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産業連携・地域支援部会 大学等知財検討作業部会(第5回) 議事録

1.日時

平成26年2月6日(木曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省東館3F2特別会議室

3.議題

  1. 大学等の知財の活用方策について
  2. その他

4.議事録

【三木主査】  前田委員がまだ到着していないようですけれども、定刻を過ぎていますので、ただいまから科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会大学等知財検討作業部会の第5回を開催いたします。
 まずは事務局の方から、配付資料の確認をお願いいたします。
【鷲崎大学技術移転推進室専門官】  それでは、資料の御確認をさせていただきます。お手元に資料が3つございます。また、参考資料として2つ御用意させていただいてございます。
 資料1としまして、九州大学様の資料でございます。資料2といたしまして、福井大学様の資料となってございます。資料3といたしまして、本作業部会の報告書(案)についての資料でございます。
 参考資料1でございますけれども、本作業部会の10月の中間取りまとめに関する資料でございます。参考資料2といたしまして、日本再興戦略の知的財産に関係する部分の抜粋をした資料を御用意させていただいております。
 また、委員の皆様の机上には、参考資料といたしまして、前回の中間取りまとめからの加筆・修正点をお示しした修正履歴つきの報告書(案)を配付させていただいております。もし不足等ございましたら、会の途中でも結構ですので、事務局までお知らせいただければと思います。以上でございます。
【三木主査】  ありがとうございました。
 それでは、早速審議を進めてまいりたいと思います。前回の作業部会では、知財の棚卸しや海外への技術流出、更に訴訟等のリスク管理について御審議を頂きました。それらにつきまして更に議論を深めるために、本日の前半では、九州大学と福井大学における取組につきまして、それぞれ大学に御説明を依頼しております。そして後半では、本作業部会の報告書(案)につきまして御審議いただきたいと考えております。
 それでは、早速大学からの御説明に移りたいと思います。まずは九州大学における取組につきまして、九州大学産学官連携本部の坪内寛知的財産グループ長より御説明を頂きます。坪内様、どうぞよろしくお願いいたします。
【坪内九州産学官連携本部知的財産グループ長】  御紹介いただきました九州大学の坪内でございます。よろしくお願いいたします。
 私の方からは、九州大学における知的財産業務の現状ということで、幾つかの事案を御紹介したいと思います。お恥ずかしい事案紹介になってしまう部分もございますけれども、その点御容赦ください。
 今日の目次でございますが、まず私どもの業務のボリューム感を把握していただくために、私どもの業務の概要を簡単に御説明します。その後、保有案件数抑制への取組事例の紹介をいたします。続いて3番目の話として、権利行使に関連した事例の紹介、この3点についてお話ししたいと思います。
 最初の概要のお話です。こちらは組織図ですが、昨年の9月に知的財産本部から産学官連携本部に名称が変わりまして、今、4グループ体制でやっております。私が所属していますのが、この知的財産グループというところでして、ここが九州大学における知的財産関連業務をやっております。右側にTLOも書いてありますけれども、九大TLOと、あと京都にございます関西TLOさんと業務委託しまして、技術移転業務の一部を担っていただいています。
 発明届は、年間300件程度出てきている状況でございまして、そのうちの約3分の2をナノテク・材料、ライフサイエンス、の分野が占めています。出願件数は毎年増えてきていますが、そのうちのまた3分の2程度がナノテク・材料、ライフサイエンス系の出願です。出願人で見ますと、約7割が企業さんをはじめとする他機関との共同出願、3割が九州大学単独での出願となっております。
 活用の点ではいろいろな切り口があると思いますけれども、こちらは1つの切り口として、ライセンス収入の推移をあらわしたグラフでございます。法人化された2004年から2012年にかけては、ライセンス収入がほとんどない状況でしたが、2010年過ぎ、2011年、2012年と少しずつ増えている状況にございまして、2012年度で5,100万ぐらいのライセンス収入を得ております。
 2つ目のお話に入ります。「保有案件数抑制の取組」ということで、最初のグラフは2004年度から2010年度にかけての保有案件数です。要するに生きている案件といいますか、出願はしたけれども途中で取り下げたとか、拒絶になったとかというのは除いた数字です。2004年の時点では生きている案件として200件ぐらいあったものが、例えば2007年の上期では800件ぐらいになっていましたけれども、こういった形でどんどん増加していまして、2010年度の終わり頃には、2004年当時と比べると約7倍まで保有件数が増えておりました。
 折れ線グラフは、技術担当者数の推移を示してしています。ここでいう技術担当者というのは、発明の評価をしたり、掘り出しをしたり、あとは出願から権利化までの手続において、いろいろな判断を下す担当者ですけれども、九州大学の場合には技術移転まで含めてやっていますので、それらの業務をやる担当者を意味します。2004年から2010年にかけて、技術担当者が半分ぐらいに減ってしまう状況がございまして、このままでは回っていかないなという感じがありました。
 こういった状況を受けまして、出願をするかしないかの判断から始まって、特許になった後も年金を支払うかどうかの判断まで、6個ぐらいのステップを設けまして、それぞれのステップにおいて「維持する/しない」の判断をすることとし、2011年ぐらいから力を入れ始めました。どのステップにおいても、大学が「維持する/しない」の判断をするに当たっては、発明者が今どういう研究環境で研究しているのかというが非常に重要な位置付けになりますので、必ず発明者に状況をヒアリングしています。ヒアリングのやり方は、出願の前は実際にお会いして話を聞くことが多いですが、担当者の業務負荷の兼ね合いもありまして、アンケート形式で済ませることもございます。ただ、いずれにしても発明者の意見は聞くようにしております。
 企業さんへのマーケティングも併せて行います。大学としてはよかれと思って出願していても、産業界から見てみるとほとんど使い物にならないというようなこともございますので、そういった御意見もお聞きしながら棚卸しを進めております。
 ここに書いていますけれども、ステップの3から6、つまりPCT出願した以降の時期になってくると、企業さんが興味を示さないものについては原則として権利放棄するということで、手放す運用をしております。ただ、先ほど申し上げましたように、発明者にヒアリングをした結果、これから大きな国プロが始まるとか、この発明をベースに大きな研究がスタートするとか、というケースもございますので、そういったときには必ずしも企業様の興味のほどが高くなくとも権利維持するケースもございます。
 こういった取組をしていく中で、2010年頃までは保有案件数が右肩上がりで増えていたんですけれども、2012年をピークに減少傾向が見られるようになり、2012年度の上期と2013年度の上期を比較すると、初めて減少し3%減りました。今後もこの活動を続けていけば、極端に増えることはないと見込んでおります。
 棚卸しは少しずつ進み始めましたが、その一方で、件数が増える方向の状況もございます。その一例をここに掲示させていただいています。大型の国プロでは税金が投入されているということもあり、研究成果をきちんと知的財産化しなさいということが言われていますし、大学としても、そういう発明は少し長期的な視野に立って「出願する/しない」という判断をしなきゃいけないという認識もございます。そこで、そのプロジェクトの予算の許す範囲でできるだけ出願する取扱い、つまり「出願をする/しない」のしきい値を少し緩め、いわば特区的な取扱いをしています。その結果、国プロ関連の発明が急速に増加している状況にありまして、出願件数もかなり増え、2011年度と比較しますと、保有案件数が約2倍になっています。まだ全体の数からすると少ないので、さほど影響は出ていないんですけれども、この傾向が続いていくとかなりの影響が出てくるだろうと予想しております。
 以上、まとめますと、棚卸し作業によって保有案件数は減少傾向にあるんですけれども、その一方で、国プロから出てきた発明をどういうふうに取り扱っていくかというのが、今後の課題と認識しております。特に国プロにおいては、複数の企業、大学が参画した大型のコンソーシアム、研究開発コンソーシアムが多うございますので、より効率的、合理的な知財管理手法を今後検討していく必要があります。これが2つ目の保有案件数抑制の話です。
 3つ目、権利行使に関連した事例の紹介というところに入ります。大学が直接権利行使した事例というのは今のところ発生していなくて、残念ながらそういったお話をここで御紹介することができませんが、今日はライセンシーが権利行使したという事例と、サブ・ライセンシーが権利行使をした事例、この2つを御紹介します。
 1つ目の方は、独占的通常実施権を中小企業さんに付与し、ライセンシーがその実施権に基づいて製品を作って売っていたところ、他社製の類似品を発見したので権利行使をしようと考えられた事例です。ライセンシーは、弁理士から「特許発明の技術的範囲に属さない可能性が高いですよ。このまま権利行使してもなかなか難しいですよ。」というコメントをもらったため、最終的には権利行使を断念するに至ったようです。
 ライセンスを付与したときに、当然権利範囲は確認した上でライセンスを受けられたものとこちらは解釈していたんですけれども、どうも権利行使の段階で初めて権利範囲をじっくり検討されたような状況でございました。ライセンシーである中小企業さんにとっては、「大学からライセンスを受けています」ということが1つの営業ツールになっている側面があるかもしれませんが、いざというときに権利行使できず御立腹され、「実施料の支払なんかできない」とクレームに近いようなことを言われております。この件はまだ決着がついていませんが、我々の方からは「契約書に書いてあることですし判子も押されているので何とか履行してください」ということで、今協議をしている状況でございます。
 次は、サブ・ライセンシーが権利行使をした事例です。これも独占的な通常実施権をライセンシーに与えています。サブ・ライセンス権付きライセンス契約で、最終的にはサブ・ライセンシーの更に下のサブサブ・ライセンシーが他社の類似品を発見しまして、外国において権利行使をしたという事例です。
 その後、侵害被疑者から特許無効審判が請求されまして、審判請求書の写しが我々のところに届きました。このとき初めて、サブサブ・ライセンシーが権利行使をしたという事実を知りました。契約書では、「権利行使したい場合にはライセンシーがするのは構いませんよ。だけど、権利行使するときには事前に通知してくださいね。」としてありましたが、ライセンシー自体がサブ・ライセンシーの動きをよく把握していなかった状況がありまして、このような事例が発生しました。
 契約書で一応リスク管理をしているつもりではいたんですけれども、実際にはきちんと履行されないという実態がございます。知財部さんがしっかりされている大企業さんがライセンシーの場合にはこういうことは起こらないと思いますが、ライセンシーがきちっと契約書を見られていない、理解されていないことが原因で、契約内容が履行されないという事例が起こっています。
 私からのお話は以上になります。恥ずかしいお話の連続でしたが、事例としてはこういったところでございます。ありがとうございました。
【三木主査】  どうもありがとうございました。ただいまの御説明に関しまして、ちょっと時間をとって御質問等があればお受けしたいと思います。委員の皆様、いかがでしょうか。ございませんでしょうか。どうぞ。
【渡部主査代理】  では、簡単な質問を。大型プロジェクト、大型国プロの出願を増加させている、この出願経費はプロジェクト予算から使っているんですね。
【坪内グループ長】  はい、そうです。当初は産連本部で全部持ってくれというお話もありましたが、それは事実上難しいところがありましたので、プロジェクトの予算の範囲内でやってくださいという約束で進めております。
【渡部主査代理】  出願するときはいいのですが、多分後年の負担が、どんどん出していくと大変ではないかと、そこは大丈夫なんですか。
【坪内グループ長】  そうなんです。やはり当初からそこが問題になっていまして、プロジェクトが終わるときどうするんだということで、終わるときにはプロジェクト内でまず棚卸しをしていただいて、その上で大学の費用で維持するのかしないのかということを判断するという、2段階の判断をしております。
【三木主査】  ありがとうございます。どうぞ。
【野間口委員】  とても分かりやすく説明いただいてありがとうございます。九州大学さんはじめメジャーな大学は、外国企業からの委託研究などを積極的にやるという記事を、よく新聞等でお見かけるのすけれども、そこで生まれた知財の取扱いは、日本企業とやる場合と全く一緒なのかどうかを教えていただきたいというのが1つ。共同研究ではないですけれども、大学の研究で生まれた知財を、日本企業が使いたいといってくるときは、皆さんも余り気にせずに相談に乗られると思うんですが、外国企業が来た場合、日本企業と違った取扱いをされるのかどうかということと、2点教えていただければと思います。
 それから、これは単なる情報ですが、最後にあった権利行使に関連した事例というのは、企業でもよくあることです。ここにおられるキヤノンさんとか味の素さんとかIBMさんはそういうことはないと思うのですが、私の会社などでは、権利行使しますと、された会社が必死で抵抗いたします。文献検索は今どんどん進んでいますから、全世界の文献の先行事例を調べて抵抗してきますので、こういうことはしばしば起こることだと思います。特許上でも、日本の特許の質を上げようということで、後々無効審判で負けないような特許にしようということでいろいろ検討しておられるのですけれども、100%そうなるとは限らないので、こういう事例はある程度覚悟した上でマネジメントするしかないのではと思っています。最初の2つの質問についてよろしくお願いします。
【坪内グループ長】  はい。1番目の御質問ですね、外国企業からの委託研究だとか共同研究の成果の取扱いを、通常の国内の場合と同一にしているかどうかというお話だったかと思いますけれども、基本スタンスとしては同一にしています。日本企業さんとの場合には、知財の取扱いを契約書の中で細かく決めずにスタートしていることが多うございまして、「単独発明の場合には単独で出願してもいいですね、共同発明なら共同で出願しましょうね、共同出願契約を結びましょうね」と、それぐらいしか決めていません。外国企業さんからは、「発明が出てきたら全部うちのものだ」という条件を提示されることが多いのですが、日本企業さんと同じ取扱いになるように努力をしています。
 2つ目の御質問ですけれども、ライセンスについても大きな違いはありません。私どもの場合には、日本の国立大学法人ですので、まずは国内企業さんにライセンスを打診するというスタンスでやっております。出願したら、出願公開になる前からライセンス活動を始めるんですけれども、出願公開前は、基本的には国内企業に限定して動いています。国内企業から御興味を持っていただけないときに外国企業に、という順番でやっており、契約条件の中身自体には差をつけていないというのが実情です。
【野間口委員】  ありがとうございました。
【三木主査】  ほかにはいかがでしょうか。はい、どうぞ。
【島田委員】  特に前半の方の御説明で、数字的にきれいに出願数とか、あるいはライセンス収入とか伸びていて、すごくうまくいっているなという印象を受けたんですけれども、その辺は何か工夫してやっておられるのか。それから、特にこのライセンス収入はすばらしく伸びていると思うんですが、これはどんどん伸びていくというふうに考えているのか教えていただきたいんですが。
【坪内グループ長】  ライセンス収入については、実情を申し上げますと今年度はなかなか厳しい状況です。伸びていくように努力はしていますけれども、あと2か月でどこまでいけるかな、というのが正直なところでございます。
 ライセンス関係は、冒頭で申し上げました関西TLOさんとの業務委託を進めるに当たって、ライセンス活動に対する業務の再整理を行いました。
 共同発明の場合には、例えば共同研究契約の守秘義務の関係もあり、第三者に発明内容を明かすわけにいきませんから、そういったものについては基本的に私ども知財グループの方でライセンス活動をやります。単独発明についてはそういった縛りがございませんので、主に関西TLOさんにライセンス活動をやっていただいています。九大TLOの会員企業さんは主に地場企業が多うございますけれども、そういったところには九大TLOを通して技術紹介をする、というふうに役割分担を再整理いたしました。これが2011年頃のお話ですけれども、それ以降それぞれの部署、部門で決められたミッションをやるという役割分担を明確化したのが1つの要因かなという気はしています。
【三木主査】  よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。はい、どうぞ。
【長澤委員】  1つだけ質問させてください。先ほど、野間口委員がおっしゃったことに近いのですが、外国の企業に対して、特許権をライセンスではなく、譲渡するということはありますか。これが質問です。
 それから、これは質問ではなく、コメントなのですが、最後の2つの事例は、ライセンシーによる契約違反だと思います。通常であれば、契約違反を追及できます。でも、日本の零細企業相手だとさすがに契約違反を追及するのは難しいという前提で事例を紹介されたと思って聞いていたのですが、相手が新興国の会社の場合、契約違反を追及しないと、相手方になめられてしまうと考えながら聞いていました。
【坪内グループ長】  ありがとうございます。1件目の譲渡ですね。外国企業への譲渡をしているかという御質問だったかと思いますけれども、今のところ譲渡した事例はございません。国内企業さんに対してはやっておりますけれども、外国企業さんに対して、まだやった事例はございません。明確に「外国企業だから譲渡しない」という基準があるわけではないんですけれども、特に外国企業さんへの譲渡に対しては非常に慎重に、という姿勢でおります。
 2件目の、なめられるんじゃないかという点は、我々自身も確かにそういう認識はございます。個人的には単に契約不履行であることを追及すれば済むと思っていますが、大学としては「できるだけ慎重に進めましょう」というのが基本的な姿勢です。ただ、大学としても「必要であれば法的手段を行使すべき」という認識ではおります。
 今回の事例では、ライセンシーが特許制度自体を十分に御理解されていないというところがございました。今後ライセンス案件が増えていくということを考えると、最初の時点で十分な相互理解を作っておく必要があると今回感じました。
【三木主査】  では、柳生委員の方からお願いします。
【柳生委員】  スタッフの方の人数なんですけれども、減ってきたというお話でした。実際に年間300件ぐらいの発明があって、これぐらいのスタッフの数でやられているのは、正直かなり大変ではないかと想像するんですが、例えばどういう人数の考え方、方針でスタッフの方を、管理といったら何ですけれども、確保しようとされているのかとか、あるいは、実際は増やしたいんだけれども増やせないんだとか、そのあたりどういうふうにされているのかというのを聞かせていただけますか。
【坪内グループ長】  人数でございますけれども、先ほどのグラフは2010年までの推移を示していますが、その後、少し人数を増やしてもらいまして、今、グループとしては6名体制でやっています。
 共同出願の場合には、企業さんの御意向に従ってクレームを立ててもらうとか、ある程度企業さん任せにしています。「本当に我々が力を入れなきゃいけないところは単独出願」と、ある程度割り切ってやっておりますので、1人当たりの担当案件数は、見かけ上の数字よりは下がっていると思います。
 あともう一つは、熟練者が6名であれば非常にいいんですけれども、そういった方からの応募がないのが実情でして、未経験の若手の方を採用せざるを得ないというのが実情です。ですから、これまで内部での教育はOJTで「見よう見まねでやってください」という感じだったんですけれども、それではなかなか回っていかないので、最近は内部での教育を、座学でやれる部分と先輩がついて回る部分とに少し整理しました。ゆっくりではありますけれども、少しずつ力がついてきているかなという感じです。
【三木主査】  ほかには。はい。
【野間口委員】  九州大学さんに質問です。環境技術などで、中国の研究機関や大学とタイアップするという取組を公表しておられましたが、そこで生まれた知財の取扱いなどはどのようになっているのかというのが1つ。先ほど長澤さんが質問された譲渡の話ですけれども、外国企業が九州大学さんに来て、譲渡とか独占権だったら、これだけの対価を払いましょう。そして、通常実施権はこれにしましょうということで額を提示されたときに、その額が圧倒的に違うと思います。例えば、1億円と100万円とかになります。そういう話を直接、先生方にするものだから、先生方は舞い上がってしまって、私の特許はこれだけで売れるのだといって、皆さんともめるような、そういうことはありませんか。
 私が理事長をしていた研究所では結構そういうことがあり、そのような甘い誘惑に乗ってはいけないということを理解してもらうのに苦労した経験があります。恐らく先生方にそういう誘惑的なアプローチがかなりの外国企業から、特に欧米の企業から来るのではないかと思いますが、そういう御経験はないですか。
【坪内グループ長】  1つ目の御質問ですね。中国との共同研究における研究成果の取扱いということですけれども、まだ中国企業との共同発明が出てきた事例はございません。ただ、日本企業との共同発明を共同出願していた事例で、相手方企業が中国企業に買収されるかもという話がございまして、そういうときに大学としてどうすればいいのかという話がでたことがございます。幸いなことに大学としての明確な結論を出す前に買収の話が立ち消えになりましたが、今後も起こり得ることですので、今のうちに検討しておく必要があると感じているところです。
 2点目の御質問の、教授、大学の先生に直接アプローチがあって何か困った経験がないかというお話ですけれども、これはよくございます。先生は「これはすごいよ。あの企業がこんなことを言ってきているんだから。」と言われるんですけれども、実際はその企業と直接話をすると、ちょっとトーンが違ったりすることがあります。「何をぐずぐずしているんだ。こんなに良い話なのに、こんなに時間がかかるわけないだろう。」と言われたりもしますが、丁寧に説明をしながら、御理解を頂く努力をしております。
【三木主査】  ほかはよろしいでしょうか。どうぞ。
【上野委員】  実際にライセンス、若しくはサブ・ライセンスを許諾されている枠組みにちょっと関心があったので、差し支えなければ教えてください。まずこの事例2つは、どちらも単独の所有の特許に基づいてされているのかどうかということが1つ目の簡単な質問です。
 2つ目が、サブ・ライセンスという形で、かなり奥の深いサブ・ライセンスを許諾、これは実際にされていますが、通常サブ・ライセンスの場合、本当に手広くライセンスできてしまう可能性もあるので、わりと制約をかけることも多いため、手広くやるのであれば、直接通常実施権のような形でライセンスする場合も多いのかなとも思ったんですけれども、そのあたり通常実施権なのか、こういったサブ・ライセンスのような形で許諾されているのか、何か方針のようなものがあれば教えていただきたいと思っています。
【坪内グループ長】  1つ目の御質問ですけれども、今回の2つの事例は、どちらも大学が単独で保有している特許についてのお話です。2つ目の「サブ・ライセンスを基本にしているのか、そうでなくて普通であれば通常実施権をたくさん設定すればいいんじゃないか」という点については、ライセンシーが大学発ベンチャー等のどちらかというと大学と結びつきの強い企業の場合、「自己実施するか、サブ・ライセンスをするかも含めて、状況に応じて自分たちでコントロールしたい。」と言われることが多いので、そういったときにはサブ・ライセンス付のライセンスを基本としています。
 より一般性の高い技術の場合には、先ほどおっしゃったように、通常実施権をそれぞれのライセンシーに付与していけばいいと考えています。今回のケースもそうなんですけれども、こんなに深い階層ができるのは嫌だったものですから、当初は「サブ・ライセンスまでは認めるけれど、サブサブ・ライセンスは認めない」という話で進めていたんですね。ただ、ライセンシーの強い希望があったものですから、「じゃあ今回のケースはサブサブ・ライセンスの制限を外しましょう」となってしまいました。基本的には階層が深くなるのは避けたいと思っていますから、サブ・ライセンスを認めるときも、サブサブ・ライセンスについては制限するスタンスでおります。
【三木主査】  ありがとうございます。どうぞ。
【前田委員】  具体的事例を出していただいてありがとうございます。2点あります。先ほどこれだけの少ない人数で出願を行っていて、共同出願はかなり企業さんにお任せするというお話がありましたが、どれぐらいの比率で単独と共願があるのでしょうか。あと九州大学さんの水素先端科学基礎研究事業があると思うんですけれども、多くの企業の参画がありますよね。あの例は初めから知財の取扱いはこういう形でやるとか、包括で何か決まっていたりとかするんですか。2点教えていただけますか。
【坪内グループ長】  1点目の「単独、共願の比率」は、3対7ぐらいです。この単独での出願の承継率、つまり、単独発明としての発明届の件数のうち実際に出願した件数の比率は半分ぐらいですが、「なぜ半分も落とすんだ」という学内での反発もあります。論文の発表予定が近くて十分に審議できないケースも多いので、最近ではそういうケースはアメリカの仮出願制度を使っています。ここについては賛否あるかと思いますけれども、大学の場合、論文の発表時期との兼ね合いもありますので、ある程度割り切って仮出願の制度を使って出願し、出願日を確保しています。ただその場合には、外国出願の要否を判断する際に、本当に本出願する価値があるかどうかを再審議します。
 2点目の、水素関係の研究については、産総研さんと当初協議をしたんですけれども、産総研さんの内部発明の審議プロセスと、大学の審議プロセスが違うところがございまして、大学の方が審議に時間がかかるプロセスになっていたんですね。そこで、水素関係の研究については、「産総研さんにまずはお任せしますので、出願してください。だけど大学の発明でもありますから、出願後に取扱いを協議させてください。学内の審議が終わっていないからと言って、出願にストップをかけたりはしませんよ。」という取扱いにしておりました。
【前田委員】  それは産総研と九大と企業の共願ということになるんですか。どのような形になるんですか。
【坪内グループ長】  今申し上げたのは、飽くまで産総研さんと私どもだけが関係していたケースでして、企業さんが入っている場合には、企業さんの御意向が当然関係してきますので、それは協議して、我々としてはできるだけ迅速に判断するという前提で、企業さんと3者で協議して決めていました。
【前田委員】  案件ごとにですか。そのプロジェクトに関しては、この場合は企業に譲渡するとか、先に決めておくわけではなくて、出た特許ごとに企業も共願にするとか決定するのでしょうか。
【坪内グループ長】  水素プロジェクトを例にしますと、時期的に数年前のお話でして……。
【前田委員】  今も継続していらっしゃるのでしょうか。
【坪内グループ長】  継続はしていますけれども、水素プロジェクトの当初は知財の仕組みをどう作るかというのを十分に検討しきれてなかったところがありました。大学としてうまく回しきれていないところがあったんですけれども、その後も水素プロジェクト以外の大型のプロジェクトがどんどん出てきましたので、最初にある程度包括的な取決めをしておいて、その取決めの中で回していくことを最近はやっています。
 具体的に申しますと、大型のプロジェクトも含めて全て産連本部で出願の要否を判断しようとすると、どうしても時間がかかってしまいますので、そこはプロジェクトごとにある程度権限を委譲し、プロジェクト側に所属する担当者に委ねています。その担当者は、発明が創出される前の段階からずっと研究者と密にコンタクトをとって、企業さんともお話をされていますので、発明届が出てきた時点で出願要否について迅速に判断できます。ですから先ほど申し上げましたように、プロジェクト予算内であればプロジェクト内で判断してもらって構わない、という取扱いにしております。
【野間口委員】  参考までですけれども、水素先端科学材料研究センターというのは、産総研の1つの研究センターとしてありまして、村上副学長にセンター長になっていただいて、NEDOのプロジェクトでやりました。新しい九州大学さんのサイトで……。
【前田委員】  そうですね、新しい。
【野間口委員】  そこで世界最先端の研究を去年の3月まで。
【前田委員】  そうです、産総研は去年まで。
【野間口委員】  それで出てきた成果は、産総研のルールで全部やっています。九州大学の先生方も兼務として産総研の職員になっていただいて、研究をやっている。そこで出た成果は産総研ルールで、NEDOのプロジェクトとして取り扱いました。去年の4月以降は、九州大学は世界的な水素材料のメッカですから。それで今日につながっている。それは九州大学のルールでやっていただいているというふうに伺っております。
【三木主査】  どうもありがとうございます。では、もう最後の質問で。
【淺見委員】  済みません。事例の紹介ありがとうございました。私、ずっと特許庁で審査官をしていた観点からちょっとコメントをさせていただきますが。後の方の事例は若干言い訳なんですけれども、やはり特許の審査の段階でサーチをするといっても限界がありまして、審査官、大体1年間に200件ぐらい審査をしていますので、できるだけ熟練して先行技術調査をやっていますけれども、そこはやはり無効審判が起きるのはある程度やむを得ないということで、そこはリスク管理をしていただきたいと。これは1点、言い訳です。
 それから、もう一つの方の事例なんですけれども、私が審査をしていた経験からしますと、大学の特許というのはとても権利が狭いというケースが多いです。いろいろ書き加えていられて、確かにそれであれば新規性、進行性は満たすので、特許になるケースは多いんですけれども、これで権利行使が果たしてできるのだろうかというようなケースは非常に多いんですね。それでお伺いをしたいことは、そういった権利を、特にクレームを作成するときに、どんなふうな体制で検討しているのかということと、それからあと、多分出願をされる際にサーチもされると思うんですけれども、その先行技術調査をどんなふうにされているのかということを教えていただければと思います。
【坪内グループ長】  最初の御質問ですね、クレーム作成に当たってどういう体制でやっているのかという点ですけれども、十分な体制ができていないのが正直なところです。特に私どもの場合は、これはちょっと言い訳になりますけれども、総合大学で様々な分野の発明が出てくるものですから、全ての分野をカバーできるだけの担当者がいないのが実情です。
 ただそういう状況下でも、できるだけしっかりしたクレームを作りたいという気持ちはあります。大学の場合は、先ほどおっしゃった権利範囲が狭いクレームになることが多いですが、その背景の1つとして、実施例が十分でないことが挙げられます。研究者は1つの物質についてのデータだけでも論文を出そうとされますので、公知となる前にまずは出願しなければなりませんが、出願する際に、研究者には「これから1年の間に違う物質についてもデータを取ってくださいね。そうしないと、特許を出しても特定の物質だけに限定されてしまうので権利範囲が狭くなってしまいます。」とお願いをしています。一応は約束はしていただけるんですけれども、研究者は特許を強化する目的で研究をされていないものですから、追加の実施例データが取れないまま優先権の主張期限を迎えることがございます。できるだけ権利範囲が広くなるように働きかけはしておりますけれども、十分に効果がでていないのが実情です。
 2点目の調査ですけれども、以前私どもは自分で調査をやっていました。専門性不足により十分な見識がないままに調査していたケースもありましたが、今は外注で調査をやっています。外注先からの調査結果に対しての評価をこちらでして、追加調査の必要があれば、やり直してもらうという形でやっております。
【三木主査】  ありがとうございました。時間がかなり過ぎておりますので、先に進めさせていただきたいと思います。
 続きまして、福井大学での取組につきまして、福井大学の米沢晋産学官連携本部長から御説明を頂きます。それでは、米沢先生、よろしくお願いいたします。
【米沢福井大学産学官連携本部長】  九州大学さんの非常にまとまったお話の後でして、既に逃げて帰りたい気持ち満載なんですけれども、現場のどたばたした様子というのをライブで少しでもお届けできればなと思っておりますので、よろしくお願いします。
 今日お話をさせていただこうと思っている内容、それからお手元に入っておりますスライドの印刷部分ですけれども、それを全部しゃべる気は全くございません。時間的に絶対無理ですので、その中から少し我々が直面したところというのをつまんで話をさせていただきたいと思います。
 その話をさせていただく上でということになりますけれども、我々全くこの後すぐに、そんなに違うのかという数字が出てくるんですけれども、この事情というのが大きな大学、あるいは都会、都市部にある大学とは全く異なっていますということを申し上げたいと思います。その上で、今まで何をしてきて、どんな目に遭ってきたのかということ。それで今、それをどうやって言い訳しながら使っていこうとしているのか。何だかんだ言いながら、やっぱり次に何かしなきゃいけないということを含めて何を挑戦しようとしているのか、そういうような感じで御説明を申し上げます。
 1つ福井の地域柄というのがございまして、大学の規模というのもございます。こんな方程式を書くほどのものではないんですけれども、旧の福井大学というのは、工学部と教育学部しかなかった、2学部だったところです。そこに福井医科大学がくっついて医学部になって、3学部体制です。ですので、そういう意味では国立大学法人の中では最小の部類に入る大学になります。ただ工学部の学生の人数というのは、すごく手前みそな言い方をすると、日本海側最大級という言い方をするんですが、そういうちょっと変わった構造をしているということになります。そこで地域共同研究センターの発足、それからそれに前後しまして、知財本部等々ができてきているわけなんですけれども、それがまとまった形で現在の産学官連携本部、私が本部長をやらせていただいていますけれども、そういった組織になっています。ですので、知財部は先ほどの九州大学さんの形と同じで、産学官連携本部の中に知財部があるという形をとっております。去年、一昨年ぐらいからURAオフィスも作りまして、少し裾野を広げる形で進めているというところです。
 余り大きくない大学に対して、地域の規模なんですが、GDP等々見ましても、そんなに大きな地域ではないことがわかります。ただ、妙な特徴がございまして、中間材をたくさん作っているユニークな中小企業が多いという地域になります。ですので、余り知られないものですから、福井県のホームページですけれども、「実は福井の技」なんだというような、わざわざ県がホームページを作っているという状態です。こちらに非常にのどかな風景が写っていますが、これは福井のテクノポートというところで、ここのところに実は新しくいろいろな企業を誘致したりはしているんですけれども、いわゆる大企業はそうは多くなく、中小企業の多い地域となっています。今、そういった地域の中ですので、福井大学と、それから地域の工業界、経団連ですとかそういったところ、経済同友会を事務局にこの場合はしていますけれども、こういったところの中で活動しているという現状がございます。
 今、地域の経済同友会さんとタイアップをいたしまして、協力会というのを立ち上げ、運営していただいておりまして、ここで主に中小企業の皆さんと、日頃の活動をタイアップさせていただいています。その会員数が今200ぐらい、大体こんな規模です。ですので、そんなに大きな話ではございません。
 その中で共同研究・受託研究の件数というのはこんなふうになっていまして、何となくですが、法人化、あるいは日本版バイドール法が成立したころにずっと伸びて、そこから飽和したという、そんなような感じのイメージです。もちろん景気の変動によってでこぼこしているんですけれども、大体この辺で落ち着いてきたのかなと。ただ、落ち着いてきたのかなという数字ではなくて、これは中身を見ると実は分かるんですけれども、こう上がって下がっていく群があるのに対して、別の群が上がってくるということで、新陳代謝が始まってきております。別の群が上がってくるということを継続して誘導していかないと、減る一方となるわけです。これはちょっと余り出したくない話、途中経過ですので、まだ今から伸びる予定というぐらいに見ておいてください。
 そういう活動の中での知財の数字なんですけれども、グラフにして見やすくしようという努力はもちろんしかかったんですけれども、しなくてよかったなと実は思っています。先ほどの九州大学さんのやつと比べられてしまうと全然数字が違いますので。こちら、こんな数字です。ですので、桁で少ない。そんな規模の中ですから、ある意味では端から端まで顔がある程度見えているような、そんな状態で活動ができるというのはメリットであり、デメリットであるというところになります。濃度が薄くなりますので、デメリットがあったり、あるいは内容が分かるという意味ではメリットもあったりということになります。
 その中で、地域の中小企業、あるいはそういったところに対してというイメージも大きいものですから、国内が多くて、海外にはこの時期、そうですね、出せ出せと言われた時期がこのあたりにありますので、その後から、その中からJSTの支援を出していただいて出したようなところがここにあるんですが、それも一たんブームが去った感じになって、今もう1回やり直していると、大体そんなような数字になっております。
 この海外の特許なんですけれども、もちろん北米というのが一番大きな対象になるかとは思うんですけれども、我々のこういう数で、規模でということになりますと、1件が割合的に、コスト的にとんでもないコストになりますので、なかなかおいそれと出すことはできないというふうに見えてきています。出したいという人も余りいなかった時代がこの辺長いものですから、今、どうやって作戦を立ててこれを増やすのかというのは、中での今、どたばたともんでいるところであります。
 ちょっと珍しいところでいきますと、意外とワールドワイドに福井の企業というのは進出しているものですから、私も今、この後ちょっとタイの方へ出かけていくんですけれども、そういうASEANであったり、あるいはアフリカの近く、あるいはイラン、イラクのあたりですね、あのあたりに出ていっている方もおられるものですから、そういったところで特許を取りたいといった例も出てきたりしました。
 例えばペルシャ湾岸のとある国で特許を取りたいと言われたこともあったんですけれども、そのときには非常に困りました。1年ぐらい向こうの代理人の方と交渉してやって、結局特許を出すことはできませんでした。全く社会のシステムが違い過ぎて、ものすごく面くらいました。例えば、あちらの方を発明者に加えようとしたら住所がないということもありました。そもそも戸籍と言うところでその国独特のシステムがあり、日本のそれとのギャップが大きすぎて、結局特許としては取れなかったと。しようがないから王族の方に御承認を頂いて、事業だけは継続したといったような事態が、この辺の時期にたしかありました。
 それから、この辺というのは、ちょうど中国との関係が我々の地域でも多くなった時期でして、御存じかもしれませんけれども、鯖江市という眼鏡の産地でございます。あそこの出荷額を見ると分かるんですが、ここで激減しています。ナイフエッジどころの騒ぎじゃない激減をしています。それは結局は中国へ出ていって、人件費の問題で出ていって、工場を建てて全部技術ごと置いて帰ってきたと。で、市場で負けたというのがこのあたりなんですけれども。そのときに、知財をちゃんとしておけばよかったんじゃないかという話になるのですが、後の祭りということになります。
 ただ、知財がちゃんとしていても、結局全部置いてこなきゃいけないという事態が起きたということは、出ていくという方針そのものが間違っていたんじゃないのかという議論もありまして、今現在その周辺で話をしています。もちろんもとへ戻せるわけではないので、新しい分野へ出ていこうというような話が、今進んでいるところです。
 それから、単願と共願の比率はこのぐらいということです。先ほどですと、こちらの方がもっと多く出しておられましたけれども、我々としては数字がそれほど大きいわけではありませんので、大体同じくらいから、少し共願が多いかなというその程度の話になっています。ちょうどこのあたりで出してきたやつがずっと登録になってきて、今、この辺の未定というのは、この辺で出したやつが審査請求をかけていくといったような状態になっています。それで見ている数字というのは、それほど年で変わってきておりません。先ほどの右肩上がりのようなそんなカーブは全く描けないので、グラフを描かなくてよかったなというふうに思っています。
 先ほど申し上げた3つの学部でいきますと、やはり工学部が一番多くて、医学部が。実は医学部も、教員の数という意味においては匹敵するぐらい多いんですけれども、やはり日頃の時間的余裕の問題があってなかなか。福井大学ですと、どうしても臨床の方が多いものですから、知財活動に割ける時間が出てきにくいという問題があります。結果、わりと特定の方がずっと出されているという現実があります。工学部系よりも医学部の方が、そういう意味ではつらいのかなと。もっとアシストをちゃんとしないと、数やバリエーションは出てこないんだろうなと。今、だから掘り起こしに1人、URAを張り付けるような形で何とかならないかとちょっと試してみているところです。
 外国出願がこちらです。こんなマラソンの掛け声レベルの1、2、1、2というそんなレベルですので、余り参考にならないんですけれども。ただ、国と地域を見ていただきますとバラエティに富んでいます。この辺の時期に先ほどの湾岸国の例があったりします。いろいろやろうとはしているんですが、なかなか明確に方針を打ち出せてないというところです。
 収入がこちらです。ライセンスのところよりは、こちらの成果有体物の欄をごらんいただきたいんですけれども、成果有体物がぽんぽんと売れることの方が多くて、全体の額が小さいものですから、高い成果有体物が売れると、その年は調子がいいと。そんなような数字に見えてしまうという感じです。ちょっと数字のからくりのように思えますが、このあたりをもうちょっとならして何とかできないかなというふうに思っているところです。
 これが全てでして、結局そういう意味では、特許をきちんと、あるいは発明をきちんと審査して、これは要る、これは要らない、要るから絶対に出そうというふうになっていないというのがこれでお分かりいただけると思います。学内で少ない予算をやり繰りして、そういう知財関係に充てられるものというのはこのくらいだと。だから、この総額を我々が苦労して差配して、出願経費に最初は全部充てましたと。それで中間管理費が出てきますから、そうなったときには出願費を抑えていきますという、先ほどの数字を抑えたり、途中のところを効率化したりというようなことをやっていっています。今から登録費、それから維持費なんかはもっともっと出てきますので、この後のところはもっとちゃんと技術移転含めて、それから効果、あるいはその評価というのをきちんとしなければいけないというのが、当たり前の話として存在します。
 これは実は我々の産学官連携活動全体を話すときに使う図なんですけれども、今回今の数字を見ていましていろいろ思ったことは、これと全く同じことが特許に起きていると思っています。最初はやっぱり掘り起こしてくれば幾らでもあったという時代があったんですが、もうその時代は終わっていますので、ちゃんとこの辺を考えた、あるから出せ。出したから売りにいけという話ではなくて、どういうものを作るのかをちゃんと考えてから出しなさいと。当たり前の話なんですけれども、その新陳代謝ができるシステムを作っていかなければいけませんというのは、認識するまでもない話です。
 そういう認識の中で、我々が地域で何をしているかということですが、地域の研究開発と、それから人材育成というのを両輪にしてやっていますというのは、狭い地域ですから、一緒になってやりましょうということで進めていると。その中で、実は知財活用の仕組みというのは、わりと大きな割合を占めてきていますので、ここのところ、実は人員はこちらの方が圧倒的に多いんです。ですので、ここのところというのはどうやってそういう専門的な人材を合理的に活用するのかという体制作りも、私自身の責任なんだろうなというふうに感じているところです。この辺はスローガンですので。
 では、その話の中でどういう活動をしてきているかということです。もちろんこの辺の話は飛ばせていただきたいんですけれども、学内で知財を掘り起こすために、競争的資金を我々が、産学官連携本部が用意する形でやっていますというような話とか、マッチング活動をやっていますとか、この辺はどちらもやっておられるところです。ちょっと変わったところでいきますと、これはものづくり補助金なんですが、これは大学には一銭も入ってこない事業なんですけれども、地域の中小企業に対して、我々のコーディネーターがここへ出ていって、その申請を助けるという形を試してみました。そうしますとこの中にある知財というのが少し大学に逆流してきますので、それをうまく今後の関係に使えないかなと。ちょっと今、きっかけを作ろうとしているところです。もちろんそういった中から出てきたものでA-STEP、あるいはサポインといったものが動いていっていますので、知財をその中でお互いにちゃんと理解して、信頼して持ち合いをして、こういったところへ出ていくというのが、やっぱり我々としてはやらなきゃいけないことだろうと思います。
 というのを、実は学内で説明し続けないといけないというところが寂しいところなんですけれども、すぐに先ほどの表のように、幾ら投入して幾ら返ってきましたということに目が行きがちです。しかし、直接的に返ってくるものじゃなくて、そういう外部資金を獲得するのに使われているんだから、こういったものも足して収支勘定は考えて、教員の活動についてもそういったものも評価に加味してほしいということを、大学の経営層にも理解をしてもらい、様々に工夫を進めています。もちろん評価は簡単ではなく、どこまで含めるか、あるいは寄与率をどのぐらいとるかというのは常に問題になるんですけれども、ここのところをちゃんとしないと、多分我々のような規模のところですと、出した分に対して直接的に返ってきましたよというスタイルでは絶対に収支は合わないということだけは確かなようです。
 他にも幾つか努力をしております。これはちょっと流させていただきますが、プロジェクトの中で、できるだけ企業にどんどん出していっていますというような話。あるいは、地域の中で、理想的には知財をできるだけ共有する形にして、それをばらばらにしてちゃんと組み直してプロジェクトに起こしたいという話。この知財フォーラムは3年前からやっているんですけれども、ようやっとこの意識共有がスタートしたぐらいですかね。信頼関係を醸成するのに、やっぱり時間がかかっています。今年初めてワークショップまでたどり着いたというところです。ですから、今は知財のパッケージ化を考える直前ぐらいでしょうか、もうちょっとスピードを上げたいなと思っているところです。最終的には知財バンクのような形が理想的な形でしょうというふうには申し上げているんですが、なかなかやはり立場の違うところが多いものですから、そこまでいくのはもう少し時間がかかるかもしれません。
 ここからは幾つか具体的な知財を活用した例です。これの例は、守秘の問題から細部を全部外してきたもので分かりにくいんですが、ごらんいただきたいのは、まずここで本学が特許を出しました。それは他社にあった知財で作るものを原料として製品を作り、特許を1つ出しましたという形でスタートしています。これが2004年のスタートで、今ようやっと契約にたどりついたところです。ここまででざっと10年ぐらいかかっています。ですので、こういったことというのは、我々のようなところですと、どうしてもここから、本当はこれをもっと前倒しして二、三年のところで評価して、ライセンスにいかなきゃいけないんですが、残念なことに特許を出して、その活用に至るまでの時間が結構長いということが、やはり問題なんだなと思います。うっかりしますと、これは担当されている先生がお若い先生ですからいいんですが、出願されて、さぁ活用といったときに、もうその先生は退職しておられないというような事態も、我々はたくさん経験しております。
 これは私自身の例なので、失敗した例として持ってきていいかなと思って持ってきたんですが、マグネシウムを鋳造しようという話です。これの知財はJSTの方の補助でPCT出願したんですけれども、企業とのマッチングがなかなかうまくいかない。これが実はマッチングしなかった理由というのは、そこのところにコーディネーション活動する、専属でやってくれる人間がいなかったということがありました。残念なことに現在はこの特許はオープンにしてしまっています。
 逆に地域の企業と直結した場合には、すぐにこういう製品、ここではシートですが、になっています。これは教育、体育の先生の運動科学と地域のものづくりを融合させたものです。先のMg鋳造の例は、シーズをプッシュしていった場合で、結果うまくいきませんでした。こちらのシートの例は、地域の技術と大学の知恵が結びついていますのでうまくいったと、こうした組み合わせ方を、今、いろいろ実例を並べて整理していっているところです。
 これもそうでして、これは医学部の先生が自分で使いたいから作ってくれといって作った脳波をとるための電極の例なんですが、金属ではなくてカーボンナノチューブを混ぜて作るという話です。これも地域の企業がいろいろやってくれたというところがあって、そういうテクニックと、だから大学のシーズというよりは、大学のニーズの方がよっぽど大きかったという例なんですが、初めからこういう風に企業と組んでいる例というのは、やはりスピード的にはいいということになるんだろうなと感じています。
 JSTの新技術説明会で説明したときの反応でひとつ知財活用推進のヒントになりそうなものを持ってきました。3つの光を入れて混ぜて1本で出すという技術で、製品としては合波器と言うことになります。これは次世代ディスプレイとしてはかなり有望もので、これはもうちょっとしたらうまくいきそうな感じなんですが、それでも最初は企業の方々の反応はどうだったかというと、新技術説明会でこれを聞いたときに企業の方がおっしゃったのは、「うん、面白いです、作って持ってきてください」ということでした。これが多分、大学の知財の限界なんだろうなと思ったところです。この辺はまたちょっと資料としてつけておりますので、後ほど御覧いただければと思います。

 その中で、今のような活動をしてくる中で、こういったことというのが我々の活動の中で引っかかってきているところです。この辺ですね。学生の参画というのは、共同研究の中に学生を参画させた場合に、どこまで参画させるのかと覚書を作るんですが、学生の就職先までは縛れませんので、そこのところで非常に守秘が不明確になるとか、あるいは、この辺ですね。著作権というのは非常に大学の場合、グレーゾーンが多いものですから、そこのところでルール作りがまだ遅れているという話があります。こういったものを含めてリスクマネジメントの体制とか、ちゃんとこれを収集してやってくれる人間を置かないと、我々の規模であってもつらいことになってきているという現状が見えます。
 そこで技術移転推進室を作りまして、大手電機メーカーの御出身の方ですが、弁理士資格を持った方に来ていただきまして、大学の知財をざっと棚卸ししていただきました。こういうふうに見ていただきました。個々の知財について、何で使われていないのか、何が魅力なのかとか、何か間違った表現をしていないかとか項目を挙げ、ずっと見ていただいたんですけれども、結構やっぱりいろいろありました。
 その中での、その方の意見がこれです。今ある特許、今まで出てきたものの特許の中でいくと、残念ながらというのが冒頭なんですけれども、先ほど来出てきているのと全く同じ内容が出てまいります。「設計回避が容易なものが大半」、例えば、これが一番大学知財の問題だと思いますが、この指摘を含めて、これを意識してちゃんとやり直してくださいというレポートです。何とか今後の発明については、この辺りも意識してやりましょうというふうに言っていただいています。ただし、少々急に進めすぎたところもあり、ちょっと学内で波紋が広がり過ぎてちょっと収拾がつかなくなっているところもあるんですけれども、何とか前に進める努力をしております。
 今までのやつを引っかき回すといろいろな問題が起きますので、今から生まれるものから先にやろうということで方針を立てたのがここなんですけれども、権利活用でお金を稼ぐことが悪いことじゃないと。今更なんですけれども、これをちゃんと大学の教員に理解してもらいましょうとか、そういったことを念頭に地道に活動しています。あるいは、この中でいきますと、ここですね。群特許の充実、ここが大学、特に我々のような小規模なところでは一番つらいところなんですが、これをやるために何か、それは1校ではできませんから、先ほどの地域の知財を一括するか、あるいは大学、今、JSTさんが渡りに舟のようなことをおっしゃっていただいているんですが、そこに出して連携をとるのかというようなことをやるべきだと考えております。
 最後のところなんですけれども、こういう活動、いろいろな活動を通じて知財に関するいろいろな活動を進めていっているところなんですけれども、結果的には最初のところでありましたように、大学の知財を出してきて、それで活用しようとしたときに、どうしてもここの価値に結びつけるところというのが今まで手薄でした。ちゃんと成果物を作ってやっていかないと駄目だということを感じています。それから、蓄積が物をいう部分というのは単独では絶対無理なので、他機関を含めた連携が絶対要るということになります。この辺のスライドは余分と既に書いてあるので、お手元には入れておりません。イノベーションエコシステムを作るというところで、ちょうど地域の企業と一緒に人材育成とか技術開発をやっているものですから、その中に知財の活用の部分を入れて、1つのプラクティスにできないかなというようなことを考えてみています。ここの、理工系ビジネス人材の育成のところに知財活用を加えて進めてみたらどうかなというのは、これは1つの挑戦なんですけれども、進めているというところです。
 ざっと走って申し訳なかったんですけれども、現場での悪戦苦闘の具合というのが少しでも伝わればなと思っております。ありがとうございます。
【三木主査】  どうもありがとうございました。ただいまの御説明に対しまして、多分質問がいろいろあるかとは思いますが、この後の審議の時間がちょっと限られておりますので、九州大学、それから福井大学さん両方の御説明を受けて、我々の作業部会の本題である知財の棚卸し方策と、それから海外への技術流出の問題、それと訴訟等のリスクという、こういったものに対する課題がございまして、これにつきまして、ただいまの御発表も含めて御意見等がございましたらお伺いしたいと思っております。いかがでしょうか。はい、どうぞ。
【野間口委員】  私は企業の現役のときから、北陸3県は工作機械やそれから材料ですね、特徴的な材料などに関連し、大変いい企業さんがあると思っていました。大企業ではないですけれども、存在感のある企業さんがあるなと思っていました。例えば、23ページ、サポインやA-STEPで、こうした知財が生まれるのは、いろいろ検討している場で生まれるのか、もともと企業が持っていたアイデアを少しサイエンティフィックな味をつけて特許に仕上げて差し上げるのか、あるいは、大学の先生のシーズを企業のチームを入れて知財にするのか、どういう形で特許という形にまとめるのでしょうか。
【米沢本部長】  もちろん全ての形があるのはあるんですけれども、多分我々福井のこういう中小と言われるところと連携しているパターンで一番多いのは、中小の専務さんとか技術部長さんとか社長さんですね、そんな方と大学の人間が何か話をしていて出てくるというパターンが一番多いと思います。そのときには、企業さんは何かネタを持っておられて、これ、何かに使えそうなんだけど、よく方針が湧かないんだというような話を話題で持ってこられることが多いように思います、それを聞いた大学の人間が、こうだああだというちょっと突拍子もないことを言い出したりして、それは面白いですねというような話が出てくるのが一番多いと思います。
 一番分かりやすいのはこの例だと思うんですけれども、ちょっとまだ実用まで遠いところがあるんですけれども、燃料電池の金属セパレータに挑戦しようという話なんです。実はこのアイテックさんは眼鏡枠のメーカーなんです。西村金属さんって金型のメーカーさんなのですけれども。この方々は金属の成形加工専門です。燃料電池は全く知らない企業さんです。そういう企業さんが金属の表面処理をして、耐食性の高いものを作ったのだけどいろいろな使い道がないかという話を大学でしていた中で、大学の中での薄膜作成の技術と併せて燃料電池に挑戦したら面白いんじゃないのというのが湧いてきたと。それで特許としては一緒に出したというパターンですね。そういう何か話をしている中から出てくることが一番数としては多いように思います。
 もちろんこういったところは、大学側というか研究者側が持っていたシーズはこんなあるけどといって見せて、それは面白いからこれを使わせてくださいというパターンもあるのですが、それよりはお互いが何か特に目標を決めないで話をしている中で出てくることが一番多いですね。
【三木主査】  ありがとうございます。
 それでは、少し審議を先ほど申しました3点のところに焦点を絞っていくためにも、本作業部会の報告書(案)を事務局の方で作成いただいていますので、そちらの方をまず御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
【鷲崎大学技術移転推進室専門官】  それでは、お手元の資料3に基づきまして、報告書(案)について御説明申し上げます。
 中間的取りまとめからの修正点を中心に御説明させていただきますので、早速ではございますけれども、ページをおめくりいただきまして1ページ目の1.現状の課題というところをごらんいただければと思います。こちら、最初の段落でございます。大学が知財を取得する意義について言及させていただいてございまして、知財基本法の「大学等における付加価値の高い知的財産の創造が我が国の経済社会の持続的な発展の源泉である」との規定でありますとか、産業界の事業化に向けた動機付けを高める点、後発の他者による権利化及び権利行使等をけん制し、当該研究活動の自由度を確保する点。また大学等が社会貢献活動を行う上で重要な取組であるというところについて言及させていただいてございます。
 次に2ページ目に移っていただきまして、上から2つ目の段落、「更に」の部分をごらんいただければと思います。こちら、平成25年12月に研究開発力強化法の改正が行われまして、今年4月よりJST等が知財の現物出資というものが可能になったことにつきまして述べさせていただいた部分でございます。
 そして2ページ目最後の段落の共有特許に関する記載でございますが、我が国の特許制度においては……というところでございます。こちら、もともと1.という別の場所にあったものでございますけれども、ちょっと場所の関係でこちらに書く方が適切だと思われますので、移動だけさせていただいてございます。
 そして4ページ目にお移りいただきまして、3.大学等が保有する知的財産の活用及び棚卸し方策というところで、中間取りまとめ以後御審議いただいた内容を中心にこちらに書かせていただいております。本日の御審議も加えるという観点から、冒頭にマルをさせていただきまして、箇条書という形で現段階に表現させていただいてございます。
 1つ目のマルでございます。こちらは平成24年12月開催の産学官連携推進委員会の取りまとめの中で、下から2行目でございますけれども、単純に量的拡大を目指すフェーズは終了したというところが提言されてございますので、こちらを引用させてございます。
 そして次の段落、マルの2つ目でございます。大学等発ベンチャーの創出も視野に入れつつ、研究開発が社会実装に至るまでのシナリオを作成し、当該シナリオに沿ったロードマップに基づいて活用を図ることの必要性でございますとか、下から3行目にございますように、知的財産の活用戦略は、知的財産の棚卸しと表裏一体の関係にあるということを認識し、活用の見込みのない知的財産は放棄等を行い、新たな知的財産に注力していくことの重要性について言及してございます。
 3つ目の段落では、大学等の研究成果は基礎的なものが多く、社会実装の実現までには相当の年数が必要であるということに触れさせていただきまして、同段落の中ほどからでございますけれども、大学等が保有する知的財産に関する各種情報収集を日常的に行い、将来にわたる活用の可能性を見極めた上で棚卸しの判断を行うべきであって、短絡的な判断、又は短期的成果に偏った判断は避けるべきと述べさせていただいてございます。
 また4つ目のマルの段落でございます。シナリオにつきましては定期的な見直しが必要であって、各種状況の変化に応じて柔軟に変更を行うことを述べてございまして、同5つ目の段落でございますと、大学等がシナリオを作成できない場合につきましては、情報を1か所に集中しまして、必要に応じてシナリオを再構成した上で、ウェブサイトやソーシャルネットワーキングサービスを通じて情報発信を効果的に行うことが必要であると述べさせていただいてございます。
 そして4ページ目の最後の段落でございます。多様な立場の人材が参加して棚卸しの議論を行う点について述べてございまして、同様に5ページ目最初の段落の方でございますけれども、大学等が単独で棚卸しの判断を行うのみならず、大学とTLO、公的機関、産業界などの意見を取り入れて、幅広い視点から棚卸しの判断を行える仕組みを構築するという点について言及させていただいてございます。
 そして5ページ目の2つ目の段落でございますけれども、それぞれ得た知見というものを、大学等間で棚卸しのノウハウとして共有を図るという点につきまして述べさせていただいてございます。
 そして、続きまして4.の大学等における知的財産に関わるリスク管理について御説明させていただきます。まず、最初の段落では、大学等の知的財産を活用するに当たりまして、様々なリスクについても考慮し、大学等は可能な限り事前に対策を講じておくことが必要であると、まずは基本的な考え方を述べさせていただいております。
 そして2つ目の段落におきましては、大学等がグローバルな活動を行うに際し、大学等は国ごとの知的財産制度の違いに留意しながら、海外においても適切に知的財産の権利取得や活用を行うことが必要であると述べさせていただいてございます。
 そして3つ目の段落でございます。知財の活用に際しましては、各種管理を適切に行った上で、後発の他者による知的財産の権利化及び権利行使等を招いて、研究者の研究活動が阻害されることのないように留意すべきと結ばせていただいてございます。
 そして3つ目の段落、上記3.にというところでございますけれども、失礼しました、4つ目でございますね。棚卸しで権利譲渡を行う場合には、相手方が産業の正常な発展を阻害する可能性が低く、研究成果の社会実装を担えることが望ましいという形で書かせていただいてございます。直接の明示は避けてございますけれども、NPEなどを意識した記載の部分でございます。
 そしてマルの5つ目でございます。訴訟に関係する部分でございまして、大学等が権利行使を検討するに当たり、排他権を有する知的財産をどのように取り扱うかについては、大学等の社会的な使命に鑑みつつ、大学等において今後も引き続き検討が行うことが必要であると書かせていただいてございます。
 そして、最後のマル部分でございます。各種リスク管理で得たノウハウなどにつきましては、共有化を図り、産業界と協力しつつ、同様の事例が生じた場合に大学等が適切な対応が行えるように対策を講じるべきだというところにつきまして言及させていただいてございます。
 そして最後のページ、6ページをごらんいただければと思います。下から5行目のところに追記をさせていただいてございまして、「また」というところでございます。職務発明に関する日本再興戦略の記載を引用させていただいておりまして、最後2行でございますけれども、今後の職務発明に関するような検討の部分でございますが、今後の検討動向を注視することが必要であると結ばせていただいてございます。本日参考資料2に、関係する部分をお示しさせていただいてございますので、もし必要であれば御参照いただければと思います。
 そして、最後7ページ目のところに図1がございまして、こちらは概算要求時の資料です。10月の時点は使わせていただいてございましたけれども、政府予算案として年末に閣議決定されてございますので、そちらに合わせて数値でありますとか細かい点をアップデートさせていただいてございます。私からの説明は以上でございます。
【三木主査】  どうもありがとうございました。本日は、特に4ページの3、それから5ページの4、そして「おわりに」のところで前回御意見がありました職務発明の件、そういったところにつきましての記載が事務局の方で提示されたということでございます。もちろん内容的には、今までのこの作業部会での御議論をある程度包括はできているとは思うんですけれども、更に欠けている点とか、それから具体性を持たせずにやや丸めた表現をした箇所とかいろいろなところがあろうかと思いますので、委員の皆様方から御意見をいただければ、それをまたこの報告書(案)に反映して、次回御審議いただきたいというふうに思っております。
 そういう意味で、今日の時点ではそれぞれこの点はもう少し踏み込むべきではないかとか、そういう観点も結構ですし、この辺は欠けているのではないかということも含めて御意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。はい、どうぞ。
【柳生委員】  前回、UCIPのお話がありました。そして先ほど福井大学様のお話を聞いて、私はやはり大学間の連携に伴う知財強化という視点は、もっと厚くしてもよいのではないかとすごく思いました。特に研究開発段階から発明の強化に有効な手が打てると。状況によっては情報を共有化して、ポートフォリオも共有化してやるということが、前回もそうですし、今日もお話を伺って、特に規模の面で若干不足を感じられている大学もいらっしゃるように理解いたしましたので、これは大変重要ではないかなというのが1点目です。
 もう一つは、やっぱりリスク管理に入るのかも分かりませんけれども、特許を使うときのリスクとしての特許無効訴訟ですね。先ほど野間口委員からもお話がございましたし、私どもも訴訟を仕掛けたらその倍以上に、倍返しで効かないぐらいの無効訴訟を仕掛けられて、当然それに伴う費用、人件費負担も大変なものです。したがって、それも与件であるということは重要なことかなと思いました。以上です。
【三木主査】  ありがとうございます。先生、どうぞ。
【渡部主査代理】  個々の項目のこともあるんですけれども、全体的な印象としては、タイトルがます知的財産の活用方策ということで、大きな流れで見れば、10年間基盤整備をやってきて、今日プレゼンもございましたけれども、大学の中でもともとはなかったけれども、産学連携の機能、知財の取扱い、そういうことが、まだ産業界から見たら不十分かもしれないけれども、一生懸命取り組んできて機能がかなりできてきた。
 ところが実情は、先ほどもちょっと出ましたけれども、大学のトップから見れば、ろくにもうけないで何をやっているんだとか、それから今度は教員から見れば、俺の特許はもっと高く買ってくれるはずだとかって、間に挟まれて非常につらい思いをしながらやっているというところで、そういう人たちに対して、今度は棚卸しだとかリスク管理だとかといって、短期的成果に偏ったらいかんとか、長く持っていて、じゃあ処分するときは不用意なことをしてはいかんとか、すごいいろいろ書いてあるんですね。ちょっと何となくここまで読むと、何か気の毒だなと。いや、私も大学なんですけれども。
 それで最後にこうやって見ますと、少しJSTなどが助けてくれるよみたいなそういうのが書いてあって、そこがポイントなのかもしれないんですが。でも、結局は大学の知財のこととか、大学の中のことというのは大学でしかできないんですね。そういう意味で、やっぱりここまで育てた産学連携の機能の中核にあるところを、いかにして元気にして応援してあげるかというのがやっぱり中心でないといけないと。そういうことを考えたときに、何ができるかというのは、ちょっとここに書いてあるところを、もう一歩、二歩でも進めないといけないんじゃないかなと思います。
 ちょうど知財戦略の方の議論でも、中小、ベンチャー、大学の海外知財活動に関する、国の役割というのを検討しているタスクフォースが立っていますけれども、そういうところとの議論とも連携する。それから、産業界との関係ですよね。だから、それも大学知財と産業界との関係というのは、知財対知財になってしまうと対立軸になってしまいがちだけれども、もっと大きな目で見ると今みたいな形で、大学の産学連携機能をしっかりさせないといけないということですから、それをどうやって産業界と連携していくかという観点は、もうちょっと何か出せないかなというふうに思います。
 それからもう一つ、先ほど来いろいろ出てきた議論で、海外という、外国企業と。外国企業というのはなかなか難しくて、何が外国企業なのかというのは、国内の企業、外国の企業って、ここでおられる企業の方はみんな立派な企業なので、ほとんど日本の売上げより海外売上げの方が多いわけですね。では資本が日本であることが重要なのかというと、でも例えば日本に雇用を作るということの観点から見れば、それは資本はどこでもいいのかもしれないですよね。
 それから、ライセンスの観点で見ると、今度は日本特許をライセンスするのと、外国特許をライセンスするのでまた意味が違いますね。外国特許をライセンスするときに、それは外国で実施をすると。それを日本企業に対してライセンスするのか、外国に対して、そういう整理は本当は必要だと思います。
 共同研究だとまたちょっと意味合いも違います。この場合は、今度は営業秘密とかノウハウ的な問題とかも出てきますし、じゃあ日本発の技術をベンチャーとして外国資本を使う使わない、これはまた別ですね。ということは、ちょっと今回なかなかそこまで議論がいっていませんけれども、少し整理をしてあげないと、実は5ページのさっきNPEが何とかってもやもやした書き方をしていて、これは文章として大学の人に「これでやってください」といったときに、もう少し整理してあげた方がいいなという感じがいたしました。以上でございます。
【三木主査】  ありがとうございました。上野委員、どうぞ。
【上野委員】  今、渡部先生が最初の方におっしゃったことと多少関係しますが、いろいろ書かれてあって気の毒だというような感じの書き方になっているという話がありました。例えばその一例として私が感じたのが、これまで余り議論してこなかったせいでもあるかと思うんですけれども、棚卸しの目的が、恐らくこれを読むと経費削減という観点にのみ力点が置かれており、その一方で、万が一棚卸しをして放棄したところ、後になって広く使われる技術となった場合に何か失敗を犯したと批判されるようなことにならないようにしなければならない、ということでいろいろなことが書かれているので、様々な理由付け、若しくは注意事項のようなことを書かれている気がします。
 ところが、大学が知を世の中に広げるというような観点からすると、棚卸しというのは、ある意味、誰もが自由に使える状態にするという意味では、知を広げる1つの手段でもあるわけです。もともと特許は1人だけが使えるという状態にする、特許というのは技術を所定の範囲に囲い込む機能があるわけですから、1人だけが使えるという形にするのか、ライセンスをして複数の人が使えるのか、それこそ標準のような形で誰もがお金を払えば使える、若しくはそれこそパテントコモンズのように、一定の条件ならば無償で誰もが使える、というのとあわせて、世の中に知を広げる1つの手段としては、誰もが自由に使えるパブリックドメインに置くというのも1つの有用な選択肢ではあろうかと思います。
 ただ実際、どのオプションをとろうかといったときに、パブリックドメインに広げてから特許をとるというわけにはいかないですので、どうしても特許を取ってから、その後最も適した方策として、結果としてはパブリックドメインに置くという判断をするということもあろうかと思います。棚卸しというものが、もちろん慎重にはやらなければいけないことではありますけれども、もっと前向きな意味での棚卸しという視点もあるのかなと思います。そういう観点で、大学の役目、それから大学が果たすことができる社会への貢献というような観点からも棚卸しを前向きに書くこともひょっとしたらできるのかなと思った次第です。
【三木主査】  ありがとうございます。非常に今、渡部委員、それから上野委員から、この棚卸しも含めた、いわゆるアクションについてもっと広い観点でとらえ直して修文をしたらいかがかという御意見だと思います。
 では、ほかに。どうぞ。
【前田委員】  三木先生、渡部先生、上野先生がおっしゃったことに非常に近いですけれども、一昨日と昨日、文部科学省の横井室長にも御参加いただいたコーディネーターのネットワークの大きなシンポジウムを開催しました。グローバルイノベーションで未来をひらくというテーマで話をさせていただいたときに、大学のシーズ主導型のイノベーション創出だけでは行き詰まって、ニーズ主導型のイノベーション創出も必要だよね。協創で、両方で作り上げるものだよねという結論に持っていったんですけれども、この最初のタイトル、イノベーション創出に向けた大学等の知的財産の活用方策は、特許の棚卸しのことばかりに読めてしまい、大学の特許ってそんなものみたいに見えてとても嫌なんですね。
 やはり今まで十数年、シーズ主導型でいいものが創出されたけれども、それで行き詰まっているところもある。でも、協創でもっと仕上げていくという部分をもう少し前に書いてもらって、協働で生み出す、協創に資するための特許をいかに有効にまとめてもらうかのために棚卸しがあると持っていっていただけると、棚卸しする価値が高まります。これはまさしく棚卸しするための文章にしか見えなくて、やはりそこをきちんと前に書いてもらえたらいいなと思っています。
【三木主査】  ありがとうございます。長澤委員。
【長澤委員】  最初、渡部先生の意見を聞く前は、私は、もっと厳しく書かなきゃ駄目だと思っていました。それはともかくとして、全体の流れで、皆さんが御指摘されているように、3.のところというのは、「知的財産の活用及び棚卸し方策」と書かれていますが、それにもかかわらず、ここには棚卸し方策以外のことは何も書かれていないと思って、最初見ていました。
 強いて言えば、6番目のマルのところに、「新たな活用方策を見いだすための取組が望ましい」ということちょっと書かれているのですが、うちでも棚卸しをするときは、「要らないものは捨てましょう」という視点と、一方、「おいおい、これはあれに使えるじゃないか」という視点での検討も必ずペアでやりますので、放棄する件を特定する作業を行いますが、他の製品に使える場合は高い対価を払うための検討を開始するという決定をする可能性があります。高い対価を払うということは、必ず自社か他社で実施しているものですから、それを有効に活用するために棚卸しをやるという意味がありです。
 ですので、ここには、このようなポジティブな点も書かれたらいかがでしょうか。大学の資産を見直して、活用できるものは活用していきましょうというような表現がいいと思います。
 それから、4.の方は、もっと厳しいコメントをしようと一瞬思ったのですが、一番初めのマルのところに「可能な限り対策を講じておく」という記載があります。余り露骨な言葉を書きたくなくてこういう言葉になったのかと思うのですが、余りにも曖昧模糊(あいまいもこ)としています。それから、下から2つ目のマルにも「今後引き続き検討」という記載があります。どういうように取り扱うかを検討しましょうということなのかもしれませんが、分かりにくいと思いました。
 この中の幾つかは、もう少し短めにまとめることができると思います。我々も権利活用するときというのは、自分の企業にとって、この権利活用、若しくは譲渡が将来も含めて不利にならないかどうかということを考えるわけです。大学の場合は、この国に対して不利にならないかどうかを考えればいいことなので、そのようにすっきりまとめられるのではないかと思いました。
 ここまで言うと、全部、渡部先生がおっしゃったように、「駄目よ、駄目よ、駄目よ、棚卸しはこうするのよ」で終わってしまうので、「産学というか、日本が一枚岩で頑張りましょうよ」ということを示すために、産学連携の話もに加えて、「今後も大学の権利をどう使うかみんなで考えようよ」という趣旨の記載が入っていてほしいと思いました。現状と課題の最後のところに、「大学の知的財産の一層の活用に向けた検討を進める必要がある」ということを入れていただいているわけですが、これに対して、実はこの部会の中で、「じゃあ、どうやって活用しようか」という点について、ちょっとまだ話ができていないのかもしれません。最後の「おわりに」の前にそういう項目が入って、「じゃあ、せめてこういうことをやっていこうよ」というような書きぶりの方が、全体的に前向きなレポートになるのではないかと思いました。以上です。
【三木主査】  ありがとうございます。どうぞ。
【野間口委員】  前田先生はじめ厳しいことをおっしゃったけれども、2.のところを見ると、それなりにバランスのとれたまとめ、提案になっていると私は思います。もともとこの部会が始まったときに、大学法人等で国の資金を使って生み出された知的財産が、各大学の管理に任されて、悪い表現をすると、放置されているのではないかという問題意識だったと思います。その点でもう少し全体的な網をかけて、日本としてもう一段レベルの高いものに持っていけないのかということで考えてみようということが1つの視点だったと思います。そういった意味では、2.のところにそれなりに書いてあると私は思います。
 それから、3.以下のことで、渡部先生とか上野さんがおっしゃったのは、知財に関わるとても哲学的な問題だと思います。日本の大学は日本人の税金で運営されてはいますが、世界内存在であることには変わりはない。そんなにうるさいこと言わずに使ってもらっていいのではないかという考えだってあるわけです。そういう時代だよと、グローバル化の時代というのは。それはまたいわゆるグローバルコンペティションというのを前面に出して検討している場と、もう少し次元の違うところで大きな議論をしてほしいなと。余り国益、国益と言うのではなくて、このところでは渡部先生とか上野さんがおっしゃったような視点もあるのではないかと思います。
 最後に1点。最後の「例えば」のところです。6ページの最後の3行で、職務発明うんぬんかんぬんとありますけれども、例えば外国からドクターコースの学生として留学してきた人が研究室で生み出した知財をどうするのだというような問題はあるのですよね、実際。そういうのも含めて、大学等の知的財産について、過去に生まれたものだけではなくて、これから生まれる知財も含めて考えていこうというような方向付けで終わるべきではないかと思います。「注視することが必要である」では、ちょっと他人任せで、提言になってないのではないかと感じます。せっかくのこういうメンバーでとてもいい検討してきたので、次のステップではこういうことも検討すべきだというような形でまとめたらいいと思います。主査に任せますけれども。
【三木主査】  ありがとうございます。ただいま頂いた視点、グローバル化する大学、これは大きな方向ですし、もちろん産業界の方では、先ほど来委員の方々からお話がちょっと出ましたけれども、日本企業なのかどこなのかというのはもう分からないようなビジネスのグローバル化が起こっている中で、やはり前に向かって次に進めていくときの活用の1つの大きな柱としては、2.のところで、具体的な活用施策としても、JSTでの群としての知財活用と、それから、知財の現物出資というようなところまで踏み込んで、今回進めてきたと。3.のところでは、知財の活用及び棚卸しというのが、まあ、及びかどうかはちょっと非常にタイトルとしてもどうかなというところはあるんですけれども、いずれにしろ大学がまだ個別で保有している知財をどうするかという位置付けなんだろうと思います。
 その中で幾つか、UCIPのお話も先ほど柳生委員の方からお話がございましたが、今日の福井大学さんの例を考えましても、単独の大学でスタッフも少ない中で、今後の有様ということを少し考えていく必要があるということがポイントで、それが多分5ページの一番上のマルに書いている棚卸しの判断の仕組みを構築すると書いていますけれども、実はここは活用を考えていく仕組みが必要なんですね。それの具体案がもし書ければ、UCIPの例とか幾つかの例もございますし、むしろそういったものを前向きにとらえていって、いろいろな大学といっても、大規模大学から中堅規模の大学、更に中小の大学まであるわけですから、それぞれを配慮した形で、将来大学の現場が元気になるような形で3.のところはまとめる必要があるだろうというのが、今までの御意見かと思います。
 ほかにリスク管理のところもほんわか書いておりますが、今日の御意見も踏まえつつ、更に具体的により例示できるところがあれば、「例えば」というような形で書くような、意味が知財の方々はよく分かっているかもしれないけれども、その分野に余り精通していない方々が分からないとちょっと困るということも多分ございますので、極力具体的な例を入れるようにするということ。
 ただ、先ほど野間口先生が言われた、まだグローバル化を本当にしつつあるとは、大学もしつつあるとは言いながら、多くの大学の研究者がまだほとんど日本人という状況で、ポスドクと一部の研究者の方が外国人と。これはただ大きく変わっていくんだろうと思うんですね。その中では、やはり先ほどの職務発明の問題、この法の問題も、国際的な制度調和というふうに考えていいのかどうか分かりませんけれども、非常に妙な形になってしまう可能性もありますので、そこまで踏み込んだ議論を次回していただけるかもしれませんので、若干修文して、先ほどの御意見も踏まえながら、次回の審議にかけさせていただくということでよろしゅうございますでしょうか。
 残った時間がわずかなんですけれども、プラスこれだけはという御発言がございましたら是非お聞きしておいて、それも含めて修文に生かしていきたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
【中野委員】  全体的によくまとまっていると思いまして、委員の皆さんのコメントを入れれば、更に前向きでよくなると思うんですが、柳生さんが最初におっしゃった、大学間の連携による知財強化という視点を、私も入れた方がいいと思っていまして。集約にしても、JSTに集約してという話をしていますけれども、これ、大学が人材を、リソースをJSTに、例えば兼務のような形で、大学等の優秀なコーディネーターが集まってやるというのはどうだろうかと思います。
 それから、棚卸しにしても、ここの3.の一番下と下から2番目のところで、先ほど三木先生おっしゃったような判断、この活用を考えていく仕組みとか、ノウハウの共有化というところで、これができたら非常に我々も棚卸しで苦労しているので助かるんですけれども、この判断、仕組み、ノウハウ等共有化を具体的にどうやって進めていくのかという方向性、方策が、やっぱりもうちょっと見えたらうれしいと思います。
 そういうところでもうちょっと大学間連携とか、そこに産業界の御意見も頂いて、というのができたら、非常にいい仕組みができるんですけれども、それを具体的にどうやっていったらいいのかというのがまだ分かっていないので、これから話していきたいと思います。
【三木主査】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
【島田委員】  棚卸しなり評価を考えるときに、大学から見たときの短期的に活用しやすい、あるいは長期的にこれは取っておくべきだみたいな議論がある一方、やはり私が大切だと思うのは、産業界から見たときに、いわゆるニーズの視点がとても大切だと思うんです。その辺のことが5ページの上の方に少し書いてあるんですけれども、もう少し強調して書いていただいてもいいのかなという気がしております。以上です。
【三木主査】  ありがとうございます。この委員会でも、実は前回、前々回ぐらいだったかと思いますが、産業界の方から、大学はやはり非常に基本的な重要な特許は放棄せずに持ってほしいというような発言もいろいろございましたし、そういった大学の本来的に持っている性格、ここはしっかりと書いた上で棚卸しの議論をしないと、何か棚卸しありきの議論になってしまう可能性がありますので、その辺は非常に留意が必要だというふうに感じております。今の御意見も非常に重要な御意見だと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
【長澤委員】  ポジティブなコメントをもう一つぐらい出したいと思います。大学の知財の活用については、TLOとか、もう少し大きな単位でやるべきではないかという話が出ているのですが、私どもが、アメリカの大学とかヨーロッパの大学と共同出願しようとすると、先ほどのお話とは全く逆で、とんでもなく分厚い200ページぐらいの契約書が出てきます。その中にもいろいろな条件があって、「こういうときには俺の単独所有になる」、また、「キヤノンがこうしたときは、こんなひどいことになる」といった様々な条件を交渉するわけです。一方、日本の大学と交渉すると、1週間もすれば大体契約がまとまってしまいます。やはり、海外の大学はしたたかですし、それだけのスタッフもそろえています。また、周りの弁護士がやはりいろいろな入れ知恵をします。
 日本で、このようなしたたかな交渉がすぐできるわけではないですが、TLOやJSTという単位になってくれば、少し改善すると思います。JSTといった大きな組織であれば、「こういう人に相談してみましょう」、また「こういう弁護士に話をしたらどうでしょう」ということができると思います。先ほど、野間口委員から、「外国で活用するのもよいのではないか」といった御意見がありました。私もよいと思うのですけれども、それには、したたかな戦略があった上で、活用すべきだと思っていますので、安易な譲渡はやはりやめてほしいと思います。譲渡するにしても、譲渡先での活用等がきちんと見えているという状況に持っていってほしいと思います。譲渡するということは、知財戦略を放棄することなので、誰にでも使えるし、誰にでも渡すということになってしまいます。一方、ライセンスであれば、誰に、何を実施させるか、全部自分で決められるのです。このようなことは、アメリカの大学はよく分かっているような感じがします。「こういう使い方は駄目だよ」とか、「こういうときには実施報酬を寄こせ」とか、「この持分はうちだよね」といったように交渉できますので、是非、このように盛り上げていきたいと思います。
 最後に、2.の後ろの方に、集約方策のことが書かれていますが、いわゆる権利の集約と、それからもう一つは知の集約や知見の集約についての記載があるとよいと思いました。【三木主査】  ありがとうございます。では。
【上野委員】  リスク管理のところで、ここの書きぶりを拝見すると、いわゆるノウハウというか営業秘密に関してのこともかなり意識したような書きぶりのふうに読めます。それはそれで大きな問題であるということは重々承知しておりますが、これまでの議論を踏まえると、恐らくは営業秘密という観点のリスクは余り議論はしていなくて、むしろ、大学からJSTへ特許を譲渡するということを1つのきっかけとして、特許の譲渡にまつわる、例えばNPEだとか海外への譲渡ということのリスクが大きな柱ではあったかと思いますので、ちょっと書きぶりとして、そういう営業秘密も含むかのような書き方をするのがいいのか、もうちょっと特許に絞って、もうちょっと何をリスクとして認識しているのかというのを書いた方がいいのか、それはちょっと御検討いただくといいのかなと思いました。
【三木主査】  ありがとうございました。御指摘ありがとうございます。
 そろそろお時間ですので、最後お一方だけでもと思っておりますが、今日は御発言、皆さん頂きましたか。そうですか。ございませんでしょうか。
 それでは、本日ちょうどこれで時間になりましたので、本日頂きました御意見を、次回もう一度修文させていただいて、報告書へ極力というよりは最大限反映をさせていただきたいと思っております。次回の作業部会のときに、もう一度その修文したものを再度お示しさせていただき、さらなる訂正等がございましたら、また御意見を頂くことになろうかと思います。
 それでは、事務局の方から今後の予定についてお願いいたします。
【鷲崎大学技術移転推進室専門官】  御審議いただきましてまことにありがとうございました。次回作業部会ですが、3月5日を予定してございます。本日頂きました御意見等々、報告書の方に反映させて、また御相談させていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
【三木主査】  それでは、今日は本当に長い時間御審議いただきましてどうもありがとうございました。また次回、よろしくお願いいたします。

 ―― 了 ――

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