人材委員会 次世代人材育成検討作業部会(第3回) 議事録

1.日時

平成27年7月2日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 次世代の科学技術イノベーション人材育成について
  2. その他

4.出席者

委員

塚本主査、千葉主査代理、飯澤委員、隅田委員、立澤委員、長谷川委員、宮浦委員

文部科学省

川上科学技術・学術政策局長、徳久総括審議官、伊藤政策評価審議官、村田科学技術総括官、柿田人材政策課長、唐沢人材政策推進室長 他

5.議事録

科学技術・学術審議会人材委員会
次世代人材育成検討作業部会(第3回)

平成27年7月2日


【塚本主査】  定刻となりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会人材委員会次世代人材育成検討作業部会の第3回を開催いたします。
 本日は大島委員が欠席されておりますが、定数8名に対して7名の御出席ですので定足数を満たしております。
 まず、議事に入る前に、事務局より配付資料の確認等をお願いいたします。
○事務局より配布資料について説明。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 では、議題1ということで、本日は本作業部会の調査検討依頼事項であります次世代の科学技術イノベーション人材育成について御議論いただきたいと思います。前回までに千葉委員、隅田委員、それから飯澤委員、及び有識者の皆様から御意見をいろいろ伺い、課題などを共有していただいたところですので、今後は本日と次回の作業部会を通じて、これまでに頂いた意見を取りまとめて整理のようなものにまとめていきたいと思っています。まずは、これまでの御意見を踏まえて作成した調査検討状況の素案を事務局から御報告いただき、その後、委員の皆様から御意見を頂戴したいと思います。
 それでは、御説明お願いいたします。
○事務局より資料1に基づき説明。
【塚本主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、質疑、意見交換に入らせていただきます。本日は今までのプレゼン等でお伺いいたしました御意見を踏まえまして、特にローマ数字2番の「意欲と能力のある児童生徒への支援」のところと、3番目の女子の理科への興味の喚起というところを集中的に御議論いただきたいと思います。
 2つに分けまして、まずは資料の前半部分、1の「はじめに」のところと2番目の「意欲と能力のある児童生徒への支援」について御意見いただければと思います。
【立澤委員】  2番の「意欲と能力のある児童生徒への支援」というところで、この作業部会も本日を含めて3回ということなので、そこまでは行かないのでしょうけれども、児童生徒への支援と書いてある割には、ほとんどSSHのことしかありません。小中に関しては全く出ていないというところがちょっと気になるなと思いました。今回はやむを得ないのかもしれないのですけれども、そうした場合、「児童生徒への支援」というタイトルがちょっとどうかなと思います。
【塚本主査】  「生徒への支援」としてはどうかということですね。
【助川人材政策課課長補佐】  今回発表いただいたのがSSH、GSCでありましたけれども、今のこのペーパーですと、児童に関わる話というのは教員に関する部分しかないというのが現状です。今後の課題としてはありますけれども、今までの調査、検討としては児童生徒というのは記載として正しくないかもしれません。また、ただ、高校生だけではなくて小中高の児童生徒を伸ばしていくにはどうすればいいかということはまた更に御検討、御知見を賜れればと思います。
【塚本主査】  4番の「今後の検討課題」等に入ってきますね。ありがとうございます。
【飯澤委員】  今の話に関連して申し上げますと、本校、SSH校の発表を前回させていただいたわけなのですけれども、その中で京都市立高校でありますので、小学校、中学校と学校がございまして、その連携事業という形で、探求の普及事業というのを行っております。もしも仮にSSH事業とあったとしても、重点枠という枠がありまして、その枠の中で、想定は恐らく高校間の連携ということを想定されている取組かもしれませんが、特に本校の場合は小中学校が近隣にあるということで、小中学校の普及事業を行っておりますので、SSH校にそういった縦の連携を深めていくということを求めていくということが可能なのかなと思っております。
 つまり、GSC事業が大学と高校とか、大学と小中高ということであれば、高校がまた主体的に取り組んでいくということも可能なのかなというふうに考えています。これは高校にとっても生徒募集とかにも関係しますので、かなりいい取組になる可能性が高いので、これやらなきゃいけないというマイナスな感じにはならないかなと思っています。
【助川人材政策課課長補佐】  少々その点、十分入っていなかったと思います。委員の前回の御発表の中の後段の方、高校生、中学生を指導・アドバイスというような中高の連携というのは、うまく今のところに入りきらなかったのですけれども、やはり高大、あるいはその先というだけの連携ではなくて、もっとシームレスな、小中高を通じた、小中高大、一貫した人材育成というものが必要かなというふうに考えております。この辺りは、御意見を踏まえまして書き方を考えたいと思います。
【長谷川委員】  御説明を伺ったのですけれども、児童生徒を育成すると同時に、私としてはそれを指導する教員をいかに育成するかという論点も必要なんじゃないかなと考えております。例えば、現行の学習指導要領で言語活動や各教科等における探求的な学習活動等を重視するとありますけれども、現実にこれがうまくいっていない。その結果、ドクターを持った人材を活用しようなんていう話も出てきているわけですよね。人材育成を中長期的な視野で考えるのであるならば、教員をいかに育成していくかという観点も必要なのかなと思います。
【隅田委員】  さっきのSSH校が中学校、小学校と連携するということと、教員養成に関することで、1つずつよろしいですか。
 それに関してはグローバルサイエンスキャンパスが事例として出ているのですが、その前身になりますでしょうか、未来の科学者養成講座というのをされていまして、グローバルサイエンスキャンパスの採択校は重なる大学が多いです。そこの実績がまず小中高でした。小学校も多少含まれていた。筑波の子供もそうだったです。また、それが分かれたときに次世代科学者育成プログラムというのも、今、中学生を対象にしています。こちらも採択校は少ないのですが、非常に応募も増えていまして、それも大学だけではなくて、企業とか高専とかも中学生の才能を伸ばすということに興味を持って提案してくれています。縦の実績だと、そういうことも触れてもいいのではないかというのがあります。
 あと、教員に関しましては、私も自分のプレゼンのときに言ったのですが、これは、今書いている文言にちょっと付け加えたいというか、国や大学等の機関が、学会とか何とか協会というところとがもっと教育に関わる、非常に重要な時期なんじゃないかなと思います。学会が法人化もしましたし。あと、教員の指導力の向上だけを言ったら、やはり御負担が増えるだけになってしまうのですね。例えば、研修機会をきちんと整備して拡充するとか、できればこういう取組に関わって先端的なことをしてくださっている先生は、やはり給与面とか予算面とか、そういう環境をきちんと整備してあげるというようなものもあっていいのではないかというふうに思います。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 コメントありますか。
【助川人材政策課課長補佐】  どのようにしていくか検討していきたいと思います。
【塚本主査】  隅田先生、いろいろ国際比較をなさっておられると思うのですが、SSH校とかJSTがなさっていること等が、ほかの国でやっているものとに比べてここがいいとか、ここが足りないとか、そういうのがございましたら教えていただけますか。
【隅田委員】  それについて言うと、2点ぐらい考えることがあって、SSHは、現在203校ですかね。増えているのですけど、規模として考えると、割合としてはまだ4%ぐらいで、しかもその学校内の全部が関わっているわけじゃなかったりしますから、実はまだまだ少ないのです。例えばアメリカの才能教育等の例と比べると。例えば、2つ目の話になりますと、高大接続の充実についてももうちょっと書いていいのではないかと思っています。アメリカのAPプログラムのようなものでいくと、これは、この50年ぐらいで受講生が物すごい割合で増えているわけです。そんなのを踏まえると、日本ではもっときちんと高大接続を制度化するというか、このSSHがやった十何年の経験があるからできるようなことはあるのではないかと思います。
 ちょっと調べてみましたら、APのバイオロジーなんかだと、去年、2013年のデータだったか、取った男女別を見ると、女子生徒の方がたくさん取っていたりするようなのがあるのです。APケミストリー、化学は大体一緒で、やや男子生徒が多いぐらいでした。でも、APバイオロジーなんかは女子生徒の方が多かったりします。また、高校の1、2、3年生だけじゃなくて中学3年生に当たるような9学年の子がもうAP受けたりしています。ですから、そう考えると、やはり少なくとも中学校も含めてこういう議論はした方がいいのではないかということと、あと、その才能がありそうで、やっと大学に入っても、そこからどうかっていう、それを更に卓越した人にするためにはもうちょっと長い支援が要るので、大学だけじゃなくて、大学院とか、そのちょっと先、若手研究者ぐらいのところまでも踏まえてビジョンを作った方がいいかもしれません。
【塚本主査】  ありがとうございます。
【隅田委員】  あとは、さっきのでいくと、SSHも大分、10年たって認知されてきましたが、このグローバルサイエンスキャンパスとかは人数も絞っている分、広報がちょっと弱いと思うのです。もっと、どういうことをやっているか。せっかくすごい予算も入って、大きな取組なので、広報のやり方をもっと考えるとか、あと、最後の「今後の検討課題」でJSTが科学教育関連の研究機関のネットワークを作るといったときに、やはり国際ネットワークにしておいていただきたいということです。国内でやっている人で同じようなことだけで集まるのではなくて、こういうときに国際的なネットワークにするというようなのが大事かなと。国際基準で考えることができるということです。
 以上です。
【塚本主査】  ありがとうございます。
【千葉主査代理】  私も隅田先生の意見に賛成で、スーパーサイエンスハイスクールの評価というものが今の中教審の議論にありますように、高大連携の物すごくいい実践例であると思います。実際にはなかなかアクティブラーニングというのが高校では実現できていないという状況の中、すごくいいアクティブラーニングをやっているということで、本当にアクティブラーニングを広げていくのであれば、スーパーサイエンスハイスクールというものを今もアピールしているのですけれども、採択されていないようなところにも、ちゃんとその手法を説明して、それが非常にアクティブラーニングとしてうまく働いているということを伝えるということが必要だと思います。なお、更にもっと増やしてもいいというくらいの気持ちで。日本がもしもそういう方向に進んでいくなら、まさにいい触媒となり得るので、物すごく価値があることを今やっていると思います。もう、これなしにはなかなかアクティブラーニングを本当に浸透させることは困難ではないのかなというふうには思います。
 だから、もっと自信を持って、これが効果があるのかどうか一生懸命調べなければならないなんて言う前に、大変効果あるのですから、もっと広くこういうものを、例えば課題研究みたいなアクティブラーニングのことを普通の高校でもやってもらうというような方向にスーパーサイエンスというのを活用するというのがまず重要なことだと思います。また、高大接続では、アクティブラーニングで成果を出せる生徒を大学が評価し、大学に入学させるということが大切です。今までのような画一テストではなく、その辺を大学の方もちゃんと変わっていく必要があると思います。もちろん既に変わってきているところはあるのですが、一般的な高校の先生と話すと、やっぱりセンター試験とかそういうところで点数取らなきゃ駄目だから、余り課題研究ばっかりやらせていてはいけない、というような意見がまだまだすごく多くて、でも、それは大学のせいでもあると思うので、そこのところをしっかりと大学の方も変わって、そういう能力を持っている人を高く評価、多面的に評価するというふうな、うまいモデルをちゃんと作って、高大接続を実質的なものにするというような取組というのがますます必要になっているのかなというふうに思います。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 宮浦先生、いかがですか。
【宮浦委員】  ありがとうございます。
 非常にきれいにまとめていただいているのですけれども、事例報告をお伺いしていないので申し訳ないのですけれども、SSHは、今、御指摘のように、かなりやっているとはいっても、ようやく200校ということで、こういう調査があるかどうか分からないのですけれども、全国の理系大学に入学した学生のうち、SSHを経験した新入生がどれぐらいいるかっていうと、まだすごく少ないのではないでしょうか。数字は把握できていないのですけれども、ごく一部だろうと思います。それを考えますと、やはり普及あるいは定着という時期が必ず必要なんじゃないかなと思います。
 なかなか高校単位でやっていると、それをクロスして参加することは基本的にはできないわけですね。A高校とB高校で、A高校がやっていて、B高校の生徒が参加したくても基本参加できないわけですよね。そういう点ではグローバルサイエンスキャンパスで、大学側がやれば別にどちらからでも高校生は自由参加できるという面ではいいのですけれども、SSHも、可能かどうかは分からないのですけれども、やっている、あるいは実施機構同士がある程度普及定着のためにつながれるようなシステムがあれば、こういう事例が、こういうことはよかった、これは検討事項として残ったというようなことを地域ごとに、地域といっても関東とか少し広めでもいいのですけど、情報共有して、やったところはそれを生かして自らやっていただいて、やっていないところがやるような普及型への広がりがあってもいいのかなと、個人的にはそう思います。
 あとは、グローバルサイエンスキャンパスにつきましては大学側がやるわけですけれども、いろいろな事業が動きますので、やはり先ほども御意見がありましたように、教員の負担がどんどん大きくなっていくということもありますから、その手当も含めた形で考えていかないとなかなか難しいのかなと思います。そのあたりは制度設計ですので、大学側がやった場合は、どこの高校からも参加いただけるという面では良いのかなと思います。
 あと、リケジョの女子中高生理系進路選択授業の方は、ここ2年ぐらい関わらせていただいているのですけれども、これは予算規模は小さいのですけれども、全国から手を挙げていただいておりまして、やってもらいたいところでも採択できない状態になっています。もっともっとやってほしいのにというところですが、一応、順位付ける状況になっていることを考えると、非常に費用対効果がいい事業だなと思っております。
【塚本主査】  やればやるだけ効果が出ているということですね。
【宮浦委員】  はい。大規模大学から、単科大学規模まで積極的に手を挙げていただいています。
 先ほど御指摘のように、まだ工学系1割っていう実態はあるのですけれども、先ほどお話にありましたように、出向いてやるというのは結構いいという話になっています。呼んで大学に来てもらうパターンですと、もう既に理系かなとほぼ決めているような生徒さんが来ている割合が意外といるのではないかという話はよく出て、本当に迷っていてよく分からないという、むしろ文系だろうと考えていた生徒さんが、面白いということで変えるっていうイメージを考えると、高校の方にお邪魔するパターンの方がいいのではないかという議論はよく出るのですね。そうすると、要するに参加型よりも、出前授業みたいなイメージなのですけれども、そちらの方が、どうかなと迷っていた生徒さんにアピールできるというのはよく聞く話ですので、そういうのが混ざるような。まあ、今でも高大接続とか高大連携とか出前授業とか、実際動いてはいるわけなのですが、それを意識するのが必要かなと思います。そこを少し強調していただいてもいいのかなと思います。
 SSHも、理系女子も、とても実績が高いところと、余りやっていないところっていうのが全国に散らばっているように思いますので、実績の高いところのノウハウが、やっていないところに伝わるというか、情報提供とか、やる気になるというか、一緒にやるぐらいの雰囲気でできるような方向があるといいのかなと思います。恐らく、すごく一生懸命やっていらっしゃるSSHでも、余りやらないお子さんもいらっしゃるだろうと思います。大学側もそれは同じでして、人材育成を一生懸命やる大学と、ちょっと大変だからとあまり手を挙げない大学があると思いますし、リケジョの事業も、本当に毎年手を挙げていただける大学と、余り出てこないところがあります。その格差をどうやって是正するか。生徒さんは恐らくそういうのを知らずに中学から高校に上がるのだと思いますので、ある程度、機会均等に近いようなことも考えないと、事業を取ってやっているところはすごく盛り上がっているのですけど、ほかは全然知らない、「そういうのがあったの?」っていうようなことが全国に散在しているような気もします。普及定着ということも重要じゃないかなと思います。
【塚本主査】  どうもありがとうございます。
 2から、3に移行しているところですが、リケジョの方に行ってもいいでしょうか。それとももう少しSSHとかグローバルサイエンスキャンパスの御議論を続けますか。
【飯澤委員】  では、ちょっと失礼します。今のお話で言うと、先ほどもちょっと出ました普及用の重点枠みたいなのがありまして、地域連携とかいうので、非SSH校とも連携できる事業というのがあります。それが今、枠が年間に5校ぐらい指定されているような状況ですので、少しずつその動きになっているのかなというふうには思います。
 2点ございまして、評価の話はちょっとおいておきまして、評価はなかなか難しいということもあるのですが、課題研究の際によく言われるのが、課題を生徒が設定するのか、こちらが与えるのかというのが結構重要な問題であります。特に本校では課題は生徒が考えるというふうにやっているのですけれども、その部分の、SSHにもいろいろな多様性がある中で、課題設定からやらせると、いわゆるコンテストで賞を取れるような研究にならない場合もあるわけなのです。ただ、生徒は、仮説も自分で考えたりするわけですから、頭を使う機会は増えるというようなタイプが本校のタイプです。あとは、どちらかというとテーマを与えてもらってがちがちにやっていくタイプもあります。それはそれでスペシャリスト養成的なこともあるのかなということで、その幾つかの多様性が進む中で、評価を一元的にやられるとなると、特色が見えづらくなってしまうなというのがちょっと気になっているところでありまして、多様な方向に行くのを、その多様性を担保しつつ評価するというような言い方にしていただくと、大変いいかなと、有り難いかなと思います。
 あともう1個、これは特に科学技術系人材ということで言いますと、生徒を見ていてもそうなのですが、研究は結構ちゃんとやるのですが、イントロダクションが書けないという子が結構多いです。つまり、すごくしっかり研究するのだけれども、人に聞いてもらえるような枕を作れないというのでしょうか。これは、海外の生徒との発表会で聞いていますと、研究の質というか、実験のクオリティーとしては、実は日本の生徒の方が上だったりするのですが、アピールで負けるのです。アピールできればいいというものでも必ずしもないとは思うのですが、ただ、今後、国際的な学会発表をする、英語で論文を発表するというような、いわゆる成果公開というか、そういう態度というのと同時に、イントロダクションをしっかり書かせていくというものも重要だと思います。そのためには何かというと、社会への関心であるとか、実はやっている分野そのものではなくて、業界のニーズであるとか、そういった問題にもちゃんと意識を向けるようなことをしないと、恐らくアピーリングなイントロダクションは書けないのではないかなと思っていまして、そういったことも、社会に対して少し目を向けたような人材というのも大事ということを入れていただければよいのかなというように思います。
【宮浦委員】  背景がアピールできるかという点は、課題を与えるか、あるいは課題を自分で探してやってもらうかに限らず、その場になってその背景だけを調査するよりも、例えばアメリカのシステムなんかは日常的にディベートで、常にそういう教育がされているというのでしょうか。理系に限らず。
【飯澤委員】  はい、そう思います。
【宮浦委員】  そういう背景もあるのかなと思うのですけれども。
【飯澤委員】  その研究をなぜするのかというあたりですね。目的意識みたいなものを常に自分に問うていく、それは本当に科学教育に限らず大事なことだと思うのですが、恐らくその意識というのは科学的な人材育成においても恐らくすごく重要だろうなというのはございます。
 例えば、論文とかが読めると、論文のイントロというのを数多く読んでいれば、その雰囲気というのが分かると思うのですが、以前も申し上げましたとおり、論文はなかなか生徒はアクセスできないという問題がありますので、プロの問題意識とか、問題意識の作り方というのですか、実際やったことをどうやって世の中に普遍的な課題にしているか、問題意識にしているかというところを読み取るようなことができるといいのですが、というふうには思っています。
【塚本主査】  ありがとうございました。
 今おっしゃっていたのは、ちょうど1ページ目の34行目ぐらいにあるような、我が国の子供たちについては、自分の考えを述べることについての課題があるということですね。これは子供だけの課題ではなく、会社でも、レポートを作ると、日本人の私たちが作るやつはすごく謙虚になってしまいます。オーストラリア人の同僚は、小さいことでも大きく書いてくるので、針小棒大力において鍛え方が違うので、多少大風呂敷のようなことがあってもいいのではないかと思いながら伺っていました。
【長谷川委員】  SSHであったり、グローバルサイエンスキャンパスであったり、要するにトップレベルを育てるのにはいい施策なのかなというふうには思っています。ただ、今回の論点として、裾野をいかにして広げるかという部分がちょっと欠落しているのかなというふうに思っています。確かにグローバルサイエンスキャンパスとかは個が参加できる。だから地方部にいても参加できるわけですよね。例えば、サイエンスリーダーズキャンプにおいても全く同じだと思うのです。ただ、それに参加する人たちをいかに増やしていくかということも一つの課題なのかなと思っています。
 そうなってくると、先ほど宮浦委員の方から機会均等的な御意見もあったかと思うのですけれども、それをいかに国中に機会均等という形で提供していくかという観点も議論する必要はあるのかなと思います。
【立澤委員】  先ほどもちょっと言いましたけど、SSHは確かにいいかと思うのですけど、東京都で言えば都立二百数十校のうち5校ですね。こちらのもう1個の女子中高生の理系進路選択支援に関しても、キャパを考えれば、ほんのごく一部の生徒が参加するのみで、私、校長を10年やっていますけど、参加した生徒は2名しかいないのです。それも朝礼で言って、宣伝して、やっと行ったという感じで、そう考えると、この2つしか出ていないというのは何かごく一部のことだけであって、根本に入っていないのではないかなと思います。
 それから、課題研究って出ていますけど、実際、小中高ではほとんどやっていません。高校で理科課題研究という学習指導要領にありますけれども、実態としてはほとんどやられていないですよね。そういう中でSSHはやっているかもしれないですけど、かなりの進学校に当たっても、課題研究的なことをほとんどやっていない状況というのが、やはり次世代の理系人材を育てるということで大きな課題ではないかなと思います。
 また、小中高と行くに従って、理科好きが減ってくるという実態を考えれば、小中のところでどうしていくか、一部の生徒を参加させるというだけじゃなくて、全ての学校でこんなようなとか、そういう方針がないと根本的にはほとんど改善されていかない、と言っては言い過ぎかもしれませんけれども、思っております。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 裾野を広げるのも、こっちの4番に入ってきますか。
【助川人材政策課課長補佐】  そうですね。トップレベルを伸ばすというものと裾野の拡大というもののうち、まず裾野の拡大については、これまでは特に女子というのを行ってまいりましたので、今、このペーパー上はそうなのですが、科学技術人材育成という観点からは、裾野は女子だけでもないですので、課題は今後検討していく必要があるかなとは思っております。
 あと、ちょっとまた別件よろしいでしょうか。今、頂いたものの中で現状だけ1点フォローさせていただければと思います。
 SSH等のノウハウだとか、そういうのは、これまで長くやっている学校もありますので、もう13年間、14年間ずっとやり続けているところもございますので、そういった知見というか、実践的な知見をいかにして展開していくかというのは極めて重要なことだと思っておりまして、先ほど飯澤委員がおっしゃったような重点枠というのもあり、それを活用して展開しているところもあります。あと、また、そこまで大きいものではないのですが、交流会支援のようなものもJSTはやっておりまして、その取組もまちまちなのですが、例えば、平成26年の3月、一昨年度になるのですが、近畿地方を中心としたSSH校を中心として、「高大接続を踏まえた科学技術系人材育成のためのスーパーサイエンスハイスクール事業の在り方について」という提言をまとめられております。例えば、課題研究をするに当たって、課題設定はどういうふうにやっていくのがいいのかとか、研究成果の発表の仕方をどういうふうにしていったらいいのか、あるいは企業の連携はどういうふうにしていったらいいかという報告書を打ち出したもので、こういうものはSSH校に限らず、他の学校も含めて活用いただけるのかなとは思っております。こういうものも幾つかのSSH校が連携して作られたということだけ御紹介させていただきたいと思います。
【塚本主査】  ありがとうございます。
【隅田委員】  2つあります。1つは、SSHのことで、さっきの裾野の方、これも大事なのですが、10年やって、もう今、200校あるわけですから、何かそこから、もう少し更に突き抜けた学校があってもいいと思います。スーパーの上というと何なのでしょうかね。ウルトラなのか、スーパーSSHなのか分からないのですが。例えば、これ、コンテストとか出ていますけど、もっと学会発表でもいいし、特許を取った子を出すような学校であったりとか、あるいは近隣の、まさに工業高校とか工業大学と、あるいは農業が強いところとか、企業とかと連携しながら、まさにその学校のために引っ越してきたりとか、あるいは海外の子がわざわざ日本に来て、その学校に行きたいと思うような、何かすごい事例が幾つかあってもいいのではないかという気もします。何となく同じようなのが増えてきたのではないかという気もするので、そういう、更に突き抜けたのがあっていいのではないかというのが1つです。
 それと、普及に関していくと、やはり学校なので、さっきのと重なるのですが、地域になりがちなのです。高校ですべきなのか、あるいはJSTのような機関がするべきなのか、何か拠点的な科学教育をやっている大学がすべきか分からないのですが、そういうノウハウのディスタンスラーニングというか、ICTとかを使って遠隔で学べるようなシステムを作るっていうのは普及の上で非常に重要じゃないかと思います。そこが余りされていないし、書かれていないのではないかと思います。このノウハウを全部同じようにする必要はなくて、別に、自分のペースで、自分なりに家で、あるいは離れた地域の子ができるようなプログラムをどんどん配信するとか発信するというのは重要なことなのではないかと思います。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 グッドプラクティスの共有とか、いろいろなところに全部使える話ですよね。
 そろそろ3の方に移っていいでしょうか。
【千葉主査代理】  ちょっとだけよろしいでしょうか。
【塚本主査】  はい、どうぞ。
【千葉主査代理】  スーパーサイエンスハイスクールでも、やはりまだ、課題研究に対する指導に自信がない先生方もいらっしゃって、SSH以外の高校でもすごくそういう問題がありますので、やはりそういうところに、中高の事情をよく分かっていて、なおかつ、そういう先端的なことをやった経験があるような技術者や、若しくは退職した人に行っていただくのがよいのではないかと思います。そのまま行かせるのではなく、そういう方々にも中学・高校現場を理解いただくための再教育をすることが必要です。中学とか高校とかの状況をよく理解して、生徒がどういうふうに評価されるのか、現場としてどういうことを評価しようとしているのかや、例えば教え込むようなことではなく、子供らの気付きを大切にして、そして伸ばすということをしていただきたい。先ほど、テーマがあって、一部のテーマを選んでしまうと駄目だっていうのはあるのだけれども、ある意味、どんなテーマでも真理にはつながっているので、目利きがちゃんと見れば、そこでディスカッションして、あたかも生徒が気付いたかのようにうまくやっていけば、小さなテーマでもすごいテーマになる可能性があると思います。だけど、それはなかなか、誰でもそんなことができるというわけではなく、やはりそれなりの能力がある人が、そういう指向性のある子に、ある程度マンツーマン的にやってあげなければならないというのがあるので、そういう、何か、年とって暇な人をもう一遍教育し直して、派遣してと、そういうふうな事業があってもいいのではないかなと思うのです。
 そういう人をどうやって教育し直すのかについては、ちゃんと現場の先生とうまくやっていかなければならないので、そういうふうな企画というのが必要だし、それは必ずしもSSHだけに派遣するのではなく、そういう意欲のある、SSHは出せないけれどもすごい子が1人いるので、その子は是非育てたいみたいな現場の先生のリクエストに応じて、何かちょっとスポット的に参加するようなこともいいと思います。べったり行く必要はないので、時々、1か月に2回ぐらいちょっと行って話してあげるみたいな形で、その上で何か成果が出たなら生徒を評価してあげて褒めてあげるみたいな、その評価方法がまた重要になってくると思うのですけれども。
 いろいろなコンクールの生徒の研究作品への評価方法は必ずしも、おっしゃったように完璧ではなく、優秀な生徒作品を全部採択しているわけではないのです。先端分野の研究においても「おお、こんなの初めて聞いたわ」みたいなびっくりするみたいな内容じゃなくても、ちゃんときっちり研究をやったら、中級のジャーナルぐらい通るというような研究成果もたくさんあるわけですよね。そこで自由研究の分野においても、コンテストは落ちたけれども、しっかりと観察・実験した作品もちゃんと拾うようなコンテストを作ってあげることが必要であると思います。そして、そのコンテストでは教育的なレビュアーをとしっかりそろえて、そういう子をちゃんと評価してあげて、ちゃんと褒めてあげて、自信を付けてあげて、そういう道に行くようにしてあげるというふうな、装置を作るのが非常に重要なんじゃないかなと思います。
【宮浦委員】  今、御指摘の点は本当に同感でして、高大接続を、接続する人を作らないと、接続するシステムをいろいろ構築しても結局は高校側から人がやる、あるいは大学側から人がやるということで、今、お話になったのは、接続のその接続部分の専門家をやはり配置して、必要なときだけ現場の先生をサポートできるようにしたら良いと思います。その接続が、どうも高大接続というと両方から人が出てきて、あるいはシステムでというふうに考えがちなのですが、人が接続するっていう意味では非常にいいですよね。そうすると、別に複数のところを見ていただくとか、そういう意識で再教育をされた方とか、いろいろなジェネレーションがいてもいいと思うのです、そういう接続する人を作るっていう予算が可能なのかどうか分からないですけれども、そういうことができれば全国規模で北海道でやっていた方が、次に関西でやってもいいと思います。何かそういうのって難しいのでしょうか。やればできそうな気がしますけれども。
【飯澤委員】  よろしいですか。これがちゃんと3につながるようにうまくまとめます。
【塚本主査】  ありがとうございます。
【飯澤委員】  実は、キャリア教育に関してはキャリア教育コーディネーターというのが経産省の事業でありまして、学校教員というのはなかなか企業の方と連絡を取って、こういうことをしてほしいということを伝えたりですとかが苦手なのです。そこで、学校側のニーズをくみとって、そして相手とつなげてくれるというコーディネーターの方がいらして、すごく助かったのです。それと同じような形で、要は理科のコーディネートではなくて理科教育のコーディネーターというのでしょうか、そういう話を生徒に聞かせたいのだというときに、じゃあ、どこどこの先生がこういうのは得意そうだとか、分野がぼんやりしていた場合にもちゃんと中で分野の目利きというか、そういうのが選べるような方というのが恐らくよいのではないかなと思います。
 それはキャリア教育で言いますと、恐らく女子生徒に関しても同じことが言えて、例えば本校でも話題になるのが、こういう話を聞かせたいのだけれども、特に女子生徒がこういうところに進学したいというときに、当てがないわけです。そういうときに何とか、あるいはそういうリケジョ系プロジェクトについても造詣が深くて、この大学はリケジョプロジェクトをやっているから、そこに行ったらどうかということをコーディネートできるような人というのは恐らくすごく大事なんじゃないかなと思います。全くおっしゃるとおりだと思います。
【塚本主査】  そういう事業等はあり得ますか。
【助川人材政策課課長補佐】  具体的にどんな人材を念頭に置いておられますでしょうか。どんな人材、あるいはどんな資質というか。
【塚本主査】  御経験ですとか。
【飯澤委員】  まず、あるぼんやりとした話を聞いて分野が特定できなきゃいけないので、ある程度科学の方に造詣が深くないといけないと思います。かつ、研究経験がしっかりあるということよりは、どちらかというと分野があるかということが分かること、あとは生徒の実態を分かっていないといけないと思います。
【宮浦委員】  恐らくサイエンス教育コーディネーターみたいなイメージで、サイエンスの教育をコーディネートしていく人材かと思います。大学が必要なときは、こういう必要性に応じてコンタクトをとるとか、何かこういうことをしたいと、こういう希望の生徒が1人でも2人でもいたら、その目的に合わせて大学なり研究所なり、どこかにアクセスする、そのアレンジをするという。
【飯澤委員】  はい。アレンジというのが適切なのかもしれません。
【宮浦委員】  コーディネートをする。もちろん一応、内容は理解できて、何をしたいかが分かって、そのためには現場の先生は何を考えていて、生徒が何をしたいかを念頭に相手を探してきているとか、そういうことですね。
【飯澤委員】  そういうような人材だと思います。なので、どういったと言われるとなかなか難しいのですが、業務内容は思い付くのですが、どういった方をと言われると、なかなか難しい。
【千葉主査代理】  その能力に加えて、やはり中高生を、その人自身もちゃんと指導できるという方がいいと思います。自分の研究開発した力を持って、自分ができるならばじかにやってあげるみたいなぐらいの能力がある程度ある人がいいですよね。
【飯澤委員】  はい。学校に、常にではなくていいのですけれども、ある程度の頻度でそういう方がいると、教員研修にも自動的になるというのが恐らく非常に効果が高くて、理科の授業に例えばそういう人に入ってもらって、少し生徒のモチベーションを上げる話をしたいのだけどというときに、物理のこの分野だったら半導体のこういう開発が熱いので、その話をじゃあちょっとしましょうかとか、自分でしたり、また、人を引っ張ってこられるような人っていうのでしょうか。そういう方がいてくれると、それは教員にとっても、恐らく教員研修というのはもちろん時間を取ってというのはあるのですけれども、自分の授業の中でしゃべってもらうというのが一番効果的だと思います。どうしても絶対聞きますので、次に使おうと思いますので、これは非常にいい研修になりますから、直接やはり授業に入っていただけたらというのも重要かなというふうに思います。
【助川人材政策課課長補佐】  少々違うのかもしれないのですが、第1回の私どもの行政説明資料の21ページ目のとおり、平成27年度、つまり、今年度から、それまでの幾つかあった事業を再編していて、これは中学校、高校両方なのですが、「中高生の科学研究活動推進プログラム」というものを始めるところです。例えばこちら、教育委員会と大学が連携してと書いてありますけれども、中学・高校が点として行うプログラムではなくて、もうちょっと面として大学等と連携して、課題研究をやっていきましょうと。そのときに面として、教員の指導力の向上及び生徒の課題研究を進めていきましょうというのを今年度から始めるところです。そのとき、例えば指導の相談の窓口のようなものも構築するとか、27年度から始まるプログラムなので実践も見ていきたいと思いますが、今までの議論を受けたお答えになっていないのかもしれないのですが、これの進め具合もまた見ていきたいと思っております。
 これは中学、高校両方を対象にするものとしているところです。ただ、現在は、課題研究、実際に生徒に研究をやってもらうといったときに、どちらかというと高校の方が手が挙がりやすいという状況もあるので、中学校よりも高校の方が応募は多いのかもしれないですけれども、中学校、高校両方を対象として行っていくプログラムでございます。
【塚本主査】  イメージ、大体合っていますでしょうか。
【助川人材政策課課長補佐】  コーディネーターのようなものが入っているわけでは全然ないので。
【塚本主査】  目指している方向は何となく同じようにも思えます。
【助川人材政策課課長補佐】  私が今申し上げたプログラムは、コーディネーターのような人材に着目したプログラムではないものなので、今、皆様方がおっしゃったような話とはちょっと違うのかもしれないのですが、御紹介までに。
【塚本主査】  ありがとうございます。
【隅田委員】  1つだけ、では短く。先ほどのような取組は、教育センターってあるじゃないですか。あれが前は理科教育のセンターがたくさんあった時期があるのです。そういうものがあった頃は、そういうところがある程度、地域にも関わり、学校にも関わり、大学とも連携するようなことができた可能性がありますが、今はもう数が減ってしまっているので、それは残念なことです。私が発表したときはそういうものもあって、やはり拠点の研究センターみたいなのがあると、そこが就職先であり、人材を育てる先になって、そういうコーディネーターのような人や、あるいは内容に詳しい、事業に詳しい人が、ある程度チームとしてそういう取組ができるようになり、またデータを蓄積することもできますので、そういうのを作った方がいいのではないかなと思いました。そうしないと、これは教育センターが応募してやるので、もちろんこれで取組が進んで、実績となるのはいいのですが、恐らく関わっている先生がもういっぱいいっぱいになりかねないので、やはりそういう部署を作る何か支援があればいいんじゃないかなという気がいたします。
 あるいは、行政の中に1つ、理科の特別部署を、県教委の中に理科だけ特別で何かできるぐらいの部署などがあると、本当はいいかもしれません。あるいは、シンガポールだったと思うのですが、文科省の中に才能教育のオフィスがありまして、アメリカもありますが、そういう部署など一つ何かあるとまたいいのかもしれません。
【飯澤委員】  今の御発言は、本当にそのとおりですと言いたくて、実はこういうものに申請書を書く人がいないのです。現場も教育委員会も通常の教育活動はもちろん、行事・イベントの準備やその前後の書類下記、あるいは保護者のクレームとかに追われているのが現状です。それは大学も同じように、業務に追われているというのがあると思いますが、大学の先生はやはり研究費を取るという意識もあるのです。ただし、なかなか高校の教員はそういう意識がないので、こういうところに目が行かないとか、そういう外部との連携にもなかなか目が行きづらいというところもありますので、是非そういったことをやっていただきたい。学校で1人とかいう必要は全くなくて、多分、行政、委員会が何人かそういう方を補助などで選んでいただいて、その方々が学校を回ってきて、コーディネートをするというのが恐らく理想的な形なのではないかと思います。
【塚本主査】  いよいよ3に行っていいでしょうか。それでは、先ほど宮浦委員から少しお話をいただいた女子の理系への興味の喚起のところなのですが、御意見、御質問、御要望等ございましたらお願いいたします。
 先ほど出前というか、実際出向く形式の方がまだ理系かどうか決めている人ではないところまで注目を集められるというお話があったと思うのですが、いかがでしょうか。
【宮浦委員】  出前でできることって、限られるのですよね。話をすることはできるのですが、体験実験とか余りやれないのです。体験実験には来てほしいのですが、やはり採択大学の中の幾つかは積極的に外に行こうとしているところもあります。ただ、出前講義は話をする方になりがちなので、実際にやってみるっていうことを体験していただくにはやはり来てほしいというのがありますね。
【塚本主査】  最初に幅広く、見込み客というか、大きく注意をひくところを出前で集めていただいて、その後少し減ってくるのですが実際に来てもらい、それで最後、入っていただくというような段階かもしれないですね。
【宮浦委員】  あと、この事業はやはり国際女性教育会館とか、すごくノウハウを蓄積していて高い評価を受けているところと、初めてやるところがもう混在していますので、アドバンスのものと普及定着に近いのですけれども。初めて手を挙げてもやってみることができるという、2種類あってもいいのかなという気はしています。
【塚本主査】  いかがですか。
【千葉主査代理】  やはり自信がない、そういう科学に触れる経験もなかなかなくて、自分が本当にそういうことが好きかどうかということが分からないというような女子生徒というのはたくさんいると思います。いろいろ既に実施はされているところだと思うのですけれども、何かそれをエンカレッジするような形でそういう指向性を持った女子を気付かせてあげるみたいなことができたらすごくいいのかなと思います。
【長谷川委員】  私、高校の教員なのですが、このレポートの中に「理数系教科への自信のなさ」というふうな文言がありますけれども、これ、いつ始まったのかというのが気になります。大学の先生は高校に原因があるのではないかとおっしゃるのですが、高校の教員から言わせると、もっと、小中の時代にあるのかなと思います。立澤委員には非常に失礼なのですが、何がそうさせているかというと、この会の最初のときに話をしたと思うのですが、小学校で理科や数学を、言葉が過ぎるかもしれませんけれども、きちんと教えられる先生が少ないのではないかというふうに思っています。高校のときの文系・理系は関係ないのですが、事実、理科を教えるのが苦手だという教員が極めて多い。そういったことに対応するために、多分、今もあるかもしれませんけれども、例えばコアサイエンスティーチャーだとか、そういった施策をやっていたのではないかなと思っています。ただ、それが実際に機能しているかどうかと考えたときに、どうやらそうではなさそうだと。だからまた新しい視点で小学校の先生の理数教育の向上を図っていく必要があるだろうと。そのためにはということで、今、盛んに高大の連携というお話が出ていますけれども、それをもう少し下に伸ばして、小中であったり、小中高であったり、そういった連携を一つ構築しなくちゃならないのかなと思っています。
 実は、私、行政にいたときにそういったことが分かりましたので、ある高校に、今SSH校なのですが、小学校の先生の研修をやってくれないかということでお願いをしました。幸い、その市の教育委員会が非常に積極的でして、今現在も活発にそれはなされていて、恐らく、その地域の理科の学力というのは非常に上がったのではないかなと思っています。
 そして、私、行政から戻ってある市の高校に着任したのですが、その市の教育委員会に同じことを頼みました。ところが、温度差があって、私が頼んだ市の教育委員会は全然動かない。そうなってくると、やっぱりどこかで、高い次元でこういった施策をやるんだよというような方向付けをしていかないと、なかなか市町村によっては動かない。冒頭にも申しましたけれども、一つ、政策としてそういったことを立ち上げていただけるといいのかなと思います。そのときの講師については、なかなか大学の先生は、あるいは民間の人をあえて要請するというわけにはいかないと思いますので、そのときには高校の教員が喜んで、特に夏休みであるならば時間的な余裕も取れますのでできるのではないかなと思っています。
 これに関しては、全ての学校の高校教員ができるとは限らないのですが、現に、例えばSSHの学校だとか、SGHの学校だとか、これは年間通して忙しいですので、そういったことをやっていない学校は幾つかありますので、これはある意味、教員の資質の向上にもつながってくるし、また、そこで高校生を一緒に連れていけば、リケジョが増えるということも考えられますので、そういったことも一つ考えたらよろしいのではないかなというふうに思っています。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 立澤先生、いかがですか。
【立澤委員】  先ほども言いましたけど、やはりその地区の教育委員会なりが一緒に動いてやらないと、各学校が実際に動かないと、多くの生徒に影響する施策っていうのは無理だと思います。SSHは非常にいいですけど、まだ全体に広がるまではいかないですし、そう考えたときに、先ほども出ましたけど、かつてあった科学教育センターとか、科学教室が重要だと思います。私がいる葛飾区はまだ理科大と連携した科学センターがあって、中学校だけでも100人を年間集めてやっています。でも、それでも各学校2名しか行けないので、私は自分の学校で科学塾を開いて、小中合わせて35人を教えています。そうでもしないとやはり多くの生徒に影響を与えることができない。ですから、できたら国なりJSTなりが、上の方をすくう事業も非常に重要ですけれども、各教育委員会に、動かなくちゃいけない、各学校もやらなくちゃいけないという施策を何かとれるといいかなとずっと思っております。
 昨年、本区で葛飾区科学コンテストというのを教育長の強い思いで始めました。そうしたところ、各学校で、例えば中学校で言いますと、先ほど課題研究やっていないという話をしましたが、夏休みの自由研究をほとんどの学校がやっていなかったのです。でも、そこに出すのには何かやらせないと応募できないぞということで、各学校、一気に夏休みの自由研究が復活しました。そうしたら、今まで教えていないので、教員が教えられないのです。現場では自由研究、課題研究に対しては少し遅れています。かつては確かにあったのですが、忙しくて見てられない、やってられないっていうところから。だから、もし教育委員会が動くような施策的なものが何か打ち出せたらいいかなと思っています。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 ほかに何かございますか。
【隅田委員】  先ほどの、自由研究をもっとどんどんやって、それを支援したらいいのではないかというのは、私も発表のときに言いまして、それはやっぱり地域とかでやったらいいと思います。場合によっては、女性のだったら、女性だけの大会があったっていいと思います。それでどんどんやって、賞取ったら、幼いときに賞を取ったらやっぱり自分は能力あるんじゃないかと思うと思いますし、それがきっかけでやるような子は多いと思います。
 それと、あと、女性に関して、今は、科学技術系というのもありますが、基本的には理系の人が、議論されていると思います。そうではない分野で女性の卓越した人を輩出しているような分野の人もちょっと交えて議論をするとか、例えば、今朝見ていたサッカーだったら、女性はワールドカップで決勝行くわけじゃないですか。卓球とかだって強いし、音楽だってすごく世界的な人はたくさんいるわけですよね。そういうほかの分野で女性の卓越者を輩出しているような分野の人も交えて議論すると、もうちょっと違う議論が出てくるのではないかなという気はします。
【塚本主査】  さっきおっしゃった女子向けの大会の話なのですが、たまたまホワイトハウスのSTEM人材のページを見ていたら、ホワイトハウスの中で、女子中学生・高校生が、デモブースを作って発表しているというイベントの紹介がありました。オバマ大統領が順番に回っていくのですが、PCのゲームの前にいたちょっと小さめの子に「君はゲームやってるの?」と聞くと、「私が作ったの」みたいな答えが返ってくるシーンが動画になっていました。関心を高めるという点では意味があると思います。
【隅田委員】  SSHでどこかの女子校か何かが、女子だけの発表会をやった事例はあったのではないかなと思います。ちょっと名前までは覚えていないのですが。
【塚本主査】  首相官邸でやるともっといいのではないですか。
【隅田委員】  はい。そういうのをどんどんやったらいいと思います。自由研究大会でもですね。
【塚本主査】  そうですよね。
【飯澤委員】  大変ばかげたアイデアのように思われるかもしれませんが、これはばかにならない効果があります。結局、小さい頃に影響を受けるのって何が大きいかというと、学校もそうなのですが、本とか、あとは、漫画とかも含めて、そういった影響ってかなり大きいのです。例えばサッカーを今やっている、ちょっともう引退したような年代っていうのは、あるサッカー漫画に影響を受けて始めたりとか、テニスもあるテニスの漫画で始めています。つまり、日本のスポーツ人口を左右する影響力を持っているのです。例えば、化学、生物って、確かに本校でもすごい女子の割合が高いのです。なので、数学、物理がどうも少ないなと思っていたら、その分野が主人公の、『数学ガール』っていう小説があったりするのです。そういうのにやっぱりちょっと影響を受けやすいのですよね。なので、ちょっとひねっていますけれども、そういうような題材の小説を募集するとか、そういうことも恐らく大事なのではないかなというふうに思います。なので、周辺から攻めていくというのも大事なのかなと、まあ、それをどう実現するのかはなかなか難しいのですが、結構大きな影響があります。
【助川人材政策課課長補佐】  JSTが作成している「子供科学技術白書」はいかがですか。
【飯澤委員】  もっとポップな。休み時間に自分から読むようなものじゃないと駄目なのだと思います。
【隅田委員】  アニメ作るとか。
【飯澤委員】  アニメとかだと思いますね。
【塚本主査】  ドボジョとかもそうですよね。漫画もありましたし。
【宮浦委員】  今おっしゃったことはたしかで、「動物のお医者さん」とか、そういうドラマがあると獣医学科の倍率が高くなります。それで、また落ち着くのですが。その影響は非常に大きいです。そういうことを考えると、数学とか物理系の何かそういう仕掛けがあると面白いのかなというのはあります。それで解決するとも思えないのですけれども、ちょっときっかけになって面白いですね。
【飯澤委員】  キュリーちゃんみたいなマスコットを作るとかいう感じですかね。
【隅田委員】  それに関しては、私、最初のときに少し触れたのは、やはり幼い時期から科学図書を充実させるというのは、学校とか地域の公民館でもいいのですが、影響あると思います。図鑑でも何でもいいので、とにかく入れておくというのは、そのとき読まなくても、いつ見るか分からないし、大きいなというのはあります。
【千葉主査代理】  それにつきまして、やはりすごくできる子、科学も物すごくよくできるのだけれども、高校では部活は体育系に入ってしまうという例が多くて、何とか体育系から引きはがせないのかということを高校の先生と話すようなこともあります。科学の甲子園というのは、ふだん科学系のアクティビティーがない子も出場していいので成功していると思うのです。やはり体育系と同じく、科学系クラブに入って、それがすごく評価されてかっこいいというような雰囲気を出すということが必要だと思います。科学系クラブに入ると暗いとかそういうものではなくて、体育系と同じようにすごいかっこいいじゃないのみたいな、そういう価値観みたいなものを作るというのも、先ほどのドラマとかアニメと同じように大切で、すごく優秀な子が入ってくると雰囲気も変わってくるのではないかなと思うのですけどね。
【宮浦委員】  今のお話、ちょっとお聞きしたいのですが、高校で体育会系で大学理系って、結構確率高いように思います。高校何やっていたか聞くと、大体、体育会系やっている学生が結構多いような気がするのですが、それは両立はできないのですよね、高校のとき。例えば科学の活動をしながら体育会系のクラブをやっているという。やはりどちらかになってしまうものなのですかね。
【長谷川委員】  ざっくり言わせていただくと、やっぱり前向きに取り組む子は部活も学業も両方やりますよね。だから、どっちかというと、世間で偏差値が高いだろうと言われている学校ほど、運動部に入っている子供の数は極めて多い。一方、偏差値が低いだろうと言われている学校は、もう4時前には閑古鳥が鳴くと、そういう傾向があると思います。だから、学力の高い子は運動能力も高い、意欲も高いという傾向があるのではないかなと思っています。
【千葉主査代理】  私が申し上げたのは、学業ではなく、自分の楽しみで課題研究をするみたいなことは、体育系クラブに入るともうできなくなっているということです。でも、楽しみで課題研究をすることはすごく大切なことだと思うのです。何もべったりといる必要はないから、時々行って活動できるようにすればいいじゃないですか、と高校の先生に言うと、いや、体育系は日曜日もちゃんと大会のために練習しなきゃならなくてみたいな、そういう、何か、ぎりぎりやるっていうのが今、主流でしょう。
【長谷川委員】  はい。おっしゃるとおりなのですが、そういう文化はまだ高校にはないですね。部活にどっぷり漬かっちゃいますので。
【千葉主査代理】  そうですよね。それがね、何か余りにも行き過ぎているのではないかなと思います。部活もいいだろうし、体育系クラブに入っているけど科学系クラブにも行く人がいてちゃんと認められればいいのかなと思うのですが、なかなかそうはいかないのが残念だなと思います。
【立澤委員】  中学校も、運動部は兼部できないというのがほとんどですね。文科系の週に1回しかない部活は2つ兼ねてもいいとかあるのですが。今はどうか分からないですけど、愛知県の刈谷では年度初めに挑戦する生徒を、運動部もみんな含めたところから選抜して、そして課題でチームを決めて何かやるという取組をしていました。今は変わってしまったかもしれませんけど、そういうやり方をしているところもありますね。そこは運動部も少し休んで、学生科学賞の応募に専念しなさいという形でやるみたいです。
【隅田委員】  それに関連していくと、やはりオープンラボみたいなものを作っておいて、空き時間とかにいつでも行けるような場所を作っていくというのが一つの手として考えられるかなと思います。学校の帰りに自分で研究を続けたいからそこに寄って帰るとか、どこでもいいのですが、そこにメンターがいて見てくれると、いつでもどこでもできるような状況を用意しておくとよいと思います。そうすると、本当に話に来る子もいるかもしれませんが、誰も思い付かないようなことをする子が出てくる可能性もありますよね。ある程度孤独で、自分の時間でじっくりできるような場所を作ってみるっていうのはあるかなと思います。しかも、それは比較的幼いうちからやっておいた方が、子供にとっても時間があるし、特にそこで能力がありそうな子を見分けられやすいのではないかと思います。そういう子を多分、スポーツはスカウトしているのです。しかもこのスポーツに合いそうな子とかっていうのを、野球に取られたくないからバスケットがスカウトとか、小学校からやはりやっているのですよね。だから、そういうことができる場を作らないと、子供が集まらないですよね。ちょっとそういうようなことをやったらできるかなという気はします。
【塚本主査】  リケジョについては、本人向けとか教員向けの話はあったのですが、保護者向けはいかがでしょうか。保護者は、普通、理系に行った方が就職に困らないので、個人的にはネガティブではないと思っていたのですが、データを見たらそうではありませんでした。やや不思議でもありましたので、何か御意見があれば、よろしくお願いいたします。
【千葉主査代理】  何か、給料が理系の方が低いというイメージがあって、そうじゃないという話が出ましたよね。
【塚本主査】  ええ。理系は低いことはないと思いますが。
【千葉主査代理】  だから、その辺がちゃんとアピールできていないのかなということはちょっと心配ですよね。
【宮浦委員】  保護者の問題なのですが、恐らく理系が分かっている保護者は何ら心配していないというか、よく理解できると思います。やはり人口のマスで考えると、保護者の理系の割合ってやはりまだ少ないですよね。そうすると、文系の御両親の下で育った生徒さんは、親がよく分からないわけです。理系行って大丈夫かなって、それが女子に顕著に出るっていうふうに言われているのですが、要するに、理系に行って勝ち残れるのかなとか、仕事はちゃんとあるのかなとか、そういう不安が何となく保護者にあるという話をよく聞きます。特に女子はその傾向があるので、保護者の方が理系を理解していれば大丈夫なのですが、その逆の場合が、本人は物理面白いなと思っても、保護者が「やめておいたら」と言われるケースがあると聞いたのですが、どうでしょうか。
【飯澤委員】  おっしゃるとおりで、資格を求める傾向が強いというのがあると思います。なので、女子の場合、医薬系はやはりその意味ですごく志望が強くなる。化学も薬につながる可能性があるので、これはしっかりやろうということになるやはり物理と数学なのです。物理、数学というと、どちらかというと古い理学のイメージがあって、「食っていけない研究者」というふうに考えていらっしゃるのかなと思います。どうやって食べていくのと。やはり保護者の方は懇談とかでは、数学できてもというイメージはあるみたいです。教科としては全くそんなことないわけです。数学、物理、すごく重要なのですが、それを専門的にやっていくことに対する不安感というのはあるみたいです。
【塚本主査】  データサイエンティストには数学の知識が重要なので、数学出身の人が結構多いです。引く手あまたになっています。
【飯澤委員】  今、もう本当に時代が変わっているので。という情報が更新されていない。
【塚本主査】  そうですね。多分、今後10年ぐらいの間にどの職業が増えていくかっていうのを、出身学部別に示せたりすると、ちょっと違ってくのかもしれないですね。
【飯澤委員】  かもしれません。
【塚本主査】  むしろ文学部とかの方がはるかに就職は厳しいように思います。
【助川人材政策課課長補佐】  恐らく、今、このペーパーで言うと、親近感のわく身近なロールモデルというのが、本人のみならず保護者についても妥当するのかなと考えております。これまで、3人のロールモデルを示す場合、3人の研究者を挙げていたとしたら、逆に、高校生本人からしてみると、ちょっとやっぱり手の届かないところにあるのかなと見えていたかもしれません。それは保護者に対しても同じように見せれば、やっぱり自分が持っていたイメージどおりという言い方がいいか分からないですけれども、理系っていうのはそうなのかなと思うのだと思います。今、主査がおっしゃったように、理系の進路というのは極めて多様であるということを、女子高生本人に影響力を及ぼすことの大きい保護者、教員も含めて、親近感のわくロールモデルを示すということが重要かなと考えている次第です。
【隅田委員】  それに関して、保護者は重要で、私もちょっと手元にデータがないのですが、才能教育は、才能児の育成は保護者の影響をかなり受けていると一般的に言われています。特に母親は大きいというのは、接する時間も長いとか、いろいろな理由があるでしょうけれども、言われています。学会が保護者向けの雑誌も出しています。そこまでとは言いませんが、こういうデータをさっきも広報の話をしたのですが、もっとどんどんリリースしたらいいと思うのです。さっきのAPの受験者なんかも、ちょっと調べれば全部出てきたわけですよね。何点が平均点で、ですとか。ただ、こういう理数教育とか、あるいは科学技術に関する情報が全般的にまだリリースしていない部分が多いのではないかと思います。もっと一般公開、データを積極的にしていけば、さっきの大学の就職率もあると思いますが、保護者は今、よく見ますから、もっと積極的にデータ開示とか広報をしていくと、保護者への影響は出てくるのではないかなというのがあります。
【飯澤委員】  大学入試が2020年に変わるので、中学生の保護者では、どうでしょうかという御質問がよくあります。対応できるのでしょうかみたいな質問が。そのタイミング、指導要領の改訂と入試改革とにうまいこと乗れば、このデータって入っていきやすいと思います。つまり、考える力や思考力を伸ばしたり、あと、将来、産業で求められている力というのと、理科系的な力というのは非常に親和性が高いということを同時にアピールしていく。そのアピールは、恐らく、パンフレットを作って全世帯に配りましょうというよりは、プレスリリースさえ出せば、恐らく塾や、雑誌が絶対扱ってくれるでしょう。なので、それは恐らく広まるだろうなとは思います。つまり、それは今、注目度が高いですので、すごくいいタイミングな気がしております。
【塚本主査】  リケジョ以外も含めて、もしもございましたら、コメントを頂きたいと思います。
【宮浦委員】  先ほどの、高大接続できるような人材が養成できればいいという部分がやはりすごく気になっているのですが、そこで、先ほどの多様なロールモデルとなり得る理系の女性を、そういうところに積極的に入れていただくと、身近にサイエンスを教えてくれる、あるいはコーディネートしてくれる女性が、例えば20代か30代ぐらいの方が入れば、かなり目からうろこみたいな感じで女子の理系進路が上がったりすると思います。あるいは理系全体ですね、よく言われることなのですけれども、理系は別に男女差はないとか、サイエンスに男女差はないと。もちろんそうなのですが、男子学生も含めてサイエンスにすごく興味を持ってもらえるきっかけになる部分で、少し流動的な人材になる可能性もありますし、そういうときにロールモデルにもなるような女性で、育児から再チャレンジする方とか、そういう方を活用できると、総合的にいいかなと思います。
【塚本主査】  時間に融通を利かせて働いていただくようなことでしょうか。
【宮浦委員】  育児をきっかけにちょっと休んでいたような方で、PhDの方や、いろいろ企業あるいは研究の経験がある人を少し再教育して、先ほどの、サイエンスが分かるコーディネーターみたいなものに入れられると、リケジョの方と、あるいは高大接続も含めて人材の有効活用というのでしょうか、それにつながるかなと思います。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 それでは、ここで本日の意見交換を終了させていただきます。貴重な御意見を頂きましてありがとうございました。本日頂いた御意見については、事務局で整理していただき、次回の作業部会での議論に生かしていきたいと思います。
 では、最後に事務局より作業部会の検討スケジュールについてお知らせいただきます。
○事務局より今後のスケジュールについて説明。
【塚本主査】  どうもお忙しいところありがとうございました。次は8月となりますが、またよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

─ 了 ──

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