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資料3
中央教育審議会大学分科会
大学の教員組織の在り方に
関する検討委員会(第5回)
平成16年2月5日

平成16年2月5日
大学の教員組織の在り方に関する検討委員会


テニュア制度について(案)

 米国におけるテニュア制度は概略は次のとおり。

  1.  テニュア(終身在職権、Tenure)制度とは、教員の自由な教育研究活動を保障するため、心身に障害を負い、教育研究活動の継続が不可能になった場合を除いて、終身(定年まで)、当該大学の教員としての身分を保障する制度である。ただし、大学からの給料は保障されない。約9割の大学がテニュア制度を有する。

  2.  大学院卒業後、研究員(Research Fellow)等として経験を積んだ後(特に理系)、助教授(Assistant Professor)、専任講師(Instructor)等として、任期付の契約で雇用される(一般に、助教授は2〜3年、専任講師は1年程度)。この際、再任回数あるいは最長在職期間が定められている。

  3.  この助教授や専任講師の期間に実績を積み、准教授(Assistant Professor)への昇進時に、又は准教授在職期間中に審査を経て、テニュアの取得が決定される。教授は、テニュアを取得していることが普通である。

  4.  なお、すべての教員ポストが、テニュア取得に開かれているわけではなく、テニュアを取れる可能性のあるポスト「テニュア・トラック」ポストと、可能性のないポストがあり、どちらのポストかは採用時から決定している。一般に、助教授(Assistant Professor)及び専任講師(Instructor)の一部を「テニュア・トラック」ポストにしている大学が多い。

  (参考)4年制大学におけるテニュア取得教員の比率(1998〜9年度)
 
  全教員 教授 准教授 助教授 専任講師
割合 62.3% 96.2% 83.6% 12.3% 4.8%
  出典:連邦教育省,Digest of Education Statistics 2001

  5.  テニュアの審査は大学によって異なるが、一般に厳しく、研究業績、取得した研究補助金、教務の業績などについての書面を作成するほか、学外の研究者や無作為抽出した学生の推薦状、テニュアを持っている教員全員からの投票等を基に決定される。



(参考)

諸外国の大学における教員の身分保障について

  身分保障制度 解雇の要件・手続
アメリカ
  公私立大学の教員(非公務員)はテニュア取得により身分が保障(定年制は1994年から連邦法により禁止)。
  取得者の割合:全フルタイム教員の64%(1998年,2年制大学を含む)

(大学により異なるが,一般に指定の期間(7年程度)の勤務を経,この間教授・研究能力に優れたと認められた教員に,管理運営機関である大学理事会の承認によりテニュアを授与。)
  要件     大学により異なるが,一般に心身の障害や職務の怠慢,倫理的道義的な問題行動,大学の利益侵害等をテニュア取り消しの理由とする大学が多い。
  手続     大学により異なるが,一般に大学教員からなる委員会を設置,本人から事情聴取を行ったうえで委員会のテニュア取り消しの決定を大学理事会が承認する。
イギリス
  国立大学の教員(非公務員)はテニュア取得により定年まで身分が保障。
  取得者の割合:全教員の約6割(一部パートタイム教員のフルタイム換算を含む)。

(テニュアは通常ポストに付いており,テニュア付きポストへの採用・昇進によりテニュアを取得する。ただし,このテニュア付きポストに試用期間を設けている場合もあり,この場合試用期間後の解雇は可能。上記の取得者には試用期間の教員及び期限付きでも延長可能なポストの教員を含む。)
  要件     1違法・問題行為,2適格性(能力,資格)の欠如,3余剰人員などが解雇の理由として法律で規定(1988年教育改革法)。
  手続     各大学の規律規定に従い,通常,規律・懲戒又は余剰人員に関する委員会が審査し,管理運営機関であるカウンシル(平均30数名で半数以上が学外者)が最終的に決定する。解雇の決定に対する不服申立ができる。
フランス
  国立大学の教員(教授、助教授)は国家公務員として定年まで身分が保障。
  手続     懲戒免職の場合,政令に従い,各大学の全学の審議機関である管理評議会が審査する。(教育法典第L.712-4,L.952-8条)
ドイツ
  州立大学の「教授」(我が国の教授,助教授,講師に相当)は州の公務員として定年まで身分が保障。
  州立大学の「準教授」(2002年に新設された「教授」に次ぐポスト)のポストは任期制。
  公務員としての一般的な規定が適用される(詳細は不明)。




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