(4)高校生留学の推進

高校生留学の意義

 高校生留学は,異文化理解に極めて大きな意義を有し,さらには諸外国との友好親善の増進に寄与するものである。また,高校生の年代での留学体験は,大学生レベルでの留学やその後の国際交流活動の拡大につながるものである。例えば,語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)の参加者の中には,高校生のときの日本留学がそのきっかけとなった者もいる。

高校生留学の推進

 高校生留学の現状を見ると,大学生レベルに比べ,受入れ・派遣ともにその規模は小さく,不十分といえる。その理由として,例えば派遣については,高校生留学に対する理解の不足,帰国後の大学入試に対する本人や保護者の不安等が考えられる。また,受入れに関しては,ホストスクールやホストファミリー等の受入体制の未発達などが考えられる。今後は,高校生留学の意義の周知,受入れと派遣の均衡,受入れ・派遣国の多様化を考慮しつつ,上記のような課題を解決し,交流の人数の拡充を図るよう,国や自治体の取組の一層の充実が必要である。

高校生留学の促進のための支援体制の整備

 派遣に関しては,留学の意義の周知を含めた留学情報の提供などにより教員や保護者の高校生留学への理解を促進するとともに,生徒にとって留学が実りあるものとなるよう,国際理解教育や外国語教育の推進,派遣前オリエンテーションの充実等により生徒の留学に関する資質や理解の向上を図ることが必要である。また,英語圏諸国だけでなく,より日本に近いアジアを含めた多様な国への留学を促進することが必要であり,そのため,まずは短期間の留学の促進が有効と考えられる。さらに,安全確保に配慮した適切なホームステイ先の確保も重要であり,あわせて,大学の入学者選抜においても,高校生留学の経験を積極的に評価することが期待される。
 受入れに関しては,各学校,教育委員会,ホストファミリー及び民間の留学交流団体の連携・協力の下,受け入れる学校やホームステイ先の拡充を図ることが重要である。そのためにも,短期間の招致事業の実施を通じ,日本の高等学校や一般家庭に対する海外の高校生の受入れへの理解を増進させ,また,留学生の受入れに関する情報提供の充実により,海外の高校生の日本への留学の一層の促進を図る必要がある。

教員の海外研修の活用

 高校生留学の重要性,必要性については,教員自らが海外での生活を体験することにより,一層理解が深まるものと考えられる。
 教員を対象とした外国語運用能力,異文化コミュニケーション能力の育成を目的とする海外研修は,国及び地方公共団体等で種々実施されているが,今後は,こうした教員の海外研修制度を一層活用することにより,中・高等学校教員に対して,海外における生活体験の機会の増大を図ることが重要である。

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)

-- 登録:平成21年以前 --