大学教育部会短期大学ワーキンググループ(第6回) 議事録

1.日時

平成26年6月27日(金曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省東館3階3F1特別会議室

3.議題

  1. 短期大学の在り方について(論点の整理)
  2. その他

4.出席者

委員

小林浩委員、佐藤弘毅委員、安部恵美子委員、大野博之委員、小林雅之委員、滝川嘉彦委員、中山欽吾委員

文部科学省

板東文部科学審議官、常盤私学部長、藤野生涯学習総括官、中岡高等教育局審議官、浅田高等教育企画課長、里見大学振興課長、田中高等教育政策室長、今泉大学設置室長、君塚大学振興課課長補佐

5.議事録

【佐藤座長】  皆さん,こんにちは。定刻より早いのですけれど,おそろいでございますので,少しでも時間を有効に使わせていただきたいと存じます。毎日出かけるときの天気を,これほど気にしなければならないというように,非常に気象が荒ぶれておりますけれども,その中をお運びいただきまして,まことにありがとうございます。ただいまから第6回中央教育審議会大学分科会大学教育部会短期大学ワーキンググループを開催いたしたいと存じます。
 この会も既に6回目を迎えまして,前回は少し間があいてしまいましたけれども,各委員の先生方から多様な意見を頂きながら,短期大学の将来につきまして,様々な意見を整理させていただいたところでございます。
 今日は引き続き,短期大学の在り方につきまして,これまでの議論を踏まえ,もう1回論点を整理いたしたいと思っております。その上で,そろそろ報告書のことも意識しながら,報告書のプロットのたたき台のようなものも用意してもらっておりますので,そちらの方も併せて御議論いただければ有り難いと思っております。
 それでは,まず事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
【君塚大学振興課長補佐】  それでは,配布資料の説明をさせていただきます。まず資料1でございますけれども,前回第5回ワーキンググループの議事録の案でございます。恐縮でございますけれども,御意見等ありましたら,7月11日までに事務局まで御連絡いただければと思っております。表題が第6回となっておりますが,第5回の間違いでございますので,併せて修正させていただきます。
 続きまして,資料2でございますけれども,短期大学の今後の在り方に係る論点の整理というものでございます。続きまして,資料3でございますが,今後の短期大学の推進方策について(イメージ)という1枚物のペーパーでございます。参考資料1-1でございますけれども,短期大学専攻科の一覧というものでございます。続きまして1-2でございますけれども,履修証明プログラムの実施例という1枚物でございます。続きまして参考資料2でございますけれども,短期大学の在り方についてのこれまでの意見等の整理というものでございます。最後になりますが,参考資料3でございますけれども,都道府県及び中核市の教育振興基本計画における高等教育の取扱いについてというものでございます。
 以上でございます。もし欠落等ありましたら,挙手でお知らせいただければと思います。
【佐藤座長】  よろしいですか。欠落はないですか。
 それでは議事に入りたいと思います。先ほど申しましたように,そろそろまとめの議論もしなければならない時期になってまいりました。ここで短期大学の在り方,そして短期大学教育の振興等推進方策につきまして,一定の方向性を整理してまいりたいと存じます。
 今回,資料2にありますように,改めて論点の整理を事務局でしてもらいました。これに基づきまして御議論いただきたいと思っております。まずは,資料2等の資料につきまして説明をお願いいたします。
【君塚大学振興課長補佐】  失礼します。それでは,引き続き資料2以降について説明をさせていただきますけれども,まず資料2でございます。短期大学の今後の在り方に係る論点の整理ということでございまして,これまでのワーキンググループ等で頂きました意見等を元にいたしまして,事務局におきまして,今後の報告に向けた方向性をある程度示す上で論点をまとめさせていただいたものでございます。
 論点を五つに分けてまとめさせていただきますけれども,まず論点1として,短期大学の必要性,3ページでございますが,論点2が短期大学の役割・機能。続きまして,2枚めくっていただいた裏に論点3ということで,現状における課題,続きまして論点4でございますけれども,8ページ目になりますが,当面の推進方策,最後になりますけれども,論点5の中長期的検討事項ということで,こちらは制度等と絡みますので,ペンディングという形で整理をさせていただいているところでございます。
 まず1ページ目の短期大学の必要性につきまして,6点ほど書かせていただいておりますけれども,先ほど申し上げましたけれども,これまで頂きました意見等をもとに,例えば我が国の高等教育の多様性の確保,専門職業人養成機能,地域に密着した高等教育機関としての必要性,また短期大学の機能については,これまでの実績から,更なる活用の可能性もあるかということでございます。また,裏になる2ページ目ですけれども,気軽にアクセスできる高等教育機関としての必要性ということでございます。
 続きまして論点2というのは,このような必要性を踏まえまして,機能・役割をどうしていくかということでございますけれども,まず前段3ページ目でございますけれども,1として,これまでの実績や特長ということで,中教審のこれまで頂いた答申の内容ですとか,また短期大学には非常に教育に短期大学ならではの特色があるという御意見もありましたので,その辺についても若干3ページの下段に示させていただいているところでございます。
 続きまして4ページになりますけれども,短期大学の特長として教育の質の保証が確保されていること。また,高い就職率を背景に,職業教育などに一定の評価を得ていること。また,地元の高校から短期大学に入学して,地元の企業に就職している実績があるなど,地域との密着性が高いなどということが,これまでの実績として意見としていただいているところでございます。
 その上で,今後の役割と機能なのですけれども,こちらにつきましては4ページ目の一番下のところに,今後の役割・機能というところで4点ほど柱として整理をさせていただいているところでございます。
 まず1点目が,これまでに実績もあります専門職業人材の養成。保育士,幼稚園教諭,看護師,また介護人材等の職業人材養成が一つ。
 二つ目として,地域コミュニティの基盤となる人材養成ということで,地域との連携による金融ビジネス,地元の企業等への就職実績ですとか,そのようなものを踏まえまして,地域コミュニティの基盤となる人材養成という機能。
 三つ目でございますけれども,知識基盤社会に対応した教養的素養を有する人材の養成ということで,一般教養教育と専門教育を兼ね合わせた形の専門性の高い教育の提供ですとか,きめ細やかな指導であるところ。
 四つ目でございますけれども,生涯学習機会の提供ということで,キャリアアップを目指す社会人の学び直しの機能ですとか,また地域のニーズに対応した生涯学習プログラムの実施ということで,四つの機能を示させていただいているものでございます。
 更に非学位課程におきましては,後で御紹介させていただきますけれども,専攻科ですとか,履修証明プログラムなどで地域のニーズに沿ったプログラムが実施されているということで,今後もこのような役割を担っていくことが必要ではないかということでございます。
 その中におきまして,6ページ目になりますけれども,論点3ということで,短期大学にも課題があるし,今後に向けても課題を示して,しっかり課題解決を図りながら推進していくことが必要ではないかということで,社会的ニーズを踏まえた検討の必要性ということを示させていただいておりまして,一つ目の丸ですけれども,4年制大学志向と専門学校のはざまで特色が見えにくくなっているというような御意見も,このワーキングで頂いたところでございます。
 また,短期大学基準協会で認定している地域総合科学科の在り方についても,見直しが必要ではないかということでございます。
 二つ目の柱でございますけれども,やはり地方公共団体とか産業界との連携によって,地域と一体となった人材養成機能が必要ではないかということで,例えば地方公共団体との連携が必要ではないかということ。また,社会人学生受入れのためには,これまで実績が乏しいところもあるので,もっと産官学が一体となって社会人の学び直し受入れ体制を整備することが必要ではないかという課題を掲げさせていただいているところでございます。
 また,大きな柱の3でございますけれども,コミュニティ・カレッジにつきましては,このワーキンググループで委員の先生方や外部有識者からプレゼンを頂いているところでございますけれども,これも今後我が国の短期大学の機能の中にどのように取り入れていくかということについては,アメリカのコミュニティ・カレッジと比べると,我が国との社会的構造等の違いもあるので,この辺も我が国にふさわしい機能を取り入れていくべきではないかということで掲げさせていただいているところでございます。
 論点4の当面の推進方策でございますけれども,こちらも全体的な推進方策ということで,機能分化の推進ですとか,接続教育の充実ということで,4年制大学や高等学校も含めていろいろな他の学校種との接続機能を充実させていくことも必要ではないかということ。
 また,大きな柱の2として,それぞれ機能別の推進方策ということで,先ほどお示しさせていただきました4点の機能別にそれぞれ地方公共団体や職業団体,その他地域の様々な機関と一体となって人材養成機能を果たしていくことで,更に推進していくことが必要ではないかということで,この資料をまとめさせていただいているところでございます。
 先ほど申し上げたとおり,論点5につきましては,様々な制度的な面につきましては,今後更にまた検討が必要ということでペンディングをさせていただいているところでございます。
 資料2については,以上でございます。
 引き続きまして資料3でございますけれども,こちらはまだイメージ段階で大変恐縮なのでございますが,今後まとめるに当たりまして柱となるような議論を,改めて報告書をイメージしたような形の柱立てを示させていただいているところでございます。内容につきましては,先ほどのところと重複いたしますので,これを御覧いただきながら,資料2と併せて,本日御意見いただければと思っている次第でございます。
 続きまして,参考資料の説明をさせていただきますけれども,参考資料1-1でございますけれども,こちらは前回のワーキンググループで御指摘,このようなものを次回提出してくれということで,短期大学の専攻科の一覧と,最後のページに別科の一覧ということで,資料一覧を示させていただいております。全体で5ページに書いておりますけれども,短期大学は我が国で専攻科が194専攻あります。そのうち,学位授与機構が認定しているいわゆる認定専攻科というのは74専攻ありますが,多様な職業の資格に直結するような専攻科もあれば,国文学ですとか,神学ですとか,多様な専攻科が設置されているということでございます。
 最後の6ページ目には別科が示されておりますけれども,別科につきましては,一番多いのは,いわゆる日本語教育ということで,留学生などの日本語教育をするような機能の別科が一番多いのですが,それ以外にも商業専修ですとか,家政専修のようなものも別科として多様な学位課程以外の教育プログラムがあるということでございます。
 続きまして,1-2でございますけれども,こちらは履修証明プログラムの実施例ということで,短期大学教育の改善等の状況調査ですとかホームページから抽出して示させていただいているところでございます。これも御参考いただければと思います。こちらは資格に結び付くものから教養的なもの,様々なものがあるということでございます。
 続きまして参考資料2は,前回お示しさせていただいた,これまでの意見の整理等に,前回の5回目のワーキンググループの意見を若干加えさせていただいたものを,改めて整理して配付させていただいております。これも御参考いただきながら,御意見を頂ければと思います。
 最後,参考資料3でございますけれども,これは先ほど論点2で地方公共団体等との連携ということで論点に挙げさせていただいているところでございますけれども,実際,都道府県とか中核市におきましては,教育振興基本計画というものを,これは努力義務なのですけれども,策定をされているところでございますが,この中で特に高等教育に関する言及について,若干抜き出させていただいているところでございます。
 中には都道府県や中核市によって,内容の書き振りが違うところがあるのですけれども,全体的にはここの四角の中に書いてありますように,高等教育の促進については何らかの言及はされておりますけれども,その中で独自の振興というところについては,まだこれから記述がされていないところもあるので,このようなことも含めて,地方公共団体と高等教育機関の連携等ということを表現する参考として配付させていただいている次第でございます。
 資料の説明は,以上でございます。
【佐藤座長】  ありがとうございました。前回リクエストした資料につきましても,要領よくまとめていただきました。ありがとうございました。
 全体としてページ数とか枚数は決して膨大なものではありませんけれど,非常に重要な事柄が含まれていると思っております。とりわけ専攻科,別科,それから履修証明のことにつきまして網羅的に挙げていただきまして,これは私どものワーキンググループが短期大学の一つの将来の在り方として,核として考えております非学位課程,これにつきまして,新しいアイデアというよりも,既にこれだけのことをやっているという意味において,大変重要な資料だと思います。
 併せて確認しておきたいのですけれど,資料2の論点の整理と,参考資料2これまでの意見等の整理,そしてまた資料3のとりまとめのプロットイメージ,それぞれ決してパラレルにはなっておりませんけれども,重複したり,お互いに補完したりできる部分があると思いますので,そのことを念頭に置きまして,まずは資料2の論点の整理を土台にして進めさせていただきたいと思っております。
 これからしばらくの間,この資料2の各論点につきまして,それぞれ適度な時間を割り振りますので,論点ごとに御意見を述べていただければ有り難いと思っております。もちろん,この論点から踏み出すような話,二つ以上にまたがるような話,どのような御意見でも歓迎でございます。
 それでは,大体各論点10分から15分ぐらいと考えておりますが,論点1につきまして,これを中心に進めたいと存じます。どなたからでも結構でございます。この論点1に関わること,御意見をおっしゃっていただければ幸いでございます。
 滝川委員。
【滝川委員】  2ページの,気軽にアクセスできる高等教育機関という,この文言なのですが,気軽にアクセスできるということよりも,短期大学がきちんと設置基準を持って存立してきて,ファーストステージとして今後も期待がされているということを前面に,理解できるような文章にしていただけたらと思うのです。
 したがって,文章の内容については,この文章でよく意味が理解できるのですけれども,例えば項目のところに,高等教育のファーストステージとしての期待とか充実とかいうような,ファーストステージであるのだというところを,もう少し印象付けていただけたらと思いますが,いかがですか。
【佐藤座長】  ごもっともだと思います。気軽にアクセスという意味合いにおいては,近場にあるという意味と,もう一つは2か年若しくは3年なので学費が低廉であるという意味においても身近であるという,そういう意味合いも含めてもよろしいのですか。
【滝川委員】  はい。
【佐藤座長】  ほかにはいかがですか。
【中山委員】  私も今の滝川委員のコメントに同感です。やはり高等教育のファーストステージという位置付けは非常に重要だと思いますので,それをトップに持ってきた方が分かりやすいのではないかと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 ほかにいかがですか。安部委員,どうぞ。
【安部委員】  今の御意見とすると,1ページ目の一番下の短期大学機能のさらなる活用の中で,下から3行目から4行目にかけて,4年制大学への編入学機能などを効果的に取り入れるという文言があるのですけれど,この部分はファーストステージの部分にかぶってくるのではないかと思うのですけれども,その辺は文言的にいかがなのですか。
【君塚大学振興課長補佐】  文言につきましては,今後改めて整理をさせていただきますので,本日頂いた,ファーストステージとして編入学を取り入れる方が文章としてふさわしいということであれば,そのような修正をさせていただきますし,また改めて変更しした上で御意見を頂戴したいと思っております。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 このワーキンググループの初めのところで,とりわけ短期大学関係の委員から必要性,重要な役割を果たしてきたということで,たくさんの意見を頂いておりますけれども,この資料2は,それらを大体カバーし切れているのですか。それとも,まだこれが弱いということがあるのですか。どうぞ遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。
 清水委員お願いします。
【清水委員】  気軽にアクセスできるというのは特長の一つだと思いますが,一つは,早く学位が取れる,一番早く学位が取れるというところも短期大学の大きな特長だと思います。文言の中に,気軽にアクセスできて,しかも早く学位が取得できる機関というのも入れたらどうですか。
【佐藤座長】  ごもっともです。
【滝川委員】  もう一つよろしいですか。ここでは短期大学を私立と公立と分けていないで内容についてのことを語っているのですが,ただ,数としては現在でも私学の短期大学が圧倒的に多くて,それで私,このワーキンググループの最初の冒頭のところで申し上げた文言を,是非御検討いただけないかと思うのは,これまで制度ができて以来,多額の国費を投入して私立の短期大学は公教育になってきている。そこで培われた人材だとか,物だとか,有形無形の資産といったものは,きちんとまだその中に残っているわけであり,私学の短期大学の中に生まれたそのような財産を,今後も有効に使うべきである。非常に大きな概括的な話になるのですけれども,私学の中に大きな国費を投入して,これまで公教育を担ってきたことは,今後も継続すべきであると,私学の論点から一文入れていただけたらと思うのです。御検討いただければと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 安部委員どうぞ。
【安部委員】  すみません,もう一つ。二つ目に,専門職業人養成機能というのがあるのですけれども,確かに短期大学は幼稚園教諭,保育士をはじめとする専門職というか,そのような職種に就く人が5割ぐらい養成しているのですけれど,あとの4割は専門職外の汎用的能力を持つ地域の中堅人材を養成しているという役割・機能も当然あるわけですので,ぽんと専門職業人養成機能を出すということではなくて,後半の能力というか,汎用的職業能力を養う教育課程であるということも付け加えていただきたいと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。実は,どなたもおっしゃらなければ座長からと思っていた,一つの重要なポイントだと思うのです。このことは,論点1のところ,もしかするととりまとめの中でもずっと関連していくのですけれど,専門職業人のことばかり強調するのではなく,汎用的職業能力の育成ということで非常に重要な役割を担ってきた,今後もそうであるということは,結局,短期大学の設置目的からしても導かれる話でございますし,現状の短期大学卒業生の4割以上が,多様な業種の多様な職種に就いているということで,確かに私ども短期大学関係者は,専門職業のことを強調するわけでありますけれど,同時に今の四十数パーセントの一般就職のことについても,かなり重要なことだと思っております。
 特に,ここまで実際に書いていいかどうかは別としまして,中教審のキャリア教育,職業教育に関する特別部会で浮かび上がった問題点の一つとして,現在の高等学校段階まででは,健全な職業観だとか就業意識とかいうものが,必ずしもきちんと醸成されていない。とりわけ,圧倒的な多数が普通科の高等学校であって,こちらでは職業とかキャリアということに注目した教育が行われているわけではないということが一つの問題点として浮かび上がってきたところであります。
 すると,高等学校を終えた後,入ってくる短期大学生にとりましては,ここが大変重要な汎用的職業教育を受ける場であると思えるわけであります。社会人として学びから就業への円滑な橋渡し,そのような意味からも,専門職業教育の以前の問題として,汎用的職業能力の育成,これは是非必要だと思っておるところでございます。
 私の方が言い過ぎたかもしれませんけれども,御考慮いただければと思います。
 ほかにはいかがですか。大野委員,どうぞ。
【大野委員】  今のお話に関連ですが,短期大学の設置のところに,職業それから実際生活のところが入っていますので,専門職業はもちろん大事ですが,実際生活に必要な,すぐに役に立つかどうかは別として,教養といったものでくくられているところも,これまで果たしてきた重要な機能でもございますし,今後も期待されていると思います。
 見出しのところだけ拝見すると,今の御指摘のとおりだと思いますので,何かしら短期大学の根本に掲げてある趣旨を生かした形で記載があれば有り難いと思いました。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 ほかにはいかがですか。文章表現はこれからの問題といたしまして,取り上げるべき論点,項目としては,大体このようなところでよろしいですか。
 それでは,今の段階ではこれまでといたしまして,また後ほどお気付きになれば,また言及していただければと思います。
 論点2であります。役割・機能,恐らく肝になる部分ではないかと思っておりますけれど,これにつきまして御意見を頂きたいと存じます。どなたからでも結構でございます。
【小林(浩)委員】  こちらの実績や特長の中の,教育内容及び学生の指導方法の特長というところで,4年制大学へ進学できる機能と入っております。最初の論点1のところで,「高等教育のファーストステージとしてのこれまでの実績に加え」と書いてあるのですが,どうもファーストステージのことがここしか書いてないような気がするのです。今まで積み重ねてきた実績と役割というのはつながっていると思いますので,ファーストステージの役割というのは,4年制大学への編入だけなのかと思ってしまわれないように,このあたりはきちんと書いた方がいいのではないかと考えております。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 ほかにいかがですか。滝川委員。
【滝川委員】  4ページの,今後の役割・機能のマル1の専門職業人材の養成というところなのですけれども,恐らく,医療職種からは外れているから専門職業人材ではないと抜けたのではないかと思うのですけれども,短期大学の中では専門職業人として栄養士も養成しておりまして,医療職種,それから福祉,それから教育の分野等には,学校にもよりますけれども,そのような分野に4割,5割の栄養士の学生たちが行っておりますので,この並びの中に,どうか栄養士という文言を御検討いただければと思います。
【佐藤座長】  どこかにありましたね。いつの間にか消えてしまったのですか。
【滝川委員】  前のところにはあるのですけれども,ここだけ栄養士がないのです。
【佐藤座長】  御指摘ありがとうございます。
 それでは,議論の呼び水にするためにも,座長から2点ほど言わせていただきたいと思います。一つは,この種の議論の報告書作成のとき,潜在的にいつも重要な課題になってくるワーディングです。役割,機能,これを今のところ必ずしもきちんと整理しないで列記されております。それほど厳密でなくてもいいという考え方もあるかもしれませんけれども,やはりこの辺をきちんと整理すべきかなと個人的には思っております。
 この辺は特に小林雅之委員,清水委員など,研究者委員の方を中心に,役割,機能,どう書き分けたらいいかということも御意見を賜れば大変有り難いと思います。これが1点です。
 もう一つは,先ほど論点1のところでも,安部委員の御発言を契機に,私も触れましたが,4ページの今後の機能につきまして,マル1から4まで列記という段になりますと,では,これで全てかという話になってしまっては困ると感じます。例えば一つは,先ほど言及いたしました,汎用的な職業能力や大野委員が言うような実際生活に役立つ能力の育成というものも,一つの重要な機能として挙げられてしかるべきだと思いますし,それから小林浩委員の御指摘のように,接続に関しましてもここはきちんと触れておくべきだ。これを接続教育という言葉で表現するかは別といたしまして,ファーストステージから次のステージへ結び付く道筋を用意しているという意味において,1項目は入れるべきかと思います。
 もし,このとおり取り入れていただきますと,4点ではなくて6点ということになりますし,また,その6点でも足りないという御意見もあるのかもしれません。その辺も,実際に文章で流すのではなくて,1何々,2何々という整理の仕方をしますと,それが全てと読み取りがちでございますので,ここはもれなくきちんと整理し,共通の見解を持ちたいと思っております。
 以上2点につきまして,どなたからでも結構でございますけれど,御発言いただければ有り難いと思います。
【小林(雅)委員】  御指名ですので。ただ,十分に応えられるかどうか分からないので,宿題にはしたいと思うのですが,今そんなに深く考えているわけではありませんが,役割と機能の違いということですが,どちらも社会学ではよく使われる言葉なのですが,出自が違うといいますか,違うところから出てきた言葉で,一番基本的な役割というのは,社会そのものの成り立ちの中でメンバーがどのような役割を果たすか,そのような意味合いで使われることが多いわけであります。
 ただ,この文脈で申し上げますと,どちらかというと役割期待という考え方に近いのです。つまり,べき論といいますか,こういった役割を果たすべきである,こういう役割が期待されているという意味合いで使われていることが多いように思います。
 それに対して機能の方は,これはシステムという言葉と非常に親和性がある言葉でありまして,全体の中でどのような機能を果たしているかという意味で使われることが多いということで,これはかなり中立的な意味合いで使われる言葉ではないかと思います。
 ただ,すみません,次回の宿題にさせてください。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 小林浩委員,お願いします。
【小林(浩)委員】  先ほどのファーストステージのところとつながるのですが,読んでいると非常にドメスティックな地域と地元というところがフォーカスされていて,多分接続というところでいうと,これからグローバル化の中で,2年で学んで海外へという道も十分あるように思うのです。
 私は外の人間なものですから,短期大学の先生方は皆さん,ドメスティックな感じでよろしいのですかというところを投げさせていただきたいと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。大事な御指摘だと思います。
 この点,いかがですか。中山委員,お願いします。
【中山委員】  確かに御指摘のとおりだと思います。我々の大学は語学をかなり重視しておりますが,そのときに必ず語学の裏側には文化があるのだということをセットで教える。そのためには,その国に短期でもいいから留学をして,それがどういう意味合いがあるのかということを理解してもらうという教育をしているわけです。そうすると卒業して,その国にワーキングホリデーだとか,改めて留学し直すという形でかなりの人材が行っております。それは中国もあるし,それから韓国もあります。それから東南アジアに行く子もいますし,ニュージーランドだとかオーストラリアに行く子もいます。アメリカもいます。
 そういったことで,今おっしゃったように,ドメスティックだけでなくて,かなり海外に対して若い人たちが目を開くチャンスを我々は提供しているのだという実感はございます。それが何らかの形でこれに反映されれば,非常にいいのではないかと思います。
【佐藤座長】  大野委員,どうぞ。
【大野委員】  どこに書き込むかは別として,二つです。一つは,もちろん地域とのつながりが大きいのですけれども,国全体として,文部科学省が政策誘導してきた教育,昔のGPですけれども,それぞれ短期大学が自分たちのやってきた誇るものをエントリーして採択されている。実はこれでお互いに学び合って,短期大学は相当程度以上,教育のレベルが上がっていったのではないかと思いますので,地域もさることながら,国全体の教育の質向上には大きな役割を果たしてきましたし,これからも期待されるのではないかということが1点。
 関連で,短期大学基準協会での様々な取組で,特に優れた取組については,これもお互いに学び合って,よりよい教育をするために日夜努力をしている短期大学さんが大多数でございますので,そういった仕掛けによって全体の教育の水準が上がってきていることは,これからも期待できるのではないかと思います。
【佐藤座長】  大野委員の2番目の視点は,この論点2よりも,むしろ後の方に出てくるところで適当な場所があれば,そちらの方でよろしいですか。
 ほかにはいかがですか。清水委員,お願いします。
【清水委員】  4ページの2番の今後の役割・機能の中に,最初法的な位置付けが書いてありますが,ここに短期大学士という学位を授与するというところを入れて方が私はいいと思うのです。短期大学士というのは,余り全体の中に出てきませんし,高等教育の中での学位授与機関という位置付けを明確に出しておくべきです。その上で,短期大学士と学士,そして大学院の学位,それらの縦のつながりが考えられていきますので,是非とも位置付けのところにそれを入れてほしいと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。あくまでもこれが短期大学教育の核ですから。
 ほかにはいかがですか。安部委員,どうぞ。
【安部委員】  今まで短期大学でやってきたこととして,後で地域総合科学科のことが出てくるのですけれども,地域総合科学科というのはキャリア探索型の教育をやっている。これが専門学校の最初から職業教育をやるという狭い陣取りの中でやる教育とは違う機能を持っていると思うのですけれども,それを今までやってきて,21年度以降は新設するところはない状況だということが後段の方で書いてあるのですけれども,キャリア探索型の,いわゆる高等学校までが十分な職業キャリア教育を受けず,そして短期大学に来てキャリアを見つける,学生ための教育課程が地域総合科学科である。この活性化を後段に展開していくとすれば,これまで,まだ職業をどうしようかと,将来のことをまだよく見えていない学生さんにしっかりとキャリアの基礎を授けるような教育課程を展開しているということも加えていかなければ,短期大学がやっていることは職業教育だけではないということを,役割・機能の中に書き込んでいただきたいと思いますが,いかがですか。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 どうぞ,里見課長。
【里見大学振興課長】  今,御指摘いただいた点は,できるだけ修正していく方向で考えたいと思うのですが,御提案いただいた中で,今,特に私ども,特長としてここは4点出させていただきたいと思っているところで,逆に言えば,ほかの学校種とは違うところがよりクローズアップされることが期待しているところなのです。
 例えばマル1なのですけれども,専門職業人材の養成と一口で言ってしまいますと,ほかの形態のところでも実はできることがあるので,例えばここに,深い人間性を有する専門職業人材の育成とか,短期大学でなければ幅のある職業人が難しいというところは特長なのかなということを中でも議論しておりまして,そういう意味では,ここにも少し工夫の余地があるかと。汎用的な職業人材ということも,もちろんありますが,それもやはり同じく人間の幅のある受け止めができる人材としてのということがあると思いますので,少しその辺で展開をさせていただきたいと思っていることが1点。
 もう一つは,接続の問題ございましたが,接続の問題というのは実は今挙がっている三つ目の点の中のいずれにも関わる機能ではないかと思っておりまして,かつ縦の流れ,高校と大学との関係という意味においての縦のラインと,それから横の関係でも,実はいずれの性質を持ったところでもあり得ることかと思っておりまして,編入学が典型ですけれども,そういう意味において,役割・機能として整理すべきものなのか,それとも少し横串的な書きぶりのところに整理すべきなのかという点は考えておりますので,そこも検討させていただければ有り難いと思います。
【佐藤座長】  里見課長の御指摘の前段は,特に今このようにざっくりとしか書かれておりませんが,実際に書き込んでいただくときには,例えば将来像答申の中で短期大学や大学における職業教育と,他の一般的な職業訓練施設等の違いというものを既に指摘されております。そのようなこともきっちりと書き込んでいって,おっしゃるような人間的な幅とか教養とか,あるいは批判的な精神とか,科学的な思考とか,そのようなものを丁寧に書き込んでいく必要があるのではないかと思います。
 ありがとうございます。ほかにいかがですか。
 それでは,同様にお気付きの点は,後で結構でございますが,とりあえず次に移らせていただきたいと思います。現状,課題という論点3でございます。どなたからでも結構でございます。小林雅之委員,お願いします。
【小林(雅)委員】  すみません,今までの議論と重なるところもあるのですが,ここでまとめて申し述べたいと思います。たくさんありまして6点ありますが,一つは短期高等教育の在り方ということで今まで議論を進めてきたわけですけれど,短期高等教育が高等教育システムの中でどのように位置付けられて,特に短期大学がどのような位置付けになっているかということは,いまだにまだ明確になっていないと思います。この辺は大きな課題でありまして,とりわけそこに専門学校との問題が1行だけ書かれているのですが,専門学校との役割分担をどのように考えるかということは,もう少し明確にする必要があると思います。
 先ほど里見課長からありました,幅のある人材とか,あるいは汎用性のある人材と座長からも出ましたけれど,そういったことが違うということも一つだと思いますけれども,いずれにいたしましても専門学校とどう違うのかということは,もう少しはっきりさせなければいけないという問題です。
 それから2番目に,学費が低廉であって,英語で言うとaffordable非常に手軽であるということであったのですが,なおかつ学生への経済的支援というのはまだ十分とはいえない。私はほかの文部科学省の委員会でやっているわけですけれど,やはり中教審のこの場でも問題にしていただきたいということです。特に学生に対して日本学生支援機構の奨学金程度しか,今ないわけですから,私学に対しては私学助成の一部として私学振興財団から授業料減免が入っています。それから,もちろん大学が大学独自に学生に対して支援をやっていることもあるわけですけれども,これらがばらばらに行われている現状があります。そういったところです。それから公立大学については,地方自治体独自になってしまっている,そのような個人補助の在り方についても検討する必要があります。
 それから,その点に関連して言いますと,逆に言いますと,基幹補助が現在のようにばらばらに行われているのはいいのかどうか。特に公立については地方自治体で,国との役割分担がそれこそよく分からないという問題です。この辺のことは余り議論されていなかったと思いますけれど,議論する必要があるのではないかというのが2点目,あるいはそれに関連した点です。
 3点目は,これから大学がいろいろなことを自分たちで考えていかなければいけないときには,インスティテューショナル・リサーチという考え方も非常に重要であると思いますけれど,それについて今まで言及がなかったので,大学が独自に戦略的な計画を立てて,自分たちの弱みと強みを個々の大学がしっかり認識するということ。このためにはインスティテューショナル・リサーチは必須の作業だと思いますので,それについてどういう形で支援できるかということも考えていただきたいということです。
 それから4番目に,大きな問題ですけれど,財務基盤をどのように強化するかという問題。これは全くここでは議論されていない問題でありまして,特に私立短期大学にとっては切実な問題だと思いますので,これから財務基盤をどうするかということは議論していかなければならないと思います。公立大学について言えば,先ほど言いましたように地方公共団体との関係をどう考えるかという問題も含まれているかと思います。
 それから6番目に,これは先ほど大野委員から出たのですけれど,情報発信とか説明責任という問題です。このあたりをもう少し強化する必要がありますけれど,GPそのものが今現在ありませんので,盛んに議論に出ましたけれど,短期大学はそれなりの強みとか長所があるのだけれど,それをうまく出していない。そのようなものを,どのようにこれからもっと世間に対して出していくのか。これは質の保証の問題とも関わりますし,IRの問題でもあります。
 それから大学ポートレートができれば,それを活用することも考えられますので,こういった点について考えていただくのが,これから大きな課題になるのではないかと思います。
 以上です。
【佐藤座長】  ありがとうございます。大変重要な御指摘を,先ほど6点とおっしゃいましたか。メモが5点になっています。
【小林(雅)委員】  すみません,整理していなくて申し訳なかったのですけれど,一緒に申し上げてしまったのですけれど,個人への補助という問題と,国としてどういうことができるのかという問題です。それと国と地方の役割分担,そのあたりのことが1点です。
【佐藤座長】  分かりました。ありがとうございました。
 ほかにいかがですか。ほかにというよりも,今の大変重要な御指摘に絡んだお話も歓迎でございます。あるいは違う視点からでも結構でございます。
 清水委員,お願いします。
【清水委員】  専門学校との違いという点について,目的からいえば,短期大学力と職業力と生活力,これらは目的規定に書いてありますので,その辺の短期大学が目指している能力を散りばめていけば,私は違いが出てくると思います。専門学校は完全に職業力ですので,短期大学力とか,あるいは生活力若しくは,実際生活の能力などを強調することによって,その違いが出てくるのではないかと思います。
【佐藤座長】  なるほど。専門学校との違いをおっしゃるような視点から述べるのに加えてというか,それ以前に制度的な違いとか,設置基準の違いだとか,認可プロセスの違いとか,質保証の違いとかいうことが,まず強調されなくてはならないわけです。
 その上で,今,清水委員のおっしゃったようなこともきっちりと取り込んでいこうということだと思います。
 ほかにいかがですか。では,大野委員。
【大野委員】  場にふさわしくないかもしれませんが,今の小林委員の情報発信の関連ですけれども,専門学校との違いについては,もちろん法律とかも全部違っているわけですが,募集に関して,短期大学は高等教育局長通知でAOの解禁日だとか,そういったことが全て高等教育かくあるべしということで決まっているのですけれども,専門学校はそれによらないものですから,ローカルな話をすると,数が少なくなってきている受験者をかなり早い段階で囲い込んでしまう専門学校と,その後,一生懸命募集をしなければいけない短期大学は,必ずしもイコールではないのではないかという話をよく聞きますし,実際に私どももそのような経験をしております。
 高等教育全体の中での設計という話になったときに,目指す側(がわ)はそういった細かなところは十分知り得ていませんので,今度ポートレートとか出てくると,もう少し違うのかもしれませんけれども,その辺の枠組みが整理されていくと,より短期大学の存在は明確になってくるかと思います。募集の件です。
 もう1点は,情報発信で言いますと,教育情報の公表も含め,それから認証評価も含め,専門学校は実際に行っているといっても,内容については短期大学が実際にやっている質のレベルではないでしょうから,そういったものが繰り返し高等教育全体の中でのというスキームになったときに,必ずしも国民から見たときに分かりやすい形になっていないのではないかということでございます。書き込み方は大変難しいと思いますので,是非参考としてお聞きいただければと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 安部委員お願いします。
【安部委員】  小林先生のおっしゃった,奨学金等の経済支援についてなのですけれど,実は私も言ってはいけないと思ったのですけれども,小林先生がやっていらっしゃる専修学校生への経済的支援の在り方の検討会の議事録を読んでおりますと,専門学校の学生は4年制大学生に比べると非常に経済的に困難な学生さんが多くて,是非支援が必要であるということなのですけれども,短期大学を考えた場合,短期大学は気軽で身近なファーストステージの高等教育機関としての機能を果たすとすれば,どうしても学生に対する経済支援は必要です。
 私は7,000人ぐらいを対象とした短期大学のある年次の学生の調査を行いましたが,学費あるいは生活費を自分のバイト,あるいは奨学金等だけで賄うという学生がかなりの数,専修学校のデータぐらいは確実にいるというデータも出ておりますし,そこのところをよく大学と比べると,大学の中に短期大学も入ってしまって,よく見えないところが出てくるものですから,本当に気軽で身近に誰でも高等教育に行けるという機関であるためには,その部分,経済的支援,個別支援,あるいは機関支援もそうでしょうけれども,大切な要素になると思いますので,お願いいたします。
【佐藤座長】  なるほど。分かりました。
 小林浩委員,どうぞ。
【小林(浩)委員】  ここに書くべきかどうか分からないのですが,1点目は,今安部先生がおっしゃったように,大学,短期大学は大体データの出方が一つで出ておりまして,大学,短期大学,専門学校別々に見るデータ,つまり高等教育機関の公私別の比較できるデータが世の中にないのです。こういったものを,機能を見るときに,これからきちんと取っていく。統計的なところをエビデンスベースで語れるようなものにしていくことが必要なのではないかと思います。
 これはここに書くかどうかは別で,今後のことを考えたときに,振り返るときに何もデータがないとなかなかというのが一つです。
 もう一つが,これは前の機能・役割のところで,専門職業人材の養成というところで,保育士とか幼稚園教諭,看護師とかいろいろ出てきておりますが,選ぶ側(がわ)から見ると,例えば専門学校を出た看護師と,短期大学を出た看護師と,大学を出た看護師で何が違うのかというのがなかなか分かりづらいというところがありまして,こういった専門職人材を育成する場合のそれぞれの機能というのか,役割というのか分かりませんが,何が違うのかというのをきちんと発信していくところも,一つ課題ではないかと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。小林浩委員はメディア情報産業にいらっしゃいますから,お詳しいと思いますけれど,短期大学を大学とひとまとめに論じられる,特に商業誌などでは大学,それから短期大学並び専門学校という整理の仕方をしたりします。メディアでは,どういうのが主流だったのですか。
【小林(浩)委員】  一般的には大短と呼んでいますので,大学と短期大学という感じになっています。ただ,大学ではない短期大学という位置付けですので,この辺は非常に見えづらくなっているというところだと,正にここに書かれているとおりの状況だと思います。
 専門学校と同じかというと,お金としては同じなのですけれども,多分役割が違うので,この辺も分かりづらいという,中途半端感が出ているような形だと思います。
 一般的には大短というくくりで言われていることが多いと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。意地悪な質問をしてすみませんでした。メディアの中では本当に大短ではなくて,短期大学,専門学校という,こちらに丸めて売ろうとする雑誌などあるものですから,気になっておりました。
 ほかにいかがですか。滝川委員。
【滝川委員】  私も先ほどの専門学校の話なのですけれども,ここは短期大学を今後どのように振興していくかという話なので,専門学校の話は余りすべきではないのかと思いましたけれども,ただ,今の論点3は現状における課題ということなので,次のステップに進むために,先ほど大野委員や安部委員が言われたような専門学校の今の在りようというものが,短期大学が先へ進めない課題になってしまっているという現状は,是非書き込んでほしいと思います。
 一つは,先ほどのお話にも出ましたけれども,中等教育を崩して非常に早い段階で学生を確保してしまうという,入試上の問題だとか,それから,既に専門学校が自己点検評価だとか情報公開などをやっているかのような,先走った広告が散見されますので,そのようなものが短期大学と専門学校との間の境目が分からないようになってしまっている一つの課題であるということを,是非お書きいただけたらということを一つ申し上げたいと思います。
 それからもう一つは,文言のことでもよろしいですか。6ページの地域総合科学科の話なのですけれども,この地域総合科学科の話は単独で出てきた話ではなくて,コミュニティ・カレッジの話に関わる話として出てきたのではないかと思いますので,前段の地域総合科学科の話は,このままでいいのですけれども,下のコミュニティ・カレッジ機能の確立のところで,例えば一つの例ですけれども,既存の地域総合科学科を生かした我が国のコミュニティ・カレッジ機能をしっかりと確立すべきというような,地域総合科学科とコミュニティ・カレッジのつながりを示した方が,地域総合科学科の問題に関しても,それからコミュニティ・カレッジの問題に関しても,今後解決していくことが可能になるのではないかと思われますので,そこの二つを合わせた書きぶりにしていただけたらということが一つです。
 それからもう一つは,コミュニティ・カレッジの機能の文章全体を読んでいますと,我が国のコミュニティ・カレッジ機能をしっかりと確立させることが必要であると言いながら,次の7ページの後段の文章では,実際にはアメリカの場合はほとんど公立なので,我が国の短期大学の推進方策を検討すべきである。前段で確立が必要であると言いながら,後段の方で否定しているような感じに私自身は読めました。
 それで,そうではなく,やはり確立させることが必要であるということを最初の3行で書いていただいたのであれば,例えば7ページの下から2行目は,我が国の短期大学の推進方策の一つとして検討すべきであるというように,生かしてやっていったらどうだろうかというように文言を御検討いただければと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 コミュニティ・カレッジに言及するとき,多分頭の中にあるコミュニティ・カレッジは十人十色のような気がして,そこが不安だという気がしないでもないのです。この辺でコミュニティ・カレッジを定義というほどやかましい話でないにしても,どうイメージして書いていくか,目指していくかということについても,もう少しどこかで議論しておく必要があるのではないかと思っております。
 清水先生,小林先生,お詳しい先生方,この辺はどうなのですか。コミュニティ・カレッジはどう描けば,今滝川委員が御指摘のような前向きな議論と,公立ではないという話とがぶつかり合わないで,日本的コミュニティ・カレッジをイメージできるか,その辺の御意見を頂ければ有り難いと思います。
【清水委員】  御存じのように,もともとアメリカの場合はジュニアカレッジとして,トランスファー機能から始まり,その後職業教育の機能が入って,第一次大戦後,コミュニティサービスが重視され,コミュニティ・カレッジというものが定着してきました。実際には,例えばミネソタ州ではテクニカル・カレッジとコミュニティ・カレッジが我が国の短期大学に相当する。機能を職業教育に重点を置いているところはテクニカル・カレッジ,教養教育に力を入れているところがコミュニティ・カレッジという使い分けをしています。
 研究者によっても捉え方が違いますが,コミュニティ・カレッジというのは,正に我が国の教養教育と専門教育と職業教育,これに生活力の教育を加えた形で短期大学というイメージを書かないと誤解を招くのではないかと思います。きちんと,誰が読んでも納得がいくようにしないといけないので,ここは何か言葉が必要かもしれません。
【佐藤座長】  そうですね。吟味が必要なポイントだと思います。
 小林先生,いかがですか。
【小林(雅)委員】  これは非常に難しい点で,先ほど座長が言われましたように,コミュニティ・カレッジのイメージというのは,まだ共通項が必ずしもできていないと思いますので,そこで余りコミュニティ・カレッジという言葉だけ独り歩きするのは危険だなというのが一つです。
 ただ,書き方の問題ですけれど,基本的には1番が確立させるということで,まず出て,それに対して留意事項というか,ただしというか,そのような形で書かれていると私は読んだので,むしろコミュニティ・カレッジは一つのモデルとしてあり得るけれど,それに対して,だけどアメリカのものをそのまま持ってきても駄目ですよという意味で書かれていると思ったので,そのように書いていただければいいのではないかと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 清水先生,どうぞ。
【清水委員】  私がイメージしたのは,むしろカリフォルニア州とかニューヨーク州のコミュニティ・カレッジです。つまり州高等教育システムの中における一番底辺といいますか,ふもとの部分,これをコミュニティ・カレッジととらえます。ここでは,我が国の短期大学士という学位が与えられます。その次の段階でバチェラー,更に上の段階で大学院のディグリーを与える。そのような構造で,日本の高等教育全体がその方向に向かえばいいと,私は思っています。
 その意味でコミュニティ・カレッジと使うのであれば,私は賛成なのです。そのためには三つの学位,短期大学と4年制大学と大学院,その学位の縦の接続といいますか,つながりをきちんと明確にしないといけない。以前の学士力答申に出ましたが,あれは一つの方向性を示しました。しかし,短期大学士が何なのかというのは,誰も答えられないのです。ここをきちんと明示することが大事で,これは国の責任なのか,日本私立短期大学協会の責任なのか難しいところなのですが,私は日本私立短期大学協会とか全国公立短期大学協会といった団体がきちんと明示することが必要ではないかと思っています。
 そのために国の方も,上から何らかの示唆や方針を与えてくれれば,そうした団体が動くと思います。
【佐藤座長】  里見課長,お願いします。
【里見大学振興課長】  御質問なのですけれど,カリフォルニアのシステムの場合は,4年制の大学というのはないといいますか,1,2年は既にコミュニティ・カレッジで必ず行くとすれば,編入先の3,4年制をやるところは分かるのですけれども,下の1,2年制というのは一体どういう仕組みになっているのですか。
【清水委員】  ミネソタ州のように7割ぐらい学生がトランスファーする州でしたら,それが主な進路先になりますが,カリフォルニア州の場合には多分そんなに進学していないと思います。したがって1,2年は並立しているのです。ところが4年制の1,2年はドロップアウト率が高いですし,コミュニティ・カレッジが質の高い少人数の教養教育をしていますから,むしろそれを経た人たちがトランスファーでシニアカレッジに移行する。そうでない人は,最初からコミュニティ・カレッジへ行かなくて4年制の1,2年に入っています。両方あるのです。
【里見大学振興課長】  そういう意味では,システムの中に恐らく複数の道があるということで,おっしゃっているのかと思います。
 もう一つ御質問なのですけれども,先ほどミネソタの場合にはコミュニティ・カレッジとテクニカル・カレッジはまた別だとおっしゃっておられましたけれども,テクニカル・カレッジの場合は,ある意味,教養のところはやっていらっしゃるのですか。トランスファーの仕組みは。
【清水委員】  重きが,主に職業資格というか,職業能力に重点を置いたカレッジが,テクニカル・カレッジと呼ばれるのです。例えば,霞が関テクニカル・カレッジとか。トランスファー,教養教育が中心ですと霞が関コミュニティ・カレッジ。中には両方を同じウエートでやるというところは,テクニカル・アンド・コミュニティ・カレッジとなっています。名前を見ればそこの中身が分かるという非常に合理的なシステム。
【里見大学振興課長】  なるほど。分かりました。
【小林(雅)委員】  これは多くの方が御存じだと思いますけれど,カリフォルニアはマスタープランによって高等教育はシステムとして統合されています。一番違うのは入学要件が違うわけで,高校の成績の上位の8分の1がカリフォルニア大学,3分の1がカリフォルニア州立大学,コミュニティ・カレッジはそのような制限がないのが一番大きな違いです。
 コミュニティ・カレッジの場合には学費が非常に安いということがありますので,1,2年トランスファーに入って,それから3,4年に編入学できるということで,それを狙う学生も多いのですけれど,残念ながら学力要件がないということで,先ほど清水委員が言われたように,ドロップアウトする率が非常に高いという問題がありまして,ただ,そのような形でシステムが全体として統合されているという意味で,全体ができている。ですからそれぞれの大学は1,2年は当然あります。カリフォルニア大学にしても,州立大学にしても1,2年は持っています。
【里見大学振興課長】  ありがとうございます。そうしますと,正に日本型のコミュニティ・カレッジというところが,今のような,学費が非常に安く,かつ学力的には必ずしも優れていないと受け止める仕組みとして確立するのが,本当のふさわしいのかどうかというところに,私ども迷うところがありまして,そこから少し御議論いただけると大変有り難いと思います。
【小林(雅)委員】  正しく,それは私が問題にしたかったことでありまして,ファーストステージというのは必要だと思うのですけれど,そこの注意書きに書かれたように,アメリカとは仕組みが違うというのは,正しくそのような意味でありまして,公立ということは学費が安いということです。むしろそちらの方が重要なので,その辺のことを踏まえて日本型を作る必要があるだろうと思っています。
【佐藤座長】  先ほどコミュニティ・カレッジというワードを使ってしまうと十人十色と言いましたけれども,正しくそこです。アメリカと比べてオープン型であるとか,成績を問わないとか,学費が低廉であるとか,そのことは私立短期大学が圧倒的多数を占める我が国の短期大学が真似(まね)しようとしても,少なくとも現行の行財政のシステムの中では,できようもないわけです。そこに特色を求めるとか,そこと並べようとすることではなくて,私はイメージとしては,いわゆる地域密着型で,コミュニティニーズにもっと真正面から向き合うというところが最大の眼目であろうと思っております。
 それは学位課程,非学位課程を通してです。さらに,度々申し上げていますように,地域の生涯学習の拠点としての役割を担い,その機能を果たしていくという行き方,その全体像を称して日本型コミュニティ・カレッジとイメージできるのではないかと思ったりしております。
 これは単なる私見ですけれども,いかがですか。どうぞ,中山委員。
【中山委員】  コミュニティ・カレッジという言葉そのものがアメリカの制度であるということであり,そのアメリカも州によってかなり運用が違うということもあり,私は公立短期大学を代表して出ておりますが,コミュニティ・カレッジという言い方には違和感があります。それはなぜかというと,全国から学生が集まってくる,ほかの公立短期大学もかなり広範な県から学生が集まっている。今ちょうど,かなり大部なアンケートを採って整理中ですので,この最後の会議のときにでも簡単な御説明ができるかもしれませんけれども,公立短期大学というのは,やはり全国から学生が集まってくるという魅力が確かにある。多分その魅力のかなり大きな部分は,授業料が安いということであろうと思います。
 ですから,そのようなことからすると,コミュニティ・カレッジという言葉にこだわること自体が,少し無理があるのではないかという感じです。
【佐藤座長】  確かにコミュニティ・カレッジを議論するとき,そのような意見が必ず出てくるところです。もう少し適切な言葉の整理がないだろうかと,ずっと考えているところですけれど,なかなか名案が出てこないで,日本型コミュニティ・カレッジと逃げているわけです。
【中山委員】  日本型と書けば,かなり。
【佐藤座長】  何か先生方で名案がありましたら,是非この際お出しいただいて,提言として一部に組み込めればいいと思ったりしております。
 ほかに論点3,いかがですか。小林浩委員,お願いします。
【小林(浩)委員】  今,座長がおっしゃったように,地域ニーズに応えるのが短期大学というのが第一義的であるとすれば,この論点の2番の地方公共団体や産業界等との連携強化というのは,そのとおりだと思うのですが,ここに地方公共団体の連携は書いてあるのですけれども,地方産業界との連携については何も触れられていないということがありますので,この辺のところはきちんと整理した方がいいかと思います。
【佐藤座長】  おっしゃるとおりだと思います。様々な地域セクターとのコラボというものが重要だと思います。ありがとうございます。
 大野委員,どうぞ。
【大野委員】  その次の中長期的検討のところに入ってしまうのかもしれませんけれども,今話題に出ているようなコミュニティニーズに合致した教育機会を提供するときに,現行の設置基準の,特に教員の審査基準が大学の審査になっています。多様なコミュニティニーズに対応するためには,具体に言うと実務家教員が今でも登用できるようになっておりますけれども,短期大学ならではの弾力的な,とは言っても質を低下させないようにという非常に難しい課題ではありますが,それを乗り越えないと,多様なニーズに応えていくことはなかなか困難なのではないかと思います。
【佐藤座長】  いい視点だと思います。これはどこかで取り上げなくてはならないものだと思います。大学設置基準全体像もそうですけれど,とりわけ最近考えなくてはならないのは教員の資質ということです。設置基準における教員資質が具体的には出てくるわけですが,その根本的な考え方です。4年制大学の教員と同じ資質,能力だけでいいのかという,そこのところもどこかで取り上げなければならないと思います。
 既に大学院の制度設計の中では,実務家教員の割合云々(うんぬん)という話は定着しつつあります。この辺で学士と短期大学士の違いの考えの中で,教員の資質,能力についても,人材養成目的の差異から言って,当然教員の方にも差異があってしかるべきという意見もありということも踏まえなければいけないと思います。
 ほかに。どうぞ,中山委員。
【中山委員】  私も全く同感でありまして,実は私が学長になって以来,定年退職だとか,よその大学に割愛とかいうことで,新たに先生を採用する必要があるわけですが,その場合に,もちろん教員としての資質ということを最大重要に検討するのですが,それにプラスして社会経験ということを一つ入れております。それは学術的な能力プラスそれが実社会でどのように展開できたのかという経験を持った先生だと,学生に対する教育態度ががらりと変わります。これは地域に密着した卒業生を出して,地域に貢献するということからして,非常に役に立っていると私は見ております。
 御参考までに。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 小林雅之委員が大阪の学会でスピーカーということで,ダブってしまいましたので御退室です。ありがとうございました。
 清水委員,どうぞお願いします。
【清水委員】  教員の審査をサポートする意味で,そのためには地域総合科学科の場合もそうでしたが,我が国は4大でいうと学部,短期大学でいうと学科とか,あるいは専攻とか,そのような組織の考え方が非常に強いと思います。大学設置・学校法人審議会などは,そのような組織中心の審査をやっておりますが,そのためには短期大学自身がプログラム化の方へと動いていくこと,従来のような組織中心の考え方から脱して,あくまでも教育プログラムという考え方を取り入れていかないと,今のような教員の配置なども変わっていかないのではないか。
 設置審査を変えればいいのでしょうが,そう簡単には変わらないと思いますので,変えるためにはプログラム化して,いわゆる短期大学士プログラムといった,教育プログラムという考え方で地域総合科学科や,あるいは今後の新しい学科を考える必要があります。そのためには柔軟に対応してもらいたいし,その方が現実的ではないかと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございました。大切な御指摘だと思います。
 ほかに,よろしいですか。それでは,次に論点4です。当面の推進方策,これは何の推進方策ですか。どういうイメージで当面の推進方策にしたのですか。
【君塚大学振興課長補佐】  例えば,先ほど機能の話が四つあって,いろいろ御意見いただいたところですけれども,そこについて具体的に課題によってどのような推進の仕方,機能強化に結び付けていくようなものが必要かということで,掲げさせていただいた次第でございます。
【佐藤座長】  最終的にはどういうキャプションにするか,併せて考えなくてはいけないのですけれど,とりあえずここに整理されている範囲でいかがですか,何か御意見があれば御発言いただきたいと思います。
 何げなく書いてあることで,非常に重要な意味を持つと思われるのが,最初に出てくるわけですけれども,機能分化の話です。前のところで,役割だ機能だというのは列記するなり整理します。大学全体の議論の中では機能分化ということが言われているわけですけれど,ここでも機能分化することが短期大学としての未来を明るくするという視点に立つ話なのかどうなのかというところが,必ずしも議論していない話だと思いますけれども,そのようなことも若干気になりますが,いかがですか。
 たたき台を,各段階で最初の丸の最後の段ですが,適切に機能分化することによって,必要な支援を行うというのは,分化した方が公的な支援を行いやすいという,そのような思いがこもっているのですか。
【里見大学振興課長】  先ほどの話ともつながっているとは思うのですが,つまり短期大学の場合には学位が出せるということが非常に大きな特長であると思うのですけれども,したがって,それにふさわしい教員組織を持つという前提で,このモードはできていると考えています。ですので,例えば教員組織をかなり実務家によった形にしていくことで,果たして学位を出す機関としてふさわしいのかどうかというのは,一つ問題としては生じることであろうと思います。
 もう一つ,短期大学が非常強みとして持っている部分の中で,ほかの学校のいろいろな年代が通える学校種と何が違うのかということで考えていった場合も,より特長が分かりやすい方が短期大学の振興という観点からはよりスムーズだろうということで,特に強調して書いているような部分になるかと思っております。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 機能分化論を含めまして,この論点4についていかがですか。あるいは何か,当面取り組むべき推進方策の中で落ちているものがあるとか,これは補っておきたいとか,何かございますか。
 では,この論点4と,それからまだペンディングになっています論点5に示されていることも,併せて御発言いただく方が楽かという気がしたのですけれど,いかがですか。今すぐできるもの,すべきもの,それからこう思うのだけれども,急には無理だろうから中期的な課題として指摘しておきたいということを含めて御発言いただいて結構だと思います。いかがですか。
 大野委員。
【大野委員】  これまで話題に出たと思いますが,女性の学び直し,特に短期大学は女子の高等教育機関として大きな役割を果たしてきて,卒業生が実際に社会で活躍し,変化する社会の中で新しい知見を学びたいといったときに,それぞれ短期大学はそれなりのケアはしていると思うのですけれども,これが大きな仕組みとして動くようになると随分それは女性の学び直しという形に役立つと思いますので,その視点を加えていただければ有り難いと思います。
【佐藤座長】  社会人の学び直しというのは最近にわかに言われるけれども,短期大学としては女性の学び直しに力を入れて。
【大野委員】  社会人。
【佐藤座長】  いかがですか。滝川委員,どうぞ。
【滝川委員】  先ほど小林雅之先生が5点か6点ぐらいの追加の話をされたのですけれど,そのような課題があって,それで次にアクションという,例えばアジェンダとしてはどういうものかというのを考えると,例えば財政基盤を強化するために,どのような策を打っていく,そのような推進策が必要であるとか,それからIRを支援するためにどのようなことが必要であるとか,それから一番強く早い段階で進めてほしいと思いますのは,もっとその短期大学のPR,情報発信についての強化をしていただきたい。
 このあたりのところを,前の課題に呼応するような形で,当面の推進策の中に是非書き込んでいただけたらと思いますので,お願いいたします。
【佐藤座長】  ごもっともです。そういう意味では,論点3,4,5というのはつながってくる話です。そういった中で,例えば先ほど清水委員,小林委員御指摘になりました高等教育全体の中での短期大学の役回りということについても,清水委員は優れた短期大学関係者が課題だという意味合いのことをおっしゃいましたけれど,それももっとも。同時に,国が制度としてこれを維持する以上は,どのようなことを短期高等教育,その中でのとりわけ短期大学には期待をしていくのかということも,国の課題でもあると思いますので,それは是非取り上げていただきたいと思います。
 それと,最前から地域との話が出てまいりまして,それで前回のリクエストに応えて参考資料3に都道府県並びに中核市の教育振興基本計画の資料が出てまいりました。短期大学が真(しん)にコミュニティニーズに呼応していくためには,地域の都道府県や市町村などのセクターが,より高等教育に注目して,高等教育の活用をしていく。そしてそれに対して応分の負担もしていくという視点が必要であろうと思います。
 もちろん文部科学省が全国規模で高等教育を所掌しておられますし,生涯学習政策局を中心におやりになっているところですけれども,それぞれの地方公共団体,あるいは自治体が我がこととして高等教育をどう受益していくか,そしてそれを地域の住民の教育の水準維持向上,そして地域発展に生かしていくかという視点も必要だと思います。
 そういう意味においては,現行の行財政スキームというか,国と地方との分担の中で簡単に変えることはできない話かもしれませんけれども,そのような方向性は示しておきたいと思います。中期的な検討課題に入るのではないかと思います。それ抜きには,本当の意味で地方,地域の実際的な人材ニーズ,あるいは学修ニーズにきめ細かに応えることはかなり難しい,絵に描いたもちになるおそれがあるという気がしております。
 ほかにはいかがですか。どうぞ,清水委員。
【清水委員】  先ほども少し触れましたが,臨時教育審議会で打ち出した生涯学習体系への移行について,今年でもう30年になりますけれど,まだ我が国は生涯学習体系への移行というのは実現されていないと思います。
 その中で,短期大学の果たす役割は非常に大きいと思いますので,生涯学習機会の提供というのは,私も非常に適当な言葉ではないかと思います。その上で,国の政策として生涯学習体系の構築というフレームワークでいいのですが,高等教育政策の中に短期大学政策も,これからは含めていってもらいたいというのが強い願いです。
 これまでの高等教育政策というのは,副次的といいますか,短期大学については正面から取り上げられてこなかったということが言えると思います。短期高等教育という言葉は余り使わずに,高等教育政策の中できちんと短期大学の政策を取り上げてもらいたいということです。
 もう一つは,生涯学習体系への移行という場合には,学位プログラムの体系化と,生涯学習プログラムの体系化,この二つがあると思うのです。生涯学習プログラムの体系化は非学位でもいいと思いますが,学位プログラムの体系化と非学位プログラムの体系化が大きな課題になってきます。
 その意味でも,短期大学士という中身を明確にしないと,世界に認められないと思います。国もですが,日本私立短期大学協会とか全国公立短期大学協会とか,そのような関係団体にも御努力をしていただきたい。例えばトランスファーは制度化されているのですが,我が国のトランスファーのプログラムあるいは基本方針は何なのかと言われたときに,誰も答えられないのです。受入れ側も,あるいは送り出し側も,ただその制度があるから,それに乗っているだけで,我が国のトランスファーのミッションが何なのか,あるいはそこで求められる能力は何なのか,そこでの目標とかプログラムは何なのかというものは一大学とか一短期大学とか一個人でできるものではないので,国とか団体とがしっかりと我が国のトランスファーのポリシーはこうですと明確にすべきであると考えています。
 もう一つだけ付け加えますと,先ほどのファーストステージというものをより強固にするためには,今の編入学定員をもっと拡充してもらいたいと思います。入学定員から収容定員に変わったというのは,正にファーストステージを生み出した要因です。私の大学でも編入学にたくさん来ます。高等専門学校とか短期大学からも来ますけれど,編入学定員十分がないために多くの人を落とさざるを得ないのです。編入学定員を増やそうとすると,収容定員の縛りとか入学定員の縛りがありますから,1,2年生の定員を減らして,それを編入学に持っていくぐらいしか方法がないのです。なかなか壁が厚い。できるようになれば,我が国でもトランスファーがもっと増えて充実できるのではないか。
 そうして短期大学の質の高い教養教育とか,少人数教育が評価されて,高校生の進学行動も,短期大学に入ってから4大へトランスファーしていくという新しい流れに変わっていくのではないかと思います。そそれによって,短期大学と4年制大学の役割も明確にあんり非常にうまく接続するようになるのではないかと思います。
 少し長くなりましたが,以上です。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 定員のことです。特に私立大学は比較的自由という表現はおかしいですけれども,その気になれば編入学定員の部分を上乗せして,収容定員の変更は道筋としてはかなり自主的にできるようになっていますけれども,国立大学は難しい感じですか。よく分かりませんが。
 ほかにはいかがですか。小林雅之委員が挙げられた,公的支援の中で,小林委員が主として学生に対する公的支援を中心におっしゃった。それだけでなく財務基盤の整備ということも挙げられましたけれども,今の私立大学,私立短期大学に対する公的助成の圧倒的部分は,当然のことながら学位課程に関する支援です。これから短期大学が地域の教育ニーズに呼応して,非学位課程も充実していく,ここも充実していくだけではなくて,先ほどの資料にありますように専攻科や別科が既に相当程度普及しておるし,履修証明プログラムもやっている。こういった一連のいわゆる非学位課程に対する支援の在り方はどうなのかということも,検討課題であろうと思いますが,いかがですか。
【里見大学振興課長】  今,私ども生涯学習という言葉では,余り支援のメニューにはなっていなくて,むしろ社会人の学び直しという言葉で,恐らくメニューになっているのではないかと思います。
 今,生涯学習局の方で,中核人材の育成というプログラムがありますけれども,正にこれが短期大学も含めて,社会人がそれぞれの産業界としっかり連携をしながら学びをするときの一つの場として支援するような仕組みでありますし,短期大学にではありませんが,私どもが今年から始めている事業の中では,更にそれを大学院のレベルでも支援する。
 ですから高等教育が,むしろ生涯学習の方に踏み出して支援するようなプロクラムというのがだんだん出てきている状況かと思っております。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 それでは,もう少し時間がございますので,全体を通してまだ言い残していることがあるか,あるいは議論に落ちがないかどうか,この点に思いをはせながら,資料3にあります,いわゆる報告書としてとりまとめていくプロットの体系について,お気付きの点があれば御発言いただくと有り難いと思います。
 事務局の方から,とりあえずのたたき台としてお出しになったときの思いといいましょうか,視点をもう少し説明していただけますか。
【君塚大学振興課長補佐】  こちらの方は,まとめるに当たってこのようなフレームワークでということをイメージさせていただいて,本日頂いた意見等をもとにして,これをフレームに項目立てをして,今頂いた意見などをそれぞれ文言に盛り込んでいこうかという形で,基本的に資料2に示した項目とフレームというのは,若干項目間の入替えはありますけれども,大体内容については,最後は「など」ということで,これから更に変わろうということも含め,示させていただいたわけでございまして,基本的には資料2に触れられたことを,若干細かくフレームにしたということでございます。
【佐藤座長】  委員の先生方の御意見や御質問,いかがですか。
 小林浩委員,どうぞ。
【小林(浩)委員】  今,いろいろお話ししてきた中で,これは少し違うのかなというのが1点ございまして,1の(4)の短期大学の課題のところで,4年制大学志向というのは,確かにこれまではあったのですが,2010年以降は4年制大学への進学率はほぼ横ばいになっておりまして,専門学校への現役進学率が4年連続上がっている。
 景気が回復してきてどうなるかというのは,これからの調査等の結果を見ないと分からないのですが,先ほど来出ているとおり,4年制大学志向もありながら,専門学校との役割の明確化というのも一つ課題になっているのではないかと思います。
【佐藤座長】  なるほど。10年,20年単位の大きなトレンドから言うと,やはり4年制大学志向というのが確かに見られる話ですが,これを基本としながらも,ごく最近の傾向としては,そのようなこともある。
【小林(浩)委員】  現役の進学率は4年連続で専門学校が伸びていまして,2010年に大学への現役進学率は横ばいに入っているというのが文部科学省の発表で出ております。
【中山委員】  公立短期大学が次々に4年制になっているという事実もあります。だから,そのような文脈として,僕は取ったのです。
【小林(浩)委員】  両方あるのです。
【中山委員】  両方あるのです。短期大学が4年制に移行する,それは看護大学であり,医療技術の大学であり,そういったところが資格の問題で4年制に移行せざるを得ないという形で,公立短期大学はどんどん減り続けているのです。そのような読み方もできないことはない。学生はどちらを選ぶかという視点で書いているとすれば,私が言ったことは見当違いなのですけれど。
【小林(浩)委員】  短期大学が4年制大学を志向しているという意味でいうと,そのようなことです。
【中山委員】  ええ。志向せざるを得ない。資格要件が変わってきているからです。
【小林(浩)委員】  誰からの目線かということで,言葉の使い方が変わる。
【中山委員】  だから,その辺を整理していただければ。
【小林(浩)委員】  整理する必要がある。
【佐藤座長】  ありがとうございます。
 清水委員。
【清水委員】  今日の参考資料1-1専攻科の一覧,ありがとうございました。これを見ますと,このような実態は余り知られていないと思います。専攻科の中には150名定員などという立教女学院短期大学がありますが,高校と4年制大学との接続ということもありますが,短期大学の中における接続として,2年と上の専攻科の2プラス1とか2プラス2とかが可能です。
 しかも専攻科は学位にもつながるし,非学位にもつながる。例えば保育士とか幼稚園教諭などは,最初の2年で幼稚園教育を行い,その後専攻科で保育士を取るとか,いろいろな工夫が可能です。
 だから,このような資料を見ますと,短期大学の本科と専攻科,その中でのいろいろな工夫も顔になるのではないかと感じました。専攻科の役割とか活用というのも,どこかに特長として入れたらいかがでしょうか。
【佐藤座長】  おっしゃるとおりだと思います。論点1,2,3あたりですか,4か,必ずそれは盛り込んでおきたいと思います。
 ほかにいかがですか。
 今の清水先生がおっしゃった立教女学院短期大学の例ですけれども,皆さん御案内と思いますけれども,いい機会ですから申し上げますが,東京都独特な保育士養成の指導方針に沿って作られているものと思われます。幾つかの短期大学がそのように呼応していまして,つまり東京都が新たな保育士の養成については,2年制はよしとしない,3年掛けてじっくり養うべきだという方針を,十何年か前から打ち出しています。
 既存の短期大学は引き続き2年間でやっておりますけれど,その以後,新たに保育士養成に乗り出す短期大学については,2プラス1に誘導していったということがあります。ですから当該短期大学でも,幼児教育学科2年間では,短期大学士の学位プラス幼稚園教諭の免許のみ。更に保育士を取りたい場合には,専攻科1年を学んでという制度だと思います。
 これは特に定員が大きいから目立ちますけれども,そのようなプラスアルファの職業資格に呼応した専攻科というものも,実はこの中に相当数隠れて存在しております。これこそ非学位課程の一つの大きな特色だと思っております。
 ほかにいかがですか。安部委員。
【安部委員】  先ほど小林浩委員から,4年制大学の志願者は頭打ちだけれど,専門学校が伸びている。それは短期の2年,場合によっては1年の職業教育を志向している層が増えている。そのような志向の増減はどうしても景気の動向等々に左右されるのかもしれません。短期大学の職業教育を考える際に,この方向では既存の幼稚園教諭だとか保育士だとかの養成は,更にそれは引き続きやらなければいけないということが書いてあるのですけれども,例えば今,短期大学では,これまで専門学校で主に資格付与をやっていた調理師だとか美容師だとか,製菓衛生師という国家資格,並びに多種多様な民間の資格等々を付与するような職業教育をやっている。そのような学科も増えてきているわけです。
 先ほど短期大学の制度は,戦後からずっと続いた国家の財産ともいうべき高等教育機関ということも強調しなければいけないというお話もありましたけれども,要するに質の担保された短期間の高等教育機関である短期大学の職業教育というものを,現状を維持するだけではなくて拡大できるような,先ほど実務家教員も入れるような制度を設置するために,教員の審査基準を変えるとか,具体的にはそのようなことだと思うのですけれども,そのようなことが戦略として取れないのかと思うのです。
 短期の職業教育の質を上げるという役割が,短期大学の一つ大きな役割としてあるのではないかということがありますので,是非その辺をお願いしたいと思います。
【佐藤座長】  それは論点1でもあるし,また2のところにもう少し丁寧に書き加えてということですね。分かりました。
 ほかにはいかがですか。滝川委員,お願いします。
【滝川委員】  だんだん発言する機会がなくなってきますので,私学の先生方の賛否が分かれる内容なのですが,申し上げたいと思います。
 先ほど清水委員から話が出ました,例えばトランスファーの機能を充実していくというときに,一つ編入学といったものをもう少しやわらかい制度にした方がいいというお話がありましたけれども,トランスファーの問題についてとか,社会人の学び直しについて,一番ネックになってしまっているのは枠組みの問題ではなくて,入学金の問題ではないかと思っています。
 例えば,入り直すために入学金が掛かるような制度になっているので,どれだけ社会人の学び直しだと言いながらも,また編入だと言いながらも,そこでもう1回入学金を払わなければいけないことになると,これが大きな躊躇(ちゅうちょ)の要因になってしまっておりまして,今後,国としてこういった社会人の学び直しだとか,それから先ほど清水先生が言われたような,プログラムとして高等教育をこのように勉強していくといったところで,必ずネックになってくる問題になりますので,入学金の問題は大きな課題として検討が必要かと思います。
 こういったことを最後の課題のところか,若しくは今後の論点の一つとして挙げていただければと思います。
【佐藤座長】  なるほど。確かに賛否両論出てきますね。
【滝川委員】  賛否両論あると思いますが,学校を経営している人間の視点から言えば,それは入学金があるにこしたことはないのですけれども,学んでいる学生たちの視点から考えなければいけない,そのような時代に入っているかと思います。
 それが回りまわって国益につながってくるわけですので,方向性としては,入学金はなくし,いろいろな学校を渡り歩いて,学生たちが更にスキルアップを図ることができるという方向に向かうべきだと思います。
【佐藤座長】  ありがとうございます。学費をどう組み立てていくかというのを,国公私立共通の問題かもしれません。とりわけ私立では切実な問題と思いますけれど,その中の一つとして,もし今のようなことに言及するなら,同時に年単位の金額を定めているのが圧倒的多数ですけれど,それだけではない,それこそ細やかな生涯学習のニーズに応えるためには,また別な学費体系を考える必要があるのではないかと思ったりしています。
 それは,どうあらねばならないということではなくて,そのことも同時に当事者としては検討に値する話ではないかと思ったりしております。
 大野委員,どうぞ。
【大野委員】  これも関係者は多分賛否両論かもしれませんけれど,先ほどの清水委員のトランスファー,それからプログラム重視の路線で行くと,短期大学士の質を保証するのは何か。前,コアカリキュラムの話題も出ておりますけれども,このような方向に向かうのか,若しくはそれぞれ独自の道を行くのか。
 ただ,学修成果の可視化という点でいうと,時代のいろいろな要請に対応して,こういった実力が身に付いているということがきちんと証明できないと,多分受入れ側も,どの短期大学士が,どういう質なのかが分からないということになるのではないかと思います。
【佐藤座長】  大事な視点でした。ありがとうございました。
 論点3か4に,必ずそのことは入れておくべきだと思います。既に3回目か何かのところで,文部科学省からの委託という調査研究の成果の一端が披露されております。とりわけ職業資格を重視するのが一つの短期大学の生き方だとすれば,その職業資格について定めてある基準,多くは厚生労働省の指定規則などですけれども,それに合致していればよしとするのでは,少なくとも大学,短期大学としては情けない話で,それにプラスアルファ,どういう付加価値を付けるかというのが大きな課題です。
 そのためには,個々の大学,短期大学の努力もさることながら,大学団体であるとか,職業団体とか,様々な関係者と共同作業の中で,いわゆる一つのモデルコアカリキュラムなどを検討するということも,どこかには入れておいて,それが結果的に短期大学における専門職業教育の質の充実向上につながるはずであります。
 それも課題として,是非目こぼしのないようにしておきたいと思います。
 ほかにいかがですか。よろしいですか。それでは事務局から,これからのとりまとめのプロセスといいましょうか,流れについて少し御説明いただければと思います。
【君塚大学振興課長補佐】  本日頂きました意見をもとに,まとめに向かってその骨子というよりは,もう少しまとめに近いような形で,次回お示しできればと考えておりまして,日程についても,それほど間を置かないで7月中に。本来であれば調整した上で,本日日程をお示しできたらよかったのですけれど,若干まだ調整が必要なので,また後ほど改めて具体的な日程をお示ししたいと思いますけれども,7月の中旬ぐらいにはと思っております。その中で,本日頂いた意見につきまして,更に反映させていただきまして,まとめに近い形でお示しできればと思っております。
 以上です。
【佐藤座長】  ありがとうございました。これから正念場でございますので,どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。7月中旬という大体の日程でございますが,それに向けて1日でも前倒しでお進めいただいて,多分資料3も第1読会でしたので,今日の多様な意見を踏まえて,もう少し組立てが変わってくるのではなかろうかと思っております。そのようなプロットの提示につきましても,1日も早く省内で御検討いただきまして,委員にお示しいただければ有り難いと思います。
 そういたしますと,7月の中旬には報告書の体裁で,報告書の文案のような形でみんなで検討できるということですね。
【君塚大学振興課長補佐】  そのように考えております。
【佐藤座長】  そうなりますと,3月,4月あたりに申し上げた日程では必ずしも十分ではないので,場合によりましては,もう1回御足労いただくことにもなり得ますので,この後も委員の先生方,御了解いただければいいと思います。1回だけの報告書の議論,1回だけで済むかどうか大変厳しいところでございますので,場合によりましたらば,既に日程伺も出ていると思いますけれども,下手すると8月初旬ぐらいまでにずれ込んで,更に駄目押しということもあり得るということで,御理解いただければ有り難いと思っております。
 一,二分残しておりますけれど,今日は非常に多様な意見交換ができました。充実した審議会だったと思います。ありがとうございました。
 それでは,次の回を大変楽しみにしております。ありがとうございました。これにて閉会いたします。

―― 了 ――

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