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組織運営部会(第5回) 議事要旨

1.日時

平成25年10月29日(火曜日)14時~17時

2.場所

文部科学省3階3F1特別会議室

3.議事要旨

(1)大学からの個別ヒアリング(長崎大学及び広島修道大学)について,資料1及び2に基づき以下のような説明があった。

【長崎大学】

・2004年の国立大学法人化は,地方総合大学の個性化の背中を大きく押す改革であった。法人化により,国立大学に初めてマネジメントの概念が導入され,トップマネジメントである学長には格段の権限と責任が付与されるという制度設計。
・この制度設計を生かして,いかに学長主導のガバナンスを確立し,迅速な改革推進を行うかが今の国立大学の最大の課題である。
・長崎大学のガバナンス体制構築に当たっての四つの観点:「迅速かつ機動的な意思決定を行うこと」,「大学業務を学長の下にライン化すること」,「学長主導の企画立案機能を有すること」,「部局との意思疎通と連携」である。
・理事と監事が出席する役員懇談会を毎週開催し,迅速な意思決定を担保している。
・大学のそれぞれの業務をライン化し,トップに副学長を配するというガバナンス体制をとっている。週に1回,学長・副学長会議を開催してライン間の連携を密にしている。
・学長主導の企画立案機能の担保のために,学長室を設けている。懸案ごとに外部有識者を含むワーキンググループを学長室内に設置し,理事もしくは副学長が座長を務め,学長も出席して議論をリードする形で運営している。
・6年間で計12個のワーキンググループを設置し,改革推進の原動力となっている。
・部局との連携については,学長による部局長の指名制度の導入。学長が特に必要があると認めるときは,部局長を指名することができ,病院長に関しては,学長が指名する理事をもって充てている。
・教授会によって選考された新任あるいは再任の部局長には,教育研究評議会での所信表明を義務付け,所信表明の前には役員懇談会において,執行部の方針とのすり合わせを行っている。
・一部の部局においては,教授会の審議を教学機能に限定した上で部局運営会議を設置して,この部局運営会議で重要事項を審議するという形にしている。
・懸案事項によっては学長が教授会に出向いて,現場の教員と直接議論するといった機会を設けている。
・大学の経営を左右する大学病院と,大学の個性を発揮するための最重要部局とで部局長指名と部局運営会議の設置の制度を適用している。
・平成24年度の新しい教養教育においては,従来の教養教育科目のうち複数の7科目から8科目の集合体をモジュール化し,学生に選択させるという仕組みをつくり,徹底的にアクティブ・ラーニングを導入するという改革を行い,特に,学士課程教育改革のドライビングフォースの役割も担う組織改革として,学生定員と教員ポストの再配置により人文社会系新学部「多文化社会学部」を平成26年度に開設する。
・比較的スムーズに改革が進んだ要因は,大学内の企画立案の早い段階から外部の有識者とともに関係部局の教員を加えた議論を行い,見識と実現性の高い案ができたこと,ポイントポイントで説明会を開催するとともに,教授会に足を運び教員との直接の意見交換を行ったこと,学長の志がぶれないことの三つが挙げられる。
・改革の成果として,外部人材を登用することによって,これまでの国立大学になかった新しい機能を幾つか導入することができた。
・大学病院は,平成21年に学部教授会(医学部・歯学部)から切り離し大学直轄の組織とし,病院の予算あるいは教員人事を大学本体から独立させた結果,診療稼働額が対20年度比63億増,35%アップという驚異的な伸びを示し,病院長のリーダーシップあるいは的確な経営目標の設定ということが有効に機能した結果である。これは,国立大学法人化の大きな成果が一つあらわれているものと考える。
・新教育の導入に際しては,教室の仕様をアクティブ・ラーニング仕様に大きく変えたり,クリッカー等の設備を導入したり,FDを繰り返すなどの相当な準備をして臨んだ。
・学生による授業評価等の結果から,アクティブ・ラーニングの指標は,開始半年後,1年後と伸びており,確実にアクティブ・ラーニングの普及がなされていると考える。ただし,学生の満足度という観点では,新教育開始前に比べ開始半年後は落ちており,改革に伴うリスクが学生の不利益という形で表れたと言える。
・長崎大学では国立大学法人化の制度設計を利用して,学長によるガバナンスがある程度機能した。その結果改革が進み,一定程度の機能強化が図れてきている。
・改革のスピードアップのためには,予算,規制緩和の問題,学生支援の問題と課題が様々ある中で教職員の意識改革が必要。
・改革にはリスクを伴うが,リスクを恐れない覚悟を教職員に求める必要がある。
・教育改革においては,特にリスクは学生の不利益という形で表れるので,頻繁にモニタリングをやってリスクをマネジメントすることが教員にも大学にも求められている。

【広島修道大学】

・大学改革には制度と人の両方の側面が大切であり,制度だけでは大学の改革が進まない。
・広島修道大学の理事長は理事会・評議員会・常務理事会等を開催するときなどには出席するが、いわゆる常勤ではない。
・重要な案件があるときに,理事長がその権限をきちんと発揮できるかどうかということが大切。
・理事会・評議員会は,予算,決算の時期,中間に1回ぐらいと定例で年3回開いており,さらに必要に応じてその都度開かれる。
・監事は3名おり,弁護士,公認会計士,企業の役員が就いている。
・評議員の構成は,全体で58名ということで,うち20名が大学・中高の教職員。
・監事の役割について,教学まで含めて考えると,監事が教職員経験者であれば,大学の教学事項をある程度理解した上で,いろいろな監査ができるのではないか。
・常務理事会については,月1回開催される。理事長,専務理事,大学学長とか校長,それから副学長,学部長の中から選ばれた者,修道中高の教頭,それに学外の同窓会の会長など,総計13名で構成されている。理事会に提案される議題は,ここでまず審議される。・学長の選任について,選挙は2回実施される。1回目は3名連記による投票を行って,その後3名の候補者が所信表明を書き,2回目の選挙を行って,3名の候補者を対象にして常務理事会でヒアリングを行い,理事会で正式に決定するという方法をとっている。
・教員が学長選挙に参加するプラス面は,この選挙を通じて4年に1回,その都度大学のことを考える機会になっており,また学長自身にとっては,自分がやっていること,それからやろうとしていることを構成員がどのように考えているのかということが分かる機会になっていること。マイナス面は採用1年目の教員も選挙権をもっているとか,教職員に不利益な改革をすると,そういうことをした学長は選ばれにくいということもあるように思われる。
・職員も全員ではないが,学長選挙に参加しており,職員の参加というのも非常に大切。職員も大学運営の構成員であり,教員とは違った観点から大学を見ているということもあり,職員の力というのはもっと評価されるべき。
・大学の運営の中核になっているのは運営委員会で,学部長,副学長,学長室長,教務部長,学生部長,事務局長,事務局次長などが毎週2時間ぐらいの会議を開いている。大学の最高の意思決定機関である大学評議会で審議される事項は運営委員会でまず審議される。リスク管理的な事項もここで意見を聞いている。
・予算建設委員会で大学全体の予算編成及び自己点検をしており,学長,副学長,学部長,事務局長,事務局次長,財務課長,それに学部教員1名がメンバーである。学部教員には大学の予算について知るいい機会になっている。
・教員推薦委員会では,全教員の採用について,大学評議会で決められた採用計画に従って,各学部で審査された候補者を審査し,候補者を1名に絞り,教授会で決定し,理事長が任命する。職員の採用については,法人の専務理事,学長と事務局長の間で協議して採用数を決定し,法人の専務理事,学長,副学長,事務局長,事務局次長,人事課長が最終面接を行なう。
・役職の任命については,全学教授会における選挙(一部の役職)の場合と大学評議会の同意による場合の二つの種類がある。全学教授会で役職者を選んでいる点については,ガバナンスという観点からは問題があるように思われる。
・学部長は,各学部の選挙で選ばれている。経営に関することについては教授会の事項から除くことが望ましい。
・教職協創という理念で広島修道大学を運営している。大学を直接的に担う教職員が,いかに大学創りをしていくのか,教職員一人一人が能力を高めていくことが,私学にとっては非常に大切である。

(2)両大学からの説明について,以下のような意見交換があった。

・大学の意思決定に関して,大きな方針を出すときに必ず教授会の承認を得なければならないとはなっていないものの,教員全員に意識をもってもらうべく,教授会の場を借りてしっかり議論してすりあわせることも必要との意見があった。
・大学の機能強化に向けた教職員の意識改革に関して,学生の不利益とならないように全学の教職員が危機意識を持ちながら教育改革を進めることや,大学が今どういう状況にあり何をやっているか課題を共有することの必要性について意見があった。
・大学の様々な課題への対応に関して,例えば特定のプロジェクトなどの推進に当たっては,学長の考える方向性と同じ方向を向いて改革ができるような副学長を据えて,責任をもって取り組む体制とすることが必要との意見があった。
・教員の人事に関して,大学全体の研究力を底上げするために,教員の研究業績を重視した人事を行うことの重要性や,その上で教育研究に専門性を有する教授会が人事においてはリーダーシップを発揮すべきであることを強調しつつ,一方で互助会的な人事にならないように注意すること,執行部がきちんとチェックできるシステムを導入していくことの必要性等について意見があった。
・国立大学のポイント制に関して,学内の人の配置について,学長の裁量が一定程度きく仕組みができていることについて意見があった。
・教授会に関して,全学的に管理すべき事項と学部で管理すべき事項が異なることから,それぞれ権限を明確に決める方がよいのではないかとの意見があった。

── 了 ──

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

-- 登録:平成26年01月 --