国際連合大学について

1.目的・特徴

  • 国際連合総会決議によって設立された,我が国に本部を置く国連機関。
  • 人類の存続,発展及び福祉に係る世界的な問題についての研究,研修及び知識の普及が目的。
  • 世界各地の大学・研究機関とネットワークを構成し,大学院レベルの教育,研究・研修事業,知識普及事業等を行う学術機関。

2.組織

  1. 大学理事会: 各国からの24名の理事と国際連合事務総長等4名の職務上の理事の計28名で構成。
  2. 学長: 第5代(2007~)コンラッド・オスターヴァルダー(スイス)
  3. 副学長: 武内和彦(東京大学教授)
    ゴウィンタン・パライル(インド)
    リザ・アルダカニアン(イラン)
  4. 職員定数:148 名,うち大学本部48 名(2010-11年)
  5. 大学本部:UNU Centre(headquarters)
    国連大学の全体的なプログラムについての企画・調整等を行う機関
  6. 研究研修センター(RTC:Research and Training Centre):国連大学のプログラム領域のうち,特定の分野について長期的に研究・研修を行う附属機関。世界に7箇所ある。
  7. 研究研修プログラム(RTP:Research and Training Programme):国連大学のプログラム領域のうち,特定の分野についての研究・研修を行うプログラム活動。世界の7つの機関で実施。

 

国連大学大学院サステイナビリティと平和プログラム

1.設置の趣旨・目的

  • 国連大学は1973 年の設立以来,学者・研究者の国際的共同体として,国連憲章の目的を追求するため,研究・研修等の活動を展開。
  • 昨年12 月の国連総会で,国連大学憲章が改正され,修士及び博士の学位が授与できることが明記された。
  • これを受けて,国連大学は世界各国に展開している研究所(13 カ国14 研究所)を母体に,各専門分野に応じた研究科を開設していく予定。
  • 東京本部施設内においては,本年9 月サステイナビリティと平和研究科を開設。
  • 本研究科では,国連及びその加盟国が直面している気候変動,平和構築,貧困削減等の地球規模課題の解決に必要な高度で幅広い知識と問題解決能力を備えた人材の養成を目的。

2.概要

  • 研究科長:武内和彦
  • 修士課程:標準修業年限2年間,入学定員20人,2010年9月開講予定
  • 博士課程:標準修業年限3年間,入学定員10人,2012年9月開講予定
  • 学位:Master of Science in Sustainability, Development and Peace
  • 学費:入学金20万円,授業料100万円(年間)

3.教育課程

  • 本研究科は,地球変動とサステイナビリティ,国際平和と安全保障,国際協力と開発という分野横断的な課題に焦点。
  • これらの喫緊の課題を幅広く相互に関連づけて学び,将来国連等の国際機関,政府開発機関,NGO 等で活躍するために必要な知識・技能を身に付けられるよう教育課程を編成。
  • 国連大学のネットワーク(国連大学の各研究所,他の国連機関等)を活用。
  • 修了要件:2年以上在学し,計30単位以上修得し,かつ必要な研究指導を受けた上,修士論文の審査及び最終試験に合格することとする。ただし,在学期間に関しては,優れた業績を上げた者については,1年以上在学すれば足りるものとする。

4.教員等

  • 教員(教授,准教授相当)12人(内3人は兼任,オンライン・ラーニング科目における国内外の他大学教員を除く)(講師,助教相当) 6人
  • 教員は各専門分野における十分な研究業績とともに,国際的な研究プロジェクトの経験も豊富な教員から構成。
  • 教員の国籍は12カ国に及び地理的文化的多様性を保持。

5.学生支援

  • 修学支援(共同大学院や国際講座等における学修指導の経験を活用)
  • 経済的支援(経済的に困難な学生に対する奨学金給付や授業料減免)
  • 学生相談(外国人学生・博士研究員対応の経験豊富な職員を配置)
  • 就職支援(国内外の国連機関等と連携した就職セミナー,インターンシップ・プログラム)等の体制を整備

6.施設設備

  • 教室,図書室,教員研究室,学生研究室,ラウンジ,国際会議場等のスペースを整備

7.マネジメント体制

○大学全体の組織体制

  • 国連大学理事会(大学全体の意思決定機関,年1回,半年に1回幹部会議)
  • 役員会(大学全体の執行機関,学長,副学長(3),事務局長,学長室長,隔週1回)
  • 研究科長(プログラム・ディレクター)会議(年2回)

○本研究科の組織体制

  • 研究科委員会(本研究科の意思決定機関,月1回,ワーキング・グループ随時)
  • アドバイザリーボード(本研究科に対する指導・助言,年1 回)

○本研究科の事務局体制

  • 事務局長1名,事務職員4名

【憲章,学則】

  • 国連大学憲章(国連総会決議,2009年12月改正)
  • 国連大学学則

8.質保証の枠組み

○アクレディテーション

国連大学から独立した有識者から構成される国際アクレディテーション委員会を設置。

- 国連加盟国のアクレディテーション機関から推薦された委員で構成
- 国際アクレディテーションは機関評価,分野別評価を実施
- 上記の国際アクレディテーションを含む国連大学全体の質保証に関する規則を本年7月の国連大学理事会幹部会議で採択
- 本年12月国連大学理事会でアクレディテーションに関する手続を承認

 

国際連合大学に係る経緯について

1973年6月 「国連大学に対する日本政府の寄与について」

      :国連大学の日本設置を希望し,国連大学基金の設置と1億ドル拠出等を約束。

1973年12月 「国際連合大学憲章」採択決議

      :国連総会決議により国連総会の自治機関として設立。 国連大学大学センターの東京首都圏設置を決定。

1976年6月 「国際連合大学本部に関する国際連合と日本国との間の協定」

      :国連大学の本部施設の不可侵,課税の免除,国連大学の学問の自由等に関して協定(条約)を締結。

      「国際連合大学本部に関する国際連合と日本国との間の協定の実施に伴う特別措置法(昭和51 年法律第72 号)」

      :国有の財産の無償使用及び名称の使用制限を規定。

2009年12月 「国連大学憲章」改正決議

      :国連総会で決議。日本は共同提案国。
      「学位」(修士・博士)を授与することが認められる。

      (参考:修正決議原文抜粋)
      “The University shall grant and confer master’s degrees and doctorates, ….”

 

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