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法科大学院等特別委員会(第89回) 議事録

1.日時

平成30年11月9日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室(中央合同庁舎7号館東館3階)

3.議題

  1. 法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムについて
  2. 法科大学院等の教育の改善・充実について
  3. その他

4.議事録

※本議事録は未定稿です。

【井上座長】 
 それでは,所定の時刻になりましたので,第89回中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会を開催いたします。
 本日は,法科大学院の公的支援見直し強化・加算プログラムの審査経過について御報告いただくとともに,これまでの議論に引き続きまして,法科大学院教育等の改善・充実について御議論いただきたいと考えております。
 本日もよろしくお願いいたします。
 まず事務局に異動があったとのことですので,事務局より紹介をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 10月16日付けで,高等教育局担当大臣官房審議官の瀧本寛が大臣官房総括審議官に異動となり,後任に森晃憲が着任しております。

【森大臣官房審議官】 
 森でございます。どうぞよろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 また,専門教育課長の松永賢誕が初等中等教育局教育課程課長に異動となり,後任に小幡泰弘が着任しております。

【小幡専門教育課長】 
 小幡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【井上座長】 
 よろしくお願いします。
 それでは,配布資料の確認ですか。事務局の方でお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元の議事次第をごらんください。議事次第の4の「配付資料」のとおりでございますが,資料1-1と資料1-2と資料2と資料3,あと参考資料が1から3となっております。また委員のお手元には,別途机上配布資料が1点用意されていると思います。
 事務局からは以上でございます。

【井上座長】 
 資料に不足等がございましたら,適宜お申し出ください。
 それでは議事に入ります。初めに司法試験の結果等を踏まえまして,平成31年度の法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの基準額算定率が決定したとのことであります。また,来年度の法科大学院入学定員の見込みについても取りまとまったということですので,この二つの点について,事務局から説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元に資料1-1と1-2を御用意願います。
 資料1-1,平成31年度法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム,いわゆる加算プログラムの基礎額算定率設定に当たっての類型一覧でございます。この基礎額については,司法試験の合格率や入学者の競争倍率等,客観的指標から算出されるものでございまして,平成31年度につきましてはこのような結果となったということで,本日御報告するとともに公表されたことになっております。
 また資料1-2でございますが,これはあくまでも各法科大学院からの報告等に基づく予定でございますが,平成31年度の法科大学院の入学者の定員につきましては,前年度から77人減の2,253人となる予定でございます。
 事務局からの説明は以上でございます。

【井上座長】 
 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして,何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは,次に進ませていただきます。次が,法科大学院教育等の改善・充実方策のうち,特に法科大学院法学未修者コースの改善・充実についてでございます。事務局から説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元に資料2を御用意願います。「法科大学院等の教育の更なる充実・改善のための方策について(案)」というものでございます。
 資料のとおり,今期の本特別委員会におかれましては,3月30日付けで法科大学院等に抜本的な教育の改善・充実に向けた基本的な方向性を取りまとめていただきました。また,前回10月5日の特別委員会におきまして,法曹コースの制度設計等についておおむね了承していただいたところでございます。これらを踏まえて,法学未修者コースの改善・充実の方策等について,御審議いただくための検討案というものでございます。
 なお,本日の配布資料の中の参考資料2が,前回御議論いただきました「法曹コースの制度設計等について」というものでございますが,前回おおむね了承いただいたということで,「案」を取った形で配布させていただいているところでございます。
 また,10月5日の本特別委員会でおおむね了承いただいたことを踏まえまして,参考資料3で2枚組の資料でございますが,これらの大学分科会で法科大学院の関する具体的な制度改革案について,御了解いただいたということでございます。
 本日はこれらを踏まえまして,法曹コースの詳細な制度設計等について,改めて少し御議論いただくこととしておりますけれども,その前に,前回の本委員会におきましても,既修者コースの改善については十分に議論を尽くしたので非常によかったけれども,もう一つの柱である未修者コースについては,もっと議論していく必要があるだろうということでありましたので,まずは本日未修者コースの改善・充実について御議論いただきたいと考えております。
 資料2の1ページ目にお戻りいただきまして,未修者コースの改善・充実についてということで,目指すべき方向は,3月13日の基本的な方向性の記述を簡潔に記載させていただいておりますけれども,法学部の法曹コースの学生は法科大学院へ進学に当たっては,既修者コースへの進学が基本となるということから,法学未修者コースには,法学を履修する課程以外の出身者。いわゆる純粋未修者や社会人経験者が入学者の多数を占めることを目指すということとしております。
 一方で現状,これも3月13日の基本的な方向性に書かれたことでございますが,未修者コースにおいては,これまで様々なバックグラウンドを有する質の高い法曹を生み出してきたものの,司法試験の累積合格率が全体として5割に達しておらず,修了に要する期間と経済的負担もあり,志願者・入学者は減少を続けているということでございます。
 これらを踏まえた改善方策でございます。一つ目でございますが,本委員会で了承いただいたことでございますが,入学者の質の確保の観点から,純粋未修者や社会人経験者の割合を3割以上とする告示は見直しをしたと。一方で,こういう方について的確にその適性を評価していただいて,入学者選抜において配慮をしていただくということで,この配慮義務について法令において規定していくということとしております。
 また,これについては繰り返し御説明させていただいておりますけれども,来年度から本格実施される共通到達度確認試験について,各法科大学院が進級判定にそれぞれの考えに基づいて使うということによって,進級時の質保証を充実させるということでございます。
 2点目でございます。これは,最近御議論・御意見等は余り頂いていないことでございますが,最初に入学時に十分な実務経験を有する者については,大学が適当と認めた場合には,当該実務経験に相当する展開・先端科目に代わり,法律基本科目を履修することも可能としているということで,大分前にこういう方針が認められたということでございます。
 具体的には,例えば税理士の資格を持ってらっしゃる方,法曹の資格を得ようということで法科大学院に入学された場合には,実務税関系の科目に代わって法律基本科目を履修することも,大学が適当と認めた場合は可能であるということでございます。
 これを認める際にもう一つの方策として,基礎法学・隣接科目については,法科大学院によって,法律基本科目のみならず幅広く視野を広げるために必修とされたという経緯を踏まえれば,基礎法学・隣接科目の科目の重要性については論をまたないところではございますけれども,各法科大学院の判断によって,純粋未修者や社会人経験者については,基礎法学・隣接科目に代わり法律基本科目を履修することも可能とする方向で検討することが適当ではないかということで,問題提起をさせていただいております。
 また丸3の部分でございます。こちらは3月13日の基本的な方向性で更に検討するとされたところでございますが,法学未修者については,若手実務家による自らの学習経験を踏まえたきめ細かな指導に教育効果が期待されることから,このような指導の一層の促進のため,若手実務家を専任教員として活用することができるよう,実務家教員の実務経験年数は現行おおむね5年以上となっておりますけれども,教育の質が確保されることを前提に,科目の特性を踏まえつつ,見直しを検討するとされたところでございます。その後,特段この点について御議論いただくことはしておりませんでしたけれども,実務経験や科目の特性等について,どのように考えることが適当かという形にさせていただいているところでございます。
 ページをおめくりいただきまして2ページ目でございます。先ほど31年度の基礎額について御説明申し上げましたいわゆる加算プログラムにおいて,未修者教育を効果的に行っている法科大学院に対して,より安定的・継続的に支援をすると。これ,加算の部分については,現在審査を行っているさなかでございます。
 また優れた未修者教育の実例やその手法を体系化し,共有可能にする取組を行うと。この3月13日の取りまとめを踏まえまして,今年度未修者教育の関係で調査研究を日弁連法務研究財団に行っていただいているところでございます。この後,その現在行われている研究についての方向性等について,御説明いただきたいと思っております。
 その御説明いただく前に,最後5番目でございます。純粋未修者や社会人経験者に対して,入学後の適性のミスマッチを防止するために,出願前に法科大学院教育を体験できるようにすることや,法科大学院不在地域の大学と連携した法学未修者教育をもっと推進するための方策を検討するということでございます。このような方策は一部で少しはやられているというところ,また各大学で工夫してやられているところでございますが,もっと積極的にやっていくための方策を検討するという形としております。
 それでは,現在,未修者教育の改善に向けた研究を行っている日弁連法務研究財団から御説明をお願いいたします。

【日弁連法務研究財団】 
 それでは,法科大学院における法学未修者への教育手法に関する調査研究を文科省の方から委託を受けて実施しております日弁連法務研究財団のこの調査研究の事務局をやっております弁護士の椛嶋と申します。
 この成果報告書の方向性というものを提出するようにということで求められておりましたもので,私の方から現状に関して,このペーパー,机上配布資料を踏まえて御説明させていただきたいと思います。
 まずこの調査研究,文科省からは2点のオーダーがございました。1点は,ヒアリング調査や実地調査を通して,各大学において行われている優れた法学未修者教育の実例やその手法等を体系化するということであります。もう一点が,そのような調査を通じて得た知見を基にして,教育課程や入学者選抜の在り方を含めて,今後の法学未修者教育の改善に向けたエビデンスに基づく提言を行うということです。この2点のオーダーを踏まえ,取り組んできております。
 このペーパーの2の方からごらんいただければと思います。具体的にどのようなことを行うか,メーンとなりますのは,2の(2)の法科大学院の実地調査ですが,前提として,これまでの提言等,あるいは文献等に関する調査も行っております。
 1番に戻りますが,実地調査の対象とする法科大学院は,文科省の方から10校程度という目安をいただいておりましたが,13校調査を行うことにしております。具体的にどのような基準で対象法科大学院を選ばせていただいたかですけれども,平成30年度の加算プログラムで未修者教育という分野で加算が得られていた10の法科大学院が基本となっております。それ以外のところで,この間の未修修了者の司法試験の累積合格率が高いということで1校。それから(3)として,地方の法科大学院。これ,具体的には数年前のいわゆる未修者ワーキングの提言の中で,未修者に関する取組が紹介されているところから,地方の法科大学院を2校選ばせていただきました。この13校の実地調査を行うことにしております。
 実地調査でどのようなことを行うかに関しましては,2の(2)のアからカまで書いております。法科大学院からのヒアリング。未修者教育で高い評価を受けていると御推薦いただいた授業の視察と,担当の教員また受講学生からのヒアリング。他学部卒・社会人経験の在学生からのヒアリング。これら在学生を対象としたアンケート。他学部卒社会人経験者の修了生からのヒアリング。また,これらを対象としたアンケート。このようなことを行うということで始めております。
 実地調査のポイントとして,ペーパーの2枚目に移りますけれども,いわゆる未修者ワーキングの提言やこの間の加算プログラムでどのような内容が評価されてきたかということなどを踏まえますと,2枚目のアからクにあるような項目に多くの取組が分類されるのかなと思っております。
 入学者選抜の段階での工夫。法科大学院への入学が決まった人に対する入学前の取組。法科大学院のカリキュラムあるいは授業内容における工夫。試験をどううまく活用するか。未修者に対する教材に関する工夫。正規の授業外での学習指導。さらには学習面以外のメンタルなどを含めた学生に対するフォロー体制。修了した後の修了生に対する支援。こういうあたりに多くの取組が配置されるのかなと考えております。
 (2)に移りますが,こういう取組に対して,法科大学院からのヒアリング,教員からのヒアリングのほか,特に今回の調査では,実際に教育を受けた学生が,それをどのように受け止めているのかというところを,余りこれまでそのような観点が多く議論されてきていないのではないかなという感じがしておりまして,そこを一つのポイントとして調査したいと思っているところでございます。
 最後のページに参ります。成果報告書の方向性というところです。と申しましても,このペーパーを提出した段階で実地調査が終了していたのは一橋大学だけでした。その後,現在までの間に10月31日に筑波大学,11月2日に京都大学,11月5日に創価大学,11月5日・6日で北海道大学という形で計5校の調査が終了はしております。が,まだその結果に関しては集約をし始めたばかりというところです。
 したがって,まだ「こういう形で成果報告書を作ります」と言いうるだけの材料が十分にはございませんが,現時点では,次のような方向での取りまとめを考えているところです。
 まず,未修者教育の充実のための方策に関しましては,先ほど申し上げたようなアからクの項目を踏まえた各法科大学院の取組を集約し,体系化し,各々の法科大学院が「自分の大学ではこういうところが欠けているな」というような形で御参考にしていただけるよう,パッケージとして取りまとめたいと考えております。ただ,未修者教育の充実というものは,先生方の方がよく御承知かと思いますけれども,何かすごい特効薬があるということではないと思っておりまして,今回の提言についても,やはり各々の法科大学院で現在実施されている地道な取組の延長線上に位置付けられることになるのではないかと考えているところでございます。
 それからもう一つは,この成果報告書において,(1)で述べたような方策を具体的に実現可能とするためにはどのような条件を整備する必要があり,その条件整備のためにどういった支援が必要なのかということに関しても何らかの提言ができればと思っております。と申しますのが,やはり各法科大学院でこういうことをパッケージでやった方がいいというふうにいっても,なかなか各法科大学院あるいは個々の先生の個人的な努力などに依拠するだけでは実現が難しい面もあるのかなと考えております。
 法科大学院教育自体がそういう面がございますが,とりわけ未修者教育に関しましては,既修者以上にいろいろな意味での手間暇が掛かる。人的なコスト,物的なコストが掛かるということが認識として共有される必要があるのではないかと思います、先生方が教育に集中するためにどのように事務負担を軽減していけるかとか,充実したFD活動の実施のためにどうしたらいいかとか。あるいは未修者教育に関していろいろな法科大学院でやっていることについてリアルタイムで情報共有を可能にするためにどういう工夫をすればいいのか。あるいはICTをどういう形で活用できるのかというようなことなどを念頭に置きながら,そういう取組を可能にするための効率的な人的支援あるいは財政的支援の在り方に関しても提言をしていきたいと考えているところでございます。
 これらのものを踏まえて,もう一つの「教育課程や入学者選抜の在り方も含めた未修者教育の改善に向けたエビデンスに基づく提言」というオーダーに,いささかなりとも応えられるように努力していきたいと考えているところです。
 私からは以上です。
【井上座長】  どうもありがとうございました。
 説明は以上ですね。それでは,ただいまのお二人の説明について御質問があれば,あるいはそれに基づいて御意見がありましたら,お伺いしたいと思います。どなたからでも。

【有信委員】 
 それじゃ,いいですか。

【井上座長】 
 じゃ,有信さん。

【有信委員】 
 全く一般的な質問になって申し訳ないんですけれど,これ,うまくいっているところを中心にエビデンスをみましょうということですよね。そうすると,うまくいっているところは,ベストプラクティスあるいはグッドプラクティスということで,こうやればうまくいく。だけど,これではうまくいかないというところのある意味での対比があった方が,よりクリアになると思うんですけれど。そういう面で具体的なエビデンスベースで報告書をまとめるときには,そういう配慮をされているんでしょうか。

【日弁連法務研究財団】 
 私からでよろしいですね。

【井上座長】 
 どうぞ。

【日弁連法務研究財団】 
 ごもっともな御指摘かと思っておりまして,実はこれ,こういう調査研究をやろうという議論のときの前提としては,うまくいっていない,具体的に言うと募集停止をしたような法科大学院の関係者からもそういうことを聞けないかというような議論はいたしました。ただ,何分,これ,実地調査をしなくちゃいけないのですが,3月末までには調査報告をまとめろということになっていて,具体的に言うと10月17日から12月末までの間に13の法科大学院を回るというような状況でございますので,率直なところ,今回の調査研究を出発点として,正に今,委員御指摘のような点も踏まえた,より具体的な検討というのが必要となってくるのかなと思っております。御指摘は全くそのとおりだと思っております。

【井上座長】 
 余計なことを申しますと,うまくいっていないところがほとんどなんですよ。これまで。それについて,それぞれのところで検討を重ねてこられて,それなりに対応を講じられたんですけれど,それでもなかなかうまくいかないということで今に至っているものですから,今まず少しでもうまくいっているところは何か秘けつがあるのかと。それを出して,じゃ,うまくいっていないところの場合,そういうことが整っていなかったのかどうか。恐らくそういう検証が次に必要になると思うんですね。しかし,同じようなことでやっていたということになれば,どこかまた別に原因があるのか。そういうことになろうかと思うんですよね。だから,やっぱりもう段階的に,具体的に何か出していただいて,それについて検証していかないといけない段階かなと。ちょっと無責任なようですけれど,そんな感じを持っていますけれど。
 今の点でも結構ですし,全般にわたって,先ほど大月室長の方から御説明があった点についても是非活発な御意見を。
 松下さん。

【松下委員】 
 資料2について,2点申し上げたいと思います。
 1点目は,資料2の1ページの一番下の1(3)丸3の部分です。ここでは若手実務家による指導ということが書かれていますが,基本的な発想には大賛成をしたいと思います。法科大学院の修了生が既に10年以上蓄積している中,その中から自らの法科大学院の学修経験を踏まえて教えるという指導には大きな効果があると考えます。
 科目の特性についてどう考えるかということがありますが,教員資格の制限の潜脱を防ぐということを考える必要も同時にありますので,基本的には従来教員の資格があるとされた教員がやっている授業の補習的な内容というのが中心になろうかと思います。ただ,補習的な内容といっても,余り厳密にはなかなか縛りにくいかもしれません。そこはちょっと工夫が必要かと思います。現状は加算プログラムなどで正規の授業や単位の外側でされているわけですけれども,そうすると参加は任意だということになりますので,本当に補習に参加してほしい学生に来てもらえないという問題があろうかと思います。そうやって正規の授業の中に繰り入れて,若手実務家による教育を充実させるというのは,単位にしてそれを充実させるというのは大変結構なことかと思います。
 実務経験については,5年未満でも意欲のある若手を活用していただきたいんですが,余りなってすぐというのも問題がありそうなので,やはり1年か2年かは,弁護士の経験がさすがに必要なんじゃないかと思います。1点目は以上です。
 2点目は,同じ資料2の3ページの「法曹コースと法科大学院の体系的教育について」というところの丸1のウ。ちょうどページの真ん中あたりですけれども,ここでは法律学習の段階が書かれており,それなどを念頭に置いて法曹コースの教育,学部教育と法科大学院の教育について整理をするということが書かれていますが,ある意味当然のことながら,この(ア)から(ウ)までは相互に排他的なものではないわけです。科目の特性であるとか学習段階によって,(ア)から(ウ)のいずれかが中心となりつつ,その他の要素も含むという授業が幾らでもあり得るわけで,したがってこういう整理は大変結構なのですけれども,法学教育を体系化するということで,個々の授業を(ア)から(ウ)のどれかに分類しなさいというのを強制するような立て付けは是非避けていただきたいと思います。
 以上です。

【井上座長】 
 ほかにいかがですか。
 どうぞ,大沢さん。

【大沢委員】 
 この資料2の改善方策の方の幾つか提案されているんですけれども,特にこれがあったらいいなと思ったのはこの丸2のところで,隣接科目ではなくて法律基本科目を履修できるようにしていくというのは理解できるなと思いました。普通の法学部から行かれる方というのは,やっぱりいろいろな幅広いものをやった方がいいということもあると思うんですけれども,逆に社会人とかいろいろなほかの経験をたくさん積んでらっしゃった方が未修者で来られた場合は,いろいろな幅広い経験をもともとお持ちになってらっしゃるわけですから,やっぱりそこで入ってこられた方というのは,司法試験に受からせてあげなきゃいけないということがあるんだと思います。
 だから,法科大学院教育の場合は,司法試験対策ばかりじゃいけないということはもちろんだと思うんです。ただ,未修者で社会人から来られた方というのは,ほかの普通の法学部から上がっていった方が,必ずしも司法試験を受けなくても,いろいろなほかのところで活躍するという道も当初は考えられたと思うんですけれども,特に未修者から来られた方というのは,やっぱり法曹になるということが一番目的が非常にはっきりしていると思いますので,そういう方に対して司法試験に受からせることを第一にというとあれなのかもしれませんけれども,司法試験にしっかり受からせる力を付けてあげるという形で,こういう工夫がなされているということはいいのではないかと思いました。
 ですから,今,日弁連法務研究財団が調べてらっしゃいますけれども,調べたことを参考にして,そういった教育が充実していただければと思いました。

【井上座長】 
 どうぞ,酒井さん。

【酒井委員】 
 松下委員から御指摘のありました(3)の丸3の若手実務家の専任教員としての活用という点について,補足して述べさせていただきたいと思います。私も,このような方向性が進むことは非常によいのではないかと考えるところなんですが,特にどのような若手実務家に指導に当たってほしいのかという観点から考えますと,やはり適した有為な人材に是非指導に当たってほしいというのは当然なところかと思うんですけれども,こういったきちんとした身分を与えられて教育に臨めるということになりますと,やはり若手の実務家を送り出す事務所の方としても,そういったことであればうちの事務所からも出そうというような送り出しがしやすいということもあると思いますし,また出ていく当該本人にしても,きちんとした位置付けをもって教育に出られるということは本人のモチベーションにもなって,非常によろしいのではないかと思うところです。
 また,年次なんですけれども,現行おおむね5年以上ということになっておりますが,私,今年で弁護士10年目になるんですが,振り返ってみますと,5年というとやはり一つは非常に責任が重くなってくる年次に当たる。当然経験が増えてきますので,そういうところにはなると思うんですが,いきなり5年の段階から,では教えに出られるかというと,やはり非常に難しいという若手が多いのではないかと思います。
 またもう一点,これは受験指導という観点からと言ってしまうと,ちょっとあれなのかもしれませんが,学生から見ますと,やはり受験から比較的近いところで,ついこの間きちんと司法試験に受かったという段階の卒業生が教えに来てくれるというのは,それはそれで非常にプラスアルファがあるところかと思いますので,5年という要件はある程度見直していただいて,比較的若い年次から積極的に指導に当たれる体制にしていただけるというのが非常によろしいのではないかなと考えるところです。
 以上です。

【井上座長】 
 じゃ,片山さん。

【片山委員】 
 質問というよりも,意見ということで,2点ほど申し上げます。
 まずは,資料2の1の(1)目指すべき方向でアンダーラインが引かれております「法学未修者コースについては,法学を履修する課程以外の出身者(純粋未修者)や社会人経験者が入学者の多数を占めることを目指す」という点は大賛成で,こちらの方向で是非やっていただければと思いますが,さらにより徹底をして,基本的には法学部出身の学生は未修者コースには入れないという方向を目指すべきではないかということでございます。そういう意味では,法学未修者というのはネガティブな名称でありまして,むしろ他分野の勉強をしている学生であるとか,他分野の社会人経験がある人を採るということを,より明確にすべきではないかと思っております。
 未修コースの授業を自身が体験したことからしますと,やはり法学部出身の学生が一定の知識を既に持って,しかもかなり癖がついている学生が一方でいる中で,どうしてもいわゆる純粋未修者に向けた授業を徹底仕切れないところがあります。また,そもそもの制度理念に沿って,やはり未修者コースについては,より積極的に多様な人材を確保するという点に特化した形で,制度設計を再度やり直すことが法科大学院に求められているのではないかということを強く思っているというのが第1点です。
 それから2点目,2ページ目になりますが,2番目の丸5のところですが,実際には,やはり入学選抜だけで適性が十分に判断し切れておらず,ミスマッチの学生が残って苦労するということがございます。そのような事態が生じないように,入学前に,法科大学院教育を体験できるようなシステムを構築したらどうかという御提案ですが,これには賛成するところでございます。慶應でもそのようなシステムを既に導入しておりまして,正規入学前に科目等履修生として6単位ほどの履修を認めて,ミスマッチを感じた場合には方向転換してくださいというシステムです。さらに,未修コースが3年ということでありますが,もう少し時間を掛けてという気持ちもございまして,例えば3.5年とかあるいは4年といった形で,じっくり学べるようなシステムをきちんと正規に立ち上げていくということも検討する必要があると思っております。
 以上2点でございます。

【井上座長】 
 最後の点は長期履修……。

【片山委員】 
 そうですね。

【井上座長】 
 制度がありますので,計画的にやればできなくはないと思いますね。個人差があるんですね。短く済む人と長く掛かる人いろいろあって,柔軟に対応しないといけないというのはこれまでも大きな課題だったと思いますね。
 慶應のその6単位というのは,入学前に6単位分履修させるということなんですか。

【片山委員】 
 そうですね。加算プログラムでは評価を頂いたのですが,認証評価では,入学前の指導になるのではないかということで,再考を促すという御指摘を頂きましたので,その点も是非ここの場で議論していただければ有り難いと思っております。

【井上座長】 
 そこはちょっと股裂(またさ)き状態ですね。ちょっと調整を多分しないと,せっかくの。片一方では加算をしていただいて,片一方でお叱りを受けるんじゃ,たまったもんじゃない。また具体的に検討します。
 ほかにいかがでしょう。
 どうぞ,日吉さん。

【日吉委員】 
 一つコメント,そしてもう一つは質問となります。
 まず今の片山委員の御発言に関連してですが,私もここでの表現,こういう書面で残す形の表現としては非常に熟考し,慎重にあることは必要だと思いますが,遠い道の向こうにたいまつを掲げるという意味で,名称はどうするかは別にして,将来は,今既修者と言われている人たちのためのカリキュラムというかシステムと,それから今まで全く法曹の世界とは関係のないところで勉強したり仕事をしたりしてきた人が初めてチャレンジをするカリキュラムというかシステムというのが,はっきりと分かれるような方向で少しずつ制度を改善し,カリキュラム等,教育の内容も改善を試みるということが非常に重要なのではないかなと。それは法科大学院制度の長い生存を目指すという観点からも非常に重要なのではないかなと思います。すぐ2年や3年,5年でそれが実現するとは到底思えないわけですけれども,それを忘れて,ある種目の前の小手先の改善できゅうきゅうとするということなく,中長期のこっちの方向に我々は動くのだというたいまつというのを忘れないというのは,大変重要なことではないかと思っております。それが私のまず意見です。
 それから質問は,日弁連法務研究財団の今なさっている調査研究に関することなんですが,私が見ている限り,自分もその一人だったわけですが,未修者コースでいわゆる純粋未修と言われる人にもいろいろなタイプがあると思うんですね。非常に私のようにかなり年を食って,その代わり社会人生活はかなり長くやってきていると。ちょっと頭はさびてきているというようなタイプの人間に初めて法律を教えるというのと,若いと,専門分野は法律とは関係ないところでやってきたと。だけど意欲もあるし,そしてまだ脳みそが働いている。そして勉強するということが本分であるというところから,今もそこにいる,あるいはそこから離れてまだ時間が短いというようなタイプの未修者。いろいろいると思うんですね。
 そうすると,周りの仲間を見てつくづく思ったんですが,それぞれの適する勉強の在り方,仕方というんですかね。手法それから弱点等々が物すごく違うんじゃないかというふうに思う。したがって,勉強方法だとか,こうしたらいいんじゃないかという考える際の方向性も,ある種別に人間をカテゴリー化するというのは非常に難しいことですし。とは思うんですけれども,何種類かに分かれたりするようなことがあるのではないかなというふうに,何となくぼんやりと思っております。
 そこで質問としては,今御説明いただいた,これからヒアリングも行って膨大なベースを集めた上で,データベースみたいなものにした上で,エビデンスに基づいたいろいろな提言をしていただけるということなんですが,未修者あるいは純粋未修者の教育というものを考えるときに,対象の学生さんの属性とまでは言いませんが,そういったタイプを幾つかに分けて,そのタイプ別にこういうやり方というのが功(こう)を奏しているんじゃないかみたいな分析というのは可能なものでしょうか。あるいはやっていくという御予定はあるんでしょうか。

【井上座長】 
 椛嶋さん,どうですか。

【日弁連法務研究財団】 
 お答えさせていただきます。
 実は文科省からのオーダーは「法学未修者」となっているだけなので,そもそもが,いわゆる法学部未修者というものを調査対象から除くのかというのが一つの議論としてありました。実際には,いわゆる純粋未修者と法学部未修者が同じ教室にいるという中での教育上の苦労というのはいろいろあると思うので,これは一つの大きな論点だと思います。したがって,今回の与えられた期間とか我々のキャパシティーの関係で限界はありますが,基本は他学部・卒社会人経験という未修者に焦点を当てることになりますが,その中で,法学未修者と一緒に授業をやることの苦労を少し検討していきたいと考えてはいます。
 また,日吉委員がおっしゃった他学部卒・社会人経験者の中にもいろいろなタイプがあるというのは御指摘のとおりと思います。ただ,実際調査を始めてみて改めて思うのが,そのような対象学生自体が非常に少なくなってきているということです。中規模校あたりでも本当に少なくなってきているもので,まだ大規模校に関しての十分な検討はできていないところなんですが,今,日吉委員がおっしゃったようなところまでのきめ細やかな対応がどこまで可能かというのは,データを集めてみないと分からないかなと思っております。
 ただ,いわゆる他学部出身者といっても様々ですし,社会人経験者についても,社会人の定義自体がまちまちであることに加えて,例えば法学部を出て1年間社会人経験をやって入学した社会人経験者と,他学部出身者の社会人経験者では全然違うなとか,そういうところは感じております。したがって,御指摘のとおり他学部・社会人という形で一緒くたにはできないとは思っており,そのあたりは着目していこうと考えております。

【井上座長】 
 全体に最初日吉さんが言われていたように,もう最初からの課題なんですよね。これ,始まったときから法学出身者とそれ以外の方を3年の課程に融合して,それで基本は3年の学校制度にして,1年を既修者に免除すると。こういう形で組んだものですから,2年で合流するというモデルなんですよね。それ自体が,最初にかなり無理があったのかなというふうに,もうここ10年ぐらいそういう議論をしてきたわけですが。ですから,むしろ純粋未修者の方が苦労されるのは,2年に入るときの方が大きいと思いますよね。1年のときに,言葉は悪い,隠れというのは余り使いたくないんですけれど,法学部出身の未修者と同じクラスで勉強するというところよりはそっちの方が大きいのかなという感じがするんですね。
 そういう意味で,ちょっとおっしゃったように,それぞれにふさわしい体系というのを考えて,どこかで融合はしないといけないんでしょうけれど。3年のうち1年を免除するんだから,ここで無理にでも合流するというモデルは,もうちょっと現実には合わなくなっているのかもしれないですよね。
 ほかにいかがでしょうか。このくらいでよろしいですか。まだ今後も法務財団の方の結果も出していただきながら,更に議論を深めていきたいと思うんですが,椛嶋さんの方はいろいろ期間も短いところに注文がたくさんあって申し訳ないんですけれども,是非いい結果が出るように,積極的に調査に当たっていただければというふうに。献身的に当たっていただくと特に有り難いと思いますので,よろしくお願いします。
 それでは,よろしいでしょうか。
 それでは,次に続きですけれど,法科大学院と法学部等との連携強化の方に移りまして,この中でも特に法曹コースの制度設計の詳細について,これも事務局からまず御説明をお伺いした上で,御質問・御意見を承ればと思います。
 じゃ,大月さん,お願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元にまた資料2を御用意願います。先ほどの続きの2ページのところからでございます。
 なお,先ほど松下委員から3ページの法曹コースと法科大学院の体系的教育の部分について御発言いただきましたけれども,最後にまた改めて御説明して御意見を頂戴したいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 まず2ページ目の2の法科大学院両コース,既修者,未修者コースに共通する関係でございますが,「加算プログラムにおける客観的指標の見直し」ということでございます。法科大学院の関係では,加算プログラム等々で,入学者の競争倍率が2倍以上が望ましいということで,入学者の一定の質の確保がなされてきたということではございますが,今般法曹コースというものを導入して,一定の成績を取った方については,法科大学院の既修者コースに論述試験の免除で進学することができるということから,この客観的指標をそのまま維持することは難しい状況でございます。
 前回の会議においても,そういう仕組みにしていくことであるんだから,もうこの競争倍率の客観的指標というのは廃止してはどうかという委員からの御発言がございました。ただ,一方で,やはりこの入学者の競争倍率を維持することによって,入学生の質の確保がなされてきたということに鑑みまして,事務局の提案では,前の基本的な方向性同様に,この競争倍率に係る客観的指標については,一般選抜等に限定して適用しつつ,司法試験合格に加えて,標準修業年限修了率等を指標にする方向で検討するとしております。また,本日の御意見等を踏まえまして,廃止する方向で検討するのか。ないしは基本的な方向性に書かれたような一般選抜等に限定して適用する方向で考えるのか,検討していきたいと思っております。
 その下が,既修者コースの充実・改善方策で,法曹コースとの接続の関係でございます。前回10月5日で基本的な考え方について御了承いただいたところで,法令の詰め等を行っているところでございますが,法曹コースではしっかりとした充実した教育を行って,成績評価も厳格に行うと。その結果として,法科大学院に入学者選抜上の配慮等を受けて進学できるということに鑑みますと,これまでは入学定員が充足していないところについては,定員ではなくて充足率を基本として特別選抜枠等を設定するとしておりましたけれども,冒頭申し上げましたような考え方から,実員ではなくて定員とする。法曹コースを対象とする特別選抜枠は,法科大学院の定員の5割を上限とするという形としております。
 また,書類審査,面接等を重視して,法律基本科目について論述式試験を課さない方式は連携先の法曹コース出身者に限るものでございますが,原則こちらも実員ではなくて定員の4分の1以内としているところでございます。
 また,法科大学院の定員が小規模なところについては,例えば法科大学院の定員の4分の1が10人未満である場合には,10人を上限としてこの4分の1の枠の部分について募集することを可能としてはどうかということでございます。
 二つ目でございますが,10月5日に取りまとめていただいた基本的な考えにおきましては,連携関係にない法曹コースについても特別選抜枠に含んだ方がよいのではないかということでありましたので,ただ,法制面での詰めをしていくと,やはり委員等からも御指摘がございましたけれども,連携先じゃないようなところで適切に連携先と同様に入学者選抜を行うのは難しいというような御指摘も受けていることから,下線部でございますが,法曹コースと認定されている課程が一覧できるよう,文科省において必要な措置を講じる。今後詰めていかなければいけませんが,届出をしていただく等々が考えられるのかなと思っております。また,法曹コースの質の保証をする観点から,学生の成績評価の状況等の公表義務を課すことを検討するとしております。
 これは大学の学部全体として,今後中教審の担当部会,分科会等で検討することになっておりますけれども,それに先んじて法曹コースについては公表義務を課してはどうかということでございます。この公表義務の範囲についてはいろいろ考えられるわけでございますが,成績評価の考え方や,法曹コースから法科大学への特別選抜のときの成績要件等々が考えられるかなと思っております。
 続きまして丸3番でございます。この法曹コースの学生を対象とする特別選抜については,学部成績が重要な選抜資料となるということから,前回もこのような御意見がございましたが,入学者選抜において,入学直前に在籍する学年の前期の成績を選抜資料に含めなければならないことを検討するということとしています。これは,いわゆる3年早期卒業という形で優秀な学生を法科大学院の既修者コースに進学させていこうという中で,3年早期卒業において,3年の前期の成績はやはり見なければならないのではないかということでございます。ちょっと書き方が不十分でございますが,4年生の場合には,これまでどおりでも構わないと考えられるという考えもあるかもしれません。
 続きまして丸4でございます。先ほどの丸1の部分と重なるところがございますが,法曹コースでしっかりと勉強されて,それなりの成績を収められたということであれば,法科大学院の既修者コースに進学していただくことを想定しておるわけございますが,法曹コースの規模に比して法科大学院の定員が余りにも小さい、又は逆に法曹コースの規模が大きくなり過ぎた場合には,そういった学生が法科大学院に進学できなくなるということから,各法科大学院は連携先の法曹コース修了予定者数を想定して,適切に特別選抜枠を設定することが求められるとしているところでございます。また,法曹コースはその教育にふさわしい環境の確保のため,学生数を適切に管理することが求められるとしております。
 その下の(2)の部分でございます。これは法学既修者認定。法科大学院だけの特別の制度でございますけれども,これまで法学既修者認定というのが,先ほどの座長の御説明にございましたけれども,法科大学院は標準修業年限が3年で,一定の法学的な素養があると認められた者については1年を上限,また30単位を上限,そういう単位を取得したとみなすことができるとされておりまして,これを法学既修者認定と呼んでおります。法律基本7科目を想定されて,全て一括認定をするという形で認証評価で定められているところでございますが,今回特別選抜においては,法曹コースの成績を基に,例えば5科目以上一括して既修者認定を認めることとしてはどうかとしているところでございます。
 あと個別に認定するということもあろうかなと思いますが,そうすると,法科大学院の既修者コースに行ったんだけれども,実際は未修者と同様の科目を取らないといけないということで,混乱が生じることも考えられますので,例えば5科目以上一括してという形で資料として出させていただいているところでございます。
 続きまして3ページ目の一番上の部分でございます。先ほど説明した既修者認定とか修得単位の認定の考えでございます。これらについて,3月13日の基本的な方向性においては一定程度緩和するとされております。この緩和する科目については本特別委員会でもかなりいろいろな御意見を頂戴したところでございますが,各大学の御判断に任せるとしながらも,基礎法学・隣接科目が一番想定されるのではないかと。ただ,これらの科目,法律の基本科目以外については,試験で選抜すると。試験でその能力が満たされているか選抜するというのも,科目の性質上適当ではないと思いますので,法曹コース等の成績を基に,既修者認定する際の科目に加えられることとするとしております。
 事務局からの説明は以上でございます。

【井上座長】 
 どうもありがとうございました。
 それでは,ただいまの説明に基づいて,御質問あるいは御意見がございましたら,どなたからでも御発言願います。

【中島委員】 
 お願いします。済みません。

【井上座長】 
 どうぞ,中島さん。

【中島委員】 
 2点ございます。
 1点目は,資料2の2ページ,3の(1)の丸2でございます。(1)の丸2のところに,「法曹コースとして認定されている課程が一覧できるよう文部科学省において必要な措置を講じる」とございます。この場合,認定する主体は法科大学院という理解でよろしいのかということ。そして,先ほど届出というお話がございましたが,届出も法科大学院が行うという理解でよろしいのかということ。そして,参考資料3の2枚目に,概要の2番目の白丸のところです。「法科大学院における,いわゆる法学既修者の教育の充実に資するため,以下を規定」の丸1のところに,「法科大学院が指定できること」というふうにございますけれども,この指定という文言と,先ほど御説明いただいた資料2の認定というのが同義であるというか,同じ意味合いで使われているというふうに理解してよいのかというのが1点目の質問です。
 2点目は,質問というよりも要望でございます。資料2の丸3のところなんですけれども。今ごらんいただいた法曹コース認定の下の丸3のところですが,入学者選抜において,利用する成績の扱いなんですが,今,法科大学院ロースクールの入学試験実施時期についてのある種の順番のようなものが決まっていて,ある程度確定をして予測可能な形になっているわけですけれども,他方で,私どもの大学では,3年生の前期春学期の試験を通常のスケジュールで実施した後,追試験もあり,それから成績調査,成績疑義の依頼があって,それに回答してというようなことで,成績が確定する時期が比較的遅くというか。ありていに申しますと,中大のロースクールの試験の後になってしまうんですね。
 ですので,そのあたり,ちょっと「含めなければならない」というところの強さの問題と,それからいつ頃をめどにといったようなあたりを少し慎重・丁寧に検討していただけると大変有り難いと存じます。
 以上2点でございます。

【井上座長】 
 最初の方は御質問,細かく3点ぐらいありますかね。それをちょっと答えていただくと。最後の点ですが,差し支えなければ,いつ頃,学部の成績というのは確定するんですか。

【中島委員】 
 9月の初旬だったかと。

【井上座長】 
 多分多くのところはそのぐらい。

【中島委員】 
 すいません。ちょっと今いついつということを申し上げられなくて。大体その頃であったかと記憶しております。

【井上座長】 
 では,そういうのを想定しながら,ちょっと議論をさせていただけようと思いますが。
 じゃ,最初の御質問のところ,大月さん,お願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 まず認定する主体でございますが,これは法科大学院を考えております。先ほど資料によって認定とか指定とか,異なるところがあるんじゃないかというのは御指摘のとおりで,ちょっと検討している中でいろいろ変わっているところでございますが,ただ基本的なスキームとしては,法科大学院側が認定,実際上協約を結ぶという形をスキームとして考えているところでございます。
 飽くまでも更にで,法曹コースの質を確保するという観点から,文科省に届出をしていただいて,形式的な要件が満たされているかチェックをするということが一つ考えられるということでございます。そのような段階ではございますけれども,ですので主体ということがどちらになるのか。法科大学院なのか法学部かと明確に決まっておりませんけれども,逆に言えばどちらかじゃないと支障があるということがあれば,おっしゃっていただければなとは思っております。どちらから出していただいてもよいのかなと思うんですが,ただ,認定すると法科大学院側が協約を結ぶということを考えていると,法科大学院側とした方がスムーズかなとは考えております。
 以上でございます。

【井上座長】 
 それでいいですか。

【中島委員】 
 ありがとうございます。

【井上座長】 
 じゃあ,大貫さん。

【大貫委員】 
 2点,申し上げます。
 一つは,この資料2の2ページ目の3の(1)の丸2のところです。先ほど中島委員が質問されたところに関わるんですけれど,これは趣旨的には,多分連携関係のない法曹コースの学生も特別選抜の対象にするときの正当性をどう確保するかという論点だろうと思っております。これをどう担保するかは大変難しいことなのですけれども,多分大月さんが先ほど御説明された届出というのが一つのチェックポイントになるのだろうと思っています。
 ここで確認したいは,届出というのは形式的な点だけ見るだけではなくて,届出内容についても見るというのが,少なくとも行政法学的には普通の理解で,内容をみていい,悪いという判断を正式に示す,許認可とは異なりますが,届出内容の実質チェックができるというのは通常の理解です。届出はそういう仕組みですから,権力的に統制するということはなくて,コミュニケーションするということができるんだろうと思っています。いま問題になっているのは,連携関係のない法曹コースの学生でも特別選抜枠に乗せられるかどうかどのように判断するかということですが,そういうコミュニケーション過程を経ることによって,自校が認定していない法曹コースでも一定の質保証を図るということはできるんだと思っています。これが1点です。
 もう一点は,同じページの下の(2)の法学既修者認定のところです。特別選抜枠においては,5科目以上一括して既修者認定をするとあります。これは基本的によろしいんだろうと思います。大月さんがおっしゃったように,個別認定にすると,極端な場合,体系的な履修が困難になるなどいろいろ問題が生じますので,一括認定というのが恐らく妥当なんだと思います。
 そのことを前提としてちょっとお願いなのですが,特別選抜枠の一貫型では,法学既修者認定の際には試験をしません。既修者認定試験をするということであれば,ある意味ざっくりと認定することも可能なのですが,特別選抜枠の一貫型では,既修者認定試験をしないで各学部で取った科目を見て既修者認定をするわけです。その際,具体的に検討を始めるといろいろ困難な点が出てくることに気が付きました。一つは,そもそも法科大学院の出願の時点で,科目が開講されていないものが存在する。あるいは学生一般の履修動向に鑑みると,一般には取らない科目というのが存在している。
 例えば民法で言うと家族法という科目は,学生はなかなか取らないんです。それから商法系の科目ですと,開講年次が4年次になることがあります。どの科目を取っていれば既修者認定するかの基準の設定は結構難しいんだろうと思います。一つのやり方としては,例えば民法の主要な分野について履修して何単位以上とか,そういう決め方をしていただかないと,なかなか動きにくいんじゃないかなという気がしているということです。
 現在の中大法学部のカリキュラムしか見ていないんですけれど,それを見ても,やや問題が生じる可能性があるので,どの科目を何単位取っていれば既修者認定を一括してもらえるのかというところについては,少し柔軟に見ていただけると有り難いと思っています。
 以上です。

【井上座長】 
 ほかに御意見ございますでしょうか。

【加賀委員】 
 よろしいですか。

【井上座長】 
 どうぞ,加賀さん。

【加賀委員】 
 また違う項目について申し上げることになりますけれど,2ページの2の「加算プログラムにおける客観的指標の見直し」のところで,競争倍率に係る客観的指標を一般選抜等に限定して適用するという一応の提示があって,簡単に言うと,これはできるだけもうなくしていただいた方がいいのかなと思っています。というのは,この特別選抜でまずそっちに来る人たちがいて,なおかつ一般選抜というのがどのぐらいの人数の減り方をするのかというのを,そこも考えると,競争倍率2倍というのを維持していくというのは,大学によって違うとは思うんですけれども,なかなか厳しいことなのかなと。そういう意味では,司法試験の合格率と標準修業年限修了率で限定した方がいいのではないかと思っています。
 これが1点と,もう一つ3の丸3ですけれども,先ほど中島委員の方から言われたことで,入学直前に在籍する学年の前期成績を選抜指標に入れる方がいいという。これは,私どもの大学でも相当どうすると。2年間の成績で決めるということなのか,せめて2年半の5セメスター分で決めるかということはかなり議論していまして。やっぱり3年前期の成績まで見た方がいいと。やっぱりこれはそういうところに落ち着き始めてもいるわけですよね。
 このことというのは,いわゆる特別選抜の入試をいつやるかという時期が大体決まってくるということになるわけですので,なるべくこのように3年前期成績を見た方がいいという意見に賛成です。ただし,中島先生が言われるように,「しなければならない」とするのか,あるいは「するのが望ましい」とするかは,ちょっと議論が分かれるところなのかなという気はしています。

【井上座長】 
 いかがでしょうか。

【丸島委員】 
 御指摘の質保証と競争倍率の点については,競争倍率の指標をなくした方がよいとの御意見もありますが,なかなかに難しいところもあるように思います。定員が2,200名から2,300名実入り学者が1,600名から1,700名,そして合格者を1,500名程度確保するよう努力しようということが今の枠組みでありますが,そうした状況の下で競争倍率の指標が質保証について一定の歯止めとなるということがこれまで説明もされ,理解もされてきた経過があります。その中で,この指標を外してしまうということについては,さて,それでその合格判定が大丈夫なのかというような議論も一方ではあるわけでして,特別選抜枠については別途いろいろな検討がされてきましたが,一般選抜までもその指標を外してしまうということについては,やはり少し慎重にお考えいただいた方がよいのではないかと思います。

【井上座長】 
 片山さん,どうぞ。

【片山委員】 
 今の丸山委員と同じ点ですが,やはり競争倍率の達成は重要な点ではないかと思っております。基本的にロースクールの仕組みは,プロセスによる法曹養成ということですので,入るのは難しいけれども,一旦入ったら高い確率で司法試験に合格させるし,立派な法曹として育成しますというシステムになっておりますので,一般選抜に関しましては,今の2倍でもかなり低いと感じております。何らかの形の競争倍率の確保は必要不可欠だと考えます。
 それから特別枠に関しましても,法曹コースのどこかで競争環境を確保できているということが質保証には必要だと思っております。学部に入ったら法曹コースは誰でも入れます。法曹コースに入ったら,ほとんどの人がロースクールに推薦されますという状況になってしまいますと,やはり質保証は難しくなってくると思います。どの段階で競争環境を確保するかということは各大学に委ねるとしても,入り口なりプロセスなりのどこかで競争環境を確保すべきであると言っておく必要があるのではないかと思いました。

【井上座長】 
 ありがとうございます。
 どうぞ,髙橋さん。

【髙橋委員】 
 資料の3ページの(2)の丸2の部分ですけれども,下線部のところに「法律基本科目以外については,法曹コース等の成績を基に既修者認定する」ということが書いてありまして,「法曹コース等」ということは,法曹コースがない,あるいは法曹コースがあっても連携関係がない大学で履修した科目について,既修者認定に用いるということかと思いました。
 そういった法曹コースがないとか連携関係がないというところになりますと,基本科目以外については様々な成績評価を行っている科目というのがあり得るというところで,最終的には認証評価などで見るということになるのかもしれませんけれども,既修者認定の質をどのように確保していくのか疑問に思った次第です。
 以上です。

【井上座長】 
 大月さん,今のような御理解でよろしいですね。

【大月専門職大学院室長】 
 この資料の趣旨はそのとおりでございます。また,委員御指摘がありましたような,このような形にすると,その点についての懸念が生じるというのも,そういうふうに理解しておりますが,一方で法曹コースについても,基本7科目については必置でしっかりやっていくということではございますが,基礎法とか隣接についてまではしっかりやっているかというのは,必ずしも要件には課していないということではあるので,こういう形にはしておるところではございます。以上でございます。

【井上座長】 
 ほかに御意見ございますか。

【土井委員】 
 よろしいですか。

【井上座長】 
 どうぞ,土井さん。

【土井委員】 
 2ページの3の(1)の丸2で,先ほど来出ているところなんですけれども,この連携の問題,それから入学者選抜の在り方の問題を考える際に,従来我々の議論は二つの狙いがあったんだと,私自身は理解しています。一つ目の狙いは,法科大学院と連携先の法曹コースとの連携を確実に図ることで,連携先の法曹コースから優秀な学生が当該法科大学院に進学するインセンティブを高めていくことだと思います。もう一つの狙いは,特定の連携関係だけではなくて,制度全体が安定的に発展するために,法曹コースから法科大学院に進学するという大きな流れを作っていく必要があるという,この二つの流れがあって,それぞれに対応した枠を作っていただいているんだと思うんです。
 前者の狙いとの関係では,法科大学院による法曹コースの認定あるいは協約・協定は,正に連携関係にある当事者の問題になるわけですけれども,後者の問題は,いわば認定をする,あるいは協約を結ぶ法科大学院が当該法曹コースのいわば保証人になって責任をある程度負うことを前提にして,他の法科大学院も当該法曹コースを信頼して配慮するという仕組みを作ろうとしているんだと思うんです。その意味で,後者の問題は,もう単に当事者間の問題だけではなくなってきますので,当然質保証をどう図るのかということをしっかり考えていかなければいけないんだと思うんです。
 その意味では,この認定とか協約等が適切に行われているかどうかという点については,事前にあるいは事後に,文科省なりあるいは認証評価機関等が連携していただいた上で,しっかりチェックしていくというシステムを最終的に作っていただかなければいけないと思いますし,また,特別選抜枠では,法曹コースの学業成績が重要な意義を持つことになりますので,そこにお書きいただいているように,学生の成績評価の状況等について,しっかり受け入れる側の法科大学院の間で共有しませんと,それを正確に評価することができなくなりますので,この点についてはしっかり検討していただきたいと思います。
 以上です。

【井上座長】 
 ほかにいかがでしょう。

【清原委員】 
 よろしいですか。

【井上座長】 
 清原さん。

【清原委員】 
 ありがとうございます。三鷹市長,清原です。
 2ページ目の⑤なんですけれど,「純粋未修者や社会人経験者に対して,入学後の適性のミスマッチを防止するということが重要である」と。そのために,例えば出願前の法科大学院教育の体験であるとか,その後なんですが,「法科大学院不在地域の大学と連携した法学未修者教育を推進する」ための検討と。

【井上座長】 
 清原さん,申し訳ないんですけれど,その部分は既に。

【清原委員】 
 済んでらっしゃる。

【井上座長】 
 ええ。

【清原委員】 
 ごめんなさい。遅刻したので失礼しました。

【井上座長】 
 済みません。ちょっと議事の整理としては。

【清原委員】 
 はい。

【井上座長】
 まだ決めたわけじゃないので,今後も議論しますので。申し訳ないんですけれど。

【清原委員】 
 いえいえ,失礼しました。

【井上座長】 
 ほかに今の点について,御意見。もうそろそろ御意見はきょうの段階では尽きたというふうに考えてよろしいでしょうか。また,じっくりごらんになって,御意見を賜ればと思います。
 それでは次に進ませていただいて,同じく法科大学院と法学部等との連携強化の中で,特に法学部と法科大学院の体系的教育についてでございます。この点についても事務局からまず説明をお伺いしたいと思います。

【大月専門職大学院室長】 
 資料2の3ページの(3)の部分,「法曹コースと法科大学院の体系的教育について」をごらんください。一つ目が法律基本科目の体系的整理ということで,アの部分でございます。法学教育は基本的な法律修得・理解をする段階から,最後その理解を具体的な事例等に実証的に展開していく段階など,階層的な学習の積み重ねが必要となる。法学教育を体系的に行うに当たっては,段階ごとに焦点を合わせた学修内容と評価基準を設定し,段階ごとの学修を積み重ねた結果,多面的かつ総合的な能力を習得できるようカリキュラムを配慮することが有用であるということ。
 イの部分でございます。教育手法は様々なところがあります。基礎的な知識の修得・理解においては学部等で行われてきた講義形式が有用であるのに対して,知識や理解を実証的に展開していく場合には,法科大学院や学部の3年生,4年生のゼミ等々で行われてきた演習方式や論文作成方式などが適した教育手法となり得るということ。
 ウの部分,法学教育の体系化に当たっては,いわゆる基本的な段階でございますが,法律の基本的な考え方や知識の習得,多様な学説や裁判例などの考え方について,主に講義形式で理解する段階。(イ)が基礎から応用。(ア)の部分は,法科大学院ではなくて,法学部の法曹コースでやられるような話。(イ)の部分は,基礎から応用,学部の一番レベルの高い教育とか法科大学院の2年次の最初のところのものでございますが,知識や考え方の具体的な事例等の適用範囲・射程について,双方向・多方向の講義方式や演習方式を併用するなどして理解する段階。(ウ)が応用から発展段階。法科大学院の2年次の後期から3年次にかけて行われるようなものでございますが,具体的な事例等に対する法の適用について,論理的な結論により表現し,さらに最新の実務的な課題に対する研究・議論・実証を行うことについて,演習方式や論文作成方式などによって理解する段階などを整理して,法曹コースの教育と法科大学院の教育について,それぞれ充実を図ることが有用ではないかということ。
 これまで法曹につながるような法律基本科目の教育について法科大学院でやられるということでありましたが,今後法曹コースでもしっかりやっていくということであるのであれば,丸2の部分でございますが,法科大学院においては,やはり今回の整理においても実務基礎科目など理論と実務を架橋する教育は原則として法科大学院で行うこととされており,各法科大学院においては,法律基本科目をしっかりやるなら,当然の前提としてそれぞれの特色を生かして,実務基礎科目や展開・先端科目等の授業科目とか,これまで加算プログラムで評価していた各法科大学院の特色ある正課外も含めた取組。海外留学をはじめ国際プログラムという例示を挙げておりますが,これらを充実していくことが期待されるのではないかということでございます。
 このようなことで書かせていただいたのは,前回も一言申し上げましたが,法科大学院の中で厳しい状況にあるようなところのヒアリングを行っておりますと,やはり法律基本科目について,これは各法科大学院にどのようなカリキュラムを組むかというのは委ねられておりますが,かなり創意工夫は行っていらっしゃるものの,基本的な考え方としてどうなのかなというようなところも散見されるところでございます。今回,法科大学院を持ってらっしゃる大学の多く,またそれ以外の大学でも一部検討が進められて法曹コースの設置が進められておると聞いておりますので,今回その法曹コース等が設置されるに当たって,改めて法科大学院の基本的な法律の基本科目についての体系的な整理をしていただきたいということ。
 また,その基本科目について,繰り返しになりますが法曹コースでもやられると。初期の段階はやられるということであるのであれば,法科大学院においては,実務基礎,展開・先端等をしっかりそれぞれの特色を出しながらやっていただくことが必要ではないかということで,このような形で資料を出させていただいたところでございます。
 説明は以上でございます。

【井上座長】 
 ありがとうございました。
 それではこの体系的教育の点についても,御質問でも御意見でも結構ですので,どなたからでも御発言をお願いします。
 どうぞ,樫見さん。

【樫見委員】 
 教育の中身ではないんですが,先ほどの土井委員さんのお話にもありましたけれども,法曹コースの方できちんと法科大学院と体系的教育がなされるかどうかというところが今回質保証のところで大事な点なんですが,今後のこの委員会の方向としては,今回も含めてかなり実務的な内容が入ってまいりましたので,この体系的な教育あるいは連携において,認定というふうな一語で済んでいるんですが,この質保証であるとか,あるいは法科大学院側から法曹コースの教育内容についてチェックするとか。あるいは,例えばFDを相互にし合うとか。少し認定の内容に踏み込んだ,体系的な教育を実質的に担保するような仕組みといいますか,項目をやはり設けるべきではないのか。認定というふうにさらっと一言で済んでいるんですが,もし可能であれば,次回に向けてその点の検討もお願いしたいというのが1点でございます。
 それからもう一点は,これも体系的な教育のところも含めてですが,この制度が法曹コースが設置され,それが適用される学生に行われる入試年度というのは,これは来年度の入学者からとなりますと,平成33年に実施される入試を念頭に置くんでしょうか。あるいは32年。年度の方が明確ではないので,そこら辺ももし可能であれば,この体系的な教育のカリキュラムの編成も含めて,いつの実施を目掛けてこの全体の構想が行われるのかというので,めどを教えていただきたいというのが2点目です。

【井上座長】 
 1点目は御意見ないし御希望ということで。その点は,また検討させていただきます。何か大月さん,1点目でもコメントあります?
 じゃ,時期の問題について,ちょっと。

【大月専門職大学院室長】 
 時期の問題ですが,参考資料2の6ページ,一番裏側の部分をごらんください。これ,前回の配布資料と変わっておりませんけれども,最後に制度の開始時期ということで,平成32年度からの適用を念頭に調整するとしておりまして,これは口頭では御説明させていただいているところでございますが,法曹コースというのは,3月の方向性にも書かせていただいたように,基本的には2年生からというのが考えられるとしたことから,32年度には法学部等の2年生になる者からの適用を念頭に調整をしているということですので,逆に言うと来年度,31年度の入学生からだということもありますので,前回法曹コースの制度設計について早く取りまとめていただきたいというような委員の御発言,また十分御議論いただいたのでよいということを認めていただいたのかと理解しているところでございます。
 ですので,31年度が1年生,32年度が2年生,33年度が3年生ですので,34年度入学者選抜というのか,33年度に行われる法科大学院の入試がこの新制度の最初の適用されることになると考えてはおります。それに向けて調整を行っているということでございます。

【樫見委員】 
 ありがとうございます。

【井上座長】 
 それでよろしいですか。

【清原委員】 
 よろしいですか。すいません。

【井上座長】 
 どうぞ,清原さん。

【清原委員】 
 すいません。ありがとうございます。
 実はちょっと先ほどのところで,問題意識を申し上げられなかったんですが,既修者コースの取組で,「法曹コースと法科大学院の体系的教育」という場合の,法曹コースを持っている大学,自らが持っている法科大学院との関係での体系的教育と,先ほど未修者のところで私が言いました法科大学院不在地域の大学が仮に法科大学院を意識した法曹コースを用意した場合に,自らの大学には法科大学院はないけれども,体系的教育を異なる大学と連携して作っていくというようなことも想定されていらっしゃるでしょうか。
 今まで一定の距離を法学部と法科大学院が置いてきた成り立ちの中で,積極的に既修コースの充実も踏まえて,法曹コースと法科大学院の体系的な教育が進むことは望ましいとは思っています。しかし,法科大学院が不在な地域がありますので,先ほどの私が発言した問題意識は,法科大学院不在地域の大学と法科大学院とが,既修者コースにおいて連携の可能性がどれだけあるのか,ないのか。あるいはニーズがそもそもあるのかということについても確認をしたいと思います。
 いずれにしても既修者コースが充実してまいりますと,いわゆる実践的演習方式や論文作成方式の授業が充実していくことにもなるので,未修者教育の充実をよほど図らないと,そこに乖離(かいり)が生まれるのかなということも懸念いたしまして,その辺のビジョンというかイメージについて確認させてください。よろしくお願いします。

【井上座長】 
 これは大月さんの方で答える?

【大月専門職大学院室長】 
 お手元に配布しております参考資料3をごらんいただければと思います。
 これが本特別委員会でおまとめいただきました基本的な方向性の概要でございますが,これの方向性丸1の左側の部分に書いているところでございますが,地方の学生も法科大学院での学修を経て法曹となることができるよう,法科大学院を設置していない大学の法学部が他大学の法科大学院と連携して,法曹コースを設置することを期待すると。この基本的な考え方を基に,先ほども御参照いただきました参考資料2,法曹コースの制度設計等について議論いただいて,この方向で御了解いただいたというふうに理解しているところでございます。
 いろいろな大学とお話しする機会に,法科大学院を持っている大学のかなりのところについては,法曹コースに向けた検討は進められていると聞いております。また一方で,法科大学院を持っていないようなところにおいても法曹コースを作るような話も聞いております。ちょっとどこまで進むのかは,正確には承知していないところではございますが,そのようなところが法曹コースを作られるように,こちらとしてもしっかり見守っていきたいですし,必要な助言等は行っていきたいと考えているところでございます。
 清原委員が先ほどおっしゃったようなところについて,法科大学院を持っていないような大学で法曹コースができる。ただ,法曹コースまではできないというようなことであっても,しっかりとした法学教育がなされるのであれば,そこにいらっしゃるような他学部の学生も純粋未修者として,ちょっと聴講したけれども,いい成績を収められる,理解ができるということで,法科大学院の方に未修者コースにチャレンジいただくことが,そういう取組が促進できないか検討していきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

【清原委員】 
 ありがとうございます。どうしても地域格差が顕在化しつつある中で,ちょっとしたと視点として発言させていただきましたが,それについてもいろいろヒアリングするなど御配慮いただいて,前向きなところがあるということで,一定安堵(あんど)いたしました。ありがとうございます。

【井上座長】 
 どうぞ,有信さん。

【有信委員】 
 ちょっと悩ましいところで,一般的な意見で申し訳ないんですけれども,ここで書いてあるところは,恐らく階層的な学修の積み重ねが重要となるというところが多分一番のポイントだと思います。今,大学分科会の将来構想部会で将来の高等教育の在り方を議論している中で,大きく学修者の視点に転換しましょうと言われていて,これは大学のむしろ学部の議論のところでそう言われているので,専門職大学院についてはまた別の視点から様々なことが言われているということではありますが,そういう視点に立って考えると,法学はそういうものだと言われると,もう全く何も言いようがないんですが,ここに書いてあるのにちょっと違和感があるのは,例えば「基礎的な知識の修得・理解においては講義形式が有用であるのに対して」という書き方をさらっと書いてあるんですけれど,学ぶ側からして本当にこれが有用であるというふうに言っちゃっていいのかというのが若干違和感があります。
 むしろ階層的に教えるという場合に,基本的な知識の修得・理解というのが,今もう様々なやり方で講義としては展開をされているので,法学はそういうものだというふうに言われると,確かに私もそうですかと言わざるを得ないんですけれど,ちょっと違和感があるんです。後ろでインタラクティブにとかそういうことも言われているんだけれど,いかにも何かもともとある講義形式をそのまま組み合わせて階層化をするというふうに聞こえるので,もっと可能性のあるような仕組みを取り入れられるような書き方になっているといいような気がします。

【井上座長】 
 ここはちょっと難しいところですね。法学を教えている教師の間でも意見が一様かどうか分からないんですけれども,これまでの体験からすると,やはり最初の導入部というのは,ちゃんとした講義を聴いて,基礎的な知識を身に付けるのが最も効率的だろうというのは,多分多くの意見ではあると思うんですね。
 いろいろな形を取り入れて,講義自体も今,有信さんは法律の授業を受けられたかどうか分からないんですけれど,私なんかが最初に法学と巡り合ったときから比べれば,ずっとアクティブで。私など最初は本当にひたすら眠いだけという。そのとき教えていただいた先生が聞いたら怒られるかも。もう鬼籍に入っているのでいいかもしれませんけれど。それを耐え抜くのが法学部の学生,立派な学生なんだと言われていたんですけれど,今は受け手のことをかなり,かなりというか相当意識して,講義でも興味を引く,ちゃんと生きた知識が身に付くような工夫をされているというふうには承知されているんですが。そうですよね,岩村さん。

【岩村委員】 
 突然振られると,何とも申し上げようがないんですが。それぞれの先生方,大教室の講義でも,もちろん人によるのですけれども,ある程度インタラクティブな要素を取り入れるといったような形での工夫というのは現在ではなされていると思いますし,昔と違って,ただひたすら先生が話しているのをノートを取るというよりは,多くの先生が今もうパワーポイントを使って授業されていたりというようなことはされているので,そういう意味では,かなりうちの大教室の講義でも大分雰囲気は変わっているだろうと思います。
 ただ難しいのは,インタラクティブな講義をしようとしても,学部段階では全然インタラクティブにならないというところが一番難しいところかなと思います。要するに授業が全然進まないんですね。問い掛けをしても誰も答えないということになってしまうというのが,まだ残念ながら現状かなという気はいたします。

【井上座長】 
 ここのところは,もう少し御意見があったことを踏まえて突っ込んでやらないといけないだろうと思いますね。ただ,岩村さんの御発言に付け加えると,今はとにかく本を読ませるのが大変ですので,ちゃんとした本を学部の学生に。それをちゃんときちんと読む習慣を付けて,それで更にインタラクティブでないと,最初からインタラクティブだけだと,何のアクティブか分からないようなことになっちゃって,岩村さんが言われたような状態になるんだと思いますね。

【杉山委員】 
 よろしいですか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【杉山委員】 
 学校でカリキュラムを作った経験がないので,的外れな懸念だったら,御指摘ください。
 ロースクールが例えばA校からZ校まであって,学部の方で法曹のコースをやるD校としましょう。そうするとD校の法学部は,D校のロースクールに行くように一生懸命カリキュラムを設計します。ところが,今度はどこにでも基礎的なものをやってくださっていれば行けるという制度になるということなので,そうすると,各校の法学部がどこのロースクールにでも行けるような同じようなカリキュラムになってしまって,せっかくのいろいろな学部の個性だとか多様性が失われないかという懸念を持ちます。私の懸念はあり得るのか?もし,あり得るのであれば,何かそこを歯止めするような仕掛けというのは,工夫をされるのか,お伺いしたいと思います。

【井上座長】 
 これはどなたが答えていただけますか。

【岩村委員】 
 ちょっと,じゃあ。

【井上座長】 
 どうぞ。

【岩村委員】 
 口火を切る形で。
 少なくとも現在の仕組みでも一応法学部既修者を前提にすれば,法学部を出て,例えば変な話ですけれど,具体名を挙げるとあれかもしれませんが,例えばうちのロースクールを受ける。あるいは慶應さんを受ける。あるいは中央さんを受けるということ自体は,現在でもできるわけですね。
 これはあくまでも私の個人的な理解ですけれども,法曹コースというものを仮に作って,そして例えばうちの大学がどこかの法学部の法曹コースと連携をするといったときに,じゃあ,その法曹コースとの間での連携というのをどう構築するかというのは,恐らくそれぞれのロースクールの教育に関する,つまり当該ロースクールが既に持っているカリキュラムとの関係で,相手方になるであろう,パートナーになるであろう法曹コースの方にどういったものを求めるかということによって多分決まってくるのかなというふうに思っています。
 そうしますと,恐らく各ロースクールがそれぞれのポリシーを多分カリキュラム等の編成についてお持ちであって,それとの関係で法曹コースの中身が決まっていきますから,各大学がほとんど何か金太郎飴(あめ)のように全部同じになるということは,余り考えられないのかなというようには思います。それは,それぞれの各ロースクールがどういうポリシーを持って,相手方になるかもしれない法曹コースを持っている法学部と折衝されて協定されるかということによって決まってくるのかなというふうには思います。
 他方でその結果として,協定を結んでいないところの法科大学院に法曹コースから行こうという話になると,そこは学生の方からするとやや冒険的な要素というのはどうしても出る。ただ,それは今でも同じであるということではあるので,それほど大きな障壁になるようなものでもないのかなというように私自身は受け止めてはいますが,それが全体の先生方の受け止めかどうかというのは,ちょっと私の方からは分かりかねます。

【井上座長】 
 大貫先生。

【大貫委員】 
 杉山さんから,難しい御質問を頂いたわけですけれど。
 今,岩村委員がお答えになったことは,一つの重要な答えだと思います。私,ありていに言うと法曹コースと法科大学院が連携するということは,法曹コースの内容はある程度同じようにするということでなくてはならないというふうに思っています。法曹コースによってばらばらであっては,体系的教育ということになりませんので。ある法曹コースから連携先でない法科大学院に行くときはもう全然行きようがないというのは,これはどうしようもないので。ある程度の金太郎飴(あめ)的なところは仕方がないと思っています。
 ただ,先ほど井上座長がおっしゃいましたように,私も大学時代,語弊がありますが,今や鬼籍に入られた先生の念仏のような講義を聴いて,これは大変だと思った記憶があります。他方で私の恩師は大変講義の上手な方で,この講義により学問への目を開かせてくれたという経験もあります。事ほどさように,同じ科目を教えても,これまでもこれからも,誰が教えるかによってやはり大いに変わりますので,標準化されすぎるということはないでしょう。フランスは開講科目事態は標準化されているんですけれど,人がどのように教えるかは大いに異なりうる。あるいは先ほど有信委員がおっしゃった教え方もいろいろあります。アクティブラーニングとか反転講義とか,いろいろな形式もありますので,具体的な教え方まで視野に入れれば,法曹コースの教育が金太郎的になるということは,私はないというふうに思っている次第です。

【井上座長】 
 一番核になるのは基本科目,法律基本科目の最も基本的なところが共通といっても,内容が共通するわけじゃなくて,ここが核ですから,ここのところはきっちり教えてくださいねというような共通だと思うんですよね。でも,今,大貫さんがおっしゃったように,先生によって,それにどういう肉付けをするのか,どういう教え方をするのか。それによって随分違ってくるので,そういう大まかな共通ないし体系化が最低限図られないと,できないだろうと。そういう話かなというふうに思います。

【杉山委員】 
 ありがとうございます。

【土井委員】 
 よろしいですか。

【井上座長】 
 どうぞ,土井さん。

【土井委員】 
 ありがとうございます。
 私からは3ページの丸2の部分について,意見を申し上げたいと思います。
 今回,学部に法曹コースを設置して,既修者コースとの連携を図るという改革案を検討してきたわけですけれども,これはある意味で法曹志望者あるいは法科大学院志願者の現状を踏まえて,他方で予備試験の動向なんかもにらみながら,法曹養成課程の経済的・時間的負担の軽減を何とか図ろうとする狙いだと思うんです。これは法曹養成制度を安定させて持続的に発展させるために必要な現実的対応だと思いますので,真摯に取り組む必要があると思うんですが,しかし,それと同時にやはり法科大学院でなければ実施できない教育を充実させることで,法科大学院教育の意義をより積極的に高めていくということについても必要なんだと思います。
 今,御議論があったように,法律基本科目ですとか,先ほど議論があった基礎法学・隣接科目等については,今後法曹コースとの連携を深めることで,体系化等の改善を進めていくということになろうと思いますので,法科大学院で学ぶことで身に付く特有の付加価値は何かということになれば,やはり今度は展開・先端科目であるとか,実務基礎科目の意義が重要になってくるんだろうと思います。ようやく進みつつある法曹の活動領域の拡大というのを後押しするためにも展開・先端科目の充実が求められていると思いますし,あるいは法科大学院と司法修習の接続をより円滑に進めていくという意味では,実務基礎科目の充実というのも図らなければいけないだろうと思います。
 それから海外留学をはじめ国際プログラムというのは,各大学に御尽力いただいているところでもあるんですけれども,どうしても司法試験が目の前にあるということもあって,なかなか学生が集まらないということもあったわけですから,今回改革を含めて,この点について全体としてどう充実させていくのかということもありますし,また連携を学部と結んでいくということになれば,学部の段階で海外留学というのを推奨して,それと推薦方式なんかを結び付けていくというやり方も,これは多様になってくると思いますので,この点についても是非前向きに検討していただきたいと思います。
 以上です。

【井上座長】 
 この体系的教育の点については,きょうのところはこのぐらいでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは最後ですけれども,その他として法学部生に対するアンケート調査について,事務局から説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元に参考資料1を御用意願います。
 法学部生に対するアンケート調査への御協力ということで,対象の国公私立大学の事務局に送付しているものでございます。この趣旨は資料に書かせていただいているとおりに,昨今の法曹志望者の減少を踏まえ,減少に関する要因等を把握し,今後の施策の検討に活用することを目的として,志望動向に関する調査を一昨年度,昨年度に引き続きまして,法務省,文部科学省で実施することとしておりますので,ページをおめくりいただきまして,別添の対象大学として平成31年度以降入学者の募集を継続する法科大学院を設置する大学のうち,法学部を設置している36大学,資料にありますが,これらの大学の学生の1年次から4年次の学部学生に対して,アンケート調査にお答えいただくよう,お願いするところでございます。
 調査実施期間が10月15日から11月16日となっておりまして,学部学生は,このウエブによるアンケート調査を行っていただくわけでございますが,対象となる大学におかれましては,何度か学生に周知いただいていると承知しておりますけれども,改めまして周知のお願いということでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。

【井上座長】 
 特に御質問はございませんですか。それでは,よろしくお願いします。
 こちらの方で用意しましたのは以上でございます。これで本日の会議を終了させていただきたいと思います。
 次回の日程につきましては,改めて事務局から連絡を差し上げたいと思います。どうもありがとうございました。


―― 了 ――


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