資料3-1 大学院部会専門職学位課程ワーキンググループにおける検討結果について (報告)

検討結果のポイント

○専門職大学院については、設置基準上必ず置くこととされる専任教員(以下「必置教員」という。)は、他の学位課程の必置教員数に算入(以下「ダブルカウント」という。)できないこととされているが、制度創設後10年間の特例として、ダブルカウントが認められている。

○現在の特例が終了する平成26年度以降、専門職大学院のダブルカウントについては、教育上支障を生じない場合には、一個の専攻に限り、博士課程のみ認めることが適当と考える。

(考え方)

○専門職大学院では、その質保証の観点から、教員組織の一定程度の独立性を確保し、教育に専念する教員組織を充実することを制度創設の趣旨としているため、ダブルカウントを原則認めていない。

○これに対し、博士課程とのダブルカウントができなくなると、将来の専門職大学院教育を担う専任教員の後継者養成等に支障を生じる懸念があることから、この点を踏まえ、特例終了後も、博士課程とのダブルカウントのみ認めることが適当であると考える。

○これにより、今回の整理は、一般の大学院において、博士課程の前期(修士課程)と後期の間でダブルカウントが認められていることと同様の扱いとなる。

○その際、そもそも専門職大学院が、教員組織の充実を制度創設の趣旨としていることにかんがみると、博士課程とのダブルカウントを認めるにあたっては、教育上支障を生じない場合には、一個の専攻に限り認める旨を法令で明記することが適当であると考える。

(WGで検討がなされた留意事項)

○「議論の対象となる教員」について

 今回の議論は、あくまでも専門職大学院設置基準において規定する最低基準の教員が対象であり、この最低基準を超えて配置される教員は対象外。
 また、専門職大学院のダブルカウントの特例終了後であっても、いわゆる「兼担」として、自大学の別の専攻(学科)の教育研究を担当することは可能。

○「法令上明記する条件」について

 ダブルカウントを行うにあたり、教育上支障を生じない場合に認めるとの条件については、専門職大学院における教育上の必要性と教員組織に関する制度創設趣旨を踏まえた適切な対応が求められるものであり、この趣旨に基づく運用を図ることが、質保証の観点からは重要。

<関係法令等>

○学校教育法

第九十九条
2 大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするものは、専門職大学院とする。

○大学設置基準

(学部以外の基本組織)
第六条 学校教育法第八十五条ただし書に規定する学部以外の教育研究上の基本となる組織(以下「学部以外の基本組織」という。)は、当該大学の教育研究上の目的を達成するため有益かつ適切であると認められるものであつて、次の各号に掲げる要件を備えるものとする。(以下省略)

 (教員組織)
第七条 (前略)
2 大学は、教育研究の実施に当たり、教員の適切な役割分担の下で、組織的な連携体制を確保し、教育研究に係る責任の所在が明確になるように教員組織を編制するものとする。(以下省略)

 (専任教員数)
第十三条 大学における専任教員の数は、別表第一により当該大学に置く学部の種類及び規模に応じ定める教授等の数(共同学科を置く学部にあつては、当該学部における共同学科以外の学科を一の学部とみなして同表を適用して得られる教授等の数と第四十六条の規定により得られる当該共同学科に係る専任教員の数を合計した数)と別表第二により大学全体の収容定員に応じ定める教授等の数を合計した数以上とする。

○大学院設置基準

(研究科と学部等の関係)
第七条 研究科を組織するに当たっては、学部、大学附置の研究所等と適切な連携を図る等の措置により、当該研究科の組織が、その目的にふさわしいものとなるよう配慮するものとする。

(教員組織)
第八条 大学院には、その教育研究上の目的を達成するため、研究科及び専攻の規模並びに授与する学位の種類及び分野に応じ、必要な教員を置くものとする。
2 大学院は、教員の適切な役割分担及び連携体制を確保し、組織的な教育が行われるよう特に留意するものとする。
3 大学院の教員は、教育研究上支障を生じない場合には、学部、研究所等の教員等がこれを兼ねることができる

第九条 大学院には、前条第一項に規定する教員のうち次の各号に掲げる資格を有する教員を、専攻ごとに、文部科学大臣が別に定める数置くものとする。
 一 修士課程を担当する教員にあつては、次の一に該当し、かつ、その担当する専門分野に関し高度の教育研究上の指導能力があると認められる者
 イ 博士の学位を有し、研究上の業績を有する者
 ロ 研究上の業績がイの者に準ずると認められる者
 ハ 芸術、体育等特定の専門分野について高度の技術・技能を有する者
 ニ 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者
 二  博士課程を担当する教員にあつては、次の一に該当し、かつ、その担当する専門分野に関し、極めて高度の教育研究上の指導能力があると認められる者
 イ 博士の学位を有し、研究上の顕著な業績を有する者
 ロ 研究上の業績がイの者に準ずると認められる者
 ハ 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者
2 博士課程(前期及び後期の課程に区分する博士課程における前期の課程を除く。)を担当する教員は、教育研究上支障を生じない場合には、一個の専攻に限り、修士課程を担当する教員のうち前項第二号の資格を有する者がこれを兼ねることができる

(研究指導)
第十三条 研究指導は、第九条の規定により置かれる教員が行うものとする。

○専門職大学院設置基準

(教員組織)
第四条 専門職大学院には、研究科及び専攻の種類及び規模に応じ、教育上必要な教員を置くものとする。

第五条 専門職大学院には、前条に規定する教員のうち次の各号のいずれかに該当し、かつ、その担当する専門分野に関し高度の教育上の指導能力があると認められる専任教員を、専攻ごとに、文部科学大臣が別に定める数置くものとする。
  一 専攻分野について、教育上又は研究上の業績を有する者
  二 専攻分野について、高度の技術・技能を有する者
  三 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者
2 前項に規定する専任教員は、大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号)第十三条に規定する専任教員の数及び大学院設置基準(昭和四十九年文部省令第二十八号)第九条第一項に規定する教員の数に算入できないものとする。

附則第2項

 第五条第一項に規定する専任教員は、平成二十五年度までの間、第五条第二項の規定にかかわらず、第五条第一項に規定する教員の数の三分の一を超えない範囲で、大学設置基準第十三条に規定する専任教員の数及び大学院設置基準第九条に規定する教員の数に算入することができるものとする。ただし、大学院設置基準第九条に規定する教員のうち博士課程の後期の課程を担当する教員の数には、第五条第一項に規定する専任教員の数のすべてを算入することができるものとする。

○専門職大学院に関し必要な事項について定める件(平成十五年文部科学省告示第五十三号)

(専攻ごとに置くものとする専任教員の数)
第一条 専門職学位課程には,専攻ごとに,平成十一年文部省告示第百七十五号(大学院に専攻ごとに置くものとする教員の数について定める件)の別表第一及び別表第二に定める修士課程を担当する研究指導教員の数の一・五倍の数(小数点以下の端数があるときは,これを切り捨てる。)に,同告示の第二号,別表第一及び別表第二に定める修士課程を担当する研究指導補助教員の数を加えた数(第四項において「最小専門職大学院専任教員数」という。)の専任教員を置くとともに,同告示の別表第三に定める修士課程を担当する研究指導教員一人当たりの学生の収容定員に四分の三を乗じて算出される収容定員の数(小数点以下の端数があるときは,これを切り捨てる。)につき一人の専任教員を置くものとする。

お問合せ先

高等教育局専門教育課専門職大学院室法科大学院係

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)