科学技術・学術審議会(第69回)議事録

1.日時

令和4年12月23日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省3階講堂及びWeb会議

3.議題

  1. 各分科会等の報告等について
  2. 最近の科学技術・学術の動向について
  3. その他

4.出席者

委員

濵口会長、須藤会長代理、天野委員、小縣委員、小川委員、小原委員、春日委員、勝委員、岸本委員、栗原委員、小長谷委員、鈴木委員、高梨委員、高橋委員、田中委員、仲委員、福田委員、藤井委員、宮浦委員、観山委員、明和委員、村山委員、門間委員、安浦委員
 

文部科学省

永岡文部科学大臣、井出文部科学副大臣、山本文部科学大臣政務官、柳文部科学事務次官、増子文部科学審議官、柿田科学技術・学術政策局長、森研究振興局長、千原研究開発局長、佐伯科学技術・学術政策研究所所長、井上大臣官房総括審議官、阿蘇大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、木村大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)、原大臣官房審議官(研究開発局担当)、北山科学技術・学術総括官、山下高等教育企画課長、神谷研究開発戦略課長、大土井参事官(国際戦略担当)、佐野科学技術・学術戦略官、仙波振興企画課長、黒沼大学研究基盤整備課長、阿部計画課企画官、小川政策課企画官、岡人材政策課人材政策推進室長、馬場大学研究力強化室長、河村学術企画室長、畑山ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室安全対策官、ほか関係官

5.議事録

【濵口会長】  お時間となりましたので、ただいまから、科学技術・学術審議会総会第69回を開催させていただきます。御多忙中、また、年末のお忙しい時期に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、永岡桂子大臣、井出庸生副大臣、山本左近大臣政務官に御出席を賜っております。
 まず初めに、永岡大臣から御挨拶を賜りたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

【永岡大臣】  皆様、こんにちは。文部科学大臣の永岡桂子でございます。第69回の科学技術・学術審議会総会の開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、我が国の研究力強化をはじめ、重要な課題につきまして、精力的に御議論をいただきまして、深く感謝申し上げる次第でございます。
 科学技術は、岸田内閣の成長戦略の重要な柱でございます。科学技術・イノベーションの力によりまして、デジタル、気候変動などの社会課題の解決を図り、持続可能な経済社会を実現していく。このために成長の原動力であります科学技術・イノベーションの強化が本当に必要になります。
 文部科学省といたしましては、3つの課題、まず1つ目、博士後期課程学生への経済的支援、2つ目、国際卓越研究大学や地域中核・特色ある研究大学への支援を通じた我が国全体の研究力をけん引する研究大学の振興、3つ目、先進国との共同研究への支援をはじめとした国際頭脳循環・国際共同研究の推進などにつきまして、先般成立いたしました総合経済対策に基づく第2次補正予算も活用いたしまして、しっかりと取り組んでまいります。
 本日は今期最後の総会と伺っております。文部科学省といたしましては、これまで御議論いただきました内容を踏まえまして、引き続き、研究力の向上、若手研究者の活躍促進など、しっかりと政策を推進してまいりたいと考えておりますので、先生方の御支援、御協力を賜りますようにお願い申し上げまして、開会の御挨拶とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 それでは、次に、井出副大臣より御挨拶を賜ります。よろしくお願いいたします。

【井出副大臣】  皆さん、こんにちは。副大臣の井出庸生です。本日も、先生方、大変お忙しい中、総会に御出席いただきまして、ありがとうございます。
 実は私、昨日から視察で関西に出ておりまして、今日はちょうど「富岳」のほうにお邪魔をしております。そういったことで、オンラインでの御挨拶の失礼をおわび申し上げたいと思います。
 本日は、第11期の科学技術・学術審議会における最後の総会だと伺っております。第6期科学技術・イノベーション基本計画等を踏まえて、各分科会等において取り組まれた活動についても御報告を伺うと聞いております。
 前回、私、一度ずっと会議に参加させていただいて、先生方の御議論を伺ったのですが、その際、意見交換での先生方の御発言の中に、政策を実行していく上で、その課題の御指摘も当然ございましたし、非常に示唆に富むものが大変多ございました。
 今日も、またそうした忌たんのない御意見をいただければと思いますし、また、今後とも御指導、御支援賜りますようお願いを申し上げまして、簡単でございますが、御挨拶とさせていただきます。
 本日は、どうぞよろしくお願いします。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 それでは、次に、山本大臣政務官より御挨拶を賜ります。よろしくお願いいたします。

【山本大臣政務官】  文部科学大臣政務官の山本左近でございます。永岡大臣、井出副大臣に続いて、一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変御多用のところ、科学技術・学術審議会総会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 科学技術・学術は新たな知を創出するものであるとともに、イノベーションによる社会経済の発展の源泉として大きな役割を果たし、国の将来的な成長・発展を支えるものであり、極めて重要であると認識しております。
 また、その活動を支えるイノベーション人材育成は、未来への投資として極めて重要と考えており、本総会でも、人材の育成・活用等については、これまで様々な御意見をいただいていると認識しております。
 第11期の総会は本日が最後ということですが、最後まで忌たんのない御意見をいただきますようお願い申し上げ、私の御挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございます。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 ここで、永岡大臣、山本大臣政務官は、御予定がございまして退出されます。御出席ありがとうございました。

【永岡大臣】  大変申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。

【濵口会長】  本日は、今期最後の総会となりますので、今期の各分科会等の活動状況などを皆様と情報共有できればと考えております。
 それでは、議事に入る前に、事務局から説明をお願いいたします。

【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。
 本日の総会は、科学技術学術審議会令第8条1項に定める定足数の過半数を満たすことを御報告いたします。
 次に、本日のハイブリッド形式の会議の開催に当たりまして、委員の先生方にお願いがございます。
 まず、会場にお越しの先生方におかれましては、御発言の際は挙手をお願いいたします。御発言の際は、お手元のマイクをオンにしていただくようにお願いいたします。また、御発言事以外はマイクオフにしていただきますようお願いいたします。
 それから、オンラインで御出席の委員の先生方におかれましては、御発言の際は手のマークの挙手ボタンを押すようお願いいたします。御発言後は、再度挙手ボタンを押して挙手を取り消すようにお願いいたします。御発言時以外はミュートにしていただき、御発言時のみ「ミュートを解除」を御選択いただくようお願いいたします。
 以降は共通となりますが、会場及びオンライン上でも聞き取りやすいように、それぞれ御発言の都度お名前をおっしゃっていただくようにお願いいたします。
 御発言の際、資料を参照する場合は、資料番号、ページ番号、またはページの該当箇所などを分かりやすくお示しいただくよう御配慮願います。
 本日の資料につきましては、配付資料一覧に記載のとおりでございます。
 事務局からは以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に入ります。
 議題1の各分科会等の報告等についてです。ここでは各分科会等の第11期の活動状況等について御報告をいただき、意見交換を行うこと、及び、事務局より、第11期における科学技術・学術審議会総会における主な意見を紹介いただいた後、私のほうから少し所感を述べさせていただくこととしております。
 まず、第11期の活動状況について御報告をお願いいたします。
 昨年10月に開催した第66回総会において、科学技術基本法改正や第6期科学技術・イノベーション基本計画を踏まえた上で、各分科会等の今期(第11期)に取り込む活動を報告していただいたかと思います。
 本日は、今期最後の総会でございますので、各分科会から活動状況について報告をいただきたいと思います。
 初めに、事務局より各分科会等の活動状況全体について報告をいただきます。次に、各分科会等から第11期の活動状況の報告をお願いいたします。なお、海洋開発分科会と人材政策委員会については、併せて分科会等で取りまとめられました提言等について報告をいただいた後、意見交換を行いたいと思います。
 それでは、各分科会の活動状況全体について、事務局から説明をお願いいたします。

【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。
 まず資料1-1-1に基づきまして御説明をさせていただきます。
 3ページ目でございます。こちらにつきましては、この科学技術・学術審議会の構成について記載をしているところでございます。
 その次の4ページ目でございます。こちらにつきましては、科学技術・学術審議会の会長・分科会長一覧についてお示しさせていただいておるところでございます。
 次のページでございます。第11期における審議状況について記載がされておるところでございます。こちらについては、この総会につきましては、これまで4回の実績があるところでございまして、それ以外の分科会等につきましては、前回の総会以降、4分科会、それから、それ以外、この総会以降もまた開催される予定になっているというところでございます。
 事務局からの全体の説明は以上となっております。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 次に、各分科会等から第11期の活動状況について御報告をお願いいたします。それでは、7ページからの記載の順に従い、それぞれ2分で報告をお願いします。大変恐縮ではありますが、簡潔にお願いしたいと思います。審議のまとめを報告される人材委員会については、5分でお願いいたします。
 初めに、研究計画・評価分科会の分科会長である岸本委員から報告をお願いいたします。

【岸本委員】  それでは、岸本から御報告させていただきます。資料は7ページになります。
 この分科会では、分科会の下にあります委員会等と連携を取りまして、「分野別研究開発プラン」を作成いたしました。このプランというのは、委員会が担当します各分野において重点的・戦略的に推進すべき研究開発の取組や推進方策を定めたものでございます。
 このプラン等に位置づけられました「研究開発課題」につきまして、この分科会では、引き続き事前、中間、事後評価を実施してまいりました。
 基本計画に記載されております、研究データの管理・利活用に関する取組や「総合知」の創出・活用に向けた取組を促す観点から、研究開発課題評価の評価票について見直しを行いました。
 研究開発プログラム評価については、既存の資料や評価体系を活用可能とすることで、屋上屋となるようなことのないように、負担軽減に配慮する形で試行してまいりました。この試行におきましては、分野別委員会等においてプログラム全体の状況を把握した上で、分野別委員会等から分科会に報告いただくことで、プログラムの進捗状況を確認するということで行ってまいりました。
 一番下のところになりますけれども、なお、基本計画に記載の目標の中で、科学技術・学術審議会第12期の活動において、基本計画の目標達成に向けて特に当分科会で議論を進めていく活動につきましては、引き続き今期内で行うプログラム評価の試行の結果も踏まえまして、基本計画との関係も見ながら、必要に応じて、評価の指標についての議論も引き続き進めていきたいと考えてございます。
 御報告は以上になります。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 続きまして、資源調査分科会の分科会長である宮浦委員から報告をお願いいたします。

【宮浦委員】  資源調査分科会の分科会長、宮浦でございます。
 日本食品標準成分表の充実と利活用を含めました在り方について検討を進めております。
 まず、日本食品標準成分表2020年版(八訂)からエネルギー計算に必要な成分値が増加したことから、新規の分析食品の収載と併せまして、既存食品において未分析となっていた成分値を優先的に分析し、データベースとしての充実度の向上及び正確性の向上を図ってまいりました。
 また、オープンデータの意義を踏まえまして、次期食品成分データベースを構築するために、過去の分析データのデータベースへの取り入れ、また、分析データから一般成分の決定手順や各段階での様式のシステム化などの試作を行ってまいりまして、加えて、ドラフト版の公開方式の決定を行うとともに、データ提供の方策の検討のために、多様な利用者の利用状況について調査を行ってきたところです。
 この八訂につきましては、かなりデータを蓄積し、また、オープンデータとしてデータベース化するというところは非常に重要なところでございますので、これが重点的に進めているところでございます。
 以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 次に、学術分科会の分科会長代理である須藤委員から報告をお願いいたします。

【須藤会長代理】  分科会長の大野先生が欠席ですので、会長代理の私のほうから報告いたします。
 今期の学術分科会におきましては、「総合知」の創出・活用、それから、ポストコロナ下における科学技術・イノベーション政策の在り方等を念頭に置きまして、分科会及び関連する部会等で、今後の学術の振興方策について審議を行ってまいりました。
 まず研究環境基盤部会におきましては、大学共同利用機関法人及び総合研究大学院大学による「連合体」の創設に向けた検討状況について聴取を行いました。
 また、学術研究の大型プロジェクトにつきまして、各プロジェクトの適切な進捗管理を行うとともに、所要の評価に係る審議を行ってまいりました。さらに、次期ロードマップの策定につきまして議論を開始し、今期中に策定方針の取りまとめを行う予定となっております。
 それから、研究費部会及び科学研究費補助金審査部会におきましては、「国際先導研究」の創設等による国際共同研究の推進や「特別研究員奨励費」の改善等による若手研究者支援の強化、学術変革領域研究等の審査や審査システムの改善等、科研費制度の改善・充実に係る審議を行ってまいりました。
 学術分科会の下に設置しました人文学・社会科学特別委員会におきましては、令和3年8月に「「総合知」の創出・活用に向けた人文学・社会科学振興の取組方針」を取りまとめました。また、人文学・社会科学分野における研究データ共同利用のための基盤整備及びデータサイエンスの応用促進の今後の方向性、並びに研究成果に係るモニタリング指標について審議を行ってまいりました。
 学術分科会におきましては、このような各部会等の審議状況も踏まえ、今後の学術振興の在り方について審議を開始したところでございます。
 以上でございます。

【佐野科学技術・学術戦略官】  すみません。事務局のほうから御報告がございます。
 現在、音声状況がよろしくないというような状況でございまして、大変申し訳ありません。一時中断させていただきまして、もう少し音声状況が良くなったところで再開させていただければと思いますが、いかがでしょうか。

【濵口会長】  それでは、再開させていただきます。
 次に、海洋開発分科会の分科会長である藤井委員から報告をお願いいたします。

【藤井委員】  海洋開発分科会分科会長の藤井でございます。第11期における海洋開発分科会の活動概要を御説明申し上げます。
 大きく3つの活動がありました。まず、来年5月に次期の海洋基本計画の改定が予定されており、これに向けた提言を8月にまとめました。既に前回、10月の科学技術・学術審の総会において小原委員から御報告いただいたとおりですが、第6期の科学技術・イノベーション基本計画を踏まえて本提言を作成しており、海洋分野におけるカーボンニュートラル達成に向けた研究や、「総合知」の活用などを盛り込んだ提言としております。
 2つ目ですが、東日本大震災を契機に開始しました事業を含む2件の10年にわたる大規模プロジェクトの事後評価を実施いたしました。
 さらに、海洋科学掘削分野につきまして、海洋科学掘削分野の国際的な枠組み(資料21ページ右側)の変化などを踏まえて、防災や減災(同下の黄色の枠)、気候変動分野への対応及び海底下生命圏への理解など、今後5~10年で取り組むべき分野の優先順位をつけて、我が国の海洋科学掘削の方針を決めてきました。「今後の海洋科学掘削の在り方について」も、12月に取りまとめを行いましたので、この場で併せて御報告いたします。
 以上、第11期の海洋開発分科会活動実績の御説明をさせていただきました。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 次に、測地学分科会の分科会長である小原委員から報告をお願いします。

【小原委員】  小原より報告させていただきます。ページ番号11になります。
 測地学分科会におきましては、地震・火山災害に対するレジリエントで安全・安心な社会の構築を目指す取組を幾つか行ってございます。その一つとして、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」、これにつきましては、例年どおりでありますけれども、成果の取りまとめ等を含めて、その計画の推進、進捗管理を行ってございます。
 この計画につきましては、5か年計画の4年目ということで、自己点検評価を実施し、レビュー報告書を取りまとめたことにつきましては、既に総会では報告させていただいております。また、外部評価を受けましたので、それを踏まえて、次の観測研究計画の策定に向けて、今、計画案の検討を進めているところでございます。
 それから、火山の観測研究体制の高度化と最適化を図る観点から、2つのプロジェクト、「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」、「火山機動観測実証研究事業」のフォローアップを実施しているところでございます。
 以上となります。

【小縣委員】  では、続けて、技術士分科会会長の小縣でございます。よろしくお願いします。
 第11期の技術士分科会の活動実績につきまして御説明いたします。
 技術士資格の国際的通用性の確保の観点を十分に加味した上で、以下の項目について検討を進めたところでございます。
 まず、主な審議事項でございますが、「技術士に求められる資質能力」、コンピテンシーと言っておりますが、その改定をしているところでございます。
 次に、技術士試験制度の適正化ということで、外国人エンジニアが受験しやすい試験方法等の検討を行いました。
 また、IPDシステムの導入と書いてございますが、これはInitial Professional Developmentということで、初期専門能力開発と呼んでおりますが、そういった仕組みを導入するということで検討しているところでございます。
 それから、継続研さん、これは逆に、英語で言いますと、Continuing Professional Developmentということで、CPDと一般的に言われていますが、このCPD、継続的な研さんの充実・強化の審議をいたしました。
 さらに、総合技術監理部門というものがございますが、それの位置づけの明確化。
 そして、技術士資格の全般的な活用促進・普及拡大についての審議を進めたところでございます。
 次に、例年通りとなりますが、技術士試験の試験委員の推薦、試験方法及び実施並びに試験科目及び受験資格に関する事項について検討をいたしました。
 以上、11期の技術士分科会の活動について申し上げました。よろしくお願いします。

【観山委員】  13ページ、基礎研究振興部会の報告をいたします。
 第11期の基礎研究振興部会では、我が国の基礎研究のさらなる振興のために、その社会的意義・価値といった観点にも着目しながら検討を行いました。
 具体的には、世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)について、創設から15年を経て出てきた成果を踏まえ、個々の強みを活かし、大学の多様化、若手研究者支援等を含めた今後の方向性について議論いたしました。
 2030年に向けた数理科学の展開について、学問の体系的な進展と新たな価値を創造していくことが重要であることから、異分野や社会との連携、人材育成等の重要課題について議論しました。
 研究DXの推進について、新たな価値創造を目指し、デジタル技術とデータ活用によって研究活動を変革していくために必要な取組について議論いたしました。
 若手を中心とした研究者の挑戦を促すため、創発的な研究支援事業のさらなる改善について議論いたしました。
 以上でございます。

【岸本委員】  続きまして、研究開発基盤部会から御報告させていただきます。ページは、14ページになります。
 先端的な研究基盤の整備・活用ですとか、大学等における研究設備・機器の共用推進を含めた活用の促進に関して、中長期的な視点も踏まえつつ、必要となる施策や取組の議論を行ってまいりました。
 また、「先端研究基盤共用促進事業」ですけれども、その中で「コアファシリティ構築支援プログラム」の令和2年度採択機関の中間評価を実施いたしました。それらを通じまして、各実施機関の進捗・成果・課題等を把握しつつ、事業のさらなる推進方策について議論を行ってまいりました。
 また、「研究設備・機器の共用推進に向けたガイドライン」を、検討会を設置して定めましたが、その実効性を高めるための観点から議論を行い、その内容や活用方策等に関する助言等も行ってまいりました。
 以上でございます。

【濵口会長】  続きまして、須藤先生、お願いします。

【須藤会長代理】  産業連携・地域振興部会の須藤です。
 第6期科学技術・イノベーション基本計画、スタートアップ、地域の中核となる大学の振興に関する政府での検討状況、こういったものを踏まえまして、文部科学省として行うべき産学官連携の推進、地域の行う科学技術の振興に関する重要事項に関して議論してまいりました。
 具体的に少し申し上げますと、スタートアップ・エコシステム拠点都市の大学、あるいは自治体に取組を順番に発表してもらうというようなこと、それから、大学発スタートアップ創出の活性化に向けて、国立大学法人等が地銀等の民間金融機関が中心となって組成している大学発スタートアップ向けのファンドにLP出資しやすくするというような告示改正に関する検討を行いました。さらに、地域の中核・特色ある研究大学の振興の今後の方向性を示しまして、本格的な組織対組織の産学連携を含む大学の研究力強化に関する検討を行ってまいりました。こういった取組によりまして、予算の要求、告示改正等に寄与してきました。
 以上です。

【濵口会長】  次、宮浦先生、お願いいたします。

【宮浦委員】  生命倫理・安全部会部会長の宮浦でございます。
 個人情報保護法令和2年の改正及び令和3年改正を踏まえまして、以下の倫理指針について見直しを行いまして、改正案について了承したところでございます。
 具体的には、6つの指針がございますが、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針、ヒトES細胞の樹立に関する指針、ヒトES細胞の使用に関する指針、ヒトiPS細胞又はヒト組織幹細胞からの生殖細胞の作成を行う研究に関する指針、ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針、ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針についてでございます。
 次に、令和4年2月にCSTIで決定されました「『ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方』見直し等に係る報告(第三次)」を踏まえまして、次の2件について基礎的研究の取扱いについて関係指針の見直しの検討を行っているところでございます。
 第1に、遺伝性・先天性疾患研究を目的とした新規作成胚にゲノム編集技術を用いる基礎的研究、第2に、ミトコンドリア病研究を目的とした新規作成胚に核置換技術を用いる基礎的研究についてでございます。
 以上、承認した指針並びに検討を行った指針は以上です。

【濵口会長】  次、岸本先生、お願いします。

【岸本委員】  引き続きまして、国際戦略委員会から報告させていただきます。資料が17ページになります。
 最初の丸1の1ポツ目ですが、第66回の総会でも御報告させていただきましたけれども、第6期科学技術・イノベーション基本計画において、科学技術の国際展開に関する戦略を2021年度までに策定するとされておりましたところ、それを踏まえまして、令和3年3月より審議を行いました。合計3回の審議を経まして、知の発展による世界貢献を含む国際交流・協力の目的と考慮すべき観点や取組の方向性について再確認・整理いたしまして、「科学技術の国際展開の戦略的推進に向けて」を令和3年6月に取りまとめを行いました。
 さらに、これを基にいたしまして、具体的な施策の方針である「科学技術の国際展開に関する戦略」を令和4年3月に取りまとめ、第67回の総会において御報告させていただきました。
 この戦略では、取り組むべき施策をアウトバウンド・インバウンド、国際共同研究の拡大、ジョイントディグリーの推進、博士課程学生の支援に整理し、それぞれで今後重点的に取り組むべき施策を具体化しております。
 最後に、3ポツ目になりますが、「科学技術の国際展開に関する戦略」に基づきまして、令和5年度の概算要求に盛り込みました新たな国際頭脳循環に関する事業、この事業につきまして事前評価を令和4年8月に行いました。この事業は、欧米等先進諸国と先端分野におけるトップダウン型の大型国際共同研究の実施を支援する施策でありまして、国際科学トップサークルへの日本人研究者の参入を促進し、若手研究者の国際交流やコネクションの強化を行うために推進すべきということで、事前評価を行いました。
 この事業につきましては、令和4年度第2次補正予算で、JSTとAMED合わせまして501億円の基金として予算措置されておりまして、現在は来年度の公募に向けて鋭意準備中と伺っております。この事業につきましては、この総会の資料の67ページに記載されてございます。
 以上が、第11期国際戦略委員会の活動実績でございます。
 以上でございます。

【濵口会長】  次に、安浦先生、お願いします。

【安浦委員】  情報委員会、安浦から説明させていただきます。
 Society5.0、データ駆動型社会への変革に対応して、研究のDXとそれを支える学術情報基盤の在り方や、情報分野における研究開発の推進方策に関しまして議論を行い、「第6期科学技術・イノベーション基本計画を踏まえた情報分野の振興方策」を取りまとめました。
 2番目は、次世代の計算基盤、データ処理環境及びネットワークに係る事項について検討するために次世代計算基盤検討部会を設置し、また、オープンサイエンス等の動向を踏まえた、これからの大学図書館に求められる役割や機能等に係る事項について検討するためにオープンサイエンス時代における大学図書館の在り方検討部会を設置し、これらの下部組織を中心に学術情報基盤の在り方に関する検討を行いました。
 また、本委員会の所掌する課題につきまして、研究データ利活用エコシステム構築事業の事前評価1件、Society5.0実現化研究拠点支援事業の中間評価を1件、富岳システム開発の事後評価を1件行いました。また、情報分野の研究開発プランを策定し、これに基づきプログラム評価の試行を行いました。
 以上、第11期の情報委員会の活動でございます。

【濵口会長】  それでは、次に、宮浦先生、お願いいたします。

【宮浦委員】  人材委員会委員長の宮浦でございます。
 人材委員会では、第6期科学技術・イノベーション基本計画を踏まえまして、博士後期課程の学生を含む若手研究者への支援方策に関しまして幅広く検討いたしました。
 特に博士人材のキャリアパスの確保について中心的な議論を行いまして、社会の今日の変化も踏まえまして、博士人材の育成・活用のために国、大学、産業界がそれぞれ、あるいは連携して取り組むべき事項について検討いたしました。なお、検討に際しましては、若手研究者、大学関係者、また企業等に対するヒアリングを行いました。
 さらに、女性研究者やURA等の多様な研究人材の育成・支援の在り方についても、ヒアリングの内容等を踏まえて検討を行いました。
 今期の検討を踏まえまして、「第11期科学技術・学術審議会人材委員会 審議まとめ(論点整理)」を取りまとめているところでございます。この取りまとめについては、概ね最終段階で、最終確認の後、1月に公表させていただく段取りとなっております。
 その論点整理、審議まとめの骨子について御説明させていただきます。ページ数が飛びますが、39ページを御覧ください。こちらが人材委員会の論点整理、まとめでございます。
 課題といたしましては、高度専門人材としての博士の人材をいかに育成して、その活躍、特に産業界における活躍を重視して議論したところでございます。
 その背景になるところは、旧来型の教育からかなり変化している「総合知」や分野融合、産学連携、リカレントなど、変化している背景、また、旧来型の雇用システム、新卒一括の採用などが、キャリア採用と能力を生かした流動的な採用システムに移行しつつある、また、国際的頭脳循環の重視が求められていること等を背景といたしまして、取り組むべき事項としてまとめましたのが、大学や研究機関等のアカデミア側でその博士人材を育成する、そして、産業界側でその人材を活用する、そういう人材の好循環を図る必要があります。
 また、博士課程の学生への経済的支援でございますが、これは、フェローシップ事業はSPRING事業等によって近年大変充実してきたところでございます。その継続の重要性、並びに、産業界での育てた博士人材を、いかにそのロールモデルを形成して普及させ、見える化するということが重要であろうと、取り組むべき課題の一つでございます。
 また、博士人材の能力の多様化と可視化ということで、専門能力のみならず、プロジェクト企画・立案・遂行能力、マネジメント能力、URAやプロジェクトマネージャー等も含めまして、リーダーシップを専門性に裏打ちさせた形でトランスファラブルスキルを持った博士人材を育成していくことが求められます。
 留意すべき事項といたしましては、分野や業種による違い、自然科学のみならず、総合知を考えますと、人文科学系の強化が極めて重要である。あるいは、AI、ITなど成長分野の人材不足を含めまして、分野の違いに留意する必要がある。
 また、組織的な研究力向上や研究時間が不足している、あるいは、資金の確保も含めまして、留意すべき点として挙げております。
 また、科学技術・イノベーション基本計画や大学ファンド等による政府全体の戦略や施策との人材育成における整合性というところも留意していく必要があろうということで、今後の検討課題でございますが、博士人材の育成・活躍について産学官でさらに踏み込んだ議論をする場を形成していくことが必要であることと、それらを見える化するための調査研究も必要ではないかということで、今後の検討課題としております。
 若手研究者の産業界の採用とキャリア形成に役立つようなポータルサイト等の整備・運用が必要であろうと。JREC-INは、どうしても研究、アカデミア側に寄っておりますので、それを産業界の方に活用していただくような整備が必要であろうということと、包括的な支援システムもつくっていく必要があります。
 また、繰り返しになりますが、URAやプロジェクトマネージャーは非常に重要でありまして、組織における戦略的マネジメントができる専門人材として博士人材を育てていく方向性が、今後具体的な重要項目と考えております。
 これらを論点整理、審議まとめ骨子といたしまして、現在、15ページ程度の本体の文書の最終的取りまとめを行っており、年明けに公表させていただく予定としております。
 以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 最後に、大学研究力強化委員会からですが、本日は主査及び主査代理が御欠席のため、事務局の馬場大学研究力強化室長から報告をお願いします。

【馬場大学研究力強化室長】  ありがとうございます。
 今お話あったとおり、本日は主査の大野委員、主査代理の梶原委員が御欠席のため、事務局より説明させていただきます。
 大学研究力強化委員会につきましては、大学等の研究力強化を図るため、幅広い観点から調査・検討を行うことを目的として、令和3年10月、本総会でお認めいただき、大学研究力強化委員会が設置されたところでございます。
 昨年12月に第1回会議を開催して以降、多様な研究大学群の形成に向けて、大学の強みや特色を伸ばし、研究力や地域の中核としての機能を強化する上で必要な取組や支援策の議論を重ねてまいりました。
 これまでに委員会はこの1年間に9回開催し、活発に議論いただき、委員からは、大学の研究力向上に向けた本質的な課題に関する問題提起や、大学を中核とした好循環を生み出すための具体的な好事例の紹介など、活発に議論が行われるとともに、この後、説明させていただきます国際卓越研究大学法に基づく基本方針の策定や、地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージの拡充に向けて、機動的に検討を実施してまいりました。
 説明は以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 本来なら、ここで御討論いただくところですが、少し時間が押しておりますので、改めて後ほどお願いすることとして、続きまして、第11期科学技術・学術審議会総会における主な意見を紹介いただきたいと思います。あらましを佐野さん、お願いいたします。よろしいですか。

【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。事務局でございます。
 資料1-2でございます。こちらに、これまで第11期の科学技術・学術審議会で先生方からいただいた御議論につきまして、議事録から抜き出させていただいて、少し整理をさせていただいたものについてまとめさせていただいております。
 本来であれば、ここで少し説明をさせていただくところでございましたが、今日は時間がございませんので、このまま、こういう資料を出させていただいておりますということだけ御説明をさせていただければと思います。
 以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 ここで、大変恐縮ですが、会長としての所感を一、二分お時間をいただいて述べさせていただきたいと思います。一番最後のところに、私の会長所感というのをつけさせていただいております。会長としての個人的な意見でございますが、述べさせていただきたいと思います。大きくは5点ございます。
 まず、若手研究者支援、国際頭脳循環、これは非常に大事だと思いますので、次期に科学技術・学術審議会でもしっかりとサポートをお願いしたいと思います。ノーベル賞受賞者の分析からも分かりますように、30~40代の自立的、独創的な研究が日本の科学技術を世界トップレベルに持ち上げてきたということが見えております。ですから、次期の若手研究者の創発的な支援をお願いしたいということを改めて述べさせていただきたいと思います。
 その創発的な人材を育てる沃野として、やはりSPRING、大学院の博士課程の支援が必要だと思います。博士課程の支援に関しては、単純に専門的な研究者を育成するだけではなくて、社会で活躍できるように、インターンシップも含めたいろんな経験をさせながら、専門的な研究とともに応用研究、マネジメント能力、幅広い知見、π型人材と呼ばれるような人材が育つように、ぜひお願いしたいと思います。
 2点目としては、大学の研究力強化・社会への貢献でありますが、大学ファンドが始まってまいります。大学ファンドでトップレベルの大学を形成することも大事でありますが、幅広く、地域の大学、中核大学もサポートが必要だと思います。これは馬場さんが先ほど少し触れていただいたと思いますけれども、頭脳循環を図りながら、地域の人材を育成して、定着する先の確保、それから、一度地方を離れても戻ってこられる定着先の支援、地域の文化と特性を活かしたイノベーションの創成、これは非常にこれから重要な課題であると思います。ぜひ推進していただければと思います。
 3点目としては、EBPM、非常にたくさんのジャーナルが今出ていると思って、私、実感するのですが、どの専門の方も、自分の専門分野の全ての情報を網羅して俯瞰的に意見を述べられる方は今存在しないのではないか。興味がある範囲で情報を読んでいるような、洪水の中で溺れ泳ぎをしているような実感がします。したがって、全体の網羅的な分析、それに基づく政策立案というのが、これからますます重要になってくると思います。文部科学省では、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)がございますが、こういうところでの発表される情報をしっかり活かして、政策立案につなげていただきたいと思います。
 それから、全国的な観点からの学術研究基盤の整備というところで、日本は先端的な機器が結構整備されているのですが、それが個別的な研究室に所属する場合が多くて、幅広く活用されていない。それから、大学の活力の産業って、整備できる大学と整備できない大学がある。アメリカの場合は、実は、研究費の少ない州には、特別に先端機器を整備するファンディングがあるのですね。私、驚いたのですが。そういう意味で、非常に公平性を保っていると思います。もう少し各大学で幅広くオープンに先端機器が使えるような、そういう工夫をしていただきたいなと思っております。
 それから、総合知に関してでございますが、コロナではっきり見えてきましたのは、いろんな災害や食糧危機、エネルギー、それから、感染症の蔓延等、こういう危機は、単一の分野の専門的な知性だけでは解決不能でございます。本当に今総合知が必要な時代になってきていると思いますが、この人文社会の知恵と理系の知恵を融合して総合知をつくるという作業は、決して単純なものではないですし、非常に難しい部分がございます。しかし、これを日本で実践していくことによって、現代の社会が直面しているいろんな課題に日本の科学技術が有効性を発揮できるし、社会に説得力を持ったものになると思います。ぜひこれから強化していただきたいと思います。
 それから、最後でありますが、総会の議論の活性化を引き続きお願いしたいと思います。先生方の御意見、御見識をしっかり述べていただくことで、科学技術の未来が開けてくると思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 私、11期を担当させていただいて、大変うれしく思います。引き続き、どうぞ、先生方の御活躍をお願いする次第であります。
 それでは、続きまして、もしよろしければ、少し意見交換の場をつくりたいと思いますが、いかがでしょうか。御意見ございます方は、挙手いただくか、オンラインの方は挙手ボタンを押していただければと存じます。
 幅広い御意見を今日まとめていただいて、いろんなことをお思いになられるかとは思いますが、ぜひここで御意見いただきたいと思いますし、お考えがあるかと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ、安浦先生。

【安浦委員】  ありがとうございます。
 今、濵口会長の御意見をまとめていただいて、非常に重要なポイントをたくさん御指摘いただいていると思います。
 特に、若手の研究者、あるいは、博士後期課程の学生たちの育成という問題は、先ほどの宮浦先生の人材委員会の問題ともつながっておりますし、そこの中で、さらにその出口といいますか、彼らが活躍する場所の問題で、ぜひお考えいただきたいのは、総合知の問題とも絡みますが、今や政府の政策、あるいは、自治体の様々な活動が科学技術と極めて切り離せない状況になっているので、博士課程の出口として、政府、あるいは自治体、そういったところが積極的に博士修了者を高度人材として活用するということ、産業界だけではなくて、活躍する場をより広げていくということをもう少し表に出したほうがいいのではないかと感じております。
 以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございます。引き続き、どうぞ、よろしくお願いいたします。
 ほか、御意見、岸本先生、どうぞお願いします。

【岸本委員】  ありがとうございます。岸本です。
 会長の所感に同意するところが多々ございまして、まさにこういったところを進めていくべきだと私も感じております。
 ここに書かれていないこととしまして、2点ほど御指摘させていただきたいと思いますが、1つは、若手研究者の支援というのはすごく大切ですけれども、その1つ上の世代の人たち、まさにその人たちというのが、どちらかというと、私たちが、いろいろ目が届かない世代になっているかもしれない。彼らが若手の世代の前にリーダーになっていくので、そういった人たちの世代に対して、どういうふうに活力を持たせるようにしていくのかというのが大きな課題ではないかなと私は考えております。
 もう一つは、出生数が80万人を切ったとかいうような話が今出ていますけれども、これから急速に日本の人口、若い人たちが減っていく中で、それぞれの分野で同じ人数を抱えられなくなってくると思うわけですけれども、その中で、日本の学術全体をどういうデザインにしていけばいいのか、非常に難しい問題だとも思いますけれども、そういった全体構造をどういうふうにしていくかという議論も、本当にこれから必要になってくるのかなと思っております。
 ぜひ次の世代の人たちで考えていただけるとありがたいし、何かお手伝いすることがあれば、私もお手伝いしていきたいなと思っているところです。
 以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 ほか、御意見ございませんか。よろしいですか。
 この間、サッカーを皆さん見られたと思いますが、あのサッカーの成功は、非常に組織的な準備が行われて、あそこまで到達していると思うのですね。
 1つは、人材育成を小学生からずっとプロまで切れ目なく育てるシステムが出来上がってきたことと、それから、外国人を恐れない心をつくっていく。どんどんトップレベルを出して、ドイツやイタリアで体験させることで、ある意味で恐怖感のない試合ができているのではないか。私、サッカーを学ぶべき時代がやってきたかなと思って。
 時間も押していますのに、勝手なことを申して。科学技術も、そういう人材育成をすべきではないかなとちょっと感じておる次第です。
 よろしいでしょうか。御意見ございませんでしょうか。
 春日先生、お願いします。

【春日委員】  ありがとうございます。
 各分科会からの御報告をお聞きし、また、濵口会長からのお考えをお聞きし、2点、感じることがありました。
 1点目、総合知に関する推進です。濵口会長がおっしゃいましたように、現在の複雑に連関する地球環境の問題、これは自然科学と人文・社会科学の連携、さらに、アカデミアと社会との連携なくして解決するものではないということ、強く賛同いたします。
 その結果として、社会の変革、ティッピングポイントを超えるような、そういう社会の変革が起こるように、アカデミアとしても尽力することが必要と思います。それを支える学術政策、予算化、これを可能とするような具体的な審議を、次期からの総会でもしていただければと思います。
 2点目が、国際化に関する観点です。論文の動向について、これまで詳しく御説明をいただいていますけれども、論文の質と量を高めるということだけではなくて、国際的に総合的な分野の理論化、体系化をリードするような、そういう国際的なアカデミア、頭脳の育成が必要になると思います。
 私のこの総会での任期も今回で最後となりますが、次期からの御議論でも、さらにその点御審議いただければありがたいと思います。
 ありがとうございました。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 それでは、仲委員、お願いいたします。

【仲委員】  どうもありがとうございます。大変御尽力いただき、本当にありがとうございました。
 人文学・社会科学特別委員会であるとか、海洋開発分科会、そして、人材委員会などで、春日委員の御意見とも重なるところがあるのですけれども、人文・社会と自然科学の融合であるとか、総合知の重要性が主張されているわけです。でも、これを具体的に進めるのは本当に難しく、出来上がった研究分野をただ集めるだけではできないということは、もう再三みんなが経験しているところかなと思います。
 これは最後の若手研究者支援・育成というところとも重なるのですけれども、本当に早い時期から、できれば理系・文系という垣根を超えた教育を行い、若いうちから分野を超えた協同とか交流というのが活発になっていくような、そういうことの検討もこの議論の中にうまく入れていただければいいなと思ったところです。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 ここで、御公務がございまして、井出副大臣が御退席されるそうです。どうも、御参加ありがとうございました。

【井出副大臣】  すみません。新幹線の時間が来てしまいまして、ここで失礼したいと思います。
 今日は、ここまで聞かせていただきましたが、11期の先生方のこれまでの御議論に感謝を申し上げます。また、会長におかれましては、網羅的に所感を出していただきまして、また、それを生かせていただきたいと思います。
 最後の意見交換も、人材に関する話が多かったと思いますが、問題意識は私も同じでございます。また引き続き御指導いただきますよう、お願い申し上げます。
 すみませんが、ここで失礼いたします。どうもありがとうございました。

【濵口会長】  どうもお忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 ただいまいただきました御意見等につきましては、事務局において、本日の資料1-2「第11期科学技術・学術審議会総会における主なご意見」の中に取り入れさせていただき、次期総会においても参照できる形にしていただければと存じますので、よろしくお願いいたします。
 大変お時間押しておりますが、続いて、議題2の最近の科学技術・学術の動向についてお諮りします。ここでは、大学研究力強化に向けた取組について及び令和4年度補正予算について等について、意見交換を予定しております。
 まず、事務局より説明をいただき、その後、まとめて意見交換を行いたいと思います。
 まず、資料2-1について、馬場大学研究力強化室長及び北山科学技術・学術総括官より説明をお願いいたします。

【馬場大学研究力強化室長】  それでは、資料2-1に基づきまして、大学研究力強化に向けた取組について御説明させていただきます。
 本日は時間も限られていることから、53ページに基づきまして、公募・選定のポイントのみ説明させていただければと思います。
 こちらです。まず選定に当たりましては、これまでの実績や蓄積のみで判断するのではなく、世界最高水準の研究大学の実現に向けた「変革」への意思(ビジョン)とコミットメントの提示に基づき実施することとしております。
 また、審査体制につきましては、総合科学技術・イノベーション会議及び科学技術・学術審議会が適切に情報共有等の連携を行うことができる体制として、アドバイザリーボードを立ち上げるとともに、アカデミアの特性も踏まえつつ、国際的な視野から、高度かつ専門的な視野を踏まえられるよう、外国人有識者も加えた適切な体制を構築する予定としております。
 2番目、公募・選定のスケジュールです。
 公募・選定のスケジュールにつきましては、本日公募を開始し、令和5年3月末に公募締切を予定しております。審査に当たりましては、来年度にかけて、研究現場の状況把握、大学側との丁寧な対話を実施することとし、書面や面接による審査だけではなく、現地視察、ハンズオンによる体制強化計画の磨き上げなど多様な手段により審査を実施する予定としております。
 詳細についての流れや審査の体制につきましては、次のページにも掲載しておりますが、この審議会においても、選定の状況、審査の状況についても報告させていただければと思います。
 また、56ページ目に掲載しておりますが、先月、大学ファンドに関するシンポジウムが開催されてございます。当日の動画や資料につきましては、記載のとおり公開しております。引き続き、大学関係者だけではなく、幅広い産学官の関係者の理解と関連施策との連携の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 続いて、総括官からよろしくお願いいたします。

【北山科学技術・学術総括官】  私からは、地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージの拡充について御紹介させていただきます。資料58ページを御覧ください。
 総合振興パッケージ関連予算として、令和4年度第2次補正予算に計上した総合振興パッケージ関連予算は、2,170億円プラス988億円の内数と整理されております。
 59ページを御覧いただければと思いますが、今般、地域中核・特色ある研究大学に対する支援を行うために、1,498億円の基金をJSPSに新設することとしました。大学ファンドによる国際卓越研究大学に対する支援と相乗的・相補的な効果を生むということを目指し、我が国全体の研究力の発展を牽引する研究大学群を形成していきたいと考えております。
 本基金による支援を希望する大学は、それぞれが有する強みを核に、研究力強化に有効な他大学との連携について協議の上、研究力の向上戦略を策定した上で、JSPSの公募に応募していただければと思っております。
 実施のスキームとして、60ページに現時点で検討している内容を示させていただいております。今後、文科省において公募要領を固めて、JSPSにおいて来年度早い段階で公募を開始してもらえるよう準備を進めてまいります。
 私からの説明は以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 それでは、続いて、令和4年度補整予算のうち、科学技術関係について、北山科学技術・学術総括官から説明をお願いします。

【北山科学技術・学術総括官】  引き続きまして、資料の63ページを御覧ください。今回の科学技術・イノベーション関係の第2次補正予算のトピックスについて御紹介させていただければと思いますが、63ページから65ページまでリストのような形になっているものの、項目の一番右端に基金創設と書いてある事項を中心に御紹介させていただきます。
 62ページ1つ目のポツ、地域中核・特色ある研究大学の振興で2,000億円となっているのは、これは今御紹介させていただいたものでございます。
 67ページを御覧いただけますでしょうか。国際頭脳循環に関する基金について御紹介させていただいております。67ページの先端国際共同研究推進事業プログラムというところでございますが、こちら、国際頭脳循環・国際共同研究を推進するために、JSTとAMEDに計501億円分の基金を設置することとしております。価値観を共有する同志国である先進各国との大型の国際共同研究を戦略的に推進し、世界の国際頭脳循環ネットワークへの日本人研究者の参画を促進します。今後速やかな基金造成に向けた取組を進めます。
 次に、72ページでございますが、革新的GX技術創出事業、GteXと呼んでいるものでございます。政府目標である2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、水素蓄電池、バイオものづくり等の基盤研究開発を支援することを目指して、JSTに基金を新設するものでございまして、496億円を計上いたしております。
 最後に、74ページ、国際展開する大学発スタートアップの創出と高校生等のアントレプレナーシップ教育の拡大を御覧ください。大学発スタートアップを支援するGAPファンドプログラムをJSTにおいて実施するために、998億円の基金を新設することとしております。
 これら4つの基金の新設に加えまして、創発について基金の積み増しを行ったり、あるいは、経済安全保障重要技術育成プログラムについて、基金の積み増しを行っているところでございます。
 特に、73ページ、経済安全保障重要技術育成プログラムにつきましては、12月5日からJSTとNEDOより最初の研究開発公募を開始しておりまして、今後も順次、研究開発ビジョンに示された技術の公募を行ってまいります。
 私からの説明は以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 次に、高等教育局関係について、山下高等教育企画課長から説明をお願いします。

【山下高等教育企画課長】  それでは、高等教育局の2次補正の主要事項につきまして御説明したいと思います。資料は76ページを御覧いただければと思います。
 幾つかございますけれども、本当に時間の関係もあって、かいつまんでということでございます。
 一番上の項目でございますけれども、成長分野を牽引する大学・高専の機能強化に向けた基金による継続的支援ということでございまして、本総会でも、前回概算要求ということで御紹介をさせていただきましたけれども、結局、2次補正という中で、3,002億円の予算を確保したというところでございます。
 中身につきましては、そこに書いてあるとおりでございまして、デジタル、グリーン等の成長分野を牽引する高度人材の育成に向けて、意欲ある大学・高専が成長分野への学部転換等を図っていくというようなことを後押しするための資金ということで、これだけのものを措置してございまして、実際基金のほうは、大学改革支援・学位授与機構(NIAD)に創設されて、できるだけ速やかに配分と申しますか、募集・審査を始めたいということとしておるところでございます。
 それから、ここの項目の中段あたりでございます。上から5つ目ぐらいのところに、医学部等教育・働き方改革支援事業ということで、こちらのほうも概算要求の中にも載せておったところでございますけれども、速やかにということで、補正で措置されてございます。医学部等における共用試験の公的化に向け、確実な実施のために必要な教育施設設備や、大学病院における医師の業務効率化を推進するICT機器等の整備を支援ということで、15億円ということでございます。
 さらに、その下でございますけれども、大学等における教育研究基盤の強化等ということで、国立大学、国立高等専門学校、それから、私立大学等々の施設設備のための必要な整備のための経費ということで、241億円。
 さらに、このページの一番下でございますが、高等専門学校におけるスタートアップを支援するということで、60億円ほど措置してございます。
 さらに、その次の77ページでございます。防災・減災、国土強靱化ということで、1つは、一番上の事項でございますけれども、私立学校の耐震化、やや遅れてございますので、そうしたところを進めていこうということで、94億円。
 さらに、中段以下でございますが、令和4年に発生いたしました震災、あるいは、豪雨等で被害を受けた大学・高専、私立大学等々の災害復旧のために、37億円などを今回措置させていただいているところでございます。
 私からの説明は以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 続いて、大土井参事官から説明をお願いいたします。

【大土井参事官】  大土井でございます。資料は飛びまして参考資料4でございます。オンラインの先生方におかれましては、参考資料006番のページをお開きいただければと思います。
 前回総会におきまして、「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」、これの状況につきまして御質問があったと聞いておりますので、その取りまとめの状況につきまして御説明差し上げます。
 次のページは目次の部分になっています。全体構成が、縦割りを打破した総合的な防衛体制の強化についてのところに、総論の次に研究開発、あと、同列で、公共インフラ、サイバー安全保障、国際的協力という立てつけになっております。
 構成員としましては、佐々江元外務次官が座長でありまして、科技政策の関係者としましては、上山CSTI議員と、橋本JST理事長ほかの皆様方でございます。
 次のページ、2ページで、参考の008ページでございます。有識者会議の設置の趣旨のところが、まずこの会議の位置づけを記したものでございますが、経済力を含めた国力を総合し、あらゆる政策手段を組み合わせて対応していくということのミッションに基づきまして、自衛隊の装備及び活動を中心とする防衛力の抜本的強化はもとより、自衛隊と民間との共同事業、研究開発、国際的な活動等、これらも含めた総合的な防衛体制の強化をどのようにするかということについて議論する場であったというものでございます。
 内容につきましては、飛びまして9ページ目でございます。参考の015ページ目になります。縦割りを打破した総合的な防衛体制の強化についての、まず総論部分でございます。
 その次の10ページ目の下の辺りにございますが、あらゆる能力を、国力としての防衛力という観点で総合的・一体的に利活用すべきであるということ。他府省や民間企業が管理・所有する研究成果やインフラ機能が政府として最大限活用されるように、府省間、官民の連携体制を構築する。その際に、防衛省・自衛隊等のニーズを踏まえ、関係府省が連携し、効果的に活用される仕組みをつくるというような内容になっています。
 この下のページからは、研究開発の部分になります。中身は次の11ページ目でございまして、縷々書いてございますけれども、他府省計上の予算について、総合的な防衛体制の構築に資するよう、安全保障分野におけるニーズとシーズをマッチングさせる政府横断的な枠組みを構築すべきという内容になってございます。
 その後、先週、いわゆる安全保障三文書が閣議決定されましたけれども、エッセンスは、ここに書いてある内容がそのまま入ったものと理解されるかなと思っております。ただ、具体的な検討につきましては、政府全体の動きでございまして、今現在、まだ具体的な検討は始まっていないという状況でございます。
 以上でございます。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいま説明いただいた報告全てを含みますが、御意見、御質問等ありましたら、少し時間がございます。10分弱でございますが、御意見賜ればと思います。どうぞ、お願いします。

【観山委員】  観山でございます。51ページにあります国際卓越研究大学の公募がいよいよ始まるということで、非常に期待しておりますし、なのですが、この51ページに書いてある研究大学の将来像(イメージ)とありますが、3点、四角が書かれていますが。
 これだと、例えば、評価に携わっている者から考えると、プロセスというか、トップクラスの人材が結集するとか、環境を整備するとか、大学院生の授業料が免除されるということなのですが、やはりアウトプットとかアウトカムが書かれていないと、イメージとして分からないのではないかなと思います。
 決して世界の大学ランキングの順位なんかは、私はあまり適切ではないと思うので、言いませんけれども、例えば、研究力・発信力において世界トップレベルの大学とするとか、国際頭脳循環のハブとなるような大学となるとか、そういう、どういう大学をつくろうとしているのかというか等、将来の期待を述べて欲しいです。環境とかプロセスだけではやっぱり弱くて、これを評価のイメージとすると、なかなかみんなには分かりにくいのではないかなと思いました。
 以上です。

【濵口会長】  ありがとうございます。
 馬場さん、御意見ございますか。

【馬場大学研究力強化室長】  観山先生、御質問ありがとうございます。大学研究力強化室の馬場です。
 今御質問いただいた研究力で言うと、まずこの資料自体は、我々が目指すべき国際卓越研究大学の将来像ということで、若干シンプルに記載させていただいているところではございます。
 実際の選定におきましては、例えば、先ほど表示させていただいた53ページ目に公募・選定のポイントとして書いておりますが、その中に要件として、真ん中辺、国際的に卓越した研究成果を創出できる研究力とか、自律と責任のあるガバナンス体制、そういったところについても記載しているところでございます。
 詳細については基本方針に記載しておりまして、例えば、観山先生のお立場からすると、WPIのような論文の状況だけではなくて、やはり研究者が魅力的だと思えるような環境をどうつくり上げていくか、そういった趣旨について、大学のほうから提案いただいて、審査をしていきたいと思っています。
 その審査についても、先ほど紹介させていただきましたが、この次のページに審査の流れを載せておりますが、我々、やはり書類を出していただいて、丸バツをつけるだけではなくて、大学側とも丁寧にコミュニケーションを図っていきながら、計画の磨き上げというところにいきたいと思っています。その過程において、大学のプランの実現可能性というところをしっかり見極めながら、選定に続きたいと思っているところでございます。
 御指摘も踏まえながら、まず審査体制を構築していければと思っています。ありがとうございます。

【観山委員】  審査はしっかりやっていただけると思うのですけれども、やっぱり目標というか、将来像がどういうものかというのが国民に分かりやすい形で発信しないといけないと思います。これ、すごく期待感が多いですので、よろしくお願いしたいと思います。

【濵口会長】  こういうお仕事はフォローアップが大事ですね。しっかり進めていただきたいと思います。
 ほか、御意見ございませんか。よろしいでしょうか。これだけは言っておきたいということはございませんか。
 よろしいでしょうか。まだ5分ほどございます。この際、御意見いただければ。次期に向けて言い残すことはございませんか。よろしいでしょうか。
 なければ、ありがとうございました。
 私、一言御挨拶申し上げます。
 本当に長い間、御指導いただきまして、ありがとうございました。この学域というのは、大学の活力が落ちつつあって、日本の科学技術に対してかなり厳しい局面が生まれてきた時期でもありますけれども、一方で、大学ファンドや地域の中核大学の支援が始まる、あるいは、大学院の支援が始まる、そして、創発のような若手研究者の長期的な支援が始まるという、大きな大学の転換点になるような時期だったと思います。
 いろいろ成果に関しては、まだこれからしっかりフォローアップをしていかなければいけないと思いますし、人材育成というのは、やっぱり30年、40年たって初めてその成果が見えてくるものでありますから、長期にわたってフォローアップがとても大切だと思います。引き続き、先生方の御指導、御批判をいただくことがとても大事な時代になってきたと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 くれぐれも、次期にもしっかり御意見いただけるかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、会長代理をお務めいただきました須藤先生からも、一言御挨拶いただきたいと思います。

【須藤会長代理】  会長代理を務めてまいりました須藤です。
 私は企業、産業界のほうから参加していますので、主に産学連携等の推進に注力してきたつもりです。そのような立場で、国際戦略とか、あるいは、地域の拠点ですとか、人材育成、そういったところでいろいろと活動させていただきました。
 産学連携、私が関わり始めてから十何年たっているのですけど、やっぱりかなり進展してきているなと思います。最初の頃はまだまだ小さい産学連携だったのに、今は組織対組織、かなり大型の共同研究が進んでいるということで、相当な進歩があったのかなと感じています。
 一方で、産学連携をやることによって、弊害といいますか、負の部分が少し現れてきたのかな。大学の先生が研究に専念できなくなっているとか、あるいは、いろんな事務的な手続で大変なのだというようなことも出てきていますので、やっぱりそろそろ産学連携も次のステップに入ってきたのかなと。もう少し効率的な産学連携というのはやってもいい時期に来ているかなという気がしますので、その点は、ぜひ今後とも文部科学省を中心に、産学官で連携しながら進めていっていただければと思います。
 どうもありがとうございました。

【濵口会長】  それでは、最後に、柳事務次官から御挨拶を賜れればと思います。

【柳事務次官】  事務次官の柳でございます。本日はどうもありがとうございました。
 本日の総会をもちまして、第11期としては最後となるということで、事務局を代表して、一言御礼の御挨拶を申し上げます。
 先生方におかれましては、御多忙のところ、当審議会の委員として、総会のみならず、分科会や部会などにも積極的に御参画いただき、誠にありがとうございました。
 この第11期はコロナ禍の中で始まり、当初は完全オンラインで開催させていただいておりました。前回の総会より、対面も含むハイブリッドでの開催とさせていただきましたが、少しずつ新しい会議開催のやり方を模索してきたところではありますけれども、先生方におかれましては、今日の総会の音声が聞きにくいですとか、途中中断せざるを得ない状況になったということで、大変な御不便、御迷惑をおかけしたところ、深くおわび申し上げたいと思います。
 この11期は、改正科学技術基本法の施行時期、そして、第5期科学技術・イノベーション基本計画の開始時期と重なりました。総会のみならず、各分科会等におかれましては、これを踏まえて積極的に御議論いただきました。
 この中で、特に総会におきましては、大学の研究力強化に向けた取組や、我が国の研究力強化に向けたエビデンス把握などについて御報告させていただき、様々な御意見をいただきました。我々、文科省といたしましては、いただいた御意見も踏まえまして、しっかりと取り組んでまいります。
 この会議でも何度も話題となっておりますけれども、近年、我が国の研究力は相対的に低下してきております。グローバルに闘っていく中で、研究力の強化は喫緊の課題と強く認識しております。先生方におかれましては、引き続き、様々な機会を通じて御指導、御助言を賜れればありがたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
 最後に、これまでの先生方の御尽力、そして、特に今期で会長を8年務めていただいた濵口会長のリーダーシップに深い感謝を申し上げるとともに、先生方のますますの御発展を祈念し、御礼の挨拶とさせていただきます。
 これまで2年間にわたり、どうもありがとうございました。

【濵口会長】  ありがとうございました。
 それでは、事務局から事務連絡をお願いいたします。

【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。
 本日の議事録でございますが、後日、事務局よりメールで送付させていただきますので、御確認いただくようお願い申し上げます。御確認いただきましたものを文科省ホームページに掲載いたしますので、御承知おきくださいますようお願いいたします。
 また、本日のマイクの不具合等、大変申し訳ございませんでした。
 以上でございます。

【濵口会長】  どうもありがとうございました。
 これで科学技術・学術審議会総会第69回を終了させていただきます。
 蛇足になりますが、皆様方と過ごした月日というものは、私個人にとっても忘れられない深い経験となりました。いろんなことを学ばせていただきましたし、日本の科学技術がもう一度輝くように何とか進めたいという思いでずっと来ましたが、少しその芽が出てきたような気もします。この芽が育つように、皆様方に御支援いただければと存じます。
 本当に今日はありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 

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