参考資料1 科学技術・学術審議会 産業連携・地域支援部会 産学官連携推進委員会(第3回)「イノベーションエコシステムの推進方策について」議事抜粋

○日本が競争力を失っている遠因として、初等教育、高等教育があるのではないか、これらを強化するというようなことも考えるべき。

○ドイツとかフランスのクラスターでは、大企業を核に、周りに中小企業、大学もいるというような形ができている。日本でも、大企業の人にも入っていただいて、クラスター的な要素をもっと力を入れてもよいのではないか。

一部に非常にいいベンチャーの芽が出ているので、そういうものを絶やさないように、後押しをするということも必要であるし、ギャップファンドも、これは技術移転のときに、もう少しという部分は投資も必要である。

○米国では、イノベーションインフラをオープン化して、国外のものも使っている。日本の場合、イノベーションインフラをともかく国内で全部完結させようという部分は、どうもやっぱり強かったのではないか。

○大学としてはきちんとやっている一方で、企業側は、まだやはりアーリーだというところで、その間のギャップを埋めるギャップファンドが、いろいろJSTのA-STEPであったり、あとは、産業革新機構さんのファンドだったりと、前進してはいるなとは思う。

大学のシーズ期というところから、実際に日本の企業が求めているところというのは、やっぱりビジネスエンジェルが入ったり、ベンチャーがあったり、そのような資金で上がってきたものではないか

○アメリカのベンチャーキャピタルは、特許戦略から、資金から、何から何まで全部サポートしてくれて、それで、こういう製品にしたいから、その方向の研究をしてくれというような引き上げ方をする。お金をつければちゃんとギャップファンドとして機能するのかという問題ではなくて、もっときめ細やかなやり方をしないと、日本の中の産学連携、ぐっと歯車が回りにくいのではないか。

○ポスドクの問題で、若い研究者が、やはりキャリアパスがはっきりしないと、思いきり没頭できない点が長年の懸案事項ではあるが、大学の先生が研究以外のことを、あまり理系の研究の場で、社会的なことに対する知識とかバランス感覚を育てるようなところが少ない点も問題である。

○ベンチャーで非常にお金に困っているので、お金だけ出せば何とかなるのかというと、おそらく決定的に違う。どうやってビジネス化に続けていくのかと。海外に持っていくというようなオープンイノベーションみたいな形でやっていくという試み、あるいは、ベンチャーというと、あながちベンチャーにとどまりがちだが、日本の大企業の持っているもの、ビジネス化の推進の力も活用することが重要である。

○実はアメリカのベンチャーだけが世界的に異常にうまく機能しているが、日本がこれをそのまままねしようとしても、現実的には相当ハードルが高い、それよりも、もっと日本的なやり方があるのではないか

大学等では、シードのプロモーションにどうしても力が入ってしまい、例えば、地域課題とか社会課題とかいうことに対して、どういうふうにシードをコーディネートするかというような、そういう視点の教育も訓練もあまりやっていないし、それに関するシステム、仕組みもないのではないか

○産業界と大学側のギャップが大きいという話がいつも出るが、ライフサイエンス分野が突出して多く、それ以外のところは近いのではないか。複数の分野を一緒に論じると、正しい解は出てこないのではないか。

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