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資料2 法科大学院に係る認証評価の見直しに関する留意事項について

 平成22年3月12日
中央教育審議会大学分科会
法科大学院特別委員会

法科大学院に係る認証評価の見直しに関する留意事項

 中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会は,平成21年4月17日にとりまとめた「法科大学院教育の質の向上のための改善方策について(報告)」(以下「特別委員会報告」という。)の提言及び平成22年3月の学校教育法第百十条第二項に規定する基準を適用するに際して必要な細目を定める省令(平成16年文部科学省令第7号)の一部改正などによる,認証評価機関の定める法科大学院の認証評価を行うための基準の見直しに関して,各認証評価機関に対し,次の事項に留意されるよう求めたい。

1.認証評価項目の改正関係(第4条第1項第1号)

(1)「イ 教育活動等の状況に係る情報の提供に関すること。」

 認証評価を受ける法科大学院(以下「受審法科大学院」という。)が,特別委員会報告において積極的に情報提供を行うべき事項として例示された事項などの基本的な情報について,法科大学院案内,入学者募集要項やホームページなどを通じて,自ら主体的に入学希望者をはじめとする社会一般に対して提供しているかを評価することが求められる。

(2)「ロ 入学者の選抜における入学者の多様性の確保及び適性の適確かつ客観的な評価に関すること。」

 受審法科大学院が,入学者選抜における競争的な環境を整え,入学者の質を確保するよう取り組んでいるかを評価する必要がある。
 その際,法科大学院適性試験について,実施機関により総受験者数や得点分布状況などを考慮した,法科大学院への入学に最低限必要と考えられる点数の基準が公表された場合には,受審法科大学院において当該基準が適切に活用されているかを評価することが求められる。
 特に,受審法科大学院の実施する入学者選抜において,社会人を含めたすべての受験者に対し,当該基準が等しく適用されているかを確認する必要がある。

(3)「ハ 専任教員の適切な配置その他の教員組織に関すること。」

 受審法科大学院が,専任教員について,法律基本科目をはじめとした教育上主要な科目において,その年齢構成にも配慮しながら,十分な教育研究上の業績や実務上の実績及び教育を担当する能力を有する者を確保し,適切に配置しているかを評価することが求められる。

(4)「ホ 教育上の目的を達成するために必要な授業科目の開設その他の体系的な教育課程の編成に関すること。」

 受審法科大学院が,法科大学院修了者の共通的な到達目標が策定された場合には,当該目標を踏まえて,必要な教育課程の編成や適切な学修指導を実施しているかを評価することが求められる。
 特に,受審法科大学院が,司法試験の解答の作成方法に傾斜した技術的教育などの司法試験の受験指導に過度に偏した教育や、法律基本科目や司法試験の選択科目となっている一部の授業科目に偏した教育を行っていないかを評価することが求められる。

(5)「ト 授業の方法に関すること。」

 受審法科大学院において,双方向・多方向的な授業方法を基本とした適切な授業方法により,教育が実施されているかを評価することが求められる。

(6)「チ 学修の成果に係る評価及び修了の認定の客観性及び厳格性の確保に関すること。」

 受審法科大学院において,GPA制度の活用などによる厳格な成績評価・修了認定が実施されているかを評価することが求められる。
 その際,GPA制度や進級制度の導入状況について形式的に評価するのではなく,受審法科大学院において当該制度が実質的に機能し,厳格な成績評価・修了認定が実施されているかを評価することが重要である。
 また,法科大学院修了者の共通的な到達目標が策定された場合には,受審法科大学院が,在籍する法科大学院生の当該目標の達成度について,厳格な成績評価・修了認定により適切に評価しているかを評価することが期待される。

(7)「リ 授業の内容及び方法の改善を図るための組織的な研修及び研究の実施に関すること。」

 受審法科大学院において,適切なファカルティ・ディベロップメント(教員の職能開発)が実施されるとともに,その充実が図られているかを評価することが求められる。

(8)「ヌ 学生が一年間又は一学期に履修科目として登録することができる単位数の上限の設定に関すること。」

 履修登録単位の上限の設定については,特別委員会報告において,引き続き36単位を標準とする考え方を維持しつつも,法学未修者教育の充実の観点から,各法科大学院の判断により法学未修者1年次については,配当する法律基本科目を6単位増加させ,最大42単位とすることを認めると提言されており,認証評価においては,当該提言を踏まえた評価を実施することが求められる。
 法学未修者1年次における当該増加単位は,あくまで法律基本科目に係る学修を補完することを目的としていることを踏まえ,受審法科大学院において,司法試験の受験対策が実施されていないか,過剰な学修範囲の拡大などにより法科大学院生の自学自修を妨げられる結果となっていないかなどを評価することが求められる。

(9)「ル 専門職大学院設置基準第二十五条第一項に規定する法学既修者の認定に関すること。」

 受審法科大学院の実施する法学既修者認定試験の内容が,認定により修得したものとみなす科目に対応して適切に実施されているかを評価する必要がある。

(10)「カ 法科大学院の課程を修了した者の進路(司法試験の合格状況を含む。)に関すること。」

 法曹養成の中核的機関という法科大学院の設置目的にかんがみ,司法試験の合格状況などを含む,法科大学院修了者の進路について評価することが求められる。
 法科大学院修了者の進路については,司法試験の合格状況や法曹三者(裁判官,検察官,弁護士)への進路のみではなく,受審法科大学院の掲げる人材育成の目標を踏まえた,企業や官公庁などの多様な職域への進路を含むものであることに留意する必要がある。
 特に,司法試験の合格状況については,単に司法試験合格率などの数値的指標のみで判断するのではなく,合格状況の分析やその改善に向けた教育内容・教育体制の見直しが適切に実施されているかなど,法科大学院の取組について総合的に評価される必要がある。
 また,法科大学院修了者の進路については,本人が進路に関する情報を提供しない場合や本人との連絡が取れない場合があるなど,全員の把握が難しい現状にあると考えられるが,各法科大学院においては可能な限りにおいてその把握に努めることが求められる。    よって,法科大学院修了者の進路の評価にあたっては,単に把握状況についての数値的指標のみで判断するのではなく,受審法科大学院において把握のための適切な取組が行われているかどうかをあわせてを評価する必要がある。

2.評価方法関係(第4条第1項第2号)

   「評価方法が、前号に掲げる事項のうち認証評価機関になろうとする者が法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律 (平成十四年法律第百三十九号)第二条に規定する法曹養成の基本理念を踏まえて特に重要と認める事項の評価結果を勘案しつつ総合的に評価するものその他の同法第五条第二項に規定する認定を適確に行うに足りるものであること。」

  「特に重要と認める事項」(特別委員会報告における「重点評価項目」)については,特別委員会報告で例示された項目※を踏まえて設定されることが期待される。また,それ以外についても,各認証評価機関の判断で,必要と思われる項目を付加することも考えられる。

 ※ 特別委員会報告において提言された「特に重要と認める事項」(重点評価項目)の例
  ・入学者の質(適性試験の状況(入学最低基準の運用状況など),競争倍率等の入学者選抜状況など)
  ・修了者の質(教育課程の編成の状況(授業科目間のバランス,共通的な到達目標の達成状況など),厳格な成績評価の実施状況,司法試験の合格状況など)
  ・教育体制の確保(教員の教育研究上の業績・能力,適正な入学定員の規模など)

  「特に重要と認める事項」として設定されていない項目についても,適格認定にあたっての総合的な判定の要素として考慮することを可能とする必要がある。
  明白かつ重大な法令違反については,適格認定にあたっての重要な判断要素であり,これについては,「特に重要と認める事項」に当たるか否かにかかわらず,評価結果の中で適切に取り扱われる必要がある。

お問合せ先

高等教育局専門教育課専門職大学院室

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)

-- 登録:平成22年09月 --