資料1-1 大学教育部会(平成27年9月4日)における主な御意見(三ポリシー関係)

 総論

・ 三つのポリシーにスタンダードがないので,各大学がいろいろなレベルのものをつくっている。ガイドラインがないと,各大学がそれぞれの状況に応じたものをつくることになり,結果的に学内での合意を得るために非常に漠然としたものになる傾向がある。
・ 三つのポリシーを,ガイドラインを設けて各大学ともしっかり見直していこうというのは,大変いいタイミング。
ガイドラインは必要だが,多様性,大学の機能分化に沿う形で各大学がどういう機能を持つのかということを考えていくべき
・ 三つのポリシーで必要最低限示されるべきことについて,専門的な研究者の話を聞いて議論すべき
・ 三つのポリシーの体系化は非常に重要だが,各大学の建学の精神や機能の在り方を考えた上で,(各大学が)主体的に考えていくべき
「三つのポリシーに基づく教学マネジメントの確立」がもっと強調されるべき
・ 各大学はポリシーをいつの段階までにつくればよいのかを示すべき
・ 三つのポリシーに注意が向きすぎている。概念が先走りすぎているのではないか。

三つのポリシーの構成単位 

三つのポリシーはどのような単位でつくるべきなのか。今は,AP とDP の単位が異なることや,学部内で学位の名称が異なる場合でも学部単位でポリシーをつくっているところがある。

アドミッション・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,ディプロマ・ポリシー 

・ アドミッション・ポリシーの定義の在り方をどう整理するかが課題。現状,入試制度のことまで織り込んだ細かいものもあれば,学部単位のおおざっぱなものもある。
アドミッション・ポリシーの中で,AO,推薦,専門高校用の入試それぞれでどういうレベルまで要求するかということを書くべき。その上で,学生が入学した後はどういうところを補って(各入試区分の学生の)レベルを合わせるということをCP で示し,どういう人材が育つかということをDP で示すもの。
「厳格な評価」については,我が国の場合,留年やドロップアウト,転学等に対する国民感情を前向きに位置付けられるようにしなければならない
留学生をアドミッション・ポリシーやディプロマ・ポリシーでどのようにとらえるべきかが課題

入学者選抜 

・ 知識・技能や思考力・判断力・表現力といったものは非常に重要。「学力の三要素」について,各大学がどういう学生を必要としているのかということに基づいて入試の在り方を考えるべき
・ AO,推薦,一般入試の区分を廃止するということについて,新たなルールを考える際には,必ずしも一つの試験形態にするのではなく,各大学が主体的に考えられるようなものにすべき
・ AO,推薦,一般の区分は現実的にできるのか。私学では難しいのでは。
あらゆる入試の形態に応じたカリキュラムがあり,最終的に(学生を)どのレベルまで育てるのかといったことを全部叙述することができるのか

評価 

アセスメント・ポリシーの議論を先延ばしにしてきたことが,大学のPDCA においてC ができていない状況を生んだ。これは,PDCA の方法論,責任と権利を大学に求めてこなかったことに起因。
・ 昨今の大学教育は多様性を目指してきたが,(高大接続改革で)評価は画一化に向かうのではないか。
・ 教育では,卒業の段階で間違いなくこういう指標で測って,こういうよい学生を作りましたとはなかなか言い難い。卒業して20 年,30 年たったときに,卒業生が社会でどのようになっているのかが分かるので,卒業生の評価や卒業生による出身大学の評価という観点も必要
三つのポリシーはつくっただけでは駄目で,それを動かして実体化していくことが重要。評価においても,この実体化をされているところがどうかということを評価すべき

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