資料7‐2‐1 大学図書館の整備及び学術情報流通の在り方について(審議のまとめ)

‐電子ジャーナルの効率的な整備及び学術情報発信・流通の推進‐

平成21年7月
科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会
学術情報基盤作業部会

目次

はじめに

1.電子ジャーナルの効率的な整備
(1)大学図書館における電子ジャーナル契約等の状況
(2)大学図書館におけるこれまでの対応
(3)今後の対応方策
 1.契約形態の在り方
 2.コンソーシアムによる契約交渉の在り方
 3.新たな枠組み等の検討
 4.その他

2.学術情報発信・流通の推進
(1)オープンアクセス
 1.オープンアクセスの概要
 2.オープンアクセス推進の意義・必要性
 3.オープンアクセスの現状
 4.オープンアクセスを推進するために必要な取組と課題
(2)機関リポジトリ
 1.機関リポジトリの現状
 2.機関リポジトリの今後の在り方と課題
(3)学協会の情報発信
 1.学協会の情報発信の概要
 2.学協会の情報発信の在り方
 3.学協会の刊行物に対する助成に係る電子化の在り方

用語解説
参考資料
基礎資料

はじめに

 大学等における教育研究全般を支えるコンピュータ、ネットワーク及びデジタルな形態を含む学術図書資料等の学術情報基盤は、学生に対する教育活動はもとより、研究者間における研究資源及び研究成果の共有、研究活動の効率的な展開、さらには社会に対する研究成果の発信、普及並びに次世代への継承等に資するものであり、極めて重要な役割を担っている。

 近年のコンピュータ・ネットワーク技術の発達と学術資料の電子化の進展による教育研究の高度化・多様化と国際的な展開により、学術情報基盤に対する要請も高度化・多様化してきている。こうした状況を踏まえて、学術情報基盤が学術研究活動を継続的に支え、その高度化を可能にするための基本的な考え方や国が考慮すべきこと等について、科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術情報基盤作業部会(以下、「作業部会」という。)において検討を行い、平成18年3月に、1.学術情報基盤としてのコンピュータ及びネットワークの今後の整備の在り方、2.学術情報基盤としての大学図書館等の今後の整備の在り方、3.我が国の学術情報発信の今後の在り方の3項目を内容とする「学術情報基盤の今後の在り方について(報告)」を取りまとめた。

 学術情報基盤は、情報科学技術の発展によって大きくその姿を変える可能性を持つものであることから、その在り方については不断の見直しを行っていく必要がある。このため、作業部会では、平成19年4月以降、引き続き学術情報基盤を取り巻く状況を把握し、課題等について整理するとともに学術情報基盤の整備に関する推進方策等について検討を行ってきた。このうち、情報基盤センターの在り方及び学術情報ネットワークの今後の整備の在り方については、平成20年12月に審議の結果を取りまとめたところである。さらに、本年3月からは、作業部会において、大学図書館の整備や学術情報流通の在り方について審議を行っている。

 大学図書館は、大学における学生の学習や大学が行う高等教育と学術研究活動全般を支える重要な学術情報基盤であり、大学にとって不可欠な機能を有する大学の中核を成す施設として、大学の教育研究に関わる学術情報の体系的な収集、蓄積、公開や教育研究に対する支援などの役割・機能を担っている。しかしながら、現在、我が国の大学図書館は、大学を取り巻く社会の高度情報化の中で、大学における教育目的の多様化と研究活動に対する社会的要請の変化と高度化に対するため、その機能を拡充し、高機能化、効率化を図る必要に迫られている。また、大学全体の管理運営費が削減される状況の中で、人件費も含めた大学図書館運営費も例外ではなく、非常に厳しい状況にある。

 今日、学術情報の中でも、とりわけ研究成果を発表する論文の刊行媒体は、従来の印刷製本された紙媒体からインターネットによって頒布される電子ジャーナルに移行している。このため、従来の紙媒体による情報と電子化された情報とを有機的に補完しつつ、利用者である学生、教職員等に効果的かつ効率的に提供することが求められている。こうした状況の中で、外国雑誌の購入形態については、従来の冊子体の洋雑誌から電子ジャーナル中心の形態へと大きくシフトしてきており、その中で電子ジャーナルに係る経費が増加するといった状況に直面している実態にある。

 また、学術情報の流通については、電子化が進展する中で、近年、大学における機関リポジトリの整備が進むなど、自らの学術情報発信力の強化が進められている。さらに、学協会が刊行する学術雑誌の在り方も含め、学術情報流通の新たな方向性としてのオープンアクセスの推進などに関する様々な議論も大学等やコミュニティにおいて行われるようになってきている。

 このような大学図書館や学術情報流通をめぐる状況を踏まえ、今期の作業部会においては、当面、1.大学図書館における電子ジャーナルの効率的な整備への対応などの課題並びに2.学術情報発信主体としての大学及び学協会の情報発信力強化のためのオープンアクセスの推進及び機関リポジトリの整備など、早急に対応を要する課題について優先して審議を行うこととした。

 作業部会においては、本年3月以降これまでに6回審議を行ってきたが、このたび、これらの当面の検討事項に関する対応方策等について、審議の取りまとめを行った。

 なお、例えば大学図書館については、学術情報の流通・提供、資料の体系的な収集などに係る専門的な知識・技能を備えた専門職としての図書館職員が不可欠となっていること、留学生の受入れの推進や、大学の国際競争力向上の観点から国際性を有する図書館職員の確保について検討していく必要がある。このような様々な課題が挙げられるため、作業部会においては、今後も引き続き、大学図書館の整備や学術情報流通の在り方に関し、今回取りまとめた事項以外の課題について検討を行うこととしている。

1.電子ジャーナルの効率的な整備

(1)大学図書館における電子ジャーナル契約等の状況

 文部科学省で実施している学術情報基盤実態調査によると、大学図書館における資料費(図書、雑誌、電子ジャーナル等)の総計は、平成18年度において約747億円と前年度と比較して約10億円(1.4%)の増となっており、大学総経費の約1.2%を占めている状況にある。また、平成18年度における人件費を含む大学図書館運営費の総計は約885億円と大学総経費の約1.4%を占めているが、前年度と比較して約96億円(9.8%)の減となっている。

 さらに、大学図書館における電子ジャーナルの利用可能な種類数は、平成17年度において約154万種類であったものが平成18年度においては約194万種類と約40万種類(26.0%)の増となっている。1大学平均種類数は、2,593種類となっており、5年前の平成13年度における466種類から比べると飛躍的に増加している。また、電子ジャーナルに係る経費は、平成17年度において約91億円であったものが平成18年度においては約122億円と約31億円(34.1%)の大幅な増となっている。また、大学図書館における資料費全体に占める割合も12.3%から16.3%と増加している。

 一方、冊子体の洋雑誌の購入種類数は、平成17年度において約31万種類であったものが平成18年度においては約28万種類と前年度と比較して約3万種類(9.7%)の減となっている。また、その経費は、平成17年度において約230億円であったものが平成18年度においては約221億円と約9億円(3.9%)の減となっている。

 このように、大学図書館における電子ジャーナルの利用可能な種類数、経費は、近年、大きく増加しており、図書館資料費に占める割合も年々増加している状況にある。これは外国雑誌が冊子主体の契約から電子ジャーナル主体の契約へと大きくシフトしていることを示している。

(2)大学図書館におけるこれまでの対応

 学術情報流通の中心的媒体となった電子ジャーナルは、近年、アジアをはじめ世界の研究者により発表された学術研究論文の増加に伴い、その審査や電子化などに係る経費も増加する傾向にあり、このため、価格も上昇する状況にある。また、契約形態は各出版社の刊行する電子ジャーナルをパッケージ化した包括契約が一般的になっている。このため、学術情報環境の維持のためには従来のように冊子体の購入種類数を減らすこともできない上に、価格の上昇分が常に上乗せされ、自動的に経費が膨らむ仕組みとなっている。

 他方、このパッケージの中には利用の少ない電子ジャーナルも含まれるため、包括契約をせず、必要な学術雑誌についてのみ個別契約を行うことも考えられる。しかしながら、その場合、雑誌ごとの個別単価の積み上げとなり、それに毎年の値上げも加わることから、前年度と同額の経費では、利用可能な種類数は大幅に減少することなる。したがって、多くの大学はパッケージによる包括契約を維持せざるを得ない実態にある。大学図書館においては、こうした契約形態による電子ジャーナルに係る経費の大幅な増加に対応するため、国立大学は平成14年度から、また、公私立大学は平成15年度から、それぞれコンソーシアムを形成し、主要な海外出版社との間で契約交渉を行い、価格上昇の抑制に努めているところである。また、各大学においても、同じ冊子の学内での重複購入を中止したり、冊子の購入を止め電子ジャーナル限定契約に移行するなどの対応を行うほか、電子ジャーナルに係る経費について全学共通経費化や競争的資金の間接経費を充当するなど、様々な取組によってその経費の捻出に努力しているところである。

 しかしながら、このような努力を背景としつつも、国立大学においては、毎年、運営費交付金の減に対応する必要があるなど、公私立大学も含めて、図書館運営費や図書館資料費も抑制されるなどの厳しい状況の下にあって、電子ジャーナルを含む図書資料費のさらなる増加への対応は限界に来ている実態にある。特に、財政的に中小規模の大学にあっては、電子ジャーナルに係る経費の増加が極めて大きな問題となっており、実際に外国出版社との契約を打ち切ることも含めて検討せざるを得ない大学も出ている状況にある。また、大学図書館によっては、他の資料の購入費を削り、図書館資料費の相当部分について電子ジャーナルに係る経費に充当せざるを得ない状況になっている。このように、電子ジャーナルに係る経費の確保は、各大学において教育研究を支える学術情報基盤を維持するために重要な位置を占める状況になっている。

(3)今後の対応方策

1.契約形態の在り方

 電子ジャーナルに係るパッケージ契約の方式が維持できなくなった場合、現在の契約形態では個々の電子ジャーナルごとに契約することとならざるを得ない。その場合、同じ予算の中で契約できる電子ジャーナルの種類数は大幅に減少することとなり、大学図書館として急激なサービスの低下に繋がるおそれがある。

 このため、大学ごとの需要や財政状況等に対応できる柔軟で持続性のある新たな契約形態について早急に検討し、その実現に向けて出版社との契約交渉を行う必要がある。

2.コンソーシアムによる契約交渉の在り方

 現在、国立大学及び公私立大学でコンソーシアムにより外国出版社との契約交渉を行っているが、このコンソーシアムによる方式は、電子ジャーナルの価格上昇を抑制する上で、有効な取り組みである。

 各大学における学術情報基盤は、各々の大学の教育研究の特性などを踏まえて個別に整備していくことが基本であると考えられる。また、仮にコンソーシアムによる一括契約を行おうとした場合、各大学毎に規模や必要なタイトルなどが異なることから、大学間の経費負担の割合などを決める際には調整が困難となる事態も予想される。こうしたことから、今後とも、大学図書館における電子ジャーナルの契約に当たっては、大学間のコンソーシアムが主体となって外国出版社との契約交渉を行い全体の条件を整えた上で、経費の支払いを伴う最終的な契約は各大学が個別に行っていくことが適当であると考えられる。

 なお、コンソーシアムによる契約交渉において、現状では外国出版社との交渉の主体は大学図書館職員の付加的な業務に依存している実態にある。しかしながら、そうした交渉主体が契約内容を詰めることについては、既に限界となっている状況であり、今後、契約交渉を行う上での機能強化が急務である。このため、契約交渉を大学側にとってより有利に進めることを考える観点から、学術情報流通に精通し、契約交渉に係る専門性を有する者の育成・活用を検討することが必要である。

 また、現在は国立大学と公私立大学とが基本的には別々のコンソーシアムを形成し、それぞれが外国出版社との契約交渉を行っているが、一部の出版社やパッケージについては、合同で契約交渉を行っている事例もある。今後は交渉力を強化するなどの観点から、両方のコンソーシアムがより一層の連携を図るなど国公私立大学全体を包括する交渉のための組織の在り方などについても検討する必要がある。

3.新たな枠組み等の検討

 現在のコンソーシアムは大学図書館協会等を構成する大学図書館の意向を受けて交渉にあたる、いわばボトムアップ方式の組織であるが、電子ジャーナルに係る経費の増加の重大性、緊急性等に鑑みれば、今後は、これに加えて何らかの仲介機能を果たす組織を設け、当該組織とコンソーシアムとの連携により国全体として最適化を図っていく方向性について検討することも考えられる。

 しかしながら、国が、直接、外国出版社との契約を行うナショナル・サイト・ライセンスの導入については、全体としての経費が膨大なものになるとともに、各大学に係る経費の負担の方法など調整に困難を来すことも懸念される。また、一旦そうした枠組みを形成してしまうと、外国出版社に対して個々の大学の事情を考慮した多様な契約内容を求めることや、そうした枠組みに問題が生じた時に改めることが不可能になってしまい、経費の一層の増加を招くおそれがある。こうしたことを勘案すると、我が国においてナショナル・サイト・ライセンスを導入することは現実的ではなく、ナショナル・サイト・ライセンスと個別契約の中間的な方法を考えていくことが適当であると考えられる。

 現在、国立大学協会においては、経営支援委員会の下に「電子ジャーナルワーキンググループ」を設置して、この問題への対応方策について検討が行われている。その中で、「電子ジャーナル高騰対策アクションプラン案」がとりまとめられ、当面、国立大学協会、国立大学図書館協会及び文部科学省等の関係者からなる委員会を設けて外国出版社との契約交渉を行うことなどが示されている。こうした状況も踏まえて、関係者による検討のための場を設け、外国出版社との間で行う契約交渉の方策等について検討するなど、対応を行う必要がある。

 また、日本学術会議においても科学者委員会の下に学術誌問題検討分科会を設け、学術誌問題に関し、外国学術誌の高騰に対する対応方策、我が国の国際学術誌の強化の必要性、オープンアクセスへの対応方策等について検討が行われているところである。この検討状況にも留意しつつ、大学等における具体的な対応方策について、検討を行っていく必要がある。

4.その他

 1.(1)で述べたように、電子ジャーナルは、既に我が国でも広く普及しており、少なくとも国立大学に関しては、ほとんどの大学が電子ジャーナルを情報源として利用することが可能な状態となっている。しかしながら、それと既存の冊子とを統合的に利用するための方策やリモートアクセスを行える方策など電子ジャーナルを利用する環境については、世界的レベルから見て決して良好とは言えない。こうした観点から、電子ジャーナルの利用環境の改善についても検討する必要がある。

 また、電子ジャーナルを含む図書館資料購入費は、大学における教育研究活動を支える基盤的経費であり、一定額を安定的に確保することが要請される。現在、国立大学の運営費交付金は毎年効率化減が課せられ、私立大学においても国による私学助成は、毎年減となっているが、これらの資料購入費等の基盤的経費については、安定的な確保を可能とする仕組みについても今後検討されることが望まれる。

2.学術情報発信・流通の推進

(1)オープンアクセス

1.オープンアクセスの概要

 学術情報流通は、元々、研究者間のコミュニケーションを基本としているが、研究成果の公表が学会や出版社による学術雑誌を介して行われるようになり、さらに20世紀後半には科学技術・学術研究への政府助成などに伴い増大した研究成果の流通に、商業出版社が主導的な役割を果たすようになった。その結果、学術雑誌が高騰し、研究成果の生産者である研究者にとって学術情報の入手が困難になる状況が生じた。

 このような状況への対処とインターネットの普及を受けて学術情報をインターネットから無料で入手でき、誰でも制約なくアクセスできるようにするというオープンアクセスの発想が1990年代に生まれた。オープンアクセスを実現する手段は多様であるが、オープンアクセス雑誌や、雑誌刊行から一定の期間経過後に無料でアクセス可能となるいわゆるエンバーゴ後の無料公開など、学術雑誌の刊行主体が行うものと、機関リポジトリ、専門分野別のアーカイブなどへの研究者自らが論文等を登載していくものによるものとに大別できる。

2.オープンアクセス推進の意義・必要性

 論文などの学術研究成果は、本来、人類にとって共通の知的資産であり、その内容を必要とする全ての人がアクセスできるようにすることが求められる。このような観点から、オンラインにより無料で制約なく論文等にアクセスできることを理念とするオープンアクセスを推進する必要がある。

 特に、科学研究費補助金等の公的助成により研究が推進され、そこから生まれた研究成果である学術情報については、社会的透明性を確保し、説明責任を果たす観点からも、オープンアクセスを促進することが重要であると考えられる。例えば、米国の国立衛生研究所(NIH)では、平成20年4月から、NIHからの研究助成による成果論文について、同研究所が運営する分野別リポジトリである PubMed Centralへの登載によるオープンアクセスを義務化するなどの動きも見られる。

 我が国においても、国立大学図書館協会が、本年3月、新しい学術情報流通を支えるため、政府、研究者、大学・研究機関及び大学図書館等関係者に対して、公的助成を受けた研究成果や研究データのオープンアクセスの促進など、オープンアクセスへの支持と促進を訴える声明を発出したところである。

 大学等の教育研究機関も、社会への説明責任を強く求められるようになっており、例えば、機関リポジトリなどを使って、所属研究者の研究成果を広く社会に向けて公開することにより、大学等に対する社会からの認知を高め、説明責任の一端を果たしていくことが期待される。 

 また、機関リポジトリなどによるオープンアクセスを推進することにより、学術情報の発信から利用に至るまでの流通の在り方が、情報化社会のメリットを最大限に活かした形で定着していくことが期待される。

 このように、機関リポジトリの構築・運用は、学術雑誌に掲載されてきた査読や編集を経た論文のみならず、学位論文、研究報告書、授業の資料など、これまであまり流通していなかった様々な学術情報が電子化され、広く流通することにも繋がるものであり、学術研究活動全体の活性化にも有意義であると考えられる。

 なお、オープンアクセスの推進は、国際的な学術雑誌の価格上昇の問題に直接的な因果関係を有するものではないが、我が国を含め世界的にオープンアクセスの動きが進められることにより、結果として、間接的に学術雑誌の価格問題の解決に繋がっていくことも期待される。

3.オープンアクセスの現状

 無料で利用できるオープンアクセス雑誌は、従来の有料雑誌とは異なり、著者の投稿料等によって刊行されるため、未だ主流になっているとは言えない状況にある。また、機関リポジトリに関しても、その構築数、登載論文数ともに着実に増加しているとはいえ、従来の商業出版社が刊行する学術雑誌が中心となっている学術情報流通全体の中では、まだ大きな部分となっているとは言い難い。しかし、米国の国立衛生研究所(NIH)のPubMed Centralや米国コーネル大学における物理学を中心とするarXivなどの分野別リポジトリは、対象とする範囲が限定されているものの、政府などの支援により、当該分野の論文の一部分を確実に収集、提供するものとなってきている。機関リポジトリやオープンアクセス雑誌に関しても、今後さらなる発展の可能性を秘めているといえる。

 さらに、これら機関リポジトリやオープンアクセス雑誌のような典型的なオープンアクセスの手段だけでなく、多様な形態により、結果として論文が無料で入手できる状況が広がりつつある。例えば、大学系出版社などでは、雑誌刊行から一定の期間経過後に無料でアクセス可能とすることを積極的に進めている。また、大手の商業出版社は、著者が一定の料金を支払うことにより、当該著作の論文について、オープンアクセスとすることを選ぶことのできる選択肢を用意しているものもある。

 我が国において、学協会が刊行する学術雑誌の電子化が未だ十分だとは言えない状況の中で、科学技術振興機構が推進しているJ‐STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)は、科学技術情報の電子化促進などにより、我が国の科学技術情報の発信と流通の迅速化と国際化を図ることを目的とした事業であり、500を超える学術雑誌を電子化し、25万件以上の論文フルテキストを提供している。J‐STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)を利用しているかなりの割合の学協会が刊行する学術雑誌は、冊子体の雑誌の販売は続けながらも、電子版は無料で公開する方針をとっており、実質的にオープンアクセスの実現に貢献している。これらは我が国の学術情報の国際的な発信を支えるものとして重要な役割を果たすものといえる。また、J‐STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)は、海外の関連機関等との連携も進んでいる。

 また、国立情報学研究所が推進しているSPARC Japan(国際学術情報流通基盤整備事業)は、我が国の英文学術雑誌の電子化及び公開を促進するとともに、海外の学術情報流通に係る関連機関等に対する我が国の学術雑誌出版者のネットワークを強化するものであり、高く評価できる。学協会と大学図書館との連携の場を提供し、また、研究者に対しても様々な啓蒙を行う上でも、有効な事業である。

4.オープンアクセスを推進するために必要な取組と課題

 我が国の学術情報発信の強化のため、オープンアクセスを一層推進する必要がある。このため、国立情報学研究所が実施する機関リポジトリ構築連携支援事業やSPARC Japan(国際学術情報流通基盤整備事業)、科学技術振興機構が実施するJ‐STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)などの関連する事業の充実を図りながら、着実に実施していく必要がある。

 なお、科学研究費補助金などの公的資金の助成を受けて展開された研究の成果については、社会的な透明性や説明責任を確保する観点からも、国民が等しく、ひいては世界中からアクセスが可能となるよう、オープンアクセスをより強く進めていく必要がある。2.(1)の2.でも述べたように、欧米では研究助成機関による助成を受けた研究成果のオープンアクセスを義務化する動きもあるところであり、我が国においても研究成果となる学術論文等のオープンアクセスの義務化も含めた対応の強化に向けた検討が必要である。

 一方、機関リポジトリの構築が進むなどオープンアクセスの方向性が加速された場合でも、実際に有意義な情報発信が活発に行われるためには、各研究者が研究成果の発信に臨む意識・姿勢の問題が重要となる。このため、研究者がオープンアクセスの意義を理解し、自らの研究成果の発信に積極的に取り組むよう、オープンアクセスの意義を広め、研究者の意識改革を図っていくことも重要である。

 また、我が国の学協会関係者については、オープンアクセスの動きに関して消極的であるとの指摘もある。その背景として、我が国の学協会は、科学研究費補助金(研究成果公開促進費)や科学技術振興機構が実施しているJ‐STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)などの支援を受けて学術雑誌を電子化し公開している現状にあるが、各学協会においては、限られた職員でこれに係る業務に対応せざるを得ない状況にある。このため、オープンアクセスの方針が示されても、それに対する理解や積極的な対応の検討が進まない要因となっていると言うことができる。

 このため、オープンアクセスの推進のためには、個々の研究者の意識改革とともに、我が国の学協会が行う学術情報の電子化等に対する支援の強化が必要である。

(2)機関リポジトリ

1.機関リポジトリの現状

 機関リポジトリは、大学及び研究機関等において生産された電子的な知的生産物を保存し、原則的に無償で発信するためのインターネット上の保存書庫である。研究者自らが論文等を登載していくことによる学術情報流通を改革すると同時に大学等における教育研究成果の発信を実現し、社会に対する教育研究活動に関する説明責任の保証や、知的生産物の長期保存などの上でも、大きな役割を果たすものである。

 また、機関リポジトリは全世界で約1400機関において構築されているが、我が国においては102機関(平成21年3月現在)で構築されており、国別の機関数では、世界のトップクラスにある。また、その内容としては、フルテキストで40万件以上、メタデータで60万件以上を登載している。登載論文の内容は、学術雑誌論文だけでなく、学位論文、研究成果報告書、教材など多岐にわたっているが、全体の約5割が、大学紀要論文という点が我が国の機関リポジトリの大きな特徴といえる。

 我が国における機関リポジトリを推進するための主な施策としては、国立情報学研究所が大学等との連携により推進している「学術機関リポジトリ構築連携支援事業」が挙げられる。国立情報学研究所においては、平成16年度に機関リポジトリ構築ソフトウェア実証実験プロジェクトを開始し、平成17年度には19機関を対象として機関リポジトリ構築支援事業を委託した。その後、平成18、19年度においては機関リポジトリの全国展開と高度化を目指して、各大学等における機関リポジトリの構築・運用及びそのための先端的な研究開発を支援した。さらに平成20、21年度においては機関リポジトリのさらなる普及に努めるとともにリポジトリ相互の連携による新サービスの創出に繋がる事業の支援を行っているところである。

2.機関リポジトリの今後の在り方と課題

 我が国の大学等における積極的な学術情報の発信を促進していくため、国立情報学研究所が大学等と連携して推進している機関リポジトリの構築について、今後さらに充実し推進していく必要がある。

 同時に、各大学等において構築したリポジトリを今後も継続して運営していく上では、大学全体におけるリポジトリ事業の位置付けの明確化、図書館業務としての定着、大学独自のシステムの構築と維持体制の整備などが課題として挙げられる。

 その際、個別の大学等によっては、事務体制や技術的な問題等により、独自でリポジトリの構築・運用を行うことが難しい機関もある。したがって、こうした機関に対して、各機関が共通利用できる共用リポジトリのシステムを構築することにより、リポジトリへのコンテンツの登載や公開が容易になるような仕組みを早急に検討する必要がある。

 また、機関リポジトリが一層有効に活用され、登載コンテンツの質の向上が図られるよう、研究者自らによる論文の登載を促進するソフトウェアの開発等の方策を検討するとともに、大学等の機関内外において、機関リポジトリの重要性についての認識を高める活動を行っていくことも必要である。特に、これまでの機関リポジトリの活用状況などを勘案すると、今後、人文社会科学系分野における機関リポジトリの認知度を高めることが重要であると考えられる。

 欧米においては、大学や研究機関が、所属研究者の研究成果のオープンアクセスを義務づけたり、強力に支援する動きも出てきている。我が国においても、機関リポジトリの登載論文数の増加や質の向上に関しては、各大学、研究機関において所属研究者に対する働きかけを積極的に行うことが期待される。

 現在、機関リポジトリの構築に当たっては、各大学等の図書館がかなりの部分の役割を担っている。将来的には、研究者自らが論文等を登載していくことが加速されると考えられるが、その場合であっても、メタデータの標準化・管理、著作権処理、他のデータベース等とのリンクやデータ共有などのシステム構築に係る専門的な事柄については、図書館の専門家による対応が引き続き求められる。このため、図書館職員の専門性の向上が必要である。

(3)学協会の情報発信

1.学協会の情報発信の概要

 我が国における論文等の学術情報の発信については、海外の学協会や商業出版社が刊行する学術雑誌だけではなく、国内の学協会が刊行する学術雑誌も大きな位置付けを占めている。これらの学術雑誌に関しては、国立情報学研究所が実施するNII‐ELS(学協会が刊行する学術雑誌等を電子化し、論文コンテンツとして蓄積する電子図書館)や科学技術振興機構が実施するJ‐STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)による支援により、電子化が進められてきている。

 現在、我が国には学術雑誌を刊行する大手の商業出版社は存在せず、また、多くの学協会は、海外の商業出版社が展開するような国際市場での流通促進のための様々な対応を行うことも困難である。このような中で、我が国の学協会においては、電子化への対応の必要性とも相まって海外の商業出版社との契約により、編集作業、電子化、印刷物の刊行・配布までを委託する形態も広がっている。

2.学協会の情報発信の在り方

 我が国の学術雑誌が真に国際競争力を有する雑誌となるためには、我が国から積極的に発信し、それに対して世界各国から優れた研究成果に係る情報が集中するような状況を作り出すことが必要である。このため、我が国の学術雑誌の情報発信力を強化するなどの方策を検討することが必要である。

 また、我が国の学協会の国際的な情報発信力を強化するため、その刊行する学術雑誌の電子化を一層進める必要がある。このため、オープンアクセスの推進を一つの契機として電子化を推進し、従来、電子化が進んでいなかった情報に対するアクセスの改善を目指すことが重要であると考えられる。

 このような観点から、学協会が刊行する英文の学術雑誌の電子化及び公開を促進する上で、国立情報学研究所が実施しているSPARC Japan(国際学術情報流通基盤整備事業)や科学技術振興機構が実施しているJ‐STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)は評価できる。前者については、新たな学術情報流通を目指す大学図書館と学協会との連携を強化したり、海外に対する我が国の学術雑誌出版者のネットワークを広報している点においても、大きな成果が挙がっている。したがって、これらの事業の継続的な実施と拡充が重要である。

3.学協会の刊行物に対する助成に係る電子化の在り方

 刊行について国の助成を得た学協会の学術雑誌については、説明責任等の観点から、より幅広いアクセスを可能とすることが重要であり、また、電子媒体による方が情報の発信に関して経済的なメリットがあると考えられる。このようなことを踏まえると、学協会が刊行する学術雑誌についてオープンアクセスへの対応が可能な、電子化の促進が図られることが重要である。

 このような観点から、学協会が刊行する学術雑誌を対象とした電子化・公開に係る国立情報学研究所や科学技術振興機構が実施している既存の支援事業(国立情報学研究所が実施するNII‐ELS(学協会が刊行する学術雑誌等を電子化し、論文コンテンツとして蓄積する電子図書館)や科学技術振興機構が実施するJournal@rchive(電子アーカイブ)など)の拡充等に関する検討が必要である。また、我が国の学協会が刊行する学術雑誌を国際競争力を有するものとして育成する観点から、オープンアクセスに対応した学術雑誌についてパイロット事業的に重点支援を行う仕組みを設けることも考えられる。そのため、国立情報学研究所が実施するSPARC Japan(国際学術情報流通基盤整備事業)の拡充を含め、その推進方策について検討していくことが考えられる。

 なお、その際には、現在、学術分科会研究費部会において検討が行われている科学研究費補助金「研究成果公開促進費」の在り方に関する議論についても留意する必要がある。

(参考)用語解説

<A>

arXiv
 ・・・主に物理学、他に数学、計算機科学、数理生物学などの論文が登録されているプレプリント(学術雑誌に掲載される前の論文)を収集・公開するためのサーバー。平成3年(1991年)、「LANL preprint archive」という名称でロスアラモス国立研究所を運営主体としてスタートし、平成11年(1999年)に「arXiv.org」と改称。現在はコーネル大学図書館が運営主体となっている。

<J>

Journal@rchive(電子アーカイブ)
 ・・・科学技術振興機構(JST)が実施している電子アーカイブ事業において、学術雑誌を電子化・公開しているアーカイブサイト。JSTが構築・運営しているJ‐STAGE(科学技術情報発信・流通システム)において、平成17年度(2005年度)から運用している。

J‐STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)
 ・・・科学技術振興機構(JST)が構築・運営している学協会の電子ジャーナル出版支援及び公開のシステム。平成11年度(1999年度)から学協会の情報発信機能を支援するため、電子ジャーナル出版に必要なシステムを JST 内に用意し、学協会はそのシステムを利用して、学協会誌、論文誌を電子化し、公開できる。

<N>

NIH
 ・・・National Institute of Health. 米国国立衛生研究所。世界有数の生物医学分野の研究機関であり、研究助成機関でもある。National Library of Medicine(NLM, 米国国立医学図書館)もその下部組織である。

NII‐ELS(NII電子図書館)
 ・・・国立情報学研究所(NII)が構築・運営しているデータベース。平成9年度(1997年度)から国内の学協会が刊行する学術雑誌に掲載された論文について、ページをそのまま画像データ(PDF形式)として蓄積し、本文の参照を可能にしている。

<P>

PubMed Central
 ・・・米国国立医学図書館(NLM)の国立生物工学情報センター(NCBI)が平成12年(2000年)から運営する生物医学分野の学術雑誌の電子的なアーカイブ。無料で制約のない利用の促進を特徴としており、平成20年(2008年)4月よりNIHからの研究助成による成果論文について、刊行後12ヶ月以内にPubMed Centralに登録することが義務化されている。

<S>

 SPARC Japan(国際学術情報流通基盤整備事業)
 ・・・国立情報学研究所(NII)が実施する国内の英文学術雑誌を対象とした支援事業。国際的視点から学術情報流通の改善を目指しており、ARL(米国研究図書館協会)が実施しているSPARC事業と連携し、平成15年度(2003年度)から英文学術雑誌を電子化するとともに、これらを安定的に発信できるビジネスモデルを創出し、日本の学術雑誌の海外への認知度を向上させることを目指している。

<ア行>

アーカイブ
 ・・・本まとめでは、電子的な文書(印刷物の版面を電子的ファイルに保存したもの及び文書作成時点で電子的なもの)を恒久的に保存する機能をもつ計算機システム、またはそこに収められている電子的ファイルのこと。

エンバーゴ
 ・・・本まとめでは、学術雑誌が刊行されてから掲載論文の全文(フルテキスト)が無料でアクセス可能となるまでの一定の期間をいう。学術雑誌には、エンバーゴを経てオープンアクセスとするものがある。

オープンアクセス
 ・・・学術情報をインターネットから無料で入手でき、誰でも制約なくアクセスできるようにすること。1990年代、学術雑誌が高騰し、研究成果の生産者である研究者にとって、学術情報の入手が困難になった状況への対処とインターネットや電子化資料の普及を受けて生まれたとされる発想で、オープンアクセスを実現する手段は多様であるが、オープンアクセス雑誌やエンバーゴ後の無料公開など、学術雑誌の刊行主体が行うものと、機関リポジトリ、専門分野別のアーカイブなどへの研究者自らが論文等を掲載していくものによるものとに大別できる。

<カ行>

機関リポジトリ
 ・・・大学及び研究機関等において生産された電子的な知的生産物を保存し、原則的に無償で発信するためのインターネット上の保存書庫。研究者自らが論文等を掲載していくことによる学術情報流通の変革と同時に大学等における教育研究成果の発信、それぞれの機関や個々の研究者の自己アピール、社会に対する教育研究活動に関する説明責任の保証、知的生産物の長期保存の上で、大きな役割を果たす。

コンソーシアム
 ・・・2つ以上の個人、企業、団体、政府(あるいはこれらの任意の組合せ)から成る団体で、共同で何らかの目的に沿った活動を行うために結成されるもの。大学図書館のコンソーシアムとしては、電子ジャーナルの価格交渉について、国立大学図書館協会や、公立大学と私立大学が参加するPULC(Private University Libraries Consortium)などがある。

コンテンツ
 ・・・映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲームその他の文字、図形、色彩、音声、動作、映像若しくはこれらを組み合わせたもので、電子計算機とネットワークを介して提供される電子的資料のこと。

<サ行>

査読
 ・・・論文・学会発表に際し、投稿論文の内容審査を行い、掲載・発表の可否を判定すること。

<ナ行>

ナショナル・サイトライセンス
 ・・・サイトライセンスとは、機関の所在地(サイト)においてならば機関の構成員が誰でも論文を利用できるという条件を有する使用許諾のこと。ナショナル・サイトライセンスとは、国全体を契約の対象とするライセンスを指す。

<ハ行>

パッケージ
 ・・・本まとめでは、複数の電子ジャーナルのタイトルをまとめて提供する販売方式のこと。個別タイトル毎の積み上げ額よりも割引された価格が設定されている。

<マ行>

メタデータ
 ・・・本まとめでは、図書、論文の著者、表題、発表年月日、キーワード、引用文献、概要などの情報を意味する。

<ラ行>

リモートアクセス
 ・・・本まとめでは、サイトライセンスを受けている機関の構成員がサイト(機関所在    地)から離れた所在地からコンテンツにアクセスすること。

参考資料

  • 学術情報基盤作業部会の設置について
  • 第5期科学技術・学術審議会 学術分科会研究環境基盤部会
    学術情報基盤作業部会委員名簿
  • 科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会
    学術情報基盤作業部会における審議経過

学術情報基盤作業部会の設置について

平成21年2月20日
科学技術・学術審議会
学術分科会研究環境基盤部会

1.趣旨

 学術情報基盤(学術研究全般を支えるコンピュータ、ネットワーク、デジタルな形態を含む学術図書資料等)は、研究者間における研究資源及び研究成果の共有と次世代への継承、社会に対する研究成果の発信・啓発、研究活動の効率的な展開等に資するものであり、学術研究全体の発展を支える上で極めて重要な役割を負うものである。
 また、学術情報基盤は、情報科学技術の発展によって大きくその姿を変える可能性を持つものであり、その在り方については今後とも不断の見直しを行うことが必要である。
 このため、学術情報基盤を取り巻く状況及び課題等について整理し、必要な対応方策等について検討するため、研究環境基盤部会の下に「学術情報基盤作業部会」を設置する。

2.検討事項

  1. 学術情報基盤を取り巻く状況及び課題等の整理
  2. 学術情報基盤整備に関する対応方策等の検討
  3. その他

3.庶務

 作業部会の庶務は、関係課室の協力のもと、研究振興局情報課学術基盤整備室が処理する。

科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会 学術情報作業部会における審議経過

第5期 科学技術・学術審議会

学術分科会研究環境基盤部会(第34回 平成21年2月20日付)において、「学術情報基盤作業部会」の設置を決定。

学術情報基盤作業部会

第21回(平成21年3月5日)
  • 今期における審議の論点について意見交換し、国立大学図書館の現状について委員より発表ののち審議。
    <発表>
    植松 貞夫 専門委員(筑波大学附属図書館長)
第22回(平成21年3月26日)
  • 私立大学図書館の現状、オープンアクセスの現状及び機関リポジトリの現状と課題について、委員及び関係者より発表ののち審議。
    <発表>
    加藤哲夫 専門委員(早稲田大学図書館長)
    倉田敬子 専門委員(慶應義塾大学文学部教授)
    安達淳  氏(国立情報学研究所学術基盤推進部長)
第23回(平成21年4月15日)
  • 国立情報学研究所の学術情報流通促進事業、科学技術振興機構の科学技術情報流通促進事業の現状と課題及び国産電子ジャーナルの現在と様々な岐路に立つ関係活動について、関係者より発表ののち審議。
    <発表>
    青木利根男 氏(国立情報学研究所学術基盤推進部次長)
    大倉克美  氏(科学技術振興機構研究基盤情報部長)
    林和弘  氏(日本化学会学術情報部課長)
第24回(平成21年5月19日)
  • 国立国会図書館における学術情報流通の取り組みについて、関係者より発表ののち、大学図書館の整備及び学術情報流通の在り方について、これまでの委員及び関係者の発表、並びに委員から出された主な意見を踏まえた審議。
    <発表>
    田中久徳 氏(国立国会図書館電子情報企画室長)
第25回(平成21年6月25日)
  • 大学図書館の整備及び学術情報流通の在り方に関する当面の検討事項に係る議論の取りまとめに向けた審議。
第26回(平成21年7月16日)
  • 大学図書館の整備及び学術情報流通の在り方に関する当面の検討事項に係る議論の取りまとめに向けた審議。

お問合せ先

研究振興局情報課学術情報基盤整備室

(研究振興局情報課学術情報基盤整備室)