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産業連携・地域支援部会 大学等知財検討作業部会(第2回) 議事録

1.日時

平成25年10月3日(木曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省東館3F1特別会議室

3.議題

  1. 大学等の知財の活用方策について
  2. その他

4.議事録

【三木主査】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから、科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会大学等知財検討作業部会 第2回を開催いたします。
 まず、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【鷲崎大学技術移転推進室専門官】  はい。では、お手元の資料を御確認ください。資料1といたしまして、「大学等における知財活用の諸問題―知財活用における『市場の失敗』にどのように対応するか―」というもので、渡部俊也委員から頂いてございます。
 資料2といたしまして、「広島大学の知的財産の活用状況」ということで、中野委員から頂いているものでございます。
 資料3といたしまして、「JSTによる大学等発ベンチャー創出環境整備に向けた検討」ということで、事務局から御用意させていただいた資料でございます。
 資料4といたしまして、今後の作業部会の予定を配付させていただいております。
 また、参考資料1といたしまして、前回、作業部会第1回で配付させていただきました、「大学等の知的財産の活用方策について」というペーパーを配付させていただいております。
 また、机上配付資料といたしまして、第1回作業部会の議事概要というものを机の方に、委員の皆様のところに配付させていただいております。また、渡部委員からシンポジウムの御案内を頂いておりますので、併せて机上に配付させていただいております。
 以上でございます。
【三木主査】  はい。それでは、議題である大学等の知的財産の活用方策について審議を進めてまいりたいと思います。前回、JSTの知財活用支援事業の話を中心に、大学が保有する知財をどのように集約するかと、そういう視点で御議論を頂きました。本日は、それら、集約した知財をどのように活用していくかという点について議論できればいいかと思っております。本日は、議論を深めるために、渡部主査代理と中野委員にそれぞれプレゼンテーションをお願いしております。渡部主査代理からは、「大学等における知財活用の諸問題―知財活用における『市場の失敗』にどのように対応するか―」についてお話を頂きます。中野委員からは、広島大学における知財の取組について御紹介を頂きたいと思っております。
 それでは、早速ですけれども、渡部主査代理から御発表をお願いいたします。
【渡部主査代理】  時間を頂きまして、ありがとうございます。知財活用の諸問題ということですけれども、焦点が当たっているのが、集約化するということ、それをいかに活用するかということと、バイ・ドールの話であると理解してございまして、そういうところを中心にプレゼンをさせていただきます。
 もう前回説明もございましたけれども、私のところもいろいろな大学におけるプログラムの知財管理の相談というのがございまして、比較的最近、この50以上の、これは大学なんですけれども、関与する国プロの成果知財、これを最終的には経産省のプログラムに引き継ぐんだと。それで、50というと、50の大学の中には知財管理組織が余りちゃんとしていないところもあって、それぞれが別々にやって、最後に本当に有効な形で使えるような形になるのかというのが、非常に難しい問題です。さらに、さかのぼるといろいろな事例がございまして、これは文部科学省ではないんですけれども、プログラム著作権を多くの企業が持つような形に、結果的にはなったプログラムで、プロジェクトリーダーにとっては活用に障害が生じたというような事例など、いろいろなことがございます。
 それから、今現在はバイ・ドールで大学に委ねられているわけですけれども、大学によっては委ねられてもなかなかその運用ができないと、管理ができないという状況もあることも事実であります。こういうことをどうしていったらいいかという話になるわけですけれども、一方、それが実態の数字として知財の収入とか知財のパフォーマンスが悪くなければ、そこにやっぱり一定の望ましいメカニズムが働いているという解釈もできるんですけれども、国際的に見ますと、日本の大学における知財の収入というのは非常に限定的でありまして、アメリカが非常に多いというのはよく知られているわけですけれども、契約1件あたりにしますと、オーストラリアとかこういうところも最近伸びてきていまして、余りパフォーマンスがよく見えない。
 このとき日本と、特にアメリカと比べますと、大学知財の供給のディストリビューション、行方と書いてありますけれども、分配先が相当に違う。これはもう、既にこの文部科学省の会議でも御紹介しているんですけれども、ざくっといえば、アメリカはほとんど中小、ベンチャーに移転がされると。それで、日本の場合は共願が非常に多くて、中小も多少ありますけれども、特にベンチャーが非常に少ない。この左側の小さな丸、これは過去のトレンドを元にした推定値でありますけれども、非常に少ないという構造の違いがあります。共願が多いということは共同研究費が入りやすい構造をとっているわけです。大学にとっては、ベンチャーにライセンスするというのは、その時点で対価がもらえるわけではありませんので、共同研究に持っていった方が共同研究費がくるということで、財務的に苦しいところはどうしてもこういうことになるなど、いろいろなことが背景にあります。この辺の話は、いろいろなことが影響していますので、ちょうど国立大学が法人化して10年というところで、こういう社会との関係というのを、知財だけではなくて少し見直していった方がいいのではないかということで、お手元にお配りしているシンポジウム、「国立大学法人法施行から10年」というシンポジウムの御案内をさせていただいています。10月12日に東大で行うシンポジウムで、そういうことを議論させていただこうと思いまして、文科省の方にも、予定と書いてありますけれども、文科省の方に後援の名義を頂きましたので、是非そういうところで深い議論ができればと思いますけれども、この場では大きく構造が違うということをお示ししたいと思います。
 少なくとも、ベンチャーに対する供給が余りに少ない。だから、そういう意味では日本は大学発ベンチャー千社政策などをやってきたんだけれども、知財面で見るとベンチャーに対しては過小供給という状態になっています。ただ、ベンチャーに供給すればいいとか、共同研究が多ければいいとかというのは、その件数が意味があるわけではなくて、イノベーション創出という観点からすれば、ライセンスして、その成果がちゃんと実用化し、産業になったのかどうかとか、ベンチャーもつくったということではなくて、ちゃんとそれが成長しているのかどうかとか、あるいは、共同研究をやった成果が実用化しているのかどうかとか、最終的にはそのアウトカム、アウトプットの方で評価をされるべきものであります。
 こういう数値が必ずしも全部正確に評価できているわけではないんですけれども、課題が少なくはない。その中で、知財面で何ができて、パフォーマンスを向上させることができるかということの中の一つとして、今回、知財の活用方法、あるいはその集約方法ということが御提案されているというふうに理解をしております。
 バンドリングという言葉を使っています。集約化するということが一つのテーマとなっているわけですけれども、これについてどういう観点で見ればいいかという私見をちょっと次に述べさせていただきます。まず、何でこんな絵が出てくるかというと、これはバンドリングということをちょっと説明しようと思って絵を出したんですけれども、左上は定食でございまして、おかずと、御飯と、みそ汁と、別々に買うよりも大概安くなっているという構造でありまして、この定食にするとそれだけ売上げが伸びますし、在庫が読めますので、これはメリットがあるときがあると。でも、バンドリングがいつもメリットがあるわけでもなくて、アンバンドリングという、元々一緒だったものをばらすということも比較的よくやられていまして、右下は、今のうどんのチェーン店が大体このパターンなんです。これ、そもそも天ぷらうどんですよね。天ぷらうどんをアンバンドリングして、大体、うどんだけではみんな何か物足りないので、何か取っていっちゃうと。何か取っていくときに、ナスの揚げたものが100円とか、あれは絶対高いですよね。だから、ほとんどあれは利益だと思います。牛丼も同じでありまして、牛丼って半分ぐらいの人が卵を取っていきますけど、卵って50円であるわけが……、原価でいえば、恐らく7円とかそんなものですよね。牛丼チェーン店の店舗って大体1年間に1億ぐらい売るところもあるんですけれども、今、牛丼自身が一番安いので280円か何か。280円と50円の比率で1億円を割ってみたら、とんでもない利益がこの卵で入っている可能性がある。これがアンバンドリングですね。
 実際に、これはその市場の特性とか、在庫だとか、売上げを上げたいのか利益を上げたいのかで、バンドリングしたり、アンバンドリングしたり。特許の場合も、最近はこのバンドリングということが比較的されるようになった。ともかく1製品あたりに特許の件数が非常に多くなったということが一つ、背景にあります。過去、これは統計数値がなかなか難しいんですけれども、昭和43年の時点ですと、1製品当たりの特許というのは大体5件だったという特許庁の調査がございますが、今はもう、標準技術になっているものというのは数千件を超えています。分野によって違いますけれども、ライフサイエンスなんかの場合はまだ件数が抑えられているかもしれませんが、数千件みたいなところで1件、2件をやっても、それは結局、技術として未完成だということです。最近ですと、スマートフォンの特許取引というのが非常に盛んになっていまして、携帯から撤退するような会社が、スマートフォン関係で特許を売られました。売られるときに、やっぱりバンドリングして、いい特許とほかの特許とを全部合わせて、少しそっちは安くして売るみたいなことがされていましたけれども、特許でもそういうような取引が盛んに行われています。
 それを研究開発段階から行うということを考えるということでありまして、それは、元々技術の不確実性が高い段階から、だんだんリスクが低減されると。これを実際にある程度はかることができて、詳しくは述べませんけれども、医薬だとかITだとかによってこの傾きは違うわけですが、そういうものをやりながら特許のバンドリングをしていくということができれば、複数事業者が持ってしまった場合、それを受け取るときに取引コストが掛かりますので、結果として一つにまとまっている、結果としてはパテントプールみたいになっているところにアクセスする方が、それは利用者から見ればメリットがあるわけですね。ところが、先ほどのコンシューマーの商品とはちょっと違いまして、あの場合は、集めていくことによって、少しプロファイルは違うけれども、だんだん価値が上がっていくという構造になるのは間違いないんですが、特許の場合は結果として完成された技術の中で1件でも特許があると、差止め請求権がありますので、必ずしもバンドリングをすることによって取引価格が上昇するという単純な形にはならないですね。恐らく、最終的には大きな中に1件だけ入っているという状態で、差止め請求権があるというと、その1件当たりの価値、取引価格が高くなる可能性がある。逆に今度はやたらめちゃくちゃ集めてしまうと、そのポートフォリオの技術分野では無視できなくなってしまうので、言い値になってしまうと。何か、スマイルカーブみたいになっている可能性があると思っています。
 いずれにしましても、こういうことを研究開発段階からやっていく、大学特許に関してやっていくということは、ある程度意味があったとしても、投資を伴うわけでありまして、それを誰が行うのかということを考えないといけないわけです。一つは特許を利用する立場の企業が、技術的に不確実だけれども、投資リスクを引き受けるというような考え方は当然あるわけでありますし、大学側が自らの特許の価値を高める投資として行うという考え方もあります。これを国がやるということのメリットを、この中で考えるとすると、研究開発投資、研究開発の資金供給を一方で行っている、それによって技術の不確実性の削減をして、同時に連携して知財のバンドリングをしていくということのメリットはあろうかと思います。これが、国の投資として正当化できるかどうかというのも、これはなかなか難しい問題なんですけれども、そもそも、科学技術に対して国が投資をする正当性というのは、経済学の立場からいうとナレッジスピルオーバー、いわゆる研究開発した成果は、徐々にほかのところに移っていってしまうので、それだとフリーライドした方が得だから、研究開発へは過小投資になる。なので、国が直接やるんだとか、研究開発減税を行うんだとか、そういう論理で説明をされています。
 これも、そういう観点からいえば、知財がスピルオーバーしてしまうことによって様々なコストが生じてしまうことで、技術の実用化の過小投資を生むということであれば、国が知財バンドリングを行うということの説明ができるのではないかというふうに思われるところもあります。ちょっとここは、実はまだ自信がないところもありまして、もう少し議論が必要だなと思っています。ただ、あとで御説明しますけれども、知財のバンドリングについては、実はもう既にいろいろな国で行っているという事実があります。だから、バンドルする対象組織の特性ということでマネジメントが相当変わる。これはお手元の資料には入れていないのですけれども、組織間関係が単純、例えば大学の特許を集めるんだというときは、これは組織間関係が単純なので、比較的簡単です。ところが、ここに企業が入ってきて、川下、川上とか、競合企業とかが入ってくると組織間関係が非常に複雑になるので、約束事を相当上手にすり合わせていかないと集約化することも難しくなるということがあります。
 それから、もう一つ、結局、技術開発の過程で、どういうふうにその技術が実用化していくかというパターンがそれぞれ違います。リニアなものというのは大体バンドリングする必要も余りないかもしれません。元々、基礎研究成果が複数の大学技術がある場合は少しまとめた方がいいかもしれませんけれども。集積モデルは例えば、A、B、Cを分担して半導体の装置みたいなものをつくるという場合ですと比較的単純ですが、一番厄介なのがスポークモデルといって、一つの基礎研究成果から応用研究が出てきて、そこにいろいろな応用がある、それで、それぞれ開発課題があるみたいなものですと、真ん中の応用研究のところがある程度集約化されていないと、ライセンスが難しくなってしまう。真ん中のところは、それぞれのスポークの研究開発が同時に進むわけではなくて、あるところが先行しますと、改良技術で応用研究のところの特許が出てきてしまいます。それを本当に処理しようとすると、グラントバック条項だとかNAPだとか、そんなことをやってでも、ともかく散逸しないようにしようとするわけですけれども、そういうことをやらないと真ん中のところが活用可能性が失われる、バンドリングがほどけてしまうという現象も見られます。
 こういうのを大学でやったことがあるのかというと、実は以前、大学の技術についてもやってみようということで、これはもう、何年前かな、10年ぐらい前なんでしょうかね、2004年と書いてあるから六、七年前ですけれども、これは薄膜の製造技術について、ちょっと試しにやってみました。仕組みの基本設計を私がやったんですけれども、これについては、薄膜の、プラズマを当てて低温で結晶化するという技術について、プロセスについては共通なので、全部集めちゃいましょうと。それで、応用関係はもう企業に委ねましょうというようなことをやってみました。パテントプールは成立したんですけれども、技術開発が余りうまくいかなくて、とりあえず余り宣伝していないんですけれども、パテントプール自体は成立したという経験があります。
 それから、これはうまくいったと言われているものですけれども、何かというのはちょっと御紹介できないんですけれども、集中研方式で企業がたくさん入って、というものについて、最初の時点で知財の活用方針というものを決めました。これが非常に難しい。川上、川下、競合メーカーが入っていて、そんな条件だったらうちはやりませんとか、そうするともうバンドリングも何もないんですね。みんなお持ち帰りになってしまう。そこをうまく調整していくのに、例えば、ライセンサーとライセンシーで、大学と企業と、企業も上流、下流で違ったライセンスポリシーを決めて、これを全部契約書に落とし込むみたいなことをやって、初めてある程度集約化できるというようなこともありまして、そういう意味では簡単なことではないということを強調したいと思います。
 話は変わりますけれども、そういうようなバンドリングをしていく上で、国が持っていた方が簡単だというのは確かにそのとおりなんですけれども、それはやはり今までの背景というものがありますので、簡単に触れておきたいと思います。まず、バイ・ドール法というものが今、日本版という形で、日本で適用されています。これはアメリカで1980年のバイ議員とドール議員の、2人の議員立法で作った法律ですが、実は、この法律自体は、それにさかのぼる10年前に自発的に始まったスタンフォード大学の技術移転活動がイノベーション促進的だということで、彼らを後押しするために、国費原資のものについても大学や中小企業に委ねるという施策をとったというものであります。日本でも、国有財産であっても移転をすることはできなくはないのかもしれませんが、様々な規制がございます。そもそも、国有財産というのは特許みたいなものに余りなじみませんので、それは除外項目を設けて違う取扱いにしてきたというのはあるんですけれども、それでもなおかつ、やっぱりいろいろ面倒なことがありまして、機関帰属以前の大学の特許というものは、これは平成12年の段階で、「会計法上の国有特許の処分ルールが不明確であることや事務手続負担等から」ということで、なかなかうまく移転ができないんだというような議論から、バイ・ドールの適用、機関帰属の適用ということになってきたというふうに理解していいと思います。この構造自体は今でも別に変わっていなくて、大学の場合は、本当は大学の財産の処分とかは国に準じてやってくださいと言われるわけですが、今現在TLOが移転価格も自由に決めているのは、TLO法があって、TLOに関する出資規制緩和があって、TLOに出資できるということでその事業を引き継いでいるので、多分、そういう経緯で認められているという構造になっているんですけれども、本質的には国有特許はやっぱりいろいろな規制が掛かり得るものです。
 バイ・ドールについては、これは産業活力再生法で規定されて、今現在、恒久的処置になっているんですが、アメリカと日本で少し違うところがありまして、アメリカの場合は、いわゆる中小企業優先というんですかね、スモールビジネスに対するプレファレンスという考え方があります。ベンチャー、中小企業育成ということが元々発想としてありました。ただ、もう一つは、実は米国国内産業優先というか、雇用優先ですね。雇用を作るものをむしろ優先するというポリシーがあったということですけども、これらは強い規制ではありません。この部分は、実は日本のバイ・ドールにはありませんで、これは表に出ている議論の中では読み取れない、なぜ米国の2つの考え方が取り入れられなかったのかは読み取れないところがあります。
 それで、このバイ・ドール制度自体は、アメリカが1980年になって、90年代までどこの国でもやらなかったんですけれども、90年代の後半から日本を含めていろいろな国に普及をしております。今、実はバイ・ドール制度というふうに理解をしているかは別として、国原資の研究成果の取扱い、特許の取扱いに関しては、中国でもバイ・ドール類似制度があります。ここに書いてあるように、国家による財政的支援を受けて創出されたという、これは、実は国有企業だとか大学だとか、これに相当するような研究開発が多いわけで、日本企業も一緒にやったりするときに、これは民間にちゃんと委ねられるということが非常に重要な項目であると思います。ところが、中国でバイ・ドール類似制度を解釈すると、委ねられているはずの企業や組織と同等の権限を政府が持っていて、常に介入できるというふうに解釈することもできるという解釈もあります。それでは非常に不透明なので、むしろちゃんとクリアしてもらわないといけないということを、日本としては言わないといけない立場です。日中の政府間が余りよくないものですから、こういう国際会議みたいなところで、私がここに書いてある項目は、ライセンス規制や何かをきれいにしていただかないと投資が促進できないみたいなことを主張するわけですけれども、このバイ・ドールについても、インドも余りちゃんとやってくれていないんですけれども、ちゃんとやってくださいという立場が今の日本の立場ではないかと思います。アメリカはバイ・ドールがあったとしても元々政府が持っている権利だという解釈もしていない、最近はこの関係の判決が一つ出ていますけれども、2011年については、元々これは発明者が既に持っている権利を譲渡しなくていいと、retainという言葉を使っているということで、むしろ発明者のイニシアティブというか、最初に発生する権利を重視するような解釈をしていると思います。
 今は、産学連携も、国内だけで考えるべきではありませんで、国際的にいろいろな形で日本の企業、日本の大学が向こうの大学とか企業と様々な形でやるときに、どういう制度がやりやすいのかという観点で考えた方がいいだろうと考えています。
 他方で、知財取引に関しては、政府がかなりいろいろな形で関与し始めているという事実もあります。知財取引自体の活性化というものが背景にあるわけですけれども、その中で民間の非常に大きなファンドなんかが、その国の大学の知財を集めてしまうと、それがその国で考えているナショナルイノベーションシステムの中でうまく活用できない可能性があるというようなことを懸念して、知財取引の中で政府が直接、あるいは間接に影響力を及ぼすようなファンドというものが次々できています。韓国は、このインテレクチャルディスカバリーという組織が2010年にできて、これは、元々は民間の経営でファンドは政府がお金を出すという形だったのですが、最近は政府が会社にも直接出資に加わりまして、全額ではないんですけれども、一部出資を入れて、政府系の機関からも役員が入るような形で、大学の知財等を集約しています。これは韓国の中小企業の支援を目的としていまして、中小企業が海外で活動するときにこのファンドを活用してくださいというような形のものです。それから、フランスも2010年ぐらいに知財ファンドができていまして、これは1億ユーロぐらいのものですけれども、同じように国内中小企業に対してグローバルな活動をする上でこのファンドを活用してくださいというようなサービスです。こういうファンドについて、政府系のセクターが次々出てきています。これらがこれからどういう影響を及ぼしてくるのかというのは、実は研究課題でありまして、注目してやっています。去年だったか、OECDがレポートを出していますけれども、実は、最近注目すべきは、この政府系のファンドの、フランスのブレベットというのが、特許訴訟をこの7月に起こしておりまして、これは、恐らく被告は外国企業だと思いますけれども、ドイツで訴訟を起こすというようなことが始まっています。
日本は、産業革新機構のファンドとして、もう一つはバイオのファンドがあったんですが、これはバイオに特化しているわけですけれども、今回、この夏に発表されたのはIP Bridgeというもので、やはり、韓国、フランスと同じような目的に見えるファンドがちょうど動き始めているというようなことです。
 それで、何で政府が知財ファンドに関与するのかという話でありますけれども、これは先ほど言いましたように、国のナショナルイノベーションシステムの中で、需要側のところで大きな資本を持つファンドに握られてしまうと、その国のイノベーション政策が完結しない可能性があると。それで、そこに一定の政府の意図を持って、かつ国有にするという対処ではなくて、ある意味では需要側を刺激するような形で政府系のファンドが出てきているという状況がございます。
 そういうようなことを総じて見たときに、最初のバンドリングの話ですけれども、累積性の高い分野の大学特許については、これはバンドリングの制度というものは興味深いと書きましたけれども、意義ある制度となりえるものとして、期待すべきものだと思います。大学特許について行われる場合に、大学がやったり民間がやったりということは当然ですし、大学の場合は例えば東京理科大さんなんかが集約するということを言っておられますけれども、それに加えて国の関与ということが現実に活発化しているし、そういうことが国内外で行われていくということが現実におきていくんだろうと思います。
 そのときに、ただ、国が関与する場合ということで効率的な運用を図るということのためには、民間の事業、それから、先ほど言いましたような国の官民ファンドみたいなものとどこがどういうふうに違って、何を狙っているのかというのは、やっぱりはっきりさせる必要があると思います。中小、ベンチャーみたいなものに焦点を当てているのか、あるいは、どういうケースのときにやるのかというようなことが、はっきりしていることが必要であると思います。
 それから、バイ・ドールについては、国際的に考えたときに、適用を制限するということは余り適切ではないと思います。原則は、やはり日本版バイ・ドールは国際的に見ても原則はこれを適用するのが適切で、ただ、逆に言うと、海外でもこういうことが例外になってもいいというようなはっきりした例外であれば、設けてもいいのかなというふうに思いますけれども、原則は厳守するというのが適切だろうと思っています。
 話は大体以上なんですけれども、こうやってずっと考えていますと、やっぱり大学というのは企業と異なる面が非常に多くて、制度との関係で悩むことが多いです。今、特許法上は、大学というのは企業と別に何も差がないわけですけれども、こういうことの対策をこれからどういうふうに考えていくかというと、特例みたいなものを考えないと、なかなかイノベーションシステムとしてうまく完結しないなというふうに思いだしています。これはまだ、かなりロングタームのディスカッションです。
 以上でございます。
【三木主査】  はい。渡部先生、どうもありがとうございました。
 ここで、10分程度質疑応答の時間を設けておりますので、御質問、御意見がございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
【上野委員】  先生の御指摘の中で、特許を集積することがある種パテントプール的という御指摘がありましたが、実際に念頭に置かれているのがどういったものなのか、もう少し具体的にお聞かせいただければと思っております。通常ですとパテントプールは、多くの場合には、標準技術のようなものが関与していて、割と出口がはっきりと決まっていて、その特許を使わざるを得ないような状況がもう明らかに見えている状況の中で、取引コストを下げるというものであるのかなと思われますが、それに対して、少なくとも前回の議論でお聞きした中では、今回は上流の段階で集めるというものですので、そういった場合に同じような議論が果たして当てはまるのか、余り上流の段階で特許が集積していると、企業は逆にそこには参入しにくいようなものになってしまうおそれもあるのかなという気もちょっとしまして、それが一つ疑問に思っている点です。
 それから、もう1点指摘させていただきたい点があります。これはあくまでも企業の立場からの指摘です。先生の話の中でバイ・ドールの日米の違いがありました。それで、これは私どもが実際に自社でいろいろバイ・ドールの手続をやっていて、本当に大きく違うなと思うのは、アメリカの場合ですと、かなりバイ・ドール運用のための管理コストが少ない。例えば、米国では契約一つにしても、省庁間で共通の契約書が使われているのですが、日本の場合ですと、省庁ごと、若しくはプロジェクトごとに違いますし、知財に関する報告内容も同様です。ときには同じプロジェクトでも報告のための書式が年度によって違うということも含めて非常に管理が大変です。しかも日本では、長い年月にわたって報告が求められ、特に特許の場合ですと出願から20年ですので、特許を実施等していれば報告となると、じゃあ、二十数年トラックしなければいけないとか、そういう、ちょっと実務的な観点で苦労をすることがあります。今回の議論の目的とはちょっと違うのかもしれませんが、この機会にちょっと指摘させていただきたいと思いました。
【三木主査】  ありがとうございます。1点目については渡部先生からお答えがあろうかと思います。
【渡部主査代理】  はい。1点目は、標準技術のパテントプールというもの、完成形の中で標準が決まって、それを集めるということと、それから、研究開発段階ですから、当然、事情は違います。事情が違うので、ダイナミクスがあるので、先ほど、どういう発展過程の違いが影響するとかそういう話をしたんですけれども、例えば、このバンドリング、このときに考えましたのが、これはプラズマを当てて結晶化するという技術なんですけれども、これをすぐに複数他社に結構興味を持っていただいたので、出したとするとどうなるかというと、それぞれが改良技術を持って、恐らく、それはまだ基盤的な部分で共通して使われるようなものだとお互いに蹴り合ってしまう可能性が非常に高いですよね。それは現実に過去の例で、複数の企業が同一の技術領域のところをやって、改良技術をやりますと、特許がお互いに蹴り合ってしまうようなものが出てくると。それをお互いに後で融通するという約束を取り付けるのは、後になってからだと面倒くさいことがあって、これについてはユーザーさんとも相談して、基盤的なところは集約してしまいましょうと。製造技術に関しては集約してしまって、アプリケーションは皆さん別々に持っていただいて競争しましょうということで話がついたものですから、結果的には基盤技術的なところは専用実施権を設定したTLOが保有するプールみたいな形になったんです。
 それから、あとは、こちらのケースはそもそもある材料技術に関するアプリケーションの共通項目について、そもそも集中してやって、情報共有をしてほしいわけですね。国プロの立場としては情報共有をしていいものを作ってほしいんだけれども、その情報共有をする条件として、フォアグラウンド特許の活用、ライセンスの制約についてやっぱり非常に気にされるわけです。特に、原料メーカーとアプリケーションメーカーとかが入っていると、原料メーカーはやっぱり自分のところのベネフィットが欲しいわけですね。そういうものを整理してやらないとそもそも情報共有もできなくて、情報共有ができないと、みんな関連技術をばらばらに持って競合するという形になって、国プロとしては非常にまずいということを解消するための仕組みとして、結果的にはバンドルするようなものを提案すると。それが最終形としてうまくいくと、パテントプールみたいなものになると、そういう意味です。
 それから、ちょっと後半の話なんですけれども、アメリカのバイ・ドールってやっぱりちょっと違うと思います。さっき最高裁の判決の話をしましたけれども、発明した側の元々の権利者が、元々retainしているんだという考え方なので、何か、そういう考え方がそもそも違うのかなという気はしています。これはコメントでございます。
【三木主査】  ありがとうございました。渡部先生の御説明だと、バンドルして、パテントプールというよりはむしろプラットフォーム的なニュアンスだという御説明だったかと思うんですけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。
【渡部主査代理】  プールとプラットフォームって、そんなに厳密に区別しているわけではないので、個々が持っていても運用ができればプラットフォームという形でも構わないです。ただ、さっきのプラズマコンソーシアムの場合は、専用実施権を設定して完全に1か所に集めました。ということでパテントプールということになります。
【三木主査】  なるほど、分かりました。
 ほかには、いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。
【島田委員】  バンドルということを考えるときに、いわゆる大学の場合というのはやっぱりちょっと違うと思いまして、やっぱり、川上側だと思うんですよね。そうすると、既存事業のものを持ってきて寄せるという概念と、今後生まれてくる一種の研究会的な要素も入ってくると思うんですよね。だから、今後生まれてくるものに対しても予約して、一つのグループとして育てて、将来、約束して使い合いましょうみたいなお互いのコンセンサスみたいなものがあってうまくいくようなところがあるのではないかと思っていまして、単純に金で買って集めるみたいな概念とは、随分違うのではないかと思うんですけれども。
【三木主査】  はい、ありがとうございます。
 ほかには、いかがでしょうか。
 先ほど、上野委員からの御指摘の中で、バンドルをすることによって企業にとってみては参入障壁になる可能性もあるのではないかというお話もちょっとありましたけれども、渡部先生のお答えは、むしろプラットフォーム型で、そこを基盤にして多様なものが派生すると。そういう意味では、スポークモデル、先生の……。スポークモデルを考えているということでしょうか。
【渡部主査代理】  ええ、そうですね。ちょっと補足しますと、基本的に、こういうときに変な約束事をしようとすると参入障壁になりますよね。それで、こんなのだったら入らないということになるので、それは、だからやっぱり、かなり利害調整をした上で何らかの集約のルールを決めないといけないという意味では、下手をすれば参入障壁にもなり得るというのは事実だと思います。
【上野委員】  参入障壁という観点もありますが、むしろ、どういう形のポリシーによるかにもよってきますけれども、代替技術を早いタイミングから探そうというインセンティブになってしまわないかなという点もあります。
【三木主査】  なるほど。ありがとうございました。
 それでは、時間も経過しておりますので、続きまして、中野委員からプレゼンテーションをお願いしたいと思います。
【中野委員】  三木先生、ありがとうございます。広島大学の中野です。私は知財の専門家ではありませんので、国際産学官連携コーディネーターの立場から、広島大学について簡単に御紹介させていただきます。
 まず、簡単に本学の産学官連携の体制と方向性について、続いて知的財産の活用状況、現状と課題について、それから、自立化促進プログラムで国際産学官連携活動を行ってまいりましたので、知的財産に関連する成果や課題、海外技術移転事例等についてお話ししたいと思います。
 まず、大学の規模ですけれども、学生数が1万5,200人、うち留学生1,000名程度で、教員が1,700名強、11学部11研究科からなるような大学です。本学は8月に文部科学省の研究大学強化促進事業で、研究大学に選定されました。URA等の人材をはじめとする体制や環境の整備、研究拠点の形成、それから、研究者個人の評価システムの整備、国際化を図って、10年後に世界Top100の研究大学を目指しております。これを進める上で、産学官連携活動は非常に重要と位置付けております。
 本学の産学連携の体制ですが、学長の下、社会産学連携担当理事がおりまして、その下に産学・地域連携センターがあります。国内外の、いわゆる産学官連携コーディネートを行う国際・産学連携部門、それから、知的財産業務を行う知的財産部門、地域自治体等との連携を行う地域連携部門、ベンチャー育成、MOT教育を行う新産業創出・教育部門、また、産学連携でもライフサイエンス系を扱います、医歯薬キャンパスにあります広島分室、それから、医工連携部門もそちらのキャンパスにあります。
 人事交流によりまして、産学官の連携として、副理事が中国経産局から来ております。センターには、地域の産金官、マツダ・広島銀行・東広島市から出向でコーディネーターが来ております。逆に広島県にセンターから人材も派遣しております。
 産学官連携の歩みですが、文部科学省から知的財産本部整備事業、続いて、国際の自立化促進プログラムの支援を頂きまして、組織、体制、インフラを整備してまいりました。整備事業と同時期に承認TLOができまして、事業終了後に大学知財部門と融合して、HTC、ひろしま技術移転センターというものができました。このHTCが平成23年に廃止となって、大学に人材共々取り込むことになり、大学の知的財産部門としてスタートして現在に至っております。
 最近の取組としまして、県との連携強化を図って、地域イノベーション戦略推進会議というものを平成24年に発足しまして、本学の学長、企業、金融機関等で、オール広島でイノベーション立県に取り組んで、より地域に根差した産学官連携を推進しようとするものです。
 また、産学官連携推進研究協力会というものを平成22年に設立しまして、現在、会員企業120社余りで様々な支援事業を行っております。
 さらに、包括協定が現在51協定あります。これは通常、形式的なイメージが強いものですけれども、これを新たな連携の形として、まず地元最大手のマツダとトップマネジメント同士の委員会を行って、さらに、事業部長レベルの研究会を通じて、従来型でなくて、組織的、学際的な共同研究にシフトして、現在50件の共同研究を進めております。将来的には、基礎技術のコンソーシアム型連携を目指しており、インターンシップ等についても強化を図っているというものです。
 特許等の現状と推移ですが、出願ですけれども、大体国内で120件程度、外国で40件程度、単願の比率が昨年度46%で、これは国内大学の平均より少し多いものです。保有が現在395件、国際が125件です。
 実施につきましては、昨年度350件で、技術移転収入が3,700万、うち特許収入が2,800万となっております。文科省の全国ランキングで見ますと、平成23年度で出願、実施件数とも10位前後ということになっております。
 これは単願と共願の出願件数の内訳なんですけれども、大学特許はライフサイエンス系、ナノテク・材料系が多いということで、重点基盤技術に特化しているということだと思います。共願がナノ・材料が多くて、ライフサイエンスが少なくなっております。これは共同研究の影響を受けると思うんですけれども、共同研究を見てみますと、内訳はライフが32%、ナノが8.8%ということで、ライフ系は少ない特許でカバーしており、ナノテク・材料系は周辺特許も多くなっているのではないかということです。
 知的財産マネジメントですが、広島大学は特許の質の向上を目指して、発明発掘段階、審査段階での厳選した出願を行っております。特に大学単独出願は、重点研究プロジェクト関連を中心に基本特許の出願に注力しております。
 また、企業との共同出願は、財務的な制約から基本的に企業負担なんですが、企業の意向に従って、タイムリーな出願を心掛けております。
 支援ツールとして、特許のデータベース、学外のデータベースを活用しておりまして、J-Store、それからINPITの開放特許情報データベース、これは各280件ほど活用しております。
 JSTの各種支援制度も活用しておりまして、3件の研究テーマがJSTから特許群の指定を頂きました。2010年には特許の活用推進及び研究活動の活性化を図る科学技術コモンズに採択されまして、それから、知財活用促進ハイウエイにも2011年度、2012年度で採択を頂きました。国際出願についてもJSTの支援制度を使わせていただいております。
 特許のパッケージ化に向けての取組として、先ほど述べた支援制度について、これが採択された研究になっております。
 財務状況ですけれども、法人化以降の特許出願の急激な伸びに対応して、権利化のための中間処理や国際的な産学官連携に伴う海外出願が大幅に増大して、経費が急激に増えております。経費は昨年度で約7,000万円でした。現在の費用の内訳としましては、経費全体に占める国際関連、海外関連の内訳は7対3で、同じく経費全体に対して、出願に関わる経費が7割、中間以降が3割となっております。海外出願において今後、中間以降が増えそうであるということです。
 今後は、既存の出願案件の棚卸しと活用の促進、それから、出願の質の向上を図っていくということで、また、共願特許の持分見直しも行っております。
 2011年4月より、知財活動基盤を充実発展させるために、国内出願審査請求、外国出願における考え方、基準を抜本的に見直しまして、これらを発明審査会に反映して実施しております。知財活動と財務収支と連動した運営を心掛けております。
 活用方針の明確化を計って、その方向性を産学官連携コーディネーターと共有して、コーディネーターの活動活用に反映させております。
 また、学内リソースで不十分なところを補うために、JSTの様々な支援事業に加えまして、ほかの外部リソースも活用を検討しております。NIMというのは野村イノベーションマーケットです。IPSNのLSIP、それから地元の金融機関も検討しておりますし、Innogetとここに書きましたけれども、海外のマーケターをいろいろと検討しているところです。
 知財に関する人材育成、教育として、国際の事業の一つとして、積極的に推進をしてきました。国際顧問弁護士を採用しておりまして、その永島弁護士による国際契約実践研修会、コーディネーター・事務職員向けの知財基礎研修、それから、教員のための知財セミナー、これは出前講座といって、出向いてやっております。それから、技術移転手法の研修会、それから、パテントデーというものは、教職員の知財意識を向上させるために、貢献度の高い研修者を表彰したりということもやっておりまして、それから、高度専門職人材の研修のために、これは海外、国内の弁護士事務所、弁理士事務所に5年間派遣をしました。それから、英文契約ひな形を整備したということで、こういった様々な人材育成事業を通して、我々が考える成果の指標の1つとしては、国際的な契約において、企業側ではなくて本学のひな形を使って、若干の修正のみでコーディネーターがほぼ自力で行うことができたというのが70%近く、残りが顧問弁護士の先生に相談して締結までいったということで、契約交渉において有利に働いたのではないかと考えております。
 また、この人材育成は、一大学のためだけではなくて、採択されていない地域の他大学にもひな形を提供したりしており、研修会には全国から参加がありまして、国際産学官連携の強化に寄与していると考えております。
 国際的な産学官連携活動は、自立化支援プログラムに採択いただいて進めてきました。目標が、海外企業からの共同研究・受託研究の受入れと技術移転収入を増加させ、事業終了後も自立的に活動を継続する体制を構築するということで、様々な活動を行ってきたんですけれども、ポイントのみ御紹介しますと、研究成果の発信ということで、様々な情報発信ツールを通じてやってきましたが、国際共同研究のマッチングをよりよく行うために、広島大学研究成果集というものを作って、これは1件1葉なんですが、活用を意識して、実用化に向けてというコメント欄を含めました。これはライフサイエンス系、理工学系、それから社会科学・人文科学系の分冊もありまして、人間行動を総合的にカバーしているということで、そこはユニークなんじゃないかと言われておりまして、日本語、英語で作っております。
 それから、中国地域の5大学連携で英文シーズ集を作ったということ、それから、商品集は日本語、英語、中国語で作っております。
 それから、広島大学のQuarterly Technology Newsletterで企業等に研究成果をPRするとともに、コーディネーターのマーケティングのツールとして使っております。
 海外出願の基本的考え方ということで、海外出願段階、先ほど述べました発明審査会でリスク管理を行っているんですけれども、出願のパターンを幾つかに分けまして、まず1つ目が、大学単独の研究から国内単独出願、続いて、単独で外国出願をするというもので、これは中長期の活用を見越しております。これが途中で国内企業と共同研究が始まって、外国出願まで行くんですが、ここで2つのパターンに分かれて、国内企業の海外事業展開、それから海外企業にライセンスするもの、また、途中で海外企業と共同研究をする、海外市場に展開といういろいろなものがありまして、次に事例があるんですが、事例1としまして、大学単独の研究で、日本で単願を行って、既に日本において非独占で実施している技術で、これはPCT出願をして、長期的に海外での活用を考えています。豚凍結精子の保存・人工授精法ということで、次世代の養豚技術ということです。日本の商社の現地法人にライセンスをして、サブライセンス先を探しております。また、この研究者が後にベンチャーを立ち上げまして、活発な活動をしておりまして、これは「日本を救う次世代ベンチャー100」に選ばれております。
 それから、事例の2つ目が、遺伝子組み換えによるたんぱく生成法で、同様に日本で単願して、国内で既に実施しているもので、PCT出願をして、これも長期的な活用を図っています。アメリカのエージェントを使って、企業にマーケティングをして、グローバルな医薬品メーカーとマッチングをしまして、現在、Evaluation Agreementの下で有体物を提供して、技術評価を先方が行っているところです。
 3つ目が、柿渋ベースのウイルス用製剤の事例なんですが、日本企業と共同研究の結果生まれた製品を共願して、連携して海外に市場開拓をした例で、この企業自体は海外に進出する気がなくて、欧米で特許を売りたいということで、海外の関連メーカーに売り込みを掛けました。これは何社かとかなり頑張ったんですけれども、条件が合わず、1社とOption契約を結んだというものです。
 海外企業に日本学の研究シーズを紹介するために、ニューヨークで新技術説明会を開催したり、ドイツの見本市に出展したりということで、地域5大学とやっております。
 まとめとしまして、研究力強化事業を推進していく上で、研究大学として産学連携活動強化を明確に位置付けて取り組んでいくことが重要と考えております。
 大学はどのような知財を保有すべきかという問題がありますけれども、まず、研究力強化の拠点の重点テーマに連動したものを重点特許として位置付けるべきと考えております。それ以外の特許については、活用の見込みがあるかという視点でもよいのではないか。
 知財のパッケージ化で活用促進を推進する上で、1大学では難しいので、複数大学でパッケージ化ができれば効果的であると考えます。全国大学の知財情報収集の仕組みや、その際の目利き人材をどう確保、育成するかという問題があります。
 企業連携のマッチングやライセンシングをコーディネーターで行っているんですが、大学財政が厳しい中、コーディネーターの数も減ってきておりまして、少数のコーディネーターでは限界があります。外部専門機関や人材との連携によって、技術移転先開拓のチャンネルを拡大してチャンスを最大化するということが必要になってきます。この場合、学内の研究者との連携はURAとコーディネーターが担当します。URAセンターが今後できるんですけれども、ここで研究のアドミニストレーションを行いますけれども、これまで産学地域連携センターでコーディネーターが行ってきた外部資金の対応や研究成果の発信といったことも、URAと手分けしてできるようになるのではないか、コーディネーターはより企業サイドで活動ができるのではないかと思っております。
 中で述べましたけれども、発明審査会で大学の知財に関するポリシーに照らし合わせて、発明承継、特許出願、実施について決めております。この中で、JSTの専門委員の方2名に入っていただいて、支援いただいている点が非常に大きく、このような支援制度を使っていきたいということです。
 知財人材育成には積極的に取り組んで、かなりの成果を上げてきたと考えております。これまでのような研修、育成プログラムを継続的、全学的に実施して、今後はこれで育成した高度専門職を中心として、彼らが核となって次世代を育てていくという組織に進化していく必要がある。これまでの経験から得たメソッドを共有して、制度化やルール化も含めて引き継いでいけるような組織、今は完全にはそうなっていないんですけれども、そういった組織になっていく必要があると考えております。以上です。
【三木主査】  どうも中野先生、ありがとうございました。
 それでは、中野先生のただいまのプレゼンテーションにつきましても、御質問、御意見等がございましたら、少し時間をとっておりますので、よろしくお願いいたします。
【前田委員】  中野先生、ありがとうございました。私が所属していた東京医科歯科大も国際産学連携の競争的資金を頂き、同じような活動をさせていただいていました。様々な大学でこういう制度がきちんと整い、グローバル人材を育てようといろいろやってきたのはいいことだなと思います。本年の5月から産業界に帰りまして、日々感じることがあります。私の今いる会社では、知財デザインレビュー、いろんな事業部のところから寄り集まって、例えばゴムを開発している人、スチールコードを開発いる人、様々な人が集まって、技術マップを見て、どういうふうに今後展開していこうかというのを議論しています。出てきた特許を出願するだけの知財部ではなくて、戦略をどういうふうに、この虫食い状態になっているところをどう攻めるかというデザインレビューをやっています。
 大学の特許というのは、やはり出てきたものを受けている状態では、製品のところにまで持っていけないと思います。前回のときに島田さんがおっしゃっていたような、JSTが束ねるとか、先ほど渡部先生がおっしゃったものも良いと思うのですけれど、何といっても知恵を絞るところに一番お金と手間を掛けていただいて、どういうふうな戦略で、どこを攻めようかとか、まず、絵を描くところ、すなわち企画できる人材に一番力を入れてもらいたいと思います。そのために、各大学が広島大さんみたいに整備できつつありますので、これらをうまく使えるのではないかなと思います。
 一生懸命、発信側はできますよというのは、いろんな学校からお話を聞くのですけど、出てきた技術の特許化を一生懸命やっても、虫食いは虫食いなんですよね。だから、それをどういうふうにデザインレビューするのかを考えるチーム作りのところに一番お金を掛けないと、製品のところに持っていけないなと実感します。最近、産業界側に戻りより強く感じています。是非、コンセプトやテーマ選定に一番力を入れられるような予算措置をしていただけるとうれしいなと思います。
【三木主査】  ありがとうございます。特段、今、回答を求められたという形ではないかと思うので、御意見としてこれはテークノートしておきたいと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。
【島田委員】  よろしいですか。今の前田先生のおっしゃるのはすごく大切で、やっぱり企業はお互いの製品イメージがあって、意識共有しているから、そこへ向かってどういう特許を考えたらいいのか、そういう意味での強力なバンドリングができると思うんです。
 そういう意味では、大学の特許は幾らバンドリングしても、結局はただ束ねただけじゃないかみたいな議論があるかもしれないけれども、決してそうじゃないと思っています。それは例えばJSTがやっている事業で、産学共創みたいなプログラムがありまして、企業サイドとして例えば高強度の新しい鉄が欲しいという例があります。それは産業界の鉄鋼協会みたいなところの共通認識としてあるわけですね。だから、それをやりましょうといって、皆さんが参加しています。広い意味で企業サイドも大学も参加しています。目的意識を持ったプロジェクトがあって、意識が共有できていますので、そういうところから出てくる特許は、いわゆるバンドリングというか、束ねたらやっぱりそれなりに使い勝手のいいものになるんじゃないかというのがありますので、そういう観点も必要かと思っています。
【三木主査】  ありがとうございます。JSTは一部、課題解決型で企業のニーズ、それに応じた形の基礎研究から応用研究の段階、そういったものを進めている。そういうものをバンドリングすることは、ある意味で出口に向かっては有効になるのではないかという御意見だったと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
【上野委員】  じゃあ、質問を。
【三木主査】  どうぞ。
【上野委員】  質問があるのですけれども、今、御説明いただいた話の場合ですと、共同研究が、それはほぼニアリーイコール共同出願というように説明としては聞こえました。実態としてそうなっているんでしょうか。
【三木主査】  中野先生、お願いします。
【中野委員】  共同出願の場合は、やはり共同研究から出願になっているということが多いと思いますので、そういうことだと思います。
【上野委員】  分かりました。共同研究であったとしても、単独の出願、発明というのは生まれるものだと思っています。実際に企業だとそうですし、また、米国における先ほどの渡部先生のデータもありましたけれどもそのようになっています。そうするとそのあたりは、恐らくは、契約でそういう手当てがされているが故に共同で出願されているのが実態だということですね。
【三木主査】  そういう理解でよろしいでしょうか。
【中野委員】  はい。
【三木主査】  契約の段階で、共同研究計画の中で成果については共有という形になっているわけですね。
【中野委員】  はい、そういうことです。
【上野委員】  ありがとうございます。
【三木主査】  そういうことだそうです。
 それでは、時間も限られておりますので、次に進めていきたいと思っております。
 前回の作業部会では、島田委員の方からプレゼンで少し言及いただきましたが、JSTに集約した知財の活用方針については、1つはベンチャー企業等に知財を現物出資するというようなお話があったかと思うんですが、そういったことも選択肢の1つになり得るかと思います。これについて事務局の方から、現在検討しています知財の現物出資に関連した資料、お手元では資料3について御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  産業連携・地域支援課の中澤です。資料3に基づいて御説明させていただきたいと思います。お手元の資料をめくっていただくと、A4の資料が上下になりますので、これを見ながら御説明させていただければと思うんですが、今、主査の方からもお話がありました大学発ベンチャーというところを少し特化して、知財の部分について検討させていただければということでございます。
 ちょうどいみじくもというか、今日、渡部主査代理から御説明があった資料1の18ページの方も併せて見ていただけるとかなり効果的なのかなと思います。先生の資料で恐縮ですけれども、資料1の18ページに日米比較がございます。先ほども渡部先生の方から御説明がございましたけれども、左側が日本で、右側が米国でございますけれども、これは特許の行方というか、どういう形で活用が進んでいるかというところでございますが、日本側でベンチャーと考えられるところは、図の中の31という右側のところにあるものに対して、米国だとベンチャーは1,823、圧倒的に単願と共願の比率の違いもありますけど、これはかなり違うんだなというのがこの図を見て非常に効果的に分かるのかなと思います。
 大学発ベンチャーを強化していくための施策としてどういうものが考えられるかということでございまして、スライドの資料に戻らせていただきますけれども、この図は大学発ベンチャーに限らず、ベンチャーの成長曲線を描いている図でございまして、これは釈迦(しゃか)に説法のところがあると思いますが、最初は、特に大学発ベンチャーの場合は基礎研究の段階、これは大学のフェーズなのかもしれませんが、そういった基礎研究のフェーズ等がございまして、それをベンチャーという形、創業という形で世に送りだしていく。ちょうどこの赤である起業準備という部分において起業をして、更にその後の成長曲線、傾きが高くなっていますけれども、これは企業規模、産業化というのが急速に進み、ある一定点になると大体横にサチュレーションしていくという形でございますけれども、特にベンチャーファイナンスの段階では、この急成長のところについては、今、産業革新機構以外、それから民間のベンチャーキャピタルというのもかなり最近では増えてきております。日米で比較すれば圧倒的に少ないという段階はございますが、それでも今、少しずつ日本もここは増えてきておりますけれども、特にこの創業段階、あるいは創業直後の段階というところについては、やはりなかなか、死の谷と言ったらちょっと言葉の定義が違いますけれども、ここの部分というのは、非常に今、ファイナンスの部分、あるいは知財の部分、いろいろな部分で不足している部分ではないかということでございます。
 特に、やはり大学発ベンチャーということになりますと、通常のベンチャー創出に比べて経営リスク以上に技術リスクというところもかなり大きいというところがありまして、この部分を何とかして強化していけないであろうかという問題意識がございます。
 下の方の図に行っていただければと思うんですが、そこで今、検討が進んでいるという話でございますけれども、結論からお話ししますと、出資という形で新たなスキームを入れてはどうかということでございます。JSTからベンチャーに対して知的財産、それから金銭的ところを出資という形を考えてございます。
 上のところの黒ポツで4つ並んでおりますが、ここを読ませていただきますけれども、優れた研究成果を基に大学発ベンチャーを促進するということで、JSTからベンチャーへの出資を可能とすることを検討させていただけないか。JSTがベンチャーに出資するということで、さらなる民間資金の呼び込みを目指すというような戦略でございます。
 知的財産の現物出資を可能とすることで、JSTや大学の未利用特許の有効活用をやっていけないかということでございます。未利用特許という意味では、これも先日の御説明でもさせていただきましたが、左下の図にありますとおり、やはり、なかなか今、いろいろな御議論がありましたが、大学の特許が使えないというか、使われていない、強化しないと使えないというような、あるいは取る段階からかなり戦略を持って取らなきゃいけないというところがありますが、いずれにしましても、下の図にありますとおり、この利用率、全業種平均が6割近くあるのに対して教育・TLO等というところは3割程度の実施率にとどまっているという状況でございますが、この知的財産、まさに国費を掛けた成果をいかに産業界にベンチャー創出という形でつなげていくかというところでございます。
 下の図のところで、ポイントは3つございます。まず1点目のポイントでございますが、これは先日の議論でも、それからきょうの議論でもなっておりますけれども、左下の図でございますが、JSTが大学の特許を、一定の要件を満たした物については集約・活用するためにバンドリングしていく。バンドリングの観点というのは今も御議論いただいたところですけれども、それに加えて周辺特許をさらに、研究を通じて核となる基礎特許の間の周辺特許というものを研究を通じて強化していく、そういったものをJSTの方でやっていきましょうというところがポイントの一つでございます。
 数字だけで見させていただくと、今、JSTに約6,000件の特許がございますが、この6,000件の特許というところも活用しつつ、あるいは、現在大学には約1万4,000件の特許がありますが、こういったものの一部のうち、必ずしも大学で置いておくよりJSTで活用した方がいい、あるいは大学の方もそれで問題ないというものについては強化していければと、これがポイントの一つでございます。
 ポイントの2つ目は吹き出しのところに書いてございますが、金銭出資プラス知財の現物出資ということでございます。まず、これは平成24年の補正予算で、JSTの方は政府から500億円の出資金というものが平成24年度の補正予算でついてございます。詳細は今日は割愛させていただきますが、JSTでは委託開発事業というものをもう40年近くやっているものがございまして、500億円を活用して既に委託開発事業をやっていますが、新たに出資金事業についても、500億円の一部を活用させていただいてやっていけないかということでございます。これは金銭出資の方でございます。
 ただ、ここで御留意いただきたいのが、500億円というとかなり金額が大きいようなところになって誤解を招きますが、我々がそもそも目指しているところは、ちょっと図を戻しますが、この成長曲線のまさに創業直後の段階、ベンチャーの言葉で言うとシリーズAと呼ばれるところを主としてやっていくところでございます。すなわち、民間がなかなか手を出しにくいところに出していきまして、その意味ではベンチャーキャピタル等がお金を出せるようになった段階では、出資したものをシリーズBの段階で、場合によってはベンチャーキャピタルの方にお渡しさせていただく。あるいは、シンジケート投資の形で、他のリードVCと一緒にJSTが出していくというような形を検討してございます。あくまでも民間セクターの資金を呼び込むため、あるいは民間の投資がまだまだ回らない、そこを解決するという手段でございまして、そこに金銭出資、更に知的財産の現物出資というのを合わせていければなということでございます。
 ポイントの3つ目も同じ部分のところの補足でございますが、括弧で書きましたが、金銭出資プラスライセンス、吹き出しの中でございます。ライセンスという形で、これは既に民間、ベンチャー企業であってもやり方はございますが、新しいチャンネルということで、ライセンスに加えて金銭出資という形で知財を外に移転していく、そういったチャンネルを作れないだろうかということでございまして、これはお金と併せて知財を出資するということで、効果的な出資になるのではないか。
 もう一つ、先ほど少しそういう議論があったかのように覚えていますが、知財を出すということで、JSTの出資を受けているということで信用力を高められるのではないかというところ。それから、ライセンス以外の現物出資ということで、受け手側のベンチャーとしてみましては、経営戦略上の多様な選択肢というのが確保できるのではないかということで、こういったことの検討を進めているところでございます。最終的には、これは法改正が必要な出資ということになります。
 簡単ではございますが、以上です。
【三木主査】  はい、ありがとうございました。ただいま御説明いただいたものも、実は幾つか知財を集約した後の活用のチャンネルとして、従来まだ十分に整備されているとは言えない部分を取り組んでみようというお話だったかと思います。ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見などがございましたらよろしくお願いいたします。どうぞ。
【鮫島委員】  知財の現物出資という一つのスキームを選択肢の多様性という観点で作るということに関しては全く異存はないんですけれども、ただ、その上に書いてある説明がちょっといま一つよく分からないので、質問という形で発言をしているつもりなんですけれども、まず2ポツ目の、JSTがベンチャーへ出資することで、さらなる民間資金の呼び込みを目指すというのですが、これって本当にそうなるんですか。つまり、いろいろなVCさんとかの裏をとっているのか、それとも単にJSTさんはきっとそう思っているという、その程度の話なのか、ちょっと本当にそうなるのかなというのがよく分からないなというのと、あともう1点はその次の説明で、現物出資を可能とすることで未利用特許を有効活用と書いてあるんだけれども、別に現物出資を可能としなくたってライセンスすればいいというだけなんで、何が言いたいかというと、反対しているわけじゃなくて、多分このままの説明だとちょっとこういう質問が出かねないので表現を考えないといけないのかなと。特に、法改正をするというのであればという、その程度の話です。別に反対じゃないんですよ、何回も言いますけど、反対じゃないんですが、単純にそう思っちゃいましたということです。
【三木主査】  どうぞ。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  鮫島委員のおっしゃるとおりでございまして、ちょっとそこの書きぶりについては御相談させていただきたいと思います。
 特に、1点目はおっしゃるとおりの部分がございまして、まず、ベンチャーキャピタルの方には何人かの方に聞いていますが……。
【鮫島委員】  裏は取っているんですか。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  はい、裏は取っています。ただ、おっしゃるとおりでして、最初、JSTの出し方を変な出し方にしてしまうと、後々VCが非常に出しにくくなってしまうということを言われております。なので、そこの最初の出資比率をどういうふうにするかというところはかなりストラテジーが必要なのかなと。余りJSTが出し過ぎてしまうと、他のVCが外からそれにアドオンするようなことが難しくなってしまうところが1点と、あともう1つは、先ほどシリーズA、シリーズBという言い方をさせていただきましたが、いずれかの段階で、今度はもうある程度成長が、本当にアーリーな段階ですけれども、進んだ段階で、場合によってはそこで、ここから先だったら民間のVCでも十分リスクを背負えるという段階になったときに、あとは民間の資本でお願いしますということで、出資変えで民間資金を呼び込むということで考えてございます。
【三木主査】  はい、ありがとうございます。
【鮫島委員】  その後段の部分についてはものすごく賛成です。やっぱりVCが出せなくてうまくいかないアーリーステージというのはいっぱいあるので、そこはすごく賛成です。
【三木主査】  それではほかに。はい、どうぞ。
【前田委員】  私も鮫島先生と全く同じ意見で、すごく賛成ですけれども、むしろこの2番目の民間資金の呼び込みではなくて、切り分けた方がいいと思います。最初の、民間が手を出せない、うまくいくかいかないか分からない状態のときに支援してあげて、もう手放しても大丈夫な状態になったら民間に切り換えるという、ステップアップ型にした方が良いです。足し算みたいなことは民間は言ってこないと思うので、切り分けることが是非いいなと思っています。 やはり私も医学系の大学にいましたので、先生方に追加の実験をさせようと思っても、それはできない。かといって、まだまだVCが乗ってくるレベルではないというところはすごくいっぱいあるんですね。リスクの高い状態のときにJSTさんが支援してくださるというのはすごく重要なので、いいなと思っています。
 あと、この知財の現物出資はライセンスで返せばいいんですか。金銭の出資は、たしか売上というか、うまくいったら返還しなければいけない。補正予算、500億か600億、あれはたしか返しますよね。何年かかけて返還すると思いますが、知財の現物の場合はどういう感じで計算するんですか。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  今、複数論点があったのかもしれません。まず、知財の現物出資のスキームですけれども、これはあくまで融資ではなくて出資ですので、お金を出資する場合に株式をJSTが持つのと一緒で、知財も一定の評価をして金銭換算して、その部分を金銭出資と同様の形として、株式ということで持ちます。なので、将来それを手放した場合はキャピタルゲインという形でJSTの中にお金が入るということでございます。
 国からの方の出資ということについては、今、500、600というところは、出資金ということで500億円が出ていまして、100億円は運営費交付金で出ていまして、それがあります。
【三木主査】  よろしいでしょうか。
【前田委員】  はい、ありがとうございます。
【三木主査】  ほかにはいかがですか。はい、どうぞ。
【淺見委員】  ちょっとよく理解できていないところがあるので教えていただきたいと思うんですけれども、今のこの図でいきますと、JSTさんが持っている知財は既存企業にライセンスなどはもうされているということですよね。そのときに、今度、ベンチャービジネスは金銭出資プラスライセンスにするということと理解したんですけれども、今でも既に金銭出資はされていると……。
【三木主査】  これから。
【淺見委員】  あ、これからしていくということですか。そのときに、金銭出資をするということと、ライセンスはライセンスでもう既にされているんですよね。それは、今回のこの政策の肝というのは、その2つを一緒にするということなんでしょうか。つまり、今でもライセンスはできる状態にあると理解しているので、そのときの、今までと何が違うんだろうかというのがちょっとよく理解できていないので、そのあたりを御説明いただければと思うんですが。
 それが1点と、それからあとはちょっと意見ですけれども、未利用特許というふうに書かれていて、それはそれで使っていただくこと自体はいいことだとは思うんですが、未利用であるというのはそれなりの理由があって未利用であるということが多いと思いますので、是非、ほかの先生方からも御意見はありましたけれども、特許になったものを使ってくださいというだけではなくて、是非、特許の出願段階というか、早い段階でまさに権利を強くした形で使ってもらえるような、そういう仕組みを考えていただきたいということ、こちらは要望です。
【三木主査】  事務局と、それからひょっとしたらJSTさんの方からもお答えがあるかと思います。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  では事務局から、今2点あった1点目の方を。現状は、ライセンスということができます。まず1つ目は、ライセンスは当然できます。ただ、金銭の出資はできません。知財の出資もできません。今後、法改正等々の制度改正によって、出資をできることにします。そうすると、今度は出資ということでお金も出資できますし、知財の出資もできるという形になります。
 では、今までとそれで何が変わるかということで、知財という観点からしますと、知財を外に出すスキームということではライセンス以外の出資というチャンネルがまず一つ大きくできるということでございます。ここをどう考えるかでございますが、既存の企業の場合には、大企業、中小企業、ライセンスが普通であり、大企業に対して今更出資というのはまずあり得ませんが、ベンチャー企業の場合においてはライセンスという形も十分考えられますが、出資という形で資本を強化するということには一つ意義があるのかなと。そのときに、やっぱりお金と合わせるということで相乗効果が出るのかなというところが一つと、さらに、JSTから知財をライセンスではなくて出資という形で完全に権利も含めて譲渡することによって、受け取り側としては経営戦略上の選択肢が広がるということと、あとはライセンスしている場合もありますけれども、もう知財を持っているということで信用力というところも高まるのかなと思います。
 ただ、先生がおっしゃるとおりで、ライセンスでもいいじゃないかというところは十分にあるので、ケース・バイ・ケースでそこは判断していくことになろうかと考えております。
 それから2点目は先生おっしゃるとおりで、まさに前回の議論も含めながら、今後我々は検討していかなければならないことかなと思っております。
【淺見委員】  ちょっと今の点でよろしいですか。ありがとうございました。理解が進みましたが、書き方の問題なのかもしれないんですけれども、企業はライセンスと出資と両方あって、ベンチャービジネスの方はライセンスであるように読めてしまうので、むしろ出資の方を主体に考えているというふうに考えたらよろしいんでしょうか。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  そうですね、上にもいろいろな選択肢があるということです。
【淺見委員】  分かりました、ありがとうございます。
【鮫島委員】  ちょっといいですか、今のコメントに補足すると、ベンチャーのIPO、つまり上場の場面では、圧倒的に単にライセンスを受けていますというよりは特許を持っていますという方が、これは証券会社のデューデリ上有利なんです。したがって、そういう意味では現物出資というスキームは非常に意味があると。
 じゃあ、これが何で譲渡じゃいけないのかというと、譲渡だとベンチャーからJSTさんにお金を出さなきゃいけないので、アーリーステージだからこれは出したくないと。というところで、そういう意味では面白いスキームだなと。ただ、現実論としてなかなかこれを活用する場面がどのくらいあるのかなというのはちょっとよく分からないですね。
 あともう一つ懸念するのは、バンドリングをして現物出資をしたんだけれども、そのベンチャーが別の理由でうまくいかない、例えば経営陣が駄目だとかね。そういった場合に、当然JSTとしては、特許自体は非常にいいものだからまた別のところに、今度は別のベンチャーに使わせたいんだけれども、現物出資をしてこっちに帰属しちゃっているからなかなかそれができないとか、そういったような問題が起こり得るのかなと思っているので、それはどう回避するのかよく分からないけれども、そういう議論があり得るだろうと思います。
【三木主査】  事務局の方からは何かございますか。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  今、鮫島委員がおっしゃった懸念点については我々も強く意識しておりまして、そこは特に、中でもJSTがバンドリングしたときに、セキュリティー技術であるとか、これはちょっと、万が一にでも変なところの会社に渡ってしまうようなことは困るという技術については、ちょっと出資じゃなくてライセンスということで、万が一のときにはJSTが引き上げる仕組みを確保するというのはあるのかなと。
 それからその後、仮に出資した場合でも、株主という形になりましてハンズオンができますので、もちろんほんの一部ではございますけれども、そういった中で企業と連携していくということなのかなと思っております。
【三木主査】  よろしくお願いします。
【野間口委員】  質問ですが、淺見先生がおっしゃったように、私もどこが正しいのかなと思いながら聞いていたのですが、金銭出資ということが正しいのでしょうか?
 知財の現物出資というのは、記憶違いでなければ、産総研では私が着任したときには既に、ベンチャーに対してはやっていたように思いますが。先ほどどなたかがおっしゃったように、お金は出せないので知財を出しましょうというのは既に踏み切ったように思うのですが、この点を確認してください。
 それから金銭出資については、国費を投入して経営がうまくいかなかったときの問題などがあり、その辺が乗り切れなかった、踏み切れなかった。ここは確実に新しい決断をすることになるのだと思いますが、何か踏み切るというか、新しい決断をしなければいけないので、一つの考えだと思います。
 それから産総研の紹介をすると、ベンチャーを新しく作るときには、前田先生は関係しておられたから御存じかもしれないですが、民間出身者とか法曹界の方とかのスタートアップ・アドバイザーという人による、かんかんがくがくのものすごく厳しいチェック、関門があります。産総研の中でそれをやって、ものすごい関門を通って、今度はベンチャーキャピタルに話にいくと、そこでまた厳しい指摘が出てきて、そこがもう一つの大きなハードルになる。それを乗り越えて起業して、今、110か120かになっていると思いますが、そういうプロセスがあります。ここに書いてあるのをみると、アイデアが出ると全部右肩上がりに進むように思えますが、そういう関門を設けてきっちりやっていくという説明を、皆さんそういう認識だと思いますが、外部に対して説明した方がいいと思います。
 先ほどの、渡部先生の資料の中でいくと、実は、産総研発ベンチャーはIPOにつながりそうなものが100分の1ぐらいです。それでも大喜びしていたのですが、企業に買収されたとか、一つの事業部になるとか、そういう形態も結構あって、それを含めると1割近くが社会実装されているというか、ものになっています。そういう意味では大企業、中堅企業がR&D投資をする必要を省いただけでも効果があるのかなと思っていました。全てがIPOまでいって大きなビジネスをベンチャー自身がやるという紹介だけではなくて、ベンチャーが、既存のベンチャーとか他の企業に買収されて大きな力になるというのも一つの実り方だと考えた方がいいのではなかと思います。
【三木主査】  貴重な御意見をありがとうございました。
 では、渡部先生。
【渡部主査代理】  産総研のベンチャーは昔から関わっていたので、結構スタートアップ・アドバイザー制度とか、それから最初のベンチャーセンターの後、ベンチャー事業というのは大体3年か4年ぐらいのところで一番苦しいですよね。その当時はもう、さんざんいろいろなことを言われて大変だったと思うんですが、今、野間口さんが言われたように、110社の中でM&Aが9社か10社ぐらいでしょうね、で、IPOが1社ですね、悪くないんです。そういう意味では、だけど、そこに至るまで物すごく苦労するので、確かにこの絵をこうやって見るときとあのときのことを考えると、物すごくJSTが苦労するということですね。だから、その資源とか様々なサポートとか、そういうものを試行錯誤しながらやっていくということがないと多分なかなか大変だなと、そういう認識でいないといけないというのは、今まさに産総研のことを考えたらそう思いました。
 それから1点確認なんですけれども、これは、バイ・ドール適用の特許に対して現物出資をするというのは、改正バイ・ドール法の政府における事前承認の影響はうめますか。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  はい。当然、出資をするということであれば、JSTが所有している特許になりますので、バイ・ドール条項を適用して、大学が持っている、企業が持っているものはもちろん無理ですので、今ある……。
【渡部主査代理】  あれ? ちょっと待ってよ。あ、そうか。これはJSTが直接出資をする、それはだから、現物出資……、ちょっと分からないですね、これは。だから……。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  JSTが現物出資を直接しますので。
【渡部主査代理】  直接するんですね。ということは、本来は改正バイ・ドールというのは、そういう譲渡だとか専用実施権の設定について、政府の事前承認ですね。これはだから、政府自身それがいいということになってしまうんですか。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  すなわち、JSTが持っているものになります。例えば、今、バイ・ドール法の条項を適用して、JSTの委託で開発して、あるA大学が所有する特許自体は対象にはまずならないですけれども。
【渡部主査代理】  ならないですよね。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  ただ、今後、場合によっては、先ほどの知財の集約活用事業において集約したものを対象にする場合はあります。その場合は、知財の所有権はJSTに移転しています。
【渡部主査代理】  もちろんそれはそのとおりなんだけれども、逆の質問だと、JSTが権利者になっているものの譲渡に関しての手続というのは、政府内では何らか手続は必要なんでしたっけ。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  独立行政法人上、重要な財産の処分に関しては手続は必要なんですが、今、現状、JSTの中では、重要な財産ということで特許を指定してないので、これはJSTの判断でできます。ただ、一方で、今後、独法の業務を国がどういう形で見ていくかというのは、独法通則法上の中期目標、中期計画、あるいはほかの業務方法書で、JSTと文科省との関係で確認しながらやると、そういうスキームになります。
【渡部主査代理】  はい、分かりました。
【三木主査】  よろしいでしょうか。
【前田委員】  今のJSTの持っている特許というところでふと思ったんですが、JSTさんが持っている特許の周りの特許を大学が各々共同出願で取ったと思うんですね、この10年間で。そうすると、自立化になって、共同研究から生まれた特許は先ほど広島大学さんは全部共同出願とおっしゃっていたんですけど、今はもう企業に譲渡したり、単独にしたり、どういう感じで今なっているのかというのをもし御存じの方がいたら教えていただきたいです。そして、それはどうやって集約したらいいのかなと考えます。多分、JSTにだけあって、ほかは使わなくていいということは余りなくて、結構、大学に散らばっていると思うんですね。それを価値あるものにするために、どういう工夫をしたらいいのかなというのを教えていただければと思います。
【三木主査】  JSTさんの方ではいかがですか。
【島田委員】  ちょっと答えがないんですけれども、そこまでちょっと見えていないというか、企業に流れていってしまったものの把握というのは難しいです。
【前田委員】  企業に行っているんですか?企業じゃなくて、大学が共願で持っていませんか、いろんなところで。
【島田委員】  共願で持っている部分は集計を取れば分かると思うんですけれども。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  6,000件は単願が多いと思うんですが。
【島田委員】  6,000件というのはJSTが持っている特許ですね。
【中澤産業連携・地域支援課課長補佐】  はい。共願もあると思うんですけれども、割と単願の比率が高いはずです。
【島田委員】  多いと思います。
【前田委員】  JSTはそうなんですね。大学は、今、渡部先生がおっしゃったように、大学の特許というのは共同出願がすごく多いじゃないですか。だから、これでいいものをかけ合わせて1つの群にして使うという形になるのかなと私は想像したんですけれども、そういうところの集約の仕方というのは、どんなふうに考えたらいいんでしょうか。
【三木主査】  私、余り答える立場じゃないとは思うんですけれども、大学が持っている共願の特許の比率が高いというのは確かにそのとおりで、大学も共願案件について、例えば、大学発ベンチャーをその研究者を中心にして、外の起業家も含めて作りたいという意思があるときに、果たして、共願の相手企業さんに対して、この特許に対しては、こうこうこういう分野でこういうベンチャーを作るときには、事前に、共願の段階で契約を結んで、そのベンチャーの実施許諾を出すようなことをやっているかというと、必ずしも大学はそこまでやれていないと、そういうふうな認識をしています。ですから、共願についてはなかなか難しいのではないかと。
 今後のありようとしては、大学の知財戦略も、ある部分でいうと、ベンチャーのことを考える場合には、少し、今までのステレオタイプなやり方だけではもはや成り立たないだろうというふうには思います。何か、お答えにはなっていないかと思いますけど。
【前田委員】  ありがとうございます。自立化になって、今、コーディネーターの人も相当減っていますし、大学の中で、知財を取り扱える人がすごく減っていると思うんですね。競争的資金のお手伝いをするURAはいっぱいいると思いますが、知財を見られる人というのをかなり減らしている中で、この共願になった特許を事務方の人が、これを柔軟にJSTに渡したりといった、そういう手続ができるようになるのかなというのは、私は今の状況の大学を見て懸念点です。
【三木主査】  いろいろな制度設計をする上では、まだ、今はジャストコンセプトという状態なので、これを落とし込んでいく上で、いろんな御指摘が今なされていると思っています。上野さん、どうぞ。
【上野委員】  今、三木先生から今後のありようという話がありました。恐らくは企業の実務もそうですし、米国の大学の実務も結局こうなっているわけですけれども、共同で取得した特許というのは、基本的には使いにくい、若しくは使えないものであるという認識の基に、何らかの形で、今後契約していくにしても何にしても、通常であれば、発明した者が単独で所有するというような形を基本としていくべきものなのであろうと思います。今回はたまたまこういうややこしいスキームの中で気づいてくることですけれども、もっとシンプルに、例えば、単純にライセンスをするというような枠組みであったとしても、同じように当てはまることだと思います。今後の在り方ということを考えていく上では、方向性として、共願というものを基本とするようなやり方は極力避けるというようなことは必要になってくるのだろうなと感じました。
【三木主査】  ありがとうございます。かなり、事務局提出資料、資料3について議論いただいたわけですけれども、実は、前回の作業部会での御議論でも、幾つかの制度設計をしていく段階で、更に細かい検討が必要な項目ということが、大丈夫御指摘されたと思っております。この案件についても、やはり、同じようなことであろうと、先ほど来、鮫島委員の方からありましたような、知財が現物出資されたんだけれども、そのベンチャーが仮に倒産して、債券としてどこかが、その知財を持っていくというリスクだって当然ありますし、いろんな判断が必要になるだろうと。そこについては、ケースのバリエーションをしっかり考えて、リスクマネジメントの観点から判断基準をしっかり作るというようなこと。それから、何よりも、この判断をする人材をどうするのかという非常に大きな問題がここにはあろうかなと思っております。前回のバンドリング、集約という大きな枠の中の1つのバリエーションとしてこれがあるというふうに、しかも、そこに出資ができるという法改正とのセットで新たなバリエーションがあるという御理解でいいかと思います。
 前回のバンドリングのところも含めまして、もう一度、残った時間はわずかなんですけれども、これは言い足りなかったとかいうようなことがございましたら、残り10分弱ぐらいの時間ですけれども、お願いできればと思います。なお、机上配付資料としまして、前回の議事概要を事務局から出していただいておりますので、あ、ここが足りなかったというようなことがございましたら、是非、お願いいたします。もちろん、今日、今のスキームの続きでも結構です。よろしくお願いいたします。どうぞ。
【島田委員】  この出資の話なんですけれども、JSTから見ればいろんなサポートの選択肢が広がるみたいなことなのでいいとは思うんですけれども、とにかく経験がないもので何が出てくるのか分からない。そのときに、いわゆる、お金を出してしまって、色が付いていないお金としての出資と、知財としての「もの」としての出資は何か本質的に違うような気もしています。知財の場合には、必ずその背後に発明者がいて、研究者の顔が見えているわけですよね。そういったときに、それを単純に色の付かないものとして出資してしまうということが、一体どういう意味を持つのか。そのときに、それはやりにくいことなのか、むしろ、やりやすいというふうにそれを捉えるのか。何か、JSTが入ることで、むしろ、受け取る方も、研究者の方も、その出資のスキームは加速的に回るような、プラスアルファのJSTの振る舞いみたいなのがあるんじゃないのかな。そういう部分を丁寧に議論していけば、かなり運用としてこの制度は回るんじゃないのかなという気はしているんですけれども。
【三木主査】  ありがとうございます。
【野間口委員】  知財を1つ出したら、バンドルしたものでもいいですが、1つの起業ができるというのは余りにも話が単純すぎると思います。あくまでも一つの予想だと思います。知財を生み出した人、あるいは生み出した人に相当するぐらいの能力のある人が参加して初めて事業に持っていけるので、産総研の場合は、知財を出すとともに、それを研究者自身がCTO的な役割でベンチャーに参加してもいいと、研究者でありながら兼務することを許しているんです。そうやっても、先ほど紹介したように、途中で墜落するのがある。ベンチャーというのは、生み出したら確実に成功させるという考えはよくない。悪ければ早く潰してしまうということで、産総研の場合も2割か3割が既に潰れていますけれども、そういう厳しい荒波を乗り越えていく、成長していくというのが必要です。
 10年前の大学の知財戦略本部整備事業が始まって、大学の先生方でいっぱい知財を生み出したけれども、このまま知財に関わる情報を発信するだけで、全然守らずに日本国としていいのかなという点で、産業界にいて、大学の先生方の知財マインドが上がれば上がるほど危機感を持っていました。渡部先生のプレゼン資料の23~25ページのように、こういう発想で、今、皆さんが提案している、三木先生が提案しておられるこの仕組みを、何か形として機能するようにしてほしいと思います。入り口論で申し訳ないですが。
 怒られるかもしれませんが、あえて付け加えると、そのとき、広島大学さんの知財本部なんかの取組で、産業界的目で見ると、心配な大学だなという典型でした。きょうの中野先生のお話を聞いて、非常に大学として、さすが先生方だなと思うのは、知財の質の向上とか、重点プロジェクトを作ってブラッシュアップの仕組みを大学の中で作っておられるというのは、感銘を受けましたよ。私、野間口というより「甘口」と言われるんですけど。知財整備事業の時代からすると、大きな意識の進展だと思います。これが本当の力に反映できるような形に是非とも進めてほしい。余り、形を急ぐよりも、そこのところをしっかりと議論してほしいなという気がします。
【三木主査】  ありがとうございます。非常に大事な御発言を頂いたと思っております。やはり、今、この時期に大学の知財をどう活用するかというのが今回のテーマ。その中の1つの手法として、従来の個別の活用、大学が単独でやっていた活用以外に、バンドルをして、JSTというファンディングエージェンシー特有の、そして、過去、科学技術振興機構、昔の団体のときには、知財をしっかりハンドリングをしていたと、その機能も持っていると、これをいかに、不足している機能はあると思いますけれども、不足機能を補完しながら、新たな大学における知財活用のチャンネルを作っていくということであろうと思います。
 最後になりますけれども、鮫島委員、特にこの件については御関心が深いと思いますので。
【鮫島委員】  いやいや、特に。すみません、ちょっと。ちゃんと私語じゃなくて、真面目なことを話してたんですけど。
【三木主査】  ええ、真面目に、お願いします。
【鮫島委員】  特にないんですけれども、要は、これ、すみません、また3ポツ目に戻るんですけれども、民間さえ出資しないような案件を、要は、JSTさんが出資しますというふうに、国がリスクをとると聞こえるんで、それは非常に結構だと思うんですけれども、是非そうしてほしいと思うんですけれども、それもやっぱり、多分、うまく説明をしないとなかなか通らないんじゃないかなと。ベンチャーは、本質的には100件のうち1件ぐらいしか成功しないわけで、99件捨て金になるんだけど、その捨て金をしなければ日本国の発展というのは多分ないと思うんだけど、それを、やっぱり、そこの99件捨て金だというところにフォーカスされちゃうと、絶対これは通らないでしょうから、そこを是非うまく説明していただいて、私は基本的に賛成なので、是非通していただければなというふうに思っています。
【三木主査】  いろいろ、応援団的御発言を頂きまして、本日の委員会は、御審議いただく内容は以上でございます。委員の皆様方、本当にありがとうございました。特段、私の方でまとめをする必要なないと思っております。
 ただし、次回の作業部会のことを少しお話しさせていただきますと、きょうまでの2回の議論を中間的に取りまとめをしたいというふうに考えております。事前に中間取りまとめ案を各委員の先生方にお送りできるかどうかは、事務局の努力次第というようなことだそうでございますが、できれば、前日ぐらいには、事前にちょっと目を通せるようにしておいていただけると、次回の委員会での議論が深められるのではないかと思っております。その意味では、事務局の皆様方には本当に御苦労をお掛けしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 本当に今回、3回の委員会が非常にタイトなスケジュールで行われておりまして、まだ一度もこの会に御出席いただけない委員の方もおられますし、前回御出席で今回御欠席の委員の方もおられます。非常に慌ただしいスケジュールの中で進めておりますが、今後とも御協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、事務局の方から、今後の予定につきまして、御説明をお願いいたします。
【鷲崎大学技術移転推進室専門官】  お手元の資料4に基づきまして、今後の作業部会の予定を御説明させていただきます。次回、第3回でございますが、来週11日金曜日、10時から12時を予定してございます。場所ですが、事前に御連絡していたところから変更になりまして、本日と同じ場所、この場所でさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
【三木主査】  どうもありがとうございます。それでは、11日、またよろしくお願いいたします。これで、本日の大学等知的財産検討作業部会を閉会といたします。本日はどうも御多忙のところ、貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。

 

―― 了 ――

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