資料5-1 短期大学における各専門的職業能力育成の共通性について(モデル・コアカリキュラムの可能性について)

1.短期大学が強みとしてきた職業分野教育の質の共有について

(1)短期大学が特に競争力を有し・社会に多く輩出する分野(例えば、幼児教育、保育、看護、栄養学等)については、その職務内容や責務は、地域等の職場環境の違いがあっても、専門的職業人として備えるべき要件は共通している。

(2)短期大学間での教育内容の共有は、これまで、学会等による教員間の情報の共有であったり、それぞれの就職先からの要望に共通するものがあったり、汎用的な研究書や事例などから、それぞれの短期大学が伝統的に工夫しつつも、類似した形でプログラム化され学生への教育に提供されてきたのではなかろうか。

(3)一部の地域では、共通した専門分野について、短期大学間で連携し、共通の問題点等についてこれを共有し、それぞれの大学において教育内容の改善に利用してきたものと思われる。

 2.モデル・コアカリキュラムの可能性について

(1)学生に提供する2年間のカリキュラム策定には、各教員の多くの労力が求められる。
 また、こうした労力が教員個々の教育スキル向上に繋がることは言うまでもない。
 ただ、小規模で限りある各短期大学の教育資源(教員、教材、施設など)が効率よく機能し、またその質を保つために、個々に短期大学・教員が、それぞれの努力のみによってカリキュラムを模索していくことは最適であるだろうか。

(2)短期大学間が連携し、また、多様なステークホルダー(就職先、地域、行政など)からの要望を、短期大学全体で受取り(或いは参画を得)、これを反映させることで、実践的なかつ信頼性を確保した各大学のカリキュラム策定を可能とする、モデルづくりは必要ないか。

(3)こうした、特定分野に関して専門的な職業能力の共通の教育内容についてのモデルコアカリキュラムの策定は、どのように短期大学間の教育の質の確保に有為であるか、また、その場合に、必要とされる条件や問題点等、モデルコア・カリキュラムによる様々な可能性について整理してみたい。

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