参考資料3 これまでの次世代人材育成検討作業部会における主な意見(案)

これまでの次世代人材育成検討作業部会における主な意見(案)

1.次世代人材育成検討作業部会(第1回)平成27年5月27日

○高校を拠点とした小中高の連携が重要。県教委により実験等の理科研修が行われるが、悉皆研修でないと参加しにくい。高校を拠点として、小中学校教員の指導力の向上を図ってはどうか。但し、高校主催の研修に参加する場合には服務等の課題が生じうるので、これを位置付けてもらえるとありがたい。

○中学校では、授業中の発言について、言語活動を充実することにより改善されている。しかし、中学生は多感な時期で、人間関係の中で異質な存在になりたくないため、目立ちなくないと思うことがある。また、教員は目立つ生徒を抑え込もうとすることがある。

○生徒の自主研究について、どの部分が自分の考えで、どの部分が教員の指導によるものなのかを見極めるのは難しい。生徒本人と直接話をすることが重要である。

○優秀な生徒にとって授業がつまらないことがあるのは事実であるが、学習に課題を抱えている生徒もおり、全ての生徒の学習意欲を満足させることは容易ではない。

○業務が忙しいといった理由から、全国中学校理科教育研究会や自主的な研究会等に参加する教員が減少している。

○現場の先生の負担が大きい。また、大学においても高大連携等のプログラムが増えてきて、やりたいという声は多いが時間がない。こういう活動は、余裕のある教員によってプラスアルファで行われるのではなく、国家戦略等のように全体として優先的に行われるシステムを作ることが必要。

○博士課程修了者であっても、教員免許を取得していなければ理科教育に関わることができない。人材委員会でも博士課程修了者の進路の多様化が議論されているが、研究者が、科学教育の研究会のような形態であれ、教育に関われるようにすべき。

○教育に適した定年後の人材を選抜して、課題研究の指導に活用することも有効。

○企業の人材を活用できるかどうかは地域間の格差がある。

○高校の教員の中にも、課題研究等の指導をできる方が多くいるので、地域の才能を発掘するためにも有効活用すべき。小学校教員は大半が文系出身なので、専門性を持つ高校教員が小中学校教員を指導するのがよいのではないか。

○課題研究の指導に当たっては、教科間で連携し、いろいろな教科の先生が持ち味を発揮することが必要。

○理系学生の国語能力の低さは問題の1つ。勉強が入試対策となっていることが問題ではないか。

○授業の展開では、男子と女子に違いはないが、女子の方が人間関係上、異質になることを気にする。そういう環境にさらされた学級集団は発言が少なくなる。

○自分の所属する高校では、理数科・理系とも、女子生徒数は男子生徒数よりも少ないが、女子の方が目的意識を強く持っている。ただ、女子は、生活設計のために、医歯薬看護等の資格を得られる進路を選びやすい。

○スーパーサイエンスハイスクール(SSH)採択校は理系への進学率が高くなる。特に女子は3倍程度違う。女子の集団の方がリーダーを作りやすいという意見もある。また、女子は両親の意見に影響を受けやすい。親に向けたメッセージも必要ではないか。

(以上)


2.次世代人材育成検討作業部会(第2回)平成27年6月11日

<科学技術に対する女子の興味・関心の喚起>
○理系のキャリアパスが、保護者や教員に知られていないことが多い。女子中高生に対してのキャリア教育だけではなくて、保護者、教員を含めたキャリア教育の方が有効。

○男子学生も、家族を養っていかないといけないという将来に対する不安を持っている。今後は、女子の理系進路選択だけではなくて、男子学生の進路の多様性も強調することが必要。

○将来就きたい職業について、小学校のときは、身近に見えているものが少ないことと、まだ自分の職業観がないことから、目に見えやすい職業を希望することが多いが、高校受験を意識するあたりから学力等の影響を受けてくる。また、キャリア教育が中学校のあたりから本格的に始まるが、中学校から高校、大学へと進むに連れて、ある意味では実感を伴い、ある意味では夢がなくなるという傾向はあるように感じている。

○キャリア教育と進路指導の乖離は気になっている。自分の勤務する県では、地方部の高校の理数科が定員割れする傾向があるが、そこには、学力の問題のほか、キャリア教育の不足が原因としてあると考えている。また、高校になると、将来の職業選択に迫られて、文系・理系の色分けができてくる。それであれば、より早い段階からキャリア教育を徹底すれば、理数系の人材も裾野が広がってくるのではないかと考える。

○身近なロールモデルは非常に大切。ロールモデルとなる先輩が本音を話すと、生徒たちは良い影響を受ける。


<グローバルサイエンスキャンパス>
○大学が中高生に対して個別に研究支援することは増えてきた。大学院生や大学の教員が直接に疑問に答えると、高校生には大きな刺激になると考える。

○生徒と教員の間のマッチングが重要。

○中高生が学校の外で研究をするとしても、関わっている教員、学校、家庭の支持が得られるようなシステムであるとよい。

○研究指導に当たっては、「教え込まない」ということに注意している。そうすると、高校生が設定するテーマは身近なものになる。大学の教員が与えたテーマはこなし切れていないことが多く、それならば、もっとプリミティブなことであっても、自分の創意工夫で行った方がよいと思う。

○日本学生科学賞では、高度なことについても審査が対応できるようになっているものもある。

○Intel ISEFに日本から参加させる学生の選び方ももう少し多様にしたり増やしたりすると、バラエティが出てきてよいのではないか。

○ISEFでは、コンテストを中心に大学、高校、行政、NPOが一体になっている。大学で高校生を受け入れるときも、高校の先生の関わりが強化されると、より円滑に進められると考える。


<スーパーサイエンスハイスクール>
○理科の先生が学会に入る支援をすることによって、学会と連携して授業をつくることを進めやすくなる。

○資料の管理などの基本的なことは、幼い時期から行ったほうがよいと考える。

○授業で論文を使うことは効果的であり、また、生徒も論文を欲しがるが、情報アクセスにはかなり課題がある。

○理科の実験レポートを作成するときに参考文献まで参照する経験は、中学校ではあまりないが、考察をするには過去のモデルとの比較が必要。

○なるべく立場やモデルを意識させながら生徒に議論させるということが、探究に取り組んできた生徒がやりやすいアクティブラーニングの形であるのではないか。

(以上)

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