はじめに

  1.  留学生交流は、我が国にとっては、科学技術、産業等の国際競争力の維持・向上や人材育成を通じた知的国際貢献に資するとともに、諸外国との間の人的ネットワークの形成によって相互理解や友好関係が深化し、ひいては世界の安定と平和に資するなど多くの面で意義がある。また、我が国の大学等にとっても、留学生の受入れや日本人学生の派遣を通じてキャンパスに国際的な環境を醸成し、それが大学等の教育研究や国際的評価を向上させるとともに、国際競争力を強化する。
  2.  現在我が国が受け入れている留学生数は約11万8千人であり、高等教育機関における全学生のうち、留学生の占める割合は3.3%にとどまっている。これは先進諸国の留学生数及びその割合(例えば、英国35万6千人、24.9%、ドイツ24万8千人、12.3%、フランス26万5千人、11.9%)に比べても低い数字と言わざるを得ない。
  3.  我が国の高等教育機関がグローバル化を通じ、国際的に通用する教育研究を展開し、科学技術振興や人材育成等の面で、国際的に貢献するとともに、質の高い教育研究などにより我が国の国際的プレゼンスを高めていくため、また、世界の活力を我が国の成長のエネルギーとしていくためにも、現在大学等に在学する全学生の1割程度に相当する30万人の留学生がキャンパスの中を行き交うような姿にすることにより我が国の高等教育機関は大きく変わることになる。また、卒業、修了して日本国内に就職する留学生が増加することにより、我が国社会もグローバル化に向けて大きく変わることになると考える。
  4.  これらのことを視野に入れるとき、我が国を世界により開かれた国とし、アジア、世界との間のヒト・モノ・カネ・情報の流れを拡大することが必要であり、そのような「グローバル戦略」展開の一環として「留学生30万人計画」を位置づけ、2020年を目途に30万人を目指し、当面今後5年間で大幅な拡大を目指すこととする。
    ついては、本委員会において本年4月にとりまとめた「『留学生30万人計画』の骨子とりまとめの考え方」に基づく具体的方策を以下のようにとりまとめた。

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