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法科大学院特別委員会(第57回) 議事録

1.日時

平成25年11月27日(水曜日) 10時30分~12時30分

2.場所

文部科学省中央合同庁舎7号館東館3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 法科大学院の組織見直しを促進するための公的支援の更なる強化について
  2. ワーキング・グループにおける調査検討経過報告について
  3. その他

4.出席者

委員

(臨時委員)有信睦弘、井上正仁、土井真一の各委員
(専門委員)磯村保、笠井治、樫見由美子、片山直也、鎌田薫、椎橋隆幸、杉山忠昭、田中成明、日吉由美子、松本裕、山本和彦、吉崎佳弥の各委員

文部科学省

(事務局)常盤高等教育局審議官、牛尾専門教育課長、今井専門職大学院室長、佐藤専門教育課課長補佐

5.議事録

【井上座長】
 おはようございます。所定の時刻になりましたので、第57回中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会を開催させていただきます。
 まず、事務局から配付資料の確認をお願いします。

【今井専門職大学院室長】
 それでは失礼いたします。配付資料、議事次第を御覧いただけたらと存じます。議事次第の4番目、配付資料でございます。
 資料1、前回の法科大学院特別委員会の議事録の案でございます。この後、内容を御確認いただきまして、御修正等ありましたら御連絡いただけたらと存じます。
 資料2-1、法科大学院の組織見直しを促進するための公的支援の見直しの更なる強化について。資料2-2、人的支援見直しの基準についてでございます。
 資料3、組織見直し促進に関する検討ワーキング・グループの調査検討経過報告。資料4、共通到達度確認試験等に関する検討ワーキング・グループの調査検討経過報告。資料5、今後法科大学院特別委員会として検討を要する事項(案)でございます。
 資料に不足がないかどうか御確認いただければと存じます。以上でございます。

【井上座長】
 よろしいでしょうか。御確認いただけましたでしょうか。
 それでは議事に入りたいと思います。まず、今月の11日に、法科大学院の組織見直しを促進するための公的支援の見直しの強化について、文部科学省から公表がなされましたので、それについて事務局より説明していただきます。

【今井専門職大学院室長】
 それでは失礼いたします。事務局より資料2-1に基づいて御説明させていただけたらと存じます。
 資料2-1、法科大学院の組織見直しを促進するための公的支援の見直しの更なる強化についてでございます。この施策につきましては、今月11日に文部科学省より公表させていただいたところでございます。
 この更なる強化策は、参考資料2、通しページ番号8ページ目以降でございますが、本年9月18日の法科大学院特別委員会での御議論を基本的な考え方とさせていただいた上で、発表をさせていただいたというところでございます。
 1ページ目にもう一度お戻りいただきまして、それぞれポイントを御説明したいと存じます。
 1番目の趣旨でございますが、一つ目の丸にございますように、本年7月、政府における関係閣僚会議の決定に基づきまして、この公的支援の見直しの強化策、そういったものを通じて入学定員の削減方策の検討実施、こういった組織見直しに取り組むことが求められているということがございます。
 また文部科学省としても、この中央教育審議会の法科大学院特別委員会の御提言も踏まえて、その策についての検討として、現行の公的支援の見直しの更なる強化策を図るということとさせていただきました。
 なお、強化策の概要でございますが、一番最後のページ、補足説明資料に基づいて御説明させていただけたらと存じます。
 今回の強化策につきましては、この後ろのページにございますように、ポイントが幾つかございます。現行の公的支援の見直しは、課題が深刻な法科大学院に対して司法試験の合格状況、入学定員の充足状況、それから競争倍率、こういった指標が特に状況が悪い場合には公的支援の一部を減額するというような仕組みとさせていただいたところでございまして、平成26年度までの該当校が決定した状況でございます。
 そして今回、先ほど御説明したような政府、それから中央教育審議会の御審議も踏まえて、その更なる強化策を平成27年度から実施させていただくことを考えております。
 その際に、これまでの仕組みから大きく変えさせていただきまして、上の二重線の箱の中の二重丸三つが大きなポイントとなっております。
 まず一つ目は基準についてでございます。先ほど申し上げたように、これまで特に状況が悪い場合を特定して一部減額という仕組みでありましたが、今回は司法試験の合格率、それから入学定員の充足率、多様な人材の確保の状況、地域性・夜間などの様々な指標に基づいて、全ての法科大学院を対象として、おおよそ三つの類型に分類していくことをさせていただきます。
 そして、各類型に関しまして、現在の入学定員充足状況ですが、全体で申し上げますと平成25年度においては4,261人の入学定員に対して入学者数が2,700人を若干下回る程度でございます。入学定員充足率で見ると0.6というのが平均でございますが、大体そういったものを各大学の状況を勘案させていただいた上で、その算定をさせていただいた公的支援の基礎額というものを下の絵のような形で設定をさせていただきたいと考えております。
 その上で、三つ目の二重丸でございます。先導的な教育システムの構築、教育プログラムの開発、また「質の高い教育提供を目指した連合」といった組織見直し、そういった優れた取組の御提案を、これから各大学にお考えいただく。来年度以降、恐らくは来年の9月に司法試験の合格状況が確定することをもってこの公的支援の更なる見直しの強化策がおおよそ固まってまいりますので、それ以降に各大学から提案を受け、内容を評価し、優れた取組として評価される場合には、そこに対しての加算をする仕組みとして導入し取り組ませていただけたらと考えております。
 概略はこの絵で描かせていただいたような状況でございまして、この破線の部分が一旦減額にはなりますが、右側の箱にありますように、それぞれの類型ごとに加算の可能性のある取組例をお示しして、かつ、この例を基に、さらに各大学でこれまでの取組、また今後取り組みたいと思っていること、そういったものを御検討いただいて御提案を頂く。そういった流れで今取り組んでいるという状況でございます。
 あとは簡単に御説明いたしますが、1ページ目以降にその強化策の概要と今御説明したような概略がございまして、1ページ目、2ページ目の(2)までが今の状況を文章化したものでございます。
 そして、3ページ目を御覧いただけたらと思いますが、今後実施のスケジュールでございます。今回こういった発表をさせていただいて、各大学での御検討のお願いを始めさせていただいたところでございます。
 そして、一応予定といたしましては、来年の9月末日までに来年の9月に行われます司法試験の結果をもって各大学からの御提案を頂くことを考えております。また、来年の10月から11月の中旬において、審査委員会における審査を経て、国立大学については平成27年度予算編成の過程において、その公的支援の額を決定していく。また、私立大学におきましては、私学助成の成果の過程上平成28年の3月頃にその公的支援の額を決定していく、という流れを考えているところでございます。
 4ページ目、5ページ目、6ページ目は、詳細なそれぞれの指標と点数の関係、また点数と類型の関係、そして類型と基礎額・加算条件とその加算の率の関係が記された資料を付けさせていただいているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、公的支援の更なる見直しの強化策についての説明とさせていただきたいと存じます。

【井上座長】
 ありがとうございました。前回のこの特別委員会において御審議いただいた内容を踏まえた方針であると考えております。
 これに併せて、課題を抱える法科大学院に対する裁判官及び検察官等の教員派遣の見直し方策に関し、内閣官房法曹養成制度改革推進室における検討状況について、資料を提供いただいております。これにつきましては、松本委員から御説明をお願いしたいと思います。

【松本委員】
 松本でございます。お手元の資料2-2を御覧ください。
 詳細は1枚目に記載しておりますが、2枚目のポンチ絵に基づいて御説明申し上げます。
 先ほど今井室長から御説明がございました文科省におかれましての公的支援の見直し基準のうち、第3類型に該当するものにつきましては、次年度における検事・裁判官の派遣をしないというところは一つの考え方でございます。
 さらに、第2類型でA・B・Cと3類型に更に分かれておりますところ、そのうちのB・Cの類型に該当するロースクールにつきましても、直近の入学者数が10名未満のロースクールに対しては次年度における検事・裁判官の派遣をしない。この二つの柱を検討しているところでございます。
 ピンクで次年度の教員派遣をしないと記載しておりますが、具体的には来年の司法試験の結果を当てはめたこの基準で、これに該当する法科大学院については検事・裁判官を派遣しないという取扱いにしたいと考えております。
 もう1枚おめくりください。色刷りのペーパーを付けておりますが、一番右枠に、現状におきましての検事・裁判官の派遣をしているロースクールについては丸を記載しておりますので、御参照いただければと思います。
 以上でございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 今御報告がありました2点につきましては、御意見等おありだと思いますけれども、本日は次の議事について、実質的な御議論をお願いしたいと思っておりますので、今御報告のあった点につきましては、差し当たり伺っておくにとどめ、御不明な点については後日、事務局まで御連絡いただければと思っております。そういうことにさせていただいてよろしいでしょうか。
 それでは本日、特にメインの議事と位置付けております事項に移りたいと思います。
 本年7月11日に、この特別委員会の下に設置した三つのワーキング・グループがございますけれども、そのうちの組織見直し促進に関する検討ワーキング・グループと共通到達度確認試験等に関する検討ワーキング・グループの二つのワーキング・グループにおける検討経過について、本日、御報告を頂き、それにつき皆様から御意見、御質問等を出していただければと思います。
 まず、組織見直し促進に関する検討ワーキング・グループの主査である土井委員より、同ワーキング・グループにおける調査・検討の経過について、御報告をお願いします。

【土井委員】
 組織見直し促進に関する検討ワーキング・グループの主査を務めております土井でございます。
 本ワーキング・グループでは、本年9月30日から11月22日までの間に、認証評価機関からのヒアリングを含めまして、5回にわたり集中的に調査・検討を行いました。このたび、ワーキング・グループとしての調査検討の経過報告を取りまとめさせていただきましたので、早速でございますが、資料3に沿って御説明をさせていただきます。
 本経過報告は、最初の目次にあるとおり、組織見直しを促進するための具体的方策に関する総論、次いで認証評価の抜本的な見直しと連合・連携、改組転換の促進に関する各論を示し、最後に組織見直しを促進するための必要な措置の検討に関する課題の整理を置く形で4点に取りまとめております。
 まず第1点目の組織見直しを促進するための具体的方策についてでございますが、資料2ページ目を御覧ください。法科大学院の組織見直しを促進するに当たっての基本的な考え方として、法科大学院は法曹養成のための教育を行うことを目的とするものであることなどに鑑み、課題が深刻で改善の見込みのない法科大学院は、自らの責任で早急に組織の抜本的見直しを行うべきであること、文部科学省は、大学教育の特性を踏まえ、大学の自主性・自律性を尊重しつつ、その抜本的な見直しを加速させる必要があることの2点を挙げております。
 その際の方向性として、今後の法科大学院の統廃合や定員の在り方について一定の目安を示す必要がございます。この点につきましては、閣僚会議決定の前提となった法曹養成制度検討会議の取りまとめでは、現状、司法試験の年間合格者数の数値目標は設定されていないものの、まずは法科大学院がこれまで司法試験合格者を相当数輩出してきた事実を踏まえて検討すべきであるとされていることを踏まえますと、第1に、法科大学院には、その修了者のうち例えば約7割から8割が司法試験に合格できるよう充実した教育を行うことが求められていること。第2に、法科大学院において厳格な成績判定・修了認定を行い、それを認証評価で担保すべきものであること。第3に、政府として、今後、法曹有資格者の活動領域拡大を推進する方向にあること。第4に、法科大学院への実入学者数が約2,700人弱となっていることなどを総合的に勘案し、本経過報告では、平成25年4月現在4,261人となっている入学定員を、3,000人程度を当面の目途として見直しを促進することに合理性があると示しております。
 以上のような方向性の実現に向けて、まずは、これまで取り組んできた組織見直し促進方策や既存の制度を最大限活用する観点から、3ページ目にございますとおり、三つの改善方策、すなわち、公的支援の抜本的な見直し、認証評価の抜本的な見直し、連合・連携、改組転換の促進を提示しているところでございます。
 なお、一つ目の公的支援の見直しの更なる強化策につきましては、先ほどの御紹介がございましたように、既に取組がスタートしていますので、本ワーキング・グループとしましては、その着実な実施が必要である旨を示すにとどめております。残りの認証評価の抜本的な見直しと連合・連携、改組転換の促進につきましては、より具体的な検討状況を、それぞれローマ数字の2、3で示しておりますので、更に御説明をさせていただきます。
 まず、法科大学院の認証評価につきましては、現行法制度上、学校教育法に基づき評価を受けることが義務付けられるとともに、連携法におきまして認証評価機関は、各法科大学院が評価基準に適合しているか否かの認定を行うことが義務付けられ、各法科大学院は、認証評価機関による「適格」との認定を受けるよう努めることとなっております。
 このように適格認定が法律上位置付けられていますことや、検討会議において認証評価による適格認定の厳格化について言及されていることを踏まえ、本経過報告におきましては、認証評価の結果に基づき各法科大学院の組織見直しが促進されるよう認証評価の在り方を見直すべき旨を示しております。
 また、現在2巡目を迎えております認証評価につきまして、客観的な指標を適切に活用しつつ、教育の実態や課題の改善状況を実質的に評価し、厳格な適格認定が行われるような見直しを行うことで、その信頼性を更に高めるため、認証評価の基準や手続と組織見直しとの関連付けについて速やかに検討する必要があるとしております。
 具体的な見直しにつきましては、4ページ目にございますとおり、例えば、司法試験の合格状況、入学者選抜状況など客観的な指標を評価項目に組み込むことや、教員の資質など教育活動に関する指標を充実し、法科大学院の実態を的確に判定できる評価項目を設定すること。第2に、重要な評価基準は統一化を図るとともに、評価方法を見直すなどして、不適格の判定が認証評価機関の間でばらつかないようにすること。第3に、課題が深刻な法科大学院については、認証評価期間の短縮などの評価の頻度を高める措置を行うこと。第4に、認証評価機関は、適格と認定した後にも、必要に応じ現状把握の報告を求め、状況の変化があれば、その改善を求められるようにすることなどを掲げております。これらにつきましては、3巡目からの実施を念頭に、検討に着手することが求められるとしております。
 なお、今後、組織見直しを促進するために必要な法的措置の検討が行われる場合には、例えば、組織見直しを検討すべき客観的な基準に該当した法科大学院について、国や評価機関が状況を精査し、一定の改善期間を設けた上で、法令上の違反の有無等を確認し、最終的に措置を講じるか否かを判断する仕組みなどが考えられます。ただし、その際には、認証評価の制度趣旨に鑑み、その結果が直接、国による措置の適用につながる仕組みとすることについては慎重な検討を要するとしております。
 続きまして、5ページ目の法科大学院の連合・連携、改組転換について御説明をさせていただきます。
 既存の法科大学院の組織見直しの在り方として、例えば、教育資源の有効活用を通じて単独では提供できなかった高い水準の教育を提供できる体制への再編や、修了者の就職が見込まれる関連分野の教育研究組織への改組転換が考えられるとしています。
 そして、促進すべき連合・連携は、法科大学院が抱えている課題の解決とともに、教育力の向上に資するものであることが不可欠であるとしております。
 より具体的に申し上げますと「連合」、例えば「連合大学院への改組」につきましては、原則法曹養成教育で成果を上げることが見込まれる法科大学院を基幹校とし、それに対して参加校の協力を得る体制とすることが必要であるとしております。また「統廃合」につきましては、教育力の向上など課題の解決につながることや、地域に教育拠点を残しながら体制を充実させることなど、実質的な成果がもたらされることが必要であり、見かけだけの形式的な統廃合とならないようにすべきである旨を示しております。
 次に、促進すべき「連携」につきましては、法科大学院間で互いの優位性を持つ教育研究資源を結集させるような共同教育課程の設置や、協定等に基づく学生や教員の派遣、受入れなど実質的な連携となることが必要であるとしています。
 さらに、課題が深刻な法科大学院については、この連合・連携以外に、法科大学院教育で培ったスキル・ノウハウを活用し、法曹養成以外の目的を持つ法学教育をベースとする他の教育組織への改組転換も視野に検討することが必要であるとしております。なお国は、教育力の高い法科大学院が課題を抱える法科大学院に対して支援を行うとともに、一定の教育力のある法科大学院間の連携により充実した教育体制を構築できるよう、大学の自主的な取組を促すための具体的な支援の在り方について検討することが必要である旨を示しております。
 最後に、本ワーキング・グループでは、組織見直しを促進するため必要な措置の検討に関する課題の整理を試みました。
 閣僚会議決定では、公的支援の見直しの更なる強化策等を講じても「一定期間内に組織見直しが進まないときは、課題が深刻で改善の見込みがない法科大学院について、法曹養成のための専門職大学院としての性格に鑑み、組織見直しを促進するため必要な法的措置を設けることとし、その具体的な在り方については、大学教育の特性に配慮しつつ、閣僚会議において2年以内に検討し、結論を得る」とされています。
 組織見直しについては、大学の自主性を尊重することが求められるところであり、法的措置を設ける前の段階で、課題が深刻な法科大学院において教育の社会的責任を自覚して自主的な組織見直しに取り組むこと、また、文部科学省において組織見直しを促進するため必要な措置を講じることが何よりもまず必要でございます。ただ、それでもなお、一定期間内に組織見直しが進まない場合には、法的措置を設けることとならざるを得ませんので、その検討に際しては大学教育の特性への配慮として考慮すべき要素など、現時点における課題の整理を試みた次第でございます。
 具体的には、そこに掲げておりますように、法曹養成制度全体の在り方との関連、考えられる法的措置が法曹養成制度に及ぼすメリット・デメリットの整理、課題が深刻で改善の見込みのない法科大学院が、設置認可を受けているということを前提として、これに対して取り得る法的措置の在り方、法的措置の対象となる法科大学院の認定に関する基本的な考え方や具体的な基準の在り方、法的措置が講じられた後の当該法科大学院の位置付けや組織の在り方などが考慮事項として挙げられ、これらの点については、今後の政府における検討動向に合わせて引き続き詳細な検討を要するものと考えるとしてございます。
 以上、組織見直し促進に関する検討ワーキング・グループの調査検討に関する経過報告をさせていただきました。特別委員会における御審議のほど、よろしくお願いいたします。以上でございます。

【井上座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの土井委員からの御報告に基づきまして御意見、御質問等がありましたら御発言をお願いしたいと思います。笠井委員。

【笠井委員】
 質問させていただきます。
 一つ目は、2ページの下の方に現在の入学定員を3,000人程度を当面の目途として見直しを促進すると書いてありますが、3,000人とされた根拠についてのワーキング・グループの議論状況をお教えいただきたいということと、「当面」というのはどのような期間を考えておられるのか。その根拠・合理性等について、お教えいただければというのが1点目です。よろしくお願いします。

【土井委員】
 具体的な考慮要素としては、そこに1から4まで掲げていることを考えております。
 冒頭に書かれていますように、現在の司法試験合格者数は大体2,000人前後で推移しているのでございますが、司法試験委員会において、法曹になろうとする者の必要な学識・能力を適正に判断されておられるということをまず前提にし、法科大学院の入学者数を前提に、大体現在どれぐらいの修了率であるのかを考え、さらに、約7割から8割が司法試験に合格できるよう充実した教育を行うことが求められるということを想定しますと、大体の数字の目途が出てくるだろうという判断で3,000人と結論付けたわけでございます。
 「当面の目途として」と書かれておりますのは、これは関係の閣僚会議の決定でもございますように、直接、司法試験の年間合格者数というわけではないかもしれませんが、今後求められる法曹人口について検討が行われることになっております。いつどのような形で出されるのかは、まだ明確ではございませんが、それが打ち出されれば、その後はそれを前提にして議論を進めていくことになろうかと思いますので、それまでの間、当面はこの方向でという趣旨でございます。

【井上座長】
 よろしいですか。

【笠井委員】
 はい、結構です。
 認証評価項目の点についても若干の質問がありますが、ちょっと飛ばしまして、5ページの連合・連携、改組転換の在り方とあるところの、ちょうど真ん中、2の2番目の丸、1番目の黒ぽつのところで、連合大学院の基幹校としての記述があり、参加校の協力とある。先ほどの土井委員の御説明でも、その旨の説明でありました。
 これは、言葉は悪いんですけれども、いわゆる弱者連合を認めないという趣旨での議論なのか。そこら辺について、お教えいただきたいと思います。

【土井委員】
 弱者連合という言い方がいいのかどうかは分かりませんけれども、連合大学院の場合、基幹校がございまして、それに対して協力校が付くという構成をとります。基幹校につきましては、やはり、少なくとも改善等を講じた場合に法曹養成教育で成果を上げることが見込まれる、その意味では、きっちり独り立ちができるような法科大学院が基幹校になる必要があるということを前提にしている。そういう意味でございます。

【井上座長】
 よろしいですか。

【笠井委員】
 はい。

【井上座長】
 椎橋委員。

【椎橋委員】
 2ページのところです。組織見直しの方向性は、基本的には私はよく考えられた方策であると思いますが、数値の記述について、2の(1)の3番目の丸の丸1の箇所で法科大学院修了者数の相当程度が司法試験に合格できるような充実した教育を行うことが求められているということで、相当数、例えば約七、八割というように、土井委員の報告でも、この点についてはっきりと約七、八割という数も言われているんですけど、この数を出すのは必要なのかどうか。
 というのは、今までも合格の数値目標のことでいろいろ批判されました。数値目標が達成できないと、法科大学院生や志望者に大きな失望感を与えて、それがマスコミの格好の餌食になるというか、そういうことがありました。例えば入学定員を3,000人として、司法試験の受験資格を5年に5回ということになった場合には、累積受験生がそれだけ多くなるわけですから、合格者数が2,000人程度と考えた場合には、合格率約七、八割というのは達成できないんじゃないかと。それを考えると、こういうような数を出すのはどうかなと、そういう感じを持ちました。

【井上座長】
 今のところですけれども、「求められている」という言葉でくくられているので、これは、ワーキング・グループの考え方というよりは、閣僚会議、さらにはその前提とする検討会議のまとめの中で、そのようなことが言われているということだと思います。その大本は、司法制度改革審議会の報告書でした。そこでも、こういうことが盛り込まれていたわけで、その趣旨は、それぐらいの充実した教育を行う必要があるということであったのですが、その数字だけ独り歩きしてしまったというのは、椎橋委員がおっしゃったとおりです。したがって、求められていることは求められているのだろうと思うのですが、その趣旨は今申したようなものなのではないかと思いますけれども、土井委員いかがですか。

【土井委員】
 正確には、充実した教育を行うことが求められていることという形になってはおります。
 ただ、これらのことは従来からも言われてきたことでございまして、ここに掲げられている数字が単年度合格率なのか、累積合格率なのかということは従来から議論のあるところではございますが、例えば累積合格率を前提にいたしますと、5年3回が5年5回になっても、数字的には変化はしないことが想定されますので、それを前提にしていただければ大体、従来の議論の延長かなと理解しております。

【椎橋委員】
 ただ、数字が独り歩きするということはよくあるものですから懸念を申し上げました。趣旨は、よく分かりました。

【井上座長】
 ほかの方、いかがですか。松本委員。

【松本委員】
 土井委員からの御説明の中に法的措置についての御指摘がございましたので、簡単に問題意識等を御説明申し上げます。内閣官房におきましては、その法的措置の具体的な内容というのは、正直申し上げまして検討を始めたばかりで、具体的な内容について御説明できるような状態には至っておりません。
 ただ、その課題のある法科大学院に対しまして、法的措置について検討するようにという課題を与えられておりますので、本日御説明がございました、この組織見直しの取組というものについては非常に関心を持っておりました。
 この点、土井委員から非常に詳細な御説明がございまして、本当にありがとうございます。
 その中で、例えば認証評価のところで申し上げますと、問題のあるロースクールにつきまして、一つのメルクマールといたしまして、冒頭、文科省におかれて御説明がありました公的支援の見直しの第3類型に該当するようなロースクール。これは問題のあるロースクールというような形で位置付けできるのではないかと考えておるところでございます。
 もちろん、この公的支援の見直しと組織見直しの認証評価の基準が違うというところで、必ずしも一致するものではないというところは認識しておるところでございますが、具体的な認証評価のその取組に当たりましては、このようなロースクールに対しては不適格という認定が行われる運用になってほしいなと思っているのが現状の内閣官房の問題意識でございます。
 以上でございます。

【井上座長】
 日吉さん、手を挙げておられましたが、どうぞ。

【日吉委員】
 5ページの連合・連携、改組転換の在り方の連合大学院への改組、統廃合に詳しい説明が付されております。そこの、まず連合大学院への改組のところで基幹校。先ほどの質問とは、ちょっと方向性の違う質問なんですが、この法曹養成教育で成果を上げることが見込まれるかどうかという判断をする仕方。それから、統廃合のところにもいろいろ説明が付されておりまして、教育力が向上するなど課題の解決につながる、あるいは地域に教育拠点を残しながら体制を充実させるなど、実質的な成果がもたらされるかどうかという判断。それから、課題が深刻な法科大学院間の形式的な統廃合ではないという判断。そういうものがなされて初めて連合、統廃合があるべき形になるということなんだと思うんですが。
 その具体的な判断の仕方なんですけど、これは質問です。ワーキング・グループのメンバーで御協議になったときに、そういった判断をする際の判断基準として、先出しの形で既に発表されました公的支援の見直しのこの指標と点数の関係などというリストを見ますと、いろいろな細かい評価基準が書いてございまして、それもまた細かい内訳が更にカテゴリー化されて、場合によっては二つとか三つとかというふうにカテゴリーがきちんと設けられて、点数まで設けられております。こういったものの判断基準、指標とリンクして御判断されるべきだというふうに考えて協議されたんでしょうか。それとも、また全然違う考え方から判断基準は設けられるべきだというような御協議だったんでしょうか。

【井上座長】
 土井委員。

【土井委員】
 ここの基準について詳細に、検討した状況ではございません。ただ、この改組転換は早急に進めていくべきだと考えておりますし、それから先ほど御説明のありました公的支援の見直し策というのが出てきているわけでございます。そこに加算という形で認められる連合・連携はどういうものなのかが議論されると思いますし、その際には、このペーパーにも書かれておりますように、審査委員会を設置して、そこで必要な基準等を定めて審査をされることになろうかと思いますので、当然そこと連携を取りながらやっていくということは想定でき得るのではないかと思いますが、まだワーキング・グループ自体で細かく詰めたわけではございません。

【井上座長】
 よろしいですか。では、樫見さん。

【樫見委員】
 2点お伺いさせていただきます。
 確認に近いのですが、まず具体的方策で5ページのところ。今問題になっているところですが、その中で連合大学院という場合に、基幹校。見込まれる法科大学院を基幹校とし、そして参加校。その場合、法科大学院の組織としては、基幹校も含めて参加校も、それぞれ独立に法科大学院、専門職大学院としての大学院であるのかどうか。あるいは連合として考えるのか。組織として大学院の存続が困難な状況にある地域における教育機会の確保ということになりますと、例えば、ある大学が基幹校と連合したときには、それぞれ立場的には三つ参加校があったとすると、それぞれ三つの法科大学院がそのまま独立として存続することを予定されているのか。「連合」ということの細かい組織的な意味が1点。
 それから、同じ5ページの中で、下から二つ目の丸ぽつでありますけれども、法曹養成以外を目的とした法学教育をベースとするほかの教育組織への改組転換。これは法科大学院ではなくて、例えば通常の大学院組織になるということを意味するのであって、法科大学院そのものの組織の在り方を変えることまでは含んでいないというふうに理解すればよろしいのでしょうか。
 以上の2点でございます。

【井上座長】
 1番目は、今井室長からお答え願えますか。

【今井専門職大学院室長】
 失礼いたします。まず一つ目の御質問にお答えさせていただきたいと存じます。資料3の37ページを御覧いただけたらと存じます。
 まず今回のワーキング・グループでの「連合」のお話につきましては二つ考えられるということで、連合大学院と統廃合ということで、要は複数校が一つに合わさるということを前提に考えております。そのうちの連合大学院については、現在の制度でいきますとこの37ページの下段右側の図にございますように、とりあえずA大学が基幹校になると。その上で、参加大学のB大学はあくまで、例えば教員の先生の派遣をしていただくとか、そういった形でA大学を支援していくことになります。連合大学院のスタイルといたしましては、まさにこの絵にありますように、基幹校が主たる大学になってくるということでございます。
 そういうことで、例えば学位につきましても同様で、A大学で学位が出ていくことに対して、B大学なり、このほかにもCとかDとか別の大学が出てきても、基本的には教員の派遣なり等々の協力関係を結ぶということでございますので、この連合大学院の仕組みは、今御説明した制度に則ったお話になってくるかと考えているところでございます。

【井上座長】
 2番目については土井委員から。

【土井委員】
 基本的には、法科大学院は法曹養成を目的とする大学院でございます。ここに書かれているのは法曹養成以外を目的とする法学教育でございますので、法科大学院ではなくなるということでございます。
 ただ、現在、法科大学院を組織されておられる教員ですとか施設を活用されて新たな組織形態に転換することは、それはそれで十分考えられることであろうということを前提にしております。

【井上座長】
 笠井委員。

【笠井委員】
 認証評価項目についての具体的な見直しの点です。4ページ。当該法科大学院の教育活動に関する指標を充実し、法科大学院の実態を的確に判定できるような評価項目とあります。私ども、よく聞く話としては、例えば教科、科目の中で国際プログラムの展開とか、あるいは先端・展開科目、夜間教育に取り組んでいる大学院がありますが、そうした大学院は往々にして、いわゆる課題を抱える大学院とされる大学院は多いのですね。
 先ほど文科省からの御説明で、公的支援の見直し強化の中で、当該大学院の教育活動と司法試験の合格状況等を重要な指標として、これを検討していくというお話がありまして、あくまで、その法科大学院に対する問題点をまず取り上げた上で、その上でプラス評価をする項目があるかどうかを検討すると、公的支援の見直しに関しては、そういうシステムになっている。
 認証評価として考えられることも、この組織見直しワーキング・グループの報告では、そのような前提で考えておられるのかどうなのか。積極的な取組をしている法科大学院について水を浴びせるのではないかという懸念を、しばしば他の方々から表明されることがあるものですから、その点どうなのか、議論状況を伺いたいと思いまして質問しました。

【井上座長】
 土井委員。

【土井委員】
 ワーキング・グループでの議論は、やはり法科大学院の果たすべきというか、目指すべき目的が法曹養成にあることを明確に確認すべきであるという議論でございました。当然その目的に照らして現状がどうなのかをしっかり判断するというのが、やはり原則であろうと考えております。
 そこにも記してございますように、設置基準は法科大学院が設置される前に審査をして、これが適切に教育をするだろうかということを判断する、そういう仕組みでございますので、この中に成果といいますか、実際どういう成果を出しているのかを基準に含めることは仕組み上なじまないということでございます。しかし認証評価は、実際に法科大学院が活動している段階で事後的にチェックをするものでございますので、当然その目的に照らして成果が出ているのかどうかをきちんと確認するというのが適切ではないかと思います。そこで問題があると認定されれば、一体どこに問題があるのかを基準に照らしてきちんと評価をしていく形にしなければ実質的な判断ができないということなのではないかと、そういう基本的な考え方で、ここのところを取りまとめてございます。
 もちろん御指摘のように積極的な取組を、国際プログラムを始め、やっておられるところがございます。それを全く評価しないというわけではなくて、当然そこは評価していくことになりますけれども、やはり本来の法曹養成の目的を果たした上で、更に多様な取組をされるのが原則であることを確認するということでございます。

【井上座長】
 今の点は検討会議の中で、地域性とか夜間とか、そういうところを重視すべきだという御意見が出たときも、単にそういうプログラムを掲げているだけでプラス評価にすべきなのではなく、その目的に応じたカリキュラムを具体的に組んでおり、しかも実績も挙げているかどうかというところまで踏み込んで評価しなければ、教育の質の評価としては十分ではないという意見を、私などは述べたのですけれども、そういうところとも関連してくるのだろうと思いますね。
 ほかの方、いかがでしょうか。今日は、もう少し時間がかかるのではないかと覚悟していたのですけど。
 後でも申し上げますけれど、これで打ち切りというわけではなく、本日はワーキング・グループからの報告を伺って、初めて疑問点をただしたり、御意見を頂く機会だという位置付けで、議論は更に今後も続けていきたいと考えていますので、特に発言を強いることはしませんけれども。

【椎橋委員】
 もう一つ質問して、よろしいですか。

【井上座長】
 どうぞ。

【椎橋委員】
 4ページの認証評価の中身が、従来に比べると、客観的な判断ができる項目に加えてというか、教育活動の内容に係るものにかなり踏み込んでくることになるような感じを受けるのですけれども、今までも認証評価は、教育活動の内容等に関する評価をやっておられますけれども、進級判定や修了認定の適切かつ厳格な実施の状況とか、研究業績を含む教員の資質とか。これらは従来よりも、もっと更に踏み込んだものになるということになるのでしょうか。
 それから、最後のぽつに法科大学院に求められる人材育成に資する教育課程の実施の状況と書いてありますけど、これは具体的にはどういうことをお考えになっているのか、お聞かせいただければありがたいと思います。

【井上座長】
 どうぞ、土井委員。

【土井委員】
 これらの指標、現在でも含まれておる指標でございまして、特段、全く違う新しいことを加えていけということよりも、むしろ実質をしっかり判断していただきたいということを強調するもので、それにふさわしい指標にしていただきたいということでございます。
 認証評価につきましては様々な評価機関がありますので一概に申し上げることはできませんけれども、どうしても形式的なところに拘泥していて、全体の実質を十分評価し切れていないのではないかといったような批判もあるところでございますので、そういう批判を受けないように、やはり法科大学院の教育活動の実態といいますか、きちんと法曹養成の責任を果たしているかどうかということを十分見られるような評価項目の充実を図っていただきたいということです。
 そうでなければ、客観指標だけで判断しますと、それはそれで、これもまた形式的ですし、一体、じゃ、その客観的指標をきちんと満たせないのはなぜなのかについて十分判断できないまま問題があるというだけでは認証評価の役割を十分果たしていないと考えられることから、これらの客観的な指標を満たさない場合に、どこに問題があって、どこを改善しないといけないのかをきちんと把握できるような指標を整えていただきたいということでございます。
 最後の部分については非常に抽象的な言い方をしておりまして、具体的に「こういうことを」ということを詰めているわけではございませんけれども、全体として今後法科大学院修了者は、いろんな分野への進出等を求められているわけですから、あるべき法曹像といいますか、法科大学院に期待されている人材、それをきちんと想定して、それに資するような教育課程をきちんと整備をして実現していただくことを記しているということでございます。

【椎橋委員】
 ありがとうございました。

【井上座長】
 どうぞ、田中委員。

【田中座長代理】
 認証評価の問題です。前回も少し指摘したのですが、現在の法科大学院の認証評価の仕組みを、全体の認証評価の仕組みの中でどのようにして実効的なものにするかということですが、制度設計の段階でもあれこれ考えたのですが、結局うまく法科大学院の設置認可とも司法試験の受験資格の問題とも結び付けるのが非常に難しくてギブアップした経緯があるんですね。
 ですから、法科大学院の認証評価を実効的にしようとするなら、連携法に基づいて、文科省の下にある仕組みとしての認証評価とは相対的に別個の認証評価の仕組みでも作らないと、既存の認証評価の仕組みをさわるというのは、今の状況から見て非常に難しいのじゃないかと思います。そのあたりをどうするかは、むしろ検討会議の問題かもしれませんが、現行の認証評価制度を、法曹養成制度全体の改革論議の中で要求されているようなものに変えるのは、かなり至難の業だという感じがするので、その点も少し制度的に詰めて考えていただいたらという気がします。

【土井委員】
 御指摘いただいた点は、この検討ワーキング・グループには、有信委員にもお入りいただいておりますので、かなり詰めて様々な議論をいたしました。その結果を少し入れさせていただいていますのが4ページの一番下の丸のところでございまして、もしも法的措置を最終的に導入せざるを得ない段階になったときに、現行の認証評価とどういう関係に立つのかについては、今後きちんと精査をする必要があることを指摘させていただいたということでございます。

【井上座長】
 そういうことになった場合に現行のままでいいのかどうかということも視野に入れながら、ということですね。現行の認証評価制度については色々御批判もあり、この特別委員会でも度々議論をして、認証評価機関にもこちらからの御希望を伝えたところりしたところです。一つは、客観的なものを取り入れていくということで、特に入り口、出口の実績のようなものが適切に反映されていないのではないかという批判があり、これについては、本特別委員会の下に置かれてきた改善状況調査ワーキング・グループの調査において、先取りして、そういった点にもわたる調査をしてきたわけですけれども、そういったものを認証評価の方に採り入れていくとともに、もっと実質的に評価できる仕組みにしていただきたいということだと思います。
 更に御発言がなければ、先ほど申したように、この点についてはこのくらいにして、次回以降も更に検討を続けていくことにしたいと思います。今御報告を伺ったワーキング・グループにつきましては、土井主査及び参画くださった委員の皆様に、短期間のうちに非常に精力的に御議論いただき、一応の経過報告をまとめていただきまして、ありがとうございました。
 それでは次に、共通到達度確認試験等に関する検討ワーキング・グループの主査である山本委員より、同ワーキング・グループにおける調査・検討の経過について、御報告をお願いしたいと思います。

【山本委員】
 共通到達度確認試験等に関する検討ワーキング・グループの主査を務めております山本でございます。
 本ワーキング・グループでは、本年10月1日から11月22日までの間、医学部等で行われている共用試験実施団体等からのヒアリングも含めまして、5回にわたり集中的に調査・検討を行ってきた結果、このたびワーキング・グループとしての調査検討経過報告を取りまとめさせていただきましたので、私から御報告をさせていただきます。資料4に沿って御説明をさせていただきます。
 1ページ目にありますように、本報告書の全体の構成は大きく三つの部分に分かれておりまして、1が共通到達度確認試験(仮称)の基本設計について、2が法学未修者が基本的な法律科目をより重点的に学ぶことを可能とするための仕組みについて、3が学生の適性等に応じ法曹以外への進路を目指す者に対する取組の充実についてということでございます。順に、御説明をさせていただきます。
 まず第1、共通到達度確認試験(仮称)の基本設計についてでございます。資料の2ページになります。まず1として基本的な考え方ということでございますが、一つ目の丸にありますとおり、本年7月、法曹養成制度関係閣僚会議決定におきまして、「文部科学省において、中教審の審議を踏まえ、法学未修者の教育の質の保証の観点から法科大学院が共通して客観的かつ厳格に進級判定を行う仕組みとして、共通到達度確認試験(仮称)の早期実現を目指すとともに、これを既修者にも活用できるものとしての基本設計・実施について、2年以内に検討を行う」とされたことが、本ワーキング・グループにおける検討の前提となっております。これを受けて、確認試験の目的・内容・実施方法等の基本設計を検討したということでございます。また二つ目の丸にありますとおり、ここで示す確認試験の基本設計は、確認試験が法科大学院の教育の質の向上に資するため、実際の教育現場において効率的かつ効果的に機能するものとなるよう、今後、速やかに試行に着手し、その結果も踏まえて、本格的な実施に向けた具体的な準備を行い、その過程において、適宜修正・変更を行うことを前提としているものであります。
 次に2、目的についてです。2点掲げておりますが、1点目は、法科大学院の教育課程において学修した内容について、各法科大学院が進級時に学生の到達度等を確認し、その後の学修・進路指導あるいは進級判定等に活用するということであります。
2点目は、学生の方が全国規模の比較の中で自らの学修到達度を把握することを通じて、その後の学修の進め方等の判断材料として活用することということが目的とされております。
 次に、具体的な試験の内容、実施方法等でございます。2ページ目の一番下、まず(1)の確認試験の実施時期、対象者及び試験科目でありますが、これは3ページ目の一番上の表を見ていただきますと、未修者コースにつきましては、1年次の在籍者について、その学年末に憲法、民法、刑法の3科目を実施するということ。それから、2年次の学年末というところですが、法学未修者コースの2年次在籍者と法学既修者コースの1年次在籍者について、2年次の学年末に、憲法、民法、刑法の3科目のほか、民事訴訟法、刑事訴訟法、商法、行政法というその他の科目についても実施することを基本として示しております。
 ただ、これらの点につきましては、先ほど述べました試行の中で、本格実施に向けてその試行を繰り返す中で、更に検討を進める必要があるということで、最後の丸にもありますように、その留意事項についても付記をしている次第であります。
 次に(2)試験の実施・位置付け等ということでありますけれども、本格実施時においては、全ての法科大学院の学生が確認試験を受験することを原則とすること。試験問題の作成や難易度の調整など実施に必要な作業に関しては、全ての法科大学院の協力を得る体制を構築することを原則とすること。試験結果については、当面、その後の学修・進路指導等の参考資料として活用し、試行等を通じて関係者の理解を得つつ、最終的には先ほどお話ししたような目的に即した適切な活用を図ることといったような点が必要である旨を示しております。
 (3)試験の難易度につきましては、法科大学院における共通的な到達目標モデルで示された内容を考慮しつつ、学修途上にある学生に対して実施されるものとして適切な難易度となるように留意して、先ほどの確認試験の目的に照らして適切なものとなるよう設定・調整を行うこととしております。
 1年次と2年次の学年末の双方で実施する試験科目─具体的に言えば憲法、民法、刑法が想定されているわけでありますが、これについては、その丸1として、出題範囲及び試験問題は共通として、受験年次に応じて到達度の目標を分けて判定する方法、丸2として、出題範囲は共通とするが、難易度の異なる試験を別途設定して、その到達度を判定する方法。丸3として、出題範囲の異なる試験を別途設定して、それぞれの到達度を判定する方法といったようなものが考えられますが、まずは丸1の方法によって、1年次の確認試験の試行に着手しつつ、2年次の確認試験の難易度を検討し、試行の状況に応じて、試験の難易度あるいは出題の仕方について更に検討を行うこととしております。
 次に、(4)試験方式についてであります。現在、類似する試験の先行例として、医学系等におけるコンピュータを活用した試験方式、いわゆるCBT方式というものが採用されておりますが、そのことを踏まえ、このようなコンピュータを活用した試験方式には、試験問題の難易度の調整あるいは採点、実施時期等で大学や学生の自由度が確保されるといった利点がある一方で、多数のストック問題を作成あるいは精選しなければならないこと、システムの導入・維持管理の負担といったような難点もあることを踏まえて、その方式につきましては、法科大学院における教育の特性や受験者数の規模にも十分配慮しつつ、紙媒体による試験実施の可能性も含めて、やはり試行の中で、更に具体的に検討することとしております。
 試行開始の時点においては、まずは試験問題の作成・精選や難易度の調整方法などを検証するため、より簡易な試験方式により速やかに試行に着手することが現実的であるということであります。
 次に(5)司法試験との関係でありますが、閣僚会議決定を前提とした上で、本ワーキング・グループの検討では、確認試験の実施と司法試験短答式試験の免除とは当然に関係付けられるものではなく、法科大学院における教育のあるべき姿と司法試験の試験科目の改正等の動向も踏まえつつ、司法試験の短答式試験との具体的な関係付けの方法については法務省等関係省庁と連携しながら検討・整理する必要があるとしております。
 その際、確認試験と司法試験短答式試験の制度趣旨の相違を考慮すると双方の試験科目が一致する必然性はないと考えられますが、司法試験との関係につきましては、確認試験の試行の結果と司法試験の合格状況の関係等を検証・分析しながら、法科大学院における学修が過度に知識偏重のものにならないよう十分留意しつつ検討を行う必要があるとして取りまとめております。
 4ページ一番下、(6)の留意事項としましては、例えば確認試験の結果が、学生・教員双方にとって、法学未修者教育の改善に資する効果的な手段としても活用されるようにすること。法科大学院の学修が、確認試験への対策に偏らないよう、また、未修者と既修者の差異に留意して試行や制度設計を行うことなどについて、留意すべき点として掲げております。
 次に4、本格実施に向けた試行についてでありますが、今後必要とされる点として、具体的には、確認試験の具体化には、試行による検証作業を通じて改善を図るというサイクルが不可欠であるため、速やかな試行に向けた準備に着手すること。その際、憲法、民法、刑法の3科目から試行に着手し、この結果等を踏まえて、更に他の法律科目の検討を進めること。未修者教育の改善という観点から、1年次の学年末に実施する確認試験については、より早期に本格実施に以降できるようにすること。試験問題の作成や実施・準備の体制など、試行の準備段階から、法科大学院関係者を中核としつつ、法曹三者の理解と協力を得ながら進めることといった点を示しているところでございます。
 以上が、共通到達度確認試験(仮称)の基本設計についての御報告でございます。
 次に6ページに移っていただきますと、ローマ数字2の法学未修者が基本的な法律科目をより重点的に学ぶことを可能とするための仕組みについてであります。
 関係閣僚会議決定におきまして、「文部科学省において、法学未修者が基本的な法律科目をより重点的に学ぶことを可能とするための仕組みの導入を1年以内に検討し、実施準備を行う」とされていることが、本ワーキング・グループにおける検討の前提となります。
 今後検討すべき具体的な仕組みとしましては、最初の丸でありますが、以前、法学未修者1年次の法律基本科目の履修登録単位数の増加を認めた改正がなされたわけでありますが、その改正の実施状況等を踏まえ、現在の法学未修者の学修状況にも配慮しつつ、その単位数の増加及び配当年次の在り方について見直しを検討する。また、2番目の丸で、多様な学修経験や実務経験・社会経験等を有する法学未修者には展開・先端科目群などの一部の履修を軽減するといったような措置について検討すべき旨を示しております。その際、こうした取組を適正に評価できるよう、認証評価機関の評価基準等を見直す必要があるとしております。
 また、法学未修者の学修理解を深めることに資するため、法学部や法学研究科など既存の教育研究組織が提供する授業科目を補習的に活用するということも考えられるとしているところであります。
 次にローマ数字3、学生の適性等に応じ法曹以外への進路を目指す者に対する取組の充実についてという点でございます。本ワーキング・グループでは、法学未修者が安心して法科大学院に入学してくることができるよう、教育内容の充実を図ることはもちろん、法学未修者の進路を支援する観点からの検討を行う必要があるのではないかという点が議論になりました。具体的には、法科大学院修了後に、公務や企業法務などの分野へ進むことを希望する者に対し、進路指導等を通じた就職支援の充実方策を検討し、実施する必要があること。法科大学院教育の意義や内容を広く紹介し、「法務博士(専門職)」の社会的有用性が広く社会に認められることを目指すべきであること。法科大学院在学者であっても、本人の希望や適性等を踏まえ、法曹以外の職種へのきめ細やかな進路指導に努めるなどの支援が必要であること。その際、他の研究科への転科等の促進や、既存研究科等の授業科目を活用しながら、法曹以外の公務、民間向けの人材育成を行う新たなコースを設定すること、また法科大学院で培ったノウハウを活用した新たな教育組織への改組転換を図ることといったようなことが考えられる旨を示しております。
 以上が共通到達度確認試験等に関する検討ワーキング・グループの調査検討に関する経過報告でございます。本委員会における御審議のほどをよろしくお願いいたします。

【井上座長】
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの山本委員からの御報告に基づきまして、御意見、御質問等がございましたら御発言をお願いします。片山委員、どうぞ。

【片山委員】
 詳細な御検討、どうもありがとうございました。幾つかお聞きしたい点がございます。
 一つは、やはり実際の実施ということを考えますと、かなりコストを伴うものになると想像されます。そこで共用試験を既に実施している実施母体のヒアリングを行ったということでありますが、具体的に、差し支えがなければ、どういった機関へのヒアリングを行って、その際に、コストの面について果たして実施が具体的に見込めるのかどうかという点についてどのような議論がなされたのかという点についてお聞きできればと思っております。
 二つ目は、それに関連いたしまして、試行実施をかなり強調されていますが、その試行実施の母体は、その後の本格実施の母体と同じものを考えておられるのか。それとも、別に仮の実施母体を検討されているのかという点についてお聞きできればと存じます。よろしくお願いいたします。

【井上座長】
 山本委員。

【山本委員】
 後で今井室長に補足していただいた方がいいかもしれませんけれども。
 第1点でありますけれども、ヒアリングをしたところは、一つは医学系の医学・歯学の、これは双方を担当している、たしか法人でしたね。

【今井専門職大学院室長】
 事実関係でございますので、事務局から補足説明をさせていただきます。今回ヒアリングを行わせていただいたところは、医学・薬学の分野でそれぞれ共用試験を実施されているところでございまして、医学の関係で申し上げますと、社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構というものがございまして、こちらの幹部の方にお越しいただいて、お話を聞かせていただいたところでございます。
 それから、薬学の関係につきましては、共用試験システムを構築する際にコアとなった東京理科大の先生にお越しいただいて、そのお話を伺ったところでございます。なお、薬学についてはNPO法人で運営されていると伺っているところでございます。

【山本委員】
 コストについてでございますけれども、そのヒアリングの際に、どういう形でそのコストを賄っているかということの質問もさせていただきました。
 それぞれの団体や加盟校からの拠出金等、それから試験の実施については、例えば医学系のものについては受験者、学生から一定の受験料を徴収しているというような御説明を伺いました。
 ただ、我々のワーキング・グループにおきましては、具体的にどのような形で経費を賄うかというところまで詳細な議論をしたわけではございませんで、今後、まさにその試行を通じて、どういう形で。これはまたコンピュータでやるか、紙ベースでやるかということによってもコストはかなり違ってくると思われますので、そういうやり方等も含めて今後それを詰めていく必要があるだろうと、その程度の議論にとどまったところであります。
 それから、その母体、どこがやるのかということについても、これもワーキング・グループの中では、それほど詰めた議論がされたわけではありません。試行を行う母体と本格実施の際の母体とが同じであるべきか、違うべきかというようなことについても、必ずしも、そこまで詰めた議論はなされていないと。
 ただ、いずれにしても、報告書にありますように、全ての法科大学院の協力を得る体制を構築するということが前提になるだろう。その中で、おのずから、どういうところが母体になっていくかが決まっていくのではないかと。そういうような形であったかと思います。

【井上座長】
 よろしいでしょうか。

【片山委員】
 ありがとうございました。

【井上座長】
 ほかの方、いかがでしょうか。どうぞ。

【杉山委員】
 学生さんの立場から見ると、やっぱり一つ確認テストというのが増えるので、負荷が増えるだろうと理解しました。現状100とすると、どれぐらい負荷を増えることを想定しているのでしょうか。
 というのは、やはり6ページのところで、るる、いろいろな対策を述べられましたけれども、考える勉強とか、多様な知識を得る勉強が現状よりも、ますますその時間がなくなってしまうのかなという懸念の質問なんですけれども。

【山本委員】
 ありがとうございます。100としてどれぐらいかというのは、なかなかお答えは難しいんですけれども、一つは、これが繰り返しここで述べられていることが、こういう試験を行うことが法科大学院教育に対する悪影響といいますか、今まさに杉山委員から御指摘があったような、過度に知識を偏重するような風潮みたいなものを学生の間に持ち込まないように、できるだけ様々な工夫を行っていくと。医学のCBTなどでも、一定の思考力を問うような問題の作成に向けての努力みたいなのがされておるようでありますので、そういったものを参考にしながら、純粋の知識だけではなくて、法的な思考力、具体的な事例について当てはめを行って、適切な分析を行っていくような能力、考える力みたいなものも見られるようなものにできないかと。そこの工夫というようなことが必要ではないかというのは、ワーキング・グループでの意見の一致はあったところです。
 それから、学生の負担という点につきましては、確かに負担が増えるという面もあるわけでありますが、これは難易度の設定にも関係する問題だと思うのですけれども、我々としては、これに向けて、かなり必死で勉強しないと合格しないというようなことではなくて、法科大学院で普通に授業を受けて、そこで単位を修得して勉強をしておれば、通常、合格ラインに到達するであろう、というような試験を想定しているところで、学生の側から見ても、今の法科大学院の学生などを見ていますと、やはり全国レベルの中で自分の位置がどこにあるのかについて、かなり自分の中で知りたいところがある部分があるように思いますので、そういう意味では、こういう試験を行う。今は、予備校の模擬試験とかで、そういうようなことが実は行われているのではないかと思っているのですけれども、こういう形で信頼できる試験を置くことによって、学生としても、そういう安心感というと語弊があるかもしれませんが、そういうものがもたらされるのではないかという面も期待をしておりまして、そういう意味で一定程度負担が増えることは確かだとは思いますけれども、今のようなことで対応していけるのではないかと考えているということです。

【井上座長】
 今の点、共通到達度確認試験はCBTとちょっと違うところがあります。医学・薬学のCBTは、臨床実習に出すのに必要とされる最小限の知識等を修得しているかを確認するためのものです。ですから、学生は短期間集中してその準備をするようなのですけれども、今回の検討会議で言われている共通到達度確認試験というのは、その試験のために何か特別の勉強をしなければならないようなものではなく、授業をきちんと受けていれば到達できるような能力を試すものだと承知しています。
 逆に申しますと、そのようなレベルの授業をしてもらわないと困る、ということで、個々の学生が努力するというよりは、そのレベルに多くの学生が達しないとすれば、授業の組み方とか内容、レベルに問題があるということになるので、そこを見直してもらう手がかりになる。そういうアイデアではないかなと思うのですけれども、そういうことでよろしいですか。

【山本委員】
 ええ。全くそのとおりだと思います。

【井上座長】
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、樫見委員。

【樫見委員】
 3点ほど。1点は、既におっしゃっていただいたので、私も再度強調したいのですが、やはり学生にとってはかなり負担感になるのではないかと。もちろん試験の内容によっても、ある程度多数の受験者数を想定して問題を作るわけですから、内容的には当然、かなり短答式的あるいは選択的なものになるかとは思いますので、やはりその点、本来、学生にやってほしい思考力の訓練ですとか、そういうところに少し影響があるのではないかと考えている点。これは私個人の意見でございます。
 あと2点は、意見と質問でございます。1点は、6ページのところで、平成22年に1年次の法律基本科目の履修単位数が6単位まで増加できるようにしたということで、この点については少し足りないと私自身も思っておりましたので、これは良かったというふうに私自身は思っておりますが、現在の状況で、更に法律基本科目の履修の単位数を増やすことについては、ちょっと疑義がございます。
 それは、やはり法科大学院は、全ての大学教育がそうなのですが、授業時間に対して同じ時間数、予習、復習に費やすという前提から考えますと、これ以上、授業時間数を増やすという、結果としてはそうなろうかと思うのですが。そうしますと、学生にとってはかなり、現状を見ましても、もちろん、当然のことではありますが、ほとんど週末とか、そういうことも全て次の週の予習あるいは復習に費やされている現状なり鑑みますと、この点については、実際の学生の勉強状況といいますか、その点の御配慮をお願いしたいというのが2点目でございます。
 それから3点目は、同じページのところで、最初のところの4ぽつ目、丸のところで、既存の教育組織、法学部ですとか法学研究科の提供する授業科目を補習的に活用ということですが、この意味するところは、これは単位化をしないと。法科大学院の取得単位数の中に入れないという趣旨に理解してよろしいでしょうか。
 以上でございます。

【山本委員】
 まず第2点の、この法律基本科目の単位数の増加が学生の負担というか、予習、復習の負担になるのではないかという御指摘ですが、まさに樫見委員の御指摘のような議論がワーキング・グループでも行われました。現在も6単位まで増加できるようになっているわけですが、丸々6単位を増加している法科大学院は必ずしもそれほど多くはない状況にあるようでありまして、この上、更にその単位数を増やす必要があるのかという議論はワーキング・グループでも出ました。
 ただ、ここでは単位数の増加と並んで配当年次の在り方についても見直しをするということになっておりまして、今の制度は1年次については6単位まで増加できるわけですが、2年次、3年次は、単位を増加できる年次に含まれていないわけで、今回のこの提言は、その2年次、3年次についても、この未修者については基本科目の単位数を増やせるということで、いわば、それをならすことができるようになるので、そういう形にすれば、今の樫見委員の御懸念にある程度対応できるのではなかろうかということで、こういう形になっているということです。
 それから、最後の丸のところの、この補習的な活用という点でありますけれども、元の案としては、科目等履修として、こういうことを認めるという議論もあったのですけれども、樫見委員がおっしゃるように、やはり法科大学院の理念から必ずしも法科大学院の単位として正面から認めるのはどうかという御意見もありました。最終的には、そういう単位化、科目等履修ということではなくて補習的な活用という形で整理をした次第でございます。

【井上座長】
 今の最後の方で言われた、6単位の問題と学部等の講義の活用ですけれども、これについては、認証評価との連携という点に十分配慮する必要があると思います。例えば6単位の問題について申しますと、せっかくいろいろ工夫して授業を設け、法科大学院出身の弁護士に来てもらって後輩を指導してもらおうとすると、認証評価の方で教員資格の問題が出てきて、そのような授業を設けるのは問題だと厳しく指摘されるといったことが起きます。それは、法科大学院設置当初から、隠れた受験対策ということが懸念され、非常に過敏な対応をしてきたというところから来ているのだろうと思うのですけど、その辺なども、実質を見て柔軟な評価をしないと、せっかくの積極的な試みが潰されてしまうことになりますので、認証評価との連動について十分な配慮が必要だろうと思います。

【山本委員】
 今の座長の点も、やはり、ワーキング・グループでかなり問題点が指摘されまして、このローマ数字2の三つ目の丸のところで、この認証評価機関の評価基準等の見直しについても言及しておりますのは、まさにそのような趣旨です。とりわけ先ほどの担当教員の問題については具体的にワーキング・グループでも指摘をされまして、この実務家教員の授業の担当範囲という言葉が、今おっしゃったように若手の実務家、法科大学院卒修了生の実務家などを使って、そういう基本科目の補習的な授業ができても良いではないかと。そのために認証評価基準についても、やはり見直しが必要ではないかという御指摘が出まして、このような整理になっている次第です。

【井上座長】
 趣旨を明確にしたいのですが、一つは、この共通到達度確認試験については、幾つかのやり方が考えられるけれど、まずは未修者に焦点を当ててやっていく。そして、その結果を見て2年生にも拡大していくということ、これは現実的だと思うのですが、もう一つ、方式について、コンピュータを使ったCBTのような方式は、いろいろコストの問題とか、最初に1万とか2万という数の問題をプールする必要があるため、ちょっと難しいというニュアンスなのかなと思いますけれども、この紙媒体にするということの中身なんですが、これは、択一とか、そういう短答的なものにするというイメージなのかどうか。確かに、コンピュータ用にたくさん作るよりは、作題については比較的コストが小さいかもしれないんですけれど、採点が非常にコストがかかる。恐らく耐えられないと思うのですが、そういうことをどうお考えなのかということと、もう一つは、5ページで丸の下から二つ目のところで、未修者については「より早期に」となっているのですけれど、この「より早期」ということの意味ですね。なるべく早くという意味なのか、何か想定された期日があって、それよりは早くに前倒しにという意味なのか。どっちなのかということですが。

【山本委員】
 ありがとうございます。第1点です。この紙媒体等という場合のイメージですけれども、基本的にはそこまで詰めてはいないと思いますけれども、基本的には採点者によって、その採点が異なる結果になるようなもの。まさに論述式で、本当に長い論述をさせて、それを採点するというようなものは、この試験の性質からいって望ましくないのではないか。これは、たしか磯村委員もワーキング・グループの中で御発言を頂いたと思いますけれども、そのような御指摘がありました。したがって、短答式かどうかはともかく、採点者間でそれほど差が出ないような形での試験が念頭に置かれているということ。そういう意味では、コストというか、負担といったものが採点の面については大きくないようなものを結果として想定しているということになると思います。
 それから、5ページの「より早期に」というのは、これは私の理解では、その上の丸との連続性みたいなものがあって、1年次の学年末に実施する試験を2年次の学年末に実施する。要するに、既修者向けの試験に比べて「より早期に」ということだったのではないかと思うんです。そちらの方を先に本格化する。1年次の未修者の方を先に本格化するという趣旨で書かれているものだと理解しております。

【井上座長】
 ほかの方。どうぞ、椎橋委員。

【椎橋委員】
 確認試験の難易度についてお伺いしたいんですけれど、先ほど来御発言があって、法科大学院生が真面目に勉強して単位を取っていれば通るようなレベルのものだと。これは法科大学院共通の客観的かつ厳格な進級判定を行う仕組みだということであれば、やっぱり、そういう程度のものかなと思いますけれども、他方で、4ページの司法試験との関係で、場合によっては2年次の学年末の確認試験で一定程度の成績を達成した者は司法試験の短答式試験の免除はあり得るというような書き方をされています。
 この意味ですけれども、私がおもしろいと思ったのは、純粋未修者にとって短答式試験は非常に大きな壁なので、法科大学院で、まさにプロセスとして勉強していくという過程において、そんな膨大な知識はなくても、誰が一定の思考力、分析力、応用力等を付けたことは分かるような判定はできるのではないか。確認試験の精度を高めていけばですね。ですから、一定の条件が整えば短答式試験の免除もあり得るのかなと思っていたんですけれども、このあたりのところはどういうふうにお考えになっているのか、お願いしたいと思います。

【山本委員】
 今の御指摘の点が、私の印象ではワーキング・グループで最も難しい問題となった点ではなかったかと理解しております。ワーキング・グループの、この報告書の基本的な考え方として、目的のところにありますようにこの確認試験というのは第一義的には、法科大学院教育を充実させていく。その質保証を図っていくと。法科大学院教育の観点から考えるべきものであるということがあったかと思います。そのために、その試験方式、試験科目、試験時期、難易度等を含めて考えていくべきである。それが、第一義的にあるということだと思います。
 司法試験との関係につきましては、4ページの取りまとめのところにもありますように、そういう形で確認試験を実施していくことが、結果的に司法試験の短答式の免除につながっていくということはあり得るだろうと。ただ、それは確認試験の試行結果と司法試験の合格状況というものが、どういう相関関係を持つのかについても検証しながら、関係各所でお考えいただくべきところではないかと。つまり、司法試験に引きずられることによって確認試験の科目とか難易度とか、そういったものが決まっていく性質のものではないという位置付けをしているところでございます。

【井上座長】
 今の点も非常に難しいところです。検討会議でも、そういう議論があったのですけれど、まとめとしては、これを育てていけば、その視野にそういうものが入ってき得るといったニュアンスになっていると思います。それを、最初から前倒ししたら、恐らくかなり難しい試験になってしまい、先ほど来御心配の学生の負担が過剰になる、そのために特別の勉強をすることが必要になる、そういう弊害を招来してしまうだろうと思うのですね。
 ですから、やはり、まずは未修者に焦点を当てて制度設計し、その上で、2年生についても活用できるようなものにしていくことにより、各法科大学院における教育の質の確認ですとか、学生個々の到達度の確認に資するものにするということが大事で、それが育っていけば、出口の先にある司法試験制度の方で、なるほどここまでのものになっているということで、適切な対応が講じられることが考えられ得る。そのくらいの位置付けなのだろうと思うのです。
 ほかにいかがでしょうか。磯村委員。

【磯村委員】
 先ほど山本委員から名前が挙げられたのは発言するようにという御趣旨かなと思いました。試験の方式についてはいろんな議論があったんですけれども、最初は、短い文章であっても記述式で書かせて、それで考え方ができているかどうかを確認することはあり得るのではないかという御意見も結構強くありました。しかし、私が消極的な意見を申し上げた最大の理由は、これを全国的に共通の試験としてやると、評価が入ってくるために、もし本当にそれをするとすると、評価をする人をある程度統一しないといけないということになりますが、それは恐らく事実上不可能な負担を伴うことになるという点にありました。また、医学、歯学系の共用試験においても連問を作ることによって、ある程度考え方、思考のパターンを確認することはできるのではないかという点も考慮され、紙ベースで実施する場合でも、評価の余地をなくして、誰が採点しても同じ結果になる試験方式で行うということになりました。
 この方式の一つのネックは、CBT方式の場合には、各法科大学院がそれぞれ実施しやすい時期に試験を行うことはできるんですけれども、紙ベースではそれがまず無理だと思いますので、そうすると、どこかの時期で統一実施の日程を確保することが必要になるというのは問題になるかと思います。
 しかし、法科大学院の現在の学生数を考慮すると、先ほど片山委員からも出ましたけれども、コスト的にも、コンピュータベースでやることを各法科大学院に期待するのは難しいのではないかということで、少なくとも試行としては紙ベースでやっていこうという結論になったかと思います。
 もう一つは、先ほど御意見の出た司法試験の短答式との関連性なんですけれども、3ページの実施時期の表のところに、「その他の科目」が挙がっていて、これは法律基本科目の憲法、民法、刑法以外の科目が、ここで4科目挙がっているんですけれども、法科大学院の中で、どういう勉強をして、その到達度がどうであるかを確認するというときには、別に憲法、民法、刑法に限る問題ではないだろうと。しかし、ほかの法律基本科目を入れるとすると、例えば実施時期が本当に2年次の終わりでいいのかどうかということにもなってきます。憲法、民法、刑法に比べると、ほかの4科目というのは、各法科大学院の教育理念に従って、配当の学年や各時期における内容が随分流動的なところはあるので、そういう点も考慮すると、この表だけを見ると、枠がかなり固定的なように見えるけれども、実際に試行していく中でどういう問題があるかということを、もう少しゆっくり見ていく必要があるということも考えられました。
 したがって、先に短答式試験との連動があるのではなくて、椎橋先生からも御指摘があったように、まずこの確認試験を実施してみて、それがどういう成果をもたらすかを見極める中で、短答式との関係付けをどう考えるかという議論も出てくるという理解でワーキングは最終的には意見が一致したと思います。

【井上座長】
 紙式とCBT的な方式とは一長一短で、各ロースクールのカリキュラムの組み方が多様であることを前提にすると、CBTの方が柔軟に対応できるという面があるわけですが、イニシャル・コストとか維持費を考えると、おっしゃったように現実論として難しい問題が出てくるということでしょうね。
 どうぞ、片山委員。

【片山委員】
 時間の関係で申し訳ないですが、一言だけ意見を述べさせていただきます。まず未修者からの試行実施ということで、その点については大変結構かと思います。未修者教育の充実という点からすると、やはり確認試験は必要なものだと思いますが、逆に、既修者についてどこまで実施していくのか、そもそもその必要性があるのかという点については、今後とも慎重に検討していく必要があるのではないかと思っております。今、そういう意味で課題のある法科大学院が多数あることを前提とした上で確認試験の必要性が既修にあるのかもしれませんが、それは今後改善されていって、きちんと教育が実施されているということになるとしましたら、そこで、わざわざ確認をしていく必要があるのかという問題はあると思います。既修に関しては2年という短い間の教育を各法科大学院が特徴を持って取り組んでいる中で、その途中の1年目で統一的な確認試験をするというタイミングが果たして妥当なのかどうかという点もあるでしょうし、むしろ質の保証ということでしたら、司法試験の択一試験の免除と直結させて、法科大学院の修了試験の一つとしてやるような実施形態も考えられると思いますので、既修での実施に関しましては、今後いろいろな点を総合的に考慮されて、是非検討を続けていっていただければと思っている次第でございます。

【井上座長】
 ただいまの御発言は御意見として伺っておきます。
 ほかに御意見等ございませんでしょうか。
 共通到達度確認試験に関するワーキング・グループの御報告につきましても、本日の御議論にとどまらず、今後も特別委員会において引き続いて議論を行っていきたいと思います。
 山本主査及び参画いただきました委員の皆様には、短期間に集中的に、精力的に議論をしていただきまして、どうもありがとうございました。
 以上につきましては、今後、政府全体としての検討に関連することが多くなりますので、それを見ながら、本特別委員会としてもしっかりとした議論をした上で、何らかの取りまとめを行う方向で進めていきたいと思っております。
 次の議事に移りたいと思います。政府における法曹養成制度に関する提言・決定の中では、御承知のように、法科大学院における飛び入学等の積極的な運用など、法科大学院教育に関する幾つかの点について指摘がされているところであります。こうした指摘を受けている点につきましては、今後、どのような改善方策があり得るのか、この委員会においても議論を是非していただきたいと思っています。
 本日、ここで、いきなり中身に入って議論をしていただくのは適切ではないかもしれませんので、その手がかりとして、どういう論点があるのかについて事務局で整理をしていただきました。それについての説明を伺いたいと思います。

【今井専門職大学院室長】  
 それでは失礼いたします。資料5を御覧いただけたらと存じます。
 資料5、今後法科大学院特別委員会として検討を要する事項(案)でございます。大きく3点記載をさせていただいております。
 上二つの白丸につきましては、本日それぞれ御報告を頂きました組織見直し促進に関する検討ワーキング・グループの調査検討経過報告を議題として、組織見直しを促進するための具体的方策、特に認証評価の抜本的見直しの具体的方策についての、また連合・連携、改組転換の促進の具体的方策などについて、この特別委員会として議論を更に実施していただけたらどうかと考えているところでございます。
 また、二つ目の白丸にございますように、共通到達度確認試験等に関する検討ワーキング・グループの調査検討経過報告を議題として、共通到達度確認試験の基本設計、法学未修者が基本的な法律科目をより重点的に学ぶことを可能とするための仕組みについて、また学生の適性等に応じ法曹以外への進路を目指す者に対する取組の充実について、本特別委員会としての御議論を更に実施していただいたらどうかと考えているところでございます。
 これら二つに加えまして三つ目の白丸でございますが、今後更に、以下に掲げるような点についても議論を深めていただく必要があるのではないかと考えております。
 例えば小さな黒ぽつ一つ目以降でございますが、今後目指すべき法科大学院の将来像について。また、個別論点で申し上げますと、二つ目の黒ぽつ以下でございますが、法科大学院による法曹有資格者の活動領域拡大に向けた積極的な取組について。また、三つ目の黒ぽつでございます。法学部教育も含めた法曹養成期間の短縮、また、特に例えば早期卒業や飛び入学の積極的な運用の在り方について。また、黒ぽつ四つ目、法科大学院における法律実務基礎教育の質の向上に向けた取組について。そして最後の黒ぽつでございますが、各法科大学院の特色を生かした継続教育機関としての役割の充実について。そういったことが主な議題として考えられます。
 また、これ以外にも、この特別委員会での御議論を進めていただく中で整理をさせていただけたら大変ありがたいと考えているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。

【井上座長】
 ありがとうございました。ただいまの点については、今後この特別委員会で実質的な議論を行っていただきたいと思っております。
 私どもの方で用意しました本日の議事は以上でございますけれども、この際何か御発言等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議事はこれで終了とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

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-- 登録:平成26年01月 --