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法科大学院等特別委員会(第79回) 議事録

1.日時

平成29年3月30日(木曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省3階 講堂

3.議題

  1. 座長の選任等について
  2. 第9期の審議に関する主な論点について
  3. その他

4.出席者

委員

(正委員)有信陸弘,清原慶子の各委員
(専門委員)井上正仁,岩村正彦,大沢陽一郎,大貫裕之,加賀譲治,笠井治,樫見由美子,鎌田薫,木村光江,佐伯恒治,酒井圭,潮見佳男,杉山忠昭,染谷武宣,髙橋真弓,土井真一,中島康予,長谷部由起子,日吉由美子,松下淳一,丸島俊介,山本和彦の各委員

文部科学省

浅田大臣官房審議官(高等教育局担当),大月専門職大学院室長,川﨑専門職大学院室室長補佐,真保専門教育課専門官

5.議事録

【大月専門職大学院室長】
 おはようございます。所定の時刻になりましたので,第79回中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会を開催いたします。
 今回,第9期の中央教育審議会が発足し,第8期に引き続き,本特別委員会の設置が決定されました。今期から,所掌事務に,法科大学院と法学部との連携等が追加されましたので,会議名が法科大学院等特別委員会となっております。
 本特別委員会についても,新たな会期ですので,座長及び座長代理を御選任いただく必要がございます。それまでの間,便宜的に事務局で進行を務めさせていただきます。
 議事に入る前に,配付資料を確認させていただきます。
 資料1,資料2を御覧ください。資料1のとおり,昨日,3月29日に開催された大学分科会において,法科大学院等特別委員会が設置されました。本日は,今期初めての会議ですので,資料2の順に,本日御出席の各委員を御紹介させていただきます。
 なお,略式で誠に恐縮ですが,机上に委員委嘱に係る辞令の封筒を置かせていただいております。
 まず,正委員よりでございますが,有信委員,間もなく御出席される予定でございます。
 清原委員でございます。

【清原委員】
 清原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 続きまして,専門委員より,井上委員でございます。

【井上委員】
 井上でございます。

【大月専門職大学院室長】
 岩村委員でございます。

【岩村委員】
 岩村でございます。どうぞよろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 大沢委員でございます。

【大沢委員】
 大沢です。よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 大貫委員でございます。

【大貫委員】
 大貫です。どうぞよろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 加賀委員でございます。

【加賀委員】
 加賀でございます。どうぞよろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 笠井委員でございます。

【笠井委員】
 笠井でございます。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 樫見委員でございます。

【樫見委員】
 樫見でございます。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 鎌田委員でございます。

【鎌田委員】
 鎌田です。よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 木村委員でございます。

【木村委員】
 木村でございます。よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 佐伯委員は,現在,国会対応中でございまして,それが終われば,御出席いただけると聞いております。
 酒井委員でございます。

【酒井委員】
 酒井でございます。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 潮見委員でございます。

【潮見委員】
 潮見でございます。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 杉山委員でございます。

【杉山委員】
 杉山です。どうぞよろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 染谷委員でございます。

【染谷委員】
 染谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 髙橋委員でございます。

【髙橋委員】
 髙橋でございます。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 土井委員でございます。

【土井委員】
 土井でございます。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 中島委員でございます。

【中島委員】
 中島でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 長谷部委員でございます。

【長谷部委員】
 長谷部でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【大月専門職大学院室長】
 日吉委員でございます。

【日吉委員】
 日吉でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 松下委員でございます。

【松下委員】
 松下でございます。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 丸島委員でございます。

【丸島委員】
 丸島でございます。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 山本委員でございます。

【山本委員】
 山本でございます。よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 本日は御欠席ですが,専門委員として,磯村委員,岩谷委員,片山委員,瀬領委員が御就任されておりますので,御紹介させていただきます。
 続きまして,事務局を紹介いたします。
 大臣官房審議官(高等局担当)の浅田です。

【浅田高等教育局審議官】
 浅田です。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 専門職大学院室長補佐の川﨑です。

【川﨑専門職大学院室室長補佐】
 川﨑でございます。よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 専門教育課専門官の真保です。

【真保専門教育課専門官】
 真保でございます。よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】
 私,専門職大学院室長の大月です。よろしくお願いいたします。
 なお,本日,高等教育局長の常盤と専門教育課長の浅野,国会対応中で,浅野は場合によっては出席できるかと考えております。
 それでは,今期の特別委員会の座長及び座長代理を選任していただきたいと思います。
 本特別委員会の座長につきましては,委員の互選により選任することとされております。
 どなたか御推薦いただけませんでしょうか。大貫委員,よろしくお願いします。

【大貫委員】
 第8期の特別委員会の座長をお務めになって,適切に議事を進行された井上委員にお願いしたらいかがかと思っております。

【大月専門職大学院室長】
 井上委員の御推薦を頂きましたが,いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大月専門職大学院室長】
 それでは,井上委員に座長をお願いすることとさせていただきますが,よろしいでしょうか。
 続きまして,井上座長より,座長代理の御指名をお願いいたします。

【井上座長】
 御挨拶はまた後ほどということにさせていただきまして,座長代理は座長が指名するということになっていますので,これも前期からまた重ねて恐縮ですが,山本委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 山本委員,よろしくお願いいたします。
 それでは,以後の進行については,井上座長にお願いいたします。
 なお,座長,座長代理からの御挨拶は,会議公開後にお願いできればと存じます。

【井上座長】
 ただいま大月室長からお話があったとおり,挨拶の方は後ほどということにさせていただきます。
 まず,委員会の会議の公開について,お諮りしなければなりません。この点については,事務局の方から御説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 資料3をお手元に御用意願います。会議の公開に関する規則(案)を御説明いたします。
 本委員会の会議は,第1条に規定されているとおり,原則公開とし,人事に関する事項,及び,座長が公開することにより公平かつ中立な審議に著しく支障を及ぼすおそれがあると認める場合,その他正当な理由があると認める場合には非公開とするとしております。
 また,会議を傍聴しようとする者は,第2条に規定されているとおり,あらかじめ事務局に登録を受けなければならない。また,座長の許可を受けて会議を撮影,録画,又は,録音することができるとしております。
 会議資料,議事録は,第3条,第4条の規定されているとおり,原則公開としております。
 以上でございます。

【井上座長】
 従来の取扱いは今,御説明があったとおりで,そのような取り扱いで結構ではないかと思いますが,いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【井上座長】
 それでは,そういうことにさせていただき,ただいまから会議を公開することといたします。
 カメラ撮影を含め,傍聴希望者がいるようであれば,入室してもらって下さい。

(傍聴者入室)

【井上座長】 それでは,はじめに,私から一言御挨拶申し上げます。
 ただいま座長に選任いただきました井上でございます。前期,さらにはその前も座長を務めさせていただきましたが,今期も皆様の御協力を得まして,何とか円滑な審議ができますよう努めたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 今期の検討事項につきましては,前期からの引き継ぎもあり,後ほど御検討いただきますけれども,その中でも特に,法科大学院と法学部の教育の連携の在り方ということが重要な検討事項になろうかと思います。
 法学部の教育それ自体については,これまで余り踏み込んで議論をしてこなかったのですが,いま申した事項の検討の進み具合によっては,当然,法学部の教育自体にも踏み込んで議論をする必要があります。そのため,冒頭に大月室長の方からお話がありましたように,この委員会の名称も今回から「等」という語が付け加えられておりすし,また,委員にも,法学部の教育あるいは運営に携わってこられた方にも御参加いただいているわけです。
 それに限らず,充実し,実りの多い結果が出るような審議を行っていきたいと思いますので,是非御協力をお願いしたいと思います。
 

【山本座長代理】
 それでは,私からも一言御挨拶をさせていただきます。
 恐らく,今期の審議は,今,井上座長からも話がありましたけれども,この法科大学院という制度それ自体にとってかなり,何というか,正念場になるのではないかというふうに認識しております。毎回,毎回そういうふうに言っている気もするんですが,今回は本当の正念場ではないかというふうに私自身は認識しておりまして,非常に任が重く感じておるところであります。
 井上座長を適切に補佐してやりたいと思っておりますので,御協力のほど,よろしくお願いいたします。

【井上座長】
 正念場というのはもう後がないということのようですが,そういう意味で,これまでにも増して充実した審議を心掛けたいと思います。
 今回は第9期の中教審の下での会議としては初回となりますので,文部科学省を代表しまして,浅田審議官の方から一言御挨拶をお願いします。

【浅田高等教育局審議官】
 まず,今回,第9期の特別委員会の委員をお引き受けいただき,本日も,お忙しい中,御出席いただきましたことに,心より御礼を申し上げます。
 局長の常盤が,本日国会で給付型奨学金の創設のための法案の審議にずっと午前中,張り付きですので,出席できないと思います。大変申し訳ありません。次回以降,また,出席して挨拶させていただきたいと思います。
 法科大学院につきましては,今もお話ございましたけれども,平成27年6月の法曹養成制度改革推進会議決定,あるいは,この会議でのこれまでの御議論を踏まえて,文科省としても,これまで様々な取組を進めてまいりました。組織の見直し,あるいは,教育の質の向上,そして,経済的,時間的な負担の軽減と,いろんなことに取り組んできておりますし,それらの取組は進んでいると思っていますけれども,今なお,法科大学院への志願者,あるいは,法曹志望者を回復させるというところには至っていないというのが現状であります。
 今期の特別委員会では,プロセスとしての法曹養成制度という法科大学院制度の基本ですけれども,それを安定,改善していくために,法科大学院教育の改善,充実だけではなくて,先ほどからお話が出ておりますように,法学部教育との連携等についても御審議をお願いしたいと思っております。
 法科大学院をめぐる現在の状況を更に改善していくために,本特別委員会での御審議は極めて重要,かつ,不可欠なものだと思っております。
 是非充実した御審議を頂き,お力添えを賜れればと思っています。よろしくお願いいたします。

【井上座長】
 それでは,議事に入らせていただきます。
 今後,本委員会におきまして検討していくべき論点につきましては,今年の2月に開かれました前期特別委員会の第78回会議におきまして議論をしていただいたところですが,その議論をも踏まえ,今期に議論すべき主たる論点を事務局でまとめていただいております。
 それにつきまして,事務局の方から説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】
 資料4をお手元に御用意ください。先生方はよく御存じのことではございますが,最初ですので,法科大学院改革の取組状況等について,御説明させていただきたいと思います。
 まず,資料の1ページ目,2ページ目でございますが,法科大学院の平成28年度の受験者,合格者,入学者数等が記載されております。また,2ページ目でございますが,入学定員,入学者数については減少しているということでございます。
 このことの要因としては様々な要因がございますが,3ページ目にございますが,司法試験の合格者が1,500人程度とされているということを踏まえまして,中央教育審議会の本委員会におきまして,法科大学院の入学定員は2,500人程度というのが適当であるという旨を提言していただいておりまして,文部科学省においては,4ページ目にありますような公的支援見直しプログラムを行うことなどによって,その目標に向けて進めてきたところでございまして,平成29年の入学定員は2,566人とほぼ目標を達成する見込みとなっているところでございます。
 資料の5ページ目,6ページ目でございますが,認証評価の厳格化とか,問題等がある法科大学院への教育状況調査を行っております。
 また,資料7ページ目でございますが,共通到達度試験につきまして,第3回の試行が先日行われたところでございます。これなんかも踏まえて,検討を進めてまいりたいと考えております。
 また,8ページ目,統一適性試験の在り方につきましては,平成31年度入試から利用を任意化することとされておりまして,文部科学省においては,先日,平成30年度以降の未修者選抜等のガイドラインを策定したところでございます。
 9ページ目でございますが,法科大学院への入学者が減少していることの要因の一つとして,時間が掛かり過ぎるということがあります。現行制度におきましても,法学部3年,法科大学院2年ということで,法学部と併せて5年で修了できることができるとなっておりまして,平成28年度におきましては,39名の方がそのような対象となっているところでございまして,文部科学省としては,優秀な資質を有する層については,このような取組を進めて, 5年で修了できるような取組を進めてもらいたいということで,取組を行っているところに支援を行っているところでございます。
 また,11ページ目でございますが,早期卒業・飛び入学をされた者の司法試験合格率につきましても,資料にありますとおり,全体では48.2%のところが63.3%,また,修了1年目に限っても,全体だと29.6%に対して,44.2%と合格率も高くなっているところでございます。
 経済的支援の関係では,12ページから14ページに資料を付けております。13ページ目でございますが,全ての法科大学院において,何らかの支援を行っていると。58校については独自の給付型支援,それ以外の10校についても,大学としての支援制度を設けているということでございます。14ページ目は,日本学生支援機構,JASSOによる奨学金の制度の概要を記しているところでございます。
 15ページ目のICT活用につきましては,報告書をまとめられておりますので,会議の最後にその内容を報告させていただきたいと思います。
 16ページ目でございますが,司法試験の累積合格率でございます。平成25年度修了者3年目のところを御覧いただければ,既修者コースについては7割の方が3年目までで合格されているということ,ただ,未修者については,38.6%ということでありますので,全体としては58.1%になっている次第であります。
 17ページ目は,既修者,未修者の中でも,法学部出身者,それぞれ法学部出身者と非法学部出身者を分けて記しているものでございます。その中で,未修者コースの中で,非法学部出身者は3年目の時点で45.4%合格しているのに対して,法学部出身で未修者コースに入学される方については,より合格率が低くなっていて,35.9%となっているところでございます。
 18ページは合格率の推移でございます。
 19ページ目が新しい資料でございますが,司法制度改革審議会意見書,それを踏まえて,中央教育審議会でも,法科大学院は独立研究科,学部に基礎を持たない形で設置することが望ましいと提言されたことから,多くの大学ではそのような形で設置されているところでございますが,これについては,良い面もありますけれども,後ほどちょっと御説明いたしますが,問題点もあるのではないか,見直す必要があるのではないかと考えておりまして,御議論いただきたいと考えておるところでございます。
 続きまして,21ページ目でございますが,入学者の数,入学者に占める法学未修者の中でも法学系課程出身者とそれ以外の方々の資料でございます。未修者が法学既修者よりも大幅に減っていて,平成28年度では,既修者が1,222人入学しているのに対して,未修者は,法学系課程出身の方が462人,法学系課程以外の出身が173人となっておるところでございます。
 22ページ目は,社会人関係でございます。社会人関係についても人数は減ってきているところでございますが,割合については,全体の人数が減っているということもあり,32.6%と,未修者に占める社会人経験者の割合は32.6%,既修者に占める割合は13.4%となっております。
 23ページ,24ページは,1年次から2年次への進級率,標準修業年限での修了者等の推移を記載しております。法科大学院においては厳格な修了認定等が行われていることを示す資料かと考えております。
 法学部関係でございますが,26ページ,27ページ目でございます。26ページ目の右側の資料にありますとおりに,平成3年度に比べれば,かなり法学部の志願者数というのは減っているということではございますが,ここ数年は横ばい傾向が続いていると。27ページ目も同様のことを示しているものです。
 28ページ目でございますが,法学系課程への学士編入学ということは非常に率が低く,資料にありますように0.06%。一方で,参考ではございますが,医学部の場合は2.3%あるという資料でございます。
 29ページ目は,法学部卒業者の進路の推移,30ページ,31ページ目はどの大学の出身者が法科大学院の既修者,未修者にどの程度送り込んでいるかということを表した資料でございます。
 32ページ目から35ページ目は法学部の在り方についてのまとめた,過去の提言をまとめた資料でございます。
 最後に,予備試験関係でございますが,37ページ目で法科大学院修了という資格で司法試験を受けて合格された方が,平成24年度は2,044人いて,それに対して,予備試験合格という資格で司法試験を受けて合格された方が58人,一方で,平成28年度は,法科大学院修了という資格で司法試験を受けて合格した方は1,348人,予備試験合格という資格で司法試験を受けて合格された方が235人という形になっております。
 また,予備試験について,39ページ目を御覧ください。予備試験合格者に占める学部生や法科大学院生の割合や人数が増加傾向にございまして,左の数でございますが,28年度の合格者の8割が学部,法科大学院在学中となっており,右側の資料では,合格したことで,法科大学院を中退されている人の数が増加傾向にあるということを示した資料でございます。
 続きまして,資料5-1を御覧ください。こちらが主な論点でございます。前回の主な論点に,資料5-2の前回の御意見を踏まえて修正したものでございます。
 まず,審議に当たっての基本認識でございます。4点書いておりますが,一番上のところで,プロセスとしての法曹養成制度により,質の高い法曹が多数養成されるよう,法科大学院おいてすぐれた資質を有する志願者の回復が喫緊の課題であること。法科大学院教育の更なる改善・充実に併せて,学部段階における法学教育の在り方も含めて,総合的に大学の法学教育の在り方を検討する必要があること。大学における法学教育や法科大学院の司法試験合格率の状況等を踏まえて,法科大学院教育,司法試験・司法修習との有機的な連携の在り方を検討する必要があること。最後,4点目でございますが,グローバル化の更なる進展やビジネスモデルの転換等を踏まえた我が国の成長を担う法曹・法律系人材の育成が必要であること。という基本認識の下で,個別に論点としては,その他を含めて4点を記載させていただいているところでございます。
 まず,1点目,法科大学院と法学部等との連携強化について,総論とありますが,法曹養成のための教育,研究者養成のための教育,その他の進路に進む者のための教育の役割分担について,どのように考えるか。法科大学院と法学部・法学系の大学院との有機的な連携の強化,組織の一体化を促進することとしてはどうか。
 時間的な負担の軽減という観点から,すぐれた資質を有する法学部生が学部3年時点,修了時点で法科大学院既修者コースに入学する仕組みの対象者を更に拡大していく上で,どのような課題があるか,その課題を解決するために必要となる方策とはどのようなものか。自大学の法学部と法科大学院の間で,当該コースを事実上の「5年一貫コース」として運用していく際に,どのような課題があるか。
 ページをおめくりいただきまして,2ページ目でございますが,研究者養成ということで,法学研究の道を選択する者を継続的に確保するために,どのような方策が取れるのか。地方における法曹養成の在り方としての観点から,地方における法科大学院等の連携による法曹養成機能の在り方をどのように考えるのか。
 また,二つ目の大きな論点として,法学未修者コース入学者に対する教育の在り方についてということで,総論で,法学未修者(純粋未修者)については,初年度の1年間で既修者に追い付くことは相当に困難であるという事情があると。また,先ほど資料で御説明したように,未修者コース入学者の約7割が法学部出身者であることなどを踏まえて,法学未修者の定義をどのように考えるか,法学未修者(純粋未修者)の入学を前提とした現在の教育システムについてどのように考えるかということ。
 教育方法については,前回の意見等を踏まえて書かせていただいておりますが,まず,1点目としては,法学部の授業を活用することが考えられるのではないか,また,法学部への学士編入学は非常に少ないということを説明いたしましたが,それを促進することや,受け入れ校を拠点化することをする必要があるのではないかということ。
 3点目でございますが,法学部教育の在り方ということで,法曹養成教育を充実させていく観点から,法学部の役割について改めて検討を行う必要があるのではないか。法学部卒業生の進路の多様性を踏まえて,法学部において育成すべき人材像の検討を行う必要があるのではないかということ。
 続きまして,3ページ目でございますが,法曹志望者に対する法学部教育の在り方を検討するとともに,法学既修者として,法科大学院に入学する際に求められる能力を明らかにする必要があるのではないかと。あと,法曹志望の学生とそうでない学生それぞれに対して,どのような教育を行うことが適当かということ。
 また,最後の論点,その他として,先ほど説明したように,予備試験・司法試験合格によって,法科大学院を中退する者の増加など,予備試験が法学部・法科大学院教育に影響を与えているという指摘をどのように考えるか。また,最後に,法学部のカリキュラムと司法試験の関係について,どのように考えるかという形で論点をまとめさせていただいております。
 基本的には,前回の意見,5-2でございますが,こちらを論点に取り込んでおりますが,取り込めてないところについてだけ,簡単に御紹介させていただきたいと思います。
 まず,法学部と法科大学院との連携の必要ということで,一番上の丸でございますが,素質のある学生を法学部段階から法科大学院に引き寄せる必要がある。こうした改善策が,一方で,法科大学院入学者の多様性の確保という当初の大事な理念と対立するものになってはならないという御意見。
 また,法科大学院経由で法曹になるイメージを学部1年次の段階から提示する必要があるのではないかという御意見。
 3番目でございますが,法学部との連携を深めつつ,自大学の学生の法科大学院への進学を促進していく場合には,入学者選抜の公平性,開放性といった理念をどう考えるかという点についても検討が必要という御意見を頂いております。
 また,その下,法学部と法科大学院との連携方策の二つ目の丸でございますが,伝統的にジェネラリストを養成してきた法学部の授業では,法曹志望者に対する十分な指導が難しい一方,法曹志望者に特化した授業を行おうとすると,大半の学生には難解な授業となってしまう。法学部教育との連携については,こうした点を踏まえる必要があるのではないか。
 また,連携強化を強調し過ぎると,各大学の個性が失われる可能性もある。各大学,法科大学院の実情に配慮が必要ではないかという御意見が出ております。
 また,最後の資料,2ページ目の研究者養成のところでございますが,多くの法科大学院が独立研究科として創設されたことは,意思決定の迅速化や実務家による教育などの成果に結びついた一方,組織を分離したことにはロスも大きく,特に法律学という研究学問の発展には大きな足かせになっているのではないかという御意見。
 また,資料3ページ目のところでございますが,司法試験受験で要求される学力水準が相当高いものになっていると。これを前提とすると,期間短縮の一方で,学力不足が懸念される学生には時間を掛けて教育ができるような制度の在り方を考える必要がある。また,期間短縮を検討する場合には,司法試験についても何らかの工夫が必要ではないかという御意見を頂いているところでございます。
 以上でございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 ただいま説明していただいた論点は,事務局において整理していただいたものですが,追加すべき論点等がありましたら,これから御意見を頂く際に,御指摘いただければと思います。
 今回は,これらの論点のうち,主として法科大学院と法学部等との連携強化について議論していただきたいと思います。
 議論に先立ちまして,その手がかりともしていただく趣旨で,樫見委員から金沢大学の,また,中島委員から中央大学のそれぞれ現状につき御報告いただこうと考え,お二人に予めお願いしています。
 この問題についてはこれまでも議論し,特に前期の委員会では,幾つかの大学の法学部の学部長や教員の方々にヒアリングをし,その現状と課題についていろいろ説明を伺ったうえで,意見交換をいたしました。
 本日は,お二人から御報告いただきますが,次回以降も,必要に応じ,他の大学の実情についても説明していただければと思います。
 本日は,樫見委員からは,特に地方大学における法学部と法科大学院との間の連携の在り方について,また,中島委員からは,中央大学の場合,都市部の大規模校ですけれども,御承知のように,現在のところ法学部と法科大学院の所在地がかなり離れていますので,そういう大学における両者の連携等の現状についても御説明を頂こうと存じます。
 それでは,まず,樫見委員からお願いします。

【樫見委員】
 金沢大学の樫見でございます。
 それでは,先ほど,これからの検討課題の点がございましたので,私の方からは,まず,地方における法科大学院ということがございますので,金沢大学という北陸地域にあります法科大学院の状況につきまして,少し先に書かせていただきました。
 まず,北陸3県の法曹人口,平成18年当時,金沢弁護士会,それから,富山県弁護士会,福井県弁護士会,これが北陸3県の弁護士会になりますが,これらの人数,いずれも100人未満でございましたけれども,現時点,平成28年の段階で,いずれも倍以上の増加を示しております。
 参考のために,都市部の弁護士会の人数も同じように書かせていただいております。いずれも相当の伸びを示しておりますが,全体としましては,この法科大学院の最初の合格者が出た段階から今日まで,弁護士の増加率は全国平均で171.1%,北陸3県の増加率,これは非常に多くて,190.4%,いわゆる地域の弁護士過疎の問題がかなり解決されているという状況が見てとれます。
 そして,当然,弁護士の人口というのは当然,そこに住まう人口にも関係しておりますので,北陸3県の人口というのをちょっと参考に上げさせていただきました。石川県,約115万,富山県が106万,そして,福井県が78万ということで,都道府県の人口ランキングにおきましては,石川県34位,37位,43位というふうに,人口の規模から御覧になりますと分かりますように,東京都,それから,神奈川と大阪,愛知といった非常に人口密度の高い集中している地域と比べますと,非常に人数が少ないということが分かります。やはり地方と人口の集中する地域との差が歴然としているということが分かるかと思います。
 こういった北陸3県の中で,大学院,本学,法務研究科があるわけでございます。現在は,入学定員10名と,それから,2年短縮のコース5名の定員を置いております。教育理念は,やはり地域にあります法科大学院ということで,一つは,法学教育を通じて人間及び社会に関する健全な感心と適切な判断能力を涵養ということにプラスして,やはり地域に根ざした法曹教育を実現ということを考えております。教育目的につきましては,御覧いただいたとおりでございます。
 問題は,入学定員,これは当然,認証評価の関係もございますけれども,入学定員は,発足当初は40人でございました。私自身,設置にも関わった関係では,やはり当時から40人は非常に多かったというふうに考えておりましたが,その後,25人,そして,現在は15人に縮小しております。
 問題は定員充足率でございますが,25年度から,下の表にございますとおり,9割を切りまして,26年度につきましては8名,27年度4名,そして,28年度は8名と,10人を切っております。幸い,現時点ではございますが,29年度に入学する学生は何とか10名はカバーできそうという状況でございます。これは当然まだ未確定でございます。
 それから,合格状況でございます。ざっとまとめで書いてございますように,各年度の司法試験の合格率は,22年度から29年度までの間,27年度,全国平均が23.08%に対して,本学は11.11と半分を切りましたが,何とか全国平均の割合の2分の1以上は維持しているものの,23年度以降,全国平均の合格率には遠く及ばない状況にあるということでございます。
 それから,本研究科の修了者の進路及び活動状況でございます。本研究科は,やはり修了者のうち,司法試験に合格した者の多くが弁護士となっておりまして,29年1月23日現在で,都道府県の弁護士会登録者数が80名,合格者は88名なのですが,登録者は80名です。北陸3県の弁護士会の所属弁護士となった者は40名,それ以外で,大都市部に登録した者17名を除きますと,その多くが地域に根ざした法曹ということで,本学の理念と合致した形になっております。
 これが客観的な状況でございます。当然のことながら,定員の充足状況,志願倍率,それから,合格者,いずれも問題を抱えているということは御覧いただいたとおりでございます。
 そして,3番目です。本学には,法学系の学部がございます。改組前は法学部と申しておりましたが,現在は人間社会学域法学類というふうに名称が変わっております。
 まず,法学類の入学者の出身地でございますけれども,全体としまして,定員170名のところ,約半分は北陸3県の出身者で占められておりまして,次いで,東海,そして,関東甲信越の順となっておりまして,この傾向はこの年度,2016年を書いてございますが,大体この割合で推移をしております。
 法学類の理念・目標,ここら辺のところはお読みいただければ分かるかと思いますけれども,「理念・目標」のところだけはちょっと読ませていただくと,「現代社会に対して幅広い感心を持ち,より良い社会の実現のために法的,政策的な観点から問題の解決策を導き出せる人材」ということで,極めて抽象的なものでありまして,具体的な内容としては,やはり,コース編成に特徴を持っております。
 コースは三つございます。各コースの所属人数に設定はございません。そして,3年からコース配属になります。2年の後期にこのコース選択を学生に課しております。公共法政策コース,それから,企業関係法コース,総合法学コースです。
 公共法政策コースというのは,具体的には,理念・目標に書いてございます人材養成のところを見ていただきますと分かりますように,国や地方自治体,NPO等における政策課程に参加する能力を備えた人材を養成するということでございます。
 それから,企業関係法コース,二つ目でございますが,ここは主に企業法務の現場で活躍する人材に特化した科目編成を考えております。ここでは企業の活動から生ずる問題を法的な視点から分析するための知識,そのあるべき解決方法を考えるというような能力を醸成するというところでございます。
 本学において,法科大学院に接続しているコースは最後の総合法学コースでございます。ここは金沢大学をはじめ,全国の法科大学院,又は,法学系大学院への進学を目指す学生のためのコースであります。ここでは,大学院に進もうとする学生が4年間で法学の基礎,それから,基礎,それから,展開・先端的な科目を学びます。教育目標は二つ,法科大学院への進学と,それから,大学院の研究者養成という二つを担っております。
 こういった学生でございますけれども,コース別選択状況を見ますと,2012年から2014年まで,おおむね人数的には変わっておりません。総合法学コースが極めて比較的少ない状況でありますけれども,公共法政策コースが多いというのは,実は法学部生の進路とも関係がございまして,地方公務員あるいは国家公務員を目指している学生が多いことにも由来いたします。
 総合法学コースを志望する者については一定の制約を課しておりまして,コース選択時における成績はGPA2.0,それから,少人数教育を実施するため,志願者が30名を超えたときには,GPA値及び面接で選考を行うと。しかしながら,御覧いただくと分かりますように,30名前後でございますので,これについては実施したことはないようでございます。
 こうした法学部生の進路でございますけれども,公共法政策コース,企業関係法コース,こういった人たちが主に官公庁40.7%,それから,民間企業が37.2%,そして,進学というのが法科大学院あるいは法学系の大学院,その他15%ということでございます。
 金沢大学の場合,少し法学系の大学院生の組織が変わっております。17年度までは修士課程のみの法学研究科がありまして,その後,平成18年に,この法学研究科を含めた三つの研究科が,現在の人間社会環境研究科博士前期課程に改組いたしました。その後,博士後期課程も設置しております。
 全体としては,下に書いてございますように,法科大学院の設置後,人間社会環境研究科の法学系の専攻に進学する学生は著しく減少し,進学者の一部は法科大学院,これは本学以外の法科大学院も含んでおります。そして,研究者を目指して大学院に進学する学生は激減をしたという状況にございます。
 そのデータとしましては,その下にございますように,平成17年までは法学研究科が存在しておりまして,ここでは,募集人員15名,政策学も入っておりますけれども,ここのところでは研究者養成が主でありました。募集人員に対して,入学者,少し少のうございますけれども,ずっと13年から17年にかけて,法学系の研究者になりたいという学生がそこそこいたという状況でございます。
 ところが,先ほどの法学系の研究科の志願状況は,当然,他大学からの進学者も含んでおります。そこで,法学部の卒業生に特化した大学院の進学先を御覧いただきますと,卒業した年度が平成16年,この段階で,金沢大学の法科大学院のまだ法学研究科に進む者もいたわけでありますけれども,法務研究科,それから,他大学の法科大学院というふうに,ここから法科大学院への進学者が増えていくという状況になります。
 全部の年数は書けませんので,最近の状況を下で書いてございます。これは法学類の卒業生の大学院の進学先を書いたものです。御覧いただくと分かりますように,法科大学院,本学含めまして,法科大学院の方は多くございますが,その下の法科大学院以外の大学院,この1名というのは非常に本学の人間社会環境研究科の法学専攻に進学した者,それから,それ以外の大学に進んだ者も含めますと,非常に少なくなっておりまして,研究者養成がほとんど壊滅状況にあるということが分かりますし,法科大学院の進学者も,全体としては数がございますが,それほど多くの学生が進学しているわけではございません。
 と申しますのは,先ほど,法学類の総合法学コース,ここの進学者が20名から30名いたわけでありますから,そのうちの,ここに書いてある人数ということでございますので,当然,公務員の方へ逃げたり,企業の方へ逃げているという状況でございます。
 括弧内の数値は早期卒業者数,法学類は24年度から,その前でございますけれども,早期卒業制度を導入いたしましたので,ここから早期卒業者が入っております。
 本学における法科大学院と法学類との連携状況でございますが,現在,(1)から(5)まで,幾つかの形で行っております。それから,昨年,今年度ですが,28年度からは,大学本部の方でも法科大学院に力を注がなければということで,担当理事が生まれました。1番目の方は,法学類と,それから,法務研究科の教員による教員の学内非常勤という形でそれぞれ授業を担当し合っているということ。
 それから,2年前から,法学類の総合法学コース,以前は法務研究科の教員,担当しておりませんでしたが,やはりこれ,法科大学院の授業との接続ということがありますので,この中の演習科目の「総合法学演習」,これ,4単位科目,前期2,後期2でございますが,この4単位について,法科大学院の専任教員がオムニバスで授業を担当し,どういう授業をするのかということを伝えております。
 それから,昨年から1年生向けの法学類の入学者に対して時間を頂いて,弁護士による「法曹」についての説明を実施しております。
 それから,会議におけるオブザーバー参加ですとか,法学類の履修ガイドには,様々な進学のための情報提供がなされているんですが,法科大学院進学のための情報提供を詳細にするようにいたしました。
 今後の課題でありますが,幾つか書いてありますのは,北陸における法曹養成の拠点の確保と維持,やはり地域における人材養成の必要性がございます。
 それから,やはり法律に特化するのではなく,多様な,院生の法的価値判断を醸成する多様な科目を配置することの必要性と,それから,財政的に厳しくなっているのですが,やはりこの体制を継続的に維持するということが必要であるということ。
 それから,院生の学術環境のことももちろんでありますが,経済的な負担をどうするのかという点です。給付型の奨学金制度の設置や長期履修のための授業料負担の軽減,例えば2年又は3年の授業料負担で,休学をすることなく,いられるように,大学に在学できるようなことにすると。それから,低額な学生宿舎,この4月1日から,実は,本学でキャンパス内に宿舎を新たに4棟ほど建てました。その中に,優先枠を法科大学院生に設けていただきました。
 それから,4番目は,独立研究科ではない法科大学院におきまして,現在の体制では法曹養成がやっとでありまして,研究者養成には手が回らないのですが,研究者養成を担っている現在の法学・政治学専攻は入学者が少ないという状況がありますので,これを何とかしなければならないということがございます。
 ほかにも問題点,ございますが,以上のような次第でございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 みなさん,御質問がおありかとも存じますが,後で意見交換に移る段階でお願いできればと思います。
 次に,中島委員に,中央大学についてご報告いただきます。

【中島委員】
 中央大学の中島でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 座長の方から,都市部の大規模校であるということと,それから,ロースクールと地理的に離れているということでございまして,東京の23区ではなく,郊外に立地しております。きょうのような会議がございますと,東京に行ってくると言って出掛けておりますけれども,そういった大規模校としての現状と課題について,簡単に御説明申し上げます。
 10分程度というふうに伺っておりますので,かいつまんでということになりますが,柱立てといたしましては,五つ用意しております。
 まず,一つ目ですけれども,法学部における教育体制について,直近に改正したカリキュラムに則してお話をいたします。それから,2点目ですけれども,とりわけ法曹志望者を対象とした特徴ある教育内容について,3点目が,教育課程のカリキュラム内,正課内と,それから,外の取組について,お話をいたします。そして,4点目,進路の状況についてはデータを御確認いただくということで,最後に,五つ目ですけれども,法科大学院,ロースクールとの連携についてお話を申し上げます。
 それでは,資料7の2ページを御覧ください。なるべくこの内容と重複しないような形で,口頭で補足をさせていただきます。中央大学法学部は,法律学科,国際企業関係法学科,政治学科の三つの学科から構成されてございます。現在のカリキュラムですけれども,法律学科と政治学科につきましては2014年度に,そして,国際企業関係法学科については1年遅れましたけれども,2015年度に改定をしたものでございます。
 このカリキュラム改革なのですけれども,その改革の検討に着手した時期といいますのが,いわゆる法学部冬の時代,法学部不人気という状況でございまして,それに対して急ぎ対応する必要があったという側面がございます。
 特によきにつけ,あしきにつけ,法科の中央と称されますように,中央大学法学部と申しますと,法曹養成というイメージと直接結び付けられる。このイメージというのが学部の学生募集にとりましては非常に強い逆風となっておりました。
 そこで,法学部,特に法律学科における教育の幅の広さというものを,コース制を採用することによって可視化をする。見やすくするということ,そのことが,翻って,法曹志望者の裾野を広げることになるのではないか,そういった目的を持って,2014年度,カリキュラム改正を行いました。
 このカリキュラムのポイントは,今申し上げましたように,コース制を採用して,卒業後の進路を見据えて,体系的な学修を進めていくこと。大規模校ではあるのですけれどもゼミなど,少人数教育の場を更に充実をさせまして,主体的な学修を進めていくということを強化いたしました。
 1年遅れましたけれども,国際企業関係法学科,学科の名称に象徴されておりますように,もともとは国際私法,私法の方に軸足を置いておりましたけれども,入学する学生の中に,国際公法系の興味感心を持つ者が少なからずおりましたので,国際法学と国際民事法学の2本柱へシフトしたというのがこのカリキュラムの特徴となってございます。
 今申し上げたものを,ここからは学科別に示したスライドが3ページ以降でございます。3ページは,法律学科の内容でございまして,先ほど申し上げましたように,法曹コース,公共法務コース,企業コースの三つのコースを設定しております。後ほど言及しますけれども,このコース選択は2年に進級をするときに行い,そして,さらに,3年次に進級をする際に,転コース,コースを替えるということも認めております。
 コース制を採用した2014年度カリキュラムで学んだ学生がこの4月に4年生になるということで,このカリキュラム改正の効果がどういった形で現れているのかというようなことを併せて検証しなければならいなという時期を迎えてございます。
 4ページは,国際企業関係法学科です。御覧いただければ,十分かと存じます。
 5ページが政治学科でして,政治学科はもともとコース制を採用しておりましたが,3コースから4コースに改めまして,かつ,非常にリジットなコース制に改めたということでございます。
 6ページを御覧ください。6ページには,3学科にある種共通の,とりわけ,キャリアデザインや学問的な関心に即したプログラムに即して,少し1年生から4年生まで,どういった形で学びを進めていくかということを示してございます。
 まず,1年次では,初年次教育といたしまして,導入演習ないし法学基礎演習を置きまして,アカデミックスキルを身に付けさせる。また,大学と社会という科目で大学での学びと,それから,社会で働くことをつなげていくということを意識させると。こういった様々な科目を用意いたしまして,これらを踏まえて,先ほども申し上げましたように,2年生に進級をするときに,法律学科と政治学科では希望を受け付けまして,コースに登録を行っていくということになってございます。
 7ページを御覧ください。二つ目の柱ですけれども,法曹志望者を対象とした特色ある教育ということで,幾つか掲げてございます。
 まず,1年次ですけれども,法曹論と法曹演習というものを設けてございます。実は法曹論の歴史は古うございまして,1993年に開講いたしまして,法曹実務家の実体験をまじえた講義を通して,法曹実務家という仕事への興味を喚起するというようなことをしてございます。
 学期末には,大ホールを使用して,模擬裁判を実施しております。そして,秋学期には,法曹演習,これは本学出身の弁護士,検察官に御担当をお願いしている少人数のゼミでございます。これの歴史も古うございまして,1993年に司法演習という形で開講し,2004年,ちょうどロースクールが始まった年ですけれども,この年にカリキュラム改定を行いまして,現在の科目名になってございます。
 この辺り,やはり実務家,法曹,卒業生に多うございます。郊外にキャンパスがございますけれども,いわば手弁当のような形で,後輩のためにということで御尽力を頂いているということで,その辺り,恐らく恵まれているのだろうというふうに考えてございます。
 8ページを御覧ください。今度は上級年次における様々な少人数教育のプログラムでございます。2年次には,実定法基礎演習ということで,これも2013年に開講し,2014年度の新カリキュラムに組み込んだ科目です。
 それから,3,4年次は,法律専門職養成プログラムと,それから,七法特講です。法律専門職養成プログラムの方は,実定法特講と法曹特講から成っておりまして,実定法特講の方は法学部の専任教員が担当し,法曹特講の方は実務家にお願いをする。そして,こういった教材開発を専任教員と実務家で共同して行っているということでございます。それから,七法特講はそこにあります七法に関する掘り下げた教育を行っているということでございます。
 さて,9ページに進みます。中央大学における法曹養成の仕組みということで,3点目の柱でございますけれども,このスライドにもございますように,これまで御説明申し上げてきた法学部内における正課の法学教育に加えまして,法職講座,それから,学生の司法試験受験団体という非常に長い歴史を持っている団体がございまして,こういった課外の取組とが有機的に連携をして,法曹志望者のニーズに応えているということになってございます。
 10ページ,御覧ください。正課外といたしましては,法職講座というものがございまして,これは法曹を目指す学生の学習サポートをするための課外の講座です。これも本学の専任教員と本学の卒業生の弁護士が講座を担当しております。また,学生の司法試験受験団体,自主的な組織ですけれども,これと,それから,多摩研究室,法職講座を取っている学生のために,自習スペースを用意しているということで,ここで朝から晩まで勉強に取り組んでいるということでございます。
 11ページ,それから,12ページが4点目のポイントですけれども,卒業後の進路状況でございまして,もちろん,法律学科出身の学生が2割強,法科大学院に進学をしておりますが,それ以外の学科からも,9%,国際企業法学科から9%,政治学からは4%程度,法科大学院に進学をしております。
 それ以外の就職先については,12ページに一覧表にしてございますので,それを御参照いただきたいと存じます。
 そして,13ページ,最後ですけれども,5点目,ロースクールとの接続連携ということで,先ほど来,既に話題になっております,まず,早期卒業制度ですけれども,制度の運用はこのスライドにあるとおりでございまして,この間の早期卒業制度の利用者の状況について付言をいたします。
 実は,本学では,早期卒業制度,2004年度の入学生から適用しております。つまり,ロースクールがスタートに合わせてカリキュラムの改定をいたしまして,このカリキュラムで学んだ早期卒業者が2006年度に第1期生として誕生しております。
 このとき,実はまだ対外的に公表していないデータではございますけれども,9名の学生が早期卒業いたしまして,そのうち,8名がロースクールに進学をいたしました。しかしながら,実はこの早期卒業1期生の人数が最大の人数でございまして,近年は減少傾向にあり,もう数名という程度に落ち込んでおります。これについての分析はそれなりに可能かというふうに考えてございます。
 14ページのスライドを御覧ください。ロースクールとの連携ですけれども,1つ目は,法科大学院のその教員との相互乗入れということで,ロースクールに所属をしている先生方が法学部で授業を担当するということと,それから,逆のパターンですね。法学部の教員がロースクールで授業を担当しているということで,これ,キャンパスが離れておりますので,とりわけ個別の先生方のかなり移動の負担が掛かっているということかと思います。
 それから,2点目ですけれども,ロースクールの方で設定をしているコアカリキュラムを学部の専門演習で活用している教員がおります。ただし,これは教員個別の対応で,組織的な対応に至ってございません。
 それから,三つ目が総合学園としての取組でして,この委員会の守備範囲を若干超えるかもしれませんけれども,本学は附属の高等学校と中学校を持ってございまして,附属の高等学校と中学校との間で,例えば,法律学科への進学が決まった生徒を対象に,模擬裁判を実施したりですとか,あるいは,法職講座と連携をいたしまして,法職セミナーを附属の高校で実施をしたりということで,大学に進む前の進路選択の様々な情報提供と,ひいては,法曹志望者,ロースクール進学者の拡大の取組を,わずかではございますけれども,行ってございます。
 最後,15ページに,今後の課題・展望ということで3点まとめてございます。
 まず,1点目ですけれども,法曹への多様なルートの維持・展開ということで,単純化して申しますと,もうこれ,申すまでもないわけですが,法曹になるには,法科大学院に進学をするルートと,それから,予備試験・司法試験ルートと,おおまかに言えば,この二つということになるかもしれませんけれども,実はここでその「多様な」という書き方をさせていただきましたのは,当然のことですが,個別の学生の選択は多様であるということでございます。法学部では,この間,卒業生を対象に,学生ヒアリングを実施いたしまして,定性的なデータを蓄積し,個別の学生の状況を学部の中で一定程度共有をしております。
 そういった定性的なデータを見ますと,例えば学部時代に1年間長期留学を経験した後,秋卒業という制度がございますので,秋卒業してロースクールに進学するですとか,あるいは,予備試験・司法試験という保証を,まず,学部に在学している間に得たところで,実はその勉強を進めていくと,研究者という道もあるのではないかと。あるいは,留学を司法修習前にしたいとかという,そういった選択肢を考えている学生も存在をしております。
 時間的,経済的な負担を節約して,直線的に最短ルートで法曹になるというルートばかりではないと。そういった意味での多様性を,学部,教育機関として,高等教育機関として維持し,より積極的に展開する必要もあるのではないかということで書かせていただきました。
 それから,2点目の研究者養成ですけれども,ロースクール修了者の研究者への道といたしましては,本学の大学院,法学研究科の方では入学試験で外国語の免除ですとか,あるいは,修士論文に代わるリサーチペーパーの提出を認めておりまして,直近でも,ロースクールの修了生が任期制助教に採用されて,この年度末,博士の学位を取得して修了したというような例も出てきております。
 また,法学研究科,研究者に軸足を置いた研究科の方で,ロースクールで開講されている実務系の基礎科目を開設していくというようなことも真剣に考えてよいのではないかというふうに考えてございます。
 今回こういった形でお話をするということで,事前に何人かの教員に聞きましたけれども,中央大学法学部ないしは法学研究科として,研究者養成について,余り実は危機感を持っていないというようなこともございました。
 そして,最後ですけれども,もうこれは申すまでもないことですけれども,できれば,やはり学部とロースクールが一体的に立地をすることで,教育効果を高めていく。とりわけ,日常的に身近なところで,身近なロールモデルに日常的に接することができると。やはり空間が共有されているというのが非常に重要で,なるべく早いうちに一体的な立地をというふうに考えているということを最後に申し述べて,少し,時間超過いたしましたが,以上でございます。
 ありがとうございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 それでは,お二人の委員からの御報告について,何か御質問があれば。どうぞ。

【笠井委員】
 2大学の教育内容について御説明いただいたわけですけれども,比較しますと,金沢については,法学類のコース選択というのが3年次に行われていると。一方で,中央大学の場合は,1年から2年次に進学する段階で行われると。1年早いというか,差があるように見えるわけですが,その理由について,どちらでもよろしいんですけれども,両方の先生,委員からお話しいただきたいのと。
 それから,中央で行われている2年次のコース選択後の実定法基礎演習については,憲法,民法,刑法の三法の基礎力を向上させるという記載がございます。具体的にどういう内容なのか,選択をした上でこれをするということとの関係で,どういう意味を持っているのか,お話しいただきたいと思います。

【井上座長】
 では,樫見委員からお願いできますか。

【樫見委員】
 それでは,私の金沢の方からお話しさせていただきます。
 当然,一,二年生はいわゆる教養科目の修得というのが中心でございます。ただ,実際のところ,コースには所属はしないのですが,法学類では1年から法律の専門科目は置いております。ちょっとカリキュラムの改革がございましたので,若干,私の誤解もあるかもしれませんけれども,2年の前期辺りに,既に憲法ですとか民法を少し置いております。ただ,当然,法学類の学生ですと,履修は,自分のコースによって必修科目と選択の別,ございますので,取るかどうかはともかくとして,科目配置自体は実は教養教育とくさび型といいますか,少し下位の学年には置いております。
 なので,コース選択そのものはある程度法律を学んで,そして,そろそろ自分の志望を固めて,就職の点もございますので,3年ぐらい,実際の選択は2年の後期,12月ぐらいだったと思いますけれども,その頃ということになっています。

【中島委員】
 まず,1点目の御質問ですけれども,実はコース制を採用するに当たって,1年次の学生募集の,要するに,入学試験の段階から分けた方がいいのではないかという意見と,それから,やはり日本人の大半の学生は,キャリアについても,それから,法学というものについても非常に漠然としたイメージしか持っていないであろうから,まずはその1年生できちんと学習をした上で,2年次でその選択というのがいいのではないかというようなことで,結局,後者の判断をいたしました。
 他方,3年次という選択肢はもう当初から検討から除外をされておりまして,これは法曹志望者に限らず,これもなかなか悩ましい問題ですけれども,文系の学部の場合,実質的な学部での学びというのは大体3年で終わって,4年生は就職活動等にいそしむという実態などもございますし,ロースクールの進学というようなことを考えましても,やはり2年次というタイミングが一番適切なのではないかと。
 ただ,先ほど申しましたように,2年次の1年間履修を続けた後に,自分の適性ですとか興味関心を踏まえて転コースを認めてございまして,実際,やはり法曹コースを選んだ学生が,3年に進級をする段階で公務員に志望を変えて,公共法務コースに転コースするという学生が一定程度生じているというようなことでございます。
 それから,2点目の実定法基礎演習でございますけれども,まず,三法に限定をしておりますのは,これ,実は2年次に開設をされている科目でございますので,1年次に,憲法,民法,刑法のこの三法についての基礎的な知識を得ている。それ以外の法について,まだ知識が未修得でございますので,三法に限った方がいいだろということと。
 それから,実は,こちらが想定をしている,履修してほしい学生は,法曹志望者のみならず,公務員志望者,そして,民間企業への就職,とりわけ,法律の知識を生かすということを意識した学生を想定しております。
 また,もう一つ,この演習の狙いといたしましては,いわゆる試験対策であるとか,暗記に偏った学修ではなくて,例えば司法試験の合格の先に待っていることということを想定して,基本書であるとか,判例であるとか,学生からすると,回避しがちな教材を基に,きちんと法学の基礎を固めると,そういった狙いで設定をしてございます。
 御質問にきちんと答えているかどうか,ちょっと不安が残りますけれども,以上でございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 私から中島委員に1点お伺いしたいのですけれども,法職というものと大学との関係ですが,法職というのは学生の任意団体で,大学の施設を使っているということなのか,それとも,それ以上に密な関係の存在なのかということと,その法職に属する学生は,大学に対する授業料以外に,ここにも何か納めているのかということ,もう一つは,法職と法科大学院の学生との関係はどうなっているのかという,この3点につき,お教え願えますか。

【中島委員】
 まず,法職講座と申しますのは,これは大学,学部とは独立をしておりまして,法職講座運営委員会という委員会を立ち上げまして設置をしておりますとけれども,任意の組織ではなくて,大学として対応しているということで,運営も,それから,施設の利用も大学の中のものを利用しているということです。
 それとは別に,第二次世界大戦前からある自主的な受験団体が別途ございまして,創立80年を超えるような団体も複数あるということでございます。
 それから,2点目,費用ですけれども,法職講座は費用を徴収しておりますけれども,これは外の予備校などと比べますと非常に低廉なものになってございまして,これが郊外に立地をしておる中央大学としては,その辺りでサポートをしていこうということで,経済的な負担は非常に低いものに抑えられております。
 それから,ロースクールとの関係でございますけれども,ロースクールの修了者,それから,ロースクールを経て実務家になった方々が,講義ですとか,ゼミの中で,指導者,教員として働いてくださっております。今後といたしましては,とりわけ中央大学のロースクールを経由した実務家法曹,あるいは,その学生さんが,現役の学生さんが指導に当たっていただけるような体制を強化していきたいというようなことを現在考えてございます。
 以上でございます。

【井上座長】
 どうぞ,清原委員。

【清原委員】
 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。
 お二人に少し御質問させていただきます。樫見委員にまず伺います。北陸3県の弁護士の平均増加率が全国平均を超えていらっしゃるということと,厳しい環境の中でも,これからも北陸における法曹養成の拠点の確保と維持をという思いで御発表いただきました。
 それで,伺いたいんですけれども,金沢大学の法学部と,そして,金沢大学の法科大学院との関係につきまして,いろいろ試行錯誤で取り組んでいらっしゃるということは分かったのですが,それ以外のお取組として,特に北陸3県の他大学で法学部を持っていらっしゃるところと,この金沢大学の法科大学院さんとで連携を模索されたり,あるいは,情報共有したり,具体的な入試等で検討されたような経過がおありかどうか。
 すなわち,一つの大学の法学部と法科大学院の連携に加えて,さらに,北陸という地域性の中で,ほかの法科大学院を持たない大学の法学部との関係についての御検討の有無等について教えていただければと思います。
 それから,中島委員にも伺います。今回この法学部と,そして,法科大学院の連携についてが,まさに重要なテーマになったということは極めて重要だと思っています。そんな中,資料の13ページでは,もう2006年度卒業生から,早期卒業制度を実現されて,当時,9名の早期卒業生のうち,8名がロースクールに進学されたという,既に大きな御実績をお持ちになっていながら,その後は,少数になられたという御報告を頂きました。
 せっかくこのような早期卒業制度という,いわば,今,法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムにおいても重要なメニューとなっているものを実践されてこられましたが,それが減少傾向にある要因について分析されていれば,教えていただければと思います。
 それから,もう一点。14ページに,総合学園としての取組として,大学のみならず,附属高等学校・中学校との連携も書いていただきました。実際に,私の周りでも,中央大学の法学部に入学したいので,まず,中学・高校から中央大学の附属を目指すというお子さんがいらっしゃるということも事実でございまして,そうした場合に,附属の高等学校や中学校との連携も,これは高大接続の取組の中の一つの分野かなと思ってお聞きしておりました。
 何か具体的に,ほかに附属の高校をお持ちの私立等もおありだと思いますので,何か取組の中で,今後の検討のヒントになるようなものについて,補足をしていただければ有り難いです。
 以上です。よろしくお願いいたします。

【井上座長】
 1点目は,樫見委員からお答えいただけますか。

【樫見委員】
 結論から申しますと,連携の事実はございません。それは,まず,北陸3県におけます大学の配置は,福井大学,それから,富山大学なんですが,福井大学には法学系の大学院,学部はございません。それから,富山大学の場合には,富山大学経済学部経営法学科というのがございます。なので,学科であったということと,それから,設置当初は実は経営法学科の教員の方が本学に少しおいでになるということはございましたけれども,それ以降,実際に連携をしたという事実はございません。
 法学部と申しますと,直近は新潟大学の法学部ということになります。ただ,当初,新潟大学も法科大学院を設置しておりましたので,なかなか連携ということはできませんでした。
 以上でございます。

【井上座長】
 では,中島委員。

【中島委員】
 まず,早期卒業の件でございます。先ほど申し上げましたように,第1期生は9名,うち8名がロースクールに進学をしておりました。個別のことを除いて,若干抽象化して傾向性ということで申し上げますと,当初は,当時,ロースクール修了後,5年で3回という受験回数の制限もございまして,そうであるならば,学部は3年で卒業して,未修者コースに入り,その3年間でその法曹ということと司法試験を意識した勉学を早く始めたいと。それが自分自身にとっても将来を切り開いていくことになるのではないかということで,恐らく多かったんだろうと思います。
 それが,様々,5年で3回というところがなくなったりですとか,もう一つは,予備試験が本格始動して,実はその予備試験・司法試験というそのルートの方が,個別のその学生にとっても非常に意味のある選択肢になったということがあるのではないかというふうに,これは推測をいたしております。
 特に優秀層,上位層などというふうに内部では呼んでおりますけれども,こういった学生であればあるほど,まずは直近の勉学のモチベーションを高めていく目標として,実は予備試験・司法試験というものが捉えられているということと。
 それから,これはむしろここでもしかしたら調査されているのかもしれませんけれども,ある種,その優秀層,上位層からいたしますと,この予備試験・司法試験ルートが将来の就職において非常に有利であるということが,先ほどの講座の受講生ですとか研究室の在籍者の中で共有されて,他方で,未修者コースの司法試験の合格率等々の結果が芳しくないというような情報に接した学生の,これは括弧付きですけれども,ある種「合理的」な選択として,早期卒業,ロースクールではなくて,まずはその予備試験・司法試験でチャレンジしてみようと。それが駄目だったときに,次というような選択を引き起こしているのではないかなというふうに推測をしております。
 推測でしかありません。いかんせん,そういう選択をしなかった学生の証明がなかなかできませんので,これは推測です。
 それから,2点目のその総合学園ということですけれども,大変有り難いことに,実は,中央大学,法学部に関しましては,附属のみならず,一般の高校からも模擬講義の依頼を多数寄せていただきまして,学部の教員のみならず,ロースクールの先生方も,許す限り,先方に赴いて,法学部における学びですとか,あるいは,キャリアというようなことについて,なるべく早い段階から情報提供しております。
 委員御指摘のように,これ,高大接続の取組の一つでございまして,今は少し試験的にパイロット的に始めましたのは,『高校生からの法学入門』というテキストを出版をいたしまして,これを附属高校の課題図書の1冊に加えてもらいまして,ついこの間,春休みになりますけれども,法学部ですね,法律学科だけではなくて,法学部に内部進学をする生徒さん対象に,このテキストを使った講義と,それから,希望者から選抜をいたしまして,ゼミをちょっと試験的にやってございます。
 また,これ,フィードバックをしなければいけないというふうに考えておりますが,他方で,実は附属高校との関係で若干悩ましいことを率直に申し上げますと,附属入学を選択するというのは,大学受験を回避するという保守的な選択をしているということにもなってございます。
 やはりロースクールないし司法試験に合格して法曹になるということは,ある種リスクを取りに行くというチャレンジ精神がないと,なかなかできないので,附属の生徒のこの保守的な選択とそのチャレンジさせるというところの動機付けをどうしていくか。これはキャリアデザインもそうなんですけれども,とりわけライフデザイン,ライフコースとして,実はそこでチャレンジをしておくと,あなたのその保守的な専攻選択にとってプラスになるよというような情報提供をなるべく早いうちからしなければいけないのではないかというような検討を今しております。
 以上でございます。

【井上座長】
  本日お二人から御報告いただいたので,そこに質問が集中するのは当然なのですけれども,これから後は,ほかの点でも結構ですので,今後議論すべき論点というところにまで踏み込んで自由に御意見を頂ければと思います。どうぞ。

【清原委員】
 今の中島委員のお話にもありましたように,法学部と,そして,法科大学院及び高校,高大接続まで視野に入れたときに,キャリアデザインというか,キャリアの類型というのが多様であるということを,推測ですが,御説明いただきました。
 そんな多様なキャリアパスといいますか,キャリアコースといいましょうか,そうしたものも視野に入れた御検討がこれから有益かなと思って,今のお答えを聞いておりました。よろしくお願いいたします。

【井上座長】
 どうぞ,大貫委員。

【大貫委員】
 
 ほかの論点でも構わないという座長のお話ですけど,お二人の先生に1点だけ確認しておきたいことがあります。この論点整理にも法学未修者コース入学者に対する教育の在り方についてというのがございます。その中に,純粋未修者を法学部に学士編入学をしていただいて学んでいただくという構想があるかと思います。その観点からお伺いしたいと思います。
 何年次から編入できるのだろうかというのをお聞きしたいんですね。中島委員のプレゼンによる教育の仕組みですと,2年次から編入しないと勉強は極めて難しいのかなという気がいたしました。樫見委員の方に申し上げると,このプレゼンのペーパーの4ページ目の一番下の教育内容のところに,「総合法学演習」で未修者(3年)コースの初年次に学ぶ内容をしっかりと身に付けさせるとあります。これは大変重要な科目だろうと思います。この科目が何年から配置されているのかということも含めて,学士編入学をしたときに,一体どこから入るということになるのかというのをちょっとお聞きしたいと思います。
 二度手を挙げるのは時間の無駄ですから,もう一つ言わせてください。この論点ペーパーで,これ,大変よくまとめていただいているのですけれども,1点,いわゆるギャップタームの解消という問題を是非論点として取り上げていただけないだろうかと思っています。いわゆる時間的負担の軽減というのが一つの論点になると思うんですけれども,現在はやっぱり,御承知のように,修了してから司法試験を受けて,研修所に入るのはまたその後になりますから,相当ないわゆる時間的なロスが生じていると思うんですが,もし,法科大学院在学中に試験を受けさせるということになると,大分短縮は図られるだろうと思います。これをどう考えていくのかということを是非ともお考えいただきたいと思います。
 もちろん,そうしますと,法科大学院のカリキュラムの改定が必要になるということが1点。それから,前回の委員会の最後に井上座長が強調されたことですけれども,司法試験の問題のあり方というのもどうしても出てくるだろうということは気を付けなきゃならないと思います。まとめますと,ギャップタームの問題も是非とも検討の俎上に載せていただきたいとというは意見でございます。
 以上です。

【井上座長】
 最後の点だけちょっとコメントさせていただきますと,どちらかというと,それは司法試験の実施時期の問題だと思いますが,法科大学院の教育のカリキュラムの組み方とか全体の年次編成とかに当然大きく影響します。大本の司法試験の実施時期について見直すという前提が必ずしもないのに,本委員会でどのような議論をするのか,難しいところですけれども,現実問題として,今一つの大きな課題とされている,法曹となる期間を全体として短くするとか,あるいは,その点での法曹志望者の要望に応えるという意味では,その点も当然視野に入れる必要のある論点ですので,どういうふうに組み入れるのか,検討させていただきたいと思います。
 最初の2点につきましては,中島委員の方から。

【中島委員】
 ちょっと記憶が曖昧で,そのぐらい事実認識がないという感じなんだと思いますけれども,編入は2年と3年と両方あったかと思いますが,確認をいたしまして,訂正,修正含みでということで,大貫委員御指摘のとおり,コース選択に間に合わないというようなことは当然意識しなければならないのだろうと思いますけれども,実態として非常に編入学者が少ないので,意識しないでもここまで来られたというのが事実だろうと思います。
 以上です。

【大貫委員】
 制度的な問題というよりは,要するに,純粋未修者が法学部に来て法学教育を受けて,それなりの知識を得るということを考えたときに,2年編入で済むのか,3年編入で済むのか,あるいは,1年から入らなきゃいけないのかという,そういういわゆる実質の問題です。

【中島委員】
 実質の問題で言いますと,間に合うのだろうと思います。未修者のその話との関連で言いますと,法学部の学部の入学試験を受けて,3年,4年で合格をする学生も他方でいるわけですから,3年で足りないのかということになると,そこはちょっとやっぱり個別の問題になってくる部分もあろうかと思います。

【井上座長】
 では,樫見委員,どうぞ。

【樫見委員】
 法学類では実は3年次編入の制度はございます。たしか定員は10名ぐらいで,志願倍率は3倍弱だったかと思います。それなりに志望者がございます。ですから,コース編成,ただ,コース編成をする時期にはまだ3年次編入者は志望を出すことができませんので,彼らについては,入ってから例外的に,どこのコースへ行ってもいいですよというような形で措置をしております。
 ただ,実は,この3年次編入の年限,中央大学は2年でコース編入とおっしゃっていたんですけれども,編入そのものは恐らく2年の方がいいだろうなと。と申しますのは,この編入学の学生について追跡調査はきちんとしていないのですが,入って3年と4年で法学の専門をいきなりと,在学生は1年の段階から五月雨的には,くさび形教育で法学教育は少し入っております。入門編もございますし。それをすっ飛ばして,いきなり専門のところに編入学で入れるというのはかなり厳しい状況があります。
 ですから,編入学の年次が3年でいいのかという点については,私個人としては,少し疑問があるということと,それから,当然のことながら,法学の専門教育,2年間で修められないので,学業困難という事態も,人数的にはきちっとは把握しておりませんが,かなり学生には厳しいであろうという点がございます。
 それから,これはちょっと課外ですけれども,法科大学院の学生で未修者に入った学生に対して,せっかく授業料を払っているんだから,分からないのであれば,法学類の授業の単位は取れないので,自由聴講しなさいというふうに言っていましても,ただ,カリキュラムの関係で,聞きたい授業が聞けるとは限らないということがございます。
 なので,いずれも問題が多いというふうに把握しております。

【井上座長】
 それでは笠井委員。

【笠井委員】
 適切な意見の開陳というよりも,手短に是非やりたいというふうに思っておりますので,お願いいたします。
 先ほど来,大月室長の方から,前回の委員会での委員の主な意見と,それから,論点の整理が行われましたけれども,私は意見,これから検討していただきたい問題としては,やはり未修者の受入れの問題と,それから,その前提となる定義の問題について,検討していただきたいというふうに思います。
 前回の委員会の御意見を主観的にまとめますと,現在のロースクールの制度の現状からするならば,制度の根幹に踏み込んだ,例えば場合によっては,これまでの未修者を中心とした教育システムを,既修者をメーンストリームにした制度に改め,転換せざるを得ないのではないかというようなことについても踏み込んで議論して,かつ,全体の委員の認識の共通化を図るという必要があるのではないかというふうに思います。
 言うまでもなく,未修者の司法試験合格率が低迷し,法曹,法科大学院制度の原則形である未修者の3年教育ということによっては,きちんとした多数の法曹を輩出することがなかなか難しいのだということが共通の認識になってきております。
 これに輪を掛けて,大月室長の御紹介にもありましたとおり,実は既修者でありながら,未修者枠の7割程度が法科大学院に「未修者として」入学しており,これが,いわゆる「隠れ既修」,「仮面未修」の問題であります。法学部出身者でありながら,ロースクールの短縮2年の既修コースに入学しない,あるいは,できないという問題です。統計上はやや微妙なところがあるとは思いますが。
 一方,特に当初言われていたことですが,純粋未修者の中には伸び代の非常に大きい優秀な方々がおり,法科大学院を中核的機関とする新たな法曹養成制度によって,その方々が法曹界に参入してくるということの成果あるいは効果が極めて大きいものであったと確信しております。真に必要かつ不可欠なことだと思っているわけですが,これを踏まえて,今後の審議で大いに議論していただきたいことは,一つは,法科大学院教育の課程に法学未修者を今後受け入れていくものとして,法学未修者の定義を,大学時代に法学,法律学を学んでいない,いわゆる純粋未修者,あるいは,法学部を卒業した後,現在,目安とされている3年程度ではなく,5年程度が経過した社会人を想定することが適当ではないかというのが1点。
 それから,2点目として,大学院の設置基準に関する大臣告示でありますけれども,教育実績の高い法科大学院に法学未修者の受入れをむしろさせる,してもらうということが必要であるために,全ロースクールについて,大臣告示の法学部以外の出身者や社会人を3割以上受け入れるという設置基準となっているわけですけれども,受入れを拘束する告示の数字等の見直しが必要なのではないかという点について,審議賜りたいと思っております。
 以上です。

【井上座長】
 承りました。
 どうぞ,木村委員。

【木村委員】
 今の笠井委員のおっしゃる既修を中心にせざるを得ないのではないかというのは私も本当に実感としてそう思っていまして,やっぱり未修者,初期の頃は非常にいい人材が集まって,すばらしい教育ができたなというふうに思っているんですけれども,なかなか現状はそううまくいっていないということは言わざるを得ないんじゃないかというふうに思います。
 それと,未修者について,学部の教育に一部お願いするというような議論が大分出ていると思うんですけれども,余り安易に学部にお願いするということになると,学部教育への影響というのはたいへん大きくて,法曹になるための学部教育と一般の学部教育とちょっと違うんじゃないかなという気はいたします。
 それで,中央大学のお話,非常に興味深く伺ったんですけれども,大規模大学でいろいろなコースを持てるというようなところであればまだいいのかもしれないんですけれども,私自身も非常に小規模な大学に属しているものですから,そんなにいろいろなバリエーションというのは難しいだろうというようにも思います。なので,学部にもし任せるのであっても,学部教育への影響というのは十分配慮する必要があるんじゃないかなというふうに思います。
 以上です。

【井上座長】
 ほかに御意見等ございましたら。どうぞ,日吉委員。

【日吉委員】
 今期の中教審においての最大のテーマである法学部と法科大学院の連携についてどう考えるかと,あるいは,どういう形の連携なのかと。密度,強さ,一体化なのか,それとも,緩やかな連携なのかといういろんなバリエーションが考えられるという中で,やはりそれをどのように考えるかのキーワードは,やはり未修者の教育,あるいは,多様性の確保をどのレベルでどういう形で維持,確保,発展させていくのが一番いいのかということと全く離しては考えられないと思います。
 その意味で,私は,私自身の考え方としては,やはり法科大学院の段階に入る人たちは,皆,今でいう既修者と言われるレベルの教育を修了しているというふうに整理をして,そして,法科大学院の教育を組み立て直すというか,きちっとしたものに更に改善していくというのがベストではないかというふうに個人的には今考えておりますけれども,もちろんここでの議論も通じて,いろいろ更に検討を進める必要があると思っています。
 その関係で,今度は翻って,仮にプロセスとしての教育を,法科大学院だけ単体で考えるんではなくて,法学部,法科大学院全体で考える。なおかつ,多様性の確保も,法科大学院単体で考えるんではなくて,法学部レベルで考えていくということになりますと,先ほど大貫委員からもあったように,法曹養成コースのようなもののスタート地点,入り口をその法学部のどこかに設けなければならない。
 そこに未修者も入っていただく。私のような完全未修者ということになりますけれども,が入って勉強をしなければいけない。他方,下から上がってくるいわゆる今でいう既修者の学生さんは1年から普通の大学生生活を送っていて,どこかの段階から,その法曹養成コースというところを選択して入る,勉強を始める。
 その両方の便宜,それから,置かれている状況,それを考えたときに,どのようなコース設計をするのが一番いいのかというところを今後考える必要があると私自身は考えています。
 その関係で,ここまでは意見です。
 ここから中島委員に御質問があります。先ほどのプレゼンテーション,大変私も興味深く拝聴いたしたんですけれども,2年次から驚くほど,ある種,法科大学院を先取りするようながっつりとした法律の勉強ができるコースがたくさん設定されているということを知って驚いたわけなんですけれども,逆に,4年生の大学の普通の学生さんの学部教育という観点から見ますと,法曹養成コースに一旦入ってしまって,こういうがっつりとした法律の勉強をすると,非常に言葉は悪いんですけれども,法律しか勉強していないような人間が育成されてしまうのではないかというような懸念が全くないわけではないです。
 そこで,現在の中央大学で法曹養成コースを専攻されている学生さんが実際どういうカリキュラム,例えば教養科目と法律科目とのパーセンテージの問題だとか,ほかのいわゆるリベラルアーツと言われるような科目をどのくらいきちんと勉強して法曹養成コースに入ることができているのか,ほかの学部の,ほかのコースの,あるいは,ほかの学部の文化系の学部の学生さんと比べてどうなのか,ちょっと御教示ください。

【井上座長】
 最後の点は,中島委員から。

【中島委員】
 今回,時間の制約もありましたので,ロースクール進学,法曹ということにターゲットを絞って御説明申し上げましたが,実は,2004年度にロースクールが発足をするときに,学部として,どういった法学部としての学部教育を担っていくかというときに,実はいわゆる教養系のリベラルアーツ系の科目を非常に充実をさせ,かつ,4年間にわたって履修できるような科目配置をいたしました。先ほど,金沢大学の方でいいますと,2004年以前のカリキュラムでは,1,2年教養で3,4年専門というようなことだったんですけれども,今,1年生から4年生の間まで,ずっといわゆる教養系,リベラルアーツ系の科目を同時に履修できるようなカリキュラムになっております。
 ただ,実際の学生の科目選択やその履修行動がどうなっているのかということは,先ほど申し上げました2017年度,この4月からが実は完成年度になりますので,そこでちょっとデータ収集をして,どんな感じになっているのかということを確認していきたいというふうに思っております。委員の問題意識は私も共有をいたします。

【井上座長】
 どうぞ,岩村委員。

【岩村委員】
 きょうはいろいろお話を伺いまして,大変勉強になりました。
 私の方から2点だけ述べさせていただきたいと思います。なるべく短くしたいと思います。
 まず,第1は,きょうの論点の案についてであります。まず,個別の論点のところの総論で,法科大学院と学部との連携強化についてというところです。私どもの大学の場合は,当初ロースクールを作る段階から,公共政策もそうですが,高度の研究に裏打ちをされた教育をするんだという考えに立って,法科大学院は独立研究科にはなっておらず,法学部と,もともとある意味一体的な関係の下で運営をしてきております。教員の中には,法科大学院を担当しつつ,ローテーションで法学部の授業も担当する方がいますし,科目によっては,大変お忙しいんですけれども,法学部の授業もやり,ロースクールの授業もやっている方もいます。
 また,最近になりまして少し規制が緩んだものですから,特に外国語を読む演習などについては,学部とロースクールと,それから,研究者養成の大学院を全部合併で行うということが可能になりました。これは私の経験からすると,学部生にとっても,ロースクールの学生とこの演習の場で触れ合うことが可能になり,かつまた,研究者志望の大学院生ともこの演習の席で触れ合うという,いい効果があるのではないかなというように思っています。
 それ以上に,学部等の間の,特に法科大学院との連携というのを強めようとすると,これは制度の方をいじっていただかない限りは難しいところかなというふうには思います。
 それから,もう一点は,きょうの論点の案の最後で,「その他」という形で入っていますが,予備試験との関係であります。これは試験制度の問題なので,なかなかこの委員会で正面から議論するのは難しいと思います。けれども,参考資料1で,昨年11月30日に行ったヒアリングの資料も付けていただいておりますが,その中で,私の方からもプレゼンさせていただきましたけれども,現在,予備試験というのが,学部だけではなく,法科大学院の授業においても非常に大きな影響を及ぼしております。
 例えば今年,この3月に,法科大学院の修了生157名を送り出しましたが,これらの学生のほとんどが入学したときの人数は220名ほどでした。その差は何から生じているかというと,もちろん,経済上の理由であるとか,病気であるとかというようなことで休学しているために卒業できなかったという方もいらっしゃることにもよるのですが,それは少数で,もっぱら,予備試験に合格して,実際上は休学をしている,あるいは,司法試験に合格してもう退学してしまったことから生じています。
 そういうことで, 東大の場合,非常に懸念しているのは,法科大学院の教育が空洞化してきているのではないかということであります。
 他方で,学部の卒業式もやりまして,そこで成績優秀者の表彰というのをやっていて,その後,成績優秀者と懇談をしたのですが,その中に,司法試験にもう合格しているという学生がいました。
 この現象は,司法改革を始めてロースクールを作ったときの考え方からすると,私は非常に問題だと思っています。つまり,そういう優秀な学生こそ,まさに実はロースクールに来ていただいて,そして,ロースクールで提供している様々な,基本科目だけではない,様々な応用系の科目であるとか先端系の科目,場合によっては,学際的な科目,外国語でやる授業といったものを履修してもらって,将来活躍してもらうということこそが実は望ましかったはずですが,現状はそれとは随分大きくずれてしまっています。
 このことを是非,これはまさに学部,あるいは,法科大学院教育の問題だというようにも思いますので,是非御議論を頂ければというように思います。

【笠井委員】
 先ほど,法科大学院教育のこれからとして,既修者を主体,中心とする以外ないのではないかということと,それから,未修者については,設置既修の告示,全ロースクールが未修者を3割程度受け入れるという告示を再検討した方がいいのではないかというふうに申し上げましたけれども,これは決して未修者を排除するという方向につながるものではなくて,優秀な未修者,とりわけ純粋未修者の場合に,これを教育するロースクール,いわば教育能力のあるロースクールを拠点化して,そこに力を注ぐという必要があるのではないかと。
 あるいは,そうでなければ,ロースクールに進む前の段階で,日吉委員がおっしゃったように,学部段階で編入学等の措置を取りつつ,ロースクールに入る者は全て既修レベルに達しているというようなやり方が必要なのではないかという提案を含むものですので,よろしくお願いします。

【井上座長】
 どうぞ,潮見委員。

【潮見委員】
 時間がないところで恐縮です。
 私が言いたいことは,昨年のヒアリングで言わせていただきましたので,2点だけ申し上げます。
 1つは,先ほどの岩村委員の話につながることですけれども,現状を打破するためにはどうしたらいいのか,その方策を本当に考えていかなければいけないと思います。
 その関連では,我が方も,東京大学ほどではありませんけれども,結構,予備試験等で影響を受けている大学ですが,今年は,3年次での飛び入学の制度に法学部の成績優秀層がたくさん志願をしてくれまして,成績上位者という者がロースクールの方に進学してくれることになりました。もちろん,ロースクールを進学した後,中退するかどうかは分かりませんけれども,法科大学院での教育というものに触れる機会というものを得ることができるようになったというのは,3年次の飛び入学という仕組みのいいところではないかと思います。
 是非この辺りは集中的に検討して,提言をしていただきたいと思います。
 それから,もう一点は,私自身はこの間,6年前は法科大学院,それから,この2年間は法学部,法学研究科を預かってきた人間ですけれども,この間の議論もいろいろ見させていただきましたが,1点だけお願いがございます。
 それは何かと申し上げますと,法科大学院の教育と学部教育の連携といった場合に,どちらの視点から見るかによって,全然見方が違ってくる,あるいは,衝突するという可能性が非常に強いということです。
 法科大学院の方から見ますと,今まで2年あるいは3年の間で完結的に行われてきた法曹養成教育というもののその線を学部まで伸ばしていって,そして,その中で有意義に,かつ,効率的に短い,結果的に短い時間で法曹を養成していくという意味で,法科大学院教育と学部教育の連携を考え,かつ,その中での役割分担というものを考え,その際に,その法学部において望まれる教育は何かというものを志向していくというふうな,そういう考え方になろうかと思います。
 他方,先ほどの木村委員のお話も少し関わってくるんですけれども,学部の側から見ますと,法曹というのは進路の一つです。それ以外にも進路がございます。そのような中で,どこまで法曹としての素養を磨くための教育をそこで行っていくのか。例えば,私は民法を研究している人間ですけれども,どのような視点で民法を教えていくのか。先ほどの木村委員の言葉を借りれば,一般の学部教育としての民法の教え方と,それから,法曹になるための民法の教え方というものは同じなのか,違うのかとか,この辺りのところをしっかりと議論していただきたいところです。
 その上で,ロースクールとファカルティの間の役割分担というものを考えていかなければいけないのではないでしょうか。もちろん,それに加えて,技術的に,卒業に必要な単位がどうだとか,あるいは,それ以外の規定の見直しというものはあろうかと思いますけれども,根幹の部分において,考えていかなきゃいけないところは多いと思うところです。
 この前のヒアリングのときには,この点は言えなかったので,きょう改めて申し上げさせていただきました。
 どうもありがとうございました。

【井上座長】
 今の点は,まさに今回,法学部で教育をされ,あるいはその運営に携わっておられる方々にも委員として加わっていただいているのは,ロースクールの立場からの見方だけで議論が先走ってしまわないよう,法学部の方から見た場合どうだろうか,どこに問題があるのかという角度からのご意見も出していただき,その上で両者の間でどのようにして調整を取ればよいのかを考える,そういう趣旨が込められているのだろうと,私は理解しております。
 あと,お一人かお二人,御発言があれば,少し時間が延びますけれど,どうぞ。

【鎌田委員】
 たくさん言いたいことはあるんですけど,一言ということで。
 現在の司法試験とか予備試験とか,あるいは,法科大学院の学生の状況というのを見れば,これはもう法学部,法科大学院ともに崩壊の危機に瀕していると言わざるを得ませんので,こういう一体的な改革という視点は絶対必要だと思いますので,この第9期の課題としてこれを取り上げていただいたことは大変結構なんですけれども,全体として,今の司法試験に通る人をどうやって効率的に育てるかという視点だけが先行していることのには危機感を持っていますので,一つだけお願いをすると,この論点案の審議に当たっての基本認識の丸が四つ並んでいる4番目を一番上に上げてもらいたいと思います。4番目が一番上で,その下には3番目か1番目が来て,2番目が一番やりたいことかと思いますけど,これは最後の手段の問題じゃないかと思うので,最後に回して下さい。これは気分だけの問題ではありますけれども,全体の目標としては本来のロースクール的要素をまだ全否定はしてないという姿勢は出した方がいいんじゃないかと思います。

【井上座長】
 では,丸島委員。

【丸島委員】
 今回から参加させていただきましたので,従来の委員会の議論を必ずしも十分に理解してないところがあるかと思いますが,法科大学院と法学部の連携強化という議論については,その前提として,そもそも,法曹養成のための専門教育の場を設けるにあたり,法科大学院というものを法学部から切り出して,そこに委ねようとした趣旨がどこにあったのか,その基本的な考え方を損なうことのないような検討を進めることがまずは大切だと思います。
 当時議論されていたとおり,学部教育の場は,学生達が,専門的な学問に触れながら,自らをあるいは社会を見つめつつ,いかに生きるべきかを真剣に考えた上で法曹を目指すという,一つの使命感や覚悟を持って法科大学院の専門的な学びの場に臨むということでありました。そしてまた,法科大学院における教育は,新しい教育手法を様々に用い,高い教育力をそこに集中しようとするものでありました。
 また,社会の要請という面からは,いわゆる法学系の人材だけではなく,人文科学,自然科学,その他社会人を含む様々な分野の方々が法曹になって活躍し,社会の幅広いニーズに応える新しい法曹像を作っていくと,こういう議論から始まったのだと思います。
 今,法学部との連携強化という問題は,恐らくは現実にそういう必要に迫られているということでこの議論がされているのだろうと思いますし,そこに一定の合理性もあるのだろうと思うのですが,他方で,鎌田委員がおっしゃったこととも重なりますが,その目的は何なのか,というところはよく考えなければならないだろうと思います。
 これは,学部教育と法科大学院教育との連携を図り,司法試験の合格率を高めたいということが一つあるのでしょうし,また,法曹養成過程全体の期間短縮ということもあるのでしょう。しかし,いずれも,司法試験の合格という観点からすると,法科大学院の学修内容と司法試験との連携をどう図るのか,今の司法試験のあり方をどのように考え,どのように必要な見直しをするのかという問題をやはりきちんと押さえないと,この議論はうまく進まないのではないかと思います。
 また,もう一つは,学部教育の段階に専門的な法律学の学習が現在よりもより多く前倒しする恰好で入ってくることになるのかどうか,そして他方では,先ほど申し上げたように,法曹として生きる覚悟や使命感の醸成という観点からの様々な学び,それは,フィールドワークであるとか,幅広い分野の学問的基礎とか関心とか,そのようなものも育成するような教育過程をどのようにして確保していくのかということもまた重要な課題となるだろうと思います。
 そういう意味で,法科大学院での教育内容をただ前倒しするということではない,法科大学院と連携する法学部の教育をどのようなものとして考えるのかということについて,やはりきちんと議論していただく必要があるのではないかと思います。
 先ほど,金沢大学と中央大学のお話がありましたが,最近,弁護士会から金沢大学を訪問させていただく機会があり,それぞれの地方で本当に大変な努力をされて法科大学院を維持し発展させ地域に根を張る法曹人材を育てておられる,その取り組みや工夫などのお話を伺いました。教育内容の工夫の点でもそうですし,また,資金の確保や学生への経済的支援の面でも非常な努力をされ成果もあげてきておられます。
 このように各地の地域で法曹養成教育の営みを続けておられることは,法曹の多様性,多様な人材を確保し社会のニーズに応えるという観点から極めて重要でありますが,学部と法科大学院の連携強化,一貫教育という流れが,このような大学の努力を難しくするようなことになっては決していけません。こうした地方の法科大学院や法学部をどのようにしてしっかりと確保していくかということは重要な論点であります。
 また,先ほど中央大学のお話もいただきましたが,中央大学の学生さんのお話を伺うと,学部の早い段階から本当にものすごく力を入れて法律の勉強をしておられると聞きます。他方で,大学入学後の早い段階から一生懸命法律の勉強していくことが,そのまま予備試験から司法試験に向かうという流れになりはしないのかという懸念も持たれます。
 法曹を志す方々の間では,時折ランク付け的な見方も見られ,予備試験に行くのが一番よくて・・・などというような極めて一面的な議論が起きたりするわけですが,学部連携などの議論が,誤って大学入学の早い段階から法律学ばかりを勉強するということを助長させるようなことになってはいけないと切に思います。そういう課題や論点を含めて,全体としてこの議論は,やはり新たな法曹養成制度の基本理念に立って進めていくことが必要だろうと考えますし,そのことをまたこの委員会の議論でも期待します。

【井上座長】
 予定した時刻を過ぎておりますので,そろそろお終いにしたいと思うのですが,是非これだけはきょう言っておきたいということがございましたら,御発言願います。どうぞ。

【杉山委員】
 今までこの会議で議論してきたのが,司法改革の当初設計と現実やってみたギャップを何とか改善していこうということで,最終的得た結論が,入学定員の削減と司法試験合格者の削減という,ここにいる皆さんが全員,断腸の思いでそれを決断されて実行されたというふうに理解しています。
 その断腸の思いをしたのは,次なるジャンプのための沈み込みとねじ巻きのための縮小。このままだと,縮小均衡で,我々の理想が果たせないということで,今回いろいろ施策を出していただく我々が議論させていただく中で,やっぱりできる限りはやく,次のジャンプのあるべき姿をお示しいただかないと,せっかくの施策が一体有機的に機能しないと懸念します。
 私は,企業法務という皆さんと違う畑からここに出させていただいていますが,当初のところで,大きく合格者のキャパを広げました。企業法務は皆さんの期待ほど弁護士を採用できていないかもしれませんが,それでもかなり採用の枠が広がってしまいました。
 現状の縮小のまま,あと2,3年すると,今度は,採用ニーズが勝り奪い合いが起こる危機感を持っています。はやく,合格枠を増加に転ずるためのジャンプのあるべき理想像,目的みたいなものを是非少しお示しいただきたいということを申し上げたいです。

【井上座長】
 ありがとうございます。
 そろそろ,よろしいですか。それでは,この点については,今後引き続き議論したいと思いますので,事務局の方で,今日みなさんからいただいた御意見を盛り込み,論点案をさらに整理してもらうことにしたいと思います。
 最後に,ICTの活用について御報告があるということですが,これも手短にお願いできればと思います。

【真保専門教育課専門官】
 資料8,法科大学院におけるICTを活用した教育の在り方に関する検討結果,1枚の概要紙を御覧ください。
 こちらにつきましては,法曹養成制度改革推進会議決定において,地理的,時間的制約がある地方在住者や社会人に対して,ICTを活用した教育,いわゆる遠隔授業をどう普及させていくのかというような課題が示されておりましたことから,文部科学省の方で調査研究協力者会議を昨年6月に組織させていただきまして,主に要件的な部分について検討を行ってきたというところでございます。
 「課題」にありますとおり,これまで幾つかの法科大学院において,遠隔授業の実例がありましたところ,関係法令や大学評価基準,こういったものへの適合性を気にする余り,普及が進んでいないのではないかという指摘がございました。調査研究会議の方で専門職大学院設置基準等の関係法令への適合性について,解釈の明確化がどこまでできるかというような検討をしていただいたということでございます。
 主に,下に二つございますが,一つは,「教育効果要件」への適合性というところでございます。「教育効果要件」というふうに書いてございますが,専門職大学院設置基準の第8条第2項におきまして,「十分な教育効果が得られる専攻分野に関して,当該効果が認められる授業」,こういったものについて,メディア授業の実施が可能というふうな規定がされております。
 こういったものを踏まえ,実例も考えながら,「教育効果要件」を充足するために配慮すべき要件というものを検討いただき,報告をさせていただいたというものでございます。
 内容については,授業時間内,授業時間外,学習支援全般と三つに分けてございますが,こちらに記載のとおりの内容をまとめさせていただいたということでございます。
 右側については,メディア告示への適合性というところでございます。「メディア告示とは」というふうにありますけれども,これは専門職大学院を含む大学教育全体を対象といたしまして,メディア授業を行うに当たって,授業を履修させることができる要件を規定した文部科学省の告示でございます。
 法科大学院については,いわゆるソクラテス・メソッドといったものが強く推奨されてきたというような事情もありますので,これを法科大学院に適用するに当たり,どういった要件が考えられるかということを検討していただいたものでございます。
 サテライト方式,モバイル方式,オンデマンド方式というものがございますが,特に一つ話をしておきたいのは,オンデマンド方式につきまして,メディア告示上は必ずしも規定するものではございませんが,法科大学院の授業に適用するといった観点で考えた場合に,授業時間外の学習ツールとしては推奨されるということでありますが,授業において本方式を用いて単位認定を行うことは望ましくないと。これは同時双方向性の観点から,こういうような報告をまとめていただいたというところでございます。
 その他といたしましては,最低限必要となるシステム環境ですとか,教職員の研修の必要性,認証評価との関係,地方大学の法学部や募集停止法科大学院の知的資産の有効活用,こういったことについても言及を頂いたということでございます。
 1点目の報告は以上です。
 もう一点だけ時間を頂ければというふうに思います。参考資料4でございますけれども,「法科大学院がひらく新しい法曹のカタチ」というパンフレットを御用意させていただいてございます。こちらのパンフレットでございますけれども,こちらは今年度の後期,文部科学省の方で企画をさせていただきまして,法科大学院を修了した法曹の方のインタビューなども含めて,法科大学院への広報啓発を行うために,パンフレットを作成したものでございます。
 インタビューをさせていただいた法曹の方についても,伝統的な法曹像だけではなくて,インハウスロイヤーですとか,あとは,法曹資格を得られて国家公務員として働かれている方,あとは,法曹資格を持たずに企業法務の世界で活躍をされている方,こういった方にもインタビューをさせていただいており,新しい法曹像というものをしっかりと広められるように企画をさせていただいたものでございます。
 こちらにつきましては,全国の法学系課程を有する大学の学部に対しまして,パンフレットを郵送させていただいておりますので,4月以降のガイダンスですとか,あとは,場合によっては,基礎ゼミなどにも御活用いただいて,法科大学院へのアプローチをする学生が増加するようなことが期待できればというふうに思っているところでございます。
 報告は以上でございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 それでは,ICTの点については,この報告書を踏まえて,事務局の方でさらに検討を深めてもらい,必要に応じて,今後この委員会でも議論させていただくということにしたいと思います。
 予定した時刻を10分以上超過してしまいましたけれども,これで終了させていただきます。
 次回の日程につきましては,事務局の方から追って御連絡を差し上げますので,よろしくお願いします。
 どうもありがとうございました。

お問合せ先

高等教育局専門教育課専門職大学院室

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)

-- 登録:平成30年03月 --