資料5‐2 法曹養成に係る時間的コストの短縮に関する答申・報告等(抜粋)

法科大学院の設置基準等について(答申)」(平成14年8月5日 中央教育審議会)

3.その他

(3)法学部教育との関係

 法学部等が従来果たしてきた法的素養を備えた多数の人材を社会の様々な分野に送り出すという機能の一層の充実が期待される。
 また、学部段階においては、優れた成績を収めた者に対して、大学院への学部3年次からの飛び入学や学部4年未満での卒業など早期に大学院に入学できるような仕組みが既に開かれている。ただし、これらの者について法科大学院での3年未満での短期修了を一般的に認めると、学部段階において法曹に必要な幅広い教養を身に付けることがおろそかになるおそれがあり、適当ではない。
 法科大学院は、従来の法曹養成や法学教育の在り方についての深い反省に基づき、司法が21世紀の我が国社会において期待される役割を十分に果たすための人的基盤を確保することを目的として基幹的な高度専門教育機関たるべく構想されたものであり、

「法曹養成制度検討会議取りまとめ」(平成25年6月26日 法曹養成制度検討会議)

第3 法曹養成制度の在り方

1 法曹養成制度の理念と現状

(2)法曹志願者の減少、法曹の多様性の確保
  • 新しい法曹養成制度の導入後、法科大学院の志願者数は年々減少を続けており、現状のままでは、法曹の質を維持しつつ、その大幅の増加を図るという所期の理念の実現は困難ではないかとの懸念が示されている。
     また、司法制度改革審議会意見書では、多様なバックグラウンドを有する人材を多数法曹に受け入れるため、法科大学院には学部段階での専門分野を問わず受け入れ、また、社会人等にも広く門戸を開放する必要があるとされた。しかし、法科大学院の志願者が大幅に減少する中で、法学部の学生以外の志望者も減少しており、司法制度改革の理念の実現に支障が生じている。
  • 法曹志願者が減少する要因としては、司法試験の合格状況における法科大学院間のばらつきが大きく、全体としての司法試験の合格率がそれほど高くなっておらず、また、司法修習を終えた後も、法律事務所等に就職して活動を始めることが困難な者が増加しているといわれる状況にある一方、大学を卒業した後の数年にわたる法科大学院での就学やそのための相当額の金銭的負担を要することから、法曹を志願して法科大学院に入学することにリスクがあるととらえられている状況にあると考えられる。また、このことは、法曹の多様性確保が困難になっている要因としても当てはまる。
  • そこで、法曹志願者が減少する要因について、可能な限り解消するよう検討することにより、法曹志願者の増加や法曹の多様性の確保を図り、質・量ともに豊かな法曹の養成を目指すことが必要であり、法曹としての質の維持に留意しつつ、個々の論点における具体的な方策(司法修習終了者の就職状況については、前記第1及び第2で検討したとおりであり、法曹養成課程における経済的支援については後記(3)で、司法試験の合格率の上昇に資する法科大学院教育の質の向上については後記(2)で、司法試験制度については後記3で、それぞれ検討する。)を講ずる必要がある。また、法学部教育も含めた養成期間の短縮、例えば飛び入学等の積極的な運用も考えられる。

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(高等教育局専門教育課専門職大学院室法科大学院係)