資料2‐2　競争的資金のマネジメントの強化

科学技術・学術審議会
基本計画特別委員会（第8回）
平成17年2月15日

■　「競争的研究資金制度改革について」（平成15年4月総合科学技術会議意見具申）の指摘事項

（1）PO、PDの充実強化

○　PO、PDに期待される機能は、課題の採択・評価等における専門性・機動性・戦略性の確保、研究費の執行を含むマネジメント等の説明責任の遂行である。各制度は、今後、競争的研究資金の規模に見合う人数のPO、PDを配置し、その説明責任を果たし得るような身分、処遇を確保する。

○　優れた人材をPO、PDとして確保していくためには、産学官が協力し、PO、PDが研究者のキャリアパスとして位置づけられるように努めていくことが必要である。

○　関係各省及び配分機関は、PO、PD育成のための研修等を実施する。

（2）独立した配分機関への移行

○　競争的研究資金の配分に当たっては、各配分機関がそれぞれ専門性と特徴をもって、戦略的・機動的に業務を遂行すべきである。

○　多くの配分機関が、今後、独立行政法人の形態をとることとなることを考えれば、競争的研究資金の拡充を図っていくためには、「独立行政法人」であるがゆえに、直ちに予算上の制約が課されることのないようにする必要がある。

○　また、独立行政法人化される配分機関がその自主性、機動性を発揮していくためには、競争的研究資金は原則として交付金の形で予算措置を講じる必要がある。

■　第2期基本計画の進捗状況

（1）PO，PDの充実強化

○　それぞれの競争的資金制度においては、プログラムの方針（目的、目標、新規テーマの設定等）の検討や評価者の選任、研究の進捗状況の管理等を行う、研究経歴のあるプログラムオフィサー（PO）やプログラムディレクター（PD）の配置を進めている。（図表2－1、2－2）（※下記参照）

○　各制度においては、PO、PDの配置等が進んでいるが、PO、PDのより一層の役割の明確化が必要。
　また、PO、PDの社会的評価が定着しておらず、優秀な人材をPO、PDとする際に困難を伴う場合がある。

（2）独立した配分機関への移行

○　競争的資金制度の運用に当たっては、各配分機関がそれぞれの専門性と特徴をもって、戦略的・機動的に業務を行うことが必要であり、各制度の特性に応じ、独立行政法人による運用を進めてきたところ。

■　第3期基本計画において採るべき主要な方策（案）

（1）PO、PDの充実強化

○　PO、PDの登用に当たり、能力ある研究者を確保できるよう処遇に配慮する。PO、PDが研究者のキャリアパスとして位置づけられるよう、研究機関等においては、PO、PDとしての経歴を適切に評価する。

○　優秀なPO、PDの育成・確保が重要であり、海外研修、国内セミナー等の充実を図る。

（2）独立した配分機関への移行

○　各競争的資金制度の趣旨に応じ、本省の配分機能を独立した配分機関へ着実に移行していく。
その際、配分機関が独立行政法人であるがゆえの予算上の制約がないようにする。
一方、わが国の技術戦略や国際貢献等の政策的観点を重視した制度設計を行う必要があることなどにより、国が直接実施する場合には、その効率的・弾力的な運用に努める。

○　PO、PDのみならず、その活動を支援するための調査・分析機能や審査・交付・管理等の実務機能の充実・強化が不可欠であり、例えば競争的資金予算の一定割合をその体制強化のために確保するなどにより、着実に体制整備を行う。

図表2－1　配分機関の審査体制

	科学研究費補助金	戦略的創造研究推進事業	科学技術振興調整費	大学発ベンチャー創出推進のための事業	独創的革新技術開発研究提案公募制度/革新技術開発研究事業	先端計測分析技術・機器開発
配分機関	本省 日本学術振興会	科学技術振興機構	本省 （審査・執行事務の一部を科学技術振興機構に委託）	科学技術振興機構（平成17年より独創的シーズ展開事業において実施）／本省　（平成16年度で内局事業は終了）	科学技術振興機構(平成16年度より）／本省　（平成17年度で 内局事業は終了）	科学技術振興機構
プログラムオフィサーの配置	・本省 　 学術調査官 　 25名（非常勤） ・日本学術振興会学術システム研究センター 　 102名（非常勤）	・科学技術振興機構 　 研究総括 　 54名（非常勤） 　 研究開発戦略センター 　 24名（常勤） （研究総括と機能を分担）	・科学技術振興機構 　 37名 　 （常勤5、非常勤32）	・科学技術振興機構 　 2名（常勤） ・本省 　 4名（非常勤）	・科学技術振興機構 　 10名（常勤） ・本省 　 5名（非常勤）	・科学技術振興機構 　 4名（非常勤）
プログラムディレクターの配置	・日本学術振興会学術システム研究センター 　 3名（非常勤） （所長1名、副所長2名）	・科学技術振興機構 　 7名 （（理事1名（常勤）,研究主管4名（非常勤）,研究開発戦略センター長1名（非常勤）,研究開発戦略センター首席フェロー1名（非常勤））	・科学技術振興機構 　 科学技術振興調整費 　 2名 （（運営統括１名（非常勤）,運営統括補佐１名（常勤））	・科学技術振興機構 　 理事 　 1名（常勤）	・科学技術振興機構 　理事 　 1名（常勤）	・科学技術振興機構 　 理事 　 1名（常勤）
審査員の配置状況	約5,500名	214名	124名	20名	58名	47名

図表2‐2　POの属性

男女比率

バックグラウンド

年齢分布

勤務形態