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医療系大学院において、優れた医療人を育てるということと、研究者を養成していくこととは必ずしも相容れないので、どのようにバランスを取るのかが問題である。研究マインドを学んだ者が将来研究職以外の職についても良いが、圧倒的に研究職以外の職に就いているということをどう考えるかである。 |
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臨床医学系大学院の目的は研究者養成なのか、高度専門職業人養成なのかについて整理が必要。高度専門職業人養成であるとするならば、論文を書かかせるということではなく、臨床現場に出て診療を行わせることが必要になるが、そうなると学会の専門医制度との棲み分けが必要となる。 |
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薬学部6年制に伴い、その上に設置される4年制の博士課程において、ある程度専門性を持った職業人を養成するという役割が大きくなると思う。国立は学部4年、修士2年、博士3年の従来型が主流となり、私立は学部6年、博士4年制が主流となることから、国立と私立において大学院の役割分担が生まれるのではないかと思う。 |
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看護系の大学院修士課程は、大学教員・研究者養成の目的がある一方、優れた臨床家、専門看護師を養成するという目的がある。修士課程の中では大学によって、高度専門職業人養成を行うということを明確にしている大学院や、大学教員・研究者に進みたいというコースと臨床家になりたいというコースの2つを置いている場合がある。 |
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看護系の博士課程は専ら大学教員・研究者の養成を行っているが、将来的には病院の看護部長クラスになるための養成も行って良いのでないかという議論も出ている。 |
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アメリカにおけるメディカルスクール等のプロフェッショナルスクールは研究者養成ではなく専門家養成を目的としており、また、研究者養成のためにはPh.Dコースがあり、その辺ははっきり分かれている。ロースクールが設置されたことで、日本でも今後プロフェッショナルスクールが増えていくと思われる状況の中で医療系大学院をどう考えていくかが課題である。 |
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メディカルスクールについては、現在、医学部の中では編入学定員を設け、学士入学制度を実施しているところが多数あり、まずはこの制度の検証が必要であると思う。この制度で卒業して医師になる者が、高校卒業で直に医学部に入って医師になる人よりも、本当に社会から求められるより良い医師になっているのかどうかについてしっかり検証した上でメディカルスクールを考えなくてはいけないと思う。 |
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公衆衛生大学院をどう考えるのかという問題がある。日本ではまだ少ないが、アメリカでは40以上ある。アメリカの公衆衛生大学院は非常に幅があり、強力である。日本でこの公衆衛生大学院というものをどう考えるのかという問題がある。 |