4.技術部門大括り化について

1.科学技術の高度化、総合化、複合化等の急速な進展や人材流動化等の社会環境が大きく変化する状況において、優れた技術者には、高い職業倫理を備えるとともに、経済社会のニーズに対応するスキルセットを有することが求められる。

具体的には、
ア.基本的な資質として、
a.高い職業倫理、b.柔軟で創造性に富む思考力、c.生涯にわたって新しい知識を獲得し、それを統合していく能力
イ.技術的な能力として、
a.自らの専門領域に関する知識とその応用力、b.技術分野全般を見渡す広い視野や幅広い知識、c.的確な問題設定力・洞察力を持ち、必要とする技術を組み合わせ統合して問題を解決する能力
ウ.技術者として大成するために不可欠な、経営・管理能力や説明力、コミュニケーション能力等を有し、国際的に通用することが求められる。

技術業務に直接従事する期間は、多くの場合、高等教育等の終了後概ね20~30年間であり、この時期に能力を十分に発揮できるようにすることが重要である。以上を踏まえると、優れた技術者を育成するためには、技術に係る本質的な能力である基礎力を養成することが必要である。

2.技術士制度の技術部門設定にあたっても、技術者の幅広い基礎力を養い、継続的な能力向上・能力展開を促進することができるように、技術部門を大括り化することが妥当であるとされた。
具体的な実施方策として、次回の技術部門見直しの際に大括り化を行うことを目指し、今回はその準備段階として、第二次試験必須科目に技術体系別の共通問題を導入することを検討したが、各技術部門の専門性の確保及び資格保有者を活用する側の観点等から問題があり、導入を見送ることとした。
今後、技術部門大括り化の具体的な実施方策を検討するに当たっては、技術士制度の趣旨、及び技術部門毎の活用状況などの運用実態等を踏まえ、その適切な在り方を検討することが必要である。

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科学技術・学術政策局政策課

(科学技術・学術政策局政策課)

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