資料3 「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」の平成24年度以降に向けた主な論点について

前回の委員会でこれらの論点等についてご議論いただいた。前回の論点と主なご意見は以下のとおり。

(注)リサーチ・アドミニストレーター=URAとして標記

【「URA配置支援補助金」の支援規模等について】
○平成23年度における本補助金による支援は、予算において選択と集中の徹底が求められていることも踏まえ、支援対象機関を「5機関程度」、1機関当たりの支援要望員数を「10人程度以上とすること」として公募を行ったが、全国規模でURAの定着を図るためどのような方策が必要か。(支援対象機関、1機関当たりの支援員数に対する考え方等)

(関連する主なご意見)

  • URAや従来のコーディネーターも含めた形で、研究力強化ポリシーを各大学が定めていくことが重要ではないか。支援対象は、その中でここの部分を、どのくらいの期間でそれができるかというように、説得力ある形で構築していくのがよいのではないか。
  • どのくらいの人が1機関当たりにいたらいいのかという点では、今回、10人ということがあるが、補助終了後のことも考慮しもう少し小規模のスタイルもあってよい。
  • URAの配置等に努力している機関の見える化を図り、URAの趣旨に沿って、さらに効率よく事業を行おうとする大学等をきちっと支えていくというのが正攻法ではないか。
  • 永続的に雇用するような体制にある学校こそ良いのだという、そこの一部が助成してあげられるような形を工夫すること、勤め続けられるような支援を行う制度設計をすると、よりURAの方がモチベーション高くお仕事ができるようになるのではないか。
  • URA配置支援により10人の雇用というのはやっぱりちょっと大きいので、むしろもうちょっと小さくして、出すというような形も考えたほうがいい。来年度の設計に当たっては、実態の調査を並行しながら、適切な設計をするべきではないか。
  • 職種及び施策の重要性については同感。URAの配置により成功する事例をつくっていくことが非常に重要。URAを採用した大学はパフォーマンスが絶対向上するはずであり、それを今後トレースしていって、そういう事例を生かしていくべき。
  • URAを置くことによる評価をうまく可視化するような追跡調査の方法を仕込んでおくとよい。コストに対してパフォーマンスがどれだけ上がるかというところがやはり最終的なメジャーだと思うが、それは大学等が意図する目的に対して違ってよい。そういうところを仕込むことによって、さらにこの大切さが理解されて、大学の構造がいろいろ変化していけるような、そういう評価の仕組みをうまく埋め込んでおくとよい。

【ご議論いただきたいポイント】
○平成23年度のURA配置支援は、予算上5機関程度の支援に限定せざるを得なかったが、本事業を契機としてシステム改革に取り組もうとしている大学等は非常に多いと考えられる。(例えば、5機関程度の採択予定としている状況下で約100機関が公募説明会に参加。)

○URAが全国規模で広く定着していくためには、全国に1,000以上ある大学等のうち、制度の趣旨に沿ってURAの整備を進めようとする大学等を先導的取組機関と位置づけ、国の配置支援により成功事例として構築していくことが重要と考えられる。
 全国の大学等は、その規模や立地条件、学部・研究科等の構成、設置形態や組織体制などが極めて多様である上、その中・長期的な将来構想も様々であることから、URAについても、これらの多様性に応じた配置や活用のあり方が考えられる。(例えば、規模の大きい総合大学と単科系大学ではURAのあり方も異なり、また同じ単科系大学でも分野によって異なると考えられる。)
 したがって、今後、各大学等への配置支援を拡充していく場合、各大学等の特色・実態に応じた多様な先導的取組が行われるよう多様性の確保に配慮することが重要である。

○また、前回の委員会におけるご議論では、
・来年度以降は、一大学当たりの支援をもう少し小規模にすることを考察してはどうか、
・URAの配置等に努力している機関の見える化を図り、URAの趣旨に沿って、さらに効率よく事業を行おうとする大学等を支えていくことが必要ではないか、
などのご意見をいただいている。

○これらの内容を踏まえ、今後の配置支援の在り方としては、
・全国の大学等は、その規模や立地条件、学部・研究科等の構成、設置形態や組織体制などが極めて多様である上、その中・長期的な将来構想も様々であることから、URAについて、配置支援対象大学等にもある程度のバリエーションをもたせ、多様性を確保していく。
・一大学当たりの配置支援規模については、一般的に大規模な総合大学が応募しやすいとされる状況を踏まえ、現状よりも小規模の要望も支援対象にする、
・URAの趣旨に沿って、さらに効率よく事業を行おうとする大学等を支えていく、
ことが重要と考える。

○我が国の大学等におけるURAシステムの定着及び多様性の確保を念頭に、必要な支援対象機関数については、どの程度まで拡充することが必要と考えられるか。

(参考:前回のその他のご意見)

  • 医療関係でもやはり同じように、お医者さんを頂点にして、パラメディカルというか、いろいろな人が活躍している。それぞれの医療技術者がある意味では地位を持っているのは、資格を持っているからである。ただ、URAに関しては、資格で縛るのは次善の策というか、いい方法ではない。そうではなくて、もう少し、それぞれがリスペクトできるような仕組みをつくる必要があるだろう。
  • 最悪なのは、例えば研究費申請において、URAがきちっといることが条件となったり、研究大学を認定するときに、設置の認可の要件としてこういうものがきちっとあるかというようなことも考えられる。そうならないようにするために、大学自身がどういうふうにこういう制度を自分で持つかというところが今、試されているところだろう。
  • 我流のマネジメントをされるのが一番よくない。シニアのURAが少ないとことが厳しいが、いろいろな知恵袋がその人たちの周りについて、徐々にシニアに育っていくような仕組みや、URAではないけれどもアドバイスがかなりできる人たちの知恵が必要か。
  • URAを置くということは、現在の大学で、教員の力が0.5あるいは0.8とかそれぐらいのところまで抑え込まれているのが1に戻るということではなくて、もっと2とか3にもっと総合的に力を持っていくということが必要で、そうでないと意味がない。URAの社会的地位、これの向上をどうやって図るかを考えなければいけないと思う。海外の場合には、そこのところがかなり強く担保されてきているというのが、我が国との大きな違いだと思う。

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