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資料4
中央教育審議会大学分科会
大学の教員組織の在り方に
関する検討委員会(第8回)
平成16年9月29日

主な論点について(整理メモ案)


1 (新)助手の職の位置付けについて

 現行の助手の職にある者のうち、教育研究を行うことを主たる職務とする者を「新職」とし、それ以外の現行の助手については、(「新職」を除いて)現行のままとする。

<利点>
○1  現在の助手の職務にある者のうち、「新職」に相応するものに限り、「新職」とするため、混乱や無理が生じないことが期待できる。

○2  大学等や分野によっては、現行の助手の職が多様な機能を果たしている重要な職であるという実態にも、大学等の判断により対応することが可能。
 
<問題点>
●1  現行の助手制度を(「新職」を切り分けただけで、それ以外は)そのまま残すことになるため、助手制度の問題点(位置付けの曖昧さ等)が解決されないおそれがある。

【対応案】
 
  答申や通知において、
 主たる職務が、事務職、技術職である者については、それぞれ事務職員、技術職員とすること
 教育研究と教育研究支援の双方を行う「助手」として採用する場合には、採用時に、主たる職務内容や昇進等を明示すること。
が望ましい旨示すか。
   
  答申や通知において、今回の改正は第一歩であり、今後、助手の実態等の動向によって、制度改正を検討することが必要である旨示すか。
   
●2  キャリアパスの職が、「新職」と(新)助手の二つとなり、混乱が生じないか検討が必要。

【対応案】
 
  答申や通知において、各大学等は(新)助手として採用する者に対して、キャリアパスの職か否かを明確に示すことが必要である旨示すか。
 
 
 教育研究を行うことを主たる職務とする職を「新職」と位置づけ、(新)助手は教育研究支援を主たる職務とする職と位置づける。

<利点>
○1  主として教育研究を行う「新職」と、主として教育研究支援を行う(新)助手と明確に区分し、現行の助手の位置付けの曖昧さを解消し得る。

○2  特に、大学教員・研究者の卵と言うべき者にとっては、教育研究に専念できるとともに、将来の進路が明確になる。
 
<問題点>
●1  大学等や分野によって、現在の助手の職務の実態は多様であり、教育研究職と教育研究支援職の二つに分けきることが困難な場合が生じないか検討が必要。

【対応案】
 
  答申や通知において、主たる職務内容によって教育研究職か教育研究支援職に分ければよい旨を示すか。
   
●2  助手の職が、現行の教育研究職から、教育研究支援職に変わることによって、混乱が生じないか懸念される。

【対応案】
 
  答申や通知において、教育研究支援職の重要性等を指摘し、格下げではない旨を示すか。
   
 (大学等や分野の状況にもよるが)(新)助手の処遇について、答申において一定の考え方を示す必要があるか。

【対応案】
 
  答申や通知において、大学や分野の状況により、教育研究支援職員についても、職階を設けること等の処遇について示すか。
   
 現在の助手の職にある者については、経過規定として現在の職務のまま残さざるを得ないか。(要検討)
 
 現行の助手の職にある者のうち、教育研究を行うことを主たる職務とする者は「講師」とすることとし、(新)助手は教育研究支援を主たる職務とする職と位置づける。

<利点>
○1  教育研究を主たる職務とする「講師」と、教育研究支援を主たる職務とする(新)助手の二つの職とすることにより、現行の助手の職の曖昧さを解消し得る。
○2  キャリアパスの職として、「講師」が位置付けられ、将来の進路が明確になる。
 
<問題点>
●1 〜●2 (B案の●1〜●2に同じ)
●3  現行の助手の職から講師になる者については、実態が同じであっても、講師となることにより、処遇等も変わることになることが適切か検討が必要。


2.「准教授」「新職」の職務内容・位置づけについて

1. 准教授の職務内容について、

 現行の助教授のまま「教授を助ける」こととする。

<利点>
 現状どおりであり、混乱が生じないことが期待できる。

<問題点>
 独立して教育研究を行っているという実態にそぐわず、また、国際的な通用性にも欠ける。

 教授と同じ職務とする。

<利点>
 独立して教育研究を行っているという実態に即しており、また、国際的にも通用性を有する。

<問題点>
 実態にあわせた改正であり、実態上は何も変わらないおそれがある。
 
2. 教授、准教授、「新職」の位置付け(職務内容の違い等)が不明瞭。

【具体的な対応案】
1. 制度上の各職の位置付け
 以下のような位置付けとしてはどうか。(「条文のイメージについて(たたき台案)」参照)
 
 教授
 学生への授業や研究指導、研究への従事とともに、大学、学部等における教育研究方針の策定、教育課程の編成等、教学面の運営について第一次的な職責を担っている(法令上の最終的な責任と権限は学長)。
   
 准教授
 基本的に、教授と職責は同じ。
 ただし、教授とは異なり、教授会に最低限必要な構成員ではなく、教授会に加えることができる職とされているなど、各大学等の実情によって、教学面の運営における責任の度合いが教授と異なることがあり得る。
 
 待遇や、それに関連した任用上の資格要件が教授と異なる。
 設置基準上、主たる授業科目は専任の教授又は准教授が担当することが必要
   
 「新職」
 学生への授業や研究指導、研究への従事を主たる職務とすることは、教授、准教授と同じ。
 ただし、教学面の運営において教授や准教授と同じ職責を担うものではなく、自らの研究以外については、大学等が定めた役割分担の下、授業や研究指導等を担う点において異なる。
 
 待遇や、それに関連した任用上の資格要件も教授、准教授と異なる。
 設置基準上、主たる授業科目は専任の教授又は准教授が担当することが必要(改正案)
 
(参考)  キャリアパスやプロモーションについて
 現在においても、各大学・分野によってキャリアパスやプロモーションの実態は多様であり、単線型のイメージを示すことは困難。
 例えば、仮に、(新)助手を教育研究支援職員とする場合の一般的なイメージとしては次のとおり。
 
図
 
   
2. 各大学等における運用上の位置付け
  答申や通知において、
1  法令上の規定以上に、各職の具体的な職責として想定している内容を可能な限り具体的に示すこととするか。
2  各大学等において、准教授、「新職」等の教員を採用するに当たっては、可能な限り、各大学等における具体的な職務内容や、今後の昇進の見通し等を示すように提言するか。

3 次代を担う若手研究者や大学教員等の育成や、医学部における診療 等、「准教授」「新職」の職務の独立性に関わる課題について

【検討課題】
   個々の教員自身の研究活動や、個々の授業科目における具体的な教育内容・方法等については、個々の教員の独立性が尊重される必要があるが、
 
1  授業科目の分担、入試業務、診療等の事務のように、組織として役割分担・連絡調整の下で行うことが必要な事務が存在しており、また、
2  大学等や分野によって、現行の助手等が院生に対して行っている日常的な支援・指導が、その育成において重要な役割を有しており、次代を担う若手研究者や大学教員等の育成の観点からは、誰か(「新職」、(新)助手、PD等)が、この役割を担うことが必要。

   今回の制度改正において、准教授、「新職」について、自らの教育研究を主たる職務として規定するに当たっては、これらの点について運用上、支障が生じないような手当てが必要。

【具体的な対応案】
  1 の点について
  大学設置基準等に、各教員の分担及び連携の組織的な体制の確保や責任の明確化について規定を新設するか。(条文案参照))
 
 大学設置基準
八条 大学は、教員組織の編制に当たり、当該大学、学部及び学科又は課程等の教育研究上の目的を達成するため、教育課程の編成、第25条の2の組織的な研修その他教育研究の実施に関し、各教員の分担及び連携の組織的な体制を確保し、かつ、責任の所在が明確になるよう配慮するものとする。
   
  答申や通知において、上記改正(条文)の趣旨として、自らの教育研究を行うこと以外にも、大学、学部、学科等の定めるところにより、職務を分担することが必要である旨示すこととするか。(具体的な例示として、入試業務や医学部における診療等を掲げるか。)
     
  2 の点について
  大学院設置基準等上に、「新職」等が日常的な指導等を行うなど、各教員が役割を分担しつつ連携して、組織的に学生の教育を行う体制を確保するよう配慮すべき旨の規定を設けるか。
   
  答申や通知において、上記改正(条文)の趣旨として、院生の教育に当たっては、比較的年齢の近い「新職」等が日常的な指導等を行うなど、教員組織全体で役割を分担しつつ、連携して組織的に行うよう配慮すべきである旨示すこととするか。

4 学校教育法上、大学の判断により置くかどうかを決める職とするか、置くこととする職とするか。

1. (新)助手について
教育研究支援職員と位置付ける場合】
A案  (新)助手は学校教育法上、置かなければならないこととする。
趣旨・利点>
 必置としない場合には、各大学等の運用上、現行の助手の職の大部分が「新職」等に振り変わり、教育研究支援職である(新)助手が置かれなくなるおそれがある。
   
B案  (新)助手は各大学の判断により置くかどうかを決める制度とする。
趣旨・利点>
 近年、
 TA、RA、PDの充実が図られてきていること、
 オーバーヘッド等、教育研究支援のために活用し得る制度が発達してきたこと、
 大学等や分野によって助手の配置や職務の在りが多様であること
等を踏まえば、教育研究支援業務を担う者の在り方についても、(新)助手を置く置かないを含め、各大学等が制度設計を自由にできるようにすることを基本とすべきではないか。
   
(新)助手は、現行の助手のままとする場合】
 
A案  (新)助手は学校教育法上、置かなければならないこととする。
趣旨・利点>
 現行制度と同様であり、「新職」の創設等の制度改正に伴う摩擦が生じにくい。
 「新職」を設けることにより、実態と関係なく、現在、助手の職にある者を「新職」等に異動させる等の不適切な運用が生じにくい。
   
B案  (新)助手は学校教育法上、置かなければならないこととするが、「新職」を置く場合には置かないことができることとする。
趣旨・利点>
 各大学等や分野によっては、現在の助手にある者の全部又はほとんどが「新職」に相当することがあり得るため、かかる場合には、「新職」を置けば(新)助手は置かなくてもよいこととする。
   
C案  (新)助手は各大学の判断により置くかどうかを決める制度とする。
趣旨・利点>
 各大学等が制度設計を自由にできるようにすることができる。

 
2. 「新職」について
 各大学の判断により置くかどうかを決める制度とする。
趣旨・利点>
 現在の助手の職にある者の実態は各大学等や分野によって多様であり、将来、教授等になることが期待される若手教員のための職についても、各大学等が制度設計を自由にできるようにすることができるようにすることが適切。
   
3. 准教授について
A案  学校教育法上、置かなければならない職とする。
趣旨・利点>
 
 准教授に昇進・採用した上で資質能力を審査して、教授に昇進させる方が教授に適格者を確保する点において資する。
   
検討課題>
 大学等や分野によって多様であり、必ず置かなければならないとするときは、各大学等や分野の実態に対応した制度設計が困難ではないか。
   
B案  学校教育法上、置かなければならない職とするが、特別の事情があるときは、准教授(仮称)を置かないことができることとする。
趣旨・利点>
 准教授に昇進・採用した上で資質能力を審査して、教授に昇進させる方が教授に適格者を 確保する点において資する。
   
検討課題>
 「特別の事情のあるとき」についての大学等の運用によっては、大学等の判断によって置くかどうかを決める制度と同じになるのではないか。
   
C案  各大学の判断により置くかどうかを決める制度とする。
趣旨・利点>
 現在の助手の職にある者の実態は各大学等や分野によって多様であり、各大学等が制度設計を自由にできるようにすることができるようにすることが適切。
   
検討課題>
 准教授に昇進・採用した上で資質能力を審査して、教授に昇進させる方が教授に適格者を確保する点において資するのではないか。
 各大学等の運用によっては、准教授の職が置かれず、教員全体に占める教授職の占める割 合が高まることにつながるおそれがあるのではないか

5 教員の職全体における各職の占める割合及び教員評価について

検討課題】
 我が国では、教員の職全体の中で、教授職の比率が先進諸外国に比べて高く、反面、若手教員のための職の比率が低いが、若手教員を志す優れた人材の確保等の観点から、教員の職全体において教授、准教授、「新職」等の各職の占める比率はどうあるべきか。

 教員評価について、公正かつ妥当な方法により、責任の所在を明確にして行うべきであるということを示すべきではないか

基本的方向性】
 各職の占める割合は、各大学の判断・運用に委ねられており、法令等で規律することは困難であるが、少なくとも、
 若手の教員のための職を一定割合で確保するよう努めること
 教員の採用・昇進に当たっては、教員評価を公正かつ妥当な方法により、責任の所在を明確にして行うべきであること
ではないか。

具体的対応案】
1   答申や通知において、(先進諸外国を例として挙げたうえで)上記趣旨を提言するか。

2  さらには、大学設置基準において、教員評価について上記趣旨の定めを規定するか。


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