資料1-1

「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の検討の視点」を踏まえた各分科会等における検討状況(平成24年2月29日現在)(産学連携関連抜粋)

第5期に設置された基本計画特別委員会では、S(科学)とT(技術)に、I(イノベーション)を加えたSTIへの転換が提言された。しかしながら、我が国観測史上最大の地震やそれに伴う原子力発電所事故等による未曾有の災害を踏まえ、新たにR(リコンストラクション(再建)、リフォーム(改革))を加えたSTIRを政策の基調とすべきである。

こうした考えのもと、今後、科学技術・学術審議会においては、東日本大震災の現状を踏まえ、科学技術・学術の観点から真摯に検証を行う。その上で、国家的危機の克服と復興、環境変化に強い社会基盤の構築への貢献を視野に入れ、我が国の存立基盤である科学技術・学術の総合的な振興を図るために必要な審議を進めていく。

その際、総会及び各分科会、部会、委員会等においては、これまで以上に「社会のための、社会の中の科学技術」という観点を踏まえつつ、以下の視点に留意し、検討を行う。特に、科学技術・学術の国際連携と、自然科学者と人文・社会科学者との連携の促進には十分配慮することとする。

1.東日本大震災についての科学技術・学術の観点からの検証

震災下において、科学技術・学術の観点から、適確に機能した面、機能しなかった面、想定が十分でなかった面はどういうところか。

これらの検証により判明した震災からの教訓や反省を踏まえ、今後の科学技術・学術政策を進めるにあたって、改善すべき点、取り組むべき点、新たにルール化すべき点は何か。また、研究開発を推進するための環境や体制を変化に強いものにする方策として何が必要か。

<検討状況、産学連携関連(抜粋)>

1東日本大震災の産学官連携活動や知的財産・ノウハウへの影響及び今後の課題の把握に努める必要性があるため、東日本大震災の産学官連携活動への影響を調査する大学の取組を支援する。

 →自立化促進プログラム【機能強化型】

2.課題解決のための学際研究や分野間連携

社会が抱える様々な課題の解決のために、個々の専門分野を越えて、様々な領域にまたがる学際研究や分野間の連携がなされているか。特に、自然科学者と人文・社会科学者との連携がなされているか。

また、社会が抱える様々な課題を適確に把握するための方策は何か。課題解決のための学際研究や分野間連携を行うためにはどのような取組が必要か。

さらに、これらを支える人材育成のための方策として何が必要か。

<検討状況、産学連携関連(抜粋)>

1 被災地の様々なニーズに的確に対応するためには、専門分野を超えた学際研究や人文・社会系も含む分野間連携にも積極的に取り組む必要があるため、大学等に限らず、産業界、自治体という産学官の枠を越えて、全国のコーディネーターのネットワークを強化する取組を行う。

→ 産学官連携による東北発科学技術イノベーション創出プロジェクト、自立化促進プログラム【コーディネーター支援型】

3.研究開発の成果の適切かつ効果的な活用

様々な研究開発の成果が、適切かつ効果的に結集され、社会が抱える様々な課題の解決に結びついているか。

また、研究開発の成果が、課題解決のために適切かつ効果的に活用されるためには、どのような取組が必要か。

<検討状況、産学連携関連(抜粋)>

1 科学技術・イノベーションによる新産業の創出は被災地域の復興に貢献するものであり、平成24年度より、発明の段階から、大学の革新的技術の研究開発支援と、チームによる事業育成を一体的に実施し、新産業・新規マーケットのための大学発日本型イノベーションモデルを構築する。

 →大学発新産業創出拠点プロジェクト

2 被災地の大学等や研究機関、企業、自治体が連携して、革新的技術に関する研究開発を推進することは重要であり、被災地自治体主導の地域の強みを生かした科学技術駆動型の地域発展モデルの構築を支援する。

 →産学官連携による東北発科学技術イノベーション創出プロジェクト

3 大学等の研究開発成果を新技術・新産業の創出につなげるためには、試作品の製作も含む産学共同研究等を通じた技術移転活動の推進が強く求められており、全国の大学等の研究成果と被災企業のニーズをマッチングさせる取組を行う。

 →産学官連携による東北発科学技術イノベーション創出プロジェクト 

4 研究開発の成果を事業化につなげていくためには、地域の金融機関等との連携も有効であり、平成24年度は、産学官に加えて新たに金融機関等と連携し、基礎研究段階と実用化段階の間にある研究開発の「死の谷」を克服するための共同研究開発等の支援を実施する。

 →産学官連携による東北発科学技術イノベーション創出プロジェクト

4.社会への発信と対話

研究者、研究機関、国等が、科学技術・学術に関する知見や成果、リスク等について、情報を受け取る立場に立った適切な表現や方法で、海外を含めた社会へ発信し、対話できているか。

また、社会への発信や対話を一層促進するとともに、国民の科学リテラシーを向上するためにどのような取組が必要か。

<検討状況、産学連携関連(抜粋)>

1 被災地域の復興状況について、その進展や成果を国内外へ積極的に発信していくことが、投資や需要を喚起する上で極めて重要であり、今後、産学官連携に携わる者が、その点を考慮し社会への発信等を行う。

5.復興、再生及び安全性の向上への貢献

被災した広範な地域・コミュニティの様々なニーズや、復興、再生にあたって直面する問題をきめ細かく捉えているか。また、それらを踏まえ、科学技術・学術の観点から、復興、再生、安全性の向上及び環境変化に強い社会基盤の構築のためにどのような貢献ができるか。その際、国土のあらゆる地域で自然災害への備えが求められる我が国の地学的状況を踏まえることが必要である。

<検討状況、産学連携関連(抜粋)>

1 全国の大学等の研究ポテンシャルを被災地域の復興に役立てるため、被災地域のニーズを適確に把握し、適切に全国の大学等につなぐコーディネート機能及びネットワーク機能の強化が重要であり、大学等に限らず、産業界、自治体という産学官の枠を越えて全国のコーディネーターのネットワークを強化するとともに、平成24年度より、目利き人材の活用により、被災地企業のニーズを発掘し、被災地をはじめとした大学等の技術シーズとマッチングさせ、産学共同研究を実施する。

 →産学官連携による東北発科学技術イノベーション創出プロジェクト、自立化促進プログラム【コーディネーター支援型】

 

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科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課大学技術移転推進室

(科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課大学技術移転推進室)