  お願いします。

【西島室長補佐】  それでは、今後の予定について御説明いたします。資料6を御覧ください。当面の予定としまして第2回を5月27日、13時から、第3回を6月8日、15時から、第4回を6月26日の14時から開催する予定としております。
 なお、本日の議論につきまして、追加意見等ございましたら、事務局までメールにて御連絡ください。
 以上でございます。

【橋本主査】  では、これで競争力強化に向けた大学知的資産マネジメント検討委員会を閉会といたします。本日は、どうもありがとうございました。また今後もよろしくお願いいたします。


―― 了 ――

お問合せ先

科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室

(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室)

-- 登録:平成27年07月 --